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特開2024-46915入力補助装置、個人情報管理システム、入力補助方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046915
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】入力補助装置、個人情報管理システム、入力補助方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240329BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152283
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】小宮 健志
(72)【発明者】
【氏名】稲村 恭介
(72)【発明者】
【氏名】上田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】納 友裕
(72)【発明者】
【氏名】板橋 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】上村 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC36
5L049EE06
5L049EE09
(57)【要約】
【課題】 地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースを、住民の生活の利便性を向上させるために有効活用する。
【解決手段】 受信部(11)は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信し、取得部(12)は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースから、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得し、入力部(13)は、データベースから取得された住民の個人情報をWebフォームに入力し、出力部(14)は、住民の個人情報が入力されたWebフォームのデータを出力する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信する受信手段と、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得する取得手段と、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力する入力手段と、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する出力手段と
を備えた入力補助装置。
【請求項2】
前記住民の前記識別情報に基づいて、前記住民についての個人認証を実行する認証手段をさらに備え、
前記住民についての個人認証に成功した場合、前記取得手段は、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の前記個人情報を前記データベースから取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の入力補助装置。
【請求項3】
前記住民の前記識別情報は、前記住民の生体から得られた
ことを特徴とする請求項1に記載の入力補助装置。
【請求項4】
前記住民の前記識別情報は、前記住民の身分証明書に搭載されたICチップから得られた
ことを特徴とする請求項1に記載の入力補助装置。
【請求項5】
前記データベースは、前記住民の氏名、年齢、及び住所のうち少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の入力補助装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の入力補助装置と、
前記地方公共団体に所属する前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに自動入力するために使用される端末と、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する前記個人情報を格納したデータベースと
を備えた個人情報管理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信し、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得し、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力し、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する
入力補助方法。
【請求項8】
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信することと、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得することと、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力することと、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力することと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力補助装置、個人情報管理システム、入力補助方法、およびプログラムに関し、特に、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースを利用して、住民の個人情報をWebフォームに自動入力することを補助する入力補助装置、個人情報管理システム、入力補助方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
役所の窓口には、住所変更や住民票のコピーの発行等の各種の申請または手続きを行うために、常に、住民が殺到している。そのため、地方公共団体の職員の業務がひっ迫するといった問題が発生している。このような問題に対応するために、地方公共団体への申請や手続きを、オンライン上で完結することを可能にするインターネットサービスが提供されている。地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースが構築されている。
【0003】
特許文献1には、住民が住民票や印鑑登録証明書等の交付をいつでも受けることを可能にする証明書交付機が記載されている。
【0004】
特許文献2に記載の関連する発明は、ICカードの形態の身分証明書に紐づけられた個人情報が更新された際に、他のI身分証明書に紐づけられた個人情報も自動的に更新することを可能とするための仕組みを提供する。
【0005】
特許文献3には、予め定められたトリガと合致するイベント(例えば、本人の死亡)が検知された場合に、当該トリガと紐づけられたシナリオにしたがって、複数の組織の間で、イベントに関する情報を共有するための連携基盤システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-259563号公報
【特許文献2】特開2009-245399号公報
【特許文献3】特開2021-60903号公報
