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特開2024-46977イメージングプレート保護アセンブリ及びイメージングプレートアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046977
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】イメージングプレート保護アセンブリ及びイメージングプレートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/42 20240101AFI20240329BHJP
   A61B 6/51 20240101ALI20240329BHJP
【FI】
A61B6/00 300T
A61B6/14 300
A61B6/00 300X
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152377
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】桐村 晋
(72)【発明者】
【氏名】杉原 義人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優輔
(72)【発明者】
【氏名】廣田 政之
(72)【発明者】
【氏名】吉川 英基
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA35
4C093DA05
4C093EB05
(57)【要約】
【課題】防水バッグのサイズの種類を減らすとともに、唾液等の体液が防水バッグ内に入りにくくすることが可能な技術を提供する。
【解決手段】イメージングプレート保護アセンブリは、複数のイメージングプレートを収容可能である。イメージングプレート保護アセンブリは、複数の防水バッグと、保持部材とを備える。複数の防水バッグは、複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する。保持部材は、複数の防水バッグに収容された複数のイメージングプレートを所定位置に保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイメージングプレートを収容可能なイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する複数の防水バッグと、
前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートを所定位置に保持する保持部材と
を備える、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材は、
前記複数の防水バッグが固定される被固定部と、
前記被固定部と前記複数の防水バッグとを互いに取り付ける取付部と
を有する、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記複数の防水バッグの少なくとも一つは、前記被固定部に対して着脱可能である、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材は、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートのそれぞれの両面と対向する、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のイメージングプレートの保護アセンブリであって、
前記保持部材は開閉可能である、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材は、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートを狭持する、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材の内側空間は、前記複数のイメージングプレートが収容された前記複数の防水バッグがそれぞれ配置される、互いに仕切られた複数の部分空間を有する、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材の全体を被覆する被覆部材をさらに備える、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のイメージングプレート保護アセンブリであって、
前記保持部材は、放射線透過素材であって紙または樹脂で構成される、イメージングプレート保護アセンブリ。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のイメージングプレート保護アセンブリと、
前記イメージングプレート保護アンセブリに収容される複数のイメージングプレートと
を備える、イメージングプレートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のイメージングプレートを収容可能なアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つのイメージングプレートを収容可能なアセンブリが記載されている。特許文献1に記載のアセンブリは、第1のイメージングプレートと第2のイメージングプレートを重ねる方向に受けて保持するように構成された容器と、第1のイメージングプレート、第2のイメージングプレート及び容器を受けて保持するように構成された流体不浸透構造の袋とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-212401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアセンブリでは、容器に保持された複数のイメージングプレートが一つの袋に収容されていることから、使用するイメージングプレートの数に応じて、サイズの異なる複数種類の袋を用意する必要がある。また、袋は、複数のイメージングプレートを保持する容器を覆うことから、袋内の内容物の厚みが大きく、袋の口が閉じにくい。これにより、唾液等の体液が袋の内部に入り込みやすくなる。
【0005】
そこで、本開示は、防水バッグのサイズの種類を減らすとともに、唾液等の体液がイメージングプレートを被覆する袋の内部に入りにくくなる、複数のイメージングプレートが収容可能なアセンブリの技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
イメージングプレート保護アセンブリの一態様は、複数のイメージングプレートを収容可能なイメージングプレート保護アセンブリであって、前記複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する複数の防水バッグと、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートを所定位置に保持する保持部材とを備える。
【発明の効果】
【0007】
イメージングプレート保護アセンブリの一態様は、複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する複数の防水バッグを備えることから、保持部材で保持される複数のイメージングプレートの数にかかわらず同じサイズの防水バッグを使用することができる。これにより、防水バックのサイズの種類を減らすことができる。さらに、防水バッグが、複数のイメージングプレートを保持する保持部材全体を収容する場合と比較として、防水バッグ内の内容物の厚みを小さくすることができる。これにより、防水バッグが閉じやすくなり、唾液等の体液が防水バッグ内に入りにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図2】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図3】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図4】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図5】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図6】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図7】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図8】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図9】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図10】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図11】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図12】保持部材の一例を示す概略図である。
