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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046979
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】画像処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240329BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240329BHJP
   B41J 29/393 20060101ALN20240329BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J5/30 Z
B41J29/393 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152381
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 博
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公彦
(72)【発明者】
【氏名】児玉 真里
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕香
(72)【発明者】
【氏名】大平 芳恵
(72)【発明者】
【氏名】山崎 尚人
(72)【発明者】
【氏名】長島 一樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK17
2C061HV01
2C061HV39
2C061HV60
2C061KK26
2C061KK28
2C187AC06
2C187BF36
2C187BH24
2C187DC06
2C187HA07
2C187HA17
2C187HA33
(57)【要約】
【課題】複数のページを用紙に面付けして当該複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合に、エラーに関係のないページが再印刷されることを防止しつつ、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別の用紙に印刷する場合と比べて、印刷に要する用紙の数を減らす画像処理装置を提供する。
【解決手段】前記プロセッサは、複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
再印刷の面付けの方式は、エラーが発生したときの印刷の面付けの方式と同じである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
面付けの方式は、前記複数のページを印刷することで得られた複数の印刷物を製本するときの製本方式に基づいて定められる、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記複数のエラーページと、各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記エラーページに関連するページは、前記面付けの方式に基づいて定められる、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記エラーページに関連するページは、前記複数の印刷物を製本するときに、製本される印刷物を構成する用紙のうち前記エラーページと同じ1枚の用紙に配置されるページである、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
1つの用紙に面付けされるページ数が定められ、
前記プロセッサは、
前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページの数が前記ページ数に対応する数となった場合に、前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページを1つの用紙に面付けして再印刷を開始する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
用紙においてページが面付けされる同じ領域にてエラーが発生した回数が閾値以上になった場合に、以降の印刷においては、前記領域に再印刷の対象となるページを面付けしない、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機においては、1枚の用紙に複数のページを面付けして印刷することがある。
【0003】
特許文献1には、複数ジョブの原稿を面付けした印刷物を作成する画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-30484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のページを用紙に面付けして当該複数のページを印刷した場合、印刷されたページに印刷のエラー(例えば汚れ等)が発生することがある。この場合、当該複数のページの全部を再印刷することが考えられる。しかし、当該複数のページの全部を再印刷すると、エラーに関係のないページも再印刷されてしまい、その分について無駄が発生する。
【0006】
別の方法として、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別の用紙に再印刷することが考えられる。すなわち、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別々の用紙に再印刷することが考えられる。しかし、各ページをそれぞれ別の用紙に再印刷すると、エラーが発生したページの数に応じた枚数の用紙を用いて再印刷する必要があるため、再印刷に要する用紙の数が増大する。
【0007】
本発明の目的は、複数のページを用紙に面付けして当該複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合に、エラーに関係のないページが再印刷されることを防止しつつ、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別の用紙に印刷する場合と比べて、印刷に要する用紙の数を減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御する、ことを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、再印刷の面付けの方式は、エラーが発生したときの印刷の面付けの方式と同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項3に係る発明は、面付けの方式は、前記複数のページを印刷することで得られた複数の印刷物を製本するときの製本方式に基づいて定められる、ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、前記複数のエラーページと、各