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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046942
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】電線端末用カバー
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/04 20060101AFI20240329BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240329BHJP
   H01B 7/00 20060101ALN20240329BHJP
【FI】
H02G15/04 030
H02G15/04
H02G1/14
H01B7/00 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152326
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】592205883
【氏名又は名称】北陸電気工事株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592112558
【氏名又は名称】日本安全産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144886
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】竹中 敏光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 順
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂和
(72)【発明者】
【氏名】土田 新平
(72)【発明者】
【氏名】市川 俊也
【テーマコード(参考)】
5G309
5G355
5G375
【Fターム(参考)】
5G309FA06
5G355AA03
5G355BA01
5G355BA08
5G355CA02
5G355CA09
5G375AA02
5G375BA15
5G375BB46
5G375CB06
5G375CB07
5G375CB26
5G375CB27
5G375DA04
5G375DA20
(57)【要約】
【課題】作業性に優れる電線端末用カバーを提供すること。
【解決手段】電線端末用カバー1は、一端部に開口を有する筒状をなし、第1筒部2と、第1筒部2の開口10側に接続され、弾性を有する扁平形状の第2筒部3と、第2筒部3の開口10側に接続された第3筒部4と、を有し、開口から挿入した電線Dを弾性変形させた第2筒部3で挟持することにより電線Dに固定される。また、第2筒部3の平面視で、第2筒部3は、第1筒部2および第3筒部4よりも幅Wが広い中央部30と、中央部30と第1筒部2とを接続し、第1筒部2に向けて幅Wが漸減する第1テーパ31部と、を有する。また、中心軸Jに対する第1テーパ部31のテーパ角度θ1が17°以下である。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に開口を有する筒状をなし、
第1筒部と、
前記第1筒部の前記開口側に接続され、弾性を有する扁平状の第2筒部と、
前記第2筒部の前記開口側に接続された第3筒部と、を有し、
前記開口から挿入した電線を弾性変形させた前記第2筒部で挟持することにより前記電線に固定され、
前記第2筒部の平面視で、
前記第2筒部は、
前記第1筒部および前記第3筒部よりも幅が広い中央部と、
前記中央部と前記第1筒部とを接続し、前記第1筒部に向けて幅が漸減する第1テーパ部と、を有し、
中心軸に対する前記第1テーパ部のテーパ角度が17°以下であることを特徴とする電線端末用カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線端末用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、電線の端末に装着される端末処理具(電線端末用カバー)が記載されている。この端末処理具は、全体が電気絶縁性および弾発性を有する材料からなる。また、端末処理具は、扁平な第1筒部と、第1筒部の基端側に接続された円筒状の第2筒部と、第1筒部の先端側に接続された円筒状の第3筒部と、を有する。
【0003】
このような端末処理具は、電線の端末が第3筒部側の開口から第2筒部まで挿入される。また、端末処理具に電線が挿入された状態では、扁平な第1筒部が電線に弾発的に接触する。これにより、端末処理具が電線に保持され、電線の短絡、電線端末の損傷などを防いでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-004513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の端末処理具では、第1筒部の先端部のテーパ角度が大きすぎるため、電線の端末を挿入する際に、端末が第1筒部と第3筒部との境界部に引っ掛かり易く、装着し難いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、優れた装着性を有する電線端末用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
