(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046918
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】分析装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240329BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152289
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100172502
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀧 眞輔
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】坂本 恵子
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 宏章
(72)【発明者】
【氏名】八木 佳子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】 組織及び/又は従業員の現状を分析することができる分析装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】
組織の従業員に質問を提示し、該提示した質問に対する従業員の回答に基づいて組織及び/又は従業員に関する分析を行う分析装置が、回答に基づいて従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する状態評価部と、算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて従業員の組織における生産性を示す生産性評価値を算出する生産性評価部と、状態評価値の一部又は全部と、生産性評価値と、従業員の所定の属性に基づいて、従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定するクラスタ分類部と、判定されたクラスタに基づいて従業員に対する改善案を提示する改善提示部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の従業員に質問を提示し、該提示した質問に対する前記従業員の回答に基づいて、前記従業員に関する分析を行う分析装置であって、
前記回答に基づいて、前記従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する状態評価部と、
前記算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて、前記従業員の前記組織における生産性を示す生産性評価値を算出する生産性評価部と、
前記状態評価値の一部又は全部と、前記生産性評価値と、前記従業員の所定の属性に基づいて、前記従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定する、クラスタ分類部と、
前記判定されたクラスタに基づいて前記従業員に対する改善案を提示する、改善提示部と、
を備えることを特徴とする、分析装置。
【請求項2】
前記改善案が、前記判定されたクラスタにおける優先的な改善事項と、前記従業員に対して推奨する改善事項を含む
ことを特徴とする、請求項1記載の分析装置。
【請求項3】
前記クラスタ分類部が、少なくとも2以上の条件分岐により前記従業員が前記クラスタの何れに属するかを判定する、請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
組織の従業員に質問を提示し、該提示した質問に対する前記従業員の回答に基づいて前記組織に関する分析を行う分析装置であって、
前記回答に基づいて、前記従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する状態評価部と、
前記算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて、前記従業員の前記組織における生産性を示す生産性評価値を算出する生産性評価部と、
前記生産性評価値を目的変数とし、前記状態評価値及び/又は前記従業員の所定の属性を説明変数とする決定木を生成する決定木生成部と、
前記決定木に基づいて前記組織に対する改善案を提示する、組織改善提示部と、
を備えることを特徴とする、分析装置。
【請求項5】
前記改善案が、前記組織における優先的な改善事項と、前記組織における優先的な介入対象を含む
ことを特徴とする、請求項4記載の分析装置。
【請求項6】
コンピュータを請求項1~5のいずれかに記載の分析装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分析装置及びプログラムに関し、具体的には、組織及び/又は従業員の現状を分析することができる分析装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業その他の組織におけるアンケートの実施を支援する情報処理システムとして、例えば特許文献1のアンケート支援装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今の企業その他の組織では、従業員、及び、企業全体における生産性を向上させる上で、従業員の健康や仕事に対する意欲等を高く維持することが求められている。これに対して、企業その他の組織では定期的に従業員に対するアンケートを実施して、組織及び/又は従業員の生産性その他の状態を把握する活動が行われている。特許文献1その他従来の情報処理システムは、上記企業活動を効率よく進める上で有効性が高い。
