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特開2024-47134制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047134
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240329BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20240329BHJP
   E05B 77/22 20140101ALI20240329BHJP
【FI】
B60R16/02 630J
B60J5/00 H
E05B77/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152581
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚文
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250HH01
2E250JJ25
2E250KK02
2E250LL01
2E250MM03
(57)【要約】
【課題】スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図る。
【解決手段】入力インタフェース11は、第一スイッチ31の操作に基づいて生成される第一信号S1を受け付ける。プロセッサ12は、入力インタフェース11が第一信号S1を受け付けると、被制御装置41に開閉体42の開放を許容させる。入力インタフェース11は、表示装置に表示された第二スイッチ32に対する開閉体42の開放を禁止するための操作入力に基づいて生成される第二信号S2を受け付け可能である。第二信号S2の受け付け後に入力インタフェース11が第一信号S1を受け付けた場合、プロセッサ12は、被制御装置41に開閉体42を開かせないようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一スイッチの操作に基づいて生成される第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させるプロセッサと、
を備えており、
前記インタフェースは、表示装置に表示された第二スイッチに対する前記開閉体の開放を禁止するための操作入力に基づいて生成される第二信号を受け付け可能であり、
前記第二信号の受け付け後に前記インタフェースが前記第一信号を受け付けた場合、前記プロセッサは、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする、
制御装置。
【請求項2】
第一スイッチの操作または第二スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させるプロセッサと、
を備えており、
前記インタフェースは、前記開閉体の開放を禁止するための前記第二スイッチの第二操作に基づいて生成される第二信号を受け付け可能であり、
前記第二信号の受け付け後に前記インタフェースが前記第一信号を受け付けた場合、前記プロセッサは、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする、
制御装置。
【請求項3】
前記開閉体と前記被制御装置は、複数の座席を有する移動体に搭載されており、
前記開閉体と前記第一スイッチは、第一の座席に対応付けられており、
前記第二スイッチの操作は、前記第一の座席と異なる第二の座席において行なわれる、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させ、
表示装置に表示された第二スイッチに対する前記開閉体の開放を禁止するための操作入力に基づいて生成される第二信号を受け付け、
前記第二信号の受け付け後に前記第一信号を受け付けた場合、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする、
コンピュータプログラム。
【請求項5】
制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの操作または第二スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させ、
前記開閉体の開放を禁止するための前記第二スイッチの第二操作に基づいて生成される第二信号を受け付け、
前記第二信号の受け付け後に前記第一信号を受け付けた場合、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチに入力される操作に基づいて開閉体の動作制御を行なう制御装置に関連する。本開示は、当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両に搭載されるチャイルドロック機構を備えたドアロック装置を開示している。当該装置は、例えば後部座席ドアに搭載され、ロック位置とアンロック位置を切り替えることが可能なレバーを備えている。当該レバーをロック位置へ変位させることにより、車室内からドアハンドルを操作してもドアが開かないようにできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-036242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される第一の態様例は、制御装置であって、
第一スイッチの操作に基づいて生成される第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させるプロセッサと、
を備えており、
前記インタフェースは、表示装置に表示された第二スイッチに対する前記開閉体の開放を禁止するための操作入力に基づいて生成される第二信号を受け付け可能であり、
前記第二信号の受け付け後に前記インタフェースが前記第一信号を受け付けた場合、前記プロセッサは、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする。
【0006】
本開示により提供される第二の態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させ、
表示装置に表示された第二スイッチに対する前記開閉体の開放を禁止するための操作入力に基づいて生成される第二信号を受け付け、
前記第二信号の受け付け後に前記第一信号を受け付けた場合、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする。
【0007】
