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特開2024-47127車両のステアリング装置に設置された映像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047127
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】車両のステアリング装置に設置された映像表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20240329BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152571
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】家田 純一
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA26
3D344AA27
3D344AA30
3D344AC28
3D344AD01
3D344AD05
(57)【要約】
【課題】車内において、顔を上向きにすることなく、化粧を行うことができる映像表示装置の技術の提供。
【解決手段】車両のステアリング装置に設置された映像表示装置であって、運転手の映像を取得する映像取得部と、運転手と対向するように配置される映像表示部と、映像取得部が取得した映像を、左右方向に反転させて得られる映像である反転映像を、映像表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリング装置に設置された映像表示装置であって、
運転手の映像を取得する映像取得部と、
前記運転手と対向するように配置される映像表示部と、
前記映像取得部が取得した映像を、左右方向に反転させて得られる映像である反転映像を、前記映像表示部に表示する表示制御部と、を備える映像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
さらに、前記車両の走行状態を表す信号を取得する走行状態取得部を備え、
前記表示制御部は、
前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記映像表示部に、前記反転映像を表示することが可能であり、
前記映像表示部に前記反転映像を表示している場合であって、前記車両が前記運転手によって走行中または前記運転手によって走行すべきであることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記反転映像を非表示にする、映像表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の映像表示装置であって、
前記表示制御部によって前記反転映像が非表示にされる前に、前記反転映像が非表示にされる旨を音声によって通知するための音声案内部を備える、映像表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の映像表示装置であって、
前記表示制御部は、前記映像表示部に表示、または非表示が可能なスイッチオン機能部であって、前記反転映像の表示をオンにする指示を入力するためのスイッチオン機能部を表示することができ、
前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記スイッチオン機能部を前記映像表示部に表示し、
前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得していない場合は、前記スイッチオン機能部を前記映像表示部に表示しない、映像表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
前記表示制御部は、前記車両の自動走行における制御を前記運転手の操作により一括で行うための自動走行操作部を、前記映像表示部に表示することができる、映像表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
さらに、前記車両の直進方向に位置し、かつ前記車両から最も近い、車両用の信号機の赤信号の残り時間を取得する残秒取得部を備え、
前記表示制御部は、前記残秒取得部が取得した赤信号の残り時間を表示するための残秒表示部を、前記映像表示部に表示することができる、映像表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
さらに、前記車両と同じ走行車線において、前記車両の前方に存在する最も近い他車両との間の距離を取得する他車距離取得部を備え、
前記表示制御部は、前記映像表示部に前記反転映像を表示している場合であって、前記他車距離取得部が、予め定められた距離を取得した場合に、前記反転映像を非表示にする、映像表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
前記表示制御部は、前記運転手によって操作されることにより前記反転映像を拡大または縮小して前記映像表示部に表示するためのサイズ変更部を、前記映像表示部に表示することができる、映像表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
前記表示制御部は、前記運転手によって操作されることにより地図を前記映像表示部に表示するための地図表示指示部を、前記映像表示部に表示することができる、映像表示装置。
【請求項10】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