図13】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図14】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図15】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
図16】イメージングプレートアセンブリの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び2は、複数のイメージングプレート2を備えるイメージングプレートアセンブリ1(IPアセンブリ1ともいう)の一例を示す概略図である。図1には、組み立て前のIPアセンブリ1の一例が示されており、図2には、組み立て後のIPアセンブリ1の一例が示されている。IPアセンブリ1は、例えば、人の口腔内の撮影で使用される。IPアセンブリ1は、例えば咬合法撮影(オクルーザル撮影ともいう)で使用される。なお、IPアセンブリ1の用途はこれに限られない。
【0010】
図1及び2に示されるように、IPアセンブリ1は、例えば、複数のイメージングプレート2と、複数のイメージングプレート2を収容可能なイメージングプレート保護アセンブリ3とを備える。図1及び2の例では、イメージングプレート2の数は2個であるが、イメージングプレート2の数は3個以上であってもよい。なお、IPアセンブリ1は、単体のイメージングプレートを収容した状態で使用されることも可能である。
【0011】
イメージングプレート保護アセンブリ3(保護アセンブリ3ともいう)は、例えば、複数のイメージングプレート2をそれぞれ収容する複数の防水バッグ4と、複数の防水バッグ4に収容された複数のイメージングプレート2を所定位置に保持する保持部材5とを備える。また、保護アセンブリ3は、例えば、複数のイメージングプレート2をそれぞれ覆う複数のカバー部材6を備える。防水バッグ4は、カバー部材6で覆われたイメージングプレート2を収容する。防水バッグ4は、上記の特許文献1に開示されている流体不浸透構造の袋に相当する。なお、保護アセンブリ3は、カバー部材6を備えていなくてもよい。保護アセンブリ3がカバー部材6を備えていない構成では、保持部材5(保持部材5Aでは特に被固定部51及びカバー部52(後述),保持部材5Bでは特に主壁部501及び502)が、カバー部材6がイメージングプレート2の機械的な損傷を軽減する役割を兼ねてもよい。
【0012】
イメージングプレート2は、放射線像形成層20を有する平たい形状であり、放射線像を記録する記録媒体である。イメージングプレート2は、放射線像形成層20が位置する表面(言い換えれば表側の面)と、当該表面とは反対側の裏面とを有する。イメージングプレート2は、例えば、四隅が丸まった略長方形の平たい形状を成している。放射線像形成層20は、照射された放射線のエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽光を発する層である。イメージングプレート2は、樹脂で形成されたフィルムを有する。フィルムは、放射線像形成層20が設けられる表面(言い換えれば表側の面)と、当該表面とは反対側の裏面とを有する。放射線像形成層20は、例えば、フィルムの表面に塗布された輝尽性蛍光体で構成される。放射線像形成層20に照射される放射線としては、例えばX線が採用される。X線発生器からのX線が撮影対象物を透過してイメージングプレート2に照射されると、X線の強度に応じたエネルギーが放射線像形成層20に蓄積される。X線の強度は、撮影対象物におけるX線吸収領域の分布に基づいたものであるため、放射線像形成層20に蓄積されたエネルギーの分布は、X線による撮影対象物の放射線像である。このように、イメージングプレート2は、例えばX線による放射線像を潜像として記録する。
【0013】
図2には、複数の防水バッグ4にそれぞれ収容された複数のイメージングプレート2が保持部材5で保持されている様子の一例が示されている。IPアセンブリ1は、図2の状態で、例えば人の口腔内に配置される。例えば、イメージングプレート2のサイズは複数種類存在する。撮影対象に応じて、用いられるイメージングプレートの種類や枚数が適宜選択される。
【0014】
イメージングプレートを用いたデンタルレントゲン撮影において、一般的に、大きいサイズのイメージングプレートよりも、小さいサイズのイメージングプレートの方がよく使われる傾向にある。この傾向は、デンタルレントゲン撮影の分野で従来用いられている一般的な検出器を用いて大きなサイズのイメージングプレートを走査(スキャン)することについて、課題が多く技術的ハードルが高い、という背景に因る。反対に、大きいサイズのイメージングプレートを走査できるような検出器を搭載する場合、装置自体のコストが高くなってしまうか、あるいは、一般的に用いられる(小さいサイズの)イメージングプレートの検出においてはオーバースペックとなってしまう。そこで、小さいサイズのイメージングプレートを用いて、大きいサイズのイメージングプレートを用いたときと同じ撮影を行うことができれば、従来の装置であっても様々なデンタルレントゲン撮影が可能となり用途が広がる。なお、ここで述べる小さいサイズのイメージングプレートと大きいサイズのイメージングプレートとは、従来用いられている一般的な検出器による通常の走査で読取れるサイズと読取れないサイズとのすみ分けを示すための便宜上の表現である。例えば、次のようなものを想定するものとする。小さいサイズのイメージングプレートとは、すなわち、デンタルレントゲン撮影において、一般的に小児の標準撮影などに用いられる「size 0」といわれるイメージングプレート、一般的に小児の咬翼法(バイトウィング法)撮影などに用いられる「size 1」といわれるイメージングプレート、一般的に大人の標準撮影などに用いられる「size 2」といわれるイメージングプレート、一般的に大人の咬翼法(バイトウィング法)撮影などに用いられる「size 3」といわれるイメージングプレートである。また、大きいサイズのイメージングプレートとは、すなわち、デンタルレントゲン撮影において、一般的に小児や大人の咬合法撮影などに用いられる「size 3」よりも大きなサイズ表記のイメージングプレートである。
【0015】
図1などの実施例で開示されるIPアセンブリ1のように、複数枚のイメージングプレート2を使用すると、例えば従来ならsize3よりも大きなサイズのイメージングプレートを用意する必要があった大面積の咬合撮影が、小さいサイズのイメージングプレートでも可能になる。
【0016】
上記のように、撮影領域が比較的大きい、複数のイメージングプレート2を備えるIPアセンブリ1が口腔内に配置される場合、IPアセンブリ1のすべてが口腔内に収まらず、IPアセンブリ1の一部が口腔外に位置することがある。つまり、保持部材5の一部が口腔外に位置することがある。IPアセンブリ1が口腔内に配置された状態で、IPアセンブリ1が備える各イメージングプレート2の放射線像形成層20に放射線が照射される。IPアセンブリ1の各イメージングプレート2の放射線像形成層20には、例えば、歯牙の放射線像が記録される。
【0017】