【0005】
一方で、生産性を向上させるにあたっては、前述の様にアンケートを実施するのみでは足りず、アンケートの実施結果に基づいて企業その他の組織や、当該組織に属する従業員等についての働き方や意欲その他の現状についての分析を行う必要があり、組織及び/従業員の現状についての分析を情報処理システムによって支援することが求められている。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑み、組織及び/又は従業員の現状を分析することができる分析装置及びプログラムを提供することを、その目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するためになされた第1の本発明は、組織の従業員に質問を提示し、該提示した質問に対する前記従業員の回答に基づいて、前記従業員に関する分析を行う分析装置であって、前記回答に基づいて、前記従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する状態評価部と、前記算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて、前記従業員の前記組織における生産性を示す生産性評価値を算出する生産性評価部と、前記状態評価値の一部又は全部と、前記生産性評価値と、前記従業員の所定の属性に基づいて、前記従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定する、クラスタ分類部と、前記判定されたクラスタに基づいて前記従業員に対する改善案を提示する、改善提示部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
第2の発明は、前記改善案が、前記判定されたクラスタにおける優先的な改善事項と、前記従業員に対して推奨する改善事項を含むことを特徴としている。
【0009】
第3の発明は、前記クラスタ分類部が、少なくとも2以上の条件分岐により前記従業員が前記クラスタの何れに属するかを判定することを特徴としている。
【0010】
前述の課題を解決するためになされた第4の発明は、組織の従業員に質問を提示し、該提示した質問に対する前記従業員の回答に基づいて前記組織に関する分析を行う分析装置であって、前記回答に基づいて、前記従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する状態評価部と、前記算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて、前記従業員の前記組織における生産性を示す生産性評価値を算出する生産性評価部と、前記生産性評価値を目的変数とし、前記状態評価値及び/又は前記従業員の所定の属性を説明変数とする決定木を生成する決定木生成部と、前記決定木に基づいて前記組織に対する改善案を提示する、組織改善提示部と、を備えることを特徴としている。
【0011】
第5の発明は、前記改善案が、前記組織における優先的な改善事項と、前記組織における優先的な介入対象を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、質問部が組織の従業員に提示した質問に対する回答に基づいて従業員の所定の状態を示す状態評価値と、状態評価値に基づく従業員の組織における生産性を示す生産性評価値を算出する。当該状態評価値と生産性評価値に基づいて従業員または組織に対する改善案を提示するので、組織及び/又は従業員の現状を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態の一例における、分析装置の構成を示す図である。
【
図2】同実施形態の一例における、質問の構成を示す図である。
【
図3】同実施形態の一例における、第1質問群に属する質問の例を示す図である。
【
図4】同実施形態の一例における、第2質問群に属する質問の例を示す図である。
【
図5】同実施形態の一例における、分析処理の流れを示す図である。
【
図6】同実施形態の一例における、クラスタの例を示す図である。
【
図7】同実施形態の一例における、クラスタ判定に用いる判定ツリーの構成を示す図である。
【
図8】同実施形態の一例における、優先的な改善項目に関する決定木の例を示す図である。
【
図9】同実施形態の一例における、優先的な介入対象に関する決定木の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態の一例における、分析装置100の構成を示す図である。
図1で示すように、本実施形態の一例における分析装置100は、データベース101と、質問提示部102と、状態評価部103と、生産性評価部104と、クラスタ分類部105と、改善提示部106と、決定木生成部107と、組織改善提示部108を備えている。
【0015】
本実施形態の一例における分析装置100は、組織の従業員に質問を提示し、当該提示した質問に対する回答に基づいて組織及び/又は従業員に関する評価を行い、当該評価に基づいて組織及び/又は従業員に改善案を提示する装置である。なお、評価装置100が改善案の提示を行う組織の数は任意に選択してよく、例えば、単一の組織であってもよいし、複数の組織であってもよい。また、組織は一又は二以上の従業員が属するものであれば、例えば会社や団体をもって組織としてもよいし、部署その他の内部的な組織であってもよい。