【特許文献4】特開2011-170757号公報
【特許文献5】特開2013-257618号公報
【特許文献6】特開2002-245246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
住民は、引っ越しにより住所が変わったときや、結婚により苗字が変わったとき、通常、地方公共団体に対して届出を行う。地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースには、住民に関する最新の個人情報が保存されている。住民の個人情報およびプライバシーを保護しつつ、このデータベースを有効活用する仕組み作りが模索されている。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースを、住民の生活の利便性を向上させるために有効活用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る入力補助装置は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信する受信手段と、前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得する取得手段と、前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力する入力手段と、前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する出力手段とを備えている。
【0010】
本発明の一態様に係る個人情報管理システムは、前記入力補助装置と、地方公共団体に所属する住民の個人情報をWebフォームに自動入力するために使用される端末と、前記地方公共団体に所属する前記住民に関する前記個人情報を格納したデータベースとを備えている。
【0011】
本発明の一態様に係る入力補助方法では、コンピュータが、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信し、前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得し、前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力し、前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する。
【0012】
本発明の一態様に係るプログラムは、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信することと、前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得することと、前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力することと、前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力することと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベースを、住民の生活の利便性を向上させるために有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1~2のいずれかに係る入力補助装置を備えた個人情報管理システムの構成の一例を概略的に示す図である。
図2】住民が使用する端末の画面に表示されるWebフォームの一例を模式的に示す図である。
図3】実施形態1に係る入力補助装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係る入力補助装置の動作を示すフローチャートである。
図5】実施形態2に係る入力補助装置の構成を示すブロック図である。
図6】実施形態2に係る入力補助装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施形態1~2のいずれかに係る入力補助装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、いくつかの実施形態について、以下で説明する。
【0016】
(個人情報管理システム1)
図1を参照して、後述する実施形態1~2に係る入力補助装置10,20のいずれかを備えた個人情報管理システム1の構成の一例を、最初に説明する。図1において、「入力補助装置10(20)」とは、実施形態1~2に係る入力補助装置10,20のいずれかを表す。
【0017】
図1に示すように、個人情報管理システム1は、入力補助装置10(20)、端末100、およびデータベース200を備えている。入力補助装置10(20)、端末100、およびデータベース200は、有線又は無線のネットワークを介して、通信可能に接続されている。
【0018】
端末100は、地方公共団体に所属する住民により使用される。住民は、端末100を用いて、金融機関やクレジットカード会社等のオンラインサイトにアクセスして、所定のWebページを開く。Webページには、住民の氏名や住所等の個人情報を入力するためのWebフォームが含まれている。
【0019】
端末100は、例えば、オフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、あるいは多機能端末機である。端末100は、例えば、住民の私有のスマートフォンである。
【0020】
地方公共団体に所属する住民は、端末100に対して、住民に固有の識別子を示す識別情報を入力する。識別子は、例えば、国民識別番号、運転免許証番号、または健康保険証番号である。他の例では、識別子は、生体データ(例えば、指紋のパターン、顔の特徴量)(実施形態2)である。端末100は、入力された識別情報を、入力補助装置10(20)へ送信する。
【0021】
データベース200には、地方公共団体に所属する住民に関する情報が格納されている。住民に関する情報は、いわゆる「個人情報」、「個人データ」、および「保有個人データ」を含み、かつ、住民に関するその他の機微情報(例えば、住民のプライバシーや人権に関わる情報、住民税や固定資産税など地方税に関する情報、児童手当などの支給金に関する情報)も含む。データベース200では、住民の識別情報と、当該住民の個人情報とが紐づけられている。ここで「紐づけられている」あるいは「紐づいた」とは、異なる情報の間に関係があることを意味する。
【0022】
入力補助装置10(20)は、データベース200に格納されている住民に関する情報を参照し、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する。ここでの住民の個人情報には、他の情報と照合せずに、または照合して、特定の住民を識別できるものが含まれる。特に、住民の個人情報には、住民の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、印鑑証明、および、予め登録された生体データ、並びに、その他の識別子が含まれる。入力補助装置10(20)は住民の識別情報をどこから取得してもよい。住民の識別情報は、住民の生体から得られたものであってもよい。あるいは、住民の識別情報は、住民の身分証明書に搭載されたICチップから得られてもよい。
【0023】
