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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047118
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】遊技情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A63F5/04 683
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152559
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岡田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芳充
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182EB01
(57)【要約】
【課題】複数の遊技情報表示装置が設けられ、その内の1つの遊技情報表示装置にて稼動の低下を抑制する処理を行った場合に生ずる違和感を低減可能とする。
【解決手段】遊技中においては現時点の得点数を明確に表示する一方、その得点数が端数となった状態で遊技の終了条件が成立した場合には、得点数の表示を第1遊技情報表示装置にて抑制するとともに、第2遊技情報表示装置へ得点数の表示を抑制するための特別得点情報を送信する。これにより、第1遊技情報表示装置では表示抑制処理を行う一方、第2遊技情報表示装置では表示抑制処理が行われないといった違和感が生ずる虞を低減できる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して第1遊技情報表示装置と第2遊技情報表示装置とが設けられ、その双方の遊技情報表示装置にて遊技者が所有する得点数を表示可能な遊技情報表示システムであって、
前記第1遊技情報表示装置に対して送信される前記遊技者が所有する得点数を示す得点情報を受信する受信手段と、
前記得点数が所定の基準値に達しているか否かを判定する得点判定手段と、
遊技の終了条件が成立したかを判定する遊技終了判定手段と、
前記受信手段により受信された得点数を前記第1遊技情報表示装置において表示する表示手段と、
前記得点判定手段により前記得点数が所定の基準値に達していないと判定され、且つ前記遊技終了判定手段により遊技の終了条件が成立したと判定された場合に、前記表示手段による得点数の表示抑制処理を行う表示抑制手段と、
前記表示抑制処理が行われる場合に当該得点数の表示を抑制するための特別得点情報を前記第2遊技情報表示装置に対して送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示システム。
【請求項2】
前記第2遊技情報表示装置は、前記基準値とは異なる第2基準値に得点数が達していないと判定された場合に前記得点数の表示を抑制し、
前記特別得点情報は、前記第2基準値に達しない得点数に補正した得点数を示すことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示システム。
【請求項3】
前記表示抑制処理を行った場合に遊技場従業員に対して得点数に対する処理を促すための表示を行う点検表示処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示システム。
【請求項4】
前記点検表示処理は、遊技場の閉店時刻を基準として所定期間遡った期間、或いは所定時刻以降であることを条件として実行される請求項3に記載の遊技情報表示システム。
【請求項5】
前記表示抑制処理は、得点数を消去することで表示抑制する処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、遊技機に付設された遊技情報表示装置において遊技者が所有する得点数を表示することが提案されている。これにより、遊技者に対して現時点の得点数を明確に認識させることができるという効果が見込める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-92537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技者の中には得点数が残り少なくなった場合に、当該得点を放置して遊技を終了する遊技者も少なくない。この場合、先の遊技者の得点数が残存するので次の遊技者が遊技を躊躇し、稼動の低下を招いてしまうという問題があり、本出願人は先願(特願2022-132498号)にて得点数が基準値に達していないと判定され、且つ遊技の終了が判定された場合に得点数の表示を消去することを提案している。
【0005】
さて、遊技場では1台の遊技機に対応して複数の遊技情報表示装置が設けられることも少なくない。
そして、全ての遊技情報表示装置に上記構成を設けることは、開発コスト、或いは全ての遊技情報表示装置が必ずしも同一のメーカ製とは限らないこと等を考慮すると対応が難しく、例えばその内の一方では上記処理を行うものの、他方では行わないことで違和感が生ずる虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の遊技情報表示装置が設けられ、その内の1つの遊技情報表示装置にて稼動の低下を抑制する処理を行った場合に生ずる違和感を低減可能な遊技情報表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、遊技機(例えばメダルレス式のスロットマシン)に対応して第1遊技情報表示装置(例えば呼出ランプ3)と第2遊技情報表示装置(例えばトップランプ5)とが設けられ、その双方の遊技情報表示装置にて遊技者が所有する得点数を表示可能な遊技情報表示システムであって、