さらに、前記運転手の音声を認識して、前記運転手の指示を読み取る音声認識部と、
前記音声認識部によって読み取られた指示に基づいて、前記車両の制御を行う音声系制御部と、を備える、映像表示装置。
【請求項11】
請求項1に記載の映像表示装置であって、
前記映像取得部として、複数の前記映像取得部を備え、
複数の前記映像取得部が取得した映像における、前記運転手の顔の、位置の変位量を大きくした映像を作成する位置変位作成部を備える、映像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のステアリング装置に設置された映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗員が身だしなみを整えるために、サンバイザーにミラーが取り付けられた車両が存在する。特許文献1には、車両のサンバイザーに、液晶ディスプレイと、カメラと、乗員の顔を認識する第一認識部と、カメラで撮影された映像の中の化粧用具を認識する第二認識部と、映像をディスプレイに拡大表示する拡大表示部と、を備える車両用表示装置が開示されている。第1認識部と第2認識部で検出された化粧箇所が、液晶ディスプレイにおいて拡大表示されることによって、車内におけるユーザの化粧の効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-48600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、乗員はサンバイザーに取り付けられた液晶ディスプレイを見ながら化粧をするために、顔を上向きにした姿勢を維持する必要があり、作業がしづらいおそれがある。また、通常の姿勢と異なる、顔を上向きにした姿勢によって、外部から化粧を行う乗員が見られる可能性が高くなり、乗員が快適に化粧を行えないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、映像表示装置が提供される。この映像表示装置は、車両のステアリング装置に設置された映像表示装置であって、運転手の映像を取得する映像取得部と、前記運転手と対向するように配置される映像表示部と、前記映像取得部が取得した映像を、左右方向に反転させて得られる映像である反転映像を、前記映像表示部に表示する表示制御部と、を備える。この形態の映像表示装置によれば、ステアリング装置に設置された映像表示装置の映像表示部に、運転手の反転映像が表示される。運転手は、顔を上向きにすることなく、化粧を行うことができる。運転手は顔を上向きに保つ必要がなく、化粧の作業効率が向上する。また、顔を上向きにして化粧を行う場合と比較して、運転手が外部から見られる可能性が低くなる。
(2)上記形態の映像表示装置において、さらに、前記車両の走行状態を表す信号を取得する走行状態取得部を備え、前記表示制御部は、前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記映像表示部に、前記反転映像を表示することが可能であり、前記映像表示部に前記反転映像を表示している場合であって、前記車両が前記運転手によって走行中または前記運転手によって走行すべきであることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記反転映像を非表示にしてもよい。この形態の映像表示装置によれば、車両が自動走行中または停車中の場合に反転映像の表示を可能とすることで、車両が自動走行中または停車中以外の場合に、運転手が化粧を始めることを防止することができる。
(3)上記形態の映像表示装置において、前記表示制御部によって前記反転映像が非表示にされる前に、前記反転映像が非表示にされる旨を音声によって通知するための音声案内部を備えてもよい。この形態の映像表示装置によれば、表示制御部が反転映像を非表示とする際に、事前に音声案内部によって非表示の旨が通知されることにより、反転映像の表示が突然、終了する態様と比較して、運転手が余裕をもって化粧を行うことができる。
(4)上記形態の映像表示装置において、前記表示制御部は、前記映像表示部に表示、または非表示が可能なスイッチオン機能部であって、前記反転映像の表示をオンにする指示を入力するためのスイッチオン機能部を表示することができ、前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得した場合に、前記スイッチオン機能部を前記映像表示部に表示し、前記車両が自動走行中または停車中であることを示す信号を、前記走行状態取得部が取得していない場合は、前記スイッチオン機能部を前記映像表示部に表示しなくてもよい。この形態の映像表示装置によれば、運転手が、反転映像の表示を、スイッチオン機能部を介して行うことができるため、運転手の、化粧をするタイミングの自由度が向上する。
(5)上記形態の映像表示装置において、前記表示制御部は、前記車両の自動走行における制御を前記運転手の操作により一括で行うための自動走行操作部を、前記映像表示部に表示することができてもよい。この形態の映像表示装置によれば、反転映像の表示の機能と自動走行の操作の機能を、映像表示装置に集約することができる。このため、これらの機能が異なる装置に分散されている態様と比較して、運転手の負担を減らすことができる。
(6)上記形態の映像表示装置において、さらに、前記車両の直進方向に位置し、かつ前記車両から最も近い、車両用の信号機の赤信号の残り時間を取得する残秒取得部を備え、前記表示制御部は、前記残秒取得部が取得した赤信号の残り時間を表示するための残秒表示部を、前記映像表示部に表示することができてもよい。この形態の映像表示装置によれば、赤信号の残り時間が表示されることで、運転手が、信号が青信号に変わったことに気づくことができる。そのため、運転手が後続車に迷惑をかける可能性を低減できる。