イメージングプレート2に記録された放射線像は、読取装置(不図示)によって読み取られる。読取装置には、例えば、IPアセンブリ1が備える各イメージングプレート2が一つずつ投入される。読取装置は、投入されたイメージングプレート2の放射線像形成層20から放射線像を読み取り、読み取った放射線像を表す画像データを生成する。読取装置は、IPアセンブリ1が備える複数のイメージングプレート2から読み取った放射線像をそれぞれ示す複数の画像データを合成して、口腔内の様子を表す一枚の咬合法画像を示す合成画像データを生成する。合成画像データが示す咬合法画像は、例えば、読取装置が備える表示部に表示される。以後、イメージングプレート2の表面(言い換えれば表側の面)を読取対象面21と呼ぶ。また、イメージングプレート2の裏面を非読取面22と呼ぶ。
【0018】
カバー部材6は、イメージングプレート2を保護する部材である。例えば、カバー部材6の少なくとも一部(読取対象面21と接触する領域)は、放射線透過素材で構成されている。また、カバー部材6は、例えば、可視光に対する遮光性を有する材料で構成されている。カバー部材6は、例えば紙で構成されている。カバー部材6の材料として一定の厚みのあるボール紙のような硬質の紙が用いられると、イメージングプレート2の機械的な損傷を軽減することができる。カバー部材6は、例えば、シート状の部材が折り曲げられた構造を有しており、開閉可能である。カバー部材6は、例えば、シート状の第1カバー部61と、第1カバー部61に繋がるシート状の第2カバー部62とを備えている。第2カバー部62は、第1カバー部61との接続箇所を基点(言い換えれば開閉軸)として、第1カバー部61に対して相対的に開閉することが可能である。
【0019】
カバー部材6に外力が加えられていないときには、第2カバー部62は第1カバー部61に対して相対的にやや開いた状態となっており、カバー部材6は開状態となっている。そして、第1カバー部61と第2カバー部62とが互いに近づくように、第1カバー部61及び第2カバー部62の少なくとも一方に外力が加えられると、カバー部材6が閉状態となって、第1カバー部61と第2カバー部62とでイメージングプレート2が挟まれる。例えば、第1カバー部61と第2カバー部62がそれらの外側から指で挟まれると、カバー部材6が閉状態となる。なお、カバー部材6に外力が加えられていないとき、第2カバー部62は第1カバー部61に対して相対的に閉状態になっていてもよい。使用者は必要に応じて、手指で開状態にすることができる。
【0020】
イメージングプレート2がカバー部材6で挟まれたときに、第1カバー部61及び第2カバー部62がイメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22とそれぞれ対向するように、カバー部材6とイメージングプレート2とは組み合わせて使用される。イメージングプレート2がカバー部材6で挟まれた状態では、第1カバー部61はイメージングプレート2の読取対象面21の全領域を覆い、第2カバー部62は、イメージングプレート2の非読取面22の一部を覆う。図3は、イメージングプレート2が、開状態のカバー部材6の第1カバー部61に配置されている様子の一例を示す概略図である。
【0021】
このように、イメージングプレート2がカバー部材6で覆われることよって、イメージングプレート2が機械的に損傷しにくくなる。例えば、デンタルレントゲン撮影の際に、口腔内に配置されたIPアセンブリ1が、人の歯で噛まれたとき、あるいは歯列に沿うように当接されて湾曲したときに、イメージングプレート2が損傷しにくくなる。カバー部材6は例えばバイトカバー、IPカバーあるいはカートンなどとも呼ばれる。
【0022】
また、イメージングプレート2が、紙等の可視光を透過しにくい材料で構成されたカバー部材6で覆われることよって、周囲の照明装置(例えば蛍光灯あるいはLED(light-emitting diode))が発する可視光あるいは外光が、イメージングプレート2に当たりにくくなる。よって、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。
【0023】
なお、カバー部材6は、紙以外の材料で構成されてもよい。例えば、カバー部材6の材料は、可撓性を持たせて成形をされた樹脂素材、あるいは、表面を樹脂で覆った防水性あるいは強度のある紙と樹脂との複合素材でもよい。また、第2カバー部62は、非読取面22の全領域を覆ってもよい。
【0024】
防水バッグ4は、イメージングプレート2及びカバー部材6の防護材である。防水バッグ4は、撮影時に、被写体である生物(被撮影者)の口腔内に配置されたイメージングプレート2及びカバー部材6に、体液(唾液、血液、ウイルスあるいは菌等)などの流体が浸透あるいは滲入しないように構成されている。また、撮影後に、防水バッグ4ごと洗浄する際に、防水バッグ4は、自身の内部に消毒液などが浸入しないように構成されている。防水バッグ4は、基本的にディスポーザブルであって、例えば一回使用されれば破棄される。防水バッグ4は、例えば、(IP)保護バッグあるいは衛生袋(hygienic pouch)などとも呼ばれる。防水バッグ4は、例えば、防水性を有する袋状の本体部40と、当該本体部40を封止するための粘着部材48とを備える。粘着部材48は本体部40に設けられている。粘着部材48は、例えば、放射線透過素材で構成されている。粘着部材48は、例えば両面テープで構成される。粘着部材48は、本体部40の一部が取り付けられる粘着面を有する。未使用の防水バッグ4では、例えば、粘着部材48の粘着面は剥離紙あるいは剥離フィルム(保護シートとも呼ばれる)で覆われている。
【0025】
本体部40は、例えば、衛生的な部材であって、生体適合性のある材料で構成されている。また、本体部40は、例えば、放射線透過素材で構成されている。本体部40は、例えば、樹脂などの軟らかい素材で構成される。本体部40は、例えば、PVC(Polyvinyl Chloride)あるいはEVA(Ethylene-Vinylacetate Copolymer)などの樹脂で構成されてもよい。本体部40は、イメージングプレート2が出し入れされる開口44を有する。
【0026】
本体部40は、例えば、イメージングプレート2の読取対象面21及び非読取面22の一方と対向するシート状の略長方形の第1カバー部41と、読取対象面21及び非読取面22の他方と対向するシート状の略長方形の第2カバー部42とを備える。第1カバー部41と第2カバー部42とは、それらの周縁同士が繋がることによって、袋状を成している。第1カバー部41の長手方向の一端と第2カバー部42の長手方向の一端とは、互いに繋がっておらず、開口44を構成している。本体部40は、例えば、開口44を塞ぐことが可能な蓋部43を有する。蓋部43は、第1カバー部41の長手方向の一端に繋がっている。粘着部材48は、第2カバー部42の長手方向の開口44側の端部に設けられている。蓋部43は、粘着部材48の粘着面に取り付けられる取付対象部43aとつまみ部43bとを有する。IPアセンブリ1の組み立て作業者は、蓋部43のつまみ部43bを指でつまんだ状態で、蓋部43を粘着部材48側に曲げて、取付対象部43aを粘着部材48の粘着面に取り付ける。
【0027】
イメージングプレート2は、例えば、カバー部材6で挟まれた状態で、開口44から本体部40内に入れられて収容される。組み立て作業者は、例えば、第1カバー部61と第2カバー部62をそれらの外側から2本の指で挟んだ状態でカバー部材6を保持し、イメージングプレート2及びカバー部材6を開口44から本体部40内に入れる。図4は、イメージングプレート2及びカバー部材6が開口44から本体部40内に入れられる様子の一例を示す概略図である。カバー部材6は、例えば、第1カバー部61と第2カバー部62の接続側から本体部40内に入れられる。カバー部材6で覆われたイメージングプレート2は、読取対象面21及び非読取面22がそれぞれ本体部40の第1カバー部41及び第2カバー部42とそれぞれ対向するように開口44から本体部40に入れられる。イメージングプレート2及びカバー部材6が本体部40に収容された状態では、カバー部材6の第1カバー部61及び第2カバー部62は、本体部40の第1カバー部41及び第2カバー部42とそれぞれ対向する。なお、イメージングプレート2及びカバー部材6が本体部40に収容された状態では、カバー部材6の第1カバー部61及び第2カバー部62は、本体部40の第2カバー部42及び第1カバー部41とそれぞれ対向してもよい。またイメージングプレート2及びカバー部材6が本体部40に収容された状態では、第2カバー部62と第1カバー部61との接続箇所(開閉軸)が開口44側に位置してもよい。
