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特開2024-47136制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047136
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240329BHJP
   E05F 15/689 20150101ALI20240329BHJP
【FI】
B60R16/02 630J
E05F15/689
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152583
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】菱川 浩二
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA01
2E052CA06
2E052EA14
2E052EB01
2E052EC01
(57)【要約】
【課題】スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図る。
【解決手段】入力インタフェース11は、第一スイッチ31の第一操作に基づいて生成される第一信号S1、および第二スイッチ32の操作に基づいて生成される第二信号S2を受け付ける。プロセッサ12は、入力インタフェース11が第一信号S1を受け付けると、制御信号CTを第一の態様で出力することにより第一開閉体421を第一の方法で開閉させ、入力インタフェース11が第二信号S2を受け付けると、制御信号CTを第一の態様で出力することにより第二開閉体422を第一の方法で開閉させる。プロセッサ12は、第一操作と異なる第一スイッチ31の第二操作に基づいて生成される第三信号S3を入力インタフェース11が受け付けると、制御信号CTを第一の態様と異なる第二の態様で出力することにより、第一開閉体421と第二開閉体422を第一の方法と異なる第二の方法で開閉させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号、および第二スイッチの操作に基づいて生成される第二信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、制御信号を第一の態様で出力することにより第一開閉体を第一の方法で開閉させ、前記インタフェースが前記第二信号を受け付けると、当該制御信号を第一の態様で出力することにより第二開閉体を前記第一の方法で開閉させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記第一操作と異なる前記第一スイッチの第二操作に基づいて生成される第三信号を前記インタフェースが受け付けると、前記制御信号を前記第一の態様と異なる第二の態様で出力することにより、前記第一開閉体と前記第二開閉体を前記第一の方法と異なる第二の方法で開閉させる、
制御装置。
【請求項2】
前記第二操作と前記第二の方法の関連付けは、変更可能である、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記インタフェースは、表示装置に表示された画像に対する操作入力に基づいて生成される第四信号を受け付け可能であり、
前記第二操作と前記第二の方法の関連付けの変更は、前記第四信号に基づいて行なわれる、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第一開閉体と前記第二開閉体は、複数の座席を有する移動体に搭載されており、
前記第一開閉体は、第一の座席に対応付けられており、
前記第二開閉体は、前記第一の座席と異なる第二の座席に対応付けられている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、制御信号を第一の態様で出力することにより第一開閉体を第一の方法で開閉させ、
第二スイッチの操作に基づいて生成される第二信号を受け付けると、前記制御信号を第一の態様で出力することにより第二開閉体を前記第一の方法で開閉させ、
前記第一操作と異なる前記第一スイッチの第二操作に基づいて生成される第三信号を受け付けると、前記制御信号を前記第一の態様と異なる第二の態様で出力することにより、前記第一開閉体と前記第二開閉体を前記第一の方法と異なる第二の方法で開閉させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチに入力される操作に基づいて開閉体の動作制御を行なう制御装置に関連する。本開示は、当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両の運転席に搭載されるスイッチ装置を開示している。当該スイッチ装置は、複数のノブを備えている。複数のノブの各々は、車両に搭載された複数の窓の一つに対応付けられている。運転者が特定の窓の開閉を希望する場合、当該窓に対応付けられた複数のノブの一つを操作する。スイッチ装置は、ノブの操作に応じた制御信号を出力する。ウインドウレギュレータは、当該制御信号に基づいて窓を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-004465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される一態様例は、制御装置であって、