(7)上記形態の映像表示装置において、さらに、前記車両と同じ走行車線において、前記車両の前方に存在する最も近い他車両との間の距離を取得する他車距離取得部を備え、前記表示制御部は、前記映像表示部に前記反転映像を表示している場合であって、前記他車距離取得部が、予め定められた距離を取得した場合に、自動的に、前記反転映像を非表示にしてもよい。この形態の映像表示装置によれば、前方の他車両が予め定められた距離、離れた場合は、映像が非表示とされることで、運転手が後続車に迷惑をかける可能性を低減することができる。
(8)上記形態の映像表示装置において、前記表示制御部は、前記運転手によって操作されることにより前記反転映像を拡大または縮小して前記映像表示部に表示するためのサイズ変更部を、前記映像表示部に表示することができてもよい。この形態の映像表示装置によれば、映像を拡大または縮小することで、運転手が、化粧をしやすくなる。
(9)上記形態の映像表示装置において、前記表示制御部は、前記運転手によって操作されることにより地図を前記映像表示部に表示するための地図表示指示部を、前記映像表示部に表示することができてもよい。この形態の映像表示装置によれば、地図を表示する機能が、映像表示装置とは異なる装置に備えられている態様と比較して、運転手の視線の移動量が少なくなる。
(10)上記形態の映像表示装置において、さらに、前記運転手の音声を認識して、前記運転手の指示を読み取る音声認識部と、前記音声認識部によって読み取られた指示に基づいて、前記車両の制御を行う音声系制御部と、を備えてもよい。この形態の映像表示装置によれば、化粧中の運転手が、手によって映像表示部の操作を行う手間を省くことができる。
(11)上記形態の映像表示装置において、前記映像取得部として、複数の前記映像取得部を備え、複数の前記映像取得部が取得した映像における、前記運転手の顔の、位置の変位量を大きくした映像を作成する位置変位作成部を備えてもよい。この形態の映像表示装置によれば、運転手は、実際の顔の動きよりも大きく回転した顔の反転映像を確認することができるため、外部からの視線を気にする可能性を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の映像表示装置の概略模式図。
図2】車両内を表した図。
図3】処理部を説明するブロック図。
図4】車両の走行状態の一例を表す図。
図5】映像表示部の一例を説明する図。
図6】残秒表示部に赤信号の残り時間が表示された図。
図7】スイッチオン機能部が表示された図。
図8】映像表示部に先行車が発進した旨の表示がされたことを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A1.本実施形態の構成:
図1は、本実施形態の映像表示装置1の概略模式図である。本実施形態の映像表示装置1は、運転手DRの化粧の作業を補助する、車両WV内の装置である。図1において、ステアリング装置SDと映像表示装置1以外の車両WVの図示は省略している。図2は、車両WV内を表した図である。
【0009】
本実施形態の車両WVは、自動運転が可能である。図2に示すように、映像表示装置1は、車両WVのステアリング装置SDに、運転手DRと対向するように設置されている。映像表示装置1は、車両WVの、図示しない制御系と電気的に接続しており、信号を送受信することが可能である。また、映像表示装置1は、車両WVの外部から提供される無線ネットワークと接続している。本実施形態において、映像表示装置1は、タブレット端末である。図1に示すように、映像表示装置1は、3つの映像取得部10と、映像表示部20と、音声取得部30と、音声発生部40と、処理部50を備える。なお、図1において、処理部50の図示を省略している。
【0010】
映像取得部10は、運転手DRの映像を取得する。映像取得部10により取得された映像は、運転手DRが化粧を行う際や、車両WVの制御系が運転手DRの状態を監視する際に使用される。「運転手DRの状態を監視する」とは、運転手DRの体調や、脇見運転や、居眠り等を監視することをいう。本実施形態において、映像取得部10として、映像表示装置1に内蔵されたカメラが使用される。
【0011】
映像表示部20は、映像取得部10が取得した映像を、左右方向に反転させて得られる映像が表示される部分である。以下において、映像取得部10が取得した映像を、左右方向に反転させて得られる映像を、「反転映像」とよぶ。映像表示部20には、動画やSNS等のコンテンツや地図も表示される。また、映像表示部20には、運転手DRが映像表示装置1の操作や、車両WVの自動走行の際の操作を行うための機能部が表示される。機能部については後述する。図2に示すように、映像表示部20は、映像表示装置1の、運転手DRと対向する面に配置されている。映像表示部20は、超音波や、静電容量の変化を利用して運転手DRによる操作を検出するタッチセンサである。本実施形態において、映像表示部20として、液晶ディスプレイが使用される。
【0012】
音声取得部30は、運転手DRの音声を取得する。音声取得部30は、方向によって音声の取得の感度が異なる。音声取得部30は、運転手DRの方向から発せられた音声を感度良く取得することができる。本実施形態において、音声取得部30は、映像表示装置1に内蔵されるマイクである。音声発生部40は、運転手DRに通知を行うための音声を発する。例えば、音声発生部40は、反転映像が非表示となる旨の音声や、目的地までのナビゲーションの音声や、動画コンテンツの音声等を発する。反転映像が非表示となる旨の音声については後述する。
【0013】
