(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046933
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】列車監視システム
(51)【国際特許分類】
B61L 23/00 20060101AFI20240329BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240329BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
B60L3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152315
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】保谷 雅史
(72)【発明者】
【氏名】佐々 敦
(72)【発明者】
【氏名】住吉 正紀
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰貴
(72)【発明者】
【氏名】金枝 杏奈
【テーマコード(参考)】
5H125
5H161
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125CC02
5H125CD02
5H125EE51
5H125EE61
5H161AA01
5H161MM15
5H161NN01
5H161NN10
(57)【要約】
【課題】ドア付近の様子の確認だけでなく、車両内の様子の確認も適切に行うことが可能な列車監視システムを提供する。
【解決手段】列車監視システムは、列車の各車両の外側に取り付けられた車外カメラ12と、列車の各車両の内側に取り付けられた車内カメラ13と、車外カメラ12により撮影された車外映像又は車内カメラ13により撮影された車内映像を表示するモニタ14とを備える。そして、モニタ14の表示モードとして、車外映像の表示形式を定めた車外映像用表示設定データに従って、各車両の車外映像を表示する車外映像表示モードと、車外映像用表示設定データとは別に車内映像の表示形式を定めた車内映像用表示設定データに従って、各車両の車内映像を表示する車内映像表示モードとを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の各車両の外側に取り付けられた車外カメラと、前記列車の各車両の内側に取り付けられた車内カメラと、前記車外カメラにより撮影された車外映像又は前記車内カメラにより撮影された車内映像を表示するモニタとを備えた列車監視システムにおいて、
前記モニタの表示モードとして、車外映像の表示形式を定めた第1の設定データに従って、各車両の車外映像を表示する第1の表示モードと、前記第1の設定データとは別に車内映像の表示形式を定めた第2の設定データに従って、各車両の車内映像を表示する第2の表示モードとを有することを特徴とする列車監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記モニタに対するタッチ操作に応じて、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードの切り替えが可能であることを特徴とする列車監視システム。
【請求項3】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記第1の設定データは、車外映像について複数の表示形式を定めており、
前記モニタに対するタッチ操作に応じて、前記第1の表示モードで使用する表示形式の切り替えが可能であることを特徴とする列車監視システム。
【請求項4】
請求項1に記載の列車監視システムにおいて、
前記第2の設定データは、車内映像について複数の表示形式を定めており、
前記モニタに対するタッチ操作に応じて、前記第2の表示モードで使用する表示形式の切り替えが可能であることを特徴とする列車監視システム。
【請求項5】
請求項2に記載の列車監視システムにおいて、
前記第2の設定データは、車内映像について複数の表示形式を定めており、
前記第1の表示モードから前記第2の表示モードへの切り替えを指示するタッチ操作には、前記第2の表示モードで使用する表示形式の選択が含まれることを特徴とする列車監視システム。
【請求項6】
請求項2に記載の列車監視システムにおいて、
前記第1の設定データは、車外映像について複数の表示形式を定めており、