第一スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号、および第二スイッチの操作に基づいて生成される第二信号を受け付けるインタフェースと、
前記インタフェースが前記第一信号を受け付けると、制御信号を第一の態様で出力することにより第一開閉体を第一の方法で開閉させ、前記インタフェースが前記第二信号を受け付けると、当該制御信号を第一の態様で出力することにより第二開閉体を前記第一の方法で開閉させるプロセッサと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記第一操作と異なる前記第一スイッチの第二操作に基づいて生成される第三信号を前記インタフェースが受け付けると、前記制御信号を前記第一の態様と異なる第二の態様で出力することにより、前記第一開閉体と前記第二開閉体を前記第一の方法と異なる第二の方法で開閉させる。
【0006】
本開示により提供される一態様例は、制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一スイッチの第一操作に基づいて生成される第一信号を受け付けると、制御信号を第一の態様で出力することにより第一開閉体を第一の方法で開閉させ、
第二スイッチの操作に基づいて生成される第二信号を受け付けると、前記制御信号を第一の態様で出力することにより第二開閉体を前記第一の方法で開閉させ、
前記第一操作と異なる前記第一スイッチの第二操作に基づいて生成される第三信号を受け付けると、前記制御信号を前記第一の態様と異なる第二の態様で出力することにより、前記第一開閉体と前記第二開閉体を前記第一の方法と異なる第二の方法で開閉させる。
【0007】
上記の各態様例に係る構成においては、制御装置から第一開閉装置と第二開閉装置へ出力される制御信号の出力態様を変更することによって、第一スイッチへの操作入力に基づいて第二の方法に係る開閉動作を第一開閉体と第二開閉体に実行させるという新たな機能を発現させている。すなわち、当該機能を有していない既存の第一スイッチの物理的な構成を変更したり、新たな制御信号の伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第三信号は、既存の第一スイッチにより生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第三信号を生成するために確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る制御装置の機能構成を例示している。
図2図1の装置が搭載される車両を例示している。
図3図2の車両に搭載されるスイッチの構成を例示している。
図4図1の制御信号の第一の出力態様を例示している。
図5図1の制御信号の第二の出力態様を例示している。
図6図2の車両の車室を例示している。
図7図6の表示装置に表示される設定用画像を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0010】
図1は、一実施形態に係る制御装置10の機能構成を例示している。制御装置10は、図2に例示される車両20における適宜の位置に搭載される。
【0011】
図1に例示されるように、制御装置10は、入力インタフェース11を備えている。入力インタフェース11は、第一スイッチ31から出力される第一信号S1と第二スイッチ32から出力される第二信号S2を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一スイッチ31と第二スイッチ32は、車両20に搭載されている。
【0012】
第一信号S1は、第一スイッチ31に対してなされる第一操作に基づいて生成される。第一信号S1は、第一スイッチ31の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第一信号S1がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0013】
第二信号S2は、第二スイッチ32に対してなされる操作に基づいて生成される。第二信号S2は、第二スイッチ32の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第二信号S2がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0014】
制御装置10は、プロセッサ12と出力インタフェース13を備えている。プロセッサ12は、入力インタフェース11が第一信号S1を受け付けると、出力インタフェース13から車両20に搭載された第一開閉装置411へ第一の態様で制御信号CTを出力するように構成されている。同様に、プロセッサ12は、入力インタフェース11が第二信号S2を受け付けると、出力インタフェース13から車両20に搭載された第二開閉装置412へ第一の態様で制御信号CTを出力するように構成されている。
【0015】