前記第1遊技情報表示装置に対して送信される前記遊技者が所有する得点数を示す得点情報を受信する受信手段(例えば呼出ランプ3におけるI/F部40e及び制御部40)と、
前記得点数が所定の基準値に達しているか否かを判定する得点判定手段(例えば制御部40)と、
遊技の終了条件が成立したかを判定する遊技終了判定手段(例えば制御部40)と、
前記受信手段により受信された得点数を前記第1遊技情報表示装置において表示する表示手段(例えば液晶表示部41)と、
前記得点判定手段により前記得点数が所定の基準値に達していない(例えば図8のS2にてNo)と判定され、且つ前記遊技終了判定手段により遊技の終了条件が成立した(例えば同図のS5にてYes)と判定された場合に、前記表示手段による得点数の表示抑制処理を行う表示抑制手段(例えば図6の表示領域41dにおける得点数を、その表示欄ごと消去する制御部40)と、
前記表示抑制処理が行われる場合に当該得点数の表示を抑制するための特別得点情報(例えば当該得点数を0点に補正した値)を前記第2遊技情報表示装置に対して送信する送信手段(例えばI/F部40e及び制御部40)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、遊技中においては現時点の得点数を明確に表示する一方、その得点数が端数となった状態で遊技の終了条件が成立した場合には、得点数の表示を第1遊技情報表示装置にて抑制するとともに、第2遊技情報表示装置へ得点数の表示を抑制するための特別得点情報を送信する。これにより、第1遊技情報表示装置は表示抑制処理を行う一方、第2遊技情報表示装置では表示抑制処理が行われないといった違和感が生ずる虞を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態における遊技情報表示システムの構成を示す概略図
図2】遊技機及びカードユニットの正面図
図3】遊技機及びカードユニットの電気的構成を示す機能ブロック図
図4】呼出ランプ及びトップランプの正面図
図5】呼出ランプ及びトップランプの電気的構成を示す機能ブロック図
図6】呼出ランプにおける表示例を示す図
図7】トップランプにおける表示例を示す図
図8】呼出ランプでの得点数の表示/抑制処理の流れを示すフローチャート
図9】トップランプでの得点数に関する表示/抑制処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技情報表示システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1各々と1対1で対応して、得点処理装置2及び遊技情報表示装置3,5が設けられている。
同図に示すように、得点処理装置2は遊技機1の右側方に配置されており、遊技情報表示装置3,5は、遊技機1の上方に配置された呼出ランプ3(第1遊技情報表示装置)と各台トップランプ5(第2遊技情報表示装置)とで構成されている。各台トップランプ5は、呼出ランプ3のさらに上方に配置されるものとし、「トップランプ5」とも称する。呼出ランプ3とトップランプ5とは、相互に通信可能に接続されている(図1図4参照)。
【0011】
また、図1に示すように、遊技機1、得点処理装置2及び呼出ランプ3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LANを介して管理装置6と接続されている。このように、中継装置4と遊技機1との設置数の比は1対2とされ、中継装置4は、各遊技機1、得点処理装置2、呼出ランプ3、トップランプ5、及び管理装置6間の通信を仲介する。
【0012】
図1に示す管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード6a、モニタ6b、図示しないプリンタ等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置される全ての機器(遊技機1、得点処理装置2、呼出ランプ3、トップランプ5など)の稼動状況を管理する。例えば、遊技機1における遊技情報は、当該遊技機1側から得点処理装置2、中継装置4を順次経由して管理装置6にて受信され、遊技機1毎に当該遊技情報が管理される。管理装置6は、各機器が適切な動作を行うための各種設定を行い、その設定情報を各機器へ送信する。また、管理装置6は、得点処理装置2で発行された会員カードや一般カードといった記録媒体(図3に示すICカード7)の記録情報を記録・管理する。
【0013】
遊技場には、図示しない景品交換端末(以下、POS)や精算機も設置されており、前記LANを介して管理装置6と接続されている。POSは、ICカード7により特定される遊技価値(後述の得点数等)に基づいて景品交換処理を実行する。POSは、景品交換処理を行う場合、遊技者が獲得した得点数等をICカード7から読取ったり、景品交換を希望する会員を特定することで当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯得点数等)を管理装置6からオンラインで取得することで景品交換可能な遊技価値を特定したりする。
なお、本実施形態の遊技機1で用いられる遊技価値は、機内の記憶部に記憶される得点数であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、実際の玉やメダルは払出されず、遊技に応じて記憶部の得点数が増減される。係る遊技機1(機内の記憶部)側が記憶している得点数を「遊技点数」、得点処理装置2側が記憶している得点数を「持点数」、会員の預け入れた得点数を「貯得点数」とも称する。持点数は払出式のものにおける持玉や持メダルに相応し、貯得点数は貯玉や貯メダルに相応する。
【0014】
また、図示は省略するが、前記精算機は、ICカード7がカード挿入口に挿入されると、挿入されたICカード7を受付け当該ICカード7に記録されている入金残高(貨幣価値、以下「残金額」と称す)をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った残金額に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。また、精算機には、紙幣が投入される紙幣投入口が設けられており、ICカード7に記録されている残金額に投入金額を加算可能となっている。