前記第2の表示モードから前記第1の表示モードへの切り替えを指示するタッチ操作には、前記第1の表示モードで使用する表示形式の選択が含まれることを特徴とする列車監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車をカメラの映像により監視する列車監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の運行において、利用客が少なく、運行する車両編成が短い路線には、運転士一人によるワンマン運転が採用されている。労働人口の減少に伴う人口動態から鉄道員自体も減少するトレンドの中で、各鉄道事業者はワンマン運転を適用する路線や編成車両数を増やす方針を採っている。しかしながら、編成車両数を増やすと運転士一人による安全確認作業の負担が重くなり、見落としによる事故が発生しやすくなることが懸念される。
【0003】
従来、ワンマン運転を支援するために、各駅のプラットホームに設置したカメラ及びモニタ、あるいはミラーを用いて、乗客の乗降状況を確認するシステムが利用されている。また、列車側にカメラ及びモニタを設置した車側カメラシステムもあり、インフラ設備に対する保守が不要なことから、近年広まってきている。
【0004】
本発明に係る技術分野の従来技術としては、以下のようなものがある。例えば、特許文献1には、モニタの画面領域を複数のエリアに分割し、各車両のカメラによって撮影された複数のカメラ映像を各エリアにそれぞれ割り当てて表示させる列車監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の列車監視システムは、各車両の外側に取り付けられたカメラでドア付近を撮影した車外映像を運転室内のモニタに表示することで、運転士が列車に乗り降りする乗客の様子をその場で監視できるように構成されていた。具体的には、例えば、プラットホーム側の全てのドアの様子を確認できるように、各車両のドア付近を捉えた複数の車外映像を、モニタの画面領域を複数に分割した各エリアに割り当てて表示していた。更に近年では、各車両の内側にもカメラを取り付けて車内映像をモニタに表示することで、車両内の様子も確認できるようにすることも検討されている。
【0007】
列車の運転室は、大画面のモニタや複数台のモニタを設置するスペースが十分ではなく、運転士の作業や視界に及ぼす影響が小さくなるように、例えば、10~12インチ程度の小型モニタを1台だけ設置する構成が採用される。このような状況の下、複数の車外映像を表示するモニタに車内映像を単純に追加表示するだけでは、モニタの表示が複雑化して見づらくなってしまう。その結果、本来の目的であるドア付近(乗客の乗り降り)の様子の確認に支障が出る懸念がある。また、車外映像は、車内映像とは目的や用途が異なるため、その違いを考慮して表示形式を定める必要もある。
【0008】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、ドア付近の様子の確認だけでなく、車両内の様子の確認も適切に行うことが可能な列車監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る列車監視システムは、以下のように構成される。
すなわち、列車の各車両の外側に取り付けられた車外カメラと、列車の各車両の内側に取り付けられた車内カメラと、車外カメラにより撮影された車外映像又は車内カメラにより撮影された車内映像を表示するモニタとを備えた列車監視システムにおいて、モニタの表示モードとして、車外映像の表示形式を定めた第1の設定データに従って、各車両の車外映像を表示する第1の表示モードと、第1の設定データとは別に車内映像の表示形式を定めた第2の設定データに従って、各車両の車内映像を表示する第2の表示モードとを有する。
【0010】
ここで、モニタに対するタッチ操作に応じて、第1の表示モードと第2の表示モードの切り替えを可能にしてもよい。
【0011】
また、第1の設定データにて、車外映像について複数の表示形式を定めておき、モニタに対するタッチ操作に応じて、第1の表示モードで使用する表示形式の切り替えを可能にしてもよい。
【0012】
また、第2の設定データにて、車内映像について複数の表示形式を定めておき、モニタに対するタッチ操作に応じて、第2の表示モードで使用する表示形式の切り替えを可能にしてもよい。
【0013】
また、第2の設定データにて、車内映像について複数の表示形式を定めておき、第1の表示モードから第2の表示モードへの切り替えを指示するタッチ操作に、第2の表示モードで使用する表示形式の選択が含まれるようにしてもよい。
【0014】
