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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047047
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】貨幣処理機
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/237 20190101AFI20240329BHJP
   G07D 11/25 20190101ALI20240329BHJP
【FI】
G07D11/237
G07D11/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152459
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】今泉 浩
(72)【発明者】
【氏名】坂本 充男
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141DA08
3E141FB15
3E141FC05
3E141FE05
3E141FG11
(57)【要約】
【課題】移送元の貯留部位から繰り出される貨幣の異常による影響を抑制することが可能な貨幣処理機を提供する。
【解決手段】移送元貯留部位である第1貯留部位33から繰り出される貨幣の異常を検出する異常検出部63と、第1貯留部位33から貨幣を繰り出し搬送部81によって移送先貯留部位である第2貯留部位39に移送する移送処理の際に、異常検出部63が貨幣の異常を検出すると、第1貯留部位33の貨幣の繰り出しを停止させるとともに、第2貯留部位39に向けて既に繰り出されていた貨幣を、第2貯留部位39から繰り出させて搬送部81によって第1貯留部位33に戻した後に、繰り出しを停止させていた第1貯留部位33からの貨幣の繰り出しを再開するリトライ処理を実行する制御部85と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第1貯留部位と、
貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第2貯留部位と、
前記第1貯留部位と前記第2貯留部位との間で貨幣を搬送可能な搬送部と、
前記第1貯留部位および前記第2貯留部位のうちの一方の移送元貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する異常検出部と、
前記移送元貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第1貯留部位および前記第2貯留部位のうちの他方の移送先貯留部位に移送する移送処理の際に、前記異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記移送元貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記移送先貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記移送先貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記移送元貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記移送元貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開するリトライ処理を実行する制御部と、
を備えたことを特徴とする貨幣処理機。
【請求項2】
前記移送元貯留部位が、金種別に貨幣を収納する収納部であり、
前記移送先貯留部位が、入金処理時に貨幣を保留する一時保留部、入金処理時に貨幣が投入される入金口部および前記搬送部の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理機。
【請求項3】
前記移送元貯留部位が、入金処理時に貨幣を保留する一時保留部、入金処理時に貨幣が投入される入金口部および前記搬送部の少なくともいずれか一つであり、
前記移送先貯留部位が、金種別に貨幣を収納する収納部であることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理機。
【請求項4】
前記移送処理時に、前記移送元貯留部位から繰り出された貨幣の数量を計数して数量情報として出力する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の貨幣処理機。
【請求項5】
前記リトライ処理を実行する際には、リトライ処理を実行していることを表示する表示部をさらに備えた請求項1ないし3のいずれか一項に記載の貨幣処理機。
【請求項6】
貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第1貯留部位と、
貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第2貯留部位と、
前記第1貯留部位と前記第2貯留部位との間で貨幣を搬送可能な搬送部と、
前記第1貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する第1異常検出部と、
前記第2貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する第2異常検出部と、
前記第1貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第2貯留部位に移送する第1移送処理の際に、前記第1異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記第1貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記第2貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記第2貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記第1貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記第1貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開する第1リトライ処理を実行し、前記第1移送処理を終了した後、前記第2貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第1貯留部位に移送する第2移送処理を行い、前記第2移送処理の際に、前記第2異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記第2貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記第1貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記第1貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記第2貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記第2貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する制御部と、
を有することを特徴とする貨幣処理機。
【請求項7】
前記第1貯留部位は、金種別に貨幣を収納する収納部であり、
前記第2貯留部位は、入金処理時に貨幣を保留する一時保留部、入金処理時に貨幣が投入される入金口部および前記搬送部の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項6記載の貨幣処理機。
【請求項8】
前記第1移送処理時に、前記第1貯留部位から繰り出された貨幣の数量を計数して第1数量情報とし、
前記第2移送処理時に、前記第2貯留部位から繰り出された貨幣の数量を計数して第2数量情報とし、
前記第1数量情報および前記第2数量情報の両方からなる第1出力情報、
または、
前記第1数量情報および前記第2数量情報のいずれか一方と、前記第1数量情報および前記第2数量情報間の差異情報とからなる第2出力情報を、
精査結果として出力可能とする
ことを特徴とする請求項6または7に記載の貨幣処理機。
【請求項9】
前記第1リトライ処理を実行する際および第2リトライ処理を実行する際には、リトライ処理を実行していることを表示する表示部をさらに備えた請求項6または7に記載の貨幣処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣を処理する貨幣処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
貨幣を入金収納可能であって、さらに収納している貨幣を出金可能な貨幣処理機として、例えば、硬貨を一枚ずつに分離しつつ繰り出して搬送し、識別して真の硬貨と識別された硬貨をさらに搬送して、金種別の振分部を介して金種別に選別収納するとともに、収納している金種別の硬貨を出金指示に基づいて繰り出して搬送し、出金口に出金する硬貨処理機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6701054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨幣処理機において、一の貯留部位から他の貯留部位への貨幣の移送処理時に移送元の貯留部位から繰り出される貨幣に異常(例えば繰り出し異常や搬送異常)があると、例えば、各貯留部位での貨幣量の把握が不正確になったり、処理動作が停止される等の影響を受ける可能性がある。
【0005】
本発明は、移送元の貯留部位から繰り出される貨幣の異常による影響を抑制することが可能な貨幣処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第1貯留部位と、貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第2貯留部位と、前記第1貯留部位と前記第2貯留部位との間で貨幣を搬送する搬送部と、前記第1貯留部位および前記第2貯留部位のうちの一方の移送元貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する異常検出部と、前記移送元貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第1貯留部位および前記第2貯留部位のうちの他方の移送先貯留部位に移送する移送処理の際に、前記異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記移送元貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記移送先貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記移送先貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記移送元貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記移送元貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開するリトライ処理を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る第2の態様は、貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第1貯留部位と、貨幣を貯留するとともに、貯留している貨幣を繰り出し可能な第2貯留部位と、前記第1貯留部位と前記第2貯留部位との間で貨幣を搬送する搬送部と、前記第1貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する第1異常検出部と、前記第2貯留部位から繰り出される貨幣の異常を検出する第2異常検出部と、前記第1貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第2貯留部位に移送する第1移送処理の際に、前記第1異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記第1貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記第2貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記第2貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記第1貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記第1貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開する第1リトライ処理を実行し、前記第1移送処理を終了した後、前記第2貯留部位から貨幣を繰り出し前記搬送部によって前記第1貯留部位に移送する第2移送処理を行い、前記第2移送処理の際に、前記第2異常検出部が貨幣の異常を検出すると、前記第2貯留部位からの貨幣の繰り出しを停止させるとともに、前記第1貯留部位に向けて既に繰り出されていた貨幣を、前記第1貯留部位から繰り出させて前記搬送部によって前記第2貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた前記第2貯留部位からの貨幣の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、移送元の貯留部位から繰り出される貨幣の異常による影響を抑制することが可能な貨幣処理機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図である。
図2】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、入金処理の硬貨の流れを太線矢印で示す平面図である。
図3】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、返却処理の硬貨の流れを太線矢印で示す平面図である。
図4】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、収納処理の硬貨の流れを太線矢印で示す平面図である。
図5】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、出金処理の硬貨の流れを太線矢印で示す平面図である。
図6】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、カセット補充処理の硬貨の流れを太線矢印で示す平面図である。
図7】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第1精査処理の第1移送処理および第2リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図8】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第1精査処理の第2移送処理および第1リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図9】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第2精査処理の第1移送処理および第2リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図10】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第2精査処理の第2移送処理および第1リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図11】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第3精査処理の第1移送処理および第2リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図12】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、第3精査処理の第2移送処理および第1リトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図13】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、入金処理のリトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図14】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、カセット回収処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図15】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、カセット回収処理のリトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図16】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、変形例の入金処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図17】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、変形例の返却処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図18】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、変形例の収納処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
