(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046939
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】無線装置、中間装置、方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20240101AFI20240329BHJP
H04W 16/24 20090101ALI20240329BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W16/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152322
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】菊池 慎吾
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信する。
【解決手段】
本開示の無線装置は、無線装置を介してユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信し、ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出し、検出部によるPRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置を介して無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置であって、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信する通信部と、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出する検出部と、を有し、
前記通信部は、前記検出部による前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う、無線装置。
【請求項2】
前記検出結果を記録する記録部を更に備える、
請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記検出結果に基づいて、前記通信部によるU-Plane信号の送信を制御する送信制御部を更に備える、
請求項2に記載の無線装置。
【請求項4】
前記記録部は更に、前記検出結果に基づいて信号を出力し、
前記送信制御部は、前記信号に基づいて前記通信部によるU-Plane信号の送信を制御する、
請求項3に記載の無線装置。
【請求項5】
前記送信制御部は、前記通信部による前記U-Plane信号の送信が一定時間無い場合、前記通信部が前記U-Plane信号を送信しないよう制御する、
請求項4に記載の無線装置。
【請求項6】
前記無線装置は、O-RAN Radio Unit(O-RU)である、
請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項7】
ユーザ装置と通信する複数の無線装置と、前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置であって、
前記無線装置および前記無線アクセスネットワークノードと通信する通信部を有し、
前記通信部は、前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号の検出結果を前記無線装置から受信し、
前記通信部は、前記検出結果に基づいて、前記無線装置から受信したU-Plane信号を、前記無線アクセスネットワークノードへ送信する、中間装置。
【請求項8】
前記中間装置は、フロントホールマルチプレクサ(FHM)である、
請求項7に記載の中間装置。
【請求項9】
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置において実行される方法であって、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信し、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出し、
前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う、方法。
【請求項10】
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置の1またはそれ以上のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信すること、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出すること、
前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行うこと、
を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線装置、中間装置、方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスネットワークノードが複数の無線装置を介してユーザ装置(UE:User Equipment)と通信する場合に、当該無線アクセスネットワークノードと当該無線装置間にフロントホールマルチプレクサ(FHM:Front Haul Multiplexer)が配置される構成が知られている。FHMは、フロントホール上の信号について、ダウンリンクでは無線アクセスネットワークノードからの信号をコピーして複数の子局に送信する。一方、アップリンクでは、FHMは複数の子局からの信号を合成し無線アクセスネットワークノードに送信する。非特許文献1には、当該FHMが無線アクセスネットワークノードと複数の無線装置との間に配置されることにより、複数の無線装置を1セルとして収容することができることが記載されている。
【0003】
また、非特許文献2に記載されているように、オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)アライアンスでは、無線アクセスネットワークノード(O-DU:O-RAN Distributed Unit)と無線装置(O-RU;O-RAN Radio Unit)との間のインターフェースとして、O-RANフロントホール仕様が規定されている。また、O-RANフロントホール仕様においては、O-RAN U-Plane(User data plane)およびO-RAN C-Plane(Control plane)に対するフロントホールのfunction splitが規定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】NTT DOCOMO テクニカルジャーナル vol.24 No.2, “3.5GHz帯TD-LTE導入に向けた基地局装置の開発”
【非特許文献2】ORAN-WG4.CUS.0-v01.00, Technical Specification, “O-RAN Fronthaul Working Group Control, User and Synchronization Plane Specification”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したO-RANフロントホール仕様において、O-DUが複数のO-RUを介してUEと通信する場合に、O-DUと複数のO-RUとの間にFHMを配置することが可能である。この場合、複数のO-RUから送信されたアップリンク信号はFHMで合成され、O-DUで復調される。しかし、複数のO-RUがカバーするエリアの中に、UEが存在しないセルがある場合、他セルからの干渉や装置雑音等がFHMで合成されてしまう。その結果、UEが存在するセルからの信号のみを復調する場合と比較して、O-DUの復調性能が劣化するという問題点があった。
【0006】
その理由は、UEの有無に関わらず複数のO-RUからO-DUにアップリンク信号が送信されてしまうためである。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することを可能とする無線装置、無線装置の方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様における無線装置は、無線装置を介してユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信する通信部と、ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出する検出部と、を有し、通信部は、検出部によるPRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置を介して無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う。
【0009】
本発明の一態様における中間装置は、ユーザ装置と通信する複数の無線装置と、無線装置を介してユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置であって、無線装置および無線アクセスネットワークノードと通信する通信部を有し、通信部は、ユーザ装置から送信されたPRACH信号の検出結果を無線装置から受信し、通信部は、検出結果に基づいて、無線装置から受信したU-Plane信号を、無線アクセスネットワークノードへ送信する。
【0010】
本発明の一態様における方法は、無線装置を介してユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信し、ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出し、PRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置を介して無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う。
【0011】
本発明の一態様におけるプログラムは、無線装置を介してユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信すること、ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出すること、 PRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置を介して無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行うこと、を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することを可能とする無線装置、中間装置、方法およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態における無線装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態における無線通信システム100の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態における無線装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態における無線装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】第3実施形態における無線装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】第3実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】第3実施形態における無線装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第4実施形態における無線装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】第4実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】第4実施形態における無線装置の構成例を示すブロック図である。