図3は、処理部50を説明するブロック図である。処理部50は、映像表示装置1の種々の処理を実行する。処理部50は、CPUと、図示しないROMとRAMから構成されている。処理部50は、ROMに記憶されたプログラムを、RAM上に展開してCPUが実行することで、映像表示装置1の処理を実行する。
【0014】
処理部50のCPUは、表示制御部501と、映像変換部502と、走行状態取得部503と、自動走行制御部504と、残秒取得部505と、他車距離取得部506と、音声認識部507と、音声系制御部508と、音声送信部509と、位置変位作成部510として機能する。
【0015】
表示制御部501は、反転映像の表示または非表示を制御する。本実施形態において、表示制御部501は、車両WVが自動走行中または停車中であることを示す信号を、走行状態取得部503が取得した場合に、映像表示部20に、反転映像を表示する。表示制御部501は、映像表示部20に反転映像を表示している場合であって、車両WVが運転手DRによって走行中または運転手DRによって走行すべきであることを示す信号を、走行状態取得部503が取得した場合に、反転映像を非表示にする。運転手DRによって走行すべきである場合とは、例えば車両WVが自動走行を行っている場合において、自動走行が制限されている道路に進入する場合である。
【0016】
表示制御部501は、残秒取得部505が取得した赤信号の残り時間がゼロになった場合に、反転映像を非表示にする。表示制御部501は、映像表示部20に反転映像を表示している場合であって、他車距離取得部506が予め定められた距離を取得した場合に、反転映像を非表示にする。
【0017】
表示制御部501は、反転映像以外に、動画やSNS等のコンテンツや、地図を、映像表示部20に表示し、または非表示にする。また、表示制御部501は、運転手DRが映像表示装置1または車両WVの自動走行を操作するための画像を、映像表示部20に表示し、または非表示にする。運転手DRが映像表示装置1または車両WVの自動走行を操作するために、表示制御部501によって映像表示部20に表示される画像を、「機能部」とよぶ。本実施形態における機能部は、具体的には、図1に示す、反転映像表示部501aと、図1には不図示のスイッチオン機能部501bと、スイッチオフ機能部501cと、残秒表示部501dと、自動走行操作部501eと、サイズ変更部501fと、地図表示指示部501gである。図1における反転映像表示部501aないし地図表示指示部501gの表示は、一例である。
【0018】
反転映像表示部501aは、表示制御部501によって、映像表示部20に表示される枠状の機能部である。反転映像表示部501aの枠内には、表示制御部501によって、反転映像や、地図や、動画やSNS等のコンテンツが表示される。本実施形態において、反転映像表示部501aは、表示制御部501によって、映像表示部20の中央に表示される。運転手DRによって、反転映像表示部501aの枠がタッチされることで、反転映像表示部501aの枠の大きさが変更可能である。反転映像表示部501aは、表示制御部501によって、映像表示部20において、表示され、または非表示にされる。反転映像表示部501aの表示および非表示については後述する。
【0019】
スイッチオン機能部501bは、反転映像の表示をオンにする指示を入力するための機能部である。スイッチオン機能部501bが、運転手DRによってタッチされることで、反転映像の表示をオンにするための指示が映像表示装置1に入力され、表示制御部501が、反転映像を表示する。スイッチオン機能部501bは、表示制御部501によって、映像表示部20に表示、または非表示されることが可能である。なお、図1において、スイッチオン機能部501bが非表示の状態を表している。
【0020】
車両WVが自動走行中または停車中であることを示す信号を、走行状態取得部503が取得した場合は、表示制御部501によって、映像表示部20にスイッチオン機能部501bが表示される。スイッチオン機能部501bを、運転手DRがタッチすることにより、映像表示部20において、反転映像が表示される。反転映像が表示された後に、スイッチオン機能部501bは表示制御部501によって非表示にされる。車両WVが自動走行中または停車中であることを示す信号を、走行状態取得部503が取得していない場合は、表示制御部501によって、映像表示部20に、スイッチオン機能部501bが表示されない。
【0021】
本実施形態において、車両WVが自動走行中または停車中の場合に反転映像の表示を可能とすることで、車両WVが自動走行中または停車中以外の場合に、運転手DRが化粧を始めることを防止することができる。また、運転手DRが、反転映像の表示を、スイッチオン機能部501bを介して行うことができるため、運転手DRが化粧をしたくない場合は、映像表示部20に反転映像が表示されない。このように、運転手DRの、化粧をするタイミングの自由度が向上する。
【0022】
図1に示すスイッチオフ機能部501cは、反転映像の表示をオフにする指示を入力するための機能部である。スイッチオフ機能部501cは、表示制御部501によって、映像表示部20に表示、または非表示されることが可能である。
【0023】
スイッチオフ機能部501cが、運転手DRによってタッチされることで、反転映像の表示をオフにするための指示が映像表示装置1に入力され、表示制御部501が、反転映像を非表示にする。スイッチオフ機能部501cは、反転映像表示部501aに反転映像が表示されている場合に、表示制御部501によって、映像表示部20に表示される。
【0024】