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記エラーページに関連するページは、前記面付けの方式に基づいて定められる、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記エラーページに関連するページは、前記複数の印刷物を製本するときに、製本される印刷物を構成する用紙のうち前記エラーページと同じ1枚の用紙に配置されるページである、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項7に係る発明は、1つの用紙に面付けされるページ数が定められ、前記プロセッサは、前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページの数が前記ページ数に対応する数となった場合に、前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページを1つの用紙に面付けして再印刷を開始する、ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置である。
【0015】
請求項8に係る発明は、前記プロセッサは、用紙においてページが面付けされる同じ領域にてエラーが発生した回数が閾値以上になった場合に、以降の印刷においては、前記領域に再印刷の対象となるページを面付けしない、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0016】
請求項9に係る発明は、コンピュータに、複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御させる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,9に係る発明によれば、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別の用紙に印刷する場合と比べて、印刷に要する用紙の数を減らすことができる。
【0018】
請求項2-6に係る発明によれば、エラーに関係のないページが再印刷されることを防止できる。
【0019】
請求項7に係る発明によれば、全ての検品処理の完了を待ってから再印刷が完了する場合よりも、エラーページと関連ページの印刷を早く完了することができる。
【0020】
請求項8に係る発明によれば、エラーが発生した回数が閾値以上になった領域には面付けをしないことで、印刷のエラーの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】情報処理システムの機能ブロック図である。
図3】画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】実施形態における印刷物の一例を示す図である。
図6図5の印刷物の構成を説明する図である。
図7】実施形態における印刷ジョブが示すページの配置の一例を示す図である。
図8図7に示す印刷ジョブを印刷したときの印刷物の一例(1)である。
図9図8に示す印刷物の表面と裏面を示した図である。
図10図8に示す印刷物の表示態様を変えて示した図である。
図11図7に示す印刷ジョブを印刷したときの印刷物の一例(2)である。
図12図11に示す印刷物を検品後に再面付けしたときの印刷ジョブの一例である。
図13図7に示す印刷ジョブを印刷したときの印刷物の一例(3)である。
図14図13に示す印刷物を検品後に再面付けしたときの印刷ジョブの一例である。
図15図7に示す印刷ジョブを印刷したときの印刷物の一例(4)である。
図16図15に示す印刷物を検品後に再面付けしたときの印刷ジョブの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、情報処理システム10の構成を示すブロック図である。情報処理システム10は、複数のページを用紙に面付けして印刷する。ページを面付けして用紙に印刷することで、印刷の結果物として印刷物が作成される。情報処理システム10は、当該印刷物を検品し、加工するシステムである。情報処理システム10はまた、検品によって再印刷が必要と判断されたページを再度用紙に面付けして印刷物を作成するシステムである。
【0023】
「面付け」とは、冊子や本等を作成するときに、1枚の用紙に複数のページを並べることである。言い換えると、「面付け」とは、印刷や製本の方式に基づいて、複数のページを印刷や製本の方式に従った順序および位置に配置することである。本明細書では、データ上でページを用紙に割り当てる(すなわち、配置する)ことを「面付け」と表現する。一方、その割り当て(すなわち、面付け)に従って、各ページを物理的に用紙に印刷することを「面付け印刷」と表現する。
【0024】
情報処理システム10は、画像処理装置12と、印刷装置14と、検査装置16と、加工装置18とを含む。画像処理装置12と、印刷装置14と、検査装置16と、加工装置18とは、それぞれ、他の装置と通信する機能を有する。例えば、画像処理装置12と、印刷装置14と、検査装置16と、加工装置18とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信経路を介して、互いに通信する。
【0025】
画像処理装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)またはサーバ等の装置である。
【0026】
画像処理装置12は、画像データを受け付けて、印刷ジョブを生成する。例えば、印刷の指示や命令を示す情報等が「印刷ジョブ」に相当する。印刷の指示を示す情報(すなわち、印刷ジョブ)には、印刷の条件を示す情報等が含まれる。また、印刷の対象となる画像データが印刷ジョブに含まれてもよい。画像処理装置12は、当該生成した印刷ジョブを印刷装置14に送り、印刷を制御する。
【0027】
また、画像処理装置12は、印刷のエラーが発生した場合において、再印刷が必要なページが存在する場合に、新しい印刷ジョブを生成する。具体的には、画像処理装置12は、印刷のエラーが発生した場合に、印刷のエラーが発生した複数のページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けする。
【0028】
「印刷のエラー」とは、用紙に対する印刷のエラーである。例えば、印刷された文字や画像がかすれること、にじむこと等の他に、用紙にしわが入ること、線が入ること、トナーの汚れが付くこと等を指す。なお、以下、印刷のエラーが発生したページを「エラーページ」と呼ぶ。
【0029】
「同じ用紙に面付け」とは、複数のページにエラーが発生した場合に、各エラーページをそれぞれ別々の用紙に面付けするのではなく、同じ1枚の用紙に面付けすることを指す。なお、本明細書で開示する情報処理システム10においては、1枚の用紙に印刷されるページ数が設定されている。また、ページのサイズは決まっており、そのサイズ通りに印刷および再印刷される。1枚の用紙に印刷されるページ数を超えた分は、別の用紙に印刷する。したがって、エラーページの数によっては1枚の用紙に収まらないため、1枚目の用紙、2枚目の用紙、・・・、と複数の用紙にエラーページが面付けされる。本明細書では、「同じ用紙に面付け」とは、1枚の用紙には少なくとも複数のエラーページが面付けされることを意味する。