【
図11】第4実施形態における無線装置の動作を示すフローチャートである。
【
図12】第5実施形態における中間装置の構成を示すブロック図である。
【
図13】第5実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図14】第5実施形態における中間装置の動作を示すフローチャートである。
【
図15】第5実施形態における中間装置の実施例を示すブロック図である。
【
図16】第5実施形態における中間装置の実施例を示すブロック図である。
【
図17】第5実施形態における中間装置の実施例を示すブロック図である。
【
図18】第6実施形態における中間装置の構成を示すブロック図である。
【
図19】第6実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図20】第6実施形態における中間装置の動作を示すフローチャートである。
【
図21】第7実施形態における中間装置の構成を示すブロック図である。
【
図22】第7実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図23】第7実施形態における中間装置の動作を示すフローチャートである。
【
図24】第8実施形態における中間装置の構成を示すブロック図である。
【
図25】第8実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図26】第8実施形態における中間装置の動作を示すフローチャートである。
【
図27】第9実施形態における中間装置の構成を示すブロック図である。
【
図28】第9実施形態における無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図29】第9実施形態における中間装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面および明細書記載の各実施の形態において、同様の機能を備える構成要素には同様の符号が与えられている。
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態における無線装置1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1を参照すると、本開示の第1実施形態における無線装置1は、通信部11と検出部12とを備える。
【0016】
図2は、本開示の第1実施形態における無線通信システム100の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2を参照すると、本開示の第1実施形態における無線通信システム100は、複数の無線装置1と、ユーザ装置10と、中間装置30と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0018】
無線装置1は、ユーザ装置10と通信し、無線周波数の処理を行う装置である。
【0019】
無線装置1の通信部11は、他の装置との間でデータの送受信を行う。通信部11は、ユーザ装置10から送信されたデータを、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40に送信する。
【0020】
無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH(Physical Random Access Chanal)信号を検出する。PRACH信号とは、ユーザ装置10が初期アクセスやハンドオーバなどによりセルとコネクション確立を行う場合や、再同期を行う場合に使用される信号である。
【0021】
更に通信部11は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。
【0022】
ユーザ装置10は、無線装置1および中間装置30を介して、無線アクセスネットワークノード40と通信を行う。
【0023】
中間装置30は、複数の無線装置1および無線アクセスネットワークノード40の間に配置される。中間装置30は、無線装置1および無線アクセスネットワークノード40からの信号を複製あるいは合成して伝送する。例えば、中間装置30は、複数の無線装置1からのアップリンク信号(無線装置1から無線アクセスネットワークノード40への信号)を合成し、無線アクセスネットワークノード40に送信する。また、例えば、中間装置30は、無線アクセスネットワークノード40からのダウンリンク信号(無線アクセスネットワークノード40から無線装置1への信号)を複製し、複数の無線装置1に送信する。
【0024】
無線アクセスネットワークノード40は、無線装置1および中間装置30を介してユーザ装置10と通信を行う。
【0025】
図3は、本開示の第1実施形態における無線装置1の動作を示すフローチャートである。
【0026】
ステップS1001において、無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。
【0027】
ステップS1002において、無線装置1の通信部11は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部11は、U-Plane信号を、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へ送信する。
【0028】
第1実施形態における無線装置1は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号の送信を行う。
【0029】
したがって第1実施形態における無線装置1は、PRACH信号の検出結果に基づいてU-Plane信号を送信することができる。そのため、無線装置1は、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することができる。例えば、無線装置1に接続するユーザ装置が存在しない場合、無線装置1はU-Plane信号を送信しないこととすることができる。これにより、ユーザ装置が存在しないセルにおいて、他セルからの干渉や装置雑音等が中間装置で合成され、無線アクセスネットワークノード(例えばO-DU)における復調性能が劣化するという問題を防ぐことができる。
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態における無線装置1および無線通信システム100について説明する。
【0030】
本実施形態における無線装置1は、第1実施形態における無線装置1と同様の構成とする。本実施形態における無線通信システム100は、第1実施形態における無線通信システム100と同様の構成とする。
【0031】
本開示の第2実施形態における無線通信システム100は、複数の無線装置1と、ユーザ装置10と、中間装置30と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0032】
無線装置1は、ユーザ装置10と通信し、無線周波数の処理を行う装置である。
図2においては、1つの無線装置に対して、1つのユーザ装置が接続されているが、1つの無線装置に対して、複数のユーザ装置が接続されていてもよい。無線装置1は、中間装置30とも通信する。無線装置1は、中間装置30を介して、無線アクセスネットワークノード40と通信する。
【0033】
また、無線装置1は、上述したO-RUであってもよいが、これに限定されない。無線装置1がO-RUである場合、無線装置1は、例えば
図4のような構成でもよい。
図4を参照すると、無線装置1は、PRACHの機能として、Analog Beamforming 201と、Analog to Digital 203と、Filtering 204と、Digital Beam forming 206と、Re Demapping 208と、Detection 212とを備える。また、無線装置1は、PUxCHの機能として、Analog Beamforming 202と、Analog to Digital 203と、FFT and CP removal 205と、Digital Beam forming 207と、IQ Compression 211と、を備える。なお、
図4は非特許文献2に記載のO-RANフロントホール仕様を一部変更したものである。該変更は、非特許文献2に記載のO-RANフロントホール仕様において無線アクセスネットワークノード(O-DU)が有するDetection機能を無線装置1(O-RU)が有する点である。
【0034】
無線装置1の通信部11は、他の装置からのデータ受信および送信を行う。通信部11は、ユーザ装置10から送信されたデータを、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40に送信する。例えば、無線アクセスネットワークノード40から送られたO-RAN C-Plane信号に基づいて、ユーザ装置10からO-RAN U-Plane信号が送信される。この場合、通信部11は、当該U-Plane信号を、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40に送信する。例えば、通信部11は、
図4におけるIQ Compression 211に相当する。なお、C-Plane信号とは、C-Planeパケットを含む信号である。U-Plane信号とは、U-Planeパケットを含む信号である。
【0035】
無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10がPRACH信号を送信したことを検出する。例えば、検出部12は、
図4におけるDetection 212に相当する。
【0036】
更に通信部11は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。例えば、検出部12がPRACH信号を検出した場合に、通信部11は、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信することとしてもよい。この場合、検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、通信部11は、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しない。
【0037】
なお、通信部11を介してユーザ装置10から無線アクセスネットワークノード40へ送信されるデータは、U-Plane信号に限定されない。
【0038】
ユーザ装置10は、無線装置1および中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40と通信を行う。ユーザ装置10は、上述したUEでもよいが、これに限定されない。
【0039】