【0008】
(1) 一端部に開口を有する筒状をなし、
第1筒部と、
前記第1筒部の前記開口側に接続され、弾性を有する扁平状の第2筒部と、
前記第2筒部の前記開口側に接続された第3筒部と、を有し、
前記開口から挿入した電線を弾性変形させた前記第2筒部で挟持することにより前記電線に固定され、
前記第2筒部の平面視で、
前記第2筒部は、
前記第1筒部および前記第3筒部よりも幅が広い中央部と、
前記中央部と前記第1筒部とを接続し、前記第1筒部に向けて幅が漸減する第1テーパ部と、を有し、
中心軸に対する前記第1テーパ部のテーパ角度が17°以下であることを特徴とする電線端末用カバー。
【発明の効果】
【0009】
このような本発明の電線端末用カバーによれば、第1テーパ部のテーパ角度が17°以下であるため、電線の端末を第2筒部から第1筒部に誘導し易い。そのため、端末が第2筒部と第1筒部との境界部に引っ掛かり難くなり、優れた装着性を発揮することができる電線端末用カバーとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】好適な実施形態に係る電線端末用カバーをZ軸方向から見た図である。
図2】電線端末用カバーをZ軸方向から見た断面図である。
図3】電線端末用カバーをY軸方向から見た図である。
図4】電線端末用カバーをY軸方向から見た断面図である。
図5】電線端末用カバーをX軸方向から見た図である。
図6】電線端末用カバーをX軸方向から見た断面図である。
図7】電線端末用カバーを電線に装着する手順を示す図である。
図8】電線端末用カバーを電線に装着する手順を示す図である。
図9】電線端末用カバーをZ軸方向から見た図である。
図10】電線端末用カバーをY軸方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の電線端末用カバーを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図には、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を図示しており、X軸が電線端末用カバーの中心軸に沿い、Y軸が電線端末用カバーの幅方向に沿い、Z軸が電線端末用カバーの厚さ方向に沿う。
【0012】
図1ないし図4に示す電線端末用カバー1は、電線Dの端末D0に装着され、電線Dの短絡、電線Dの端末D0の損傷などを防止する。電線Dは、配電線であり、芯線D1が絶縁被覆D2で被覆された所謂「絶縁電線」を想定している。また、電線端末用カバー1は、例えば、活線作業(電線Dの切断、接続、電圧測定、位相確認など)時に好適に用いられる。ただし、電線端末用カバー1の用途は、特に限定されず、例えば、停電作業時に用いられてもよいし、保管されている電線Dの端末D0を保護する用途に使用してもよい。
【0013】
電線端末用カバー1は、全体が電気絶縁性を有し、かつ、弾発性(弾性)を有する材料で形成されている。電線端末用カバー1の構成材料としては、絶縁性と弾発性とを兼ね備えていればよく、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)、スチレン系、ポリエステル系、オレフィン系、ポリアミド系、ウレタン系などの各種熱可塑性エラストマー(軟質樹脂材料)を用いることができる。例えば、装着する電線Dの電圧に応じて電線端末用カバー1の材料を適宜選択することができる。
【0014】
電線端末用カバー1は、筒状であり、その基端部に電線Dを挿入するための開口10を有する。また、電線端末用カバー1は、その先端部に位置する第1筒部2と、第1筒部2の基端側(開口10側)に接続された第2筒部3と、第2筒部3の基端側(開口10側)に接続された第3筒部4と、を有する。つまり、電線端末用カバー1は、各々筒状をなす第1筒部2、第2筒部3および第3筒部4が先端側から並んで接続された構成となっている。
【0015】
また、電線端末用カバー1の両端部に位置する第1筒部2および第3筒部4は、それぞれ、円筒状をなし、中央部に位置する第2筒部3は、扁平筒状をなす。また、第1筒部2の内径R2および第3筒部4の内径R4は、それぞれ、電線端末用カバー1を装着する電線Dの外径Rdよりも大きい。
【0016】
また、第2筒部3は、平面視(Z軸方向からの平面視)で、第1筒部2および第3筒部4よりも幅W(Y軸方向(扁平方向)の長さ)が大きい中央部30と、中央部30と第1筒部2とを接続し第1筒部2に向けて幅Wが漸減する第1テーパ部31と、中央部30と第3筒部4とを接続し第3筒部4に向けて幅Wが漸減する第2テーパ部32と、を有する。
【0017】
