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  • 特開-クーラント処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024046982
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】クーラント処理装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
B23Q11/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152387
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】303024138
【氏名又は名称】株式会社ニイガタマシンテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】藤田 修司
(72)【発明者】
【氏名】伊庭 有希成
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011BB32
(57)【要約】
【課題】タンクにスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントを効率よくろ過することができるクーラント処理装置を提供する。
【解決手段】クーラントCが貯留されるタンク1と、タンク1に設けられた流路11に、クーラントCの水流Fを生じさせる水流発生部2と、流路11に配置され、水流Fに乱流Tを発生させる乱流発生部3と、流路11のクーラントCをろ過するろ過装置と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーラントが貯留されるタンクと、
前記タンクに設けられた流路に、クーラントの水流を生じさせる水流発生部と、
前記流路に配置され、前記水流に乱流を発生させる乱流発生部と、
前記流路のクーラントをろ過するろ過装置と、を備える、
クーラント処理装置。
【請求項2】
前記乱流発生部は、前記流路の壁面に配置され、前記水流の向きに沿って凹凸する凹凸形状をなす、
請求項1に記載のクーラント処理装置。
【請求項3】
前記乱流発生部は、波形の板状部材である、
請求項2に記載のクーラント処理装置。
【請求項4】
前記水流発生部は、前記流路に配置され、クーラントに浸漬されるスクリューモータである、
請求項1から3のいずれか1項に記載のクーラント処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラント処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械において切削に用いられたクーラント(切削油剤)から、切屑や切粉等の異物を除去するクーラント処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1のクーラント処理装置は、クーラントを貯留するタンクと、チップコンベアと、タンク内にクーラントを噴射するクーラント噴射機構部と、クーラントに含まれるスラッジを分離するサイクロン式ろ過装置と、を備えている。
クーラント処理装置において異物が除去され清浄化されたクーラントは、工作機械へ送られて切削に再利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6754714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のクーラント処理装置では、タンクの壁面(底壁や側壁など)に切粉等からなるスラッジが堆積しやすかった。タンクに堆積したスラッジは、ろ過装置によって回収することが難しい。
【0006】
本発明は、タンクにスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントを効率よくろ過することができるクーラント処理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔本発明の態様1〕
クーラントが貯留されるタンクと、前記タンクに設けられた流路に、クーラントの水流を生じさせる水流発生部と、前記流路に配置され、前記水流に乱流を発生させる乱流発生部と、前記流路のクーラントをろ過するろ過装置と、を備える、クーラント処理装置。
【0008】
本発明のクーラント処理装置では、水流発生部が、タンクの流路にクーラントの流れ(水流)を発生させる。そして、乱流発生部が、クーラントの水流に乱流を発生させることで、流路の底壁や側壁などの壁面にスラッジが溜まりにくくされている。すなわち、乱流により、流路の壁面付近にスラッジが溜まることが抑えられ、スラッジの堆積が抑制される。
【0009】
また乱流により、スラッジはクーラントの水流中に浮遊しやすくされている。このため、クーラントとともにスラッジをろ過装置に送りやすくなり、ろ過装置におけるスラッジの回収効率が高められる。
【0010】
以上より本発明によれば、タンクにスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントを効率よくろ過することができる。
【0011】
〔本発明の態様2〕
前記乱流発生部は、前記流路の壁面に配置され、前記水流の向きに沿って凹凸する凹凸形状をなす、態様1に記載のクーラント処理装置。
【0012】
この場合、乱流発生部が、クーラントの水流の向きに沿って凹凸する凹凸形状をなしているので、水流の中に安定して乱流が発生させられる。また、乱流発生部は、流路の底壁や側壁等の壁面に配置されているので、流路の壁面付近において乱流が生じやすくなる。このため、流路の壁面付近にスラッジが溜まることがより安定して抑えられる。