第一の態様で出力される制御信号CTは、第一開閉装置411と第二開閉装置412にそれぞれ車両20に搭載された第一開閉体421と第二開閉体422を第一の方法で開閉させるように構成されている。
【0016】
出力インタフェース13は、ハードウェアインタフェースとして構成されている。制御信号CTは、デジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。制御信号CTがアナログ信号である場合、出力インタフェース13は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0017】
入力インタフェース11は、第一スイッチ31から出力される第三信号S3を受け付けるハードウェアインタフェースとしても構成されている。
【0018】
第三信号S3は、第一スイッチ31に対してなされる第二操作に基づいて生成される。第三信号S3は、第一スイッチ31の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第三信号S3がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0019】
プロセッサ12は、入力インタフェース11が第三信号S3を受け付けると、出力インタフェース13から第一開閉装置411と第二開閉装置412へ第二の態様で制御信号CTを出力するように構成されている。第一態様と第二態様は相違している。第二の態様で出力される制御信号CTは、第一開閉装置411と第二開閉装置412にそれぞれ第一開閉体421と第二開閉体422を第二の方法で開閉させるように構成されている。第一の方法と第二の方法は相違している。
【0020】
換言すると、プロセッサ12は、入力インタフェース11が第三信号S3を受け付けると、出力インタフェース13から出力される制御信号CTの態様を変化させることにより、第一開閉装置411と第二開閉装置412による第一開閉体421と第二開閉体422の動作のさせ方を変更するように構成されている。
【0021】
車両20は、複数の座席を備えている。複数の座席は、右前座席211、左前座席221、右後座席231、および左後座席241を含んでいる。
【0022】
右前座席211は、車両20の右前部に設置されている。本明細書においては、「車両20の右部」という表現は、車両20の左右方向における中央よりも右方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の前部」という表現は、車両20の前後方向における中央よりも前方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の右前部」という表現は、車両20の右部でありかつ前部である部分を意味する。ある要素が「車両20の右前部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の右前部に設置されていることを意味する。
【0023】
左前座席221は、車両20の左前部に設置されている。本明細書においては、「車両20の左部」という表現は、車両20の左右方向における中央よりも左方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の左前部」という表現は、車両20の左部でありかつ前部である部分を意味する。ある要素が「車両20の左前部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の左前部に設置されていることを意味する。
【0024】
右後座席231は、車両20の右後部に設置されている。本明細書においては、「車両20の後部」という表現は、車両20の前後方向における中央よりも後方に位置する車両20の一部を意味する。「車両20の右後部」という表現は、車両20の右部でありかつ後部である部分を意味する。ある要素が「車両20の右後部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の右後部に設置されていることを意味する。
【0025】
左後座席241は、車両20の左後部に設置されている。本明細書においては、「車両20の左後部」という表現は、車両20の左部でありかつ後部である部分を意味する。ある要素が「車両20の左後部に設置されている」と記載される場合、当該要素の少なくとも一部(好ましくは大半の部分)が車両20の左後部に設置されていることを意味する。
【0026】
車両20は、右前スイッチ212と右前窓213を備えている。右前スイッチ212と右前窓213は、車両20の右前部に設置されている。右前スイッチ212は、右前窓213を開閉するために操作されるように構成されている。右前窓213の開閉は、車両20の右前部に設置された不図示の開閉装置によりなされる。
【0027】
車両20は、左前スイッチ222と左前窓223を備えている。左前スイッチ222と左前窓223は、車両20の左前部に設置されている。左前スイッチ222は、左前窓223を開閉するために操作されるように構成されている。左前窓223の開閉は、車両20の左前部に設置された不図示の開閉装置によりなされる。
【0028】