入力補助装置10(20)は、データベース200から取得した住民の個人情報に基づいて、Webフォーム110(図2)に自動入力する。ここでWebフォーム110とは、端末100が入力あるいは選択した情報を、エージェント(例えば、システムサーバ)へ提出するための機構のことである。
【0024】
例えば、入力補助装置10(20)は、Webフォーム110に含まれる1または複数の入力欄に、住民の住所や氏名などの個人情報を入力する。そして、入力補助装置10(20)は、入力されたWebフォーム110を、住民が使用する端末100へ送信する。
【0025】
(Webフォーム110への入力の一例)
図2は、Webフォーム110の一例を示す図であり、Webフォーム110への入力の一例を示す図である。図2に示すWebフォーム110には、住民の氏名、年齢、および住所を入力するための複数の入力欄が含まれている。
【0026】
住民自ら、あるいは入力補助装置10(20)が、それぞれの入力欄に、適切な値(パラメータ)を入力する。例えば、住民または入力補助装置10(20)は、Webフォーム110の「氏名」の入力欄に、「日電太郎」と入力する。住民または入力補助装置10(20)は、その他の空の入力欄にも、それぞれ適切な個人情報を入力する。
【0027】
入力補助装置10(20)は、個人情報を入力されたWebフォーム110のデータを、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100へ送信する。
【0028】
なお、入力補助装置10(20)の各機能およびそれらが実行する処理については、後述する実施形態1~2で説明する。
【0029】
〔実施形態1〕
図3図4を参照して、実施形態1について説明する。
【0030】
(入力補助装置10)
図3は、本実施形態1に係る入力補助装置10の構成を示すブロック図である。図3に示すように、入力補助装置10は、受信部11、取得部12、入力部13、および出力部14を備えている。
【0031】
受信部11は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォーム110(図2)のデータをそれぞれ受信する。受信部11は、受信手段の一例である。
【0032】
一例では、受信部11は、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100(図1)から、住民の識別子を示す識別情報(例えば、国民識別番号)を受信する。例えば、識別情報は、住民の手で入力される。また、受信部11は、端末100から、未入力のWebフォーム110も受信する。例えば、未入力のWebフォーム110は、インターネット上のWebサイトから取得される。未入力のWebフォーム110には、1または複数の空の入力欄が含まれている。
【0033】
受信部11は、端末100から受信した住民の識別情報を、取得部12へ出力する。また、受信部11は、未入力のWebフォーム110のデータを、入力部13へ出力する。
【0034】
取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200(図1)から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する。取得部12は、取得手段の一例である。
【0035】
一例では、取得部12は、受信部11から、端末100より送信された住民の識別情報を受信する。取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200を参照する。そして、取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、データベース200から取得する。
【0036】
取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、入力部13へ出力する。
【0037】
入力部13は、データベース200から取得された住民の個人情報をWebフォーム110に入力する。入力部13は、入力手段の一例である。
【0038】
一例では、入力部13は、取得部12から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を受信する。また、入力部13は、受信部11から、未入力のWebフォーム110のデータを受信する。入力部13は、受信した住民の個人情報の中から、未入力のWebフォーム110に含まれる入力欄に合致する個人情報を抽出する。例えば、入力部13は、特定の自動入力フレームワークにしたがって、未入力のWebフォーム110の入力欄に、住民の個人情報を入力する。
【0039】
入力部13は、入力済のWebフォーム110、すなわち、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを、出力部14へ出力する。
【0040】
出力部14は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを出力する。出力部14は、出力手段の一例である。
【0041】
一例では、出力部14は、入力部13から、入力済のWebフォーム110のデータを受信する。その後、出力部14は、入力済のWebフォーム110のデータを、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100(図1)へ送信する。
【0042】
(入力補助装置10の動作)
図4を参照して、本実施形態1に係る入力補助装置10の動作を説明する。図4は、入力補助装置10が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
図4に示すように、受信部11は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォーム110(図2)のデータをそれぞれ受信する(S101)。受信部11は、端末100から受信した住民の識別情報を、取得部12へ出力する。また、受信部11は、未入力のWebフォーム110のデータを、入力部13へ出力する。
【0044】
取得部12は、受信部11から、端末100より送信された住民の識別情報を受信する。取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200(図1)から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する(S102)。取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、入力部13へ出力する。
【0045】
入力部13は、取得部12から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を受信する。また、入力部13は、受信部11から、未入力のWebフォーム110のデータを受信する。入力部13は、データベース200から取得された住民の個人情報をWebフォーム110に入力する(S103)。入力部13は、入力済のWebフォーム110、すなわち、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを、出力部14へ出力する。
【0046】
出力部14は、入力部13から、入力済のWebフォーム110のデータを受信する。出力部14は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100(図1)へ出力する(S104)。
【0047】
以上で、入力補助装置10の動作は終了する。