図19】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機の概略構成を示す平面図であって、変形例の入金処理のリトライ処理の硬貨の流れを太線矢印で示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る一実施形態の貨幣処理機を図面を参照して以下に説明する。以下の説明における「前」は貨幣処理機の操作者側、「後」は貨幣処理機の操作者とは反対側、「左右」は貨幣処理機の操作者から見て左右である。貨幣処理機は、貨幣を入金収納可能であって、さらに収納している貨幣を出金可能である。貨幣処理機は、具体的には、貨幣のうち硬貨が入金収納可能であって、さらに収納している硬貨を出金する処理を行う硬貨処理機である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の貨幣処理機10は、硬貨入金口部12(入金口部)とカルトン載置部13とを有している。硬貨入金口部12は、貨幣処理機10の前面側の上部に設けられており、カルトン載置部13は、貨幣処理機10の前面側の硬貨入金口部12よりも下側に設けられている。
【0012】
硬貨入金口部12は、入金処理時に硬貨が外部から金種混合状態で一括して投入されるとともに投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す。硬貨入金口部12には、硬貨入金口部12を外部に対し開閉する図示略のシャッタが設けられている。硬貨入金口部12は、シャッタが開かれた状態で硬貨が外部から投入可能となり、シャッタが閉じられた状態では硬貨が外部から投入不可となるとともに内部の硬貨の外部への取り出しも不可となる。
【0013】
硬貨入金口部12は、底部がベルトコンベア14からなっており、このベルトコンベア14上に硬貨を収納する。硬貨入金口部12は、ベルトコンベア14で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部15と、繰出部15によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部16(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。
【0014】
硬貨入金口部12は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ左方に繰り出し可能である。繰出検知部16は、硬貨入金口部12から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部16は、繰出部15による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0015】
カルトン載置部13には、操作者によってカルトン17が外部から挿入されて載置される。カルトン17は、カルトン載置部13に載置された状態で、貨幣処理機10内から放出された硬貨を受け入れる。操作者は、硬貨を受け入れた状態のカルトン17をカルトン載置部13から引き抜いて硬貨を受け取る。
【0016】
貨幣処理機10は、左側部に入金側搬送部18を有している。入金側搬送部18は、前後方向に延在しており、硬貨入金口部12から繰り出された硬貨を後方に向けて搬送する。
【0017】
貨幣処理機10は、入金側搬送部18の位置に、前から順に、識別部20、放出案内部21、カセット案内部22、第1金種(例えば1円硬貨)用の収納案内部23、第2金種(例えば100円硬貨)用の収納案内部24、第3金種(例えば10円硬貨)用の収納案内部25、第4金種(例えば50円硬貨)用の収納案内部26、第5金種(例えば5円硬貨)用の収納案内部27、第6金種(例えば500円硬貨)用の収納案内部28およびスタッカ案内部29を有している。
【0018】
識別部20は、入金側搬送部18で搬送中の硬貨の真偽および金種を識別しつつ計数する。放出案内部21、カセット案内部22、収納案内部23~28およびスタッカ案内部29は、入金側搬送部18で搬送中の硬貨を、識別部20の識別結果に基づいて入金側搬送部18から分流させて搬送する。
【0019】
なお、識別部20によって、硬貨入金口部12の繰出検知部16による硬貨の検知および繰り出し異常の検知を代行することができる。これは、硬貨入金口部12から繰り出された硬貨は、入金側搬送部18で搬送された前段(初期段階)において、識別部20によって検出されることになるので、識別部20が、繰出検知部16と同等の働きを行うことになるためである。例えば、識別部20は、繰出部15による硬貨の繰り出し中であって入金側搬送部18での硬貨の搬送中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰出部15の繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰出部15の繰り出し異常があることを検出することができる。よって、繰出検知部16は必ずしも必要ない。ただし、繰出検知部16を設けた方が、設けない場合よりも早く硬貨入金口部12から繰り出される硬貨の異常を検出できるため好ましい。
【0020】
貨幣処理機10は、硬貨入金口部12の後側に、前から順に、硬貨の一時保留用のプールカセット32(貯留部位,一時保留部)と、第1金種用の収納部33(貯留部位)と、第2金種用の収納部34(貯留部位)と、第3金種用の収納部35(貯留部位)と、第4金種用の収納部36(貯留部位)と、第5金種用の収納部37(貯留部位)と、第6金種用の収納部38(貯留部位)と、硬貨の一時保留用のプールスタッカ39(貯留部位,一時保留部)と、を有している。
【0021】
貨幣処理機10は、カルトン17と、プールカセット32と、これらを除く装置本体11とで構成されている。カルトン17は、装置本体11に対し抜き差し可能であり、プールカセット32は装置本体11に対し着脱可能となっている。硬貨入金口部12、カルトン載置部13、入金側搬送部18、放出案内部21、カセット案内部22、収納案内部23~28、スタッカ案内部29、収納部33~38およびプールスタッカ39は、装置本体11を構成している。よって、貨幣処理機10において、プールカセット32が着脱可能であるのに対して、収納部33~38およびプールスタッカ39は着脱不可である。
【0022】
放出案内部21は、入金側搬送部18から、カルトン載置部13に載置されたカルトン17に硬貨を案内する。放出案内部21は、例えば、識別部20の識別結果から真硬貨と判定できなかった受け入れ不可なリジェクト硬貨を入金側搬送部18からカルトン17に搬送する。
【0023】
カセット案内部22は、入金側搬送部18からプールカセット32に硬貨を案内する。
プールカセット32は、装置本体11に対し着脱可能であり、硬貨を金種混合で繰り出し可能に収納する。プールカセット32は、底部がベルトコンベア42からなっており、このベルトコンベア42上に硬貨を収納する。プールカセット32は、ベルトコンベア42で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部52と、繰出部52によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部62(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。プールカセット32は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部62は、プールカセット32から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部62は、繰出部52による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。プールカセット32は、後述する第2精査処理において硬貨を保留する。
【0024】
第1金種用の収納案内部23は、基本的には第1金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第1金種用の収納部33に案内する。
第1金種用の収納部33は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第1金種の硬貨のみを収納する。収納部33は、底部がベルトコンベア43からなっており、このベルトコンベア43上に硬貨を収納する。収納部33は、ベルトコンベア43で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部53と、繰出部53によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部63(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部33は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部63は、収納部33から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部63は、繰出部53による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0025】
第2金種用の収納案内部24は、基本的には第2金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第2金種用の収納部34に案内する。
第2金種用の収納部34は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第2金種の硬貨のみを収納する。収納部34は、底部がベルトコンベア44からなっており、このベルトコンベア44上に硬貨を収納する。収納部34は、ベルトコンベア44で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部54と、繰出部54によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部64(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部34は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部64は、収納部34から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部64は、繰出部54による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0026】
第3金種用の収納案内部25は、基本的には第3金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第3金種用の収納部35に案内する。
第3金種用の収納部35は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第3金種の硬貨のみを収納する。収納部35は、底部がベルトコンベア45からなっており、このベルトコンベア45上に硬貨を収納する。収納部35は、ベルトコンベア45で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部55と、繰出部55によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部65(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部35は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部65は、収納部35から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部65は、繰出部55による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0027】
第4金種用の収納案内部26は、基本的には第4金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第4金種用の収納部36に案内する。
第4金種用の収納部36は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第4金種の硬貨のみを収納する。収納部36は、底部がベルトコンベア46からなっており、このベルトコンベア46上に硬貨を収納する。収納部36は、ベルトコンベア46で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部56と、繰出部56によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部66(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部36は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部66は、収納部36から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部66は、繰出部56による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0028】
第5金種用の収納案内部27は、基本的には第5金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第5金種用の収納部37に案内する。
第5金種用の収納部37は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第5金種の硬貨のみを収納する。収納部37は、底部がベルトコンベア47からなっており、このベルトコンベア47上に硬貨を収納する。収納部37は、ベルトコンベア47で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部57と、繰出部57によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部67(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部37は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部67は、収納部37から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部67は、繰出部57による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0029】
第6金種用の収納案内部28は、基本的には第6金種の硬貨のみを入金側搬送部18から第6金種用の収納部38に案内する。
第6金種用の収納部38は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、基本的には第6金種の硬貨のみを収納する。収納部38は、底部がベルトコンベア48からなっており、このベルトコンベア48上に硬貨を収納する。収納部38は、ベルトコンベア48で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部58と、繰出部58によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部68(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。収納部38は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部68は、収納部38から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。繰出検知部68は、繰出部58による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0030】
以上により、収納部33~38は、金種別に硬貨を収納する。
【0031】
スタッカ案内部29は、硬貨を入金側搬送部18からプールスタッカ39に案内する。
プールスタッカ39は、装置本体11に着脱不可に組み込まれており、硬貨を金種混合で繰り出し可能に収納する。プールスタッカ39は、底部がベルトコンベア49からなっており、このベルトコンベア49上に硬貨を収納する。プールスタッカ39は、ベルトコンベア49で搬送される硬貨を一枚ずつに分離する逆転ローラを含んで硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出部59と、繰出部59によって繰り出された硬貨を検知して計数する繰出検知部69(異常検出部)と、硬貨の残留を検知する図示略の残留センサと、を有している。プールスタッカ39は、硬貨を纏めて貯留するとともに、貯留している硬貨を一枚ずつ繰り出し可能である。繰出検知部69は、プールスタッカ39から繰り出される硬貨の繰り出し異常を検出する。スタッカ案内部29は、後述する入金処理および第1精査処理において硬貨を保留する。繰出検知部69は、繰出部59による硬貨の繰り出し中において、硬貨の検知間隔が所定の範囲内にあれば繰り出し異常がないことを検出し、硬貨の検知間隔が所定の範囲内になければ繰り出し異常があることを検出する。
【0032】
