(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047121
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】排ガス浄化装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
F01N3/28 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152563
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 直也
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AB01
3G091BA39
3G091GA08
3G091GA12
(57)【要約】
【課題】 本発明は、触媒活性の高い薄膜触媒層を有する排ガス浄化装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材1、及び前記メタル基材1を収容している外筒4を含む排ガス浄化装置10であって、前記外筒4は、前記メタル基材1を保持するための通気性の保持部材5を有しており、かつ前記メタル基材1は、前記外筒4に実質的に固定されていない、排ガス浄化装置10に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置であって、前記外筒は、前記メタル基材を保持するための通気性の保持部材を有しており、かつ前記メタル基材は、前記外筒に実質的に固定されていない、排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記外筒の排ガス流路の下流側端部に存在している、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記保持部材が、メタル基材であり、かつ前記外筒にロウ付けされて固定されている、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
前記薄膜貴金属触媒層の厚みが、100nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
【請求項5】
前記薄膜貴金属触媒層が、蒸着膜である、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
【請求項6】
前記メタル基材が、波状に加工した金属箔と平らな金属箔との積層体の倦回体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
【請求項7】
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、
前記薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する工程、
通気性の保持部材を有する前記外筒を準備する工程、及び
前記外筒に前記メタル基材を挿入する工程
を含む、排ガス浄化装置の製造方法。
【請求項8】
前記メタル基材を準備する工程が、前記薄膜貴金属触媒層を、貴金属触媒の蒸着によって形成する工程を含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記外筒を準備する工程が、前記外筒に前記通気性の保持部材をロウ付けする工程を含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタル基材を用いた排ガス浄化装置及びその製造方法に関する。特に、本発明は、触媒活性の高い薄膜触媒層を有する排ガス浄化装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
金属製基材(メタル基材)を用いた排ガス浄化装置が、自動車用、二輪車用、発電機用、農作機械用等の内燃機関の排ガス浄化装置として使用されている。一般的には、メタル基材は、波状に加工した金属箔と平らな金属箔との積層体の倦回体である。例えば、
図2に示すように、メタル基材は、金属箔を波状に加工して波箔2を得て、そして波箔2と平らな金属箔である平箔3とを積層させて一緒にロール化された倦回体となることで製造される。
【0003】
メタル基材を排ガス浄化装置として用いるためには、触媒層を形成した倦回体を、外筒4に挿入してロウ付けしてメタル担体を製造する。その後、メタル担体を触媒層形成用スラリーに浸漬させる、いわゆるウォッシュコートによって、金属酸化物担体及び貴金属触媒を含む触媒層をメタル基材上に形成する。
【0004】
近年、メタル基材にウォッシュコートを行わずに、貴金属をメタル基材に蒸着することによってメタル基材に貴金属触媒層を直接形成する技術が検討されている。例えば、特許文献1及び非特許文献1は、アークプラズマ法によって蒸着された貴金属層をメタル基材上に含む排ガス浄化装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Machida et al., “Nanometric Iridium Overlayer Catalysts for High-Turnover NH3 Oxidation with Suppressed N2O Formation”, ACS Omega, 2020, 5, 32814-32822.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の排ガス浄化装置を製造する場合、倦回体を外筒に挿入してロウ付けする際の加熱処理によって、触媒性能が劣化する事が検討によりわかった。
