(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047117
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】層状物品、層状敷材、折り畳み式層状敷材、及び装着物品
(51)【国際特許分類】
A47C 27/15 20060101AFI20240329BHJP
A47C 27/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A47C27/15 A
A47C27/15 B
A47C27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152558
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】518355250
【氏名又は名称】株式会社TENTIAL
(71)【出願人】
【識別番号】515038620
【氏名又は名称】ライズTOKYO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】相川 和也
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 誠司
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB04
3B096AC05
3B096AD01
3B096AD04
(57)【要約】
【課題】高弾性、高い体圧分散性、柔らかで快適な使い心地、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】層状物品1は、複数層のうちの一層として、天然ラテックスからなる天然ラテックス層4を設けるものである。層状物品1は、例えば層状物品本体2と、本体カバー3とを備えて構成される。層状物品1は、例えば敷いて使う敷材である。層状物品1は、取り扱いをし易くするために、折り畳み可能に形成される。層状物品本体2は、天然ラテックス層4と、ファイバー層5と、ウレタン層6とを備えて構成される。天然ラテックス層4は、天然ラテックスを素材として採用することから、高弾性でありながら包み込むような柔らかさを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数層のうちの一層として、天然ラテックスからなる天然ラテックス層を設ける、
層状物品。
【請求項2】
前記天然ラテックス層における所定の第1面の側には、前記天然ラテックス層と素材が異なる層として第1非ラテックス層を設ける、
請求項1に記載の層状物品。
【請求項3】
前記第1非ラテックス層には、通気を確保するための通気確保部を形成する、
請求項2に記載の層状物品。
【請求項4】
前記第1非ラテックス層を、ポリエチレンファイバーにて形成する、
請求項3に記載の層状物品。
【請求項5】
前記第1面に対になる第2面の側には、前記天然ラテックス層及び前記第1非ラテックス層と素材が異なる層として第2非ラテックス層を設ける、
請求項2に記載の層状物品。
【請求項6】
前記第2非ラテックス層を、硬質ウレタンにて形成する、
請求項5に記載の層状物品。
【請求項7】
前記第2非ラテックス層には、前記天然ラテックス層を複数の点又は線で支えるための支持部を形成する、
請求項6に記載の層状物品。
【請求項8】
前記天然ラテックス層を、前記第1非ラテックス層よりも厚く形成し且つ前記第2非ラテックス層よりも薄く形成する、
請求項5に記載の層状物品。
【請求項9】
前記複数層のうち前記天然ラテックス層を最も使用時に人の近くとなるよう配置する、
請求項1に記載の層状物品。
【請求項10】
前記天然ラテックス層には、前記天然ラテックス層を覆うカバーを設ける、
請求項1に記載の層状物品。
【請求項11】
請求項1に記載の層状物品を敷材として使用可能に形成してなる、
層状敷材。
【請求項12】
請求項11に記載の層状敷材を折り畳み可能に形成してなる、
折り畳み式層状敷材。
【請求項13】
人が装着する装着物品であって、
組付先物品と、
前記組付先物品の前記人と接する側に配置される請求項1に記載の層状物品と、