【0030】
印刷装置14は、印刷要求された画像データの画像(文字や記号のみの画像を含む)を用紙等の印刷媒体に印刷する装置である。印刷装置14の具体例の1つが印刷機能を備えたプリンタである。なお、印刷装置14は、印刷機能とスキャナ機能とコピー機能等の複数の画像出力機能を備えた複合型の装置であってもよい。
【0031】
検査装置16は、印刷された印刷物を検品する装置である。例えば、検査装置16は、印刷物を撮影することで画像データを生成し、その画像データを解析することで、エラーが発生した位置を特定する。また、検査装置16は、印刷された用紙(すなわち印刷物)上にて印刷のエラーが発生した位置を特定し、当該位置を示す情報を画像処理装置12に送信する装置である。例えば、検査装置16は、用紙上にて印刷のエラーが発生した座標(例えば、予め定められた位置を原点としたときの座標)を、印刷のエラーが発生した位置として特定し、その座標を示す情報を画像処理装置12に送信する。
【0032】
加工装置18は、印刷された印刷物を裁断する等の処理を行う後処理装置である。
【0033】
以下、図2を参照して、情報処理システム10についてさらに説明する。図2には、情報処理システム10の機能ブロック図の一例が示されている。
【0034】
情報処理システム10は、例えば、受信部20と、ジョブ生成部22と、送信部24と、印刷部26と、検査部28と、検査結果判定部30と、制御部32とを含む。
【0035】
受信部20は、画像データや、情報処理システム10内で生成された各種データを受け付ける。
【0036】
ジョブ生成部22は、受信部20が受け付けたデータを印刷するための印刷ジョブを生成する。また、ジョブ生成部22は、印刷のエラーが発生した場合に、再印刷用の印刷ジョブを生成する。
【0037】
ジョブ生成部22は、再印刷用の印刷ジョブを生成するときに、エラーページと各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする。ここで、「エラーページに関連するページ」とは、製本の方式および面付けの方式に基づいて定められるページである。エラーページに関連するページに関しては、具体例を示して後述する。
【0038】
送信部24は、各種データを送信する。実施形態においては、各種データの送信先は、情報処理システム10内の装置である。例えば、各種データの一例として、ジョブ生成部22で生成された印刷ジョブが挙げられる。
【0039】
印刷部26は、生成された印刷ジョブを用紙に印刷する。
【0040】
検査部28は、印刷された用紙の画像を解析して検品を行う。具体的には、検査部28は、印刷された用紙に汚れ等の印刷のエラーが発生しているか否かを検査する。また、検査部28は、印刷のエラーが発生している場合には、そのエラーの位置を特定する。
【0041】
検査結果判定部30は、エラーページを特定する。エラーページは、検査部28で特定されたエラーの位置と、印刷ジョブに含まれる用紙上に配置された各ページの位置を示す情報と、に基づいて特定される。より具体的には、ジョブ生成部22において生成される印刷ジョブには、用紙のどの位置にどのページを配置するか(すなわち、面付けするか)を示す情報(すなわち、用紙上における各ページの位置を示す情報)が含まれる。そこで、検査結果判定部30は、用紙上のページの位置と、エラーが発生した位置と、に基づいて、エラーページを特定する。具体的には、検査結果判定部30は、エラーが発生した位置を含む領域に配置されるページを、エラーページとして特定する。
【0042】
また、検査結果判定部30は、検査部28で行われた検品に基づいて、再印刷の必要があるページが存在するか否かを判定する。例えば、印刷のエラーが発生しても、エラーの位置や程度によっては再印刷が不要な場合がある。そこで、ジョブ生成部22において再印刷用の印刷ジョブが生成される前に、検査結果判定部30は、再印刷が必要か否かを判定する。例えば、検査結果判定部30は、用紙に付着した汚れの大きさや個数が閾値以上である場合には、再印刷が必要と判定する。さらに、検査結果判定部30は、エラーページに関連するページの特定を行う。
【0043】
制御部32は、情報処理システム10の各部の動作を制御する。
【0044】
以下、図3を参照して、画像処理装置12のハードウェアの構成について説明する。図3には、画像処理装置12のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0045】
画像処理装置12は、ユーザインターフェース(以下、「UI」と称する)34と、通信装置36と、メモリ38と、プロセッサ40とを含む。
【0046】
UI34は、ユーザインターフェースであり、ディスプレイと入力装置とを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイまたはELディスプレイ等である。入力装置は、キーボード、マウス、入力キーまたは操作パネル等である。UI34は、ディスプレイと入力装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。
【0047】
通信装置36は、通信チップや通信回路等を有する1または複数の通信インターフェースを含み、他の装置に情報を送信する機能、および、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信装置36は、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等の無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。
【0048】
メモリ38は、データを記憶する1または複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ38は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、各種のメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、ROM、等)、その他の記憶装置(例えば、光ディスク等)、または、それらの組み合わせである。
【0049】
プロセッサ40は、画像処理装置12の各部の動作を制御する。
【0050】