【0048】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、受信部11は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォーム110のデータをそれぞれ受信する。取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する。入力部13は、データベース200から取得された住民の個人情報をWebフォーム110に入力する。出力部14は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを出力する。
【0049】
住民は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110を使って、インターネット銀行への住所変更の手続きや、宿泊施設の予約などを行うことができる。あるいは、住民は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110を使って、チケットの購入を申し込むことができる。これにより、住民は、同じ個人情報(例えば、住所や氏名)を何度も繰り返し入力する手間を省くことができる。このようにして、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200を、住民の生活の利便性を向上させるために有効活用することができる。
【0050】
〔実施形態2〕
図5図6を参照して、実施形態2について説明する。本実施形態2では、住民の識別情報に基づいて、住民についての個人認証を実行した後、データベース200から住民の個人情報を取得する構成を説明する。なお、本実施形態2では、前記実施形態1と共通する構成要素に同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
(入力補助装置20)
図5は、本実施形態2に係る入力補助装置20の構成を示すブロック図である。図5に示すように、入力補助装置20は、受信部11、取得部12、入力部13、および出力部14を備えている。入力補助装置20は、認証部25をさらに備えている。
【0052】
認証部25は、住民の識別情報に基づいて、住民についての個人認証を実行する。認証部25は、認証手段の一例である。
【0053】
本実施形態2では、受信部11は、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100(図1)から、住民の識別子を示す識別情報(例えば、国民識別番号)を受信する。受信部11は、端末100から受信した住民の識別情報を、取得部12へ出力する。また、受信部11は、住民の識別情報を、認証部25へ出力する。
【0054】
一例では、認証部25は、受信部11から、住民の識別情報を受信する。認証部25は、住民の識別情報を用いて、住民を個人認証する。例えば、認証部25は、住民の識別情報として、住民の生体データを受信する。住民の生体データとは、例えば、指紋のパターンあるいは顔の特徴量のデータである。あるいは、住民の生体データとは、声紋、虹彩のパターン、または静脈のパターンであってもよい。
【0055】
認証部25は、住民の生体データと、データベース200(あるいは図示しない他の個人除法データベース)に予め登録された住民の生体データとを照合する。認証部25は、個人認証の結果、すなわち、個人認証の成否を示す情報を、取得部12へ出力する。
【0056】
取得部12は、認証部25から、個人認証の成否を示す情報を受信する。認証部25が住民についての個人認証に失敗した場合、取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報をデータベース200(図1)から取得しない。
【0057】
認証部25が住民についての個人認証に成功した場合、入力補助装置20の取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、データベース200(図1)から取得する。そして、取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、入力部13へ出力する。
【0058】
(入力補助装置20の動作)
図6を参照して、本実施形態2に係る入力補助装置20の動作を説明する。図6は、入力補助装置20が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図6に示すように、受信部11は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォーム110のデータをそれぞれ受信する(S201)。受信部11は、端末100から受信した住民の識別情報を、取得部12および認証部25へ出力する。また、受信部11は、未入力のWebフォーム110のデータを、入力部13へ出力する。
【0060】
認証部25は、受信部11から、端末100より送信された住民の識別情報を受信する。認証部25は、住民の識別情報に基づいて、住民についての個人認証を実行する(S202)。認証部25は、個人認証の結果、すなわち、個人認証の成否を示す情報を、取得部12へ出力する。
【0061】
取得部12は、受信部11から、端末100より送信された住民の識別情報を受信する。取得部12は、認証部25から、個人認証の結果、すなわち、個人認証の成否を示す情報を受信する。
【0062】
認証部25による個人認証の結果が、個人認証に失敗したことを示す場合(S203でNo)、フローはステップS202へ戻る。
【0063】
一方、認証部25による個人認証の結果が、個人認証に成功したことを示す場合(S203でYes)、取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200(図1)から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する(S204)。取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を、入力部13へ出力する。
【0064】
入力部13は、取得部12から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を受信する。また、入力部13は、受信部11から、未入力のWebフォーム110のデータを受信する。入力部13は、データベース200から取得された住民の個人情報をWebフォーム110に入力する(S205)。入力部13は、入力済のWebフォーム110、すなわち、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを、出力部14へ出力する。
【0065】
出力部14は、入力部13から、入力済のWebフォーム110のデータを受信する。出力部14は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを、地方公共団体に所属する住民が使用する端末100(図1)へ出力する(S206)。
【0066】
以上で、入力補助装置20の動作は終了する。
【0067】
(本実施形態の効果)