【0016】
本実施形態の一例において、分析装置100は、サーバ用途のコンピュータを用いて構成されている。コンピュータのHDD(ハードディスクドライブ)その他の記憶装置には、当該コンピュータを分析装置100として機能させるプログラムが記憶されており、当該プログラムをコンピュータのメモリにロードしてCPU(中央演算処理装置)が実行することにより、コンピュータを分析装置100として機能させる物である。なお、分析装置100のハードウェア構成については任意に変更してよく、例えば、分析装置100を2台以上のコンピュータによって構成するようにしてもよい。
【0017】
データベース101は、分析装置100により組織及び/又は従業員に関する分析を行うにあたって、従業員に提示する質問、後述するクラスタ、その他の情報を格納するデータベースである。本実施形態の一例では、分析装置100にRDBMS(リレーショナル・データベース・マネージメント・システム)が構築されており、当該RDBMSの一部の領域を質問データベース101として用いている。
【0018】
本実施形態の一例において、データベース101は、質問を当該質問の観点により分類する第1質問カテゴリ~第3質問カテゴリと、第2質問カテゴリに紐づく第1質問群と、第3質問カテゴリに紐づく第2質問群を含んでいる(
図1において図示せず)。質問の構成については後述する。
【0019】
質問提示部102は、前述のデータベース101から複数の質問を抽出し、利用者端末200の表示装置に表示することにより従業員に提示する。本実施形態の一例では、前述の第1質問群、第2質問群から、それぞれ複数の質問を抽出して従業員に提示する。抽出する質問の数及び抽出方法については任意に選択してよい。従業員が利用者端末200を操作して表示された質問への回答を行うと、当該回答を示す情報が分析装置100に送信され、後述する状態評価部103による評価値の算出に用いられる。
【0020】
状態評価部103は、前述の質問提示部102により提示された質問に対する従業員の回答に基づいて、従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する。
【0021】
生産性評価部104は、前述の状態評価部103により算出した状態評価値の一部又は全部に基づいて、従業員の組織における生産性を示す生産性評価値を算出する。
【0022】
クラスタ分類部105は、状態評価部103が算出した状態評価値の一部又は全部と、生産性評価部104が算出した生産性評価値と、従業員の所定の属性に基づいて、従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定する。
【0023】
改善提示部106は、前述のクラスタ分類部105により判定されたクラスタに基づいて、従業員に対する改善案を提示する。
【0024】
決定木生成部107は、前述の生産性評価部104により算出した生産性評価値を目的変数とし、前述の状態評価部103により算出した状態評価値及び/又は従業員の所定の属性を説明変数とする決定木を生成する。
【0025】
組織改善提示部108は、前述の決定木生成部105が生成した決定木に基づいて、組織に対する改善案を提示する。
【0026】
利用者端末200は、質問の回答を行う従業員が使用する端末である。本実施形態の一例において、利用者端末200は周知のコンピュータを用いて構成されている。利用者端末200として用いるコンピュータは、例えば据置型のパーソナル・コンピュータでも良いし、携帯可能なスマートフォン或いはタブレットPCを用いてもよいし、或いは、分析装置100と専用の通信規約で通信する専用端末であっても良いが、質問及び改善案を表示するディスプレイその他の表示装置201と、回答を入力するキーボードやタッチパネルその他の入力装置202を備えている必要がある。また、本実施形態の一例では、従業員が使用する端末として利用者端末200を用いており、分析装置100をサーバとし、利用者端末200をクライアントとするサーバ・クライアントモデルの情報処理システムとして構築されているが、例えば分析装置100をスタンドアローン構成として、従業員が直接分析装置100を操作して質問に回答その他を行うようにしてもよい。
【0027】
本実施形態の一例では、前述のように、分析装置100と利用者端末200がネットワーク300を介して通信可能に接続されるネットワーク300は、いわゆるインターネットのような広域的な計算機ネットワークを用いてもよいし、LAN(ローカルエリアネットワーク)を用いてもよい。また、広域ネットワーク上に構築したVPN(仮想プライベートネットワーク)を用いてもよい。また、分析装置100と利用者端末200の通信規約その他の方法は、周知の方法を任意に選択してよく、例えば、分析装置100をWEBアプリケーションサーバ、利用者端末200をWEBクライアントとして機能させ、通信規約としてHTTPを用いて通信を行うWEBアプリケーションとして構成してもよいし、或いは専用の通信規約を用いて分析装置100と利用者端末200が通信するようにしてもよい。
【0028】
以上が、本実施形態の一例における分析装置100の構成である。次いで、本実施形態の一例における、質問の構成について説明する。
【0029】
図2は、本実施形態の一例における、質問の構成を示す模式図である。