映像表示部20に反転映像が表示されている場合は、表示制御部501によって、映像表示部20に、スイッチオフ機能部501cが表示される。映像表示部20に反転映像が表示されていない場合は、表示制御部501によって、スイッチオフ機能部501cが、映像表示部20に表示されない。
【0025】
残秒表示部501dは、車両WVの直進方向に位置し、かつ車両WVから最も近い、車両用の信号機の赤信号の残り時間を表示する機能部である。図1において、赤信号の残り時間を、残量で表している。なお、赤信号の残りの秒数を表してもよい。残秒表示部501dは、表示制御部501によって、映像表示部20に表示され、または非表示にされる。
【0026】
本実施形態において、赤信号の残り時間が表示されることで、運転手DRが、信号が青信号に変わったことに気づくことができる。そのため、運転手DRが後続車に迷惑をかける可能性を低減できる。また、運転手DRが、余裕をもって化粧を行うことができる。
【0027】
自動走行操作部501eは、車両WVの自動走行における制御を運転手DRの操作により一括で行うための機能部である。「一括で行う」とは、車両WVの自動走行における各種の制御の指示を、自動走行操作部501eを介して行うことをいう。本実施形態において、自動走行を開始する際に、運転手DRが自動走行操作部501eをタッチすることで、自動走行が開始される。また、自動走行中に、運転手DRが自動走行操作部501eをタッチすることで、自動走行が終了する。自動走行中は、表示制御部501によって、映像表示部20に、自動走行の速度や、制動等を制御するための機能部が表示される。本実施形態において、自動走行操作部501eは、表示制御部501によって、映像表示部20に表示されている。
【0028】
本実施形態において、自動走行操作部501eを備えることにより、映像表示装置1において、反転映像の表示の機能と自動走行の操作の機能を、映像表示装置1に集約することができる。このため、これらの機能が車両WV内の異なる装置に分散されている態様と比較して、運転手DRの負担を減らすことができる。
【0029】
サイズ変更部501fは、反転映像を拡大または縮小して、反転映像表示部501aに表示するための機能部である。サイズ変更部501fは、運転手DRによって操作される。本実施形態においては、運転手DRがサイズ変更部501fを1回タッチすると、反転映像が拡大される。また、運転手DRがサイズ変更部501fを2回タッチすると、反転映像が縮小される。本実施形態において、サイズ変更部501fによって、映像を拡大または縮小することで、運転手DRが、化粧がしやすくなる。
【0030】
地図表示指示部501gは、地図を反転映像表示部501aに表示するための機能部である。地図表示指示部501gは、運転手DRによって操作される。図示はしていないが、本実施形態において、反転映像表示部501aに、無線ネットワークから提供される地図が表示可能である。地図表示指示部501gを備えることにより、地図を表示する機能が、映像表示装置1とは異なる装置に備えられている態様と比較して、運転手DRの視線の移動量が少なくなる。
【0031】
図3に示す映像変換部502は、映像取得部10によって取得された映像を、左右方向に反転させて、反転映像を準備する。また、映像変換部502は、運転手DRによるサイズ変更部501fの操作または運転手DRの音声の指示による、反転映像の拡大または縮小の指示の信号を受信する。音声の指示については後述する。映像変換部502は、受信した信号に応じて、反転映像を拡大または縮小する。映像変換部502は、反転映像を反転映像表示部501aに渡す。
【0032】
走行状態取得部503は、車両WVの制御系から、車両WVの走行状態を表す信号を取得する。本実施形態における車両WVの走行状態を表す信号とは、車両WVが自動走行中であることを表す信号と、車両WVが停車中であることを表す信号と、車両WVが運転手DRによって走行中であることを表す信号と、車両WVが運転手DRによって走行されるべきであることを表す信号である。走行状態を表す信号を取得した走行状態取得部503は、表示制御部501に、車両WVの走行状態を通知する。
【0033】
自動走行制御部504は、自動走行操作部501eが運転手DRにタッチされることにより入力された自動走行の操作の指示を認識し、指示を示す信号を車両WVの制御系に送信する。運転手DRによって入力される操作の内容とは、自動運転の開始の操作や、自動運転の終了の操作や、自動運転中の車両WVの速度等である。
【0034】
残秒取得部505は、車両WVの直進方向に位置し、かつ車両WVから最も近い、車両用の信号機の赤信号の残り時間を取得する。具体的には、まず、車両WVの図示しない受信アンテナが、車両用の信号機の付近に設置されている無線アンテナから、赤信号の残り時間を示す信号を受信して、車両WVの制御系に信号を送信する。そして、残秒取得部505は、車両WVの制御系から、信号を受信することで、信号機の赤信号の残り時間を取得する。残秒取得部505は、取得した残り時間を、表示制御部501に通知する。そして、表示制御部501によって、残秒表示部501dに残り時間が表示される。
【0035】
他車距離取得部506は、車両WVと同じ走行車線において、車両WVの前方に存在する最も近い他車両との間の距離を取得する。具体的には、まず、車両WVに搭載されているミリ波レーダや、ソナーや、単眼カメラや、LIDARセンサ等の測距装置によって、他車両との間の距離が、取得される。他車距離取得部506は、他車両との間の距離を表す信号を、車両WVの制御系から受信することで、他車両との間の距離を取得する。他車距離取得部506は、映像表示部20に反転映像が表示されている場合であって、予め定められた距離を取得した場合に、表示制御部501にその旨を通知する。他車距離取得部506は、映像表示部20に反転映像が表示されていない場合は、予め定められた距離を取得した場合であっても、表示制御部501にその旨を通知しない。