【0015】
ICカード7としての、会員カードと一般カードは、何れも図示しないICチップが内蔵され、遊技価値と貨幣価値とのうち少なくとも一方である有価価値を特定可能な記録媒体である。このうち、一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。以下では説明の便宜上、「ICカード7」というとき一般カードを指すものとし、「一般カード7」或いは単に「カード7」とも称する。
【0016】
続いて、遊技機1及び得点処理装置2について説明する。
本実施形態の遊技機1は、実際のメダルを使用せずに遊技を可能とするメダルレス式のスロットマシンを例とする。また、遊技機1は、遊技者が所有する残金額や、持点数、貯得点数を換算した遊技点数を記憶・管理しており、その遊技点数(得点数)として少なくとも1回のゲームを実行するために必要な規定数(例えば3点)が存することを条件にゲームを開始することができ、入賞した役の種類に応じて遊技者が得点数を獲得すると、メダルを払出すことなくデータ上の遊技点数として加算するといったように、その増減につき主となって管理する。なお、上記のように、遊技者が遊技により獲得した遊技価値であって、遊技機1側で主として管理される得点数を遊技点数、得点処理装置2側で主として管理される得点数を持点数とも表記する。
【0017】
図2に示すように、遊技機1本体は、従来の払出式のものにおけるメダル投入口やメダル受皿等が省略されたスロットマシン本体1aで構成されている。
スロットマシン本体1aには、その正面の表示窓9を介して視認可能なリール10と、有効化された入賞ラインを示す有効ライン表示部11とが設けられると共に、表示窓9の右側には、付与する遊技点数を表示する得点表示部12が設けられている。スロットマシン本体1aの中段部分1bは、奥まって位置する表示窓9に対して前側に張出す段付き状の操作面とされ、その上面側に位置させてBETボタン13と、タッチパネル式の情報表示部14とが設けられ、前面側に位置させてスタートレバー15と、左ストップボタン16と、中ストップボタン17と、右ストップボタン18と、が左右に並ぶようにして配設されている。また、スロットマシン本体1aの上部には、演出表示部19と、スピーカ20と、装飾ランプ部21が設けられている。
【0018】
図3に示す機能ブロック図のうち、遊技機1側の制御部22は、CPU22a、ROM22bやRAM22cといった記憶部、I/O22d等を有するマイクロコンピュータにより構成されている。
同図に示すように、制御部22は、スタートレバー15、左ストップボタン16、中ストップボタン17、右ストップボタン18、BETボタン13、情報表示部14上のタッチパネル14aのそれぞれから各種信号を入力すると共に、各リール10a~10c(図2のリール10を構成する3つのリール10a~10c)に設けられた基準位置片の通過を検知するセンサ24a~24cからの検知信号により各リール10a~10cの基準位置を検知する基準位置検知部25から検知信号を入力する。
【0019】
また、制御部22は、リール駆動部26、スピーカ20を駆動する音声出力部20a、情報表示部14、演出表示部19のそれぞれに各種信号を出力する。リール駆動部26は、制御部22から駆動信号を入力すると、各リール10a~10cに対応するリール用モータ27a~27cを駆動して各リール10a~10cを回転させる(始動させる)。
【0020】
制御部22は、ソフトウェアにより構成される乱数発生部22f及び乱数抽出部22eを有し、以下の動作を行う。
(1)BETボタン13を操作して3点を賭け、スタートレバー15を操作するとゲームを開始する。この場合、予め前記規定数として例えば3点が設定されており、1回のゲームを実行するためには3点が必要となる。
(2)ゲームの開始に応じて内部抽選を実行し、内部当選役を決定すると共に、各リール10a~10cを回転(始動)させる。内部抽選では、乱数発生部22fが発生する乱数の中から1つの乱数を乱数抽出部22eで抽出し、内部当選役がある場合には当該内部当選役に対応するフラグを成立させる。
【0021】
(3)ストップボタン16~18が操作されると、内部当選役の図柄を(対応するリール10a~10cの回転を)所定の引込範囲内で引き込み、停止表示させる。この場合、制御部22は、内部当選役のフラグに基づいて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御(各リール10a~10cを内部当選役フラグの種類に応じた入賞図柄又はハズレ図柄で停止表示させる制御)を実行する。なお、引込制御は各ストップボタン16~18の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることが可能な制御である。内部当選役フラグに対応する図柄が上記の引込範囲内に存在しないときは、その図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができないので、入賞が発生せずに所謂取りこぼしとなる。
【0022】
(4)停止表示された図柄によって入賞が発生したか否かを判定し、入賞した役の種類に応じて遊技点数を付与する。例えば、3点入賞役、5点入賞役、10点入賞役、15点入賞役などがあり、入賞した役が15点入賞役の場合、15点の遊技点数が付与される。
(5)通常状態において、入賞した役がボーナス役(BB、RB)の場合、ボーナス状態(BB状態、RB状態)へ移行する。BB状態及びRB状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特別状態に相当し、小役について付与される遊技点数或いは当選確率が向上することから、一気に遊技点数を獲得することができる。