【0028】
イメージングプレート2及びカバー部材6が本体部40に収容された後、粘着部材48の粘着面を覆う剥離紙あるいは剥離フィルムが外される。そして、組み立て作業者は、蓋部43のつまみ部43bを指でつまんだ状態で、蓋部43を第2カバー部42側に曲げて、蓋部43の取付対象部43aを粘着部材48に粘着面に取り付ける。これにより、開口44が蓋部43で覆われて、本体部40が水密状に封止される。その結果、イメージングプレート2と、それを覆っているカバー部材6と、イメージングプレート2及びカバー部材6を収容している防水バッグ4とから成るアセンブリ7(単位アセンブリ7ともいう)の組み立てが完成する。図5は、蓋部43で開口44が覆われて本体部40が封止されている様子の一例を示す概略図である。図5には2つの単位アセンブリ7が示されている。組み立て作業者は、複数の単位アセンブリ7を組み立てる。なお、保護アセンブリ3がカバー部材6を備えていない場合、単位アセンブリ7にはカバー部材6が含まれない。
【0029】
このように、イメージングプレート2が防水バッグ4に収容されることによって、IPアセンブリ1が口腔内に配置された場合にイメージングプレート2が唾液及び血液等で汚染されにくくなる。これにより、交差感染が発生しにくくなる。
【0030】
なお、粘着部材48は、両面テープではなく、例えば塗布型の粘着剤であってもよい。また、粘着部材48の代わりに、例えば硬化型の接着剤が使用されてもよい。また、蓋部43が折り曲げられて第2カバー部42に溶着されることによって、本体部40が封止されてもよい。あるいは、本体部40の開口44付近が熱によって溶着されて本体部40が水密状に封止されてもよい。また、フリーザーバッグのようなチャック方式の構造で開口44を密封し、本体部40が水密状に封止されてもよい。
【0031】
また、本体部40の少なくとも一部は、可視光に対する遮光性を有してもよい。この場合、例えば、周囲の照明装置が発する可視光あるいは外光が、イメージングプレート2に当たりにくくなることから、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。本体部40の少なくとも一部に、可視光に対する遮光性を持たせる方法としては、例えば、本体部40の少なくとも一部の表面を黒色にしてもよい。この場合、例えば、本体部40の第1カバー部41の内側の面及び外側の面の少なくとも一方が黒色であってもよい。これにより、周囲の可視光がイメージングプレート2、特に放射線像形成層20に当たりにくくなる。また、本体部40の第2カバー部42の内側の面及び外側の面の少なくとも一方が黒色であってもよい。この場合であっても、周囲の可視光がイメージングプレート2に当たりにくくなる。また、蓋部43の両面の少なくとも一方が黒色であってもよい。この場合、周囲の可視光がイメージングプレート2に当たりにくくなる。少なくとも、防水バッグ4の遮光性を有する部分とイメージングプレート2の読取対象面21とが向かい合うような状態になるよう単位アセンブリ7の組み立て作業が行われてもよい。
【0032】
なお、防水バッグ4は、例えば、蓋部43を備えておらず、袋状の本体部40のみで構成されてもよい。この場合、粘着部材48は、例えば、本体部40の第1カバー部41の内側の面の開口44側の端部に設けられてもよい。あるいは、粘着部材48は、例えば、本体部40の第2カバー部42の内側の面の開口44側の端部に設けられてもよい。本体部40では、開口44付近において、第1カバー部41の内側の面と、第2カバー部42の内側の面とが粘着部材48で互いに貼り付けられて、本体部40が水密状に封止される。
【0033】
保持部材5は、複数の単位アセンブリ7を所定位置に保持する。保持部材5は、例えば、(IP)位置付け具あるいは容器(container)などとも呼ばれる。保持部材5は、例えば、複数の単位アセンブリ7が所定方向に一列で並ぶように複数の単位アセンブリ7を保持する。保持部材5は、複数のイメージングプレート2が所定方向に一列で並ぶように複数のイメージングプレート2を保持するともいえる。また、保持部材5は、複数の防水バッグ4が所定方向に一列で並ぶように複数の防水バッグ4を保持するともいえる。
【0034】
また、保持部材5は、隣り合う2つのイメージングプレート2が部分的に重なるように複数のイメージングプレート2を保持する。例えば、保持部材5は、隣り合う2つのイメージングプレート2の短手方向の端部(言い換えれば長辺側の端部)が互いに重なるように複数のイメージングプレート2を保持する。
【0035】
本開示では、複数種類の保持部材5について説明する。以後、図1~9に示される保持部材5の一例を保持部材5Aと呼ぶ。
【0036】
保持部材5Aは開閉可能である。図1では開状態の保持部材5Aが示されており、図2では閉状態の保持部材5Aが示されている。保持部材5Aは、例えば、複数の単位アセンブリ7を覆う台材50と、台材50に複数の単位アセンブリ7を取り付ける取付部58とを備える。台材50は複数の防水バッグ4を覆う。台材50は本体部ともいえる。
【0037】
台材50は、例えば、シート状の部材が折り曲げられた構造を有しており、開閉可能である。台材50は、例えば、複数の単位アセンブリ7が配置されて固定される被固定部51と、被固定部51に固定された複数の単位アセンブリ7を覆うカバー部52とを有する。複数の単位アセンブリ7は、取付部58によって被固定部51に固定される。被固定部51には、複数の単位アセンブリ7の防水バッグ4が固定される。カバー部52は、被固定部51に固定された複数の防水バッグ4を覆う。取付部58は、被固定部51と複数の防水バッグ4とを互いに取り付ける。
【0038】
被固定部51及びカバー部52のそれぞれは例えばシート状を成している。カバー部52は、被固定部51に繋がっており、被固定部51との接続箇所を基点(言い換えれば開閉軸)として被固定部51に対して相対的に開閉可能である。
【0039】
台材50に外力が加えられていないときには、例えば、カバー部52は被固定部51に対して相対的に開いた状態となっており、台材50は開状態となっている。そして、被固定部51とカバー部52とが互いに近づくように、被固定部51及びカバー部52の少なくとも一方に外力が加えられると、台材50が閉状態となって、被固定部51とカバー部52とで複数の単位アセンブリ7が挟まれる。例えば、被固定部51とカバー部52がそれらの外側から指で挟まれると、台材50が閉状態となる。被固定部51とカバー部52とで複数の単位アセンブリ7が挟まれている状態では、台材50は、複数の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の両面(つまり読取対象面21及び非読取面22)と対向する。なお、台材50は、外力が加えられていないときに閉状態であってもよい。
【0040】
被固定部51及びカバー部52は、一対のつまみ部51a及び52aをそれぞれ有する。つまみ部51aは、被固定部51における、カバー部52との接続端とは反対側の端に設けられている。つまみ部52aは、カバー部52における、被固定部51との接続端とは反対側の端に設けられている。台材50が閉状態のとき、一対のつまみ部51a及び52aは互いに対向する。組み立て作業者は、一対のつまみ部51a及び52aをその外側から指でつまむことによって、台材50の閉状態を維持することができる。単位アセンブリ7が被固定部51に固定された状態で台材50が閉状態となったとき、一対のつまみ部51a及び52aの間には、単位アセンブリ7のイメージングプレート2は位置しない。なお、保持部材5の構成において、つまみ部51a及び52aはなくてもよい。
【0041】