中間装置30は、複数の無線装置1および無線アクセスネットワークノード40の間に配置される。中間装置30は、無線装置1および無線アクセスネットワークノード40からの信号を複製あるいは合成して伝送する。例えば、中間装置30は、ダウンリンク信号(無線アクセスネットワークノード40から無線装置1への信号)を複製し、複数の無線装置1に送信する。また、中間装置30は、複数の無線装置1からのアップリンク信号(無線装置1から無線アクセスネットワークノード40への信号)を合成し、無線アクセスネットワークノード40に送信する。また、アップリンク信号の合成は、単純な合成(例えば、和または平均の算出)に限られず、選択的な合成(例えば、選択した複数のアップリンク信号の単純な合成、または、複数のアップリンク信号を重み付けした上での単純な合成等)であってもよい。中間装置30は、上述したフロントホールマルチプレクサ(FHM)であってもよいが、これに限定されない。
【0040】
無線アクセスネットワークノード40は、無線装置1および中間装置30を介して、ユーザ装置10と通信を行う。無線アクセスネットワークノード40は、上述したO-DUであってもよいが、これに限定されない。
【0041】
本実施形態における無線装置1の動作は、第1実施形態における無線装置1と同様の動作とする。
【0042】
図3のステップS1001において、無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部12は、PRACH信号の検出結果を通信部11に送信してもよい。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部12は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す信号を通信部11に出力してもよい。
【0043】
ステップS1002において、無線装置1の通信部11は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部11は、U-Plane信号を、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へ送信する。通信部11は、PRACH信号の検出結果を検出部12から信号等で取得してもよいが、取得方法はこれに限定されない。また、検出部12が出力する信号は、PRACH信号の検出結果を示す信号に代えて、通信部11によるU-Plane信号の送信を制御する信号でもよい。
【0044】
なお、通信部11がU-Plane信号を送信するタイミングは、例えば、U-Plane信号の送信タイミング情報に従う。該送信タイミング情報は、例えば、無線アクセスネットワークノード40から中間装置30を介して送信されるC-Plane信号に含まれる。
【0045】
第2の実施の形態における無線装置1は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号の送信を行う。
【0046】
これにより、本実施形態においても、第1実施形態同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
続いて、本開示の第3実施形態について図面を参照して説明する。第3実施形態の無線装置2は、第2実施形態の無線装置1が更に記録部13を含む点で、第2実施形態の無線装置1と異なる。
【0047】
以下、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
図5は、本開示の第3実施形態における無線装置2の構成を示すブロック図である。
【0049】
図5を参照すると、本開示の第3実施形態における無線装置2は、通信部11と検出部12と記録部13を備える。
【0050】
図6は、本開示の第3実施形態における無線通信システム101の構成を示すブロック図である。
【0051】
図6を参照すると、本開示の第3実施形態における無線通信システム101は、複数の無線装置2と、ユーザ装置10と、中間装置30と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0052】
無線装置2の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部12は、PRACH信号の検出結果を記録部13に通知する。ここで、検出部12は、PRACH信号を検出した場合にのみ、検出結果を通知することとしても良い。
【0053】
無線装置2の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を示す通知を受ける。これにより、記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を取得する。更に、記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を記録する。例えば、記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果をメモリーに記録してもよいが、これに限定されない。例えば、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出した場合にのみ、該検出結果を記録してもよい。また、記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて信号を出力する。例えば、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出したことを示す信号を通信部11に送信してもよい。また、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出しなかったことを示す検出結果を受信した場合には、信号を出力しなくてもよい。あるいは、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出したことを示す検出結果を受信しなかった場合には、信号を出力しなくてもよい。また、記録部13は、検出部12による過去のPRACH信号の検出結果に基づいて、信号を出力してもよい。
【0054】
次に、通信部11は、記録部13から出力された信号に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。例えば、通信部11は、検出部12がPRACH信号を検出したことを示す信号を記録部13から取得した場合に、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信することとしてもよい。また、通信部11は、記録部13から当該信号を取得しなかった場合、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。あるいは、通信部11は、検出部12がPRACH信号を検出しなかったことを示す信号を記録部13から取得した場合に、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。
【0055】
図7は、本開示の第3実施形態における無線装置2の動作を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS2001において、無線装置2の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部12は、PRACH信号の検出結果を記録部13に通知する。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部12は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す信号を記録部13に出力してもよい。なお、検出部12は、PRACH信号の検出結果を通信部11に通知してもよい。
【0057】
ステップS2002において、無線装置2の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を記録する。
【0058】
ステップS2003において、無線装置2の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、信号を出力する。記録部13が出力する信号は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を示す情報を含んでもよい。また、記録部13が出力する信号は、通信部11によるU-Plane信号の送信を制御する信号でもよい。具体的には、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出した場合には、通信部11に対して、U-Plane信号を送信するよう制御する制御信号を出力することとしてもよい。記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、通信部11に対して、U-Plane信号を送信するよう制御する制御信号を出力しなくてもよい。あるいは、記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、通信部11に対して、U-Plane信号を送信しないよう制御する制御信号を出力してもよい。
【0059】
ステップS2004において、無線装置2の通信部11は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部11は、U-Plane信号を、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へ送信する。通信部11は、PRACH信号の検出結果を、記録部13から出力される信号を受信することで取得する。通信部11は、U-Plane信号の送信可否を、記録部13から出力される信号を受信することで取得してもよい。なお、通信部11は、PRACH信号の検出結果を、検出部12が出力する信号を受信することで取得することとしてもよい。
【0060】
なお、通信部11がU-Plane信号を送信するタイミングは、例えば、U-Plane信号の送信タイミング情報に従う。該送信タイミング情報は、例えば、無線アクセスネットワークノード40から中間装置30を介して送信されるC-Plane信号に含まれる。そのため、記録部13が、検出部12によるPRACH信号の検出結果と送信タイミング情報とを記録しておき、該送信タイミング情報が示す送信タイミングが近づいたときに、通信部11へ、PRACH信号の検出結果を示す信号を出力することとしてもよい。このとき、記録部13が、通信部11へ、PRACH信号の検出結果を示す信号に代えて、U-Plane信号の送信を制御する信号を出力することとしてもよい。
【0061】
第3実施形態における無線装置2は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果を記録し、該検出結果に基づいて出力された信号に基づいて、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号の送信を行う。
【0062】
したがって第3実施形態における無線装置2は、PRACH信号の検出結果を記録し、該検出結果に基づいて出力された信号に基づいてU-Plane信号の送信を行うことができる。
【0063】
これにより、本実施形態においても、第1実施形態同様の効果を奏する。
[第4実施形態]
続いて、本開示の第4実施形態について図面を参照して説明する。第4実施形態の無線装置3は、第3実施形態の無線装置2が更に送信制御部14を含む点で、第3実施形態の無線装置2と異なる。
【0064】