【0008】
具体的には、蒸着された貴金属層を持つ薄板をメタル基材として倦回体を作る場合には、外筒に挿入してロウ付けする際の加熱によって貴金属触媒がシンタリングなどによって触媒性能が劣化して触媒活性が低下してしまう。ロウ付け後にウォッシュコートにより触媒を担持する従来方法ではこの課題は起こらなかった。
【0009】
そこで、本発明は、触媒活性の高い薄膜触媒層を有する排ガス浄化装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、以下の態様を有する本発明により、上記課題を解決できることを見出した。
《態様1》
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置であって、前記外筒は、前記メタル基材を保持するための通気性の保持部材を有しており、かつ前記メタル基材は、前記外筒に実質的に固定されていない、排ガス浄化装置。
《態様2》
前記保持部材は、前記外筒の排ガス流路の下流側端部に存在している、態様1に記載の排ガス浄化装置。
《態様3》
前記保持部材が、メタル基材であり、かつ前記外筒にロウ付けされて固定されている、態様1又は2に記載の排ガス浄化装置。
《態様4》
前記薄膜貴金属触媒層の厚みが、100nm以下である、態様1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
《態様5》
前記薄膜貴金属触媒層が、蒸着膜である、態様1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
《態様6》
前記メタル基材が、波状に加工した金属箔と平らな金属箔との積層体の倦回体である、態様1~5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
《態様7》
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、
前記薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する工程、
通気性の保持部材を有する前記外筒を準備する工程、及び
前記外筒に前記メタル基材を挿入する工程
を含む、排ガス浄化装置の製造方法。
《態様8》
前記メタル基材を準備する工程が、前記薄膜貴金属触媒層を、貴金属触媒の蒸着によって形成する工程を含む、態様7に記載の製造方法。
《態様9》
前記外筒を準備する工程が、前記外筒に前記通気性の保持部材をロウ付けする工程を含む、態様8又は9に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、触媒活性の高い薄膜触媒層を有する排ガス浄化装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の排ガス浄化装置の概略図を示している。
【
図2】
図2は、メタル基材を用いた排ガス浄化装置の一般的な製造工程の一部の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を以下の実施形態を例として具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。本明細書における装置及び方法について特に詳細な言及がない構成には、これらについては当業者であれば周知の構成を用いることができる。各実施形態は、当業者が通常の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、各実施形態について特記していない構成については、他の実施形態と同じ構成又はその実施形態に適した構成を有することができる。
【0014】
《排ガス浄化装置》
本発明の排ガス浄化装置は、薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含み、前記外筒は、前記メタル基材を保持するための通気性の保持部材を有しており、かつ前記メタル基材は、前記外筒に実質的に固定されていない。
【0015】
図1は、本発明の排ガス浄化装置10の概略図を示している。
図1(a)に示されるように、メタル基材1は、通気性の保持部材5を有する外筒4に収容される。
図1(b)に示すように、保持部材5は、外筒4の排ガス流路の下流側端部に固定されていることが好ましく、これにより排ガスからメタル基材1が圧力を受けたとしても、メタル基材1が外筒4から抜け落ちることがない。
【0016】
〈メタル基材〉
メタル基材1は、外筒4に実質的に固定されていない。本明細書において、「実質的に固定されていない」とは、メタル基材1が、外筒4にロウ付け等によって通常は固定されないが、貴金属触媒の劣化が大きく生じない範囲であれば、メタル基材1と外筒4とは一部がロウ付けされていてもよいことを意味する。したがって、本発明の排ガス浄化装置においては、メタル基材1と外筒4との従来技術のようなロウ付けは行われない。
【0017】
メタル基材1は、薄膜貴金属触媒層及び金属箔を少なくとも含み、さらに非特許文献1に記載のような緩衝層(buffer layer)等を有していてもよい。
【0018】
金属箔は、薄膜貴金属触媒層等を形成できる金属箔できれば特に限定されないが、例えばステンレス製の金属箔、特にSUS304製の金属箔とすることができる。
【0019】