いずれも硬貨を繰り出し可能に収納するプールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39のうち、プールカセット32のみが装置本体11に対し着脱可能となっている。そして、プールカセット32は、硬貨の収納容量が、収納部33~38およびプールスタッカ39のそれぞれの硬貨の収納容量よりも大きくなっている。
【0033】
貨幣処理機10は、プールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39の右側に繰出搬送部72~79を有している。繰出搬送部72は、プールカセット32から繰出部52によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部73は、収納部33から繰出部53によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部74は、収納部34から繰出部54によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部75は、収納部35から繰出部55によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部76は、収納部36から繰出部56によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部77は、収納部37から繰出部57によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部78は、収納部38から繰出部58によって繰り出された硬貨を搬送する。繰出搬送部79は、プールスタッカ39から繰出部59によって繰り出された硬貨を搬送する。
【0034】
貨幣処理機10は、繰出搬送部72~79の右側に、出金側搬送部80を有している。出金側搬送部80は、前後方向に延在しており、繰出搬送部72~79から繰り出された硬貨を硬貨入金口部12に搬送する。
【0035】
繰出搬送部72~79および出金側搬送部80は、装置本体11を構成している。
【0036】
入金側搬送部18、放出案内部21、カセット案内部22、収納案内部23~28、スタッカ案内部29、繰出搬送部72~79および出金側搬送部80は、貨幣処理機10内で硬貨を搬送する搬送部81を構成している。ここで、出金側搬送部80から図示略のシャッタが閉じられた状態の硬貨入金口部12を介して入金側搬送部18に硬貨を搬送することも可能であり、その場合、硬貨入金口部12は、搬送部81を構成する。
【0037】
搬送部81は、入金側搬送部18、カセット案内部22、収納案内部23~28およびスタッカ案内部29が、硬貨入金口部12と、プールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39との間で硬貨を搬送可能である。搬送部81は、繰出搬送部72~79および出金側搬送部80が、プールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39と、硬貨入金口部12との間で硬貨を搬送可能である。よって、搬送部81は、硬貨入金口部12、プールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39のそれぞれと、硬貨入金口部12、プールカセット32、収納部33~38およびプールスタッカ39のそれぞれと、の間で硬貨を搬送可能である。
【0038】
搬送部81には、硬貨の通過を検知することで搬送される硬貨の異常を検出可能な図示略のセンサ類(異常検出部)が必要な各所に設けられている。具体的に、硬貨入金口部12から、プールカセット32、金種別の収納部33~38およびプールスタッカ39にかけての、入金側搬送部18、カセット案内部22、収納案内部23~28およびスタッカ案内部29には、識別部20を含めて、硬貨入金口部12から繰り出し搬送される硬貨の異常を検出可能な図示略のセンサ類が配置されている。これらセンサ類が、入金側搬送部18、カセット案内部22、収納案内部23~28およびスタッカ案内部29の硬貨の搬送状態の異常の有無を検出できるように構成されている。また、プールカセット32、金種別の収納部33~38およびプールスタッカ39から硬貨入金口部12にかけての、繰出搬送部72~79および出金側搬送部80には、プールカセット32、金種別の収納部33~38およびプールスタッカ39のそれぞれから繰り出し搬送される硬貨の異常を検出可能な図示略のセンサ類が配置されている。これらセンサ類が、繰出搬送部72~79および出金側搬送部80の硬貨の搬送状態の異常の有無を検出できるように構成されている。
【0039】
プールカセット32、金種別の収納部33~38およびプールスタッカ39に設けられた繰出検知部62~69は、それぞれが、繰り出した硬貨を検出することで、繰り出し枚数を計数できるものであり、硬貨の繰り出し間隔を検出することで、繰り出しに異常があるかどうかを検出できるように構成されている。
【0040】
貨幣処理機10は、操作者による操作入力が行われるとともに操作者に対する表示を行う操作表示部84と、貨幣処理機10の各部を制御する制御部85とを有している。なお、少なくとも、操作表示部84にあっては、貨幣処理機10に設けられる必要はなく、貨幣処理機10と別体で通信ケーブル等によって接続される端末(パーソナルコンピュータなど)で操作入力ないしは表示を行える構成であっても良い。
【0041】
次に、貨幣処理機10による主な処理について説明する。
【0042】
{入金処理}
図2において入金処理の硬貨の流れを太線矢印で示している。
操作表示部84で入金処理が選択されると、入金処理を開始する。すると、制御部85は、まず、硬貨入金口部12の図示略のシャッタを開き、この硬貨入金口部12に硬貨が投入されたことを図示略のセンサで検出すると、シャッタを閉じる。なお、入金処理中の硬貨の追加投入を可能とするべく、入金処理中に限りシャッタを開いたままにしておいても良い。そして、図2に太実線矢印で示すように、硬貨入金口部12から硬貨を繰り出させる。その際に、硬貨入金口部12は、硬貨を、ベルトコンベア14が繰出部15側に送り、繰出部15が一枚ずつ分離して入金側搬送部18に繰り出す繰り出し動作を行う。繰出部15が繰り出す際に繰出検知部16が硬貨を検知して計数する。そして、制御部85は、硬貨入金口部12から繰り出された硬貨を入金側搬送部18で搬送させ識別部20で識別および計数させて、その結果を記憶する。制御部85は、識別部20が受け入れ可能と識別した真硬貨を、図2に太実線矢印で示すように入金側搬送部18およびスタッカ案内部29でプールスタッカ39へ搬送させプールスタッカ39に一時貯留させる。制御部85は、その一方で、識別部20が受け入れ不可と識別したリジェクト硬貨を、図2に太破線矢印で示すように、放出案内部21でカルトン17に搬送させる。硬貨入金口部12、入金側搬送部18、放出案内部21およびスタッカ案内部29に硬貨がなくなると、制御部85は、識別部20で受け入れ可能と識別された真硬貨の合計金額および金種別の枚数等を操作表示部84に表示させて、操作表示部84への確定指示操作、返却指示操作を待機する状態となって、入金処理を終了する。
【0043】
{返却処理}
入金処理の終了後、操作表示部84へ返却指示操作が入力されると、制御部85は、返却処理を開始する。すると、制御部85は、図3に太実線矢印で示すように、プールスタッカ39の硬貨を繰出搬送部79に繰り出させる。プールスタッカ39は、その際に、硬貨を、ベルトコンベア49が繰出部59側に送り、繰出部59が一枚ずつ分離して繰出搬送部79に繰り出す繰り出し動作を行う。繰出部59で繰り出す際に繰出検知部69が硬貨を検知して計数する。制御部85は、繰出搬送部79に繰り出された硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、放出案内部21でカルトン17に搬送させる。そして、制御部85は、プールスタッカ39、繰出搬送部79、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18および放出案内部21に硬貨がなくなると、返却処理を終了する。このようにプールスタッカ39内の硬貨をカルトン17に全て搬送する。すると、操作者は、カルトン17をカルトン載置部13から取り出し、カルトン17から硬貨を取り出した後、カルトン17をカルトン載置部13に戻す。
【0044】
{収納処理}
入金処理の終了後、操作表示部84へ確定指示操作が入力されると、制御部85は、収納処理を開始する。すると、制御部85は、図4に太実線矢印で示すように、プールスタッカ39の硬貨を、返却処理と同様にして繰出搬送部79に繰り出させる。制御部85は、繰出搬送部79に繰り出された硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させる。そして、制御部85は、この識別部20の識別結果に基づいて、各金種の硬貨を収納案内部23~28の対応する金種のもので、収納部33~38の対応する金種のものに収納させる。すなわち、第1金種の硬貨を収納案内部23で収納部33に、第2金種の硬貨を収納案内部24で収納部34に、第3金種の硬貨を収納案内部25で収納部35に、第4金種の硬貨を収納案内部26で収納部36に、第5金種の硬貨を収納案内部27で収納部37に、第6金種の硬貨を収納案内部28で収納部38に、それぞれ貯留すなわち収納させる。そして、制御部85は、プールスタッカ39、繰出搬送部79、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部23~28に硬貨がなくなると、収納処理を終了する。
【0045】
{出金処理}
出金処理では、操作表示部84において出金処理が選択されて出金データが入力されると、制御部85は、出金処理を開始する。すると、制御部85は、入力された出金データに基づいて、図5に太実線矢印で示すように、金種別に設けられた収納部33~38の対応する金種のものから、硬貨を、計数しつつ、繰出搬送部73~78の対応する金種のものを介して出金側搬送部80に繰り出させる。
【0046】
収納部33から出金する硬貨がある場合、収納部33において、硬貨を、ベルトコンベア43が繰出部53側に送り、繰出部53が一枚ずつ分離して繰出搬送部73に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部63が硬貨を検知して計数する。
【0047】
収納部34から出金する硬貨がある場合、収納部34において、硬貨を、ベルトコンベア44が繰出部54側に送り、繰出部54が一枚ずつ分離して繰出搬送部74に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部64が硬貨を検知して計数する。
【0048】
収納部35から出金する硬貨がある場合、収納部35において、硬貨を、ベルトコンベア45が繰出部55側に送り、繰出部55が一枚ずつ分離して繰出搬送部75に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部65が硬貨を検知して計数する。
【0049】
収納部36から出金する硬貨がある場合、収納部36において、硬貨を、ベルトコンベア46が繰出部56側に送り、繰出部56が一枚ずつ分離して繰出搬送部76に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部66が硬貨を検知して計数する。
【0050】
収納部37から出金する硬貨がある場合、収納部37において、硬貨を、ベルトコンベア47が繰出部57側に送り、繰出部57が一枚ずつ分離して繰出搬送部77に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部67が硬貨を検知して計数する。
【0051】
収納部38から出金する硬貨がある場合、収納部38において、硬貨を、ベルトコンベア48が繰出部58側に送り、繰出部58が一枚ずつ分離して繰出搬送部78に繰り出す繰り出し動作を行い、その際に繰出検知部68が硬貨を検知して計数する。
【0052】
制御部85は、収納部33~38から繰出搬送部73~78に繰り出された硬貨を、繰出搬送部73~78、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果を記憶する。そして、制御部85は、識別部20で識別および計数後の硬貨を放出案内部21でカルトン17に搬送させる。収納部33~38の対応する金種のものから出金データの全ての硬貨が繰り出された後、繰出搬送部73~78、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18および放出案内部21に硬貨がなくなると、制御部85は、出金処理を終了する。このようにして、収納部33~38の対応する金種のものから硬貨をカルトン17に搬送する。すると、操作者は、カルトン17をカルトン載置部13から取り出し、カルトン17から硬貨を取り出した後、カルトン17をカルトン載置部13に戻す。
【0053】
{カセット補充処理}
カセット補充処理は、貨幣処理機10の外部で予めプールカセット32に収納すなわち貯留された硬貨を、金種別の収納部33~38に補充する処理である。操作表示部84でカセット補充処理が選択されて、硬貨が収納されたプールカセット32が装置本体11にセットされると、制御部85は、カセット補充処理を開始する。すると、制御部85は、図6に太実線矢印で示すように、プールカセット32の硬貨を繰り出させる。その際に、プールカセット32は、硬貨を、ベルトコンベア42が繰出部52側に送り、繰出部52が一枚ずつ分離して繰出搬送部72に繰り出す繰り出し動作を行う。繰出部52が繰り出す際に繰出検知部62が硬貨を検知して計数する。制御部85は、繰出搬送部72に繰り出された硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果を記憶する。そして、制御部85は、識別部20の識別結果に基づいて、各金種の硬貨を収納案内部23~28の対応する金種のもので、収納部33~38の対応する金種のものに収納すなわち貯留させる。そして、プールカセット32、繰出搬送部72、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部23~28に硬貨がなくなると、制御部85は、カセット補充処理を終了する。
【0054】
{自己精査処理}
自己精査処理は、収納部33~38に収納されている硬貨の数量が、制御部85が記憶しているデータ上の数量と一致しているかを確認できるように、金種別の収納部33~38の硬貨を貨幣処理機10内の他の場所、例えば、一時貯留部であるプールスタッカ39あるいはプールカセット32であったり、搬送部81上であったり、あるいは、搬送部81上の硬貨入金口部12などに一旦保留させた後、それらから、空となった金種別の収納部33~38へと搬送する際に、識別部20で識別および計数処理を行う処理である。言い換えれば、自己精査処理は、収納部33~38のうちの精査対象のものから一旦全ての硬貨を繰り出して一時保留先に保留し、その後、一時保留先から識別部20で識別および計数しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる処理である。自己精査処理では、収納部33~38を所定の順番で精査する。ここでは、第1金種用の収納部33、第2金種用の収納部34、第3金種用の収納部35、第4金種用の収納部36、第5金種用の収納部37、第6金種用の収納部38の順番で精査するものとする。なお、収納部33~38のすべてを精査することなく、一または複数の収納部33~38について、精査することであっても良い。
【0055】
ここで、自己精査処理には、硬貨の一時保留先として、空の状態のプールスタッカ39を使用する第1精査処理と、空の状態のプールカセット32を使用する第2精査処理と、図示略のシャッタが閉じられた空の状態の硬貨入金口部12を使用する第3精査処理と、がある。貨幣処理機10では、操作表示部84への選択操作で第1~第3精査処理のいずれか一つが選択されるようになっている。または、プールスタッカ39とプールカセット32のいずれかが空の状態であるかの硬貨収納状態、あるいは収納部33~38の硬貨収納量によって、第1~第3精査処理のいずれか一つが自動的に選択されるようになっている。
【0056】
「第1精査処理」
第1精査処理を開始すると、制御部85は、図7に太実線矢印で示すように、第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)について第1移送処理を行う。この第1移送処理では、制御部85は、収納部33に貯留している硬貨を繰り出させる。その際に、収納部33は、硬貨を、ベルトコンベア43および繰出部53の繰り出し動作で一枚ずつ分離して繰出搬送部73に繰り出し、繰出検知部63が検知および計数する。制御部85は、繰出搬送部73に繰り出された硬貨を、繰出搬送部73、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶する。第1数量情報は、第1移送処理時に、収納部33から繰り出された硬貨の数量の計数結果である。そして、制御部85は、入金側搬送部18の硬貨をスタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる。
【0057】