以下、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において第3実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図8は、本開示の第4実施形態における無線装置3の構成を示すブロック図である。
【0066】
図8を参照すると、本開示の第4実施形態における無線装置3は、通信部11と検出部12と記録部13と送信制御部14とを備える。
【0067】
図9は、本開示の第4実施形態における無線通信システム102の構成を示すブロック図である。
【0068】
図9を参照すると、本開示の第4実施形態における無線通信システム102は、無線装置3と、ユーザ装置10と、中間装置30と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。例えば、無線通信システム102は、
図10のような構成でもよいが、これに限定されない。
図10を参照すると、無線装置3は、Analog Beamforming 201と、Analog Beamforming 202と、Analog to Digital 203と、Filtering 204と、FFT and CP removal 205と、Digital Beam forming 206と、Digital Beam forming 207と、Re Demapping 208と、IQ Compression 211と、Detection 212と、記録部213と、送信制御部214と、O-RAN C-Plane解析部215と、を備える。
図10を参照すると、ユーザ装置10は、PRACH送信部110と、PUSCH送信部120とを備える。
図10を参照すると、中間装置30は、O-RAN C-Planeパケットコピー部301と、パケット判定部302と、O-RAN U-Plane合成部303と、を備える。
図10を参照すると、無線アクセスネットワークノード40は、PRACH用O-RAN C-Planeパケット作成部401と、PUSCH用O-RAN C-Planeパケット作成部402と、O-RAN C-Planeパケット送信部403と、Detection結果受取部404と、O-RAN U-Planeパケット受取部405と、を備える。また、無線装置4は、無線装置3と同様の構成を備える。
【0069】
無線装置3の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を示す通知を受ける。記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を記録する。また、記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて送信制御部14へ信号を出力する。例えば該信号には、通信部11がU-Plane信号の送信をするか否かというフラグを含む。また、該信号には検出部12によるPRACH信号の検出結果を示す情報を含んでもよい。記録部13は、検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、信号を出力しないこととしてもよい。
【0070】
無線装置3の送信制御部14は、記録部13から受信した信号に基づいて、通信部11におけるU-Plane信号の送信を制御する。例えば、送信制御部14は、受信した信号において、通信部11がU-Plane信号の送信することを示すフラグがオンとなっていた場合、通信部11にU-Plane信号の送信を許可する。一方、該フラグがオフであった場合、送信制御部14は、通信部11にU-Plane信号の送信を許可しない。
【0071】
更に通信部11は、送信制御部14による制御に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。
【0072】
また、送信制御部14は、通信部11からU-Plane信号が中間装置30へ向けて送信されたかどうかを確認することとしてもよい。そして、通信部11から中間装置30へ向けて一定時間U-Plane信号の送信が行われなければ、送信制御部14は、通信部11がU-Plane信号を送信しないよう制御することとしてもよい。この場合、送信制御部14は、記録部13から信号を再度受信するまでは、通信部11にU-Plane信号を送信することを禁止することとしてもよい。つまり、送信制御部14は、記録部13から信号を再度受信した場合に限り、通信部11にU-Plane信号を送信することを許可することとしてもよい。
【0073】
図11は、本開示の第4実施形態における無線装置3の動作を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS3001において、無線装置3の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部12は、
図10におけるDetection212に相当する。例えば
図10を参照すると、ユーザ装置10のPRACH送信部110から送信されたPRACH信号は、無線装置3によって受信される。そして、無線装置3によって受信されたPRACH信号は、Analog Beamforming 201、Analog to Digital 203、Filtering 204、Digital Beam forming 206、Re Demapping 208の順に解析され、Detection 212において検出される。
【0075】
ステップS3002において、無線装置3の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果を記録する。記録部13は、
図10における記録部213に相当する。なお、例えば、
図10を参照すると、Detection212によるPRACH信号の検出結果は、記録部213に通知される。そして、記録部213が該検出結果を記録する。
【0076】
ステップS3003において、無線装置3の記録部13は、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、送信制御部14へ信号を出力する。例えば該信号には、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて通信部11がU-Plane信号の送信をするか否かを示すフラグを含む。例えば
図10を参照すると、記録部213が送信制御部214に該フラグを含む信号を出力する。
【0077】
ステップS3004において、無線装置3の送信制御部14は、記録部13から受信した信号に基づいて、通信部11におけるU-Plane信号の送信を制御する。送信制御部14は、
図10における送信制御部214に相当する。例えば
図10を参照すると、送信制御部214が、IQ Compression211によるU-Plane信号の送信を制御する。
【0078】
ステップS3005において、無線装置3の通信部11は、送信制御部14の制御に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部11は、U-Plane信号を、中間装置30を介して無線アクセスネットワークノード40へ送信する。例えば通信部11は、
図10におけるIQ Compression211に相当する。例えば
図10を参照すると、IQ Compression211はU-Plane信号を中間装置30へ送信する。中間装置30において受信されたU-Plane信号は、中間装置30のパケット判定部302を介して、O-RAN U-Plane合成部303に送信される。そして、O-RAN U-Plane合成部303は、受信したU-Plane信号を、中間装置30に接続する他の無線装置4から送信されたU-Plane信号と合成される。
【0079】
また、通信部11はPRACH信号の検出結果を中間装置30へ送信してもよい。この場合、具体的には、中間装置30のパケット判定部302は、U-Planeパケットと検出結果のパケットをルーティングする。このとき、パケット判定部302は、非特許文献2に記載のとおり、eCPRI message=2である場合に、受信したパケットがC-Planeパケットであると判定することとしてもよい。また、パケット判定部302は、eCPRI message=0である場合に、受信したパケットがU-Planeパケットであると判定することとしてもよい。なお、検出結果のパケットは、O-RANアライアンスにおいてO-RAN C-Plane Section Type 8として規定されることとしてもよい。パケット判定部302は、受信したパケットがU-Planeパケットであると判定した場合、受信したパケットをO-RAN U-Plane合成部303に転送する。O-RAN U-Plane合成部303は、無線装置3と無線装置4の同一slotのU-Planeパケットをバッファリングする。そして、O-RAN U-Plane合成部303は、これらのU-Planeパケット内のIQデータを加算し、合成する。パケット判定部302は、受信したパケットが検出結果であると判定した場合は、無線アクセスネットワークノード40のDetection結果受取部404に転送する。
【0080】
その後、無線アクセスネットワークノード40のO-RAN U-Planeパケット受取部405が、中間装置30において合成されたU-Plane信号を受信する。
【0081】
第4実施形態における無線装置3は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて出力された信号に基づいて、U-Plane信号の送信の制御を行う。
【0082】
したがって第4実施形態における無線装置3は、PRACH信号の検出結果に基づいてU-Plane信号の送信の制御を行うことができる。そのため、第1乃至第3の実施形態と同様に、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することができる。更に、本実施形態においては、無線装置3から一定時間U-Plane信号の送信が行われない場合、無線装置3が無線アクセスネットワークノード40へのU-Plane信号の送信をしないよう制御することもできる。そのため、無線装置のパワーセービングをすることもできる。
[第5実施形態]
次に、本開示の第5実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態における無線装置1は、第1実施形態における無線装置1と同様の構成とする。本実施形態においては、中間装置がU-Plane信号の送信を制御する点で、第1の実施形態と異なる。
【0083】
図12は、本開示の第5実施形態における中間装置31の構成を示すブロック図である。
【0084】
図12を参照すると、本開示の第5実施形態における中間装置31は、通信部311を備える。
【0085】
図13は、本開示の第5実施形態における無線通信システム103の構成を示すブロック図である。
【0086】
図13を参照すると、本開示の第5実施形態における無線通信システム103は、複数の無線装置1と、ユーザ装置10と、中間装置31と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0087】
無線装置1の通信部11は、他の装置からのデータ受信および送信を行う。通信部11は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号を受信する。
【0088】
無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10がPRACH信号を送信したことを検出する。検出部12は、PRACH信号の検出結果を無線装置1の通信部11に通知する。
【0089】
