(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004715
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】レンズ部品、ランプユニット、及びレンズ部品成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/27 20060101AFI20240110BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240110BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20240110BHJP
F21S 41/25 20180101ALI20240110BHJP
B29C 45/46 20060101ALI20240110BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240110BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240110BHJP
【FI】
B29C45/27
F21V5/00 100
F21S41/151
F21S41/25
B29C45/46
F21W102:13
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104479
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 秀丸
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AG01
4F202AG28
4F202AH17
4F202AM36
4F202AR12
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK06
4F202CK15
4F206AG01
4F206AG28
4F206AH17
4F206AM36
4F206AR12
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】ウェルドラインの発生を抑制する。
【解決手段】本開示に係る第1レンズ10は、射出成形によって形成されるレンズ部品であって、幅方向に沿って延びるレンズ本体部11と、レンズ本体部11の幅方向の両側に配置されて、レンズ本体部11の幅方向の両端に一体に設けられ、ヒートシンクに対して取り付け可能な一対の取付部12a,12bと、レンズ本体部11との間に空間19aを設けた状態でレンズ本体部11と並列するように配置されて、幅方向の両端が一対の取付部12a,12bに一体に設けられ、レンズ本体部11を補強する補強部13と、を備え、一対の取付部12a,12bのうち幅方向の一側の外端面15にゲート跡16が設けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形によって形成されるレンズ部品であって、
所定方向に沿って延びるレンズ本体部と、
前記レンズ本体部の前記所定方向の両側に配置されて、前記レンズ本体部の前記所定方向の両端に一体に設けられ、取付対象に対して取り付け可能な一対の取付部と、
前記レンズ本体部との間に空間を設けた状態で前記レンズ本体部と並列するように配置されて、前記所定方向の両端が前記一対の取付部に一体に設けられ、前記レンズ本体部を補強する補強部と、を備え、
前記一対の取付部のうち前記所定方向の一側の外端面に跡部が設けられる
ことを特徴とするレンズ部品。
【請求項2】
前記跡部は、前記一対の取付部のうち前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上に位置する外端面に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ部品。
【請求項3】
前記一対の取付部のうち前記所定方向の他側の取付部の前記所定方向の長さは、前記一側の取付部の前記所定方向の長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ部品。
【請求項4】
挿通孔を有し、
前記跡部に近接して配置される前記挿通孔は、前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上から外れた位置に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズ部品。
【請求項5】
請求項1に記載のレンズ部品と、
前記レンズ本体部に近接して配置される発光素子を有する光源と、を備える
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項6】
複数のレンズ部が所定方向に沿って並んで一体に設けられるレンズ本体部と、前記レンズ本体部の前記所定方向の両側に配置されて取付対象に対して取り付け可能な一対の取付部と、前記レンズ本体部との間に空間を設けた状態で前記レンズ本体部と並列するように配置されて、前記所定方向の両端が前記一対の取付部に一体に設けられて前記レンズ本体部を補強する補強部と、を備えるレンズ部品を射出成形するレンズ部品成形方法であって、
前記レンズ部品の形状に対応する製品空間を有する金型のうち、前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上に位置する領域から、樹脂材料を前記製品空間に前記所定方向に沿って射出注入する
