(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047132
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】会場提示システム及び会場提示方法
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20240329BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240329BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240329BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20240329BHJP
【FI】
G16H40/00
G09G5/00 510B
G06Q50/10
G06F16/909
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152579
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】片桐 麻友
【テーマコード(参考)】
5B175
5C182
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5B175GA04
5B175HA01
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB11
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA35
5C182BA75
5C182BC26
5L049CC11
5L099AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】献血者数を増加させ、献血によって確保できる血液量を増加させる、献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示システム及び会場提示方法を提供する。
【解決手段】会場提示システム10は、会場位置情報を記憶する記憶部(記憶装置46)と、ドナーの血液型の情報、ドナーが可能な献血種類の情報、範囲情報及びドナー位置情報を含むドナー情報60を取得する第1取得部38と、会場位置情報70及びドナー情報60に基づいて、ドナーの移動範囲又はドナーの現在位置から所定距離内にある献血会場を抽出する抽出部54と、抽出された各々の献血会場の会場状態情報72を取得する第2取得部52と、ドナー情報60及び会場状態情報72に基づいて、マッチ度を、献血会場毎に算出する算出部56と、ドナーとのマッチ度が所定値以上となる1以上の献血会場をドナーに提示する提示部40と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示システムであって、
複数の前記献血会場の各々の位置を示す会場位置情報を記憶する記憶部と、
前記ドナーの血液型の情報、前記ドナーが可能な献血種類の情報、前記ドナーの移動範囲に関する範囲情報及び前記ドナーの現在位置を示すドナー位置情報を含むドナー情報を取得する第1取得部と、
前記会場位置情報及び前記ドナー情報に基づいて、前記ドナーの前記移動範囲又は前記ドナーの前記現在位置から所定距離内にある前記献血会場を抽出する抽出部と、
抽出された各々の前記献血会場の状態を示す会場状態情報を取得する第2取得部と、
前記ドナー情報及び前記会場状態情報に基づいて、抽出された前記献血会場が前記ドナーに適合する度合いを示すマッチ度を、前記献血会場毎に算出する算出部と、
前記ドナーとの前記マッチ度が所定値以上となる1以上の前記献血会場を前記ドナーに提示する提示部と、
を備える、会場提示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の会場提示システムであって、
前記移動範囲は、前記ドナーの自宅の位置と、前記ドナーが通う場所の位置と、前記ドナーが利用する移動経路の位置とのうちの少なくとも1つを含む、
会場提示システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の会場提示システムであって、
前記算出部は、前記移動範囲から前記献血会場の位置までの距離が近いほど前記マッチ度を高くし、前記移動範囲から前記献血会場の位置までの距離が遠いほど前記マッチ度を低くする、
会場提示システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の会場提示システムであって、