こうしたボーナス状態は所定の遊技点数が付与された時点で終了し、例えばBB状態は300点、RB状態は100点が付与された時点で終了する(通常状態へ移行する)。
【0023】
(6)情報表示部14には遊技点数や各種の稼動データ(ゲームの実行回数、ボーナスの発生回数など)を表示する。また、情報表示部14には、計数ボタン、従業員呼出ボタン、稼動データ表示ボタンなど各種の操作ボタンも表示する。
(7)計数ボタンをタッチパネル14a上で操作すると(以下「タッチ操作」と称す)、そのタッチ操作に応じて遊技点数を得点処理装置2へ送信する。
詳しくは後述するように、計数ボタンは遊技点数を持点数に換算するための操作部であり、そのタッチ操作時間に応じた数の遊技点数が得点処理装置2へ送信され、全ての遊技点数が送信されると当該遊技機1の遊技点数がゼロにリセットされる。
【0024】
遊技機1は、得点処理装置2との間でデータ信号により遊技情報を送受信するI/F部22gを備えており(図3参照)、遊技の実行に応じて以下に示す各種の遊技情報を得点処理装置2へ送信する。
・得点消費情報=遊技で消費された得点の数を示す情報。
・得点付与情報=入賞により付与された得点の数を示す情報。
・遊技点数情報=現時点の遊技点数(貸出点数+付与点数-消費点数)を示す情報。
・ゲーム情報=ゲームが実行されたことを示す情報。
・ボーナス情報=ボーナス状態であることを示す情報。
こうした遊技情報は、これを特定可能な電文のようなデータ信号として、前回送信時からの累計データ(更新データ)を得点処理装置2に対し一定間隔(例えば200ミリ秒毎)で出力することができ、又、機種によって異なる様々な情報を出力することができる。
また、詳しくは後述するように、上記の遊技点数情報たる遊技点数は、これと持点数との合計値として呼出ランプ3に表示されるが(図6の表示領域41d参照)、その表示対象は少なくとも遊技機1が記憶している当該遊技点数を含むものとする。
【0025】
一方、図2に示す得点処理装置2の本体は、遊技機1右側の隣接台との台間スペースに付設されるカードユニット本体2aで構成されている。
カードユニット本体2aには、紙幣(貨幣価値)が投入される紙幣投入口31、タッチ操作を受付けると共に各種の遊技情報を表示するタッチパネル式の表示部32、貸出ボタン33、ICカード7が挿入されるカード挿入口35、カード排出ボタン34が設けられている。
【0026】
図3の機能ブロック図で示すように、得点処理装置2の制御部30は、CPU30a、ROM30b、RAM30c、I/O30d等を有するマイクロコンピュータにより構成されている。
制御部30には、紙幣投入口31に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部31a、表示部32及び当該表示部32上に設けられたタッチパネル32a、貸出ボタン33、カード排出ボタン34が接続されている。また、制御部30には、カード挿入口35に挿入されたカード7に記録されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW部(リーダライタ部)35a、最大10枚の一般カード7をストック可能なカードストック部35b、管理装置6等との間で各種データ信号を送受信するI/F部30e等が接続されている。
【0027】
得点処理装置2は以下のように動作する。
(1)ICカード7の挿入口35への未挿入状態で、紙幣を受け付けたときは(貨幣受付処理)、カードストック部35bからカードRW部35aへカード7を繰り出し、受け付けた金額をカード7のICチップへ記憶するとともに、表示部32に残金額を表示する。
(2)ICカード7が挿入口35に挿入され、これを受け付けたときは当該カード7の識別情報(カードID)を読み取って管理装置6へ送信し、認証を行う。
【0028】
(3)管理装置6から受信したカード7の認証結果がOK(認証処理の結果が正常)の場合、そのカード7に対応付けられている残金額と持点数を表示部32に表示する。カード7の認証結果がNGの場合、その旨をインカム等に報知することにより遊技場従業員(以下「従業員」と称す)が対応する。
(4)貸出ボタン33の操作(貸出操作)に応じて残金額を持点数に換算し、遊技機1へ送信する。この場合、1回の貸出操作で例えば千円を50点(20円=1得点)に換算することにより、遊技に使用する得点の貸出処理を行う。
【0029】
(5)遊技機1から遊技点数を受信して持点数に加算する。係る遊技点数は、遊技機1の前記計数ボタンのタッチ操作(計数操作)に応じて遊技点数を持点数へ換算する計数処理により加算される。この場合、1回の計数操作に応じて1点を換算対象とするが、タッチした状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。これにより、当該遊技点数と持点数とを更新して、遊技者が獲得した得点の計数・記録処理を行う。
表示部32には、持点数を遊技点数に換算するための遊技ボタンを表示する。即ち、得点処理装置2は持点数を管理し、持点数は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタンのタッチ操作(再プレイ操作、付与操作)に応じて持点数を遊技点数に変換する付与処理(再プレイ処理)を行う。
【0030】
(6)カード排出ボタン34の操作に応じてICカード7に残金額及び持点数を記録するとともに、それらの情報及びカードIDを含む発行情報を中継装置4へ送信し、当該カード7を挿入口35外側へ排出する(発行処理)。
こうして、得点処理装置2は、遊技者が所有している得点数(遊技点数及び持点数)に係る情報、或いは遊技機1から受信した各種の遊技情報を集計・記憶するとともに、中継装置4へ送信する。
【0031】
図4は、呼出ランプ3及びトップランプ5を拡大して示す正面図である。