車両20は、右後スイッチ232と右後窓233を備えている。右後スイッチ232と右後窓233は、車両20の右後部に設置されている。右後スイッチ232は、右後窓233を開閉するために操作されるように構成されている。右後窓233の開閉は、車両20の右後部に設置された不図示の開閉装置によりなされる。
【0029】
車両20は、左後スイッチ242と左後窓243を備えている。左後スイッチ242と左後窓243は、車両20の左後部に設置されている。左後スイッチ242は、左後窓243を開閉するために操作されるように構成されている。左後窓243の開閉は、車両20の左後部に設置された不図示の開閉装置によりなされる。
【0030】
右前スイッチ212、左前スイッチ222、右後スイッチ232、および左後スイッチ242の各々は、図3に例示されるように、ノブKを備えている。ノブKは、乗員の手指により操作可能に構成されている。具体的には、ノブKは、軸Aを中心として図3における時計回り方向と反時計回り方向へ回動可能に構成されている。以降の説明においては、図3における時計回り方向を第一方向D1と称し、図3における反時計回り方向を第二方向D2と称する。
【0031】
乗員が特定の窓を開けることを希望する場合、当該窓に対応付けられたスイッチのノブKが第一方向D1へ回動される。乗員が特定の窓を閉じることを希望する場合、当該窓に対応付けられたスイッチのノブKが第二方向D2へ回動される。ノブKは、乗員がノブKから指を離すと中立位置に戻るように構成されている。
【0032】
右前スイッチ212は、図1を参照して説明した第一スイッチ31として機能しうる。したがって、右前窓213は、第一開閉体421の一例となりうる。右前座席211は、第一の座席の一例となりうる。
【0033】
具体的には、右前スイッチ212は、ノブKが乗員により第一方向D1に回動されている間、ノブKが第一方向D1に回動されていることを表す第一信号S1を出力するように構成されている。したがって、制御装置10は、乗員が右前スイッチ212のノブKを第一方向D1に回動させている間、右前窓213を開閉装置に開かせる制御信号CTを出力する。
【0034】
同様に、右前スイッチ212は、ノブKが乗員により第二方向D2に回動されている間、ノブKが第二方向D2に回動されていることを表す第一信号S1を出力するように構成されている。したがって、制御装置10は、乗員が右前スイッチ212のノブKを第二方向D2に回動させている間、右前窓213を開閉装置に閉じさせる制御信号CTを出力する。
【0035】
左前スイッチ222、右後スイッチ232、および左後スイッチ242の各々は、図1を参照して説明した第二スイッチ32として機能しうる。したがって、左前窓223、右後窓233、および左後窓243は、第二開閉体422の一例となりうる。左前座席221、右後座席231、および左後座席241は、第二座席の一例となりうる。
【0036】
具体的には、左前スイッチ222、右後スイッチ232、および左後スイッチ242の各々は、ノブKが乗員により第一方向D1に回動されている間、ノブKが第一方向D1に回動されていることを表す第二信号S2を出力するように構成されている。したがって、制御装置10は、乗員が特定のスイッチのノブKを第一方向D1に回動させている間、当該スイッチに対応付けられた窓を開閉装置に開かせる制御信号CTを出力する。
【0037】
同様に、左前スイッチ222、右後スイッチ232、および左後スイッチ242の各々は、ノブKが乗員により第二方向D2に回動されている間、ノブKが第二方向D2に回動されていることを表す第二信号S2を出力するように構成されている。したがって、制御装置10は、乗員が特定のスイッチのノブKを第二方向D2に回動させている間、当該スイッチに対応付けられた窓を開閉装置に閉じさせる制御信号CTを出力する。
【0038】
すなわち、乗員が特定のスイッチのノブKを回動させている間に当該スイッチに対応付けられた窓を開閉させる方法は、第一の方法の一例である。この開閉動作を実現するための制御信号CTの出力態様は、第一の態様の一例である。
【0039】
車両20の運転者により操作されるスイッチは、対応する窓のオート開閉動作を実行できるように構成されることが一般的である。本明細書で用いられる「窓のオート開閉動作」という語は、操作入力に応答して窓を自動的に全開状態または全閉状態に至らせる動作を意味する。オート開閉動作を実行するためには、前述した操作とは異なる操作をノブKに対して行なう必要がある。本例においては、右前スイッチ212が右前窓213のオート開閉動作を実行できるように構成されている。
【0040】
本実施形態に係る右前スイッチ212は、全ての窓について一斉にオート開閉動作を実行する操作も受け付け可能に構成されている。この場合、図3を参照して説明した通常の開閉動作を行なうための操作、および上述した右前窓213のみについてオート開閉動作を実行するための操作と異なる操作を、ノブKに対して行なう必要がある。
【0041】
例えば、全ての窓を自動的に全開状態にする動作を希望する乗員は、ノブKを第一方向D1へ複数回断続的に回動させる操作を行ないうる。全ての窓を自動的に全閉状態にする動作を希望する乗員は、ノブKを第二方向D2へ複数回断続的に回動させる操作を行ないうる。全ての窓についてオート開閉動作を実行するための右前スイッチ212の操作は、第二操作の一例である。