を備える装着物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状物品、層状敷材、折り畳み式層状敷材、及び装着物品に関する。
【背景技術】
【0002】
臥位にある使用者の腰への負担を軽減することを目的とした層状物品であるマットレスとしては、下記特許文献1に記載されたウレタンフォーム製のものが知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の従来の層状物品にあっては、腰への負担を軽減することを目的としているが、高弾性、高い体圧分散性、柔らかで快適な寝心地(使い心地)、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現するものではなかった。
【0005】
本発明は、高弾性、高い体圧分散性、柔らかで快適な使い心地、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様の層状物品は、複数層のうちの一層として、天然ラテックスからなる天然ラテックス層を設けるものとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高弾性、高い体圧分散性、柔らかで快適な使い心地、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る層状物品の一例を示す斜視図である。
【
図3】(a)は
図2の天然ラテックス層を単体で示す図、(b)は
図2のウレタン層を単体で示す図である。
【
図4】(a)は層状物品の使用例を示す図、(b)は(a)の層状物品のポジショニングを示す図である。
【
図5】折り畳み式層状敷材としての使用例を示す図である。
【
図6】(a)乃至(c)は層状物品の変形例を示す図、(d)は層状敷材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<層状物品の一実施形態について>
図1は、本発明の一実施形態に係る層状物品の一例を示す斜視図である。
層状物品1は、複数の層からなる層状物品本体2と、この層状物品本体2の全体を覆う本体カバー3とを備えて構成される。
層状物品1は、層状物品本体2が複数の層からなる物品である。そのため、ここでは「層状物品(層状の物品)」と呼ぶことにする。なお、例えば「積層体」や「積層物品」等と呼んでもよいものとする。
一実施形態において、層状物品1は、本体カバー3を備える構成であるが、層状物品本体2の単独構成であってもよいものとする。
【0010】
層状物品1は、用途に応じて厚みや大きさ(広さ)が適宜設定される。また、層状物品1は、平面視の形状も適宜設定される。
図1では、平面視の形状(層状物品1の外形形状)が長方形になるが、この限りでないものとする。例えば、平面視の形状は、正方形や五角形、六角形、円形、楕円形等、用途に応じて様々な形状に設定されてもよい。なお、これらの形状は、全体的な形状を表現したものであり、厳密な形状ではない。
以下では、平面視で長方形の形状になると共に所定の厚みになり、且つ、用途がマットレスである層状物品1を一例として説明する。
【0011】
<用途がマットレスである層状物品1について>
[層状物品1]
図1において、層状物品1は、所謂シングルサイズの敷材として使用する形状に形成される。前述のシングルサイズとは、例えば層状物品本体2の長手方向の長さ(全長)が195cm、短手方向の長さ(幅)が97cm、厚さが12cmとなるようなサイズであるものとする(数値は一例であるものとする)。
層状物品1は、一般的な身長の大人が横たわることのできるサイズに形成される。層状物品1は、ここでは床に置くマットレスやベッドマットレス(
図4(a)参照)として使用される。層状物品1は、敷いて使う敷材である(層状敷材)。層状物品1は、取り扱いをし易くするために、折り畳み可能に形成される。
【0012】
層状物品1は、マットレス本体としての層状物品本体2と、マットレスカバー(アウターカバー)としての本体カバー3とを備えて構成される。層状物品1は、本体カバー3を備えることから、層状物品本体2が本体カバー3の中にある中材になる。
【0013】
[層状物品本体2]
図1に示す層状物品本体2は、3つの層で構成される。3つの層は一例であり、2つの層や4つ以上の層については、別途説明する。