呼出ランプ3は、上記した得点処理装置2と同様に1台の遊技機1に対して1台設置され、遊技機1や得点処理装置2から出力される各種データ信号を中継装置4経由で受信して、当該遊技機1に関する各種の遊技情報(表示用情報)を作成し、表示する。
【0032】
呼出ランプ3は、液晶表示部41(表示手段)、ランプ部42(第1ランプ部)、呼出ボタン43a、メニューボタン、データ切替ボタン等を含む操作ボタン群43、リモコン受光部44(図5にのみ図示)を備えている。このうち、呼出ボタン43aは、遊技者が従業員を呼び出すための操作ボタン、メニューボタンは、所定のメニューをポップアップ表示するための操作ボタン、データ切替ボタンは、液晶表示部41における表示内容を切替えるための操作ボタンである。リモコン受光部44は、従業員が携帯するリモコン(図示略)から送信されるリモコン信号を受光する。
【0033】
図5に示す機能ブロック図のうち、呼出ランプ3の制御部40(得点判定手段、遊技終了判定手段、表示抑制手段)は、CPU40a、ROM40b、RAM40c、I/O40d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部40には、管理装置6や遊技機1等との間で各種データ信号を送受信するI/F部40e(受信手段、送信手段)が接続されるとともに、液晶表示部41、ランプ部42(第1ランプ部)、呼出ボタン43aを含む操作ボタン群43、リモコン受光部44が接続されている。
【0034】
呼出ランプ3は、中継装置4経由で受信する各種データ信号により、例えば管理装置6から各種の設定情報を受信するとともに、遊技機1及び得点処理装置2から各種の遊技情報を受信し、その設定情報及び遊技情報に基づいて各種の表示用情報を作成して表示する。このうち、設定情報としては、対応する遊技機1の機種名、台番号、遊技性能(大当り確率、大当り出玉数)などを含み、遊技情報としては、ゲームの実行、大当たりの発生、得点の消費及び加算、遊技点数や持点数といった得点数を示す得点情報などを含む。
【0035】
このように、呼出ランプ3は、自装置3に対して送信される得点情報(単に「得点数」とも称する)を受信する受信手段としてI/F部40e及び制御部40を備えるとともに、その受信手段により受信された得点数を自装置3において表示する表示する表示手段(第1表示手段)として液晶表示部41を備えた構成とされている。
また、呼出ランプ3におけるI/F部40e及び制御部40は、トップランプ5に対して得点数を送信するとともに、後述する表示抑制処理が行われる場合に当該得点数の表示を抑制するための特別得点情報を送信する送信手段として機能する。
【0036】
ここで、図6は、係る設定情報や遊技情報を例示する液晶表示部41を特化して示している。呼出ランプ3は、同図に示すように液晶表示部41における表示領域を複数の表示領域41a~41dに区分可能に表示する。
具体的には、最上欄の表示領域41aには、対応する遊技機1の機種名である「パチスロ○○○○」を表示する。左側の表示領域41bには上側から順に、本日BB回数(本日の累計ビッグボーナス回数)、本日RB回数(本日の累計レギュラーボーナス回数)、前日BB回数(前日の累計ビッグボーナス回数)、前日RB回数(前日の累計レギュラーボーナス回数)、只今ゲーム数(営業開始時点又は前回ボーナス終了時点からのゲーム数)、本日累計ゲーム数(本日の営業開始時点からの累計ゲーム数)を表示する。
【0037】
また、左右方向中央から右側にわたる表示領域41cには、本日の差得点数(付与得点数-消費得点数)の推移をグラフ化した差得点推移グラフを表示する。そして、下側の表示領域41dには、「あなたの得点数:501点」として例示するように、現時点で遊技者が所有している得点数、つまりは「遊技点数+持点数」で表される現時点の得点数を表示する。この他、表示領域41dには、営業案内、機種の遊技性説明などといった各種メッセージを表示する。
なお、図示は省略するが、例えば台番号を同図6の表示領域41aにおける余白部分に表示し、大当り確率、大当り出玉数といった遊技性能を、データ切替ボタンの操作に応じて表示領域41b~41dの何れかに表示させることができる。
【0038】
一方、図4に示すトップランプ5は、呼出ランプ3の上方に位置する図示しない幕板の前面に配置され、且つ呼出ランプ3とともに遊技機1単位で対応して設けられた各台トップランプである。
同図に示すように、トップランプ5は正面視にて略正方形状をなす、薄型の矩形箱状に形成されており、その前面部は左右方向両端から中央に向かうに従い、前方たる正面側への厚みを若干増すように(そのランプを島の左右方向からでも目視できるように)緩やかな角度を付けた第2表示手段とされている。これにより、呼出ランプ3とトップランプ5との双方の遊技情報表示装置3,5にて遊技者が所有する得点数を表示可能である。
【0039】
具体的には、トップランプ5は、対応する遊技機1の近くにいる者(対応する遊技機1や隣台の遊技機1で遊技する遊技者或いは従業員を含む)が目視可能となるように、その前面部に得点数表示部51及び玉箱ランプ部52が上下に並んで設けられている。
このうち、得点数表示部51は、5桁の7セグメント表示部(図4図5参照)で構成され、現時点の得点数を1点単位の数値で表す。これに対し、上側の玉箱ランプ部52は、上下に積み重なる5段の玉箱を模したランプ部b1~b5で構成されている。各ランプ部b1~b5は、夫々が「1000」点の得点数(1箱当り1000枚のメダル数に相応する)に対応し、現時点の得点数を当該玉箱の箱数と発光色とで表すように点灯する。
【0040】
図5の機能ブロック図で示すように、トップランプ5の制御部50は、CPU50a、ROM50b、RAM50c、I/O50d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。
制御部50には、呼出ランプ3との間で(或いは管理装置6や遊技機1等との間で呼出ランプ3を経由して)各種データ信号を送受信するI/F部50e、ランプ部b1~b5(第2ランプ部)からなる玉箱ランプ部52、セグメント表示部からなる得点数表示部51が接続されている。