台材50は、例えば、衛生的な部材であって、生体適合性のある材料(例えばISO規格10993-1等に準拠する材料)で構成されている。また、台材50は、例えば、放射線透過素材で構成されている。台材50は、例えば、樹脂などの軟らかい素材で構成される。台材50は、PVCあるいはEVAなどの樹脂で構成されてもよい。台材50は、防水バッグ4の本体部40と同じ材料で構成されてもよいし、本体部40と異なる材料で構成されてもよい。また、台材50は、樹脂ではなく紙で構成されてもよい。また、台材50は、紙及び樹脂で構成されてもよい。この場合、例えば、台材50は、紙で構成された基材(本体ともいう)に対してビニル等の樹脂がコーティングされて構成されてもよい。台材50の材料としては、他にも炭素繊維素材など、放射線透過性の高い種々の素材を用いることができる。台材50を有する保持部材5は、再使用可能な仕様で製造されてもよい、あるいは、保持部材5は、例えば1回使用されると廃棄されるようなディスポーザブル仕様で製造されてもよい。
【0042】
被固定部51の内側の面51b、つまり、複数の単位アセンブリ7が固定される被固定面51bには、複数の単位アセンブリ7の配置場所を示す配置場所情報51cが印字等で示されている。配置場所情報51cは、複数のイメージングプレート2をそれぞれ収容している複数の防水バッグ4の配置場所を示す。図1~5の例では、配置場所情報51cには、2つの単位アセンブリ7が被固定面51bに配置されることを示す数字の1及び2が含まれる。数字の1及び2の並び方向は、2つの単位アセンブリ7の並び方向を示している。数字の1が示される場所は、一方の単位アセンブリ7の概略の配置場所を示し、数字の2が示される場所は、他方の単位アセンブリ7の概略の配置場所を示している。また、配置場所情報51cには、一方の単位アセンブリ7の詳細な配置場所を示す点線も含まれる。なお、配置場所情報51cの構成はこの実施例の限りではない。配置場所情報51cは、3つ以上の単位アセンブリ7の位置を示していてもよいし、3つ以上の単位アセンブリ7の並び方向を示してもよい。また、配置場所情報51cは、種々の線種が用いられて示されてもよいし、文字、図形あるいはマークなどが用いられて示されてもよい。配置場所情報51cは、少なくとも、IPアセンブリ1を用いる撮影方法に適合するイメージングプレート2の配置をユーザに示せる構成であればよい。
【0043】
被固定部51と複数の防水バッグ4とを互いに取り付ける取付部58は、例えば放射線透過素材で構成されている。被固定部51に複数の単位アセンブリ7が固定される前、つまり未使用の保持部材5Aでは、取付部58は、例えば被固定面51bに設けられている。取付部58は例えば粘着部材である。この粘着部材としては、例えば、半透明あるいは透明の両面テープが採用される。未使用の保持部材5Aでは、取付部58に剥離紙あるいは剥離フィルムが貼り付けられてもよい。取付部58は、被固定面51bの少なくとも一部に設けられる。図1~5の例では、取付部58は被固定面51bの大部分に設けられている。配置場所情報51cは取付部58から透けて見えている。複数の単位アセンブリ7のそれぞれは、例えば、被固定面51bに対して着脱可能である。
【0044】
例えば、2つの単位アセンブリ7が保持部材5Aの被固定部51に固定される場合、まず、一方の単位アセンブリ7が、被固定面51bのうち、配置場所情報51cに含まれる点線で示される領域に配置されて固定される。図6はその様子の一例を示す概略図である。単位アセンブリ7は、例えば、当該単位アセンブリ7に含まれるイメージングプレート2の非読取面22が被固定面51b側に位置するように被固定面51bに固定される。また、単位アセンブリ7は、例えば、当該単位アセンブリ7の防水バッグ4の底がカバー部52と被固定部51との接続端側に位置し、かつ当該防水バッグ4の蓋部43がつまみ部51a側に位置するように、被固定面51bに固定される。
【0045】
一方の単位アセンブリ7が被固定面51bに固定された後、他方の単位アセンブリ7が被固定面51bに配置されて固定される。複数の単位アセンブリ7が被固定面51bに固定されることによって、IPアセンブリ1の組み立てが完了する。
【0046】
なお、単位アセンブリ7は、当該単位アセンブリ7に含まれるイメージングプレート2の読取対象面21が被固定面51b側に位置するように被固定面51bに固定されてもよい。また、単位アセンブリ7は、当該単位アセンブリ7の防水バッグ4の底がつまみ部51a側に位置し、かつ当該防水バッグ4の蓋部43がカバー部52と被固定部51との接続端側に位置するように、被固定面51bに固定されてもよい。
【0047】
図7は組み立てが完成したIPアセンブリ1の一例を示す概略図である。図7では、イメージングプレート2が破線で示されている。2つの単位アセンブリ7は、当該2つの単位アセンブリ7にそれぞれ含まれる2つのイメージングプレート2が部分的に互いに重なるように被固定部51に固定される。例えば、2つの単位アセンブリ7は、最初に固定される単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部25の上に、2番目に固定される単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部25が位置するように、被固定面51bに対して取付部58によって固定される。
【0048】
なお、3個以上の複数の単位アセンブリ7が被固定部51に固定される場合であっても、各単位アセンブリ7は順番に被固定部51に固定される。具体的には、最初の単位アセンブリ7が被固定部51に固定された後、最初の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部の上に、2番目の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部が重なるように2番目の単位アセンブリ7が被固定部51に固定される。次に、2番目の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の他方端部の上に、3番目の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部が重なるように3番目の単位アセンブリ7が被固定部51に固定される。以後、同様にして、4番目以降の単位アセンブリ7が順番に被固定部51に固定される。図8は、3個の単位アセンブリ7が被固定部51に固定されている様子の一例を示す概略図である。図8には、3つの単位アセンブリ7を備えるIPアセンブリ1の一例が示されている。
【0049】
複数の単位アセンブリ7は、隣り合う2つのイメージングプレート2が互いに重ならないように被固定部51に固定されてもよい。つまり、保持部材5Aは、隣り合う2つのイメージングプレート2が互いに重ならないように複数の単位アセンブリ7を保持してもよい。
【0050】
取付部58の構成は上記の例に限られない。例えば、取付部58は、被固定部51に固定される複数の防水バッグ4にそれぞれ設けられた複数の粘着部材(例えば、両面テープあるいは塗布型の粘着剤など)で構成されてもよい。また、取付部58は、複数の防水バッグ4にそれぞれ設けられた複数の粘着部材と、被固定面51bに設けられた粘着部材とで構成されてもよい。粘着部材が、防水バッグ4及び被固定部51の少なくとも一方に設けられることによって、当該防水バッグ4は被固定部51に固定することが可能となる。つまり、保持部材5Aは防水バッグ4を保持することが可能となる。
【0051】
また、取付部58は面ファスナーを備えてもよい。この場合、取付部58は、例えば、防水バッグ4に設けられた第1の面ファスナーと、当該第1の面ファスナーと係合する、被固定面51bに設けられた第2の面ファスナーとを備えてもよい。第1の面ファスナーがオス型である場合、第2の面ファスナーはメス型となり、第1の面ファスナーがメス型である場合、第2の面ファスナーはオス型となる。面ファスナーが使用されて被固定部51と防水バッグ4とが互いに取り付けられる場合、防水バッグ4は被固定部51に着脱可能となる。第1の面ファスナーは、複数の防水バッグ4のすべてに設けられてもよいし、複数の防水バッグ4の一部に設けられてもよい。第1の面ファスナーが設けられない防水バッグ4は、例えば粘着部材が使用されて被固定部51に固定されてもよい。
【0052】