金属箔の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm以上、30μm以上、50μm以上、80μm以上、又は100μm以上であってもよく、500μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、又は80μm以下であってもよい。金属箔の厚みは、20μm以上500μm以下、又は50μm以上300μm以下であってもよい。
【0020】
メタル基材1は、例えば
図2に示すようにして製造される、波状に加工した波箔2と平らな平箔3との積層体の倦回体であることができるが、これに限定されず、例えば本分野で知られているエキスパンドメタルを用いたメタル基材等であってもよい。また、メタル基材を構成する金属箔にパンチング孔を設けて、排ガス流れに影響を与え浄化性能を向上させてもよい。
【0021】
メタル基材1のセル数は、例えば、50個/平方インチ以上、80個/平方インチ以上、100個/平方インチ以上、150個/平方インチ以上、200個/平方インチ以上、又は300個/平方インチ以上であってもよく、1000個/平方インチ以下、800個/平方インチ以下、600個/平方インチ以下、400個/平方インチ以下、300個/平方インチ以下、又は200個/平方インチ以下であってもよい。メタル基材1のセル数は、50個/平方インチ~1000個/平方インチ、又は100個/平方インチ~800個/平方インチ、のセルを有していてもよい。
【0022】
〈薄膜貴金属触媒層〉
薄膜貴金属触媒層は、排ガス浄化性能を有する貴金属の薄膜である。本発明の排ガス浄化装置は、従来のウォッシュコートによる触媒層を有しておらず、代わりに薄膜貴金属触媒層を有しているが、これにより従来技術の排ガス浄化装置と比較して、大幅な軽量化が可能である。また、同様に、本発明の排ガス浄化装置は、ウォッシュコートによる触媒層を有していないため、圧力損失を低くすることができるため、本発明の排ガス浄化装置がハニカム構造を有している場合にはハニカムのセル数を増やすことができ、高い排ガス浄化性能を与えることができる。さらに、本発明の排ガス浄化装置は、ウォッシュコートによる触媒層を有していないため熱容量が低く、暖機時での排ガス浄化性能を大きく向上させることができる。また、これらの効果によって、排ガス浄化装置の性能を従来技術と同様の水準としながらも、大幅な小型化も可能となる。
【0023】
薄膜貴金属触媒層は、蒸着膜であることができ、蒸着膜としては化学蒸着又は物理蒸着を上げることができ、例えば特許文献1及び非特許文献1に記載のようなアークプラズマ法によって蒸着された薄膜であってもよいが、大量生産の観点から、好ましくはスパッタリングによって形成された薄膜であることができる。
【0024】
薄膜貴金属触媒層の貴金属は、例えば白金族元素の金属薄膜であることができ、具体的には、薄膜貴金属触媒層は、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、又はこれらの組み合わせを含む薄膜であってもよい。薄膜貴金属触媒層は、実質的にこれらの貴金属のみから構成されていてもよい。
【0025】
薄膜貴金属触媒層の厚みは、特に限定されないが、1nm以上、3nm以上、5nm以上、10nm以上、又は20nm以上であってもよく、300nm以下、100nm以下、80nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下、又は10nm以下であってもよい。薄膜貴金属触媒層の厚みは、1nm以上300nm以下、又は3nm以上30nm以下であってもよい。
【0026】
〈緩衝層〉
メタル基材1は、さらに熱的安定性を向上させるために及び/又は金属箔と薄膜貴金属触媒層との接着性を向上させるために、金属箔と薄膜貴金属触媒層との間に緩衝層を有していてもよい。緩衝層も、蒸着による薄膜であることができる。そのような薄膜としては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム等の金属薄膜又は金属酸化物薄膜であってもよい。この緩衝層は、薄膜貴金属触媒層を形成する前に加熱処理を行って、酸化させてもよい。
【0027】
緩衝層の厚みは、特に限定されないが、10nm以上、30nm以上、50nm以上、100nm以上、又は200nm以上であってもよく、1000nm以下、800nm以下、500nm以下、300nm以下、250nm以下、又は200nm以下であってもよい。緩衝層の厚みは、10nm以上1000nm以下、又は50nm以上500nm以下であってもよい。このような厚みの薄膜を得るために、蒸着を繰り返して行ってもよい。
【0028】
〈外筒及び保持部材〉
外筒4としては、本分野で通常用いられている外筒を用いることができる。外筒4は、通気性の保持部材5を有しており、保持部材5によって、メタル基材1を実質的に外筒4に固定していなくても、メタル基材1が脱落等しないように保持する。
【0029】
通気性の保持部材5は、外筒4と一体的に形成された外筒4の一部であってもよく、又は外筒4とは別の部品として構成されてロウ付け等によって外筒4に固定されていてもよい。
【0030】
通気性の保持部材5は、本発明の有利な効果を実質的に損なわない限り、特にその形状、材料等については限定されないが、メタル基材1を排ガス浄化装置内で保持し続けるのに十分な剛性、及び排ガスに圧力損失を与えないように高い通気性を有していることが好ましい。
【0031】