層状物品本体2は、前述のように、平面視で長方形の形状になると共に所定の厚みを有する。四隅は、ここでは直角でなく、曲線で角を取る形状に形成される。平面視で長方形の形状は、3つの層で全て同じになるように設定される。
【0014】
層状物品本体2は、3分割されており、第1分割部2aと、第2分割部2bと、第3分割部2cとを備えて構成される。3分割とは、層状物品本体2の長手方向の長さ(全長)を3等分するような分割のことである。3分割は、層状物品1を3つ折りするためになされる(折り畳みするためになされる)。
なお、2つ折りするのであれば2分割になり、4つ折りにするのであれば4分割に設定される。折り畳み不要であれば、分割可能に形成されないのは勿論である。
図1の例の層状物品1では後述する厚みの関係で想定していないが、層状物品本体2がロール状に巻けるように形成されてもよい(
図6(d)参照)。
【0015】
ここで
図1及び
図2の紙面上側を「上」、下側を「下」と定義する。
図2は、
図1の層状物品本体2の構成を示す図である。
【0016】
図1及び
図2において、一例としての3つの層の層状物品本体2は、上下方向に3つの層が重なるように配置される。3つの層は、中材上部、中材中部、中材下部からなり、中材中部としての天然ラテックス層4と、この上に配置される中材上部としてのファイバー層5と、天然ラテックス層4の下に配置される中材下部としてのウレタン層6とで構成される。従って、層状物品本体2は、天然ラテックス層4と、ファイバー層5と、ウレタン層6とを備えて構成される。
【0017】
[中材中部としての天然ラテックス層4]
図2及び
図3(a)を参照しながら天然ラテックス層4について説明する。
図3(a)は、
図2の天然ラテックス層4を単体で示す図である。
天然ラテックス層4は、天然ラテックスからなる層として設けられる。ラテックスとは、天然のゴムの木から採取された樹液を加工したものであり、樹液を発泡させること等で形成される。
【0018】
天然ラテックス層4は、天然ラテックスを素材として採用することから、高弾性(高反発より更に反発性が高い)でありながら包み込むような柔らかさのものになる。天然ラテックス層4は、程よい柔らかさと高いクッション性とを有する。天然ラテックス層4は、硬過ぎず柔らか過ぎずの弾力にて体圧を分散することができる。天然ラテックス層4は、素材復元力が非常に強く、へたり難い構造を実現することができる。
天然ラテックス層4は、前述の樹液に抗菌作用があるため、菌の繁殖が抑えられ、より安心して使用することができる。
【0019】
天然ラテックス層4は、ここでは3分割されたものである。そのため、天然ラテックス層4は、第1分割部4aと、第2分割部4bと、第3分割部4cとを備えて構成される。天然ラテックス層4は、平らな第1面4d(上面)と、この第1面4dの反対側に配置されて第1面4dと対になる第2面4e(下面)と、側面となる複数の第3面4fとを有する。天然ラテックス層4は、第1面4dと第2面4eとが平行になるように形成される。
【0020】
以上のような天然ラテックス層4には、この天然ラテックス層4全体を覆うカバー7が設けられる。カバー7は、ラテックスのアレルギー対策として有効なのは勿論のこと、例えばファイバー層5と擦れ防止にも有効である。カバー7は、ここではポリエステルが素材の袋状のものに形成される。
【0021】
[中材上部としてのファイバー層5]
図1及び
図2において、ファイバー層5は、樹脂製のファイバーからなる層として設けられる。具体的には、ポリエチレンファイバーを用いて3次元形状に形成された層として設けられる。ファイバー層5は、天然ラテックス層4と素材が異なる層である。ファイバー層5は、特許請求の範囲に記載された第1非ラテックス層に相当する。
なお、ファイバー層5は、例えば3Dポリエチレンファイバー層や3次元構造高反発ファイバーシートと読み替えてもよいものとする。また、「ファイバー」の部分を「フィラメント」と読み替えてもよいものとする。
【0022】
ファイバー層5は、例えば溶融した樹脂を、連続した極めて長い繊維状のものに形成し、これを3次元的に溶融結合させて弾性体として機能させることができるように形成させた層である。ファイバー層5には、繊維同士の間に生じる空間によって、通気を確保するための通気確保部(図示省略)が形成される。通気確保部は、ここでの一例がマットレスであることから、睡眠時の発汗による湿気を逃がし易いという利点を有する。