プロセッサ40は、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを印刷装置14に送り、印刷装置14による印刷を制御する。具体的には、プロセッサ40は、通信装置36を介して印刷の対象となる画像データを受け付けて、データ上でページを用紙に面付けして印刷ジョブを生成する。例えば、ページ毎に、ページを示す情報(例えばページ番号)と、用紙上にて当該ページが配置される位置を示す情報(例えば座標情報)と、の対応付けを示す情報が、印刷ジョブに含まれる。また、プロセッサ40は、印刷ジョブに基づいて印刷された複数のページにおいて、通信装置36を介して印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付けて、エラーが発生したページを特定する。エラーが発生したページは、印刷のエラーが発生した位置を示す情報と、印刷ジョブが有している位置情報とを対比して特定される。すなわち、プロセッサ40は、印刷ジョブに含まれる用紙上のページの位置と、エラーが発生した位置と、に基づいて、エラーページを特定する。当該印刷のエラーは、複数のページを用紙に面付けして複数のページを印刷した場合において、発生したエラーである。プロセッサ40は、当該複数のエラーページが再印刷の対象となる場合に、当該複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けする(すなわち、再印刷用の印刷ジョブを生成する)。その後、プロセッサ40は、印刷装置14へ再印刷用の印刷ジョブを送信する。
【0051】
以下、図4を参照して、実施形態に係る処理についてさらに説明する。図4は、実施形態に係る情報処理システム10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下では、画像処理装置12が複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けする処理を行うとして実施形態を説明するが、当該処理は別の装置によって行われてもよい。
【0052】
画像処理装置12のプロセッサ40は、通信装置36を介して、画像データを受け付ける(S10)。例えば、プロセッサ40は、当該画像データを、図示しない外部の情報機器から受け付ける。
【0053】
プロセッサ40は、受け付けたデータを印刷するための印刷ジョブを生成する(S12)。印刷ジョブとは、印刷が実行されるための指示や命令等であり、具体的には、受け付けたデータ上で面付けをした結果得られたデータを印刷するための指示や命令等を指す。また、上述したように、印刷ジョブには、ページを示す情報と、用紙上にて当該ページが配置される位置を示す情報と、の対応付けを示す情報が含まれる。すなわち、印刷ジョブには、各ページの位置情報が含まれる。また、面付けの方式は、予め設定されている。すなわち、面付けの方式は、複数のページで構成される複数の印刷物を製本するときの製本方式に基づいて定められている。また、再印刷の面付けの方式は、エラーが発生したときの印刷の面付けの方式と同じになる。したがって、再印刷が必要になる場合に備えて、プロセッサ40は、面付けをしたときの面付けの方式を示す情報をメモリ38に記憶させる。
【0054】
次に、プロセッサ40は、生成した印刷ジョブを、印刷装置14に送信する。
【0055】
印刷装置14は、印刷ジョブを受け付け、当該印刷ジョブに含まれる情報に基づき、面付けに従って各ページを物理的に印刷する(S14)。
【0056】
次に、印刷装置14は、印刷された印刷物を、検査装置16に送信する。
【0057】
検査装置16は、印刷物を受け付け、当該印刷物に対して検品を行う(S16)。具体的には、検査装置16は、印刷された用紙に汚れ等の印刷のエラーが発生しているか否かを検査する。
【0058】
続けて、検査装置16は、印刷のエラーが発生している場合には、印刷された用紙上にて印刷のエラーが発生した位置を特定する(S18)。
【0059】
次に、検査装置16は、当該印刷のエラーが発生した位置を示す情報を、画像処理装置12に送信する。
【0060】
プロセッサ40は、印刷装置14において全ての印刷が完了したか否か、および、検査装置16において全ての検品が完了したか否か、を判定する(S20)。プロセッサ40が、印刷装置14での全ての印刷、および、検査装置16での全ての検品が完了したと判定した場合(S20でYes)、処理はステップS22に進む。一方、プロセッサ40が、印刷装置14での全ての印刷、および、検査装置16での全ての検品のうち、少なくとも一方が完了していないと判定した場合(S20でNo)、プロセッサ40は、ステップS20での判定する処理を繰り返す。当該処理は、上記印刷および上記検品の全ての処理が完了するまで繰り返される。なお、実施形態においては、上記印刷および上記検品が完了したか否かの判定をステップS20において行うが、これに限らない。例えば、印刷装置14において全ての印刷が完了したか否かの判定は、印刷装置14が印刷された用紙を検査装置16に送信した段階で行うこととしてもよい。
【0061】
次に、プロセッサ40は、検査装置16で特定された印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付ける。そして、プロセッサ40は、用紙ごとに印刷のエラーが発生しているか、すなわち、エラーページが存在するか否かを判定する(S22)。ここで、プロセッサ40は、検査装置16から受け付けた情報に基づいて、エラーページが存在するか否かを判定する。具体的には、プロセッサ40は、印刷のエラーが発生した位置と、ステップS12で生成した印刷ジョブが有している各ページの位置情報とを対比して、エラーページを特定する。印刷のエラーが発生したページが存在しない場合(S22でNo)、処理はステップS28に進む。
【0062】
一方、印刷のエラーが発生したページが存在する場合(S22でYes)、プロセッサ40は、面付けの方式や製本の方式と、検査装置16から受け付けた印刷のエラーが発生した位置を示す情報とに基づいて、エラーページに関連するページの特定を行う。
【0063】
続けて、プロセッサ40は、再印刷用の印刷ジョブ(以下、適宜「エラージョブ」と呼ぶ。)の生成を行う(S24)。プロセッサ40は、特定された印刷のエラーが発生したページとその関連するページとを、再印刷の対象としてエラージョブを生成する。このとき、プロセッサ40は、エラーページと各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする。また、プロセッサ40は、複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けする。
【0064】
続けて、プロセッサ40は、生成されたエラージョブのサイズが0であるか否かを判定する(S26)。プロセッサ40が、エラージョブのサイズが0でないと判定した場合(S26でNo)、すなわち、再印刷の対象となる画像データが存在すると判定した場合、プロセッサ40は、エラージョブを印刷装置14に送信し、処理はステップS14に戻る。
【0065】
一方、プロセッサ40が、エラージョブのサイズが0であると判定した場合(S26でYes)、プロセッサ40は、印刷装置14で印刷された用紙を、加工装置18に送信する。
【0066】
加工装置18は、印刷された用紙を受け付け、製本の方式に基づいて用紙の裁断を行う。また、加工装置18は、エラーページの廃棄等の加工処理(すなわち、後処理)を行い(S28)、処理は終了する。
【0067】
以上のようにして、情報処理システム10においては、複数のページで構成される画像データが面付けされ、印刷物が作成され、当該印刷物が検品される。その後、印刷物が加工されるが、印刷物が加工されるまでには、検品によって再印刷が必要と判断されるページが0になるまで、再面付けと印刷物の作成、および、検品が繰り返される。