【0013】
〔本発明の態様3〕
前記乱流発生部は、波形の板状部材である、態様2に記載のクーラント処理装置。
【0014】
この場合、タンクの流路に対して、乱流発生部を例えば後付け等で簡単に設置することができる。具体的には、乱流発生部を例えば流路の底壁に置いたり、流路の側壁に取り付けたりすることにより、設備費用を抑えつつ上述の優れた作用効果を得ることができる。
【0015】
〔本発明の態様4〕
前記水流発生部は、前記流路に配置され、クーラントに浸漬されるスクリューモータである、態様1から3のいずれか1つに記載のクーラント処理装置。
【0016】
上記構成と異なり、例えばタンクの外部に設けたポンプ等を用いて、流路にクーラントの水流を発生させようとすると、ポンプの配管抵抗等によってクーラントの温度が上昇しやすくなる傾向がある。クーラントの温度が所定以上に上昇させられた場合、工作機械での精密な切削加工にクーラントが再利用されたときに、加工精度に影響する可能性がある。
【0017】
本発明の上記構成によれば、水流発生部が、クーラントに浸漬されるスクリューモータであるので、配管抵抗等によってクーラントの温度上昇が生じることはない。クーラントが低い温度で良好に維持されるので、工作機械での精密な切削加工にクーラントが再利用されても、加工精度に影響するようなことが抑えられる。
またスクリューモータは、ポンプのような配管工事等が不要であり、流路の任意の場所への設置が容易であって、取り扱い性がよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の前記態様のクーラント処理装置によれば、タンクにスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントを効率よくろ過することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態のクーラント処理装置を模式的に示す平面図(上面図)である。
図2図2は、図1のII-II断面を示す断面図である。
図3図3は、乱流発生部を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態の変形例のクーラント処理装置を模式的に示す平面図(上面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態のクーラント処理装置10について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のクーラント処理装置10を模式的に示す平面図(上面図)である。クーラント処理装置10は、工作機械(図示省略)において切削に用いられたクーラントから、スラッジを回収し清浄化する装置である。清浄化されたクーラントは、工作機械へ送られて、再び切削に利用される。クーラント処理装置10は、例えば、工作機械に併設される。
【0021】
図1に示すように、クーラント処理装置10は、クーラントCが貯留されるタンク1と、水流発生部2と、乱流発生部3と、ろ過装置4と、を備える。特に図示しないが、クーラント処理装置10は、さらに、工作機械からタンク1へ送られるクーラントC中の切屑等を除去し搬送するチップコンベアと、タンク1への切屑等の流入を阻止するフィルターと、を備えていてもよい。
工作機械からチップコンベア及びフィルターを通過してタンク1に流入するクーラントCには、切屑よりも細かな切粉等からなるスラッジが含まれている。
【0022】
タンク1は、槽などと言い換えてもよい。タンク1は、クーラントCが流れる流路11を有する。流路11は、例えば、タンク1の内部を壁材等で仕切ることにより形成されている。本実施形態では流路11が、環状をなしており、具体的には、図1に示す上面視で四角形状をなしている。
【0023】
本実施形態においては、図1に示す上面視で、流路11が周回する方向を周方向と呼ぶ。クーラントCは、環状の流路11に沿って周回するように循環して流れており、本実施形態においては、図1に示す上面視で時計回りに循環している。
【0024】
流路11は、互いに間隔をあけて向かい合う一対の側壁11aと、一対の側壁11aの下端部に接続されて上側を向く底壁11bと、を有する。一対の側壁11a及び底壁11bは、流路11の壁面を構成している。
【0025】
また、流路11は、上面視で直線状に延びる直線部12と、周方向に隣り合う直線部12の端部同士を繋ぐコーナ部13と、を有する。直線部12及びコーナ部13は、それぞれ、複数設けられる。直線部12及びコーナ部13は、周方向に交互に並んで配置される。
【0026】
本実施形態では、コーナ部13に位置する一対の側壁11aのうち、外側に位置する外側壁11cが、上面視で凹曲線状をなしている。すなわち、コーナ部13の外側壁11cは、凹曲面状をなしている。
【0027】
水流発生部2は、タンク1に設けられた流路11に、クーラントCの水流Fを生じさせる。具体的に、本実施形態の水流発生部2は、流路11に配置され、クーラントCに浸漬されるスクリューモータである。
【0028】
水流発生部2は、流路11に周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。水流発生部2は、流路11に、例えば3つ以上設けられる。各水流発生部2から生じる水流Fの向きは、例えば、各水流発生部2が配置される流路11の部分(一部)が延びる方向に沿っている。本実施形態では、各水流発生部2から生じる水流Fの向きが、互いに異なっている。各水流発生部2から発生させられる水流Fによって、クーラントCは、流路11の周回形状に沿って周回するように循環する。