更に無線装置1の通信部11は、該PRACH信号の検出結果を検出部12から取得する。通信部11は、該PRACH信号の検出結果を中間装置31の通信部311に送信する。
【0090】
中間装置31の通信部311は、無線装置1および無線アクセスネットワークノード40と通信する。通信部311は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号の検出結果を無線装置1から受信する。ここで、PRACH信号の検出結果とは、無線装置1の検出部12が検出した否かを示す情報であってもよいし、PRACH信号そのものであってもよい。
【0091】
更に中間装置31の通信部311は、該PRACH信号の検出結果に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へ、ユーザ装置10から送信されたU-Plane信号を送信する。例えば、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出した場合に、通信部311は、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信することとしてもよい。無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出しなかったこと場合には、通信部311は無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。
【0092】
図14は、本開示の第5実施形態における無線装置1および中間装置31の動作を示すフローチャートである。
【0093】
ステップS4001において、無線装置1の検出部12は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部12は、PRACH信号の検出結果を通信部11に通知する。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部12は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す信号を通信部11に出力してもよい。あるいは、検出部12は、検出したPRACH信号そのものを、PRACH信号の検出結果として通信部11に出力してもよい。
【0094】
ステップS4002において、無線装置1の通信部11は、該PRACH信号の検出結果を中間装置31の通信部311に送信する。ここで、無線装置1の通信部11は、該PRACH信号の検出結果を検出部12から取得する。
【0095】
ステップS4003において、中間装置31の通信部311は、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号の検出結果を無線装置1から受信する。
【0096】
ステップS4004において、中間装置31の通信部311は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部311は、U-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。
【0097】
次に、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。
【0098】
本実施形態における1つ目の実施例を、
図15を用いて説明する。本実施例における中間装置31は、
図15が示すように、記録部313を備えてもよい。以下では本実施例における動作について示す。
【0099】
中間装置31の通信部311は、更に、ユーザ装置10から送信されたPRACH信号の検出結果を、記録部313へ通知する。
【0100】
中間装置32の記録部313は、通信部311から、無線装置1の検出部12によるPRACH信号の検出結果についての通知を受ける。記録部313は、該PRACH信号の検出結果を記録する。例えば、記録部313は、該PRACH信号の検出結果をメモリーに記録してもよいが、これに限定されない。例えば、記録部313は、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出した場合にのみ、該検出結果を記録してもよい。また、記録部313は、PRACH信号の検出結果に基づいて信号を出力する。例えば、記録部313は、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出したことを示す信号を通信部311に送信してもよい。記録部313は、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、信号を出力しなくてもよい。加えて記録部313は、無線装置1の検出部12による過去のPRACH信号の検出結果に基づいて、信号を出力してもよい。
【0101】
更に中間装置31の通信部311は、記録部313から出力された信号に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。例えば、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出したことを示す信号を記録部313から取得した場合に、通信部311は、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信することとしてもよい。記録部313から信号を取得しなかった場合には、通信部311は無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。また、無線装置1の検出部12がPRACH信号を検出しなかったことを示す信号を記録部313から取得した場合には、通信部311は無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。
【0102】
次に、本実施形態における2つ目の実施例を、
図16を用いて説明する。本実施例における中間装置31は、
図16が示すように、送信制御部314を備えてもよい。以下では本実施例における動作について示す。
【0103】
中間装置31の記録部313は、更に、無線装置1の検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて送信制御部314へ信号を出力する。例えば該信号には、検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて通信部311がU-Plane信号の送信をするか否かというフラグを含む。また、該信号には検出部12によるPRACH信号の検出結果を含んでもよい。記録部313は、検出部12がPRACH信号を検出しなかった場合には、信号を出力しなくてもよい。
【0104】
中間装置31の送信制御部314は、記録部313から受信した信号に基づいて、通信部311におけるU-Plane信号の送信を制御する。例えば、送信制御部314は、受信した信号において、通信部311がU-Plane信号の送信をすることを示すフラグがオンとなっていた場合、通信部311にU-Plane信号の送信を許可する。一方、該フラグがオフであった場合、送信制御部314は、通信部311にU-Plane信号の送信を許可しない。
【0105】
更に通信部311は、送信制御部314の制御に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。
【0106】
次に、本実施形態における3つ目の実施例を、
図17を用いて説明する。本実施例における中間装置31は、
図17が示すように、合成部315を備えてもよい。以下では本実施例における動作について示す。
中間装置31の合成部315は、無線装置1の検出部12によるPRACH信号の検出結果に基づいて、通信部311が受信したU-Plane信号を合成する。合成部315は、記録部313から取得したPRACH信号の検出結果に基づいて、該U-Plane信号を合成することとしてもよい。例えば、合成部315は、検出部12が検出したPRACH信号を送信した無線装置から受信したU-Plane信号を、合成することとしてもよい。この場合、検出部12が検出したPRACH信号を送信していない無線装置から送信されたU-Plane信号は、合成しないこととしてもよい。なお、合成部315は、PRACH信号の検出結果を通信部311から取得してもよい。
【0107】
更に通信部311は、合成部315が合成したU-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。なお、無線装置20を介してユーザ装置10から無線アクセスネットワークノード40へ送信されるデータは、U-Plane信号に限定されない。
【0108】
以上のように、第5実施形態における中間装置31は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいてU-Plane信号を送信する。
【0109】
本実施形態における、中間装置の通信部の機能、すなわち、PRACHの検出結果に基づいてU-Plane信号を送信する機能は、現在のO-RANアライアンス(非特許文献2に記載の仕様)で定義されていない機能である。本実施形態では、当該機能を無線装置ではなく中間装置にもたせることにより、第1実施形態と同様の効果に加えて、無線装置は現在のO-RANアライアンスで定義された機能(非特許文献2に記載の仕様)に大きな変更を加えずに構成することができるという効果も生じる。
[第6実施形態]
次に、本開示の第6実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態においては、第1乃至第5の実施形態において無線装置が備えていた検出部を、中間装置が備える点で、第1乃至第5の実施形態と異なる。
【0110】
図18は、本開示の第6実施形態における中間装置32の構成を示すブロック図である。
【0111】
図18を参照すると、本開示の第6実施形態における中間装置32は、通信部311と検出部312とを備える。
【0112】
図19は、本開示の第6実施形態における無線通信システム104の構成を示すブロック図である。
【0113】
図19を参照すると、本開示の第6実施形態における無線通信システム104は、複数の無線装置20と、ユーザ装置10と、中間装置32と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0114】
無線装置20は、ユーザ装置10と通信し、無線周波数の処理を行う装置である。
図19においては、1つの無線装置20に対して、1つのユーザ装置が接続されているが、1つの無線装置20に対して、複数のユーザ装置が接続されていてもよい。無線装置20は、上述したO-RUであってもよいが、これに限定されない。
【0115】
ユーザ装置10は、無線装置20および中間装置32を介して無線アクセスネットワークノード40と通信を行う。ユーザ装置10は、上述したUEでもよいが、これに限定されない。
【0116】
中間装置32は、複数の無線装置20および無線アクセスネットワークノード40の間に配置される。中間装置32は、無線装置20および無線アクセスネットワークノード40からの信号を複製あるいは合成して伝送する。例えば、中間装置32は、複数の無線装置20からのアップリンク信号(無線装置20から無線アクセスネットワークノード40への信号)を合成し、無線アクセスネットワークノード40に送信する。中間装置32によるアップリンク信号の合成は、単純な合成(例えば、和または平均の算出)に限られず、選択的な合成(例えば、選択した複数のアップリンク信号の単純な合成、または、複数のアップリンク信号を重み付けした上での単純な合成等)であってもよい。また、例えば、中間装置32は、無線アクセスネットワークノード40からのダウンリンク信号(無線アクセスネットワークノード40から無線装置20への信号)を複製し、複数の無線装置20に送信する。中間装置32は、上述したFHMであってもよいが、これに限定されない。