図2で示すように、本実施形態の一例におけるデータベース101は、質問を当該質問の観点により分類する質問カテゴリとして、第1質問カテゴリQ101と、第2質問カテゴリQ102と、第3質問カテゴリQ103を含み、また、いずれかの質問カテゴリに紐づく2以上の質問からなる質問群として、第1質問群Q201及び第2質問群Q202を含むように構成されている。
【0030】
第1質問カテゴリQ101、第2質問カテゴリQ102、及び、第3質問カテゴリQ103は、質問を3階層に階層化して分類する質問カテゴリである。
【0031】
第1質問カテゴリQ101は、階層化された質問カテゴリの1層目、すなわち最上位層の質問カテゴリである。本実施形態の一例における第1質問カテゴリQ101は、具体的には、従業員の組織における当該組織及び/又は他の従業員との関係性に関する観点を示すソーシャルカテゴリQ101aと、従業員の心理的な状態に関する観点を示すメンタルカテゴリQ101bと、従業員の身体的な状態に関する観点を示すフィジカルカテゴリQ101cを含むように構成されている。
【0032】
第2質問カテゴリQ102は、階層化された質問カテゴリの2層目の質問カテゴリである。第2質問カテゴリQ102は、前述の第1質問カテゴリQ101のいずれかに属する質問カテゴリであり、本実施形態の一例では、ソーシャルカテゴリQ101aに属する第2質問カテゴリQ102として、従業員の組織における社会関係資本に関する観点を示すソーシャルキャピタルカテゴリQ102aを含み、メンタルカテゴリQ101bに属する第2質問カテゴリQ102として、従業員の仕事に対する意欲に関する観点を示すワークエンゲイジメントカテゴリQ102bと、従業員の心理的ストレスに関する観点を示す心理的ストレスカテゴリQ102cを含み、フィジカルカテゴリQ101cに属する第2質問カテゴリQ102として、従業員の筋骨格系における自覚症状に関する観点を示す筋骨格系愁訴カテゴリQ102dと、従業員の生活習慣病に関する観点を示す生活習慣病カテゴリQ102eと、従業員の感染症に関する観点を示す感染症カテゴリQ102fを含むように構成されている。
【0033】
第3質問カテゴリQ103は、階層化された質問カテゴリの3層目、すなわち最下位層の質問カテゴリである。本実施形態の一例における第3質問カテゴリQ103は、第2質問カテゴリQ102の1又は2以上に属する質問カテゴリであり、報酬に関する観点を示す報酬カテゴリQ103aと、裁量に関する観点を示す裁量カテゴリQ103bと、業務適正に関する観点を示す業務適正カテゴリQ103cと、業務における負担に関する観点を示す業務負担カテゴリQ103dと、心理的な安全性に関する観点を示す心理的安全性カテゴリQ103eと、仕事の主体性に関する観点を示す仕事の主体性カテゴリQ103fと、コミュニケーションに関する観点を示すコミュニケーションカテゴリQ103gと、休憩や気分転換に関する観点を示す休憩/気分転換カテゴリQ103hと、身体的な活動に関する観点を示す身体活動カテゴリQ103iと、食事に関する観点を示す食カテゴリQ103jと、快適性に関する観点を示す快適性カテゴリQ103kと、清潔さに関する観点を示す清潔カテゴリQ103lと、健康意識に関する観点を示す健康意識カテゴリQ103mと、運動に関する観点を示す運動カテゴリQ103nと、栄養に関する観点を示す栄養カテゴリQ103oと、休養及び睡眠に関する観点を示す休養カテゴリQ103pを含むように構成されている。
【0034】
第1質問群Q201は、第2質問カテゴリQ102に紐づく2以上の質問からなる質問群である。本実施形態の一例において、第1質問群Q201に属する質問は第2質問カテゴリQ102のいずれか、すなわち、ソーシャルキャピタルカテゴリQ102a~感染症カテゴリQ102fのいずれかに紐づくように構成されている。
【0035】
第2質問群Q202は、第3質問カテゴリQ103に紐づく2以上の質問からなる質問群である。本実施形態の一例において、第2質問群Q202に属する質問は第3質問カテゴリQ103のいずれか、すなわち、報酬カテゴリQ103a~休養カテゴリQ103pのいずれかに紐づくように構成されている。
【0036】
図3及び
図4は、本実施形態の一例における質問の例を示す図であり、
図3は第1質問群Q201に属する質問の例を示す図であり、
図4は第2質問群Q202に属する質問の例を示す図である。
図3及び
図4で示すように、本実施形態の一例における質問は、従業員に所定数の選択肢から一を選択させる質問であり、質問文Q301に対して、選択肢Q302及び質問カテゴリQ303が対応する構成となっている。また、
図3に示す第1質問群Q201に属する質問では、質問カテゴリQ303において第2質問カテゴリQ102のいずれかと紐づくように構成されており、
図4に示す第2質問群Q202に属する質問では、質問カテゴリQ303において第3質問カテゴリQ103のいずれかと紐づくように構成されている。なお、本実施形態の一例では
図3及び
図4で示すように、質問のそれぞれについて4択の選択肢Q302を設けているが、質問に対する回答の形式や選択肢の数は任意に変更してよく、例えば、従業員に自由に回答を記入させる質問を設けてもよい。
【0037】
以上が、本実施形態の一例における質問の構成である。なお、本実施形態の一例では、第1質問カテゴリQ101~第3質問カテゴリQ103の3階層からなる質問カテゴリによって、第1質問群Q201及び第2質問群Q202を分類しているが、さらに、異なる質問カテゴリや質問群或いは質問を加えた構成としてもよい。例えば、従業員のパーソナリティに関する観点を示すパーソナリティカテゴリを含む第4質問カテゴリと、当該第4質問カテゴリに紐づく第3質問群を備え、質問提示部102が第1~第3質問群のそれぞれから複数の質問を抽出するようにしてよい。この場合、さらに、状態評価部103が評価値を算出する上で、上記パーソナリティに関する質問に対する回答に基づいて、算出の方法を変更したり、算出に使用する係数を増減させるようにしてもよい。