本実施形態の構成によれば、受信部11は、地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォーム110のデータをそれぞれ受信する。取得部12は、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200から、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報を取得する。入力部13は、データベース200から取得された住民の個人情報をWebフォーム110に入力する。出力部14は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110のデータを出力する。
【0068】
住民は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110を使って、インターネット銀行への住所変更の手続きや、宿泊施設の予約などを行うことができる。あるは、住民は、住民の個人情報が入力されたWebフォーム110を使って、チケットの購入を申し込むことができる。これにより、住民は、同じ個人情報(例えば、住所や氏名)を何度も繰り返し入力する手間を省くことができる。このようにして、地方公共団体に所属する住民に関する情報を格納したデータベース200を、住民の生活の利便性を向上させるために有効活用することができる。
【0069】
さらに、本実施形態の構成によれば、認証部25は、住民の識別情報に基づいて、住民についての個人認証を実行する。住民についての個人認証に成功した場合、取得部12は、住民の識別情報と紐づいた住民の個人情報をデータベース200から取得する。これにより、住民になりすました偽者が、住民の個人情報を使って、住民の個人情報をデータベース200から窃取することを防止することができる。その結果、住民の個人情報を保護しつつ、住民の生活の利便性を向上させることができる。
【0070】
(ハードウェア構成について)
前記実施形態1~2で説明した入力補助装置10、20の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。これらの構成要素の一部又は全部は、例えば図7に示すような情報処理装置900により実現される。図7は、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0071】
図7に示すように、情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
【0072】
CPU(Central Processing Unit)901
ROM(Read Only Memory)902
RAM(Random Access Memory)903
RAM903にロードされるプログラム904
プログラム904を格納する記憶装置905
記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
データの入出力を行う入出力インタフェース910
各構成要素を接続するバス911
前記実施形態1~2で説明した入力補助装置10、20の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が読み込んで実行することで実現される。各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901がRAM903にロードして実行される。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0073】
上記の構成によれば、前記実施形態1~2で説明した入力補助装置10、20が、ハードウェアとして実現される。したがって、前記実施形態1~2のいずれかにおいて説明した効果と同様の効果を奏することができる。
【0074】
(付記)
本発明の一態様は、以下のようにも記載され得るが、以下に限定されない。
【0075】
(付記1)
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信する受信手段と、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得する取得手段と、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力する入力手段と、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する出力手段と
を備えた入力補助装置。
【0076】
(付記2)
前記住民の前記識別情報に基づいて、前記住民についての個人認証を実行する認証手段をさらに備え、
前記住民についての個人認証に成功した場合、前記取得手段は、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の前記個人情報を前記データベースから取得する
ことを特徴とする付記1に記載の入力補助装置。
【0077】
(付記3)
前記住民の前記識別情報は、前記住民の生体から得られた
ことを特徴とする付記1に記載の入力補助装置。
【0078】
(付記4)
前記住民の前記識別情報は、前記住民の身分証明書に搭載されたICチップから得られた
ことを特徴とする付記1に記載の入力補助装置。
【0079】
(付記5)
前記データベースは、前記住民の氏名、年齢、及び住所のうち少なくとも1つを含む
ことを特徴とする付記1に記載の入力補助装置。
【0080】
(付記6)
付記1から5のいずれか1項に記載の入力補助装置と、
前記地方公共団体に所属する前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに自動入力するために使用される端末と、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する前記個人情報を格納したデータベースと
を備えた個人情報管理システム。
【0081】
(付記7)
コンピュータが、
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信し、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得し、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力し、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力する
入力補助方法。
【0082】
(付記8)
地方公共団体に所属する住民の識別情報およびWebフォームのデータをそれぞれ受信することと、
前記地方公共団体に所属する前記住民に関する情報を格納したデータベースから、前記住民の前記識別情報と紐づいた前記住民の個人情報を取得することと、
前記データベースから取得された前記住民の前記個人情報を前記Webフォームに入力することと、
前記住民の前記個人情報が入力された前記Webフォームのデータを出力することと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、地方公共団体に所属する住民がWebフォームに入力する際、当該住民の個人情報をWebフォームに自動入力するために有効活用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 個人情報管理システム
10 入力補助装置
11 受信部
12 取得部
13 入力部
14 出力部
20 入力補助装置
25 認証部
100 端末
110 Webフォーム
200 データベース
図1
図2
図3
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図5
図6
図7