【0068】
なお、図4のステップS22においては、プロセッサ40は、用紙ごとに印刷のエラーが発生しているか否かを判定するが、さらに、再印刷の必要があるページが存在するか否かを判定してもよい。プロセッサ40が、印刷のエラーが発生したエラーページの中に、再印刷が必要なページがあると判定した場合は、図4に示すフローチャートの通り、処理はステップS24に進む。一方、印刷のエラーが発生しても、エラーの位置や程度によっては再印刷が不要な場合がある。そこで、プロセッサ40が、印刷のエラーが発生したエラーページの中に、再印刷が必要なページがないと判定した場合は、処理をステップS28に進めてもよい。
【0069】
次に、実施形態において行われる面付けについて、図面を参照して具体的に説明する。図5は、実施形態における印刷物の一例を示す図である。図5には、3枚の用紙(用紙1,2,3)で構成される中綴じで製本される冊子が示されている。なお、1枚目の用紙を「用紙1」、2枚目の用紙を「用紙2」、3枚目の用紙を「用紙3」とする。そして、図5には、各用紙1-3の表面側が示されている。
【0070】
本例においては、例えば、1枚の用紙を二つ折りにして中央で閉じる中綴じにおいて、表面に2つのページ、裏面に2つのページの、計4つのページを1枚の用紙に面付けする場合を考える。ここで、3枚の用紙を準備する場合(すなわち、ページ1-12から成る計12のページを3枚の用紙に面付けする場合)の図5の冊子の構成を図6に示す。図6は、図5の印刷物の構成を説明する図である。図6には、ページ数が示されている。例えば、ページ2は、2ページ目であることを示すために、用語「ページ」に付されている番号(例えば、「ページ2」中の「2」)は、ページの番号を指し示している。また、括弧のないページ数は、表面のページの番号を示し、括弧のあるページ数は、裏面のページ番号を示している。本例では、用紙1の表面の左側には、ページ2が配置され、表面の右側にはページ11が配置される。また、ページ2の裏面にはページ1が配置され、ページ11の裏面にはページ12が配置される。ここで、上述したように、「エラーページに関連するページ」とは、製本の方式および面付けの方式に基づいて定められるページである。例えば、1つの冊子として製本される印刷物がある場合において、当該印刷物を構成する各用紙のうちエラーページと同じ1枚の用紙に配置されるページが、「エラーページに関連するページ」である。すなわち、図6においては、エラーページがページ11であった場合には、エラーページに関連するページは、冊子を構成する各用紙1,2,3のうち、エラーページであるページ11と同じ用紙1に配置されるページ1,2,12である。
【0071】
図5,6においては、中綴じで製本される場合について示したが、その他の製本方式を用いる場合であっても、エラーページと関連ページについては同様の考え方をする。すなわち、製本方式ごとに1枚の用紙に面付けされるページの組み合わせや順序は異なるが、エラーページと関連ページは、最終的に作成される印刷物を構成する用紙のうちの同じ1枚の用紙に配置されるページという関係が成り立つ。
【0072】
次に、図7-10を用いて、実施形態における印刷物について具体例を示して説明する。
【0073】
図7は、実施形態における印刷ジョブが示すページの配置の一例を示す図である。図7には、用紙の端を数箇所留める製本方式である平綴じで製本される冊子Aと、印刷ジョブ100とを示す。印刷ジョブ100は、最終的な印刷物である冊子Aを作成するための基となるデータである。また、印刷ジョブ100には、データ上で面付けした結果として、表面と裏面が表されている。
【0074】
図8には、図7の印刷ジョブ100を印刷したときの印刷物の一例が示されている。具体的には、図8には、印刷物Bの表面側が示されている。印刷物Bの表面には、ページ1,4,・・・,45,48の、計24のページが面付けして印刷されている。また、図8では図示を省略しているが、印刷物Bの裏面には、ページ2,3,・・・,46,47の、計24のページが面付けして印刷されている。図8に示すように、印刷物Bのページ12上には汚れ42が付着している。
【0075】
次に、図9,10を参照して、図8に示す印刷物Bについてさらに説明する。図9は、図8に示す印刷物Bの表面と裏面を示した図である。図9には、ページ1,4,5,8,・・・,41,44,45,48の、計24のページが面付けされた面が、印刷物Bの表面として示されている。また、図9には、ページ7,6,3,2,・・・,47,46,43,42の、計24のページが面付けされた面が、印刷物Bの裏面として示されている。印刷物Bの裏面は、印刷物Bの表面を180度回転させて(すなわち、裏表を逆にするようにひっくり返して)表示した面である。
【0076】
図9に示すように、印刷物Bの表面のページ12上に汚れ42が付着している。このページ12上の汚れ42は、図8に示す汚れ42と同じものであり、トナーのインクがはねた汚れとする。なお、以降、汚れは、トナーのインクがはねた場合として説明を行う。表面にトナーのインクがはねた場合には、裏面にもその汚れが透けて見えることがある。そこで、図9では、ページ11がページ12の裏面に該当するページとして面付けされていることを表すために、汚れ42を裏面から見たときの態様を、汚れ44として裏面のページ11上に示している。
【0077】
次に、図10は、図8に示す印刷物Bの表示態様を変えて示した図である。図10に示す印刷物Bは、図8に示す印刷物Bおよび図9に示す印刷物Bの表面と、基本的には同じものであるが、表面から裏面を透かして見たものである。図10では、説明の便宜上、裏面のページ番号を、表面から透かして見たときのページ番号として括弧書きで示した。例えば、図10の印刷物Bには、ページ2がページ1の裏面に該当するページとして面付けされ、ページ3がページ4の裏面に該当するページとして面付けされていることが示されている。より具体的に説明すると、図7に示す冊子Aは平綴じの製本方法であるため、ページ1の裏面にはページ2が配置され、ページ4の裏面にはページ3が配置される。そこで、図10では、ページ1の裏面にはページ2が配置されることを「1(2)」と示し、ページ4の裏面にはページ3が配置されることを「4(3)」と示した。なお、以降、図12,14,16においても、裏面のページ番号は、表面から透かして見たときのページ番号を表示している。
【0078】
図10に示すように、印刷物Bのページ12上に汚れ42が付着している。図10で示す汚れ42は、図8,9で示す汚れ42と同じものである。当該汚れ42の部分を示すために、図10では、ページ9(10),12(11)を破線で囲み拡大して表している。以下、この図を用いて、エラーページと関連ページについて、より詳しく説明する。
【0079】