前記会場状態情報は、要求される献血種類の情報を含み、
前記算出部は、前記ドナーが可能な献血種類と要求される献血種類とが一致する場合に前記マッチ度を高くし、前記ドナーが可能な献血種類と要求される献血種類とが一致しない場合に前記マッチ度を低くする、
会場提示システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の会場提示システムであって、
前記会場状態情報は、前記献血会場の混雑度の情報を含み、
前記算出部は、前記混雑度が低いほど前記マッチ度を高くし、前記混雑度が高いほど前記マッチ度を低くする、
会場提示システム。
【請求項6】
献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示方法であって、
1以上のコンピュータは、
複数の前記献血会場の各々の位置を示す会場位置情報を記憶する記憶部と、
1以上のプロセッサと、
備え、
1以上の前記プロセッサは、
前記ドナーの血液型の情報、前記ドナーが可能な献血種類の情報、前記ドナーの移動範囲に関する範囲情報及び前記ドナーの現在位置を示すドナー位置情報を含むドナー情報を取得する工程と、
前記会場位置情報及び前記ドナー情報に基づいて、前記ドナーの前記移動範囲又は前記ドナーの前記現在位置から所定距離内にある前記献血会場を抽出する工程と、
抽出された各々の前記献血会場の状態を示す会場状態情報を取得する工程と、
前記ドナー情報及び前記会場状態情報に基づいて、抽出された前記献血会場が前記ドナーに適合する度合いを示すマッチ度を、前記献血会場毎に算出する工程と、
前記ドナーとの前記マッチ度が所定値以上となる1以上の前記献血会場を前記ドナーに提示する工程と、
を実行する、会場提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示システム及び会場提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの所在地に応じて、必要かつ十分な献血会場を、移動の便がよい会場から優先的に表示することにより、ユーザの負担を抑えつつ、最適な会場を提示する技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年は献血者数が減少している。献血によって集められる血液量が減少すると、血液製剤の安定供給に支障をきたす虞がある。このため、多くのドナーを集めることが望まれる。その一つの手段として、献血希望者が献血会場を訪れやすくすることが考えられる。
【0005】
本発明は上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1の態様は、献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示システムであって、複数の前記献血会場の各々の位置を示す会場位置情報を記憶する記憶部と、前記ドナーの血液型の情報、前記ドナーが可能な献血種類の情報、前記ドナーの移動範囲に関する範囲情報及び前記ドナーの現在位置を示すドナー位置情報を含むドナー情報を取得する第1取得部と、前記会場位置情報及び前記ドナー情報に基づいて、前記ドナーの前移動範囲又は前記ドナーの前現在位置から所定距離内にある前記献血会場を抽出する抽出部と、抽出された各々の前記献血会場の状態を示す会場状態情報を取得する第2取得部と、前記ドナー情報及び前記会場状態情報に基づいて、抽出された前記献血会場が前記ドナーに適合する度合いを示すマッチ度を、前記献血会場毎に算出する算出部と、前記ドナーとの前記マッチ度が所定値以上となる1以上の前記献血会場を前記ドナーに提示する提示部と、を備える。
【0007】
第1の態様によれば、ドナーは、自分に適した献血会場を知ることができる。このため、ドナーが献血会場を訪れやすくなる。これにより、献血者数を増加させることができる。従って、第1の態様によれば、献血によって確保できる血液量を増加させることができる。
【0008】
(2)上記項目(1)に記載の会場提示システムにおいて、前記移動範囲は、前記ドナーの自宅の位置と、前記ドナーが通う場所の位置と、前記ドナーが利用する移動経路の位置とのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0009】
(3)上記項目(1)又は(2)に記載の会場提示システムにおいて、前記算出部は、前記移動範囲から前記献血会場の位置までの距離が近いほど前記マッチ度を高くし、前記移動範囲から前記献血会場の位置までの距離が遠いほど前記マッチ度を低くすることが好ましい。