また、第1の設定データにて、車外映像について複数の表示形式を定めておき、第2の表示モードから第1の表示モードへの切り替えを指示するタッチ操作に、第1の表示モードで使用する表示形式の選択が含まれるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ドア付近の様子の確認だけでなく、車両内の様子の確認も適切に行うことが可能な列車監視システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る列車監視システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図1の列車監視システムにおけるカメラの配置例を示す図である。
【
図3】
図1の列車監視システムにおける表示形式の例を示す図である。
【
図4】
図1の列車監視システムにおける車外映像用表示設定データの例を示す図である。
【
図5】
図1の列車監視システムにおける車内映像用表示設定データの例を示す図である。
【
図6】
図1の列車監視システムにおけるモニタの表示例を示す図である。
【
図7】
図1の列車監視システムにおける表示形式切り替えの際のフローチャートの例を示す図である。
【
図8】
図1の列車監視システムにおける表示形式切り替えの際のフローチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る列車監視システムの構成例を示してある。また、
図2には、列車の各車両におけるカメラの配置例を示してある。
図1の列車は、車両10-1~10-6の6台を連結した編成となっている。ここでは、車両10-1が先頭車両である場合(すなわち、図面左方向に列車が進行する場合)を例にして説明する。
【0018】
各車両10の外側には、乗客が列車に乗降する様子を撮像するために、複数の車外カメラ12を取り付けてある。
図2に示す例では、車両10の一方の側面に車外カメラ12A、12Bを取り付けてあり、他方の側面に車外カメラ12C、12Dを取り付けてある。車外カメラ12A、12Cは、列車の前方側から後方側を撮影するように配置してある。一方、車外カメラ12B、12Dは、列車の後方側から前方側を撮影するように配置してある。このように、本例では、1両につき4台の車外カメラ12が配備されているが、より多い又は少ない数の車外カメラ12を配備しても構わない。
【0019】
また、各車両10の内側には、車両内の様子を撮影するために、複数の車内カメラ13を取り付けてある。
図2に示す例では、車両10の一方の側面の前方側から2つ目のドアの上側に車内カメラ13Aを取り付けてあり、他方の側面の前方側から3つ目のドアの上側に車内カメラ13Bを取り付けてある。すなわち、少ないカメラで車内を撮影できるように、車内カメラ13Aと車内カメラ13Bを互い違いに配置してある。また、車両10の前方側の車両連結部分の上側に車内カメラ13Cを取り付けてあり、後方側の車両連結部分の上側に車内カメラ13Dを取り付けてある。このように、本例では、1両につき4台の車内カメラ13が配備されているが、より多い又は少ない数の車内カメラ13を配備しても構わない。
【0020】
車外カメラ12及び車内カメラ13としては、例えば、各々が個別のIPアドレスを有するIPカメラが使用される。車外カメラ12及び車内カメラ13は、例えば、各カメラのIPアドレスと、各カメラの設置位置情報(車両番号、車両内外の取り付け箇所など)とを対応付けたテーブルを用いて管理される。このようなテーブルを用いることで、後述する車外映像表示モード又は車内映像表示モードに応じて、表示対象となる車外カメラ12又は車内カメラ13に対応するIPアドレスを特定し、そのIPアドレスのカメラに対して制御信号などを送信することが可能である。
【0021】
先頭の車両10-1にある運転室には、監視用のモニタ14が設けられている。同様に、最後尾の車両10-6にある運転室にも、監視用のモニタ14が設けられている。車両10-1を先頭にして列車が進行する場合は、車両10-1のモニタ14が使用され、これとは逆方向に列車が進行する場合は、車両10-6のモニタ14が使用される。モニタ14は、タッチパネル機能を有しており、タッチ操作により各種の指示を受け付けることが可能である。このため、モニタ14の表示を手動で切り替えるための専用の操作器等を配備する必要がない。
【0022】
また、各車両10には、ネットワークの中継機器であるスイッチングハブ11が設置されている。各車両のスイッチングハブ11には、その車両内の機器、すなわち、車外カメラ12、車内カメラ13、モニタ14、制御装置15などが接続されている。また、各車両のスイッチングハブ11は、隣接する車両のスイッチングハブ11とも接続されており、これにより列車内ネットワークが構築されている。