【0023】
素材をポリエチレンとするファイバー層5は、他の樹脂を素材とした場合と比べて、所謂ねばりのある弾力性を有する。ファイバー層5は、10万回圧縮耐久試験で約99%の復元が確認されている。
なお、ポリエチレンは一例であって、例えばポリエステルを素材として採用してもよい。
【0024】
ファイバー層5は、天然ラテックス層4の第1面4d(上面)の側に配置される。ファイバー層5は、天然ラテックス層4と同様に3分割されている。ファイバー層5は、層状物品本体2の各層のうち、使用時に最も人の近くに配置される。
【0025】
[中材下部としてのウレタン層6]
図2及び
図3(b)を参照しながらウレタン層6について説明する。
図3(b)は、
図2のウレタン層6を単体で示す図である。
【0026】
ウレタン層6は、ウレタンからなる層として設けられる。具体的には、ポリウレタンフォームからなる層として設けられる。ポリウレタンフォームとしては、ここでは硬質ポリウレタンフォームが採用される(素材として高反発性の硬質ウレタンが採用される)。ウレタン層6は、特許請求の範囲に記載された第2非ラテックス層に相当する。
【0027】
ウレタン層6は、支持部8と、ウレタン層本体9とを有する。ウレタン層6は、支持部8と、ウレタン層本体9とを上下に配置して形成される。支持部8は、天然ラテックス層4の第2面4e(下面)を複数の点(又は線でもよい)で支えることができるように形成される。支持部8は、複数の山部8a及び谷部8bを有する。
図3(b)に示すように、例えば図の手前側となる1列目の谷部8bの奥に2列目の山部8aが見えるように支持部8が形成される(山部8a及び谷部8bの配置は一例であるものとする)。
なお、このようなウレタン層6は、例えば硬質プロファイルウレタン層と読み替えてもよい。
【0028】
ウレタン層6は、天然ラテックス層4及びファイバー層5と同様に3分割されている。
ウレタン層6は、ここでの一例がマットレスであることから、寝姿勢における体圧分散や寝返りを妨げない構造を実現するための一層として機能する。
【0029】
[各層の厚み、その他]
層状物品本体2を構成する各層の厚みT1乃至T3は、ファイバー層5(第1非ラテックス層)<天然ラテックス層4<ウレタン層6(第2非ラテックス層)となるように設定される。層状物品本体2は、ここではファイバー層5の厚みT1が2cm、天然ラテックス層4の厚みT2が4cm、ウレタン層6の厚みT3が6cmとなるように設定される。また、このような厚みで作られる。
なお、厚みT1乃至T3の数値は一例である(各層の厚みT1乃至T3を変化させて所定の寝心地検査を行った結果、前述の数値の厚みT1乃至T3が一例として設定されたものである)。
【0030】
各層同士は、接着されていないものとする。天然ラテックス層4には前述のカバー7が設けられることから、接着しなくともファイバー層5やウレタン層6のズレは生じ難くなっている。
【0031】
[本体カバー3]
図1及び
図4(a)を参照しながら本体カバー3について説明する。
図4(a)は、層状物品1の使用例を示す図である。
【0032】
本体カバー3は、表面部3a(上面部)と、側面部3bと、裏面部3c(下面部)とを有する。本体カバー3は、袋状に形成される。表面部3aは、2枚の生地と、これらの間に詰められる中綿とを有する。側面部3bには、層状物品本体2を出し入れする部分が設けられる。裏面部3cは、1枚の生地からなる。
【0033】
図5は、層状物品1を折り畳み式層状敷材として使用する例を示す図である。即ち、敷材であるマットレス(層状物品1)を折り畳み可能にして使用する例を示す図である。
本体カバー3は、
図5に示すように、層状物品1を3つ折りすることができるように形成される。
【0034】
[マットレスとしての使用例]
図4(a)において、ベッド10の有底枠部10a(ベッドフレーム)に層状物品1を敷き、その上に横たわると、層状物品1は、人体の部位に応じて沈みが生じる。