第一態様例と第二態様例に係る構成においては、表示装置に表示された第二スイッチに対する操作を通じて所望の開閉体を開かせないようにする遠隔ロック機能を、被制御装置が本来的に備えている開閉体の開閉制御を行なうための構成を利用して発現させることができる。換言すると、新たな制御信号の生成機能や伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第二信号は、表示装置に表示される画像により生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第二信号を生成するために確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【0008】
本開示により提供される第三の態様例は、制御装置であって、
第一スイッチの操作または第二スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させるプロセッサと、
を備えており、
前記インタフェースは、前記開閉体の開放を禁止するための前記第二スイッチの第二操作に基づいて生成される第二信号を受け付け可能であり、
前記第二信号の受け付け後に前記インタフェースが前記第一信号を受け付けた場合、前記プロセッサは、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする。
【0009】
本開示により提供される第四の態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの操作または第二スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、被制御装置に開閉体の開放を許容させ、
前記開閉体の開放を禁止するための前記第二スイッチの第二操作に基づいて生成される第二信号を受け付け、
前記第二信号の受け付け後に前記第一信号を受け付けた場合、前記被制御装置に前記開閉体を開かせないようにする。
【0010】
第三態様例と第四態様例に係る構成によれば、制御装置から被制御装置へ出力される制御信号の出力態様を変更することによって開閉体を開かせないようにする遠隔ロック機能を発現させることができる。すなわち、当該機能を有していない既存の第二スイッチの物理的な構成を変更したり、新たな制御信号の生成機能や伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第二信号は、既存の第二スイッチより生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第二信号を生成するために新たに確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る制御装置の機能構成を例示している。
図2図1の装置が搭載される車両を例示している。
図3図2の車両の車室を例示している。
図4図3の表示装置に表示されるスイッチ画像を例示している。
図5図2の車両に搭載されるスイッチの構成を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0013】
図1は、一実施形態に係る制御装置10の機能構成を例示している。制御装置10は、図2に例示される車両20における適宜の位置に搭載される。
【0014】
図1に例示されるように、制御装置10は、入力インタフェース11を備えている。入力インタフェース11は、車両20に搭載された第一スイッチ31から出力される第一信号S1を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。
【0015】
第一信号S1は、第一スイッチ31の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第一信号S1がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0016】
制御装置10は、プロセッサ12と出力インタフェース13を備えている。プロセッサ12は、入力インタフェース11が第一信号S1を受け付けると、被制御装置41に開閉体42の開放を許容する制御信号CTを、出力インタフェース13から出力するように構成されている。
【0017】
被制御装置41の例としては、施解錠装置や自動開閉機構が挙げられる。開閉体42の例としては、車両20に搭載されたドア、窓、サンルーフ、ボンネット、トランク、給油口などが挙げられる。開閉体の変位は、ヒンジ方式であってもよいし、スライド方式であってもよい。
【0018】
被制御装置41が施解錠装置である場合、制御信号CTは、施錠状態にある開閉体42を解錠状態とするように施解錠装置を動作させるように構成される。被制御装置41が自動開閉機構である場合、制御信号CTは、開閉体42を開くように自動開閉機構を動作させるように構成される。
【0019】
出力インタフェース13は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。制御信号CTは、デジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。制御信号CTがアナログ信号である場合、出力インタフェース13は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0020】
入力インタフェース11は、車両20に搭載された第二スイッチ32から出力される第二信号S2を受け付けるハードウェアインタフェースとしても構成されている。第二信号S2は、開閉体42の開放を禁止する意図でなされる指示に基づいて生成される信号である。
【0021】
第二信号S2は、第二スイッチ32の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第二信号S2がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0022】
プロセッサ12は、入力インタフェース11が第二信号S2を受け付けた後に第一信号S1を受け付けると、被制御装置41に開閉体42を開かせないように出力インタフェース13からの制御信号CTの出力態様を変化させるように構成されている。
【0023】
例えば、被制御装置41が施解錠装置である場合、プロセッサ12は、施解錠装置に開閉体42を施錠状態から解錠状態へ遷移させる制御信号CTの出力を禁止する。あるいは、プロセッサ12は、施解錠装置に開閉体42の解錠状態を強制的に施錠状態に遷移させる制御信号CTを、出力インタフェース13から出力する。
【0024】
被制御装置41が自動開閉機構である場合、プロセッサ12は、自動開閉機構に開閉体42を開かせる制御信号CTの出力を禁止する。あるいは、自動開閉機構に開閉体42を開かせる制御信号CTの出力が既に開始されている場合、プロセッサ12は、その出力を中止するとともに、自動開閉機構に開閉体42を閉じさせる制御信号CTを、出力インタフェース13から出力する。
【0025】
すなわち、本明細書における「開閉体を開かせない」という表現は、予め開閉体が開かないようにしておく措置だけでなく、最終的に開閉体が開いている状態に至らないようにする措置を含む意味である。