【0023】
モニタ14は、駅のプラットホームに列車が入線する際に自動的に表示がオンになり、駅のプラットホームから列車が出線する際に自動的に表示がオフになるように、車両10-1に配備された制御装置15によって制御される。列車の通常運行時は、プラットホーム側の車外カメラ12により撮影された複数の車外映像が、モニタ14の画面領域を複数に分割した各エリアにそれぞれ割り当てて表示される。また、運転士がモニタ14を操作することで、特定の車両の車外映像を拡大して表示又はモニタ全体に表示させるなど、表示形式を変更することが可能である。また、モニタ14の操作により、車外映像の表示から車内映像の表示に切り替えることも可能である。
【0024】
次に、モニタ14の表示について、より詳細に説明する。
図3には、本システムが使用可能な表示形式の例を示してある。本システムは、各車両の車外映像を表示する第1の表示モードである車外映像表示モードと、各車両の車内映像を表示する第2の表示モードである車内映像表示モードとを有している。
【0025】
車外映像表示モードには、例えば、1つの車外映像を画面全体に表示する表示形式A1、2つの車外映像を横2分割の画面に表示する表示形式A2、3つの車外映像を横3分割の画面に表示する表示形式A3などが含まれる。表示形式A3に代表されるように、多数の車外映像を一括して表示する場合には、縦長の画像が使用される。乗客の乗り降りの様子を確認するためには、車外映像のうちのドア付近の部分を縦長に切り出した映像があれば十分だからである。
【0026】
車内映像表示モードには、例えば、1つの車内映像を画面全体に表示する表示形式B1、4つの車内映像を縦2分割×横2分割(計4分割)の画面に表示する表示形式B2などが含まれる。表示形式B2に代表されるように、多数の車内映像を一括して表示する場合には、横長の画像が使用される。車両内の様子を確認するためには、車両内を幅広く確認できるように広角に撮影した映像が必要だからである。
【0027】
このように、車外映像と車内映像では目的や用途が異なるため、それぞれ異なる表示形式(A1~A3又はB1~B2)を使用するように構成される。また、これに併せて、その表示を制御する表示設定データも別々に用意される。
図4には、車外映像に関して複数の表示形式を定めた車外映像用表示設定データの例を示してある。
図5には、車内映像に関して複数の表示形式を定めた車内映像用表示設定データの例を示してある。これら表示設定データには、例えば、各々の表示形式を識別する「表示形式ID」と、モニタの画面領域の分割パターンを示す「画面分割パターン」とが含まれる。これら表示設定データは、制御装置15(又はこれに接続された記憶装置)に予め記憶されており、制御装置15によるモニタ14の表示制御の際に使用される。
【0028】
図6には、モニタ14の表示例を示してある。同図は、車外映像表示モードの一例である表示形式A3を適用した例であり、3台の車外カメラ12により撮影された3つの車外映像を表示している。列車の通常運行時は、各車両のドア付近の様子を一括して確認できるように、表示形式A3が基本となる。モニタ14の表示がオンになっている場合は、例えば、モニタ14に対する横方向のスライドやフリックなどの操作により、表示対象となる車外カメラ12を直感的に切り替えることが可能である。また、モニタ14の長押し等の所定の操作により、表示モードや表示形式を切り替えるための第1の操作部20及び第2の操作部30がオーバーレイ表示される。
【0029】
画面上部にオーバーレイ表示される第1の操作部20は、車外映像表示モードに関する操作部である。第1の操作部20は、車外映像用の表示形式を選択するための表示切替ボタンとして、表示形式A1に対応するボタン21と、表示形式A2に対応するボタン22と、表示形式A3に対応するボタン23を含んでいる。画面下部にオーバーレイ表示される第2の操作部30は、車内映像表示モードに関する操作部である。第2の操作部30は、車内映像用の表示形式を選択するための表示切替ボタンとして、表示形式B1に対応するボタン31、表示形式B2に対応するボタン32を含んでいる。これら表示切替ボタン21~23、31~32を操作することで、表示モードや表示形式を切り替えることが可能である。その詳細について、
図7及び
図8を参照して説明する。
【0030】
まず、車外映像表示モード時の表示制御について、
図7を参照して説明する。