また、取付部58は吸着盤を備えてもよい。この場合、取付部58は、例えば、防水バッグ4に設けられた、被固定部51に吸着する吸着盤を備えてもよいし、被固定部51に設けられた、防水バッグ4に吸着する吸着盤を備えてもよい。複数の防水バッグ4のすべてが吸着盤が使用されて被固定部51に固定されてもよいし、複数の防水バッグ4の一部が吸着盤が使用されて被固定部51に固定されてもよい。被固定部51に対する固定に吸着盤が使用されない防水バッグ4は、例えば、粘着部材が使用されて被固定部51に固定されてもよいし、面ファスナーが使用されて被固定部51に固定されてもよい。吸着盤が使用されて被固定部51と防水バッグ4とが互いに取り付けられる場合、防水バッグ4は被固定部51に着脱可能となる。
【0053】
被固定部51に固定される複数の防水バッグ4の少なくとも一つは、被固定部51に対して着脱不可能であってもよい。例えば、取付部58が硬化型の接着剤を含み、当該接着剤で防水バッグ4と被固定部51とが互いに取り付けられることによって、防水バッグ4は被固定部51に対して着脱不可能とされてもよい。あるいは、取付部58が粘着力の高い粘着剤を含む場合であっても、前述のとおり、被固定部51に対して防水バッグ4が剥離しない仕様とすることができる。
【0054】
取付部58は、台材50と防水バッグ4との間の一部に設けられれば、台材50と防水バッグ4とを互いに取り付けることができる。したがって、取付部58は、保持部材5に対する単位アセンブリ7の配置方法に応じて、図1図8におけるカバー部52、防水バッグ4の第1カバー部41及び防水バッグ4の第2カバー部42の少なくとも一つに設けられてもよい。
【0055】
組み立てが完成したIPアセンブリ1が撮影のために人の口腔内に配置される場合、図9に示されるように、撮影担当者が、保持部材5Aの台材50の一対のつまみ部51a及び52aをその外側から指でつまむ。一対のつまみ部51a及び52bがつままれることによって、単位アセンブリ7が指で押されにくくなり、イメージングプレート2が損傷しにくくなる。そして、撮影担当者は、一対のつまみ部51a及び52aをつまんだ状態で、IPアセンブリ1を被撮影者の口腔内に入れる。被撮影者が口腔内の保持部材5Aの台材50を噛むことによって台材50の閉状態が維持される。このとき、被撮影者が不慮の強い力で噛んでしまうことがある。イメージングプレート2は、カバー部材6、防水バッグ4及び保持部材5Aで覆われていることから、台材50が撮影に必要な強度以上の力で噛まれたとしても、イメージングプレート2が損傷しにくくなる。IPアセンブリ1が口腔内に配置された後、IPアセンブリ1に放射線が照射されて撮影が行われる。これにより、IPアセンブリ1の各イメージングプレート2の放射線像形成層20に放射線像が記録される。
【0056】
撮影が終了すると、被撮影者の口腔内からIPアセンブリ1が取り出される。そして、保持部材5Aの被固定部51から複数の単位アセンブリ7が取り外される。複数の単位アセンブリ7が取り外された保持部材5Aは、廃棄されてもよいし、再利用されてもよい。つまり、保持部材5Aは、使い捨てであってもよいし、再利用されてもよい。次に、各単位アセンブリ7の防水バッグ4から、カバー部材6で覆われたイメージングプレート2が取り出される。このとき、作業者は、例えば、防水バッグ4のつまみ部43bをつまんで蓋部43をめくることによって開口44を露出させ、その後、開口44からカバー部材6で覆われたイメージングプレート2を取り出す。なお、防水バッグ4が被固定部51に対して着脱不可能とされている場合は、被固定部51に固定された状態の単位アセンブリ7の防水バッグ4から、カバー部材6で覆われたイメージングプレート2が取り出されればよい。
【0057】
防水バッグ4から取り出されたイメージングプレート2は、カバー部材6で挟まれた状態で、読取装置の挿入口まで運ばれる。その後、カバー部材6が開かれてイメージングプレート2が挿入口に挿入される。読取装置は、挿入されたイメージングプレート2から放射線像を読み取る。同様にして、IPアセンブリ1が備える各イメージングプレート2から放射線像が読み取られる。読取装置は、IPアセンブリ1が備える複数のイメージングプレート2から読み取った放射線像をそれぞれ示す複数の画像データを、例えば、外部のコンピュータ装置に送信する。コンピュータ装置は、読取装置からの複数の画像データを合成して、一枚の咬合法画像を示す合成画像データを生成する。なお、読取装置が備えるコンピュータ装置が、複数の画像データを合成して、一枚の咬合法画像を示す合成画像データを生成してもよい。
【0058】
なお、撮影範囲が狭い等の理由で一つのイメージングプレート2が使用されて撮影される場合には、単位アセンブリ7が単体で口腔内に配置され、単位アセンブリ7に放射線が照射される。
【0059】
以上のように、イメージングプレート保護アセンブリ3は、複数のイメージングプレート2をそれぞれ収容する複数の防水バッグ4を備えている。これにより、上記の特許文献1の技術とは異なり、イメージングプレートアセンブリ1が備える複数のイメージングプレート2の数にかかわらず、同じサイズの防水バッグ4を使用することができる。よって、防水バッグ4のサイズの種類を減らすことができる。その結果、イメージングプレート保護アセンブリ3のコストダウンを図ることができる。また、防水バッグ4の管理が容易となる。
【0060】
また、一つのイメージングプレート2が使用されて撮影される場合に使用される防水バッグ4と同じサイズの防水バッグ4を、イメージングプレート保護アセンブリ3でも使用することができることから、この点からも、防水バッグ4のサイズの種類を減らすことが可能になる。
【0061】
また、イメージングプレート保護アセンブリ3では、保持部材5は、複数の防水バッグ4に収容された複数のイメージングプレート2を所定位置に保持することから、保持部材5全体が一つの防水バッグ4に収容される場合と比較として、防水バッグ4内の内容物の厚みを小さくすることができる。これにより、防水バッグ4が閉じやすくなり、閉じた際に隙間が生じにくくなるので、唾液等の体液が防水バッグ4内に入りにくくなる。
【0062】
また、保持部材の厚みを大きくすると、保持部材で保持された複数のイメージングプレート2の位置関係の安定性を向上させることができる。一方で、一つの防水バッグが、厚みの大きい保持部材を収容する場合、防水バッグがさらに閉じにくくなる。したがって、一つの防水バッグが保持部材を収容する場合、保持部材の厚みを大きくすると、体液が防水バッグ内にさらに入りやすくなる。
【0063】
本例では、保持部材5は、複数の防水バッグ4に収容された複数のイメージングプレート2を所定位置に保持することから、複数のイメージングプレート2の位置関係の安定性の向上のために保持部材5の厚みを大きくしたとしても、防水バッグ4は保持部材5の厚み変更の影響を受けることなく、唾液等の体液が防水バッグ4内に入りにくくする状態を維持することができる。よって、安定した位置関係で複数のイメージングプレート2を保持できる保持部材5を使用しつつ、体液が防水バッグ4内に入りにくくすることができる。
【0064】
また、保持部材5Aの台材50が樹脂で構成される場合には、被撮影者が保持部材5を口腔内に入れたときに不快に感じにくくすることができる。また、台材50が紙で構成される場合には、保持部材5Aの材料費を低減することができる。なお、保持部材5Aは、カバー部52を備えなくてもよい。この場合であっても、被固定部51及び防水バッグ4のそれぞれが樹脂で構成されることによって、被撮影者がIPアセンブリ1を口腔内に入れたときに不快に感じにくくすることができる。
【0065】
また、保持部材5Aは開閉可能であることから、複数の防水バッグ4を保持部材5Aに取り付けやすくなる。
【0066】
また、保持部材5Aはイメージングプレート2の両面と対向することから、IPアセンブリ1が被撮影者に噛まれたとしても、イメージングプレート2が損傷しにくくなる。
【0067】
また、複数の防水バッグ4が保持部材5Aの被固定部に51対して取付部58によって取り付けられることから、簡単に複数のイメージングプレート2が所定位置で保持され得る。
【0068】