ことを特徴とするレンズ部品成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ部品、ランプユニット、及びレンズ部品成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板及びシリコンレンズを含む光源ユニットが開示されている。基板は、LEDやレーザーダイオード等の発光素子で形成された複数の第1励起光源及び複数の第2励起光源を有する。複数の第1励起光源は、横一列に配置され、複数の第2励起光源は、第1励起光源の下に所定間隔で横に配置される。シリコンレンズは、透明または半透明の高耐熱弾性体で形成されたレンズであり、平板状に形成される本体部、複数の第1励起光源にそれぞれ対応するドーム形状の第1光透過部、複数の第2励起光源にそれぞれ対応するドーム形状の第2光透過部、複数の第1熱膨張吸収部、第1取付ねじを挿入する第4挿通円孔、及び第2取付ねじを挿入する長孔を有する。シリコンレンズは、本体部、第1光透過部、第2光透過部、第1熱膨張吸収部を含むレンズの全体を高耐熱弾性体であるシリコンで形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、レンズ部品の全体を樹脂材料で形成する場合、加熱溶融させた樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却・固化させることによって成形品を得る射出成形によって形成する。
【0005】
しかし、特許文献1に記載のシリコンレンズ(レンズ部品)のように、レンズ部品に挿通円孔や長孔などの開口部を設けている場合、金型内に射出注入された樹脂材料の流れが開口部を避けるように分岐するので、分岐後の樹脂材料の合流部分にウェルドラインが発生する可能性がある。このため、ウェルドラインが第1光透過部及び第2光透過部等のレンズ本体部に発生して、製品の品質が低下してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、ウェルドラインの発生を抑制することが可能なレンズ部品、及びレンズ部品成形方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、射出成形によって形成されるレンズ部品であって、所定方向に沿って延びるレンズ本体部と、前記レンズ本体部の前記所定方向の両側に配置されて、前記レンズ本体部の前記所定方向の両端に一体に設けられ、取付対象に対して取り付け可能な一対の取付部と、前記レンズ本体部との間に空間を設けた状態で前記レンズ本体部と並列するように配置されて、前記所定方向の両端が前記一対の取付部に一体に設けられ、前記レンズ本体部を補強する補強部と、を備え、前記一対の取付部のうち前記所定方向の一側の外端面に跡部が設けられる。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のレンズ部品であって、前記跡部は、前記一対の取付部のうち前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上に位置する外端面に設けられる。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様のレンズ部品であって、前記一対の取付部のうち前記所定方向の他側の取付部の前記所定方向の長さは、前記一側の取付部の前記所定方向の長さよりも長い。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第2の態様のレンズ部品であって、挿通孔を有し、前記跡部に近接して配置される前記挿通孔は、前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上から外れた位置に設けられる。
【0011】
本発明の第5の態様は、ランプユニットであって、上記第1の態様のレンズ部品と、前記レンズ本体部に近接して配置される発光素子を有する光源と、を備える。
【0012】
本発明の第6の態様は、複数のレンズ部が所定方向に沿って並んで一体に設けられるレンズ本体部と、前記レンズ本体部の前記所定方向の両側に配置されて取付対象に対して取り付け可能な一対の取付部と、前記レンズ本体部との間に空間を設けた状態で前記レンズ本体部と並列するように配置されて、前記所定方向の両端が前記一対の取付部に一体に設けられて前記レンズ本体部を補強する補強部と、を備えるレンズ部品を射出成形するレンズ部品成形方法であって、前記レンズ部品の形状に対応する製品空間を有する金型のうち、前記レンズ本体部を通る前記所定方向の延長線上に位置する領域から、樹脂材料を前記製品空間に前記所定方向に沿って射出注入する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ウェルドラインの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレンズ部品及びランプユニットを含む車両用前照灯の断面図である。
【
図3】ランプユニットの分解斜視図であって、(A)は全体の分解斜視図を、(B)は(A)におけるB部の拡大斜視図を、それぞれ示す。
【
図4】光源及び第1レンズを示す側方からの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、前後方向、上下方向、及び幅方向は、レンズ部品及びランプユニットを含む車両用前照灯を車両に装備した状態における方向を示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、幅方向は、車幅方向を意味する。また、各図において、Xは車両の前方を、Yは上方を、Zは幅方向の一側をそれぞれ示す。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るレンズ部品及びランプユニットを含む車両用前照灯の断面図である。
図2は、ランプユニットの斜視図である。
図3は、ランプユニットの分解斜視図であって、(A)は全体の分解斜視図を、(B)は(A)におけるB部の拡大斜視図を、それぞれ示す。
図4は、光源及び第1レンズを示す側方からの概略説明図である。
図5は、第1レンズの斜視図である。
図6は、第1レンズの前方からの正面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るレンズ部品は、例えば、車両用前照灯1のランプユニット20の第1レンズ(レンズ部品)10に適用される。
【0018】