このような収納部33から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によってプールスタッカ39に貯留させる第1移送処理を行って、収納部33と搬送部81とに硬貨がなくなると、制御部85は、収納部33についての第2移送処理を行う。この第2移送処理では、制御部85は、図8に太実線矢印で示すように、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している硬貨を、ベルトコンベア49および繰出部59の繰り出し動作で一枚ずつ分離して繰出搬送部79に繰り出させ、その際に繰出検知部69で検知および計数させる。制御部85は、繰出搬送部79に繰り出された硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶する。第2数量情報は、第2移送処理時に、プールスタッカ39から繰り出された硬貨の数量の計数結果である。そして、制御部85は、入金側搬送部18の硬貨を、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納すなわち貯留させる。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第1金種となる硬貨であり、収納案内部23で収納部33に収納される。
【0058】
このようなプールスタッカ39から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって収納部33~38に貯留させる第2移送処理を行って、プールスタッカ39と搬送部81とに硬貨がなくなると、制御部85は、第1金種用の収納部33の第1精査処理を終了する。
【0059】
第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の第1精査処理を行う。
【0060】
すなわち、制御部85は、第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部64で検知および計数させながらベルトコンベア44および繰出部54による繰り出し動作で繰出搬送部74に繰り出させ、繰出搬送部74、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0061】
次に、制御部85は、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部69で検知および計数させながらベルトコンベア49および繰出部59による繰り出し動作で繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第2金種となる硬貨であり、収納案内部24で収納部34に収納される。
【0062】
また、制御部85は、第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部65で検知および計数させながらベルトコンベア45および繰出部55による繰り出し動作で繰出搬送部75に繰り出させ、繰出搬送部75、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0063】
次に、制御部85は、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部69で検知および計数させながらベルトコンベア49および繰出部59による繰り出し動作で繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第3金種となる硬貨であり、収納案内部25で収納部35に収納される。
【0064】
また、制御部85は、第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部66で検知および計数させながらベルトコンベア46および繰出部56による繰り出し動作で繰出搬送部76に繰り出させ、繰出搬送部76、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0065】
次に、制御部85は、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部69で検知および計数させながらベルトコンベア49および繰出部59による繰り出し動作で繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第4金種となる硬貨であり、収納案内部26で収納部36に収納される。
【0066】
また、制御部85は、第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部67で検知および計数させながらベルトコンベア47および繰出部57による繰り出し動作で繰出搬送部77に繰り出させ、繰出搬送部77、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0067】
次に、制御部85は、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部69で検知および計数させながらベルトコンベア49および繰出部59による繰り出し動作で繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第5金種となる硬貨であり、収納案内部27で収納部37に収納される。
【0068】
また、制御部85は、第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部68で検知および計数させながらベルトコンベア48および繰出部58による繰り出し動作で繰出搬送部78に繰り出させ、繰出搬送部78、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0069】
次に、制御部85は、プールスタッカ39(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部69で検知および計数させながらベルトコンベア49および繰出部59による繰り出し動作で繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第6金種となる硬貨であり、収納案内部28で収納部38に収納される。
【0070】
そして、制御部85は、以上の第1精査処理における収納部33~38のそれぞれについての第1数量情報と第2数量情報とに基づく出力情報を精査結果として操作表示部84に出力し操作表示部84に表示させて、第1精査処理を終了する。ここで、第1数量情報と第2数量情報とに基づく出力情報は、例えば、第1数量情報および第2数量情報の両方からなる第1出力情報、または、第1数量情報および第2数量情報のいずれか一方と、第1数量情報および第2数量情報間の差異情報とからなる第2出力情報などである。例えば、制御部85は、収納部33~38のそれぞれについての第1精査処理後の収納硬貨の枚数すなわち第2数量情報を精査結果として操作表示部84に表示させる。その際に、制御部85は、収納部33~38のいずれかに第1数量情報および第2数量情報の差異があれば、差異があったものの識別と差異の枚数とを精査結果として操作表示部84に併せて表示させる。
【0071】
(リトライ処理)
ここで、図7に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、収納部33から硬貨を繰り出させる際に、収納部33に設けられた図示略の残留センサの検知結果等から収納部33に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア43および繰出部53に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部63(異常検出部,第1異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、収納部33の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部63が、収納部33から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0072】
すると、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第1リトライ処理(リトライ処理)を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部33からのベルトコンベア43および繰出部53による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、図8に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア49および繰出部59の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部69で検知および計数させながら繰出搬送部79に繰り出させ、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、収納案内部23で収納部33に収納すなわち貯留させる。
【0073】
その後、制御部85は、プールスタッカ39および搬送部81に硬貨がなくなると、第1金種用の収納部33のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第1金種用の収納部33についての第1移送処理を再開する。言い換えれば、第1金種用の収納部33の第1移送処理を最初からやり直す。
【0074】
以上が第1金種用の収納部33についての第1リトライ処理である。よって、制御部85は、第1金種用の収納部33の第1移送処理中に繰出検知部63が硬貨の異常を検出すると、収納部33からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、プールスタッカ39に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨をプールスタッカ39から繰り出させ収納部33に戻した後に、繰り出しを停止させていた収納部33からの硬貨の繰り出しを再開する第1リトライ処理を実行する。
【0075】
ここで、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0076】
また、図8に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、プールスタッカ39に設けられた図示略の残留センサの検知結果等からプールスタッカ39に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア49および繰出部59に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部69(異常検出部,第2異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、プールスタッカ39の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部69が、プールスタッカ39から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0077】
すると、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第2リトライ処理(リトライ処理)を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39からのベルトコンベア49および繰出部59による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部33に貯留させていた全ての硬貨を、図7に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア43および繰出部53の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部63で検知および計数させながら繰出搬送部73に繰り出させ、繰出搬送部73、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、スタッカ案内部29でプールスタッカ39に収納すなわち貯留させる。
【0078】
その後、制御部85は、収納部33および搬送部81に硬貨がなくなると、第1金種用の収納部33のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第1金種用の収納部33についての第2移送処理を再開する。言い換えれば、第1金種用の収納部33の第2移送処理を最初からやり直す。
【0079】
以上が第1金種用の収納部33についての第2リトライ処理である。よって、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第1移送処理を終了した後、プールスタッカ39から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって空の状態の収納部33に移送する第2移送処理を行い、この第2移送処理の際に、繰出検知部69が硬貨の異常を検出すると、プールスタッカ39からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、収納部33に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨を、収納部33から繰り出させて搬送部81によってプールスタッカ39に戻した後に、繰り出しを停止させていたプールスタッカ39からの硬貨の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する。
【0080】
ここで、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0081】
第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の処理を行う。
【0082】
すなわち、上記した第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部64が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、第2金種用の収納部34についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部34の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部24で搬送させて収納部34に収納させる。その後、制御部85は、第2金種用の収納部34のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中である旨の表示を消去して、第2金種用の収納部34についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0083】
また、上記した第2金種用の収納部34(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部69が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部34についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部34に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部74、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびスタッカ案内部29で搬送させてプールスタッカ39に収納させる。その後、制御部85は、第2金種用の収納部34のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第2金種用の収納部34についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0084】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部65が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、第3金種用の収納部35についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部35の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部25で搬送させ、収納部35に収納させる。その後、制御部85は、第3金種用の収納部35のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第3金種用の収納部35についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0085】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部69が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部35についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部35に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部75、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびスタッカ案内部29で搬送させ、プールスタッカ39に収納させる。その後、制御部85は、第3金種用の収納部35のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第3金種用の収納部35についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0086】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部66が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部36の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部26で搬送させ、収納部36に収納させる。