【0042】
全ての窓についてオート開閉動作を実行するための操作を受け付けた右前スイッチ212は、第三信号S3を出力するように構成されている。したがって、制御装置10は、当該操作に応じて、全ての窓についてオート開閉動作を実行させる制御信号CTを出力する。すなわち、右前スイッチ212の第二操作に応じて全ての窓を全開または全閉状態にする方法は、第二の方法の一例である。この開閉動作を実現するための制御信号CTの出力態様は、第二の態様の一例である。
【0043】
図4は、左後スイッチ242の操作を通じて左後窓243を開く場合に制御装置10から出力される制御信号CTの態様を例示している。横軸は時間を表している。縦軸は信号レベルを表している。信号レベルL1は、開閉装置が停止している状態に対応している。信号レベルL2は、開閉装置が作動している状態に対応している。
【0044】
時点t1において左後スイッチ242のノブKが乗員の指により第一方向D1に回動されると、信号レベルL2の制御信号CTが制御装置10から出力され、開閉装置により左後窓243を開く動作が実行される。
【0045】
時点t2において乗員の指が左後スイッチ242のノブKから離れると、制御信号CTの出力が停止(信号レベルL1に低下)し、左後窓243が開かれる動作が中断される。
【0046】
時点t3において左後スイッチ242のノブKが乗員の指により再び第一方向D1に回動されると、信号レベルL2の制御信号CTが制御装置10から出力され、開閉装置により左後窓243を開く動作が再開される。時点t4において左後窓243が全開状態に達すると、制御信号CTの出力が自動的に停止される。
【0047】
図5は、右前スイッチ212の第二操作を通じて左後窓243のオート開動作が実行される場合に制御装置10から出力される制御信号CTの態様を例示している。
【0048】
時点t5においてオート開動作を実行するための操作が右前スイッチ212に入力されると、信号レベルL2の制御信号CTが制御装置10から出力され、開閉装置41により左後窓243を開く動作が実行される。制御信号CTの出力は、時点t6において左後窓243が全開状態に達するまで継続される。
【0049】
上記のような構成においては、制御装置10から第一開閉装置411と第二開閉装置412へ出力される制御信号CTの出力態様を変更することによって、右前スイッチ212への操作入力に基づいて全ての窓のオート開閉動作を実行させるという新たな機能を発現させている。すなわち、当該機能を有していない既存の右前スイッチ212の物理的な構成を変更したり、新たな制御信号の伝達経路を設けたりすることなく、当該機能を発現させることができる。加えて、当該機能実行のトリガとなる第三信号S3は、既存の右前スイッチ212により生成されるので、永続的に占有される物理的スペースを、第三信号S3を生成するために確保する必要がない。したがって、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができる。
【0050】
なお、右前スイッチ212の第二操作により全ての窓について有効とされる開閉動作は、オート開閉動作に限られない。別の開閉動作の例としては、予め設定された特定の位置での開閉動作の停止、開動作の禁止などが挙げられる。
【0051】
図6に例示されるように、車両20は、表示装置25を備えている。表示装置25は、図7に例示される設定用画像251を表示可能に構成されている。表示装置25は、様々な画像を表示しうる汎用の表示装置でありうる。したがって、設定用画像251は常時あるいは永続的に表示されていることを要しない。表示装置25は、静電型あるいは感圧型のタッチパネルディスプレイとして構成されている。すなわち、ユーザは、表示装置25に表示された設定用画像251に手指などの身体の一部を接近または接触させることにより、操作を入力できる。
【0052】
本例においては、表示装置25は、右前座席211の前方に配置されている。したがって、設定用画像251は、右前座席211に着座した乗員により操作される。しかしながら、表示装置25は、車両20の前部中央に位置するセンタクラスタに設置されてもよい。この場合、設定用画像251は、右前座席211に着座した乗員と左前座席221に着座した乗員のいずれかにより操作されうる。
【0053】
設定用画像251は、右前スイッチ212の第二操作と、当該操作により全ての窓について有効にされる開閉動作の関連付けを変更するための構成を有している。
【0054】
本例においては、設定用画像251は、第一アイコン画像2511、第二アイコン画像2512、および第三アイコン画像2513を含んでいる。第一アイコン画像2511は、全ての窓についてオート開閉動作を有効にするために操作されるように構成されている。第二アイコン画像2512は、全ての窓について予め設定された特定の位置で開閉動作を停止させるために操作されるように構成されている。第三アイコン画像2513は、全ての窓について開動作を禁止するために操作されるように構成されている。
【0055】
図1に例示されるように、表示装置25から出力される第四信号S4を受け付けるハードウェアインタフェースとしても構成されている。