層状物品1は、層状物品本体2における天然ラテックス層4が高弾性、高い体圧分散性と柔らかで快適な寝心地、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現することができる。また、ファイバー層5を天然ラテックス層4の上に配置することにより、湿気の通り道を作り、清潔を保つことができる。また、ウレタン層6を天然ラテックス層4の下に配置することにより、腰の沈み込みを抑えて、寝返りを打ちやすい構造を実現することができる。
【0035】
層状物品1は、(1)高反発より更に反発性が高い高弾性、(2)寝姿勢の接地面での柔らかさ、(3)理想の寝姿勢をキープできる正反発性、(4)湿気を逃がす通気性、(5)3つ折りできて持ち運びし易く多用途(床直、ベットマットレス)、の5つの機能を少なくとも実現することができる。
【0036】
従って、層状物品1は、身体への負担が低く(体圧分散、寝心地を妨げない)、且つ、寝心地の良さ(素材の柔らかさ)の両方を可能とすることができ、以て睡眠に適したマットレスを実現することができる。
【0037】
[ポジショニング]
図4(b)は、
図4(a)の層状物品1のポジショニングを示す図である。
ポジショニングマップにおいて、縦軸を「反発」として「高反発」から「低反発」をとり、横軸を「寝心地」として「硬い寝心地」から「ソフトな寝心地」をとるとすると、マットレスとして使用の層状物品1は、身体に負担をかけない構造(高反発性)と、寝心地の良さ(柔らかさ)を両立させた製品(物品)であることから、「高反発」且つ「ソフトな寝心地」のポジションPをとることができる。
【0038】
[取り扱い]
図5に示すように、層状物品1は、3つ折りできることから持ち運びし易い。即ち、取り扱いが容易な層状物品1(マットレス)である。
層状物品本体2における第1分割部2aは、本体カバー3の第1袋部3dに収納され、第2分割部2bは第2袋部3eに収納され、第3分割部2cは第2袋部3fに収納される。
第1袋部3d、第2袋部3e、及び第2袋部3fは、本体カバー3の表面部3a又は裏面部3cで連続するよう形成される。そのため、バラバラにならずに3つ折りにすることができる。
【0039】
以上、
図1乃至
図5を参照しながら説明してきたように、例えばマットレスとして使用する層状物品1は、高弾性、高い体圧分散性、柔らかで快適な寝心地、へたり難い構造、天然の抗菌作用を実現することができる。
【0040】
<変形例について>
図6(a)乃至(c)は、
図1の層状物品1の変形例を示す図である。また、
図6(d)は、層状敷材(
図1の層状物品1)の変形例を示す図である。
なお、変形例は層状物品に適用するのみならず、層状物品を敷材として使用可能に形成してなる層状敷材、この層状敷材を折り畳み可能に形成してなる折り畳み式層状敷材、及び、人が装着する装着物品に用いられる層状物品、のうち何れかに適用してもよいものとする。
以下の説明では、
図1の層状物品1における本体カバー3が存在しない状態のもの(層状物品本体2に相当)を層状物品20、30、40と呼ぶことにする。
【0041】
[5層の例]
図6(a)において、層状物品20は、5つの層で構成される。即ち、層状物品20は、上から順に、ファイバー層5、1つ目の天然ラテックス層4、非ラテックス層11、2つ目の天然ラテックス層4、ウレタン層6、が配置される5つの層で構成される。
層状物品20は、天然ラテックス層4を2つ(2層)有する。そのため、層状物品20は、前述の層状物品1の効果と同様の効果を奏する。
前述の非ラテックス層11は、例えばウレタン等からなる層である。即ち、天然ラテックスでない素材からなる層である。
なお、各層の厚みは用途に応じて適宜設定されるものとする。非ラテックス層11を除いて4つの層であってもよい。
【0042】
図6(b)において、層状物品30は、2つの層で構成される。即ち、層状物品20は、上から順に、ファイバー層5、天然ラテックス層4、が配置される2つの層で構成される。
層状物品30は、天然ラテックス層4を1つ(1層)有する。そのため、層状物品30は、前述の層状物品1の効果と同様の効果を奏するのは勿論である。
なお、各層の厚みは用途に応じて適宜設定されるものとする。
【0043】
図6(c)において、層状物品40は、3つの層で構成される。即ち、層状物品40は、上から順に、天然ラテックス層4、1つ目の非ラテックス層12、2つ目の非ラテックス層13、が配置される3つの層で構成される。