【0041】
トップランプ5は、呼出ランプ3から各種データ信号として前記得点情報や特別得点情報を受信するとともに、管理装置6から呼出ランプ3経由で各種の設定情報を受信し、それら受信した情報に基づいて得点数表示部51及び玉箱ランプ部52での表示を行う。このトップランプ5での演出表示について、図7を参照しながら説明する。
【0042】
図7の下段において符号「70」と「70´」で示す表示態様は、現時点の得点数が0点の「持玉なし」と「0を超え0.1箱以下」のときのトップランプ5の状態を表している。
【0043】
即ち先ず、「持玉」としての得点数がなく、0点の場合の表示態様70は、玉箱ランプ部52での箱数表示を全部「消灯」し、得点数表示部51ではイルミネーション表示を行う。このイルミネーション表示は、遊技場の雰囲気を盛り上げるものであれば、どのような態様であってもよい。なお、この場合、例えば直近一週間における最多得点数を得点数表示部51に表示し、呼出ランプ3でも同様に、最多得点数を表示領域41dに表示することも可能である。
0.1箱まで、つまり100点に達するまでの表示態様70´は、玉箱ランプ部52での箱数表示は「消灯」したままだが、得点数表示部51では当該得点数(同図では例えば25点)を表示する。
【0044】
図7の上段において符号「71,72,73,74,75」で示す表示態様は、現時点の得点数に対応する「1箱目、2箱目、3箱目、4箱目、5箱目」のときのトップランプ5の状態を表しており、玉箱ランプ部52では夫々の玉箱が0.1箱に達してから点灯される。
具体的には例えば、100点~1100点の場合、つまり0.1箱から1箱分までの得点数を表す場合の表示態様71は、その1箱目のランプ部b1のみを青色で点灯させ、得点数表示部51で当該得点数(同図では例えば318点)を表示する。
【0045】
同様に、1.1箱から2箱分の場合の表示態様72は、その2箱目のランプ部b1,b2まで黄色で点灯させ、得点数表示部51で当該得点数(例えば1764点)を表示する。2.1箱から3箱分の場合の表示態様73は、その3箱目のランプ部b1~b3まで緑色で点灯させ、得点数表示部51で当該得点数(例えば2837点)を表示する。
3.1箱から4箱分の場合の表示態様74は、その4箱目のランプ部b1~b4まで紫色で点灯させ、得点数表示部51で当該得点数(例えば3592点)を表示する。4.1箱から5箱分の場合の表示態様75は、その5箱目のランプ部b1~b5まで紫色で点灯させ、得点数表示部51で当該得点数(例えば4708点)を表示する。そして、5.1箱から6箱分の場合、或いは5箱目を超える場合には、全てのランプ部b1~b5がレインボー表示態様(図示略)となる。
【0046】
続いて、上記した呼出ランプ3及びトップランプ5における得点数の表示/抑制処理について、図8及び図9のフローチャートを参照しながら説明する。以下では説明の便宜上、図8或いは図9において制御主体となる制御部40或いは制御部50を、呼出ランプ3或いはトップランプ5と称する。また、図8のS1,S2,…は、呼出ランプ3が実行するステップを表すものとし、図9のS11,S12,…は、トップランプ5が実行するステップを表すものとして説明する。
【0047】
呼出ランプ3は、所定周期(例えば200ミリ秒周期)で表示処理を開始すると、得点処理装置2から中継装置4を経由して得点情報を受信し、現時点の得点数を特定する(図8のS1)。この場合、呼出ランプ3は、自装置3に対して送信される遊技機1が記憶している遊技点数と得点処理装置2が記憶している持点数とを受信することにより、それらの和を現時点の得点数として求める(特定する)。
【0048】
次いで、呼出ランプ3は、特定された得点数が所定の基準値(例えば3点)以上であるか否かを判定する(S2)。ここでの基準値(第1基準値)としては、対応する遊技機1において1回のゲームを実行するために必要な規定数としての3点と一致させているが、呼出ランプ3にて規定数以下の値など、適宜の値を設定可能である。それ故、第1基準値は3点以外の値に設定してもよく、前記S1で特定された得点数が第1基準値に達しているか否かを判定するように構成されていればよい。
【0049】
そして、呼出ランプ3は、特定された得点数が第1基準値以上と判定した場合には(S2:Yes)、その得点数を表示領域41dに表示する(S3)。これにより、例えば図6の表示領域41dにおける表示内容は、「あなたの得点数:501点」が表示中であれば、S2で判定された得点数(第1基準値以上の値)で更新・表示する。また、この場合、呼出ランプ3は、係る得点数をトップランプ5に対して送信し(S4)、この処理を終了する(リターンする)。
【0050】
一方、呼出ランプ3は、特定された得点数が第1基準値未満と判定した場合(S2:No)、対応する遊技機1での遊技の終了条件が成立したかを判定する(S5)。遊技の終了条件は、遊技機1から得点処理装置2及び中継装置4を経由して受信する前記ゲーム情報に基づき、当該遊技機1の稼動の有無から判定されるものであり、例えば所定時間にわたって稼動がない場合に(ゲームが実行されない場合に)遊技の終了条件が成立したものとして判定することができる。
【0051】
こうして、呼出ランプ3は、得点判定手段として得点数が所定の第1基準値に達していないと判定し(S2:No)、且つ遊技終了判定手段として遊技の終了条件が成立したと判定した場合に(S5:Yes)、液晶表示部41による表示領域41dの得点数の表示抑制処理と点検表示処理を順次行う(S6)。
【0052】
従って例えば、現時点の得点数が2点で、且つ対応する遊技機1が非稼動状態で遊技が終了している場合、表示抑制処理が実行されることにより図6の表示領域41dの「あなたの得点数」は、その欄ごと消去される。このため、当該遊技機1において仮に1点或いは2点といった規定数未満の得点数が残存した状態で遊技を終了したときには、呼出ランプ3において係る得点数の表示が消去(抑制)される。
【0053】