【0038】
次いで、本実施形態の一例における、分析装置100の処理の流れについて説明する。
図5は、本実施形態の一例における分析装置100の処理の流れを示すフロー図である。
【0039】
本実施形態の一例では、先ず、分析装置100の質問提示部102により、データベース101から質問の抽出が行われる(ステップS101)。質問の抽出は、データベース101の第1質問群Q201及び第2質問群Q202から、所定の方式に沿って行われる。所定の方式は任意に選択してよく、例えば、抽出する質問の件数と、第2質問カテゴリQ102及び第3質問カテゴリのそれぞれの割合を予め設定しておき、上記件数の質問を各第2質問カテゴリQ102及び第3質問カテゴリQ103の割合となるように抽出するようにしてよい。
【0040】
抽出された質問は、次いで、質問提示部102により利用者端末200の表示装置201に表示されることにより従業員に提示される(ステップS102)。
【0041】
従業員が質問に対する回答を行うと、当該回答を含むメッセージが利用者端末200から分析装置100に送信され、分析装置100が当該メッセージを受信する(ステップS103)。メッセージを受信した分析装置100は、当該メッセージから従業員の回答を抽出して、状態評価部103により、従業員の所定の状態を示す状態評価値を算出する処理を実行する(ステップS104)。
【0042】
前述のとおり、本実施形態の一例では、従業員に提示する質問は第2質問カテゴリQ102のいずれか、すなわち、ソーシャルキャピタルカテゴリQ102a~感染症カテゴリQ102fのいずれかに属する質問と、第3質問カテゴリQ103のいずれか、すなわち、報酬カテゴリQ103a~休養カテゴリQ103pのいずれかに属する質問を含んでいる。ステップS104では、第2質問カテゴリQ102と、第3質問カテゴリQ103のそれぞれについて、当該質問カテゴリにおける従業員の状態を示す状態評価値として算出する。算出の方法は周知の算出方法を任意に選択してよいが、本実施形態の一例では第2質問カテゴリQ102に属する質問の回答と、第3質問カテゴリQ103に属する質問の回答について、異なる算出方法を用いている。本実施形態の一例において、第2質問カテゴリQ102に属する質問の回答については、前述の選択肢Q102のそれぞれに得点が設けられており、第2質問カテゴリQ102の各々について従業員が選択した選択肢の得点を合算した上で、満点の場合に100点となるように換算することにより、当該従業員の状態評価値を算出する。また、第3質問カテゴリQ103に属する質問の回答については、第3質問カテゴリQ103の各々について、従業員が選択した選択肢の得点を合算した上で、他の従業員の得点との相対的な得点を、100点を満点となるよう換算して算出する。前述のとおり、算出の方法は任意に選択してよく、全ての回答について単一の算出方法を用いてもよいし、第3質問カテゴリQ103に関する状態評価値を、偏差値その他の無次元数等で示す値として算出するようにしてもよい。
【0043】
ステップS104による状態評価値の算出が完了すると、分析装置100は、生産性評価部104により従業員の組織における生産性を示す生産性評価値を算出する処理を実行する(ステップS105)。本実施形態の一例では、生産性評価の算出を行うにあたって、前述の第2質問カテゴリQ102、すなわち、ソーシャルキャピタルカテゴリQ102a~感染症カテゴリQ102fのいずれかに属する質問に対する回答に基づく状態評価値を入力値として使用する。ステップS105による生産性評価値の算出方法は周知の方法を任意に選択してよいが、本実施形態の一例では、第2質問カテゴリQ102の各々についての状態評価値を重み付けして合算し、満点を100点となるよう換算することで生産性評価値を算出する。なお、本実施形態の一例では、生産性評価値を算出する入力値として第2質問カテゴリQ102に属する質問の回答に基づく状態評価値のみを用いているが、全ての状態評価値を用いるようにしてもよい。
【0044】
ステップS105による生産性評価値の算出が完了すると、次いで、分析装置100のクラスタ分類部105により、回答を行った従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定する(ステップS106)。
【0045】
図6は、本実施形態の一例におけるクラスタの例を示す図である。
図6で示すように、本実施形態の一例では、従業員を分類するクラスタC100として第1クラスタC101~第8クラスタC108の8のクラスタが予め設定されている。なお、クラスタC100として予め設定される情報は分析装置100のデータベース101に格納されている。本実施形態の一例では、クラスタC100の各々について、従業員の所定の属性として年齢C201及び性別C202と、生産性評価値C203と、状態評価値C204~C228の各項目ごとの基準値C300が設定されている。状態評価値C204~C228は、第1質問カテゴリQ101であるソーシャルカテゴリQ101a~フィジカルカテゴリQ101cに対応する状態評価値C204~C206と、第2質問カテゴリQ102であるソーシャルキャピタルカテゴリQ102a~感染症カテゴリQ102fに対応する状態評価値C207~C212と、第3質問カテゴリQ103である報酬カテゴリQ103a~休養カテゴリQ103pに対応する状態評価値C213~C228から構成されている。なお、状態評価値C204~C206は、対応する第1質問カテゴリQ101の各々に紐づく第2質問カテゴリQ102の状態評価値の平均を示す。なお、基準値C300はクラスタC100を予め設定する時点で、各クラスタにおける上記項目C201~C228の基準となる値を任意に設定してもよいが、本実施形態の一例では、クラスタC100を設定した時点における、各クラスタに分類される従業員の属性、生産性評価値、及び状態評価値の平均値をもって基準値C300として設定している。