【0036】
本実施形態において、前方の他車両が予め定められた距離、離れた場合は、映像が非表示とされることで、運転手DRが後続車に迷惑をかける可能性を低減することができる。
【0037】
音声認識部507は、音声取得部30によって取得された運転手DRの音声を認識して、運転手DRの指示を読み取る。運転手DRの指示とは、「反転映像を表示または非表示にする」や、「反転映像を拡大または縮小する」や、「動画を表示または非表示にする」や、「地図を表示または非表示にする」や、「自動運転を開始または終了する」等である。音声認識部507は、読み取った指示を音声系制御部508に通知する。
【0038】
音声系制御部508は、音声認識部507によって読み取られた指示に基づいて、車両WVの制御系を経由することで、車両WVの制御を行う。具体的には、音声系制御部508は、指示を音声認識部507から受け取り、指示に応じて、車両WVの制御の内容を示す信号を準備する。音声系制御部508は、車両WVの制御の内容を示す信号を、車両WVの制御系に送信する。このようにして、音声系制御部508は、車両WVの制御系を介して、車両WVの制御を行うことができる。
【0039】
本実施形態において、音声認識部507が運転手DRの音声を認識し、認識された音声に基づいて、音声系制御部508によって、車両WVの制御が行われることで、化粧中の運転手DRが、手によって車両WVの操作を行う手間を省くことができる。
【0040】
音声送信部509は、運転手DRに対し、種々のメッセージを通知するための音声データを音声発生部40に送信する。例えば、音声送信部509は、表示制御部501によって反転映像の表示が非表示にされる前に、反転映像が非表示にされる旨を通知するための音声データを音声発生部40に送信する。具体的には、音声送信部509は、表示制御部501から、反転映像を非表示とする旨の通知を受け取った場合に、音声データを音声発生部40に送信する。反転映像を非表示とする際に、事前に音声送信部509によって非表示の旨が通知されることにより、反転映像の表示が突然終了される態様と比較して、運転手DRが余裕をもって化粧を行うことができる。
【0041】
また、音声送信部509は、例えば残秒取得部505によって取得された赤信号の残り時間の音声データを音声発生部40に送信することができる。音声は、処理部50に予め記憶されている。音声発生部40と、音声送信部509を、あわせて「音声案内部」とよぶ。
【0042】
位置変位作成部510は、複数の映像取得部10が取得した映像における、運転手DRの顔の、位置の変位量を大きくした映像を作成する。例えば、運転手DRが顔を左側に向けた場合に、位置変位作成部510は、運転手DRがより左側に大きく顔を向けた反転映像を作成する。そして、その反転映像を、反転映像表示部501aに表示させる。運転手DRは、実際の顔の動きよりも大きく回転した顔の反転映像を確認することができるため、外部からの視線を気にする可能性を小さくすることができる。
【0043】
A2.本実施形態の映像表示装置を用いた化粧の説明:
図4は、車両WVの走行状態の一例を表す図である。図4のST1とST2とST3とST4のそれぞれは、それぞれ異なる時刻における車両WVの走行状態を表している。ST1、ST2、ST3、ST4の順に、時刻が経過している。図5は、映像表示部20の一例を説明する図である。
【0044】
本実施形態の映像表示装置1を用いた化粧について説明する。図4のST1において、運転手DRが手動によって車両WVを走行している状態を表している。ST1においては、運転手DRによって車両WVが走行されているため、表示制御部501によってスイッチオン機能部501bが映像表示部20に表示されない。そのため、ST1において、図5に示すように、映像表示部20に反転映像が表示されない。
【0045】
図6は、残秒表示部501dに赤信号の残り時間が表示された図である。図4のST2において、車両WVが赤信号で停車している状態を表している。ST2において、信号機の周囲に、無線ネットワークによって信号の残り時間を示す信号を送信する装置である路側装置WNが道路に設置されている。ST2において、残秒取得部505が、図示しない車両の無線アンテナを経由することで、赤信号の残り時間を路側装置WNから取得する。残秒取得部505は、表示制御部501に、残秒表示部501dに残り時間を表示させるように通知する。そして、図6に示すように、残秒表示部501dに、赤信号の残り時間が表示される。また、走行状態取得部503が、車両WVの制御系から車両WVが停車中であることを示す信号を受信することで、表示制御部501によって、スイッチオン機能部501bが映像表示部20に表示される。
【0046】
運転手DRが図6に示すスイッチオン機能部501bをタッチすることで、図1に示すように、映像表示部20に反転映像表示部501aが表示され、反転映像が表示される。その結果、運転手DRが化粧を行うことができる。この際に、表示制御部501によって、スイッチオン機能部501bが非表示にされ、スイッチオフ機能部501cが表示される。この際に、運転手DRの音声の指示に応じた音声系制御部508によって、または、運転手DRによってサイズ変更部501fがタッチされることによって、反転映像が拡大または縮小されることが可能である。
【0047】
図4のST2において、赤信号の残り時間がゼロに近づくと、音声案内部によって、反転映像の表示の終了が通知される。「ゼロに近づく」とは、予め定められた時間以内になることをいう。本実施形態において、予め定められた時間は、本実施形態において、赤信号の残り時間の5秒前である。そして、赤信号の残り時間がゼロになると、表示制御部501によって、反転映像が非表示にされる。