このような表示抑制処理が行われた場合、併せて従業員に対して得点数に対する処理を促すための表示を行う点検表示処理を行う。点検表示処理では、例えば呼出ランプ3におけるランプ部42(イルミネーション部)の一部を黄色点灯させて点検表示状態とし、従業員に対して得点数を処理(初期化によるゼロリセット処理)するように促してもよい。
【0054】
この場合、呼出ランプ3において、表示抑制処理により得点数の表示が抑制されるので次の遊技者が遊技を躊躇する虞を低減する効果を維持できるし、点検表示状態で従業員に遊技してもよいかの確認を遊技者に促すといった運用も想定できる。
なお、上記の表示抑制処理は、得点数を消去することで表示抑制する処理であるが、その表示欄全体の非表示に限らず、ゼロリセット処理により「0点」の表示を行うことで表示抑制するようにしてもよい。更には例えば得点数の表示を小さくする、或いは輝度を低くするといった得点数は消去しないものの確認し難くすることで表示抑制してもよい。また、詳しくは後述するように、点検表示処理は、表示抑制処理とともに実行するのではなく、遊技場の閉店時刻を基準として所定期間遡った期間、或いは所定時刻以降であることを条件として実行してもよい。
【0055】
また、呼出ランプ3は、上記の表示抑制処理を実行する場合に当該得点数の表示を抑制するための特別得点情報をトップランプ5に対して送信する(S7)。ここで、特別得点情報は、呼出ランプ3により補正された得点数の値を示し、前記S4で送信する得点情報と区別されるものである。
【0056】
具体的には例えば、現時点の得点数が1点や2点といった第1基準値未満の場合、呼出ランプ3は、当該得点数を0点に補正することにより特別得点情報として求める。この特別得点情報は、後述するトップランプ5用の第2基準値に達しない得点数の値に補正されるものとする。こうして求められた特別得点情報をトップランプ5に送信した後(S7の後)、この呼出ランプ3での処理を終了する。
なお、呼出ランプ3は、前記S5で遊技の終了条件が成立していない(S5:No)と判断した場合には、S3へリターンして現時点の得点数を表示領域41dに表示し、その得点情報をトップランプ5に送信した上で(S4)、この処理を終了する。
【0057】
図9に示すように、トップランプ5においても所定周期(例えば200ミリ秒周期)で表示処理を開始すると、呼出ランプ3から受信した得点情報或いは特別得点情報に基づいて、その得点数を特定する(S11)。
【0058】
この場合、トップランプ5は、特定された得点数が所定の第2基準値(例えば1点)以上であるか否かを判定する(S12)。ここで、第2基準値は、トップランプ5において前記第1基準値とは異なる基準値として予め設定されるものであり、第1基準値との関係で1点以外の値に設定してもよく、前記S11で特定された得点数が第2基準値に達しているか否かを判定するように構成されていればよい。また、第2基準値は、第1基準値と同値になってもよい(トップランプ5において得点数を判定する独自の基準値として設定されていればよい)。
【0059】
そして、トップランプ5は、特定された得点数が第2基準値以上と判定した場合には(S12:Yes)、その得点数を得点数表示部51と玉箱ランプ部52で表示する(S13)。
具体的には、トップランプ5において、特別得点情報以外の得点情報として第2基準値以上の得点を受信した場合であって、その得点が1点~100点(0.1箱)のとき図7の下段で示した表示態様70´により表示し、又、0.1箱分の点数を超えるときには、その1箱分、2箱分、…の点数に応じて同図の上段で示した表示態様71,72,…により表示した上で、この処理を終了する(リターンする)。なお、この場合、トップランプ5と呼出ランプ3との双方にて、得点数(遊技価値の大きさ)を夫々の表示態様で、分かり易く明確に表示する(アピールする)ことができる。
【0060】
一方、トップランプ5は、特別得点情報或いは得点情報から特定された得点数が第2基準値未満と判定した場合(S12:No)、得点数表示部51及び玉箱ランプ部52で得点数の表示を抑制する(S14)。
即ち、特別得点情報は、呼出ランプ3での表示抑制処理に応じて第2基準値に達しない得点数に補正された得点数として例えば0点を示す。このため、図7の下段に「持玉なし」として示すように、ランプ部b1~b5での箱数表示を全部「消灯」し且つ得点数表示部51ではイルミネーション表示を行う、0点の場合の表示態様70とする。これにより、得点数を表示しないようにして、その表示を抑制した上で、この処理を終了する。
この場合、トップランプ5は、呼出ランプ3に合わせて得点数の表示が抑制されることから、他人が放置した端数の得点が残存していることにより、次の遊技者が遊技を躊躇して稼動が低下してしまう事態をある程度抑制することができる。
【0061】
なお、特別得点情報として、呼出ランプ3により補正した得点数を送信するようにしたが、これに限定するものではない。例えばトップランプ5に対して、得点数は補正せずに送信する一方、別途得点数の表示を抑制する状態信号(例えば得点数に代えてイルミネーション表示を行わしめる信号)といった別の情報を、特別得点情報として送信してもよい。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の遊技情報表示システムにおいて、例えば第1遊技情報表示装置3としての呼出ランプ3は、得点判定手段として得点数が所定の基準値(例えば3点)に達していないと判定し且つ遊技終了判定手段として遊技の終了条件が成立したと判定した場合に(例えば図8のS2:No且つS5:Yes)、表示手段(例えば液晶表示部41)による得点数の表示抑制処理を行い、この表示抑制処理が行われる場合に当該得点数の表示を抑制するための特別得点情報(例えば0点に補正した得点数)を第2遊技情報表示装置5(例えばトップランプ5)に対して送信する。
【0063】