【0010】
(4)上記項目(1)又は(2)に記載の会場提示システムにおいて、前記会場状態情報は、要求される献血種類の情報を含み、前記算出部は、前記ドナーが可能な献血種類と要求される献血種類とが一致する場合に前記マッチ度を高くし、前記ドナーが可能な献血種類と要求される献血種類とが一致しない場合に前記マッチ度を低くすることが好ましい。
【0011】
(5)上記項目(1)又は(2)に記載の会場提示システムにおいて、前記会場状態情報は、前記献血会場の混雑度の情報を含み、前記算出部は、前記混雑度が低いほど前記マッチ度を高くし、前記混雑度が高いほど前記マッチ度を低くすることが好ましい。
【0012】
(6)本発明の第2の態様は、献血のドナーに最適な献血会場を提示する会場提示方法であって、1以上のコンピュータは、複数の前記献血会場の各々の位置を示す会場位置情報を記憶する記憶部と、1以上のプロセッサと、備え、1以上の前記プロセッサは、前記ドナーの血液型の情報、前記ドナーが可能な献血種類の情報、前記ドナーの移動範囲に関する範囲情報及び前記ドナーの現在位置を示すドナー位置情報を含むドナー情報を取得する工程と、前記会場位置情報及び前記ドナー情報に基づいて、前記ドナーの前記移動範囲又は前記ドナーの前記現在位置から所定距離内にある前記献血会場を抽出する工程と、抽出された各々の前記献血会場の状態を示す会場状態情報を取得する工程と、前記ドナー情報及び前記会場状態情報に基づいて、抽出された前記献血会場が前記ドナーに適合する度合いを示すマッチ度を、前記献血会場毎に算出する工程と、前記ドナーとの前記マッチ度が所定値以上となる1以上の前記献血会場を前記ドナーに提示する工程と、を実行する。
【0013】
第2の態様によれば、第1の態様と同じ効果が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、献血者数を増加させることができ、献血によって確保できる血液量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る会場提示システムの構成図である。
【
図2】
図2Aは、ドナー情報に含まれる各々の情報を示す図である。
図2Bは、会場情報に含まれる各々の情報を示す図である。
図2Cは、会場状態情報に含まれる各々の情報を示す図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る会場提示システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
[1 会場提示システム10の構成]
図1は、第1実施形態に係る会場提示システム10の構成図である。本明細書で「ドナー」というのは、献血希望者を意味する。
【0017】
会場提示システム10は、ドナー端末12と、管理装置14と、複数の会場端末16とを備える。ドナー端末12と管理装置14と各々の会場端末16とは、通信ネットワーク18を介して互いに通信可能に接続される。通信ネットワーク18は、例えばインターネットである。
【0018】
[1-1 ドナー端末12の構成]
ドナー端末12は、ドナーが有するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の端末装置である。ドナー端末12は、入力装置22、演算装置24、記憶装置26、測位装置28、通信装置30、報知装置32等を有する。
【0019】
入力装置22は、ドナーがドナー端末12に情報を入力するために使用されるHMI(ヒューマンマシンインターフェース)である。入力装置22は、タッチセンサ、キーボード、マウス、音声入力装置等である。
【0020】
演算装置24は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサであってもよい。処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路であってもよい。プロセッサは、不揮発性メモリに記憶されるプログラムを実行することによって各種の処理を実行可能である。例えば、プロセッサは、制御部36、第1取得部38及び提示部40として機能する。
【0021】
制御部36は、ドナー端末12の動作を制御する。第1取得部38は、入力装置22、測位装置28、管理装置14等から各種の情報を取得する。例えば、第1取得部38は、入力装置22からドナー情報60の一部を取得する。また、第1取得部38は、測位装置28からドナー情報60の一部を取得する。提示部40は、報知装置32を介してドナーに各種の情報を提示する。
【0022】