情報処理システム10においては、図7に示す印刷ジョブ100が生成され、印刷装置14に送信される。印刷装置14は、印刷ジョブ100を受け付け、印刷する。このとき印刷された印刷物の1つが印刷物Bである。図10では、印刷物Bの一部を破線で囲んだ仮想図として示している。当該破線で囲んだ部分を参照すると、表面の左側には、ページ9が配置され、表面の右側にはページ12が配置されている。また、ページ9の裏面には、ページ10が、ページ12の裏面には、ページ11が、それぞれ配置されている。印刷物Bは、平綴じの冊子Aを構成する印刷物の一部であるため、ページ9,12が面付けされた表面を中央部分で山折りにし、折った部分を右端として閉じられる。なお、冊子Aは、右にページをめくる冊子を想定している。かかる場合、ページ9とページ12とは、印刷の後処理がなされるときに、加工装置18で裁断されることはない。上述したように、エラーページと関連ページは、同じ1枚の用紙に配置されるページという関係が成り立つが、さらに詳しく言うと、同じ1枚の用紙に配置される複数のページであって、かつ、印刷の後処理がなされるときにも裁断されない複数のページである。以上説明した内容より、印刷物Bにおいては、ページ12の関連ページは、ページ9,10,11となる。
【0080】
次に、図11-14を用いて、印刷のエラーが発生した場合の、情報処理システム10におけるエラージョブの生成について説明する。
【0081】
図11には、図7の印刷ジョブ100を印刷したときの印刷物の一例(2)が示されている。情報処理システム10においては、プロセッサ40において印刷ジョブを生成後、印刷装置14で印刷が行われる。図11には、当該印刷後の印刷物C1の表面側、および、印刷物C2-C8の一部が示されている。図11に示す印刷物C1の表面には、ページ1,4,・・・,45,48の、計24のページが面付けして印刷されている。また、図11では省略しているが、印刷物C1の裏面には、ページ2,3,・・・,46,47の、計24のページが面付けして印刷されている。印刷物C2-C8にも、印刷物C1と同じページが、同じ方式で面付けされている。
【0082】
図11に示すように、印刷物C1のページ12上に汚れ46が付着している。印刷物C2以降は図示を省略しているが、印刷物C1と同様に、印刷のエラーとなる汚れがある。例えば、印刷物C2のページ29上に、印刷物C5のページ9上に、印刷物C6のページ14,20上に、印刷物C7のページ23上に、印刷物C8のページ46上に、それぞれ、汚れ46と同様の汚れが付着している。
【0083】
情報処理システム10においては、印刷装置14で印刷が行われた後、印刷された印刷物が検査装置16に送信され、検査装置16で検品が行われる。次に、プロセッサ40は、検査装置16で生成された印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付ける。その後、プロセッサ40は、印刷のエラーが発生したページとその関連するページとを特定して、再印刷の対象としてエラージョブを生成する。
【0084】
ここで、図11に示す印刷物C1においては、ページ12上には汚れ46が付着しているため、印刷物C1のページ12とその関連ページであるページ9,10,11とが同じ用紙に面付けされる。具体的には、表面に印刷物C1のページ9,12が面付けされ、裏面に、印刷物C1のページ10,11が面付けされる。同様に、上述したように、印刷物C2のページ29上には汚れが付着している。したがって、印刷物C2のページ29とその関連ページである30,31,32とが同じ用紙に面付けされる。具体的には、表面に印刷物C2のページ29,32が面付けされ、裏面に印刷物C2のページ30,31が面付けされる。印刷物C5以降についても同様である。このとき生成されたエラージョブを図12に示す。図12には、図11に示す印刷物を検品後に再面付けしたときのエラージョブが示されている。
【0085】
エラージョブを生成するときには、プロセッサ40は、エラーページと各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする。図12にも示すように、印刷物C1のページ12とその関連ページであるページ9,10,11とは、同じ印刷ジョブ102の画面上の、表面と裏面のそれぞれ1行目左2列に配置されている。また、印刷物C2のページ29とその関連ページである30,31,32とは、同じ印刷ジョブ102の画面上の、表面と裏面のそれぞれ1行目右2列に配置されている。印刷物C5のページ9、印刷物C6のページ14,20、印刷物C7のページ23、および、印刷物C8のページ46と、それぞれの関連ページにおいても同様である。すなわち、図12に示すように、印刷ジョブ102の画面上に図11に示す印刷物C1から順に、画面の左上から右下に向かって、特定された印刷のエラーが発生したページとその関連するページとが、再印刷の対象として面付けされる。
【0086】
その後、プロセッサ40から印刷装置14に、上記のように面付けされ生成されたエラージョブが送信される。そして、印刷装置14は、エラージョブを受け付け、印刷する。
【0087】
次に、印刷のエラーが発生した場合の、情報処理システム10における別のエラージョブの生成について説明する。
【0088】
図13には、図7の印刷ジョブ100を印刷したときの印刷物の一例(3)が示されている。情報処理システム10においては、プロセッサ40において印刷ジョブを生成後、印刷装置14で印刷が行われる。図13には、当該印刷後の印刷物D1の表面側、および、印刷物D2-D20の一部が示されている。図13に示す印刷物D1の表面には、ページ1,4,・・・,45,48の、計24のページが面付けして印刷されている。また、図13では省略しているが、印刷物D1の裏面には、ページ2,3,・・・,46,47の、計24のページが面付けして印刷されている。印刷物D2-D20にも、印刷物D1と同じページが、同じ方式で面付けされている。
【0089】
図13に示すように、印刷物D1のページ12上に汚れ48が付着している。印刷物D2以降は図示を省略しているが、印刷物D1と同様に、印刷のエラーとなる汚れがある。印刷物D2-D20の全ての印刷物の汚れは、印刷物D1と同様にページ12上に付着している。すなわち、印刷物D1-D20の全てにおいて、同じページ12が配置される位置(「領域」とも呼ぶ。)に汚れが付着している。このように、印刷された印刷物の全ての同じ位置に印刷のエラーが発生した場合の、エラージョブの生成について説明する。
【0090】
情報処理システム10においては、印刷装置14で印刷が行われた後、印刷された印刷物が検査装置16に送信され、検査装置16で検品が行われる。次に、プロセッサ40は、検査装置16で生成された印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付ける。その後、プロセッサ40は、印刷のエラーが発生したページとその関連するページとを特定して、再印刷の対象としてエラージョブを生成する。
【0091】