【0029】
図2に示すように、水流発生部2は、筒状のケーシング21と、ケーシング21の内部に配置される回転羽根22と、ケーシング21に対して回転羽根22を回転させるモータ機構(図示省略)と、モータ機構に接続される配線部材23と、を有する。
【0030】
乱流発生部3は、流路11に配置され、クーラントCの水流Fに乱流Tを発生させる。乱流発生部3は、流路11の壁面に配置され、水流Fの向きに沿って凹凸する凹凸形状をなす。具体的に、本実施形態の乱流発生部3は、水流Fの向きに沿って凹凸する波形状をなしている。
【0031】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、乱流発生部3が流路11の底壁11bに配置されている。ただしこれに限らず、乱流発生部3は、流路11の側壁11aに配置されていてもよい。乱流発生部3は、底壁11b及び側壁11aの少なくともいずれかに配置される。
【0032】
また本実施形態では、図1に示すように乱流発生部3が、周方向に並んで複数設けられている。各乱流発生部3は、流路11の各直線部12に配置されている。ただしこれに限らず、乱流発生部3は、流路11のコーナ部13に配置されていてもよい。乱流発生部3は、直線部12及びコーナ部13の少なくともいずれかに配置される。より好ましくは、乱流発生部3は、流路11の周方向全域にわたって配置される。
【0033】
図2に示すように、乱流発生部3は、流路11の壁面(本実施形態では底壁11b)から離れる向きに突出する凸部31と、流路11の壁面に近づく向きに窪む凹部32と、を有する。本実施形態では乱流発生部3が、凸部31と凹部32とをそれぞれ複数有している。これらの凸部31と凹部32とは、水流Fの向きに沿って交互に配列している。
【0034】
図3に示すように、凸部31は、水流Fの向きと交差する方向に延びるリブ状である。また、凹部32は、水流Fの向きと交差する方向に延びる溝状である。本実施形態では凸部31及び凹部32が、それぞれ、水流Fと略直交する方向に延びている。
【0035】
図2に示すように、凸部31は、凸部31が延在する方向と垂直な断面の形状が、凸曲線状をなす。すなわち、凸部31は、凸曲面状をなしている。凹部32は、凹部32が延在する方向と垂直な断面の形状が、凹曲線状をなす。すなわち、凹部32は、凹曲面状をなしている。
【0036】
図2に示すように、乱流発生部3の断面視において、隣接する凸部31と凹部32とは、互いに接するように(共通する接線を有するように)段差なく滑らかに接続されている。この断面視において、隣接する凸部31と凹部32との組は、正弦曲線を描くように波形に形成されている。本実施形態においては、この断面視で、凸部31の頂部(最突出部)と凹部32の谷部(最深部)との間の高さ寸法(すなわち、波の振幅寸法)が、例えば、5mm以上30mm以下である。
【0037】
図3に示すように、本実施形態の乱流発生部3は、波形の板状部材(シート部材)である。乱流発生部3は、例えば、樹脂製または金属製等である。乱流発生部3は、流路11の底壁11bに載置されたり、側壁11aに取り付けられたりすることで、流路11の壁面に設けられる。
【0038】
図1に示すように、ろ過装置4は、流路11のクーラントCをろ過する。ろ過装置4は、例えば、サイクロン式ろ過装置である。ろ過装置4は、チューブや配管等により流路11に接続されている。流路11からポンプ14によってろ過装置4に送られたクーラントCは、遠心力の作用等により、スラッジと分離される。分離されたスラッジは、ドレンカップ5に溜められ、例えば一定の期間ごとにオペレーターによって回収される。スラッジと分離され清浄化されたクーラントCは、流路11に戻されるか、または、図示しない別のクリーン槽などに送られる。なお、クーラントCがろ過装置4から流路11に戻される場合、このクーラントCの流れを、水流Fとして流用することができる。
【0039】
ろ過装置4によって清浄化されたクーラントCは、ポンプ6等により工作機械に送られ、切削に再利用される。
【0040】
以上説明した本実施形態のクーラント処理装置10では、水流発生部2が、タンク1の流路11にクーラントCの流れ(水流)Fを発生させる。そして、乱流発生部3が、クーラントCの水流Fに乱流Tを発生させることで、流路11の底壁11bや側壁11aなどの壁面にスラッジが溜まりにくくされている。すなわち、乱流Tにより、流路11の壁面付近にスラッジが溜まることが抑えられ、スラッジの堆積が抑制される。
【0041】
また乱流Tにより、スラッジはクーラントCの水流F中に浮遊しやすくされている。このため、クーラントCとともにスラッジをろ過装置4に送りやすくなり、ろ過装置4におけるスラッジの回収効率が高められる。
【0042】
以上より本実施形態によれば、タンク1にスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントCを効率よくろ過することができる。
【0043】
また本実施形態では、乱流発生部3が、クーラントCの水流Fの向きに沿って凹凸する凹凸形状をなしているので、水流Fの中に安定して乱流Tが発生させられる。また、乱流発生部3は、流路11の底壁11bや側壁11a等の壁面に配置されているので、流路11の壁面付近において乱流Tが生じやすくなる。このため、流路11の壁面付近にスラッジが溜まることがより安定して抑えられる。
【0044】
また本実施形態では、乱流発生部3が、波形の板状部材である。