層状物品40は、天然ラテックス層4を1つ(1層)有する。そのため、層状物品40は、前述の層状物品1の特に天然ラテックス層4の効果を奏するのは勿論である。
【0044】
特に図示しないが、層状物品40を覆う本体カバーに十分な通気性を持たせれば、前述の層状物品1の効果と同様の効果を奏するのは勿論である。そのため、天然ラテックス層4を最も使用時に人の近くとなるよう配置してもよい。
前述の1つ目及び2つ目の非ラテックス層12、13は、例えば硬さの異なる2種類のウレタン等からなる層である。即ち、天然ラテックスでない素材からなる層である。
なお、各層の厚みは用途に応じて適宜設定されるものとする。
【0045】
図6(d)の層状物品50は、取り扱いが
図1の層状物品1と異なるものである。即ち、層状物品50は、ロール状に巻けるように形成される。ロール状に巻ける層状物品50も前述の折り畳み式のものと同様、持ち運びし易いのは勿論である。
なお、ロール状に巻かれた状態を保持するために、例えばバンド部材や面ファスナーを設けてもよい。
【0046】
<まとめ>
以上、
図1乃至
図6を参照しながら本発明の一実施形態の層状物品1等について説明したが、本発明は前述した本一実施形態に限定されないものとする。また、本一実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本一実施形態に記載されたものに限定されないものとする。
【0047】
本一実施形態では、シングルサイズのマットレスとして使用する例を説明したが、シングルサイズに限らずセミダブルサイズやダブルサイズであってもよいものとする。
また、本一実施形態では、天然ラテックス層4の形状に特段の加工を施していないが、この限りでないものとする。即ち、天然ラテックス層4に複数のスリットや貫通穴等を形成してもよいものとする。
【0048】
また、本一実施形態では、使用例としてマットレスを挙げたが、この限りでないものとする。即ち、敷布団、ヨガマット、フローリングマット、カーペット、機械体操のマット、トランポリン、ソファ、レジャーシート、シートクッション、座布団、枕、マイクロビーズを有するクッション、介護用のサポートクッション、インソール、ヘルメットのクッション材、車のエアバッグ、ネックピロー、パソコン(PC)用のマウスパット・アームレスト、座椅子・オフィスチェア・椅子の座る部分・背もたれ、乗り物のシート、瞑想クッション、寝袋、キャンプマット、競技場のクッション付きフェンス、競技場のクッション付き支柱、等で使用、適用してもよいものとする。
【0049】
また、本一実施形態では、使用例としてマットレスを挙げたが、例えばコイルマットレスの上に敷くものであってもよいものとする。
【0050】
また、本一実施形態では、各層同士が接着されていないものとしたが、例えば一部分のみが接着されてもよいものとする。
【0051】
本発明が適用される層状物品は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、(1)本発明が適用される層状物品(例えば、
図1の層状物品1)は、
複数層のうちの一層として、天然ラテックスからなる天然ラテックス層(例えば、
図1の天然ラテックス層4)を設ける、ものである。
本発明によれば、高弾性でありながら包み込むような柔らかさの素材である天然ラテックスを採用してこれを天然ラテックス層とすることから、この天然ラテックス層により高反発性と柔らかさの両方を実現することができる。
【0052】
また、(2)本発明が適用される層状物品は、(1)の層状物品において、
前記天然ラテックス層における所定の第1面(例えば、
図3の第1面4d)の側には、前記天然ラテックス層と素材が異なる層として第1非ラテックス層(例えば、
図1のファイバー層5)を設ける、ものである。
本発明によれば、天然ラテックス層と素材が異なる第1非ラテックス層との相乗効果を得ることができる。
【0053】
また、(3)本発明が適用される層状物品は、(2)の層状物品において、
前記第1非ラテックス層には、通気を確保するための通気確保部(例えば、
図2のファイバー層5における繊維同士の間に生じる空間(図示省略))を形成する、ものである。
本発明によれば、通気を確保することができる。換言すれば、湿気を逃がし易くすることができる。