車外映像表示モードでの表示中に、モニタ14の画面の長押し操作が検出された場合(ステップS11)に、車外映像用の表示切替ボタン21~23を含む第1の操作部20と、車内映像用の表示切替ボタン31~32を含む第2の操作部30がオーバーレイ表示される(ステップS12)。
【0031】
車外映像用の表示切替ボタン21~23のいずれかを選択するタッチ操作が検出された場合(ステップS13)には、車外映像用表示設定データに従って、選択された表示形式(A1~A3のいずれか)での車外映像の表示に切り替える(ステップS14)。一方、車内映像用の表示切替ボタン31~32のいずれかを選択するタッチ操作が検出された場合(ステップS15)には、車内映像表示モードに切り替える(ステップS16)と共に、車内映像用表示設定データに従って、選択された表示形式(B1~B2のいずれか)を使用して車内映像の表示を行う(ステップS17)。
【0032】
次に、車内映像表示モード時の表示制御について、
図8を参照して説明する。
車内映像表示モードでの表示中に、モニタ14の画面の長押し操作が検出された場合(ステップS21)に、車外映像用の表示切替ボタン21~23を含む第1の操作部20と、車内映像用の表示切替ボタン31~32を含む第2の操作部30がオーバーレイ表示される(ステップS22)。
【0033】
車内映像用の表示切替ボタン31~32のいずれかを選択するタッチ操作が検出された場合(ステップS23)には、車内映像用表示設定データに従って、選択された表示形式(B1~B2のいずれか)での車内映像の表示に切り替える(ステップS24)。一方、車外映像用の表示切替ボタン21~23のいずれかを選択するタッチ操作が検出された場合(ステップS25)には、車外映像表示モードに切り替える(ステップS26)と共に、車外映像用表示設定データに従って、選択された表示形式(A1~A3のいずれか)を使用して車外映像の表示を行う(ステップS27)。
【0034】
以上のように、本例の列車監視システムは、列車の各車両の外側に取り付けられた車外カメラ12と、列車の各車両の内側に取り付けられた車内カメラ13と、車外カメラ12により撮影された車外映像又は車内カメラ13により撮影された車内映像を表示するモニタ14とを備えている。そして、モニタ14の表示モードとして、車外映像の表示形式を定めた車外映像用表示設定データに従って、各車両の車外映像を表示する車外映像表示モードと、車外映像用表示設定データとは別に車内映像の表示形式を定めた車内映像用表示設定データに従って、各車両の車内映像を表示する車内映像表示モードとを有する。
【0035】
このように、ドア付近の様子の確認に使用する車外映像と、車両内の様子の確認に使用する車内映像との違いを考慮して、それぞれ別の表示設定データに従った表示形式で車外映像表示モード又は車内映像表示モードを制御することで、ドア付近の様子の確認だけでなく、車両内の様子の確認も適切に行うことが可能となる。また、車外映像と車内映像で別々の表示設定データを用いるため、ドア付近の様子の確認に適した表示形式と車両内の様子の確認に適した表示形式の設定や管理が容易となる。
【0036】
なお、本例では、上述したモニタ14の表示制御を制御装置15が実行することを想定しているが、このような構成に限定されず、他の装置が実行してもよい。例えば、モニタ14が、表示設定データに従って自身の表示制御を実行してもよい。また、上記の表示制御は、列車の運行時だけでなく、保守作業時などの別のタイミングに実行してもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、その他の様々な実施形態をとることが可能であると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等の種々の変形を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0038】
また、本発明は、上記の説明で挙げたような装置や、これら装置で構成されたシステムとして提供することが可能なだけでなく、これら装置により実行される方法、これら装置の機能をプロセッサにより実現させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、列車をカメラの映像により監視する列車監視システムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
10:車両、 11:スイッチングハブ、 12:車外カメラ、 13:車内カメラ、 14:モニタ、 15:制御装置