この場合、タンク1の流路11に対して、乱流発生部3を例えば後付け等で簡単に設置することができる。具体的には、乱流発生部3を例えば流路11の底壁11bに置いたり、流路11の側壁11aに取り付けたりすることにより、設備費用を抑えつつ上述の優れた作用効果を得ることができる。
【0045】
また本実施形態では、水流発生部2が、流路11に配置され、クーラントCに浸漬されるスクリューモータである。
上記構成と異なり、例えばタンク1の外部に設けたポンプ等を用いて、流路11にクーラントCの水流Fを発生させようとすると、ポンプの配管抵抗等によってクーラントCの温度が上昇しやすくなる傾向がある。クーラントCの温度が所定以上に上昇させられた場合、工作機械での精密な切削加工にクーラントCが再利用されたときに、加工精度に影響する可能性がある。
【0046】
本実施形態の上記構成によれば、水流発生部2が、クーラントCに浸漬されるスクリューモータであるので、配管抵抗等によってクーラントCの温度上昇が生じることはない。クーラントCが低い温度で良好に維持されるので、工作機械での精密な切削加工にクーラントCが再利用されても、加工精度に影響するようなことが抑えられる。
またスクリューモータは、ポンプのような配管工事等が不要であり、流路11の任意の場所への設置が容易であって、取り扱い性がよい。
【0047】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。なお、変形例の図示においては、前述の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、下記では主に異なる点について説明する。
【0048】
図4は、前述した実施形態の変形例のクーラント処理装置20を模式的に示す平面図(上面図)である。この変形例では、乱流発生部3が、流路11の一対の側壁11aにそれぞれ配置されている。より詳しくは、波形の板状部材からなる乱流発生部3が、流路11の直線部12及びコーナ部13にわたって、各側壁11aに設けられている。すなわち、乱流発生部3は、環状をなす流路11の全周にわたって設けられている。
【0049】
また、乱流発生部3の凸部31は、この乱流発生部3が配置される側壁11aから離れる向きに突出している。また、乱流発生部3の凹部32は、この乱流発生部3が配置される側壁11aに近づく向きに窪んでいる。
【0050】
またこの変形例では、水流発生部2A,2Bが、流路11に配置され、クーラントCに浸漬される筒体やノズル等である。水流発生部2A,2Bは、流路11にクーラントCの水流Fを生じさせる。水流発生部2A,2Bは、流路11に周方向に互いに間隔をあけて複数設けられており、図示の例では3つ以上設けられる。
【0051】
具体的に、複数の水流発生部2A,2Bのうち、水流発生部2Aは、配管部材等によりポンプ15と接続されている。流路11からポンプ15によって吸引されたクーラントCは、配管部材等を通して水流発生部2Aから流路11に戻され、水流Fを発生させる。なお図示の例では、ポンプ15と、複数の水流発生部2Aとが、分岐された配管部材等によって互いに接続されており、ポンプ15から複数の水流発生部2Aへと、クーラントCがそれぞれ送液されるように構成されている。
【0052】
また、複数の水流発生部2A,2Bのうち、水流発生部2Bは、配管部材等によりろ過装置4と接続されている。ろ過装置4によってろ過され、清浄化されたクーラントCは、配管部材等を通して水流発生部2Bから流路11に戻され、水流Fを発生させる。
以上説明した図4の変形例によっても、前述の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
前述の実施形態及び変形例では、タンク1の流路11が環状をなしており、具体的には、上面視で四角形状をなす例を挙げたが、これに限らない。流路11は、例えば、上面視で四角形状以外の多角形状や円形状、楕円形状等であってもよい。また流路11は、環状でなくてもよい。
【0054】
前述の実施形態及び変形例では、乱流発生部3が、波形の板状部材により構成される例を挙げたが、これに限らない。乱流発生部3は、例えば、流路11の壁面に直接形成された凸部31及び凹部32によって構成されていてもよい。また、乱流発生部3は、波形に限定されない。
【0055】
乱流発生部3の変形例として、下記のような構成を採用してもよい。
すなわち、乱流発生部3は、流路11に配置されて水流Fに乱流Tを発生させることが可能な構成を備えていればよいことから、特に図示しないが、例えば乱流発生部3が、流路11の壁面に水流Fの向きに沿って互いに間隔をあけて配置される複数の棒状部材を有していてもよい。この場合、棒状部材が凸部31に相当し、棒状部材間の隙間が凹部32に相当する。
【0056】
また、ろ過装置4は、サイクロン式ろ過装置に限らない。ろ過装置4は、サイクロン式ろ過装置以外のろ過装置であってもよい。
また、ろ過装置4の下流側に例えばマグネットセパレータ等を設け、さらにスラッジを除去して清浄化されたクーラントCを、流路11に戻してもよい。
【0057】
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態及び変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のクーラント処理装置によれば、タンクにスラッジが堆積することを抑制でき、クーラントを効率よくろ過することができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0059】
1…タンク、2,2A,2B…水流発生部、3…乱流発生部、4…ろ過装置、10,20…クーラント処理装置、11…流路、11a…側壁(壁面)、11b…底壁(壁面)、C…クーラント、F…水流、T…乱流
図1
図2
図3
図4