ここで、本例においては、印刷物D1-D20の全ての印刷物において、ページが面付けされる同じ位置でエラーが発生する。このとき、プロセッサ40が、当該印刷のエラーが発生した位置を示す情報を基に、印刷のエラーが発生したページとその関連するページとを特定して、再印刷の対象として生成したエラージョブが、図14に示す印刷ジョブ104である。図14に示すように、印刷ジョブ104は、印刷物D1-D20のページ12とその関連ページであるページ9,10,11が面付けされて生成された印刷ジョブである。具体的に説明すると、図13に示す印刷物D1のページ12上に汚れ48が付着しているため、印刷物D1のページ12とその関連ページであるページ9,10,11とが同じ用紙に面付けされる。具体的には、表面に印刷物D1のページ9,12が面付けされ、裏面に、印刷物D1のページ10,11が面付けされる。同様に、図13において図示は省略しているが、印刷物D2-D20にも、印刷物D1と同じ位置、すなわち、ページ12が配置される位置に汚れが付着している。したがって、印刷物D2-D20のページ12とその関連ページであるページ9,10,11とが同じ用紙に面付けされる。具体的には、表面に印刷物D2-D20のページ9,12が面付けされ、裏面に印刷物D2-D20のページ10,11が面付けされる。すなわち、印刷ジョブ104の左上の領域から順番にページが面付けされ(すなわち、順番にページが埋まっていき)、表面にはページ9,12が、裏面には10,11が、それぞれ面付けされる。
【0092】
一方、プロセッサ40が、再印刷の対象のページを特定するときに、印刷物D1-D20の全ての印刷物において、ページが面付けされる同じ領域にてエラーが発生すると判定する場合を考える。かかる場合、プロセッサ40は、特定の領域にページを面付けしない。用紙上の同じ領域で複数回エラーが発生する場合、当該領域には何らかの不具合の要因が存在する可能性が高い。したがって、プロセッサ40は、エラージョブを生成するときに、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしない、という処理を適用する。図13においては、印刷物D1-D20のそれぞれにおいて、ページ12が配置される領域に印刷のエラーが発生している。そこで、プロセッサ40は、ページ12と関連ページであるページ9,10,11のそれぞれが面付けされている領域に、再印刷の対象となるページを面付けしないこととする。このようにして面付けされた場合における印刷ジョブの一例が、図14に示す印刷ジョブ106である。図14に示すように、印刷ジョブ106の表面と裏面のそれぞれの画面の上から2行目の左2列は、ページが面付けされておらず、空白となっている。
【0093】
なお、上記の説明では、印刷物D1-D20の全ての印刷物の同じ領域に印刷のエラーが発生した場合を一例として取り上げた。しかし、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしない処理を適用するのは、かかる場合に限らない。例えば、同じ領域に印刷のエラーが発生する回数が予め定めた閾値以上である場合は、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしないこととしてもよい。例えば、印刷物D1-D20のうち閾値以上の数の印刷物にて、同じ領域に印刷のエラーが発生した場合、プロセッサ40は、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしない。または、印刷物D1-D20の印刷を1回とカウントした場合に、閾値以上の印刷の回数にて、同じ領域に印刷のエラーが発生した場合、プロセッサ40は、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしない。
【0094】
また、例えば、連続してエラーが発生した回数が閾値以上の場合、プロセッサ40は、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしないこととしてもよい。さらに、例えば、予め定められた期間中にエラーが発生した回数が閾値以上の場合、プロセッサ40は、当該領域に再印刷の対象となるページを面付けしないこととしてもよい。
【0095】
次に、図15,16を参照して、変形例について説明する。この変形例に係る処理は、複数のエラーページと各エラーページに関連するページと、の総数が、特定の数になった場合に実行される処理である。特定の数とは、1つの用紙に面付けされるページ数に対応する数のことである。
【0096】
図15には、図7の印刷ジョブ100を印刷したときの印刷物の一例(4)が示されている。また、図16には、図15に示す印刷物を検品後に再面付けしたときの印刷ジョブの一例が示されている。情報処理システム10においては、プロセッサ40において印刷ジョブを生成後、印刷装置14で印刷が行われる。図15には、当該印刷後の印刷物E1の表面側、および、印刷物E2-E100の一部が示されている。図15に示す印刷物E1の表面には、ページ1,4,・・・,45,48の、計24のページが面付けして印刷されている。また、図15では省略しているが、印刷物E1の裏面には、ページ2,3,・・・,46,47の、計24のページが面付けして印刷されている。印刷物E2-E100にも、印刷物E1と同じページが、同じ方式で面付けして印刷されている。
【0097】
図15に示すように、印刷物E1のページ12上に汚れ50が、ページ24上に汚れ52が、ページ41上に汚れ54が、それぞれ付着している。印刷物E2以降は図示を省略しているが、印刷のエラーとなる汚れが付着している。例えば、印刷物E2には、ページ2に、印刷物E4には、ページ10に、印刷物E6には、ページ11,28,32に、それぞれ、汚れ50と同様の汚れが付着している。また、用紙7以降にも、それぞれ汚れがあり、印刷物E1-E100には、計30の汚れが付着している。すなわち、エラーページが30あり、それぞれの関連ページが3つずつあるため、再印刷の対象となるページ数は、計120である。このような場合の情報処理システム10での処理について説明する。
【0098】
情報処理システム10においては、印刷装置14で印刷が行われた後、印刷された印刷物が検査装置16に送信され、検査装置16で検品が行われる。次に、プロセッサ40は、検査装置16で生成された印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付ける。
【0099】
このとき、図4のフローチャートを参照すると、ステップS20が実行されるが、変形例においては、ステップS20の処理は実行されなくてもよい。すなわち、プロセッサ40は、検査装置16での全ての検品が完了する前に、検査装置16からその都度印刷のエラーが発生した位置を示す情報を受け付ける。そして、プロセッサ40は、再印刷をするために処理を次のステップに進める。かかる場合、プロセッサ40は、特定されたエラーページとその関連ページとを再印刷の対象として再面付けするときに、データ上でページを割り当てるときの用紙が面付けされたページで埋まったか否かの判定を行う。より詳しく説明すると、1枚の用紙に面付けされるページ数は、製本の方式および面付けの方式により定められている。図16には、再面付け途中の印刷ジョブ108,110を示している。図16にも示すように、本変形例においては、1枚の用紙に面付けされるページ数は、表面と裏面を合わせて48である。プロセッサ40は、再面付けの処理と並行して、再面付けされたページ数をカウントしていく。そして、プロセッサ40は、再面付けされたページ数が1枚の用紙に面付けされるページ数である48に達したか否かの判定を行う。
【0100】