【0046】
図7は、ステップS106におけるクラスタ判定処理に用いる判定ツリーの構成を示す図である。
図7で示すように、本実施形態の一例における判定ツリーT100は、階層T111~T114からなる2以上の条件分岐T121~T127により構成されている。
【0047】
条件分岐T121~T127の各々は、状態評価値と、生産性評価値と、従業員の所定の属性のいずれかついて、所定の条件を満たすか否かを判定する条件分岐である。条件分岐に使用する値の種類、条件の詳細については任意に選択してよく、例えば、生産性評価値が所定の範囲か否かを判定してもよいし、或いは、第3質問カテゴリQ103の身体活動カテゴリQ103iについての状態評価値が所定の値を超えるか否か判定してもよい。
【0048】
本実施形態の一例における判定ツリーT100は、前述のクラスタC100における基準値C300を用いて、最も分散の大きい項目について平均値を境界値とする条件分岐により構成している。まず、第1クラスタC101~第8クラスタC108について、項目C201~C228の基準値C300の分散が最も大きい項目はソーシャルC204であり、平均値は65.5である。第1階層T111の条件分岐T121は、上記項目314に対応するソーシャルカテゴリQ101aについての状態評価値が上記平均値65.5以上か否かを判定する。
【0049】
条件分岐T121の条件を満たすクラスタは第1クラスタC101、第2クラスタC102、第4クラスタC104~第6クラスタC106である。次いで、当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は運動C226であり、平均値は61.4である。第2階層T112の条件T122は、運動C226に対応する運動カテゴリQ103nについての状態評価値が上記平均値61.4以上か否かを判定する。
【0050】
条件分岐T122の条件を満たすクラスタは第1クラスタC101、第4クラスタC104、及び第6クラスタC106である。当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は筋骨格系愁訴C210であり、平均値は71.6である。第3階層T113の条件T123は、筋骨格系愁訴C210に対応する筋骨格系愁訴カテゴリQ102dについての状態評価値が上記平均値71.6以上か否かを判定する。
【0051】
条件分岐T123の条件を満たすクラスタは第1クラスタC101又は第4クラスタC104である。当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は業務適正C215であり、平均値は79.2である。第4階層T114の条件分岐T124は、業務適正C215に対応する業務適正カテゴリQ103cについての状態評価値が上記平均値79.2以上か否かを判定する。
【0052】
条件分岐T124を満たすクラスタは第4クラスタC104であり、条件分岐T121~T124の全ての条件を満たす従業員は、第4クラスタC104に属するものと判定される。一方で、条件分岐T124の条件を満たさない場合、従業員は第1クラスタC101に属するものと判定される。また、前述の条件分岐T123の条件を満たさない場合、従業員は第6クラスタC106に属するものと判定される。
【0053】
条件分岐T122の条件を満たさないクラスタは第2クラスタC102又は第5クラスタC105である。当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は業務負担C216であり、平均値は59.3である。第3階層T113の条件分岐T125は、業務負担C216に対応する業務負担カテゴリQ103dについての状態評価値が上記平均値59.3以上か否かを判定する。
【0054】
条件分岐T125の条件を満たすクラスタは第5クラスタC105であり、条件分岐T125の条件を満たす従業員は第5クラスタC105に属するものと判定される。一方で、条件分岐T125を満たさない従業員は第2クラスタC102に属するものと判定される。
【0055】
条件分岐T121の条件を満たさないクラスタは第3クラスタC103、第7クラスタC107、又は第8クラスタC108である。当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は筋骨格系愁訴C210であり、平均値は73.1である。第2階層T112の条件分岐T126は、筋骨格系愁訴C210に対応する筋骨格系愁訴カテゴリQ102dについての状態評価値が上記平均値73.1以上か否かを判定する。
【0056】