また、図5および図6に示すように、中央部30は、円筒をZ軸方向の両側から押し潰したような角丸長方形の横断面形状を有する。そのため、中央部30は、隙間G(電線端末用カバー1の内部空間)を介して対向する互いに平行な一対の平坦部301、302を有する。また、隙間Gは、電線端末用カバー1を装着する電線Dの外径Rdよりも小さく設計され、中央部30の内周(内周面の周方向の長さ)は、電線Dの外周(外周面の周方向の長さ)よりも長い。
【0018】
以上、電線端末用カバー1の基本的な構成について説明した。ここで、一旦、電線Dへの電線端末用カバー1の装着手順の一例を説明する。まず、作業者は、電線Dの端末D0において芯線D1を絶縁被覆D2から露出させる。次に、作業者は、図7および図8に示すように、第2筒部3の中央部30を幅方向(Y軸方向)に押圧して隙間Gを拡げ、その状態(以下、この状態を「押圧状態」とも言う。)で、電線Dの端末D0を開口10から第1筒部2まで挿入する。最後に、作業者は、第2筒部3の押圧状態を解除する。これにより、電線Dが第2筒部3で挟持され、電線端末用カバー1が電線Dに装着される。
【0019】
電線端末用カバー1を電線Dに装着した状態では、電線Dの端末D0つまり露出した芯線D1が電線端末用カバー1で覆われ、作業者を電線Dから電気的に保護することができると共に、電線Dの端末D0を機械的に保護することができる。そのため、作業の安全性が向上する。
【0020】
上述のように電線端末用カバー1を電線Dに装着する際に隙間Gを拡げることで、電線Dの挿入抵抗が低減され、電線Dを電線端末用カバー1に挿入し易くなる。特に、第2筒部3が扁平形状であるため、第2筒部3を把持し易く、かつ、第2筒部3を押圧し易い。したがって、電線Dへの電線端末用カバー1の着脱が容易となり、作業性が向上する。また、前述したように、隙間G<外径Rdであるため、電線Dを電線端末用カバー1に挿入した状態で第2筒部3の押圧状態を解除すると、第2筒部3は、隙間Gと電線Dの外径との差だけ歪み、この差に応じた復元力(自然状態に復帰しようとする力)が生じる。そのため、電線DのZ軸方向両側から平坦部301、302が弾発的に接し、平坦部301、302によって電線Dが挟持される。これにより、電線端末用カバー1が電線Dに固定される。
【0021】
電線Dに装着された電線端末用カバー1を取り外すときは、作業者は、第2筒部3を幅方向に押圧して隙間Gを拡げた状態で、電線端末用カバー1を電線Dから引き抜けばよい。このように、電線端末用カバー1の弾発力を利用することで、電線Dへの電線端末用カバー1の着脱が容易かつスムーズに行うことができる。なお、赤色、青色、黄色、緑色、黒色などの色の異なる複数種の電線端末用カバー1を準備し、装着する電線Dの電圧や位相毎にあらかじめ決められた色の電線端末用カバー1を使用することで、作業性および安全性が向上する。
【0022】
電線端末用カバー1の全長としては、特に限定されないが、例えば、200mm以上、250mm以下程度であることが好ましい。これにより、露出した芯線D1の全域をより確実に電線端末用カバー1で覆うことができる。また、過度な長尺化が防止され、高い作業性を有する電線端末用カバー1となる。
【0023】
次に、第1筒部2、第2筒部3および第2筒部3の各々について、その構成をより詳細に説明する。
【0024】
まず、第1筒部2および第3筒部4について説明する。第1筒部2および第3筒部4は、それぞれ、円筒状をなす。また、第1筒部2は、第3筒部4よりも短い。また、第1筒部2および第3筒部4は、互いにほぼ等しい外径を有する。また、図2および図4に示すように、第1筒部2は、第3筒部4よりも肉厚である。第1筒部2を第3筒部4よりも肉厚にすることで、第3筒部4の強度を高めることができる。そのため、電線端末用カバー1の先端部における強度が増し、電線Dが電線端末用カバー1を突き破って電線端末用カバー1外に露出するのを効果的に防ぐことができる。そのため、より安全性の高い電線端末用カバー1となる。
【0025】
第1筒部2の外径と第3筒部4の外径とが等しく、第1筒部2が第3筒部4よりも肉厚であることから、第1筒部2の内径R2は、第3筒部4の内径R4よりも小さい。つまり、R2<R4である。このように、R2<R4とすることで、電線Dに対する電線端末用カバー1の先端部のガタツキを小さくすることができる。そのため、電線端末用カバー1の装着状態がより安定する。
【0026】
また、図3および図4に示すように、側面視(Y軸方向からの平面視)で、第1筒部2は、第2筒部3に接続され、第2筒部3に向けて厚さT(Z軸方向の長さ)が漸減するテーパ部21を有する。これにより、第1筒部2と第2筒部3とを滑らかに接続することができる。また、図1に示すように、テーパ部21は、第1テーパ部31に接続されており、第1テーパ部31と中央部30との境界を超えないように設けられている。このように、テーパ部21を中央部30と重ならないように設けることにより、中央部30の全体が扁平形状となり、中央部30を変形させ易くなる。また、中央部30と電線Dとの接触面積の減少を防ぐことができ、装着状態がより安定する。
【0027】