【0056】
第四信号S4は、表示装置25に表示された設定用画像251に対する操作入力に基づいて生成される。第四信号S4は、当該操作入力に基づいて設定された開閉動作を表す情報を含むように構成される。第四信号S4は、表示装置25の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。第四信号S4がアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0057】
プロセッサ12は、入力インタフェース11が第四信号S4を受け付けると、設定された動作を表す情報を、参照可能な状態で不図示のストレージに格納する。ストレージは、半導体メモリやハードディスク装置などにより実現されうる。
【0058】
プロセッサ12は、必要に応じてなされるユーザからの要求に応じてストレージに格納された情報を参照し、現在有効にされている開閉動作を表示装置25に表示させる表示制御信号(不図示)を出力インタフェース13から出力させうる。表示制御信号は、表示装置25の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。表示制御信号がアナログ信号である場合、出力インタフェース13は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0059】
上記のように右前スイッチ212の第二操作に割り当てられる開閉動作を変更可能とすることにより、スイッチにより物理的に占有される空間の増加を抑制しつつ、制御可能な機能の多様化を図ることができるという有利な効果をより顕著にできる。
【0060】
特に本実施形態においては、右前スイッチ212の第二操作に割り当てられる開閉動作の変更が、表示装置25に表示された設定用画像251に対する操作入力に基づいてなされるので、有効にされる機能の把握を容易化できるとともに、有効にされた機能を記憶に留めておく必要性を低減できる。
【0061】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置10のプロセッサ12は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0062】
あるいは、プロセッサ12は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、制御装置10が接続可能な無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0063】
プロセッサ12は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0064】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。
【0065】
上記の実施形態においては、右前スイッチ212の第二操作に割り当てられる機能は、右前窓213以外の全ての窓について有効にされている。しかしながら、当該機能は、右前窓213以外の少なくとも一つの窓について有効とされうる。
【0066】
例えば、図7に例示されるように、設定用画像251は、選択用ユーザインタフェース2514を含みうる。選択用ユーザインタフェース2514は、左前窓223、右後窓233、および左後窓243の各々に対応する選択用アイコンを含んでいる。ユーザは、右前スイッチ212の第二操作に割り当てらる機能を有効にしたい窓を、当該選択用アイコンを操作することによって選択できる。
【0067】
制御装置10から出力される制御信号CTに基づいて開閉される開閉体は、車両20の窓に限られない。右前ドア214、左前ドア224、右後ドア234、左後ドア244の開閉制御もまた、制御装置10によってなされうる。ドアの変位は、ヒンジ方式であってもよいし、スライド方式であってもよい。
【0068】
制御装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0069】
制御装置10は、移動体に搭載されることを要しない。制御装置10は、住宅や施設に設置される適宜の開閉体を開閉させるために使用されうる。そのような開閉体の例としては、門、扉、窓、シャッター、ブラインド、カーテン、スクリーンなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0070】
10:制御装置、11:入力インタフェース、12:プロセッサ、20:車両、211:右前座席、212:右前スイッチ、213:右前窓、214:右前ドア、221:左前座席、222:左前スイッチ、223:左前窓、224:左前ドア、231:右後座席、232:右後スイッチ、233:右後窓、234:右後ドア、241:左後座席、242:左後スイッチ、243:左後窓、244:左後ドア、25:表示装置、251:設定用画像、31:第一スイッチ、32:第二スイッチ、411:第一開閉装置、412:第二開閉装置、421:第一開閉体、422:第二開閉体、CT:制御信号、S1:第一信号、S2:第二信号、S3:第三信号、S4:第四信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7