条件分岐T126の条件を満たすクラスタは第3クラスタC103である。条件分岐T121の条件を満たさず、条件分岐T126の条件を満たす場合、従業員は第3クラスタC103に属するものと判定される。一方で、条件分岐T126の条件を満たさないクラスタは第7クラスタC107又は第8クラスタC108である。当該クラスタについて、基準値C300の分散が最も大きい項目は休養C228であり、平均値は71である。第3階層T113の条件分岐T127は、休養C228に対応する休養カテゴリQ103pについての状態評価値が上記平均値71以上か否かを判定する。条件分岐T127の条件を満たす場合、従業員は第7クラスタC107に属するものと判定され、条件を満たさない場合は第8クラスタC108に属するものと判定される。
【0057】
本実施形態の一例では、前述のように、クラスタC100として設定された各項目C201~C228の基準値C300に基づいて、2以上の条件分岐T121~T127からなる判定ツリーT100を構成しているが、判定ツリーを構成する方法は任意に選択してよい。本実施形態の一例における判定ツリーT100は、クラスタC100の基準値C300に基づいて構成される判定ツリーであり、データベース101に記録されたクラスタC100の設定値が変更された場合には判定ツリーT100の構成も変更されるが、データベース101の内容に連動せず、固定的に判定ツリーを構成するようにしてもよい。また、本実施形態の一例では分散と平均を用いて条件分岐の項目と境界値を決定したが、例えば、境界値として平均値に代えて中央値を用いてよい。
【0058】
ステップS106によるクラスタ分類処理が完了すると、分析装置100の改善提示部106により、従業員に対する改善案の提示が行われる(ステップS107)。本実施形態の一例では、分析装置100のデータベース101に、第1クラスタC101~第8クラスタC108の各々における優先的な改善案及び推奨する改善案が格納されている。ステップS107では、前述のステップS106で判定されたクラスタに基づいて、上記改善案をデータベース101から取得して、利用者端末200の表示装置201に表示する。なお、改善案の構成は任意に選択してよく、例えば文章であってもよいし、図や動画を含んでいてもよい。また、改善案は、第1クラスタC101~C108のそれぞれについて固定的に設けても良いし、クラスタ毎に複数の改善案を設けておき、生産性評価値や状態評価値に基づいて選択して提示するようにしてもよい。
【0059】
前述のステップS104~S107は質問に対して回答を行った従業員に関する処理である。本実施形態の一例における分析装置100は、従業員に対する改善案の提示に加えて、従業員が属する組織に対する改善案の提示を行う。本実施形態の一例では、組織における従業員全てについて前述のステップS105による生産性評価値の算出が完了した時点で、分析装置100の決定機生成部107により決定木の生成が行われる(ステップS108)。
【0060】
ステップS108において生成される決定木は、前述のステップS105において算出した生産性評価値を目的変数とし、前述のステップS104で算出した状態評価値及び/又は従業員の所定の属性を説明変数とする決定木である。なお、本実施形態の一例における決定木はCHAID(CHi-squared Automatic Interaction Decector)を用いた決定木であり、従業員の生産性評価値の高低を、カイ二乗値を指標として選定した状態評価値及び/又は従業員の所定の属性によって繰り返し分割することにより生成する。本実施形態の一例におけるステップS108は、優先的な改善事項に関する決定木の作成と(ステップS108a)、優先的な介入対象に関する決定木の作成(ステップS108b)が行われる。なお、決定木の作成方法は周知の方法を用いてよい。
【0061】
図8は、本実施形態の一例における、優先的な改善事項に関する決定木の例を示す図である。
図8で示す例の決定木T200は、従業員の総数160人、生産性評価値の平均が74点である組織について、当該組織を説明変数である状態評価値によりノードT212~T217として示すグループに分割したものである。
【0062】
ルートノードT211は組織全体を示すノードであり、従業員の人数が160人、生産性評価値の平均が74点となるノードである。ルートノードT211は、状態評価値である快適性T221を説明変数として、当該快適性T221の状態評価値が80点未満のノードT212と、80点以上のノードT213に分割されている。
【0063】
ノードT212は、従業員の人数が112人であり、生産性評価値の平均は68点である。ノードT212は、状態評価値であるコミュニケーションT222を説明変数として、当該コミュニケーションT222の状態評価値が60点未満のノードT214と、60点以上のノードT215に分割されている。ノードT214の従業員の人数は23人、生産性評価値の平均は54点であり、ノードT215の従業員の人数は89人、生産性評価値の平均は72点である。
【0064】
ノードT213は、従業員の人数が48人であり、生産性評価値の平均が89点である。ノードT213は、状態評価値である休養T223を説明変数として、当該休養T223の状態評価値が40点未満のノードT216と、40点以上のノードT217に分割されている。ノードT216の従業員の人数は35人、生産性評価値の平均は85点であり、ノードT217の従業員の人数は13人、生産性評価値の平均は98点である。
【0065】
図8で示す例において、説明変数として用いられる状態評価値、すなわち、快適性T221と、コミュニケーションT222と、休養T223が、優先的な改善事項である。ステップS108aで作成された決定木T200に関する情報は、データベース101に記録され、後述するステップS109で使用される。
【0066】