その後、制御部85は、第4金種用の収納部36のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第4金種用の収納部36についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0087】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部69が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部36に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部76、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびスタッカ案内部29で搬送させ、プールスタッカ39に収納させる。その後、制御部85は、第4金種用の収納部36のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第4金種用の収納部36についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0088】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部67が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、第5金種用の収納部37についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部37の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部27で搬送させ、収納部37に収納させる。その後、制御部85は、第5金種用の収納部37のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第5金種用の収納部37についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0089】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部69が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部37についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部37に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部77、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびスタッカ案内部29で搬送させ、プールスタッカ39に収納させる。その後、制御部85は、第5金種用の収納部37のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第5金種用の収納部37についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0090】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部68が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部38の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールスタッカ39(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部79、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部28で搬送させ、収納部38に収納させる。その後、制御部85は、第6金種用の収納部38のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第6金種用の収納部38についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0091】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールスタッカ39(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部69が上記と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールスタッカ39の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部38に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部78、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびスタッカ案内部29で搬送させ、プールスタッカ39に収納させる。その後、制御部85は、第6金種用の収納部38のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第6金種用の収納部38についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0092】
収納部34~38のいずれにおいても、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても、硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。また、収納部34~38のいずれにおいても、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0093】
「第2精査処理」
第2精査処理を開始すると、制御部85は、図9に太実線矢印で示すように、第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)について第1移送処理を行う。この第1移送処理では、制御部85は、収納部33に貯留している硬貨を、繰出検知部63で検知および計数させながらベルトコンベア43および繰出部53の繰り出し動作で繰出搬送部73に繰り出させ、繰出搬送部73、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶する。そして、制御部85は、入金側搬送部18の硬貨をカセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる。
【0094】
このような収納部33から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によってプールカセット32に貯留させる第1移送処理を行って、収納部33と搬送部81とに硬貨がなくなると、制御部85は、収納部33についての第2移送処理を行う。この第2移送処理では、制御部85は、図10に太実線矢印で示すように、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している硬貨を、ベルトコンベア42および繰出部52の繰り出し動作で一枚ずつ分離して繰出搬送部72に繰り出させ、その際に繰出検知部62で検知および計数させる。制御部85は、繰出搬送部72に繰り出された硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶する。そして、制御部85は、入金側搬送部18の硬貨を、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納すなわち貯留させる。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第1金種となる硬貨であり、収納案内部23で収納部33に収納される。
【0095】
このようなプールカセット32から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって収納部33~38に貯留させる第2移送処理を行って、プールカセット32と搬送部81とに硬貨がなくなると、第1金種用の収納部33の第2精査処理を終了する。
【0096】
第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の第2精査処理を行う。
【0097】
すなわち、制御部85は、第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部64で検知および計数させながらベルトコンベア44および繰出部54による繰り出し動作で繰出搬送部74に繰り出させ、繰出搬送部74、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、カセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0098】
次に、制御部85は、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部62で検知および計数させながらベルトコンベア42および繰出部52による繰り出し動作で繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第2金種となる硬貨であり、収納案内部24で収納部34に収納される。
【0099】
また、制御部85は、第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部65で検知および計数させながらベルトコンベア45および繰出部55による繰り出し動作で繰出搬送部75に繰り出させ、繰出搬送部75、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、カセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0100】
次に、制御部85は、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部62で検知および計数させながらベルトコンベア42および繰出部52による繰り出し動作で繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第3金種となる硬貨であり、収納案内部25で収納部35に収納される。
【0101】
また、制御部85は、第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部66で検知および計数させながらベルトコンベア46および繰出部56による繰り出し動作で繰出搬送部76に繰り出させ、繰出搬送部76、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、カセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0102】
次に、制御部85は、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部62で検知および計数させながらベルトコンベア42および繰出部52による繰り出し動作で繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第4金種となる硬貨であり、収納案内部26で収納部36に収納される。
【0103】
また、制御部85は、第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部67で検知および計数させながらベルトコンベア47および繰出部57による繰り出し動作で繰出搬送部77に繰り出させ、繰出搬送部77、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、カセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0104】
次に、制御部85は、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部62で検知および計数させながらベルトコンベア42および繰出部52による繰り出し動作で繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第5金種となる硬貨であり、収納案内部27で収納部37に収納される。
【0105】
また、制御部85は、第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部68で検知および計数させながらベルトコンベア48および繰出部58による繰り出し動作で繰出搬送部78に繰り出させ、繰出搬送部78、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第1数量情報を記憶しつつ、カセット案内部22でプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0106】
次に、制御部85は、プールカセット32(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部62で検知および計数させながらベルトコンベア42および繰出部52による繰り出し動作で繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である第2数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第6金種となる硬貨であり、収納案内部28で収納部38に収納される。
【0107】
そして、制御部85は、以上の第2精査処理における収納部33~38のそれぞれについての第1数量情報と第2数量情報とに基づく第1精査処理と同様の出力情報を精査結果として操作表示部84に出力し操作表示部84に表示させて、第2精査処理を終了する。
【0108】
(リトライ処理)
ここで、第2精査処理において、図9に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、収納部33から硬貨を繰り出させる際に、収納部33に設けられた図示略の残留センサの検知結果等から収納部33に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア43および繰出部53に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部63(異常検出部,第1異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、収納部33の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部63が、収納部33から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0109】
すると、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部33からのベルトコンベア43および繰出部53による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、図10に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア42および繰出部52の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部62で検知および計数させながら繰出搬送部72に繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、収納案内部23で収納部33に収納すなわち貯留させる。
【0110】
その後、制御部85は、第1金種用の収納部33のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第1金種用の収納部33についての第1移送処理を再開する。言い換えれば、第1金種用の収納部33の第1移送処理を最初からやり直す。
【0111】
以上が第1金種用の収納部33についての第1リトライ処理である。よって、制御部85は、繰出検知部63が硬貨の異常を検出すると、収納部33からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、プールカセット32に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨をプールカセット32から繰り出させ収納部33に戻した後に、繰り出しを停止させていた収納部33からの硬貨の繰り出しを再開する収納部33の第1リトライ処理を実行する。
【0112】
ここで、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0113】
また、第2精査処理において、図10に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、プールカセット32に設けられた図示略の残留センサの検知結果等からプールカセット32に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア42および繰出部52に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部62(異常検出部,第2異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、プールカセット32の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部62が、プールカセット32から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0114】