【0117】
中間装置32の通信部311は、他の装置からのデータ受信および送信を行う。通信部311は、複数の無線装置20から送信されたデータを受信する。通信部311が複数の無線装置20から受信するデータとは、例えば、PRACH信号や、U-Plane信号である。通信部311は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたデータを、無線アクセスネットワークノード40に送信する。例えば、無線アクセスネットワークノード40から送られたO-RAN C-Plane信号に基づいて、無線装置20を介してユーザ装置10からO-RAN U-Plane信号が送信された場合に、当該U-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40に送信する。
【0118】
中間装置32の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。
【0119】
更に通信部311は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。なお、無線装置20を介してユーザ装置10から無線アクセスネットワークノード40へ送信されるデータは、U-Plane信号に限定されない
無線アクセスネットワークノード40は、無線装置20および中間装置32を介してユーザ装置10と通信を行う。無線アクセスネットワークノード40は、上述したO-DUであってもよいが、これに限定されない。
【0120】
図20は、本開示の第6実施形態における中間装置31の動作を示すフローチャートである。
【0121】
ステップS5001において、中間装置32の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部312は、PRACH信号の検出結果を通信部311に送信してもよい。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部312は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す情報を含む信号を通信部311に出力してもよい。
【0122】
ステップS5002において、中間装置32の通信部311は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部311は、無線装置20から送信されたU-Plane信号を受信し、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。通信部311がU-Plane信号を送信するタイミングは、例えば、U-Plane信号の送信タイミング情報に従う。該送信タイミング情報は、例えば、無線アクセスネットワークノード40から中間装置32を介して送信されるC-Plane信号に含まれる。
【0123】
以上のように、第6実施形態における中間装置32は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号の送信を行う。
【0124】
したがって第6実施形態における中間装置32は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号を無線アクセスネットワークノード40へ送信することができる。そのため、中間装置32は、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することができる。例えば、中間装置32と接続する無線装置20に接続するユーザ装置が存在しない場合、中間装置32は無線装置20から受信したU-Plane信号を送信しないこととすることができる。これにより、ユーザ装置が存在しないセルにおいて、他セルからの干渉や装置雑音等が中間装置で合成され、無線アクセスネットワークノード(例えばO-DU)における復調性能が劣化するという問題を防ぐことができる。
[第7実施形態]
続いて、本開示の第7実施形態について図面を参照して説明する。第7実施形態の中間装置33は、第6実施形態の中間装置32に加えて記録部313を含む点で、第6実施形態の中間装置32と異なる。
【0125】
以下、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において第6実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0126】
図21は、本開示の第7実施形態における中間装置33の構成を示すブロック図である。
【0127】
図21を参照すると、本開示の第7実施形態における中間装置33は、通信部311と検出部312と記録部313を備える。
【0128】
図22は、本開示の第7実施形態における無線通信システム105の構成を示すブロック図である。
【0129】
本開示の第7実施形態における無線通信システム105は、複数の無線装置20と、ユーザ装置10と、中間装置33と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0130】
中間装置33の検出部312は、無線装置20を介して、ユーザ装置10からPRACH信号を受信したことを検出する。検出部312は、PRACH信号を検出したことを記録部313に通知する。
【0131】
中間装置33の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果についての通知を受ける。記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果を記録する。例えば、記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果をメモリーに記録してもよいが、これに限定されない。例えば、記録部313は、検出部312がPRACH信号を検出した場合にのみ、該検出結果を記録してもよい。また、記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて信号を出力する。例えば、記録部313は、検出部312がPRACH信号を検出したという情報を含む信号を通信部311に送信してもよい。記録部313は、検出部312がPRACH信号を検出しなかった場合には、信号を出力しなくてもよい。加えて記録部313は、検出部12による過去のPRACH信号の検出結果に基づいて、信号を出力してもよい。
【0132】
更に通信部311は、記録部313から出力された信号に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。例えば、検出部312がPRACH信号を検出したことを示す信号を記録部313から取得した場合に、通信部311は、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信することとしてもよい。記録部313から信号を取得しなかった場合、通信部311は無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。また、検出部312がPRACH信号を検出しなかったことを示す信号を記録部313から取得した場合には、通信部311は無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信しないこととしてもよい。
【0133】
図23は、本開示の第7実施形態における中間装置33の動作を示すフローチャートである。
【0134】
ステップS6001において、中間装置33の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部312は、PRACH信号の検出結果を記録部313に通知する。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部312は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す信号を記録部313に出力してもよい。なお、検出部312は、PRACH信号の検出結果を通信部311に通知してもよい。
【0135】
ステップS6002において、中間装置33の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果を記録する。
【0136】
ステップS6003において、中間装置33の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて、信号を出力する。記録部313によって出力される信号は、検出部312によるPRACH信号の検出結果を含んでもよい。また、記録部313によって出力される信号は、通信部311によるU-Plane信号の送信を制御する信号でもよい。この場合、記録部313は、検出部312によってPRACH信号が検出された場合には、通信部311にU-Plane信号を送信させる制御信号を出力する。記録部313は、検出部312によってPRACH信号が検出されなかった場合には、通信部311にU-Plane信号を送信させる制御信号を出力しなくてもよい。あるいは、記録部313は、通信部311にU-Plane信号の送信しないよう制御する制御信号を出力してもよい。
【0137】
ステップS6004において、中間装置33の通信部311は、PRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部311は、U-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。通信部311は、PRACH信号の検出結果を、記録部313から出力される信号を受信することにより取得する。通信部311は、U-Plane信号の送信可否を、記録部313から出力される信号を受信することにより取得してもよい。なお、通信部311は、PRACH信号の検出結果を、検出部312が出力する信号を受信することで取得することとしてもよい。
【0138】
なお、通信部311がU-Plane信号を送信するタイミングは、U-Plane信号の送信タイミング情報に従う。該送信タイミング情報は、例えば、無線アクセスネットワークノード40から中間装置33を介して送信されるC-Plane信号に含まれる。そのため、検出部312がPRACH信号を検出した後、記録部313が検出結果と送信タイミング情報を記録することとしてもよい。そして、記録部313は、該送信タイミングが近づいたときに、通信部311へ、PRACH信号の検出結果を含む信号を出力することとしてもよい。あるいは記録部313は、該送信タイミングが近づいたときに、通信部311へ、U-Plane信号の送信を制御する信号を出力することとしてもよい。
【0139】
第7実施形態における中間装置33は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果を記録し、該検出結果に基づいて出力された信号に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号の送信を行う。
【0140】
したがって第7実施形態における中間装置33は、PRACH信号の検出結果を記録し、該検出結果に基づいて出力された信号に基づいてU-Plane信号の送信を行うことができる。
これにより、本実施形態においても、第6実施形態同様の効果を奏する。
[第8実施形態]