【0054】
また、(4)本発明が適用される層状物品は、(3)の層状物品において、
前記第1非ラテックス層を、ポリエチレンファイバーにて形成する、ものである。
本発明によれば、他の樹脂を素材とした場合と比べて、所謂ねばりのある弾力性を確保することができる。
【0055】
また、(5)本発明が適用される層状物品は、(2)の層状物品において、
前記第1面に対になる第2面(例えば、
図3の第2面4e)の側には、前記天然ラテックス層及び前記第1非ラテックス層と素材が異なる層として第2非ラテックス層(例えば、
図1のウレタン層6)を設ける、ものである。
本発明によれば、天然ラテックス層及び第1非ラテックス層と素材が異なる第2非ラテックス層との相乗効果を得ることができる。
【0056】
また、(6)本発明が適用される層状物品は、(5)の層状物品において、
前記第2非ラテックス層を、硬質ウレタンにて形成する、ものである。
本発明によれば、高反発性を有する硬質ウレタンにて第2非ラテックス層を形成することから、天然ラテックス層の機能の一部を代替して、天然ラテックス層の使用量調整を可能にすることができる。
【0057】
また、(7)本発明が適用される層状物品は、(6)の層状物品において、
前記第2非ラテックス層には、前記天然ラテックス層を複数の点又は線で支えるための支持部(例えば、
図4の支持部8)を形成する、ものである。
本発明によれば、支持部を形成することにより、圧力の分散に寄与することができる。
【0058】
また、(8)本発明が適用される層状物品は、(5)の層状物品において、
前記天然ラテックス層を、前記第1非ラテックス層よりも厚く形成し且つ前記第2非ラテックス層よりも薄く形成する、ものである。
本発明によれば、各層の厚みの関係について、より良い一形態を提供することができる。
【0059】
また、(9)本発明が適用される層状物品は、(1)の層状物品において、
前記複数層のうち前記天然ラテックス層を最も使用時に人の近くとなるよう配置する、ものである。
本発明によれば、バリエーションとしての一形態を提供することができる。
【0060】
また、(10)本発明が適用される層状物品は、(1)の層状物品において、
前記天然ラテックス層には、前記天然ラテックス層を覆うカバー(例えば、
図3のカバー7)を設ける、ものである。
本発明によれば、天然ラテックス層全体を覆うことができ、他の層との擦れを防止することができる。また、ラテックスのアレルギー対策とすることもできる。
【0061】
また、(11)本発明が適用される層状敷材(例えば、
図1の層状物品1)は、
前述の(1)の層状物品を敷材として使用可能に形成してなる、ものである。
本発明によれば、層状物品を敷材として使用することができる。本発明によれば、多用途を実現するものとして提供することができる。
【0062】
また、(12)本発明が適用される折り畳み式層状敷材(例えば、
図1の層状物品1)は、
前述の(11)の層状敷材を折り畳み可能に形成してなる、ものである。
本発明によれば、取り扱いを容易にすることができる。
【0063】
また、(13)本発明が適用される装着物品(例えば、図示しないヘルメット)は、
人が装着する装着物品であって、
組付先物品(例えば、図示しないヘルメット本体)と、
前記組付先物品の前記人と接する側に配置される前述の(1)の層状物品と、
を備えるものである。
本発明によれば、人が装着する装着物品として提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・層状物品(層状敷材、折り畳み式層状敷材)
2・・・層状物品本体
2a・・・第1分割部
2b・・・第2分割部
2c・・・第3分割部
3・・・本体カバー
3a・・・表面部
3b・・・側面部
3c・・・裏面部
3d・・・第1袋部
3e・・・第2袋部
3f・・・第2袋部
4・・・天然ラテックス層
4a・・・第1分割部
4b・・・第2分割部
4c・・・第3分割部
4d・・・第1面
4e・・・第2面
4f・・・第3面
5・・・ファイバー層
6・・・ウレタン層
7・・・カバー
8・・・支持部
8a・・・山部
8b・・・谷部
9・・・ウレタン層本体
10・・・ベッド
10a・・・有底枠部
11、12、13・・・非ラテックス層
20、30、40、50・・・層状物品