同様に、側面視で、第3筒部4は、第2筒部3に接続され、第2筒部3に向けて厚さTが漸減するテーパ部41を有する。これにより、第3筒部4と第2筒部3とを滑らかに接続することができる。テーパ部41は、第2テーパ部32に接続されており、第2テーパ部32と中央部30との境界を超えないように設けられている。このように、テーパ部41を中央部30と重ならないように設けることにより、中央部30の全体が扁平形状となり、中央部30を変形させ易くなる。また、中央部30と電線Dとの接触面積の減少を防ぐことができ、装着状態がより安定する。
【0028】
次に、第2筒部3について説明する。第2筒部3は、第3筒部4よりも肉厚であり、本実施形態では、第1筒部2とほぼ等しい。第2筒部3を第3筒部4よりも肉厚にすることで、第2筒部3の強度を高めることができる。前述したように、第2筒部3は、弾性変形させる箇所であるため、当該部分の強度を高めることにより、優れた強度を有する電線端末用カバー1となる。ただし、第2筒部3の肉厚は、特に限定されず、例えば、第3筒部4の肉厚と等しくてもよいし、第3筒部4の肉厚よりも薄くてもよい。
【0029】
図2に示すように、平面視で、第1テーパ部31の両内縁311、312は、直線的に延在している。また、電線端末用カバー1の中心軸Jに対する第1テーパ部31のテーパ角度θ1は、17°以下である。つまり、θ1≦17°である。なお、テーパ角度θ1は、第1テーパ部31の内周面におけるテーパ角度を意味する。このように、θ1≦17°とすることにより、第1テーパ部31が十分になだらかとなり、電線端末用カバー1を電線Dに装着する際に、第1テーパ部31によって電線Dを第2筒部3から第1筒部2へスムーズに案内することができる。そのため、優れた装着性が発揮され、電線Dへの電線端末用カバー1の装着が容易となる。
【0030】
なお、テーパ角度θ1の下限値としては、特に限定されないが、例えば、10°以上であることが好ましい。つまり、θ1≧10°であることが好ましい。このように、θ1≧10°とすることにより、電線端末用カバー1が過度に長尺になるのを防ぐことができる。
【0031】
以上、本発明の電線端末用カバーを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【実施例0032】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0033】
1.電線端末用カバー1の製造
(実施例1)
構成材料として合成ゴムを用いて図9および図10に示す寸法の電線端末用カバー1を製造した。表1に示すように、第1テーパ部31のテーパ角度θ1は、17°であった。
【0034】
(実施例2)
第1テーパ部31のテーパ角度θ1を14°とし、第1テーパ部31をその分長くしたこと以外は、前述した第1実施例と同様にして電線端末用カバー1を製造した。
【0035】
(実施例3)
第1テーパ部31のテーパ角度θ1を10°とし、第1テーパ部31をその分長くしたこと以外は、前述した第1実施例と同様にして電線端末用カバー1を製造した。
【0036】
(実施例4)
第1テーパ部31のテーパ角度θ1を5°とし、第1テーパ部31をその分長くしたこと以外は、前述した第1実施例と同様にして電線端末用カバー1を製造した。
【0037】
(比較例1)
第1テーパ部31のテーパ角度θ1を20°とし、第1テーパ部31をその分短くしたこと以外は、前述した第1実施例と同様にして電線端末用カバー1を製造した。
【0038】
(比較例2)
第1テーパ部31のテーパ角度θ1を30°とし、第1テーパ部31をその分短くしたこと以外は、前述した第1実施例と同様にして電線端末用カバー1を製造した。
【0039】
【表1】
【0040】
2.電線端末用カバー1の評価方法
実施例1~4および比較例1、2の各電線端末用カバー1について、電線Dへ装着する際の第1テーパ部31での電線Dの引っ掛かりの有無を検証すると共に、その他、作業者に作業性の感想をアンケートした。なお、電線Dへ装着は、実施例1~4および比較例1、2毎にそれぞれ100回行い、表1には電線が第1テーパ部31に引っ掛かった回数を表示している。また、電線Dへの装着手順は、実際の活線作業を想定し、上述した手順と同様にして行った。
【0041】
3.電線端末用カバー1の評価結果
表1から明らかなように、実施例1~4では、いずれも比較例1、2に対して電線Dの引っ掛かりの回数が大きく低減している。ただし、実施例4では、テーパ角度θ1が小さい分、電線端末用カバー1の全長が長くなってしまい、実施例1~3に比べて作業性が落ちるとの意見があった。このようなことから、前述したように、テーパ角度θ1を10°以上、17°以下とすることにより、特に優れた作業性を有する電線端末用カバー1となることが分かる。
【符号の説明】
【0042】
1…電線端末用カバー、10…開口、2…第1筒部、21…テーパ部、3…第2筒部、30…中央部、301…平坦部、302…平坦部、31…第1テーパ部、311…内縁、312…内縁、32…第2テーパ部、4…第3筒部、41…テーパ部、D…電線、D0…端末、D1…芯線、D2…被覆層、Dd…外径、G…隙間、J…中心軸、R2…内径、R4…内径、Rd…外径、T…厚さ、θ1…テーパ角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10