続いて、本開示の第8実施形態について図面を参照して説明する。第8実施形態の中間装置34は、第7実施形態の中間装置33が更に送信制御部314を有する点で、第7実施形態の中間装置33と異なる。
【0141】
以下、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において第7実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0142】
図24は、本開示の第8実施形態における中間装置34の構成を示すブロック図である。
【0143】
図24を参照すると、本開示の第8実施形態における中間装置34は、通信部311と検出部312と記録部313と送信制御部314とを備える。
【0144】
図25は、本開示の第8実施形態における無線通信システム106の構成を示すブロック図である。
【0145】
図25を参照すると、本開示の第8実施形態における無線通信システム106は、無線装置20と、ユーザ装置10と、中間装置34と、無線アクセスネットワークノード40とを備える。
【0146】
中間装置34の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果についての通知を受ける。記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果を記録する。また、記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて送信制御部314へ信号を出力する。例えば該信号には、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて通信部311がU-Plane信号の送信をするか否かというフラグを含む。また、該信号には検出部312によるPRACH信号の検出結果を含んでもよい。記録部313は、検出部312がPRACH信号を検出しなかった場合には、信号を出力しなくてもよい。
【0147】
中間装置34の送信制御部314は、記録部313から受信した信号に基づいて、通信部311におけるU-Plane信号の送信を制御する。例えば、受信した信号において、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づき、通信部311がU-Plane信号の送信をすることを示すフラグがオンとなっていた場合、通信部311にU-Plane信号の送信を許可する。この場合、該フラグがオフであった場合、通信部311にU-Plane信号の送信を許可しない。
【0148】
更に通信部311は、送信制御部314の制御に基づいて、無線アクセスネットワークノード40へU-Plane信号を送信する。
【0149】
また、送信制御部314は、通信部311からU-Plane信号が無線アクセスネットワークノード40へ向けて送信されたかどうかを確認することとしてもよい。そして、一定時間U-Plane信号の送信が行われなければ、送信制御部314は、通信部311にU-Plane信号を送信することを禁止してもよい。この場合、送信制御部314は、記録部313から信号を再度受信するまでは、通信部311にU-Plane信号を送信することを禁止することとしてもよい。つまり、送信制御部314は、記録部313から信号を再度受信した場合に限り、通信部311にU-Plane信号を送信することを許可することとしてもよい。
【0150】
図26は、本開示の第8実施形態における中間装置34の動作を示すフローチャートである。
【0151】
ステップS7001において、中間装置34の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。
【0152】
ステップS7002において、中間装置34の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果を記録する。
【0153】
ステップS7003において、中間装置34の記録部313は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて、送信制御部314へ信号を出力する。例えば該信号には、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて通信部311がU-Plane信号の送信をするか否かを示すフラグを含む。
【0154】
ステップS7004において、中間装置34の送信制御部314は、記録部313から受信した信号に基づいて、通信部311におけるU-Plane信号の送信を制御する。
【0155】
ステップS7005において、中間装置34の通信部311は、送信制御部314の制御に基づいて、U-Plane信号の送信を行う。具体的には、通信部311は、U-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。
【0156】
第8実施形態における中間装置34は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて出力された信号に基づいて、U-Plane信号の送信の制御を行う。
【0157】
したがって第8実施形態における中間装置34は、PRACH信号の検出結果に基づいてU-Plane信号の送信の制御を行うことができる。そのため、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することができる。更に、一定時間U-Plane信号の送信が行われなければ、U-Plane信号の送信を制御することもできる。そのため、中間装置のパワーセービングをすることもできる。
【0158】
[第9実施形態]
次に、本開示の第9実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態においては、中間装置35が合成部を有する点で第5の実施形態と異なる。
【0159】
図27は、本開示の第9実施形態における中間装置35の構成を示すブロック図である。
【0160】
図27を参照すると、本開示の第9実施形態における中間装置35は、通信部311と検出部312と合成部315とを備える。
【0161】
図28は、本開示の第9実施形態における無線通信システム107の構成を示す。
図28を参照すると、本開示の第9実施形態における無線通信システム107の構成は、
図18における中間装置32に合成部315が追加された構成となる。
【0162】
無線装置20は、ユーザ装置10と通信し、無線周波数の処理を行う装置である。
図28においては、1つの無線装置20に対して、1つのユーザ装置が接続されているが、1つの無線装置20に対して、複数のユーザ装置が接続されていてもよい。無線装置20は、上述したO-RUであってもよいが、これに限定されない。
【0163】
ユーザ装置10は、無線装置20および中間装置35を介して無線アクセスネットワークノード40と通信を行う。ユーザ装置10は、上述したUEでもよいが、これに限定されない。
【0164】
中間装置35は、複数の無線装置20および無線アクセスネットワークノード40の間に配置される。中間装置35は、無線装置20および無線アクセスネットワークノード40からの信号を複製あるいは合成して伝送する。例えば、中間装置35は、複数の無線装置20からのアップリンク信号(無線装置20から無線アクセスネットワークノード40への信号)を合成し、無線アクセスネットワークノード40に送信する。中間装置31によるアップリンク信号の合成は、単純な合成(例えば、和または平均の算出)に限られず、選択的な合成(例えば、選択した複数のアップリンク信号の単純な合成、または、複数のアップリンク信号を重み付けした上での単純な合成等)であってもよい。また、例えば、中間装置35は、無線アクセスネットワークノード40からのダウンリンク信号(無線アクセスネットワークノード40から無線装置20への信号)を複製し、複数の無線装置20に送信する。中間装置35は、上述したFHMであってもよいが、これに限定されない。
【0165】
中間装置35の通信部311は、他の装置からのデータ受信および送信を行う。通信部311は、複数の無線装置20から送信されたデータを受信する。通信部311が複数の無線装置20から受信するデータとは、例えば、PRACH信号や、U-Plane信号である。通信部311は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたデータを、無線アクセスネットワークノード40に送信する。例えば、無線アクセスネットワークノード40から送られたC-Plane信号に基づいて、無線装置20を介してユーザ装置10からU-Plane信号が送信された場合に、当該U-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40に送信する。
【0166】
中間装置35の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。
【0167】
中間装置35の合成部315は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて、通信部311が受信したU-Plane信号を合成する。例えば、合成部315は、検出部312が検出したPRACH信号を送信した無線装置から受信したU-Plane信号を、合成することとしてもよい。この場合、検出部312が検出したPRACH信号を送信していない無線装置から受信したU-Plane信号は、合成しないこととしてもよい。
【0168】
更に通信部311は、合成部315が合成したU-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。なお、無線装置20を介してユーザ装置10から無線アクセスネットワークノード40へ送信されるデータは、U-Plane信号に限定されない。
【0169】
無線アクセスネットワークノード40は、無線装置20および中間装置35を介してユーザ装置10と通信を行う。無線アクセスネットワークノード40は、上述したO-DUであってもよいが、これに限定されない。
【0170】
図29は、本開示の第9実施形態における中間装置35の動作を示すフローチャートである。
【0171】
ステップS8001において、中間装置35の検出部312は、無線装置20を介してユーザ装置10から送信されたPRACH信号を検出する。検出部312は、PRACH信号の検出結果を合成部315に送信してもよい。PRACH信号の検出結果としては、PRACH信号の有無や検出された時間が挙げられるが、これに限定されない。例えば、検出部312は、PRACH信号を検出した場合、PRACH信号を検出したことを示す信号を合成部315に出力してもよい。あるいは、検出部312が送信するPRACH信号の検出結果は、検出部312が検出したPRACH信号そのものであってもよい。
【0172】
ステップS8002において、中間装置35の通信部311は、複数の無線装置20から送信されたU-Plane信号を受信する。
【0173】
ステップS8003において、中間装置35の合成部315は、検出部312によるPRACH信号の検出結果に基づいて、通信部311が受信したU-Plane信号の合成を行う。具体的には、合成部315は、検出部312が検出したPRACH信号を送信した無線装置20から受信したU-Plane信号を合成する。このとき、合成部315は、検出部312が検出したPRACH信号を送信していない無線装置20から受信したU-Plane信号は、合成しない。合成部315は、PRACH信号の検出結果を検出部312から信号等で取得してもよいが、取得方法はこれに限定されない。また、検出部312からの信号は、検出結果を示す信号であってもよいし、合成部315によるU-Plane信号の合成を制御する信号でもよい。