これによれば、遊技中においては現時点の得点数を明確に表示する一方、その得点数が端数となった状態で遊技の終了条件が成立した場合には、得点数の表示を第1遊技情報表示装置3にて抑制するとともに、第2遊技情報表示装置5へ得点数の表示を抑制するための特別得点情報を送信する。これにより、第1,第2遊技情報表示装置3,5間での表示抑制処理の相違、つまり例えば呼出ランプ3では表示抑制処理を行う一方、トップランプ5では表示抑制処理が行われないといった違和感が生ずる虞を低減できる。
【0064】
第2遊技情報表示装置5は、第1基準値とは異なる第2基準値に得点数が達していないと判定された場合に得点数の表示を抑制し、特別得点情報は、第2基準値に達しない得点数に補正した得点数を示す。これによれば、第2遊技情報表示装置5における構成を第1遊技情報表示装置3程に変更する必要性を低減したまま(つまり例えばトップランプ5の表示処理に係る構成をそれほど変更せずに)、上記違和感が生ずる虞を低減可能となる。
【0065】
第1遊技情報表示装置3は、表示抑制処理を行った場合に従業員に対して得点数に対する処理を促すための表示を行う点検表示処理を行う(例えば図8のS6参照)。これによれば、点検表示処理により得点数の処理を従業員に促すことが可能となるので、次の遊技者により先の遊技者の得点が使用される虞を低減できる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張するようにしてもよい。
【0067】
呼出ランプ3での点検表示状態において、前記初期化により得点数を処理した場合、履歴に残しておき、当該履歴に基づき遊技終了した遊技者が戻ってきた場合に処理した得点分を補償してもよい。この場合、例えば遊技者が所持する一般カード7や会員カードに得点数を加算することや、任意の空台に対して得点数を加算することで補償することが想定でき、当該履歴は管理装置6でも管理することが可能である。
【0068】
点検表示状態とする点検表示処理は、表示抑制処理とともに行うようにしたが、翌日の営業のために得点数を整理する目的で行ってもよい。例えば呼出ランプ3において表示抑制処理を行う場合に、遊技場の閉店時刻を基準として所定期間遡った期間(例えば閉店前30分から閉店までの期間)、或いは所定時刻(例えば21時30分)以降であることを、点検表示処理を実行するための条件として設定してもよい。
これによれば、係る所定期間或いは所定時刻以降に点検表示処理が実行されることにより、得点数を処理した状態で次の営業日に迎えるように従業員に促すことが可能となる一方、営業中は必要以上に従業員に得点数の処理を促さないようにできるようになる。
【0069】
遊技の終了条件として所定時間、稼動がないことを例示したが、例えば残高(遊技者が所有する前記残金額)が残高基準値(例えば1円)に達していないといった他の条件を追加してもよいし、得点処理装置2や呼出ランプ3にカメラのような撮像手段(図示略)を設けて、当該撮像手段にて遊技者を所定期間、特定できない場合に遊技終了の条件が成立したと判定してもよい。
【0070】
1ゲームに要する規定数を3としたが、2以上の規定数が設定される遊技機であれば本発明を適用することができる。
また、第1基準値としてゲームを実行可能な規定数(例えば3点)と同数にしたが、例えば10といったゲームは実行可能ではあるものの端数レベルの得点数にて遊技を終了する遊技者もいるので、必ずしも規定数以下としなくともよい。同様に、第2基準値も必ずしも0にしなくともよい。
【0071】
遊技機1としてスロットマシンを例示したが、パチンコ遊技機やじゃん球遊技機など様々な種類の遊技機でもよい。
得点判定手段及び遊技終了判定手段を呼出ランプ3に設けたが、中継装置4や管理装置6に設け、呼出ランプ3へその判定結果を通知するようにしてもよい。
【0072】
呼出ランプ3の液晶表示部41(表示領域41d)における得点数の表示を消去したときに、代わりに他の遊技情報を表示するようにしてもよい。例えば、直近一週間における最多得点数を記憶しておき、その最多得点数を読み出して表示領域41dに表示してもよい。或いは、表示領域41dにおける表示の輝度や表示倍率等を落として得点数を確認し難くすることで表示抑制してもよい。
【0073】
得点処理装置2及び呼出ランプ3が中継装置4を経由して管理装置6と通信するようにしたが、中継装置4を経由することなく直接通信するようにしてもよい。
また、遊技機1は全ての情報を得点処理装置2へ送信するようにしたが、中継装置4や管理装置6へ直接送信するようにしてもよい。
【0074】
各設定値や基準値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定してもよい。なお、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、遊技信号としてデータ信号を例示したがパルス信号のような他の信号を採用してもよい。
遊技機から出力される遊技点数情報としては、遊技機にBETされている遊技メダルを含めることを例示したが、除外してもよいし、BETの有無により遊技点数を区別可能に遊技点数情報を出力してもよく、この場合、両者を区分して特定し、基準値との比較対象となる遊技点数としてBET分を含めるか否かを設定により切替えるようにしてもよい。
【0075】
以上と超過についてはどちらを採用してもよく、「達した」等の表現は以上となった或いは超過した、の何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合せてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0076】
図面中、1は遊技機、2は得点処理装置、3は呼出ランプ(第1遊技情報表示装置)、5はトップランプ(第2遊技情報表示装置)、40は制御部(受信手段、得点判定手段、遊技終了判定手段、表示抑制手段、送信手段)、40eはI/F部(受信手段、送信手段)、41は液晶表示部(表示手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9