記憶装置26は、各種メモリ(揮発性メモリ、不揮発性メモリ等)を有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用される。揮発性メモリは、処理又は演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用される。不揮発性メモリは、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。不揮発性メモリは、献血事業体が提供する会場提示サービスを受けるためのアプリケーションソフトウェアを記憶する。
【0023】
測位装置28は、ドナー端末12の位置を測定する。測位装置28は、衛星航法と慣性航法の少なくも一方を行うための各種装置を有する。例えば、測位装置28は、GNSS受信機、3軸の加速度センサ等を有する。
【0024】
通信装置30は、通信ネットワーク18を介して管理装置14及び会場端末16と通信を行うための通信モジュールである。
【0025】
報知装置32は、ドナー端末12がユーザに情報を報知するために使用されるHMIである。報知装置32は、ディスプレイを含む表示装置、スピーカを含む音響装置等を有する。なお、ディスプレイは、タッチセンサとディスプレイとが一体となったタッチパネルでもよい。
【0026】
[1-2 管理装置14の構成]
管理装置14は、サーバ等のコンピュータである。管理装置14は、演算装置44、記憶装置46、通信装置48等を有する。
【0027】
演算装置44は、処理回路を有する。処理回路は、CPU等のプロセッサであってもよい。処理回路は、ASIC、FPGA等の集積回路であってもよい。プロセッサは、不揮発性メモリに記憶されるプログラムを実行することによって各種の処理を実行可能である。例えば、プロセッサは、制御部50、第2取得部52、抽出部54及び算出部56として機能する。
【0028】
制御部50は、管理装置14の動作を制御する。第2取得部52は、ドナー端末12、会場端末16等から各種の情報を取得する。抽出部54は、複数の献血会場の中からドナーの位置に近い献血会場を抽出する。算出部56は、抽出された献血会場がドナーに適合する度合いを示すマッチ度を、献血会場毎に算出する。
【0029】
記憶装置46は、各種メモリ(揮発性メモリ、不揮発性メモリ等)を有する。揮発性メモリとしては、例えばRAM等が挙げられる。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用される。揮発性メモリは、処理又は演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられる。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用される。不揮発性メモリは、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。不揮発性メモリは、各種の所定値を記憶する。不揮発性メモリは、下記[2]で説明する会場情報68を記憶する。また、不揮発性メモリは、各種の所定値を記憶する。
【0030】
通信装置48は、通信ネットワーク18を介してドナー端末12及び会場端末16と通信を行うための通信モジュールである。
【0031】
[1-3 会場端末16の構成]
会場端末16は、各々の献血会場に設けられるパーソナルコンピュータ等の端末装置である。会場端末16は、いずれも図示しない入力装置、CPU、各種メモリ、通信モジュール、表示装置等を有する。
【0032】
[2 各種情報]
図1で示されるように、ドナー端末12は、管理装置14にドナー情報60を送信する。
図2Aは、ドナー情報60に含まれる各々の情報を示す図である。ドナー情報60は、ドナーが入力装置22を操作して入力する複数の情報を含む。ドナー情報60は、例えば、年齢、性別、体重、血液型、可能な献血種類、移動範囲、現在位置等の情報を含む。可能な献血種類は、ドナーが可能の献血種類を示す情報であり、全血献血と成分献血のいずれか一方又は両方を示す。移動範囲は、献血日にドナーが移動する範囲を示す。移動範囲に関する各々の情報をまとめて範囲情報62という。範囲情報62は、第1所在地、第2所在地、第1所在地と第2所在地との間の移動経路、第1所在地と第2所在地との間の移動手段等の情報を含む。第1所在地は、自宅の所在地(住所)である。第2所在地は、ドナーが通う場所(勤務地又は学校等)の所在地である。現在位置は、ドナー端末12の位置、すなわちドナーの位置である。この情報をドナー位置情報64という。ドナー位置情報64は、測位装置28から取得される。