【0048】
図7は、スイッチオン機能部501bが表示された図である。図4のST3は、ST2とは異なる信号機において車両WVが停車した状態である。ST3において、無線ネットワークによって信号の残り時間を示す信号を送信する路側装置WNが、道路に設置されていない。また、ST3において、車両WVと、車両WVの前方の他車両OVとの間が、予め定められた距離である距離DT1、離れた状態を表している。
【0049】
まず、ST2の後であって、ST3までの間において、図7のように、表示制御部501によって、映像表示部20に、スイッチオン機能部501bが表示される。これにより、運転手DRが化粧を行うことができる。
【0050】
図8は、映像表示部20に先行車が発進した旨の表示がされたことを表す図である。次に、ST3において、他車距離取得部506によって、予め定められた距離が取得される。そして、車両WVが、前方の他車両OVと予め定められた距離DT1、離れていることを他車距離取得部506から通知された表示制御部501が、反転映像を非表示にする。この際に、図8のように、映像表示部20に、先行者が発進した旨の表示がなされる。
【0051】
また、ST3の状態となる直前に、車両WVに搭載された、ブレーキランプの点灯を検出する装置によって、前方の他車両OVのブレーキランプが消灯したことが検出されると、車両WVの制御系から、音声送信部509に、その旨の信号が送信される。そして、信号を受信した音声送信部509が音声発生部40に音声データを送信することで、音声発生部40によって、反転映像の表示の終了が通知される。
【0052】
なお、車両WVと前方の他車両OVとの間が、予め定められた距離DT1離れる前に、車両WVが運転手DRによって走行された場合は、走行状態取得部503が、車両WVが運転手DRによって走行中であることを示す信号を取得する。この場合、表示制御部501によって、反転映像が非表示にされる。
【0053】
図4のST4は、車両WVが自動走行中である状態を表している。運転手DRの音声に応じた音声系制御部508による制御、または運転手DRによって自動走行操作部501eがタッチされることにより、運転手DRの操作による走行から、自動走行に変更される。上述したように、車両WVが自動走行中であることを示す信号を、走行状態取得部503が取得した場合は、表示制御部501は、図7に示すように、映像表示部20にスイッチオン機能部501bを表示させる。運転手DRがスイッチオン機能部501bをタッチすることで、反転映像の表示をオンにする指示が入力される。これにより、反転映像が表示され、運転手DRが化粧を行うことができる。
【0054】
以上のように、本実施形態において、ステアリング装置SDに設置された映像表示装置1の映像表示部20に、運転手DRの反転映像が表示される。運転手DRは、顔を上向きにすることなく、化粧を行うことができる。運転手DRは顔を上向きに保つ必要がなく、化粧の作業効率が向上する。また、顔を上向きにして化粧を行う場合と比較して、運転手DRが外部から見られる可能性が低くなる。
【0055】
車両WVが衝突した際に、運転手DRを保護するエアバッグ装置は、車両WVのインストルメントパネル内や、運転席の足元や、ステアリング装置SDの、映像表示部20が配置されている面とは反対の面側に収容されている。映像表示部20の反対の面側に収容されている場合は、映像表示装置1が運転手DR側に傾いた後で、エアバッグ装置が起動する。
【0056】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態において、映像表示装置1は走行状態取得部503を備えていた。例えば常に反転映像が表示されている態様において、映像表示装置は、走行状態取得部を備えていなくてもよい。
【0057】
(B2)上記実施形態において、映像表示装置1は音声案内部を備えていた。映像表示装置は音声案内部を備えていなくてもよい。例えば、赤信号の残り時間がゼロに近づいた場合に、音声案内部による通知がなされずに、表示制御部によって反転映像が非表示にされてもよい。
【0058】
(B3)上記実施形態において、表示制御部によって、スイッチオン機能部501bや、スイッチオフ機能部501cが表示された。例えば音声認識部と音声系制御部と、を備え、運転手の音声により反転映像の表示を行う態様において、スイッチオン機能部と、スイッチオフ機能部が表示されなくてもよい。
【0059】
(B4)上記実施形態において、自動走行操作部501eを備えていた。例えば自動走行を行わない車両に映像表示装置が搭載されている態様において、映像表示装置は、自動走行操作部を備えていなくてもよい。
【0060】
(B5)上記実施形態において、残秒取得部505を備え、かつ、表示制御部501によって残秒表示部501dに赤信号の残り時間が表示されることで、信号機が青信号に変わったことを、運転手DRが気付くことができる。これにより、後続車に迷惑をかける可能性を低減することができる。例えば他車距離取得部が予め定められた距離を取得した場合に、表示制御部が反転映像を非表示にする態様において、映像表示装置は、残秒取得部を備えなくてもよく、残秒表示部に残り時間が表示されなくてもよい。また、上記実施形態において、予め定められた時間とは、赤信号の残り時間から5秒前である。予め定められた時間は、赤信号の残り時間の5秒前である。なお、予め定められた時間は、赤信号の残り時間の10秒や20秒前であってもよい。
【0061】