保持部材5は、メタル基材を保持できるのであれば外筒4のどの場所に存在していてもよいが、外筒4の排ガス流路の下流側端部に存在していることによって、排ガスから圧力を受けるメタル基材1が、排ガスの下流側に脱落することを防止できることが好ましい。
【0032】
保持部材5は、外筒4の全長の5%以上、10%以上、15%以上又は20%以上の長さを有していてもよく、50%以下、30%以下、20%以下、又は15%以下の長さを有していてもよい。保持部材5は、外筒4の全長の5%以上50%以下、又は10%以上20%以下の長さであってもよい。
【0033】
保持部材5は、外筒4の内径と実質的に同一の外径を有していることが好ましいが、メタル基材を保持できるのであれば外筒4の径方向の全体にわたって存在している必要はない。
【0034】
例えば、保持部材5は、メタル基材であってもよく、外筒4にロウ付けされていてもよい。この場合、保持部材5のメタル基材は、上記のメタル基材と同一のメタル基材であってもよいが、全く異なるメタル基材であってもよい。したがって、保持部材5のメタル基材には、触媒層が存在していても、存在していなくてもよい。保持部材5として、メタル基材を用いる場合には、従来技術で使われている既存の製造設備及び製造方法によって、外筒4に保持部材5を固定することができるため好ましい。
【0035】
《排ガス浄化装置の製造方法》
本発明の製造方法において言及される排ガス浄化装置の各構成については、本発明の排ガス浄化装置に関して説明した各構成を参照することができる。
【0036】
排ガス浄化装置の製造方法は、薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、前記薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する工程、通気性の保持部材を有する前記外筒を準備する工程、及び前記外筒に前記メタル基材を挿入する工程を含む。
【0037】
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する工程は、メタル基材用の金属箔に薄膜貴金属触媒層を形成する工程を含むことができる。ここで、メタル基材に薄膜貴金属触媒層を形成するために、貴金属をメタル基材に蒸着によって、薄膜貴金属触媒層を形成することができる。
【0038】
蒸着方法としては、触媒用貴金属の薄膜を形成することができれば特に限定されないが、化学蒸着又は物理蒸着を挙げることができる。その中でも、化学蒸着としては、例えば、プラズマCVD、原子層堆積(ALD)が挙げられる。物理蒸着としては、例えば、スパッタリング、真空蒸着、クラスタービーム蒸着、アークプラズマ蒸着が挙げられる。これらの中でも特に、大量生産の観点から、スパッタリングによって薄膜貴金属触媒層を形成することが好ましい。
【0039】
メタル基材が波箔と平箔との倦回体である場合、薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する工程は、
図2に示すように、金属箔を波箔2に加工する工程、波箔2と平らな金属箔である平箔3とを積層させて一緒にロール化された倦回体とする工程をさらに含むことができる。
【0040】
通気性の保持部材を有する外筒を準備する工程は、上述のような通気性の保持部材と外筒とを一体成形して得る工程であってもよく、又は本分野で周知の外筒に上述のような通気性の保持部材を溶接、ロウ付け等によって固定する工程を含んでもよい。
【0041】
外筒にメタル基材を挿入する工程は、外筒の保持部材がある位置にまでメタル基材を押し込む工程であってもよい。本発明の方法においては、外筒にメタル基材を挿入する工程の後に、メタル基材と外筒とをロウ付け等の熱処理によって固定する工程は、不要である。
【符号の説明】
【0042】
1…メタル基材
2…波箔
3…平箔
4…外筒
5…保持部材
10…排ガス浄化装置
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材、及び前記メタル基材を収容している外筒を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、
前記薄膜貴金属触媒層を有するメタル基材を準備する第1工程と、
前記メタル基材とは別体として形成された第2メタル基材で構成され、前記メタル基材を保持するための通気性の保持部材を有する前記外筒を準備する第2工程と、
前記外筒に前記メタル基材を挿入する第3工程と、
を順に行い、
前記第1工程が、貴金属触媒の蒸着によって前記薄膜貴金属触媒層を前記メタル基材上に形成する工程を含み、
前記第2工程が、前記外筒に前記通気性の保持部材をロウ付けする工程を含み、
前記第3工程では、前記外筒に前記メタル基材を固定するための熱処理は非包含となっており、前記メタル基材は、前記外筒内に実質的に固定されずに配設される
排ガス浄化装置の製造方法。
【請求項2】
前記保持部材は、前記外筒の排ガス流路の下流側端部に存在している、請求項1に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
【請求項3】
前記薄膜貴金属触媒層の厚みが、100nm以下である、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
【請求項4】
前記メタル基材が、波状に加工した金属箔と平らな金属箔との積層体の倦回体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置の製造方法。