【0033】
図1で示されるように、管理装置14の記憶装置46は、会場情報68を記憶する。
図2Bは、会場情報68に含まれる各々の情報を示す図である。会場情報68は、データベース化されている。会場情報68は、例えば、会場名称、所在地等の情報を含む。所在地を会場位置情報70という。
【0034】
図1で示されるように、会場端末16は、管理装置14からのリクエストに応じて、管理装置14に会場状態情報72を送信する。
図2Cは、会場状態情報72に含まれる各々の情報を示す図である。会場状態情報72は、会場端末16が設けられる献血会場に関する各々の情報、及び、その献血会場における献血の実施状況を示す各々の情報を含む。会場状態情報72は、例えば、会場名称、所在地、地域、駐車場、混雑度、不足している血液型、不足している種類等の情報を含む。地域は、献血会場の所在地が市街地か郊外かを示す。駐車場は、駐車場の有無を示す。混雑度は、献血会場の混雑状況に応じたランクを示す。不足している種類は、全血献血と成分献血のいずれか一方又は両方である。なお、混雑度、不足している血液型及び不足している種類の各々の情報は、献血会場の作業員が手動で入力してもよいし、専用の装置、センサ等が自動入力してもよい。
【0035】
[3 会場提示処理]
図3は、会場提示処理の処理フローである。会場提示システム10は、ドナーが献血したい会場を探すタイミングで使用される。献血会場を探すドナーは、会場提示サービスのアプリケーションソフトウェアを起動する。すると、提示部40は、報知装置32のディスプレイに会場提示サービスを受けるために必要な情報を入力する画面を表示させる。ドナーは、入力装置22を操作することによって、必要な情報を入力したうえで、
図3で示される会場選定処理を開始させる。
【0036】
ステップS1において、ドナー端末12の第1取得部38は、入力装置22からドナー情報60(ドナー位置情報64を除く)を取得する。更に、第1取得部38は、測位装置28からドナー位置情報64を取得する。これにより、ドナー情報60の各々の情報が取得される。ドナー端末12の制御部36は、ドナー情報60を管理装置14に送信する。ドナー情報60は、通信装置30から管理装置14に送信される。管理装置14の第2取得部52は、ドナー端末12からドナー情報60を取得する。
【0037】
ステップS2において、管理装置14の抽出部54は、ドナーの位置に近い1以上の献血会場を抽出する。抽出部54は、ドナーの位置に近い献血会場を抽出するために、ドナーの位置を中心とした所定距離内の範囲を設定する。この範囲を「抽出範囲」と称する。所定距離は、予め記憶装置46に記憶される。なお、抽出範囲の大きさは、市街地と郊外とで異なってもよい。この場合、郊外の抽出範囲の方が市街地の抽出範囲より広くてもよい。
【0038】
抽出部54は、ドナーの位置として、ドナー情報60に含まれる範囲情報62及びドナー位置情報64を使用する。すなわち、抽出部54は、第1所在地を中心とした抽出範囲を設定する。また、抽出部54は、第2所在地を中心とした抽出範囲を設定する。また、抽出部54は、移動手段が鉄道であるドナーに関しては、乗車駅、降車駅、乗換駅の少なくとも1つを中心とした抽出範囲を設定する。また、抽出部54は、移動手段が車であるドナーに関しては、移動経路上の各点を中心とした抽出範囲を設定する。また、抽出部54は、現在位置を中心とした抽出範囲を設定する。抽出部54は、各々の抽出範囲と、各々の献血会場の位置、すなわち会場位置情報70の所在地とを比較する。このようにして、抽出部54は、いずれかの抽出範囲内に位置する献血会場を抽出する。
【0039】
ステップS3において、管理装置14の制御部50は、ステップS2で抽出された献血会場の会場端末16にリクエストを送信する。リクエストは、通信装置48から各々の会場端末16に送信される。各々の会場端末16は、リクエストに応じて、管理装置14に最新の会場状態情報72を送信する。これにより、管理装置14の第2取得部52は、抽出された献血会場の会場端末16から会場状態情報72を取得する。
【0040】
ステップS4において、管理装置14の算出部56は、献血会場毎にマッチ度を算出する。上述したように、マッチ度は、抽出された献血会場がドナーに適合する度合いを示す。ドナーとのマッチ度が高い献血会場は、ドナーの要望に見合っている可能性が高い。算出部56は、ドナー情報60及び会場状態情報72に基づいて、マッチ度を、献血会場毎に算出する。
【0041】