保持部材5の構成は上記の例に限られない。保持部材5は、例えば、開閉可能なケース型であってもよい。例えば、保持部材5は、上面が開口した箱型の樹脂製の本体部と、当該本体部と連結し、当該本体部の開口を覆うことが可能な樹脂製の蓋部とを備え、蓋部が本体部に対して開閉可能に嵌合してもよい。この場合、蓋部の内側の面には、蓋部が本体部に嵌合した場合に、本体部上の各単位アセンブリ7と当接する複数の押さえ突起部が設けられてもよい。これにより、蓋部が閉められて本体部に嵌合したとき、複数の押さえ突起部が各単位アセンブリ7と当接して、保持部材5内での各単位アセンブリ7の位置が固定される。これにより、保持部材5は複数の単位アセンブリ7を所定位置に保持することができる。なお、本体部の内側の面に、複数の単位アセンブリ7の配置場所を示す配置場所情報が示されてもよい。
【0069】
図10及び11は保持部材5の他の構成例を示す概略図である。図10及び11に示される保持部材5(保持部材5Bともいう)は、複数の単位アセンブリ7を狭持することによって、複数の単位アセンブリ7を所定位置に保持することが可能である。保持部材5Bは、例えば2つの単位アセンブリ7を所定位置に保持することが可能である。図10には、単位アセンブリ7を保持する前の保持部材5Bが示されている。図11には、2つの単位アセンブリ7を保持している保持部材5Bが示されている。図11には組み立て完成後のIPアセンブリ1が示されている。
【0070】
保持部材5Bは、放射線透過素材で構成されている。保持部材5Bは例えば紙で構成されている。図10及び11に示されるように、保持部材5Bは、例えば、概ね、厚みが非常に小さい箱型を成している。保持部材5Bは、その端面(側面ともいう)に、単位アセンブリ7が出し入れされる開口500を有する。開口500は保持部材5Aの内部空間505(後述の図12及び12参照)に繋がっている。
【0071】
図12及び13は保持部材5Bを開口500側から見た様子の一例を示す概略図である。図12では保持部材5Bだけが示されており、図13では複数の単位アセンブリ7を狭持している保持部材5Bが示されている。図13では、説明の便宜上、単位アセンブリ7に斜線ハッチングを示している。また、図13では、イメージングプレート2が破線で示されている。
【0072】
保持部材5Bは、互いに対向する主壁部501及び502を有する。主壁部501及び502は、単位アセンブリ7を狭持することが可能な一対の第1狭持部501及び第2狭持部502としてそれぞれ機能する。例えば、各単位アセンブリ7は、その防水バッグ4の第1カバー部41及び第2カバー部42が保持部材5Bの第1狭持部501及び第2狭持部502とそれぞれ対向するように、開口500から保持部材5Bの内部空間505に挿入される。各単位アセンブリ7は、防水バッグ4の底側から保持部材5A内に挿入される。保持部材5B内に挿入された複数の単位アセンブリ7は、第1狭持部501及び第2狭持部502で狭持される。単位アセンブリ7の大部分が保持部材5Bの内部空間505に収容される。なお、単位アセンブリ7のすべてが内部空間505に収容されてもよい。
【0073】
以後、保持部材5Bの方向に関して、図11及び13のように保持部材5Bで保持されている単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向に沿った方向を、保持部材5Bの幅方向Wと呼ぶ。また、保持部材5Bの幅方向W及び厚さ方向Tに垂直な方向を保持部材5Bの高さ方向Hと呼ぶ。また、図12及び13のように、上側に第2狭持部502が位置し、下側に第1狭持部501が位置するような姿勢の保持部材5Bを開口500側から見た場合の左側及び右側(つまり、図12及び13の左側及び右側)を、それぞれ、保持部材5Bの左側及び右側とする。
【0074】
図12及び13に示されるように、第1狭持部501は、厚みが内部空間505側に大きくなっている厚み大部分501aを有する。第1狭持部501の概ね左側半分が厚み大部分501aとなっている。具体的には、厚み大部分501aは、幅方向Wにおいて、第1狭持部501の左側端から、第1狭持部501の幅方向Wの中央よりも少し左側の位置まで存在するとともに、高さ方向Hにおいて全範囲に渡って存在している。
【0075】
同様に、第2狭持部502は、厚みが内部空間505側に大きくなっている厚み大部分502aを有する。第2狭持部502の概ね右側半分が厚み大部分502aとなっている。具体的には、厚み大部分502aは、幅方向Wにおいて、第2狭持部502の右側端から、第2狭持部502の幅方向Wの中央よりも少し右側の位置まで存在するとともに、高さ方向Hにおいて全範囲に渡って存在している。厚さ方向Tにおいて、厚み大部分502aは、厚み大部分501aと対向していない。幅方向Wにおいて、厚み大部分501aの右側端面501bと、厚み大部分502aの左側端面502bとは、互いに離れている。
【0076】
保持部材5Bで保持される2個の単位アセンブリ7の一方の単位アセンブリ7は、内部空間505のうち、第1狭持部501の厚み大部分501aの右側端面501bと、保持部材5Bの右側壁部504の内側の面との間の部分空間505aに挿入される。そして、一方の単位アセンブリ7は、第2狭持部502の厚み大部分502aと、第1狭持部501のうち厚み大部分502aと厚さ方向Tで対向する部分とで狭持される。
【0077】
他方の単位アセンブリ7は、内部空間505のうち、第2狭持部502の厚み大部分502aの左側端面502bと、保持部材5Bの左側壁部503の内側の面との間の部分空間505bに挿入される。そして、他方の単位アセンブリ7は、第1狭持部501の厚み大部分501aと、第2狭持部502のうち厚み大部分501aと厚さ方向Tで対向する部分とで狭持される。部分空間505a及び505bは仕切られておらず、部分空間505bと部分空間505bとは互いに繋がっている。図13に示されるように、2つの単位アセンブリ7は、上述の保持部材5Aで保持される場合と同様に、一方の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部25と、他方の単位アセンブリ7のイメージングプレート2の短手方向の一方端部25とが厚さ方向Tで互いに重なるように、保持部材5Bで保持される。
【0078】
このように、保持部材5Bは、単位アセンブリ7を狭持して保持することから、上述の取付部58のように、単位アセンブリ7を固定するための部材が不要となる。また、保持部材5Bは紙で構成されていることから、保持部材5Bの材料費を低減することができる。なお、保持部材5Bは、紙以外の材料で構成されてもよい。例えば、保持部材5Bは、PVCあるいはEVAなどの樹脂で構成されてもよい。この場合、被撮影者が保持部材5Bを口腔内に入れたときに不快に感じにくくすることができる。また、保持部材5Bは、紙及び樹脂で構成されてもよい。この場合、例えば、保持部材5Bは、紙で構成された基材(本体ともいう)に対してビニル等の樹脂がコーティングされて構成されてもよい。
【0079】
保持部材5Bの内部空間505は、複数の単位アセンブリ7がそれぞれ配置され、互いに仕切られた複数の部分空間508を有してもよい。図14は、この場合の保持部材5Bの一例を示す概略図である。図14の例では、内部空間505は、仕切り部550によって、厚さ方向Tに2つの部分空間508に仕切られている。仕切り部550は、左側壁部503から右側壁部504まで存在している。一方の単位アセンブリ7は、主壁部501と仕切り部550とで狭持され、他方の単位アセンブリ7は、主壁部502と仕切り部550とで狭持される。これにより、2つの単位アセンブリ7の位置関係は保持される。
【0080】
なお、保持部材5Bが3個の単位アセンブリ7を保持する場合には、例えば、内部空間505は、図15に示されるように、2つの仕切り部550によって、厚さ方向Tに3つの部分空間508に仕切られてもよい。図15の例の場合、ある単位アセンブリ7は、主壁部501と仕切り部550とで狭持され、別の単位アセンブリ7は、2つの仕切り部550で狭持され、さらに別の単位アセンブリ7は主壁部502と仕切り部550とで狭持される。他の例として、図15の最上段にある部分空間508の左端部と右端部のそれぞれに1つの単位アセンブリ7が配置され、中段にある部分空間508の中央部に1つの単位アンセブリ7が配置されてもよい。
【0081】
このように、内部空間505が、複数の単位アセンブリ7がそれぞれ配置され、互いに仕切られた複数の部分空間508を有する場合には、各単位アセンブリ7を内部空間505に入れやすくなる。その結果、IPアセンブリ1の組み立て作業性が向上する。