プロセッサ40は、再面付けされたページ数(すなわち、エラーページと関連ページの合計数)が1枚の用紙に面付けされるページ数に達したと判定すると、その段階で、処理をさらに次のステップに進める。すなわち、プロセッサ40は、再面付けされたページ数が1枚の用紙に面付けされるページ数に達したと判定された段階での面付けされたページを基にエラージョブを生成し、当該エラージョブを印刷装置14に送信する。具体的には、1枚目の用紙に対する各ページの面付けを示すジョブである印刷ジョブ108が生成され、印刷装置14に送信される。
【0101】
図16に示す再面付け途中の印刷ジョブ108,110についてより詳しく説明する。印刷ジョブ108は、印刷装置14において印刷されるときに1枚目の用紙に印刷される内容に対応する。また、印刷ジョブ110は、2枚目の用紙に対する各ページの面付けを示すジョブである。すなわち、印刷ジョブ110は、印刷装置14において印刷されるときに2枚目の用紙に印刷される内容に対応する。例えば、左上の領域からページが順番に埋まっていき、エラーページの数とそれに関連するページの数が48になると、1枚目の用紙がエラーページ等で埋まったことになる。図16に示すように、印刷ジョブ108は、データ上でページを割り当てるときの用紙が、面付けされたページで埋まっている。すなわち、印刷ジョブ108においては、面付けされるページの数が、1枚の用紙に面付けされるページ数に達している。この段階では、検査装置16における全ての検品は完了しておらず、また、再印刷の対象ページ120ページ全ての面付けも完了していない。このことは、印刷ジョブ110がまだ8ページしか埋まっていない状態にも表れている。しかし、そのような場合であっても、プロセッサ40は、再印刷をすべく、処理を先に進めるため、エラージョブの生成と送信を行う。すなわち、印刷ジョブ108は、1枚の用紙に面付けされるページ数に達しているため、この段階で、プロセッサ40は、印刷ジョブ108を印刷装置14に送信し、印刷させる。印刷装置14は、印刷ジョブ108に従って各ページを用紙に印刷する。これにより、印刷ジョブ108に示されている各ページ(例えばページ9等)が、用紙に面付けされて印刷される。このように、変形例においては、全ての検品処理の完了を待たずに、エラーページと関連ページで1枚の用紙が埋まった段階で再印刷が開始されることとなる。
【0102】
なお、実施形態および変形例においては、画像処理装置12のプロセッサ40が面付けを行うが、例えば、印刷装置14が面付けを行ってもよい。上述したように、再印刷の面付けの方式は、エラーが発生したときの印刷の面付けの方式と同じになる。したがって、印刷装置14が面付けを行う場合、再印刷が必要になる場合に備えて、印刷装置14は、面付けの方式を示す情報を、印刷装置14が保持するメモリに記憶させる。
【0103】
上記の画像処理装置12の機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。例えば、プロセッサが、各装置のメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、各装置の機能が実現される。プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、メモリに記憶される。
【0104】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0105】
(付記)
(((1)))
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御する、
ことを特徴とする画像処理装置。
(((2)))
再印刷の面付けの方式は、エラーが発生したときの印刷の面付けの方式と同じである、
ことを特徴とする(((1)))に記載の画像処理装置。
(((3)))
面付けの方式は、前記複数のページを印刷することで得られた複数の印刷物を製本するときの製本方式に基づいて定められる、
ことを特徴とする(((1)))または(((2)))に記載の画像処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記複数のエラーページと、各エラーページに関連するページとを、再印刷の対象として同じ用紙に面付けする、
ことを特徴とする(((1)))から(((3)))のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(((5)))
前記エラーページに関連するページは、前記面付けの方式に基づいて定められる、
ことを特徴とする(((4)))に記載の画像処理装置。
(((6)))
前記エラーページに関連するページは、前記複数の印刷物を製本するときに、製本される印刷物を構成する用紙のうち前記エラーページと同じ1枚の用紙に配置されるページである、
ことを特徴とする(((5)))に記載の画像処理装置。
(((7)))
1つの用紙に面付けされるページ数が定められ、
前記プロセッサは、
前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページの数が前記ページ数に対応する数となった場合に、前記複数のエラーページと前記各エラーページに関連するページを1つの用紙に面付けして再印刷を開始する、
ことを特徴とする(((6)))に記載の画像処理装置。
(((8)))
前記プロセッサは、
用紙においてページが面付けされる同じ領域にてエラーが発生した回数が閾値以上になった場合に、以降の印刷においては、前記領域に再印刷の対象となるページを面付けしない、
ことを特徴とする(((1)))から(((7)))のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(((9)))
コンピュータに、
複数のページを用紙に面付けして前記複数のページを印刷した場合において、印刷されたページに印刷のエラーが発生した場合、印刷のエラーが発生した複数のエラーページを再印刷の対象として同じ用紙に面付けして再印刷を制御させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0106】
(((1)))に係る画像処理装置、および、(((9)))に係るプログラムによれば、印刷のエラーが発生した各ページをそれぞれ別の用紙に印刷する場合と比べて、印刷に要する用紙の数を減らすことができる。
(((2)))-(((6)))に係る画像処理装置によれば、エラーに関係のないページが再印刷されることを防止できる。
(((7)))に係る画像処理装置によれば、全ての検品処理の完了を待ってから再印刷が完了する場合よりも、エラーページと関連ページの印刷を早く完了することができる。
(((8)))に係る画像処理装置によれば、エラーが発生した回数が閾値以上になった領域には面付けをしないことで、印刷のエラーの発生を抑制できる。
【符号の説明】
【0107】
10 情報処理システム、12 画像処理装置、14 印刷装置、16 検査装置、18 加工装置、34 UI、36 通信装置、38 メモリ、40 プロセッサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16