すると、制御部85は、収納部33についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32からのベルトコンベア42および繰出部52による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部33に貯留させていた全ての硬貨を、図9に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア43および繰出部53の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部63で検知および計数させながら繰出搬送部73に繰り出させ、繰出搬送部73、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、カセット案内部22でプールカセット32に収納すなわち貯留させる。
【0115】
その後、制御部85は、第1金種用の収納部33のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第1金種用の収納部33についての第2移送処理を再開する。言い換えれば、第1金種用の収納部33の第2移送処理を最初からやり直す。
【0116】
以上が第1金種用の収納部33についての第2リトライ処理である。よって、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第1移送処理を終了した後、プールカセット32から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって空の状態の収納部33に移送する第2移送処理を行い、第2移送処理の際に、繰出検知部62が硬貨の異常を検出すると、プールカセット32からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、収納部33に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨を、収納部33から繰り出させて搬送部81によってプールカセット32に戻した後に、繰り出しを停止させていたプールカセット32からの硬貨の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する。
【0117】
ここで、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0118】
第2精査処理において、第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の処理を行う。
【0119】
すなわち、上記した第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部64が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、第2金種用の収納部34についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部34の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部24で搬送させて収納部34に収納させる。その後、制御部85は、第2金種用の収納部34のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第2金種用の収納部34についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0120】
また、上記した第2金種用の収納部34(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部62が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部34についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部34に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部74、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22で搬送させてプールカセット32に収納させる。その後、制御部85は、第2金種用の収納部34のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第2金種用の収納部34についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0121】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部65が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部35についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部35の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部25で搬送させ、収納部35に収納させる。その後、制御部85は、第3金種用の収納部35のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第3金種用の収納部35についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0122】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部62が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部35についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部35に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部75、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22で搬送させ、プールカセット32に収納させる。その後、制御部85は、第3金種用の収納部35のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第3金種用の収納部35についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0123】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部66が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部36の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部26で搬送させ、収納部36に収納させる。その後、制御部85は、第4金種用の収納部36のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第4金種用の収納部36についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0124】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部62が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部36に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部76、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22で搬送させ、プールカセット32に収納させる。その後、制御部85は、第4金種用の収納部36のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第4金種用の収納部36についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0125】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部67が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部37についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部37の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部27で搬送させ、収納部37に収納させる。その後、制御部85は、第5金種用の収納部37のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第5金種用の収納部37についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0126】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部62が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部37についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部37に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部77、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22で搬送させ、プールカセット32に収納させる。その後、制御部85は、第5金種用の収納部37のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第5金種用の収納部37についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0127】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部68が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部38の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまでプールカセット32(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部28で搬送させ、収納部38に収納させる。その後、制御部85は、第6金種用の収納部38のそれまでの第1移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第6金種用の収納部38についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0128】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、プールカセット32(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部62が上記と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、プールカセット32の繰り出し動作を停止させる。その後、搬送部81に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部38に貯留させていた全ての硬貨を、繰出搬送部78、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22で搬送させ、プールカセット32に収納させる。その後、制御部85は、第6金種用の収納部38のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第6金種用の収納部38についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0129】
第2精査処理において、収納部34~38のいずれにおいても、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても、硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。また、第2精査処理において、収納部34~38のいずれにおいても、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0130】
「第3精査処理」
第3精査処理を開始すると、制御部85は、図11に太実線矢印で示すように、第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)について第1移送処理を行う。この第1移送処理では、制御部85は、収納部33に貯留している硬貨を、繰出検知部63で検知および計数させながらベルトコンベア43および繰出部53による繰り出し動作で繰出搬送部73に繰り出させ、繰出搬送部73および出金側搬送部80で搬送させて、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる。
【0131】
このような収納部33から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって硬貨入金口部12に貯留させる第1移送処理を行って、収納部33と搬送部81とに硬貨がなくなると、制御部85は、収納部33についての第2移送処理を行う。この第2移送処理では、制御部85は、図12に太実線矢印で示すように、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している硬貨を、ベルトコンベア14および繰出部15の繰り出し動作で一枚ずつ分離して入金側搬送部18に繰り出させ、その際に繰出検知部16で検知および計数させる。制御部85は、入金側搬送部18に繰り出された硬貨を、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶する。そして、制御部85は、入金側搬送部18の硬貨を、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納すなわち貯留させる。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第1金種となる硬貨であり、収納案内部23で収納部33に収納される。
【0132】
このような硬貨入金口部12から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって収納部33~38に貯留させる第2移送処理を行って、硬貨入金口部12と搬送部81とに硬貨がなくなると、制御部85は、第1金種用の収納部33の第3精査処理を終了する。
【0133】
第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の第3精査処理を行う。
【0134】
すなわち、制御部85は、第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部64で検知および計数させながらベルトコンベア44および繰出部54による繰り出し動作で繰出搬送部74に繰り出させ、繰出搬送部74および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0135】
次に、制御部85は、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させながらベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第2金種となる硬貨であり、収納案内部24で収納部34に収納される。
【0136】
また、制御部85は、第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部65で検知および計数させながらベルトコンベア45および繰出部55による繰り出し動作で繰出搬送部75に繰り出させ、繰出搬送部75および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0137】
次に、制御部85は、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させながらベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第3金種となる硬貨であり、収納案内部25で収納部35に収納される。
【0138】
また、制御部85は、第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部66で検知および計数させながらベルトコンベア46および繰出部56による繰り出し動作で繰出搬送部76に繰り出させ、繰出搬送部76および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0139】
次に、制御部85は、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させながらベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第4金種となる硬貨であり、収納案内部26で収納部36に収納される。
【0140】