【0174】
ステップS8004において、通信部311は、合成部315が合成したU-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信する。通信部311がU-Plane信号を送信するタイミングは、例えば、U-Plane信号の送信タイミング情報に従う。該送信タイミング情報は、例えば、無線アクセスネットワークノード40から中間装置35を介して送信されるC-Plane信号に含まれる。
【0175】
以上のように、第9実施形態における中間装置35は、ユーザ装置10から送信されるPRACH信号の検出結果に基づいて、U-Plane信号を合成する。
【0176】
したがって第9の実施形態における中間装置35は、PRACH信号の検出結果に基づいて合成されたU-Plane信号を、無線アクセスネットワークノード40へ送信することができる。そのため、中間装置35は、ユーザ装置の有無に基づいて適切に信号を送信することができる。例えば、無線装置20に接続するユーザ装置が存在しない場合、中間装置35は、無線装置20から受信したU-Plane信号を合成しないこととすることができる。これにより、ユーザ装置が存在しないセルにおいて、他セルからの干渉や装置雑音等が中間装置で合成され、無線アクセスネットワークノード(例えばO-DU)における復調性能が劣化するという問題を防ぐことができる。
【0177】
なお、本実施形態における中間装置35は、第7の実施形態における記録部313を有する構成としてもよい。
【0178】
以上、各実施の形態および具体例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0179】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0180】
また、本開示において説明した情報装置の構成要素(例えば、通信部、検出部、記録部、送信制御部の少なくとも1つ)の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、およびコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本開示に含まれる。
【0181】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置であって、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信する通信部と、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出する検出部と、を有し、
前記通信部は、前記検出部による前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う、無線装置。
(付記2)
前記検出結果を記録する記録部を更に備える、付記1に記載の無線装置。
(付記3)
前記検出結果に基づいて、前記通信部による前記U-Plane信号の送信を制御する送信制御部を更に備える、付記2に記載の無線装置。
(付記4)
前記記録部は更に、前記検出結果に基づいて信号を出力し、
前記送信制御部は、前記信号に基づいて前記通信部による前記U-Plane信号の送信を制御する、付記3に記載の無線装置。
(付記5)
前記送信制御部は更に、前記通信部による前記U-Plane信号の送信有無を確認する、付記4に記載の無線装置。
(付記6)
前記送信制御部は、前記通信部による前記U-Plane信号の送信が一定時間無い場合、前記通信部が前記U-Plane信号を送信しないよう制御する、付記5に記載の無線装置。
(付記7)
前記無線装置は、O-RAN Radio Unit(O-RU)である、付記1または2に記載の無線装置。
(付記8)
前記通信部は更に、前記検出部が検出した前記PRACH信号の情報を前記無線アクセスネットワークノードに送信する、付記1に記載の無線装置。
(付記9)
前記記録部は、前記検出結果を前記検出部から取得する、付記2に記載の無線装置。
(付記10)
前記記録部は、前記検出部が前記PRACH信号を検出した場合に、前記通信部に前記U-Plane信号の送信を許可する制御信号を出力する、付記4に記載の無線装置。
(付記11)
前記無線アクセスネットワークノードは、O-RAN Distributed Unit(O-DU)である、付記1に記載の無線装置。
(付記12)
ユーザ装置と通信する複数の無線装置と、前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置であって、
前記無線装置および前記無線アクセスネットワークノードと通信する通信部を有し、
前記通信部は、前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号の検出結果を前記無線装置から受信し、
前記通信部は、前記検出結果に基づいて、前記無線装置から受信したU-Plane信号を、前記無線アクセスネットワークノードへ送信する、中間装置。
(付記13)
前記中間装置は、フロントホールマルチプレクサ(FHM)である、付記12に記載の中間装置。
(付記14)
前記検出結果を記録する記録部と、
前記検出結果に基づいて、前記通信部によるU-Plane信号の送信を制御する送信制御部と、を更に備える、付記12に記載の中間装置。
(付記15)
前記検出結果に基づいて、前記無線装置から受信したU-Plane信号を合成する合成部を更に備える、付記12に記載の中間装置。
(付記16)
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置において実行される方法であって、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信し、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出し、
前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う、方法。
(付記17)
ユーザ装置と通信し、無線周波数の処理を行う無線装置の1またはそれ以上のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する、中間装置と通信すること、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出すること、
前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記中間装置を介して前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行うこと、
を備える、プログラム。
(付記18)
複数の無線装置と、複数の前記無線装置を介してユーザ装置と通信を行う無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と前記無線アクセスネットワークノードとの間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置と、を含む無線通信システムであって、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出する検出部と、
前記検出部による前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う通信部と、
を備える無線通信システム。
(付記19)
ユーザ装置と通信する無線装置と、前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置において実行される方法であって、
前記無線装置および前記無線アクセスネットワークノードと通信し、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号の検出結果を前記無線装置から受信し、
前記検出結果に基づいて、前記無線装置から受信したU-Plane信号を、前記無線アクセスネットワークノードへ送信する、
方法。
(付記20)
ユーザ装置と通信する無線装置と、前記無線装置を介して前記ユーザ装置と通信する無線アクセスネットワークノードと、の間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置の1またはそれ以上のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記無線装置および前記無線アクセスネットワークノードと通信すること、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号の検出結果を前記無線装置から受信すること、
前記検出結果に基づいて、前記無線装置から受信したU-Plane信号を、前記無線アクセスネットワークノードへ送信すること、
を備える、プログラム。
(付記21)
複数の無線装置と、複数の前記無線装置を介してユーザ装置と通信を行う無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と前記無線アクセスネットワークノードとの間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置と、を含む無線通信システムにおいて実行される方法であって、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出し、
前記検出した前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行う、方法。
(付記22)
複数の無線装置と、複数の前記無線装置を介してユーザ装置と通信を行う無線アクセスネットワークノードと、複数の前記無線装置と前記無線アクセスネットワークノードとの間で信号を複製あるいは合成して伝送する中間装置と、を含む無線通信システムの1またはそれ以上のプロセッサに方法を実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
前記ユーザ装置から送信されたPRACH信号を検出すること、
前記検出した前記PRACH信号の検出結果に基づいて、前記無線アクセスネットワークノードへU-Plane信号の送信を行うこと、
を備える、プログラム。
【符号の説明】
【0182】
1、2、3、4、20 無線装置
10 ユーザ装置
11、311 通信部
12、312 検出部
13、213、313 記録部
14、214、314 送信制御部
315 合成部
30、31、32、33、34、35 中間装置
100、101、102、103、104、105、106、107 無線通信システム
110 PRACH送信部
120 PUSCH送信部
201、202 Analog Beamforming
203 Analog to Digital
204 Filtering
205 FFT and CP removal
206、207 Digital Beam forming
208 Re Demapping
211 IQ Compression
212 Detection
215 O-RAN C-Plane解析部
301 O-RAN C-Planeパケットコピー部
302 パケット判定部
303 O-RAN U-Plane合成部
401 PRACH用O-RAN C-Planeパケット作成部
402 PUSCH用O-RAN C-Planeパケット作成部
403 O-RAN C-Planeパケット送信部
404 Detection結果受取部
405 O-RAN U-Planeパケット受取部