(B6)上記実施形態において、他車距離取得部を備えていた。例えば前方の他車両のブレーキランプの点灯を検出する装置を備え、前方の他車両のブレーキランプが消灯した場合に、音声案内部が車両を発進させるべき旨の通知を行う態様において、映像表装置は、他車距離取得部を備えていなくてもよい。
【0062】
(B7)上記実施形態において、表示制御部501によって、サイズ変更部501fと、地図表示指示部501gが表示される。例えば音声認識部によって、反転映像の拡大または縮小や、地図の操作の指示を認識し、音声系制御部によって反転映像の拡大または縮小や地図の操作が行われる態様において、表示制御部によって、サイズ変更部や、地図表示指示部が表示されてなくてもよい。また、サイズ変更部と、地図表示指示部のいずれか一方が表示されてもよい。
【0063】
(B8)上記実施形態において、音声認識部507と、音声系制御部508を備えており、化粧中の運転手DRが、手によって車両WVの操作を行う手間を省くことができる。例えば運転手が映像表示部を手によってタッチすることで、車両の操作を行う態様において、映像表示部は、音声認識部と、音声系制御部を備えていなくてもよい。
【0064】
(B9)上記実施形態において、位置変位作成部510を備えていた。なお、位置変位作成部を備えていなくてもよい。
【0065】
(B10)上記実施形態において、車両WVは、自動運転が可能である。なお、車両は、自動運転を行わず、運転手の操作によってのみ走行してもよい。
【0066】
(B11)上記実施形態において、映像表示装置1は、映像取得部10としてカメラを3つ備えている。なお、映像表示装置は、1つや、5つ等、3つとは異なる数の映像取得部を備えていてもよい。複数の映像取得部によって取得された複数の映像を、左右方向に反転させて得られた複数の反転映像のそれぞれが、映像表示部に並べられて表示されてもよい。
【0067】
(B12)上記実施形態において、映像取得部10は、映像表示装置1に内蔵されている。映像取得部が映像表示装置に接続することで、映像表示装置が映像取得部を備えてもよい。映像取得部は、運転手が操作することによって角度や位置が変更されてもよい。
【0068】
(B13)上記実施形態において、映像表示部20は液晶ディスプレイである。なお、映像表示部は、有機ELディスプレイや、プラズマディスプレイなど、他のディスプレイが用いられてもよい。
【0069】
(B14)上記実施形態において、音声取得部30は、映像表示装置1に内蔵されたマイクである。なお、音声取得部は、運転手によって装着されるマイクであってもよく、映像表示装置に音声を無線で送信してもよい。
【0070】
(B15)上記実施形態において、反転映像表示部501aは、映像表示部20の中央に表示される。反転映像表示部は、映像表示部の、上下左右のいずれかに寄った位置に配されていてもよい。また、例えば音声認識部によって運転手の指示が読み取られ、音声系制御部によって車両の制御が行われる態様において、反転映像表示部が、映像表示部の全てに重なるような大きさで配されていてもよい。
【0071】
(B16)上記実施形態において、反転映像表示部501aに、無線ネットワークから提供される地図が表示される。なお、予め映像表示装置に記憶されていた地図が、反転映像表示部に表示されてもよい。
【0072】
(B17)上記実施形態において、反転映像表示部501aの枠内に、地図や、動画やSNS等のコンテンツが表示される。なお、反転映像表示部以外の映像表示部の部分に、それらのコンテンツが表示されてもよい。
【0073】
(B18)上記実施形態において、運転手DRがサイズ変更部501fを1回タッチすると、反転映像が拡大される。また、運転手DRがサイズ変更部501fを2回タッチすると、反転映像が縮小される。なお、例えば運転手がサイズ変更部をスライドすると反転映像が拡大されるなど、異なる方法で操作されてもよい。
【0074】
(B19)映像表示装置は、さらに、監視部を備えていてもよい。映像取得部に取得された映像によって、運転手が脇見や居眠り運転をしていることを監視部が検出した場合は、車両の制御系に、自動運転への切り替えや、車両の停止を示す信号を送信する。映像取得部によって、運転手を監視することができるため、映像表示装置以外に運転手を監視する装置が備え付けられている態様と比較して、コストを低減することができる。
【0075】
(B20)上記実施形態において、図4のST1において、図5に示すように、映像表示部20に反転映像が表示されない。なお、例えばこの際に、地図が映像表示部に表示されてもよい。なお、図4のST2において、スイッチオン機能部501bが映像表示部20に表示されている場合は、表示制御部501によって地図が非表示にされる。
【0076】
(B21)図1と、図3ないし8の、映像表示部の表示は一例である。映像表示部の表示は、図に示した表示に限られない。
【0077】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1…映像表示装置、10…映像取得部、20…映像表示部、30…音声取得部、40…音声発生部、50…処理部、501…表示制御部、501a…反転映像表示部、501b…スイッチオン機能部、501c…スイッチオフ機能部、501d…残秒表示部、501e…自動走行操作部、501f…サイズ変更部、501g…地図表示指示部、502…映像変換部、503…走行状態取得部、504…自動走行制御部、505…残秒取得部、506…他車距離取得部、507…音声認識部、508…音声系制御部、509…音声送信部、510…位置変位作成部、DR…運転手、OV…他車両、SD…ステアリング装置、WN…路側装置、WV…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8