図9は、本実施形態の一例における、優先的な介入対象に関する決定木の例を示す図である。
図9の例で示す決定木T300は、従業員の総数160人、生産性評価値の平均が74点である組織について、当該組織を説明変数である従業員の所定の属性として、年齢層及び職種によりノードT312~T317として示すグループに分割したものである。
【0067】
ルートノードT311は組織全体を示すノードであり、従業員の人数が160人、生産性評価値の平均が74点となるノードである。ルートノードT311は、説明変数T321として、40代後半の管理職に該当するか否かによってノードT312及びT313に分割されている。
【0068】
ノードT312は、40代後半の管理職に該当しないノードであり、従業員の人数が112人、生産性評価値の平均が64点となるグループを示している。また、40代後半の管理職に該当するノードT313は、従業員の人数が48人、生産性評価値の平均が96点となるグループを示している。
【0069】
ノードT312は、説明変数T322として、30代前半の営業職に該当するか否かによってノードT314及びノードT315に分割されている。ノードT314は、30代前半の営業職に該当しないノードであり、従業員の人数が23人、生産性評価値の平均が54点となるグループを示している。ノードT315は、30代前半の営業職に該当するノードであり、従業員の人数が89人、生産性評価値の平均が82点となるグループを示している。
【0070】
ノードT314は、説明変数T333として、30代後半の事務職に該当するか否かによってノードT316及びノードT317に分割されている。ノードT316は30代後半の事務職に該当するノードであり、従業員の人数が10人、生産性評価値の平均が60点となるグループを示している。ノードT317は30代後半の事務職に該当しないノードであり、従業員の人数が13人、生産性評価値の平均が72となるグループを示している。
【0071】
図9で示す例において、説明変数T321~T323として用いられた従業員の属性により分割されたノードで示すグループが、優先的な介入対象である。ステップS108bで作成された決定木T300に関する情報は、データベース101に記録され、後述するステップS109で使用される。
【0072】
ステップS108による決定木の作成が完了すると、次いで、分析装置100の組織改善提示部108により、改善案の提示が行われる(ステップS109)。前述の通り、本実施形態の一例における分析装置100は、組織に対する改善案として優先的な改善事項及び優先的な介入対象を提示する。ステップS109では、前述のステップS108aにより作成された決定木の説明変数となった状態評価値を優先的な改善項目とし、前述のステップS108bにより作成された決定木における、生産性評価値の低いグループを優先的な介入対象として、利用者端末200の表示装置201に表示することにより改善案を提示する。なお、提示の具体的な方法は任意に選択してよく、例えば、ステップS108a、S108bで作成した決定木T200、T300を利用者端末200の表示装置201に表示してもよいし、或いは、説明変数となった説明変数をリストとして表示するようにしてもよい。
【0073】
本実施形態の一例の説明は以上であるが、本発明の構成は上記に限られない。例えば、本実施形態の一例では、判定ツリーT100は、階層T111~T114からなる2以上の条件分岐T121~T127により構成した判定ツリーT100を用いて従業員が予め設定された2以上のクラスタの何れに属するかを判定しているが、判定の方法は任意に変更してよく、例えば階層化されていない条件判定によって判定してもよい。また、判定ツリー用いる場合に、本実施形態の一例における判定ツリーT100は、クラスタC100の基準値C300に基づいて構成されているが、当該基準値C300に、各クラスタに該当する従業員の状態評価値及び/又は生産性評価値を反映させて随時更新させるようにしてもよい。この場合、例えばステップS107で従業員に対する改善案を提示する際に、当該提示した従業員に対して改善案の妥当性を問うアンケートを行い、改善案が妥当であると従業員が回答した場合に、当該従業員の状態評価値及び/又は生産性評価値を当該従業員が属するクラスタの基準値C300に反映させるようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態の一例における質問カテゴリは第1質問カテゴリQ101~第2質問カテゴリQ103からなる階層構造の質問カテゴリであるが、これに加えて、当該階層構造に属さない質問カテゴリを設けてもよいし、また、いずれの質問カテゴリにも属さない質問を設けるようにしてもよい。例えば、データベース101がいずれの質問カテゴリにも属さない質問として、従業員の主観的な生産性に関する質問を設けるようにしてもよい。この場合、ステップS101及びS102では第1質問群Q201及び第2質問群Q202から抽出した質問に加えて、上記従業員の主観的な生産性に関する質問を従業員に提示すると共に、ステップS105における生産性評価値の算出において、状態評価値に加えて上記従業員の主観的な生産性に関する質問に対する回答に基づいて生産性評価値を算出するようにしてもよい。
【0075】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 分析装置
101 データベース
102 質問提示部
103 状態評価部
104 生産性評価部
105 クラスタ分類部
106 改善提示部
107 決定木生成部
108 組織改善提示部
200 利用者端末