例えば、算出部56は、ドナー情報60の「血液型」と、会場状態情報72の「不足している血液型」とを比較する。血液型が不足している血液型に含まれる場合、算出部56はマッチ度を高くする。一方、血液型が不足している血液型に含まれ場合、算出部56はマッチ度を低くする。
【0042】
例えば、算出部56は、ドナー情報60の「可能な献血種類」と、会場状態情報72の「不足している種類」とを比較する。可能な献血種類が不足している種類に含まれる場合、算出部56はマッチ度を高くする。一方、可能な献血種類が不足している種類に含まれない場合、算出部56はマッチ度を低くする。
【0043】
例えば、算出部56は、会場状態情報72の混雑度に応じてマッチ度を判定する。算出部56は、献血会場が空いているほどマッチ度を高くする。一方、算出部56は、献血会場が混雑しているほどマッチ度を低くする。
【0044】
例えば、算出部56は、範囲情報62の「第1所在地」と会場状態情報72の「所在地」との離間距離を算出する。算出部56は、算出された離間距離に応じてマッチ度を判定する。算出部56は、離間距離が小さくなるほどマッチ度を高くする。一方、算出部56は、離間距離が大きくなるほどマッチ度を低くする。算出部56は、範囲情報62の「第2所在地」、「移動経路」及びドナー情報60の「現在位置」に関しても「第1所在地」と同様にしてマッチ度を算出する。なお、ドナーの移動手段が鉄道である場合、算出部56は、乗車駅、降車駅、乗換駅の少なくとも1つと献血会場の所在地との離間距離を算出する。
【0045】
例えば、算出部56は、範囲情報62の「移動手段」と、会場状態情報72の「地域」とを参照する。ドナーの移動手段が鉄道又はバスであり、献血会場が市街地である場合、算出部56はマッチ度を高くする。一方、ドナーの移動手段が鉄道又はバスであり、献血会場が郊外である場合、算出部56はマッチ度を低くする。また、ドナーの移動手段が車であり、献血会場が郊外である場合、算出部56はマッチ度を高くする。一方、ドナーの移動手段が車であり、献血会場が市街地である場合、算出部56はマッチ度を低くする。なお、ドナーの移動手段が車であり、献血会場に駐車場がある場合、算出部56はマッチ度をより高くする。
【0046】
以上のようにして、算出部56は、複数のマッチ度を算出する。更に、算出部56は、各々のマッチ度を合算し、その献血会場のマッチ度とする。管理装置14の制御部50は、各々の献血会場に関するマッチ度情報74をドナー端末12に送信する。マッチ度情報74は、会場状態情報72に含まれる各々の情報に加えて、献血会場に関して算出されたマッチ度の情報を含む。マッチ度情報74は、通信装置48からドナー端末12に送信される。ドナー端末12の第1取得部38は、管理装置14からマッチ度情報74を取得する。
【0047】
ステップS5において、ドナー端末12の提示部40は、マッチ度情報74に含まれる各々の献血会場のマッチ度に基づいて1以上の献血会場を選定する。例えば、提示部40は、マッチ度が最上位の献血会場を選定してもよいし、マッチ度が所定値以上となる献血会場を選定してもよい。更に、提示部40は、選定された献血会場をドナーに提示する。提示部40は、献血会場の名称、所在地、献血の実施状況等の情報を、報知装置32により報知する。
【0048】
ステップS5が終了すると、会場提示処理は終了する。以上の処理により、ドナーは、自分に適した献血会場を知ることができる。このため、ドナーが献血会場を訪れやすくなる。これにより、献血者数を増加させることができる。従って、第1実施形態によれば、献血によって確保できる血液量を増加させることができる。
【0049】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る会場提示システム10の構成図である。
図4で示されるように、ドナー端末12の演算装置24は、第1実施形態における管理装置14の演算装置44の一部機能(第2取得部52、抽出部54及び算出部56)を有してもよい。
【0050】
第2実施形態において、演算装置24は、
図3で示されるステップS1~ステップS5の処理を行う。但し、ステップS2において、第1取得部38は、管理装置14から会場情報68を取得する。抽出部54は、設定された各々の抽出範囲と、取得された会場情報68の会場位置情報70の所在地とを比較する。
【0051】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0052】
10…会場提示システム 24、44…演算装置(プロセッサ)
38…第1取得部 40…提示部
46…記憶装置(記憶部) 52…第2取得部
54…抽出部 56…算出部
60…ドナー情報 62…範囲情報
64…ドナー位置情報 70…会場位置情報
72…会場状態情報