【0026】
図2に例示されるように、車両20は、複数の座席を備えている。複数の座席は、右前座席211、左前座席221、右後座席231、および左後座席241を含んでいる。
【0027】
右前座席211は、車両20の右前部に設置されている。本明細書においては、「車両20の右部」という表現は、車両20の左右方向における中央よりも右方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の前部」という表現は、車両20の前後方向における中央よりも前方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の右前部」という表現は、車両20の右部でありかつ前部である部分を意味する。ある要素が「車両20の右前部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の右前部に設置されていることを意味する。
【0028】
左前座席221は、車両20の左前部に設置されている。本明細書においては、「車両20の左部」という表現は、車両20の左右方向における中央よりも左方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の左前部」という表現は、車両20の左部でありかつ前部である部分を意味する。ある要素が「車両20の左前部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の左前部に設置されていることを意味する。
【0029】
右後座席231は、車両20の右後部に設置されている。本明細書においては、「車両20の後部」という表現は、車両20の前後方向における中央よりも後方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の右後部」という表現は、車両20の右部でありかつ後部である部分を意味する。ある要素が「車両20の右後部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の右後部に設置されていることを意味する。
【0030】
左後座席241は、車両20の左後部に設置されている。本明細書においては、「車両20の左後部」という表現は、車両20の左部でありかつ後部である部分を意味する。ある要素が「車両20の左後部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の左後部に設置されていることを意味する。
【0031】
本例においては、車両20の運転者は、右前座席211に着座する。車両20は、右前スイッチ212と右前ドア214を備えている。右前スイッチ212と右前ドア214は、車両20の右前部に設置されている。右前スイッチ212は、右前ドア214の施解錠と開閉を行なうために操作されるように構成されている。右前ドア214の施解錠と開閉は、車両20の右前部に設置された不図示の施解錠装置と自動開閉機構によりなされる。右前ドア214は、開閉体の一例である。
【0032】
車両20は、左前スイッチ222と左前ドア224を備えている。左前スイッチ222と左前ドア224は、車両20の左前部に設置されている。左前スイッチ222は、左前ドア224の施解錠と開閉を行なうために操作されるように構成されている。左前ドア224の施解錠と開閉は、車両20の左前部に設置された不図示の施解錠装置と自動開閉機構によりなされる。左前ドア224は、開閉体の一例である。
【0033】
車両20は、右後スイッチ232と右後ドア234を備えている。右後スイッチ232と右後ドア234は、車両20の右後部に設置されている。右後スイッチ232は、右後ドア234の施解錠と開閉を行なうために操作されるように構成されている。右後ドア234の施解錠と開閉は、車両20の右後部に設置された不図示の施解錠装置と自動開閉機構によりなされる。右後ドア234は、開閉体の一例である。
【0034】
車両20は、左後スイッチ242と左後ドア244を備えている。左後スイッチ242と左後ドア244は、車両20の左後部に設置されている。左後スイッチ242は、左後ドア244の施解錠と開閉を行なうために操作されるように構成されている。左後ドア244の施解錠と開閉は、車両20の左後部に設置された不図示の施解錠装置と自動開閉機構によりなされる。左後ドア244は、開閉体の一例である。
【0035】
左前スイッチ222、右後スイッチ232、および左後スイッチ242の各々は、図1を参照して説明した第一スイッチ31として機能する。
【0036】
左前スイッチ222は、左前ドア224を開くための所定の操作を受け付けることにより、第一信号S1を出力するように構成されている。制御装置10は、当該操作に応じて左前ドア224の開放を許容する制御信号CTを出力する。
【0037】
同様に、右後スイッチ232と左後スイッチ242は、それぞれ右後ドア234と左後ドア244を開くための所定の操作を受け付けることにより、第一信号S1を出力するように構成されている。制御装置10は、当該操作に応じてそれぞれ右後ドア234と左後ドア244の開放を許容する制御信号CTを出力する。
【0038】
図3に例示されるように、車両20は、表示装置25を備えている。表示装置25は、スイッチ画像251を表示可能に構成されている。表示装置25は、様々な画像を表示しうる汎用の表示装置でありうる。したがって、スイッチ画像251は常時あるいは永続的に表示されていることを要しない。表示装置25は、静電型あるいは感圧型のタッチパネルディスプレイとして構成されている。すなわち、ユーザは、表示装置25に表示されたスイッチ画像251に手指などの身体の一部を接近または接触させることにより、操作を入力できる。
【0039】
本例においては、表示装置25は、右前座席211の前方に配置されている。したがって、スイッチ画像251は、右前座席211に着座した乗員により操作される。しかしながら、表示装置25は、車両20の前部中央に位置するセンタクラスタに設置されてもよい。この場合、スイッチ画像251は、右前座席211に着座した乗員と左前座席221に着座した乗員のいずれかにより操作されうる。
【0040】
図4は、スイッチ画像251の一例を示している。スイッチ画像251は、左前サブスイッチ画像2512、右後サブスイッチ画像2513、および左後サブスイッチ画像2514を含んでいる。
【0041】
左前サブスイッチ画像2512は、左前ドア224の開放を禁止するために所定の操作を受け付けるように構成されている。右後サブスイッチ画像2513は、右後ドア234の開放を禁止するために所定の操作を受け付けるように構成されている。左後サブスイッチ画像2514は、左後ドア244の開放を禁止するために所定の操作を受け付けるように構成されている。
【0042】
左前サブスイッチ画像2512、右後サブスイッチ画像2513、および左後サブスイッチ画像2514の各々は、図1を参照して説明した第二スイッチ32として機能する。