【0082】
なお、図14及び15の例では、部分空間508の幅(つまり、幅方向Wの寸法)は、単位アセンブリ7の幅(つまり、防水バッグ4の幅)よりもかなり大きくなっているが、単位アセンブリ7の幅とほぼ同じに設定されてもよい。例えば、図14の例において、上側の部分空間508の略右側半分の空間が埋められることによって、部分空間508の幅が単位アセンブリ7の防水バッグ4の幅とほぼ一致してもよい。これにより、部分空間508内での単位アセンブリ7の位置決めが容易となる。あるいは、上側の部分空間508の幅方向Wの中央よりも少し右側に、部分空間508を幅方向Wに2つの空間に仕切る仕切り部を設けて、当該2つの空間のうちの左側の空間に単位アセンブリ7が配置されてもよい。
【0083】
イメージングプレート保護アセンブリ3は、保持部材5の全体を被覆する被覆部材8をさらに備えてもよい。図16は、複数の単位アセンブリ7を保持している保持部材5の全体が被覆部材8で被覆されている様子の一例を示す概略図である。
【0084】
被覆部材8は、例えば、防水バッグ4と同様の構成を備えている。保持部材5は、被覆部材8の本体部80の開口から本体部80内に入れられる。そして、本体部80に保持部材5が入れられた後、本体部80に設けられた粘着部材88に蓋部83が取り付けられる。これにより、本体部80が封止される。
【0085】
被覆部材8は、例えば、放射線透過素材で構成される。つまり、本体部80及び粘着部材88は、例えば、放射線透過素材で構成される。粘着部材88は、両面テープであってもよいし、塗布型の粘着剤であってもよい。本体部80は、例えば、PVCあるいはEVAなどの樹脂で構成されてもよい。本体部80の材料は、防水バッグ4の本体部40の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本体部80が樹脂で構成される場合、被撮影者がIPアセンブリ1を口腔内に入れたときに不快に感じにくくすることができる。また、被覆部材8が保持部材5の全体を被覆することから、保持部材5に唾液等の体液が付着しにくくなる。これにより、被覆部材8内部の保持部材5等を再利用する場合の取扱い易さを向上させることが可能となる。
【0086】
なお、粘着部材88の代わりに、例えば、硬化型の接着剤が使用されてもよい。また、折り曲げられた蓋部83が溶着されることによって、本体部80が封止されてもよい。また、防水バッグ4の本体部40と同様に、本体部80の少なくとも一部は、可視光に対する遮光性を有してもよい。この場合、例えば、周囲の照明装置が発する可視光あるいは外光が、イメージングプレート2に当たりにくくなることから、イメージングプレート2から放射線像の情報が損失されにくくなる。また、被覆部材8は防水バッグ4と異なる構成を備えてもよい。
【0087】
以上のように、イメージングプレートアセンブリ及びイメージングプレート保護アセンブリは詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0088】
<付記>
本明細書及び図面は下記各態様を開示する。
【0089】
第1の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリは、複数のイメージングプレートを収容可能なイメージングプレート保護アセンブリであって、前記複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する複数の防水バッグと、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートを所定位置に保持する保持部材とを備える。
【0090】
第1の態様によると、イメージングプレート保護アセンブリは、複数のイメージングプレートをそれぞれ収容する複数の防水バッグを備えることから、保持部材で保持される複数のイメージングプレートの数にかかわらず同じサイズの防水バッグを使用することができる。これにより、防水バックのサイズの種類を減らすことができる。さらに、防水バッグが、複数のイメージングプレートを所定位置に保持する保持部材全体を収容する場合と比較して、防水バッグ内の内容物の厚みを小さくすることができる。これにより、防水バッグが閉じやすくなり、唾液等の体液が防水バッグ内に入りにくくなる。
【0091】
第2の態様は、第1の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材は、前記複数の防水バッグが固定される被固定部と、前記被固定部と前記複数の防水バッグとを互いに取り付ける取付部とを有する。この場合、複数の防水バッグが被固定部に対して取付部によって取り付けられることによって、簡単に複数のイメージングプレートが所定位置で保持される。
【0092】
第3の態様は、第2の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記複数の防水バッグの少なくとも一つは、前記被固定部に対して着脱可能である。この場合、防水バッグの取り外しが容易となる。
【0093】
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれか一つに係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材は、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートのそれぞれの両面と対向する。この場合、イメージングプレートが損傷しにくくなる。
【0094】
第5の態様は、第4の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材は開閉可能である。この場合、イメージングプレートを保持部材に取り付けやすくなる。
【0095】
第6の態様は、第1、第4または第5の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材は、前記複数の防水バッグに収容された前記複数のイメージングプレートを狭持する。この場合、イメージングプレートを固定するための部材が不要となる。
【0096】
第7の態様は、第6の態様に係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材の内側空間は、前記複数のイメージングプレートが収容された前記複数の防水バッグがそれぞれ配置される、互いに仕切られた複数の部分空間を有する。この場合、各イメージングプレートを内部空間に入れやすくなる。
【0097】
第8の態様は、第1から第7の態様のいずれか一つに係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材の全体を被覆する被覆部材をさらに備える。この場合、被撮影者がイメージングプレート保護アセンブリを口腔内に入れたときに不快に感じにくくすることができる。また、この場合、保持部材に唾液等の体液が付着しにくくなる。これにより、被覆部材内部の保持部材等を再利用する場合の取扱い易さを向上させることが可能となる。
【0098】
第9の態様は、第1から第8の態様のいずれか一つに係るイメージングプレート保護アセンブリであって、前記保持部材は、放射線透過素材であって紙または樹脂で構成される。この場合、保持部材が紙で構成されると、保持部材の材料費を低減することができる。また、保持部材が樹脂で構成されると、被撮影者は口腔内に保持部材が入れられたときに不快に感じにくくなる。
【0099】
第10の態様に係るイメージングプレートアセンブリは、第1から第9の態様のいずれか一つに係るイメージングプレート保護アセンブリと、前記イメージングプレート保護アンセブリに収容される複数のイメージングプレートとを備える。
【符号の説明】
【0100】
1 イメージングプレートアセンブリ(IPアセンブリ)
2 イメージングプレート
3 イメージングプレート保護アセンブリ(保護アセンブリ)
4 防水バッグ
5,5A,5B 保持部材
8 被覆部材
51 被固定部
58 取付部
505 内部空間
508 部分空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16