また、制御部85は、第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部67で検知および計数させながらベルトコンベア47および繰出部57による繰り出し動作で繰出搬送部77に繰り出させ、繰出搬送部77および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0141】
次に、制御部85は、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させながらベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第5金種となる硬貨であり、収納案内部27で収納部37に収納される。
【0142】
また、制御部85は、第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)について、全ての硬貨を、収納部33と同様、繰出検知部68で検知および計数させながらベルトコンベア48および繰出部58による繰り出し動作で繰出搬送部78に繰り出させ、繰出搬送部78および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させる第1移送処理を行う。
【0143】
次に、制御部85は、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)に貯留している全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させながらベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させて、その結果である数量情報を記憶しつつ、識別部20の識別結果に基づいて、収納案内部23~28の対応する金種のもので収納部33~38の対応金種のものに収納させる第2移送処理を行う。この場合の硬貨は、基本的には識別結果が第6金種となる硬貨であり、収納案内部28で収納部38に収納される。
【0144】
そして、制御部85は、以上の第3精査処理における収納部33~38のそれぞれについての数量情報に基づく出力情報を精査結果として操作表示部84に出力し操作表示部84に表示させて、第3精査処理を終了する。
【0145】
(リトライ処理)
ここで、図11に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、収納部33から硬貨を繰り出させる際に、収納部33に設けられた図示略の残留センサの検知結果等から収納部33に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア43および繰出部53に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部63(異常検出部,第1異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、収納部33の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部63が、収納部33から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0146】
すると、制御部85は、第1金種用の収納部33についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部33からのベルトコンベア43および繰出部53による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部73および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、図12に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア14および繰出部15の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部16で検知および計数させながら入金側搬送部18に繰り出させ、入金側搬送部18で搬送させ、収納案内部23で収納部33に収納すなわち貯留させる。
【0147】
その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第1金種用の収納部33についての第1移送処理を再開する。言い換えれば、収納部33についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0148】
以上が収納部33についての第1リトライ処理である。よって、制御部85は、繰出検知部63が硬貨の異常を検出すると、収納部33からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、硬貨入金口部12に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨を硬貨入金口部12から繰り出させ収納部33に戻した後に、繰り出しを停止させていた収納部33からの硬貨の繰り出しを再開する第1リトライ処理を実行する。
【0149】
ここで、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0150】
また、第3精査処理において、図12に太実線矢印で硬貨の流れを示す上記した第1金種用の収納部33(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、硬貨入金口部12に設けられた図示略の残留センサの検知結果等から硬貨入金口部12に硬貨が残っていると判断できる状態であって、ベルトコンベア14および繰出部15に繰り出し動作をさせているにもかかわらず、所定時間経過しても繰出検知部16(異常検出部,第2異常検出部)が硬貨を検知しない場合がある。この場合、制御部85は、硬貨入金口部12の硬貨の繰り出し異常であると判定する。言い換えれば、繰出検知部16が、硬貨入金口部12から繰り出される硬貨の異常を検出する。
【0151】
すると、制御部85は、収納部33についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部33の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12からのベルトコンベア14および繰出部15による硬貨の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部23に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部33に貯留させていた全ての硬貨を、図11に太実線矢印で示すように、ベルトコンベア43および繰出部53の繰り出し動作で一枚ずつ分離し繰出検知部63で検知および計数させながら繰出搬送部73に繰り出させ、繰出搬送部73および出金側搬送部80で搬送させて、繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納すなわち貯留させる。
【0152】
その後、制御部85は、第1金種用の収納部33のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第1金種用の収納部33についての第2移送処理を再開する。言い換えれば、収納部33についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0153】
以上が収納部33についての第2リトライ処理である。よって、制御部85は、収納部33についての第1移送処理を終了した後、硬貨入金口部12から全ての硬貨を繰り出し搬送部81によって空の状態の収納部33に移送する第2移送処理を行い、第2移送処理の際に、繰出検知部16が硬貨の異常を検出すると、硬貨入金口部12からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、収納部33に向けて既に繰り出されていた全ての硬貨を、収納部33から繰り出させて搬送部81によって硬貨入金口部12に戻した後に、繰り出しを停止させていた硬貨入金口部12からの硬貨の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する。
【0154】
ここで、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0155】
第3精査処理において、第2~第6金種用の収納部34~38についても同様の処理を行う。
【0156】
すなわち、上記した第2金種用の収納部34(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部64が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部34についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部34の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部74および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させ計数させつつベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で繰り出させ、入金側搬送部18および収納案内部24で搬送させて収納部34に収納させる。その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第2金種用の収納部34についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0157】
また、上記した第2金種用の収納部34(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部16が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部34についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部34の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部24に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部34に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部64で検知させ計数させつつベルトコンベア44および繰出部54による繰り出し動作で繰り出させ、繰出搬送部74および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納させる。その後、制御部85は、第2金種用の収納部34のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第2金種用の収納部34についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0158】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部65が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部35についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部35の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部75および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させ計数させつつベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で繰り出させ、入金側搬送部18および収納案内部25で搬送させて収納部35に収納させる。その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第3金種用の収納部35についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0159】
また、上記した第3金種用の収納部35(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部16が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部35についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部35の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部25に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部35に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部65で検知させ計数させつつベルトコンベア45および繰出部55による繰り出し動作で繰り出させ、繰出搬送部75および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納させる。その後、制御部85は、第3金種用の収納部35のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第3金種用の収納部35についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0160】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部66が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部36の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部76および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させ計数させつつベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で繰り出させ、入金側搬送部18および収納案内部26で搬送させて収納部36に収納させる。その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第4金種用の収納部36についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0161】
また、上記した第4金種用の収納部36(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部16が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部36についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部36の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部26に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部36に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部66で検知させ計数させつつベルトコンベア46および繰出部56による繰り出し動作で繰り出させ、繰出搬送部76および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納させる。その後、制御部85は、第4金種用の収納部36のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第4金種用の収納部36についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0162】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部67が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部37についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部37の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部77および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させ計数させつつベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で繰り出させ、入金側搬送部18および収納案内部27で搬送させて収納部37に収納させる。その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第5金種用の収納部37についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0163】