【0043】
表示装置25は、左前サブスイッチ画像2512、右後サブスイッチ画像2513、および左後サブスイッチ画像2514の各々が対応するドアの開放を禁止するための操作を受け付けると、第二信号S2を出力するように構成されている。制御装置10は、当該操作に応じて制御信号CTの出力態様を変化させることにより、対応するドアが開かれないようにする。
【0044】
上記のような構成によれば、表示装置25に表示されたスイッチ画像251に対する操作を通じて所望の開閉体42を開かせないようにする遠隔ロック機能を、被制御装置41が本来的に備えている開閉体42の開閉制御を行なうための構成を利用して発現させることができる。換言すると、新たな制御信号の生成機能や伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第二信号S2は、表示装置25に表示されるスイッチ画像251により生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第二信号S2を生成するために確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【0045】
図5に例示されるように、右前スイッチ212は、第一サブスイッチ2121、第二サブスイッチ2122、第三サブスイッチ2123、および第四サブスイッチ2124を備えうる。第一サブスイッチ2121は、右前ドア214を開閉するために操作されるように構成されている。
【0046】
第二サブスイッチ2122、第三サブスイッチ2123、および第四サブスイッチ2124の各々は、図1を参照して説明した第二スイッチ32として機能しうる。
【0047】
第二サブスイッチ2122は、左前ドア224を開閉するために操作されるように構成されている。第三サブスイッチ2123は、右後ドア234を開閉するために操作されるように構成されている。第四サブスイッチ2124は、左後ドア244を開閉するために操作されるように構成されている。すなわち、右前座席211に着座した乗員は、右前ドア214に加えて左前ドア224、右後ドア234、および左後ドア244の各々を開閉させることができる。対応する窓を開閉するための操作は、第一操作の一例である。
【0048】
第二サブスイッチ2122は、左前ドア224の遠隔ロックを実行するために上記の操作とは異なる所定の操作を受け付けるように構成されている。例えば、左前ドア244の遠隔ロックを希望する乗員は、第二サブスイッチ2122を特定の方向へ複数回断続的に変位させる操作を行ないうる。左前ドア224の遠隔ロックを実行するための操作は、第二操作の一例である。
【0049】
同様に、第三サブスイッチ2123は、右後ドア234の遠隔ロックを実行するために第二操作を受け付けるように構成されている。第四サブスイッチ2124は、左後ドア244の遠隔ロックを実行するために第二操作を受け付けるように構成されている。
【0050】
第二サブスイッチ2122、第三サブスイッチ2123、および第四サブスイッチ2124の各々が対応するドアを遠隔ロックするための操作を受け付けると、第二信号S2を出力するように構成されている。制御装置10は、当該操作に応じて制御信号CTの出力態様を変化させることにより、対応するドアが開かれないようにする。
【0051】
上記のような構成によれば、制御装置10から被制御装置41へ出力される制御信号CTの出力態様を変更することによって左前ドア224、右後ドア234、および左後ドア244を開かせないようにする遠隔ロック機能を発現させている。すなわち、当該機能を有していない既存の第二サブスイッチ2122、第三サブスイッチ2123、および第四サブスイッチ2124の物理的な構成を変更したり、新たな制御信号の生成機能や伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第二信号S2は、既存の第二サブスイッチ2122、第三サブスイッチ2123、および第四サブスイッチ2124の各々により生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第二信号S2を生成するために新たに確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【0052】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置10のプロセッサ12は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0053】
あるいは、プロセッサ12は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、制御装置10が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0054】
プロセッサ12は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0055】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。
【0056】
図5を参照して説明した構成例においては、左前ドア224、右後ドア234、および左後ドア244の開閉を遠隔制御するスイッチに対して、本来とは異なる操作を入力することによって遠隔ロック機能を発現させる第二信号S2を生成している。しかしながら、例えば図2に例示される左前ドア224、右後ドア234、および左後ドア244の各々に設けられた窓の開閉を遠隔制御するスイッチに対して本来とは異なる操作を入力することによって遠隔ロック機能を発現させてもよい。
【0057】
制御装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0058】
制御装置10は、移動体に搭載されることを要しない。制御装置10は、住宅や施設に設置される適宜の開閉体を開閉させるために使用されうる。そのような開閉体の例としては、門、扉、窓、シャッター、ブラインド、カーテン、スクリーンなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0059】
10:制御装置、11:入力インタフェース、12:プロセッサ、20:車両、211:右前座席、2122:第二サブスイッチ、2123:第三サブスイッチ、2124:第四サブスイッチ、214:右前ドア、221:左前座席、222:左前スイッチ、224:左前ドア、231:右後座席、232:右後スイッチ、234:右後ドア、241:左後座席、242:左後スイッチ、244:左後ドア、25:表示装置、251:スイッチ画像、31:第一スイッチ、32:第二スイッチ、41:被制御装置、42:開閉体、CT:制御信号、S1:第一信号、S2:第二信号
図1
図2
図3
図4
図5