また、上記した第5金種用の収納部37(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部16が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部37についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部37の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部27に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部37に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部67で検知させ計数させつつベルトコンベア47および繰出部57による繰り出し動作で繰り出させ、繰出搬送部77および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納させる。その後、制御部85は、第5金種用の収納部37のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第5金種用の収納部37についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0164】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送元貯留部位,第1貯留部位)についての第1移送処理中、繰出検知部68が繰出検知部63と同様にして硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第1リトライ処理を実行する。この第1リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第1リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、収納部38の繰り出し動作を停止させる。その後、繰出搬送部78および出金側搬送部80に硬貨がなくなると、制御部85は、この第1移送処理においてそれまで硬貨入金口部12(移送先貯留部位,第2貯留部位)に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部16で検知させ計数させつつベルトコンベア14および繰出部15による繰り出し動作で繰り出させ、入金側搬送部18および収納案内部28で搬送させて収納部38に収納させる。その後、制御部85は、第1リトライ処理中の旨の表示を消去するとともに、第6金種用の収納部38についての第1移送処理を最初からやり直す。
【0165】
また、上記した第6金種用の収納部38(移送先貯留部位,第1貯留部位)についての第2移送処理中、硬貨入金口部12(移送元貯留部位,第2貯留部位)から硬貨を繰り出させる際に、繰出検知部16が上記と同様に硬貨の異常を検出すると、制御部85は、収納部38についての第2リトライ処理を実行する。この第2リトライ処理では、制御部85は、操作表示部84に、収納部38の第2リトライ処理を実行している旨を表示させると共に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させる。その後、入金側搬送部18および収納案内部28に硬貨がなくなると、制御部85は、この第2移送処理においてそれまで収納部38に貯留させていた全ての硬貨を、繰出検知部68で検知させ計数させつつベルトコンベア48および繰出部58による繰り出し動作で繰り出させ、繰出搬送部78および出金側搬送部80で搬送させ、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作停止中の硬貨入金口部12に収納させる。その後、制御部85は、第6金種用の収納部38のそれまでの第2移送処理での識別および計数結果の記憶をリセットし第2リトライ処理中である旨の表示を消去して、第6金種用の収納部38についての第2移送処理を最初からやり直す。
【0166】
第3精査処理において、収納部34~38のいずれにおいても、第1リトライ処理を一回以上の所定回行っても、硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。また、第3精査処理において、収納部34~38のいずれにおいても、第2リトライ処理を一回以上の所定回行っても上記した硬貨の繰り出し異常が解消されない場合、制御部85は、操作表示部84にその旨を報知させて貨幣処理機10をエラー停止させる。
【0167】
以上においては、第1移送処理において、移送元貯留部位(第1貯留部位)が、金種別に硬貨を収納する収納部33~38であり、移送先貯留部位(第2貯留部位)が、入金処理時に硬貨を保留するプールスタッカ39またはプールカセット32または入金処理時に硬貨が投入される硬貨入金口部12である場合を例にとり説明したが、移送先貯留部位(第2貯留部位)を搬送部81の途中位置とすることも可能である。また、プールスタッカ39、プールカセット32、硬貨入金口部12および搬送部81を適宜組み合わせて移送先貯留部位(第2貯留部位)とすることも可能である。すなわち、第1移送処理において、プールスタッカ39、プールカセット32、硬貨入金口部12および搬送部81、のうちの少なくともいずれか一つを移送先貯留部位(第2貯留部位)とすれば良い。
【0168】
また、上記に合わせて、第2移送処理において、移送元貯留部位(第2貯留部位)を搬送部81の途中位置とすることも可能である。また、プールスタッカ39、プールカセット32、硬貨入金口部12および搬送部81を適宜組み合わせて移送元貯留部位(第2貯留部位)とすることも可能である。すなわち、第2移送処理において、プールスタッカ39、プールカセット32、硬貨入金口部12および搬送部81のうちの少なくともいずれか一つを移送元貯留部位(第2貯留部位)とすれば良い。
【0169】
以上に述べた貨幣処理機10は、制御部85が、収納部33~38のうちの移送元の一つから硬貨を繰り出し搬送部81によって、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送先の一つに移送する第1移送処理の際に、繰出検知部63~68の対応する一つが硬貨の異常を検出すると、収納部33~38のうちの移送元の一つからの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送先の一つに向けて既に繰り出されていた硬貨を、この移送先の一つから繰り出させて搬送部81によって収納部33~38のうちの移送元の一つに戻した後に、繰り出しを停止させていたこの移送元の一つからの硬貨の繰り出しを再開する第1リトライ処理を実行する。これにより、収納部33~38のうちの移送元の一つからの硬貨の繰り出しをやり直すことができるため、この移送元の一つから繰り出される硬貨の異常による影響を抑制することが可能となる。すなわち、第1移送処理の際に、硬貨の搬送異常や硬貨の繰り出し異常などがあった際には、硬貨の識別計数結果に信頼性を保てない可能性があるが、貨幣処理機10は、異常発生前の状態に戻してから、再開ができるようにしたため、硬貨の識別計数結果に信頼性が保てる。また、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送先の一つに向けて既に繰り出されていた硬貨を、収納部33~38のうちの移送元の一つに戻すことによって、この移送元の一つで繰り出し異常の原因となっていた硬貨に衝撃を与える等して繰り出し異常の解消を図ることができる。よって、繰り出し異常を解消するために処理を中断する等の影響を抑制することが可能となる。
【0170】
また、貨幣処理機10は、制御部85が、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送元の一つから硬貨を繰り出し搬送部81によって、収納部33~38のうちの移送先の一つに移送する第2移送処理の際に、繰出検知部16,62,69の対応する一つが硬貨の異常を検出すると、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送元の一つからの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、収納部33~38のうちの移送先の一つに向けて既に繰り出されていた硬貨を、この移送先の一つから繰り出させて搬送部81によってプールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送元の一つに戻した後に、繰り出しを停止させていたこの移送元の一つからの硬貨の繰り出しを再開する第2リトライ処理を実行する。これにより、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送元の一つからの硬貨の繰り出しをやり直すことができるため、この移送元の一つから繰り出される硬貨の異常による影響を抑制することが可能となる。すなわち、第2移送処理の際に、硬貨の搬送異常や硬貨の繰り出し異常などがあった際には、硬貨の識別計数結果に信頼性を保てない可能性があるが、貨幣処理機10は、異常発生前の状態に戻してから、再開ができるようにしたため、硬貨の識別計数結果に信頼性が保てる。また、収納部33~38のうちの移送先の一つに向けて既に繰り出されていた硬貨を、プールスタッカ39、プールカセット32および硬貨入金口部12のうちの移送元の一つに戻すことによって、この移送元の一つで繰り出し異常の原因となっていた硬貨に衝撃を与える等して繰り出し異常の解消を図ることができる。よって、繰り出し異常を解消するために処理を中断する等の影響を抑制することが可能となる。
【0171】
また、貨幣処理機10は、第1移送処理の際に、移送元となる第1貯留部位が、金種別に硬貨を収納する収納部33~38であり、第1移送処理の際に、移送先となる第2貯留部位が、入金処理時に硬貨を保留するプールスタッカ39、プールカセット32、入金処理時に硬貨が投入される硬貨入金口部12および搬送部81のうちの少なくともいずれか一つであるため、容易に第1リトライ処理を行うことができる。
【0172】
また、貨幣処理機10は、第2移送処理の際に、移送元となる第2貯留部位が、入金処理時に硬貨を保留するプールスタッカ39、プールカセット32、入金処理時に硬貨が投入される硬貨入金口部12および搬送部81とのうちの少なくともいずれか一つであり、第2移送処理の際に、移送先となる第1貯留部位が、金種別に硬貨を収納する収納部33~38であるため、容易に第2リトライ処理を行うことができる。
【0173】
また、貨幣処理機10は、第1移送処理時に、移送元となる第1貯留部位である収納部33~38から繰り出された硬貨の数量を計数して第1数量情報とし、第2移送処理時に、移送元となる第2貯留部位であるプールスタッカ39、プールカセット32、硬貨入金口部12および搬送部81の少なくともいずれか一つから繰り出された硬貨の数量を計数して第2数量情報とし、これら第1数量情報および第2数量情報の両方からなる第1出力情報、または、これら第1数量情報および第2数量情報のいずれか一方と、これら第1数量情報および第2数量情報間の差異情報とからなる第2出力情報を、精査結果として出力可能である。よって、第1数量情報および第2数量情報に相違があった場合にこれを操作者に知らせることができる。
【0174】
また、貨幣処理機10は、第1リトライ処理を実行する際および第2リトライ処理を実行する際には、リトライ処理を実行していることを表示する操作表示部84をさらに備えているため、リトライ処理を実行していることを操作者に知らせることができ、操作者が詳細不明な状態のまま処理時間が長くなることを防止することができる。
【0175】
なお、自己精査処理以外にも、移送元の貯留部位から全ての硬貨を、空の状態の移送先の貯留部位に移送する際には、繰り出す硬貨に異常があった場合に、リトライ処理を行うことができる。
【0176】
例えば、入金口部12に投入された硬貨をプールスタッカ39に一時貯留させる、図2に太線矢印で硬貨の流れを示す入金処理において、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)から搬送部81でプールスタッカ39(移送先貯留部位)に硬貨を一時貯留させる際に、硬貨入金口部12から繰り出される硬貨に異常があった場合に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させ、それまでに硬貨入金口部12からプールスタッカ39に向けて繰り出された全ての硬貨を、図13に太実線矢印で示すように、プールスタッカ39から繰出搬送部79および出金側搬送部80で、繰り出し停止状態の硬貨入金口部12に戻した後に、硬貨入金口部12からの硬貨の繰り出しを再開するリトライ処理を行うようにしても良い。
【0177】
また、図14に太実線矢印で示すように、収納部33~38のうちの移送元の一つ、例えば収納部33から、繰出搬送部73、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18およびカセット案内部22でプールカセット32に硬貨を収納して回収するカセット回収処理時に、この移送元の収納部33から繰り出される硬貨に異常があった場合に、この移送元の収納部33の繰り出し動作を停止させ、それまでに、この移送元の収納部33から繰り出された全ての硬貨を、プールカセット32から、図15に太実線矢印で示すように、繰出搬送部72、出金側搬送部80、硬貨入金口部12、入金側搬送部18および収納案内部23で移送元の収納部33に戻した後に、この移送元の収納部33からの硬貨の繰り出しを再開するリトライ処理を行うようにしても良い。なお、このカセット回収処理時のリトライ処理に関しては、プールカセット32が空の状態で、収納部33~38のいずれか一つからの回収時に限る。
【0178】
また、変形例として、入金処理において、硬貨入金口部12に投入され識別部20で受け入れ可能と識別された真硬貨を、プールスタッカ39に一時貯留させるのではなく、図16に太実線矢印で示すように、入金側搬送部18およびカセット案内部22でプールカセット32に一時貯留させるようにしても良い。この場合も、識別部20で受け入れ不可と識別された硬貨は、図16に太破線矢印で示すように、入金側搬送部18および放出案内部21でカルトン17に搬送される。
【0179】
このように、変形例の入金処理において、プールカセット32に硬貨を一時貯留させる場合、その後の返却処理では、制御部85は、図17に太実線矢印で示すように、プールカセット32から硬貨を繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、放出案内部21でカルトン17に搬送させる。
【0180】
また、このように、変形例の入金処理において、プールカセット32に硬貨を一時貯留させる場合、その後の収納処理では、制御部85は、図18に太実線矢印で示すように、プールカセット32から硬貨を繰り出させ、繰出搬送部72、出金側搬送部80、図示略のシャッタが閉じられた繰り出し動作中の硬貨入金口部12および入金側搬送部18で搬送させ、識別部20で識別および計数させる。そして、制御部85は、この識別部20の識別結果に基づいて、各金種の硬貨を収納案内部23~28の対応する金種のもので、収納部33~38の対応する金種のものに収納させる。
【0181】
プールカセット32に硬貨を一時貯留させる変形例の入金処理において、硬貨入金口部12(移送元貯留部位)から搬送部81でプールカセット32(移送先貯留部位)に硬貨を一時貯留させる際に、硬貨入金口部12から繰り出される硬貨に異常があった場合に、硬貨入金口部12の繰り出し動作を停止させ、それまでに硬貨入金口部12からプールカセット32に繰り出された全ての硬貨を、図19に太実線矢印で示すようにプールカセット32から搬送部81で硬貨入金口部12に戻した後に、硬貨入金口部12からの硬貨の繰り出しを再開するリトライ処理を行うようにしても良い。
【0182】
貨幣処理機10では、操作表示部84への選択操作で入金処理の硬貨の一時貯留先をプールスタッカ39とプールカセット32とのうちのいずれか一方に選択させるようにしても良い。
【0183】
また、繰り出し異常に限らず、搬送部81での搬送異常の検出時にも、同様のリトライ処理を行うようにする。すなわち、移送元貯留部位から空の状態の移送先貯留部位に硬貨を移送する際に、搬送異常を検出すると、制御部85は、移送元貯留部位からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、移送先貯留部位に向けて既に繰り出されていた硬貨を、移送先貯留部位から繰り出させて搬送部81によって移送元貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた移送元貯留部位からの硬貨の繰り出しを再開する。この場合の搬送異常としては、例えば、搬送部81での硬貨の搬送中、搬送部81に設けられた一のセンサによる硬貨の検知間隔が所定時間よりも長くなると搬送異常としたり、搬送部81での硬貨の搬送中、搬送部81に設けられた一のセンサによる硬貨の検知間隔が所定時間よりも短くなると搬送異常としたりする。
【0184】
なお、以上においては、貨幣として硬貨を取り扱う貨幣処理機10を例にとり説明したが、貨幣として紙幣を取り扱う貨幣処理機にも、本発明を適用することができる。すなわち、紙幣を移送元貯留部位から繰り出し搬送部によって移送先貯留部位に移送する移送処理の際に、異常検出部が紙幣の異常を検出すると、移送元貯留部位からの紙幣の繰り出しを停止させるとともに、移送先貯留部位に向けて既に繰り出されていた紙幣を、移送先貯留部位から繰り出させて搬送部によって移送元貯留部位に戻した後に、繰り出しを停止させていた移送元貯留部位からの紙幣の繰り出しを再開するリトライ処理を実行する。このようにすれば、移送元貯留部位からの紙幣の繰り出しをやり直すことができるため、この移送元貯留部位から繰り出される紙幣の異常による影響を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0185】
10…貨幣処理機、12…硬貨入金口部(入金口部,貯留部位)、20…識別部、32…プールカセット(貯留部位,一時保留部)、33~38…収納部(貯留部位)、39…プールスタッカ(貯留部位,一時保留部)、62~69…繰出検知部(異常検出部)、81…搬送部、84…操作表示部、85…制御部。
図1
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