車両用前照灯1は、車両(図示せず)の前部の左側と右側とにそれぞれ装備される。左側の車両用前照灯1は、左側のハイビーム配光パターンを車両の前方に照射する。一方、右側の車両用前照灯1は、右側のハイビーム配光パターンを車両の前方に照射する。左右のハイビーム配光パターンは、互いに重畳されて、全体のハイビーム配光パターンを形成する。全体のハイビーム配光パターンは、車両の前側の近辺から遠方までの広い範囲を照射し、かつ、高光度で照射するワイドハイビーム配光パターンである。
【0019】
車両用前照灯1は、ランプハウジング2と、ランプレンズ3と、ランプユニット20と、を備える。
【0020】
ランプハウジング2は、前方へ開口するハウジングであって、光不透過性の樹脂部材から構成される。ランプレンズ3は、車両の意匠面を構成するレンズであって、光透過性の樹脂部材から構成される。ランプレンズ3は、ランプハウジング2の前方の開口を覆う状態で、ランプハウジング2に対して固定される。ランプハウジング2とランプレンズ3との内側には、灯室4が区画される。灯室4内には、ランプユニット20が配置される。
【0021】
図1~
図4に示すように、ランプユニット20は、ハイビーム配光パターンを車両の前方に照射するための装置であって、フレーム部材やブラケット部材(図示省略)を介してランプハウジング2に固定される。ランプユニット20は、第1レンズ10と、第2レンズ21と、光源22と、レンズホルダ23と、ヒートシンク(取付対象)24と、を備える。
【0022】
ランプユニット20は、配光可変タイプ、いわゆる、ADB(Adaptive Driving Beam)タイプのランプユニットであって、コントローラ(図示省略)に制御される。ランプユニット20は、対向車や先行車などの前方車両が存在しない時には、全体のハイビーム配光パターンを照射する。一方、ランプユニット20は、前方車両が存在する時には、前方車両が存在する領域をその周囲の領域よりも暗くなるように制御する。
【0023】
光源22は、複数(本実施形態では、12個)の発光素子25と、基板26とを有する。
【0024】
複数の発光素子25は、例えばLEDアレイであって、基板26の前面の上部に幅方向(所定方向)に一列に直線状に配列される。複数の発光素子25の点灯、消灯、増光、及び減光は、上記コントローラ(図示省略)によって制御される。
【0025】
基板26の前面には、複数の発光素子25や電子部品や電子回路などが実装される。基板26の上部の幅方向の両端部には、位置決め用の円形のピン挿通孔27が形成される。また、基板26の複数の発光素子25の幅方向の両側には、スクリュー5を挿通させるスクリュー挿通孔28が形成される。
【0026】
基板26は、ヒートシンク24に対して、スクリュー5によって、第1レンズ10と共に共締めで取り付けられる。基板26の後面は、ヒートシンク24の前面に密着している。複数の発光素子25から発生した熱は、基板26を介してヒートシンク24に伝達される。
【0027】
図4に示すように、複数の発光素子25の発光面から光(放射光、放出光)L1、L1D、L1Uが放射(放出)される。これら光L1、L1D、L1Uは、複数の発光素子25の発光面からランバーシアン状に放射(放出)される光の一部である。発光素子25からの光L1、L1D、L1Uは、車両の前方に上下左右に広い範囲に亘って放射される。なお、
図4では、発光素子25からの光L1、L1D、L1Uのうち、中央部分の光を符号「L1」とし、下方部分の光を符号「L1D」とし、上方部分の光を符号「L1U」としている。
【0028】
図3~
図6に示すように、第1レンズ10は、後方の複数の発光素子25からの光を前方の第2レンズ21側へ出射させる光透過性の樹脂製のレンズ部品であって、射出成形によって一体成形される。第1レンズ10は、光源22の前に近接して配置され、ヒートシンク24に対して、スクリュー5によって、光源22と共に共締めで取り付けられる。
【0029】
第1レンズ10は、幅方向(所定方向)に沿って直線状に延びるレンズ本体部11と、ヒートシンク24に対して取り付け可能な一対の取付部12a,12bと、レンズ本体部11を補強する補強部13とを備える。
【0030】
レンズ本体部11は、複数の発光素子25からの光L1、L1Dを屈折および全反射で収束(集束、集光)制御して、出射光L2として前方の第2レンズ21に向けて出射させる(
図4参照)。レンズ本体部11は、幅方向に長尺に形成される。例えば、レンズ本体部11は、上下幅が約3.5mm、前後幅が約2mm、左右長さが約30mmの細長い形状に形成される。
【0031】
レンズ本体部11は、複数の発光素子25に1対1で対応して幅方向に並んで一体に設けられる複数のレンズ部14を有する。本実施形態では、レンズ本体部11は、12個のレンズ部14を有する。複数のレンズ部14は、幅方向に直線状に並んでおり、隣接するレンズ部14同士が互いに一体化されている。第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付けた状態において、各レンズ部14は、各発光素子25に1対1で対応するように、各発光素子25の前方に近接して配置される。また、第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付けた状態において、レンズ本体部11は、基板26の前面に対して非接触の状態となっている。
【0032】
本実施形態の複数のレンズ部14は、互いに略同じ形状に形成される。例えば、レンズ部14は、第1入射面14aと、第2入射面14bと、第1出射面14cと、第2出射面14dと、反射面14eと、を有する。第1入射面14a、第1出射面14cは、発光素子25からの中央部分の光L1を、第2レンズ21に向けて出射させる主制御部を構成する。第2入射面14b、第2出射面14d、及び反射面14eは、第1入射面14aに入射しない発光素子25からの下方部分の光L1Dを有効利用する追加制御部を構成する。
【0033】
第1入射面14aは、近接する発光素子25からの中央部分の光L1を入射させる入射面であって、発光素子25の前方に配置される。第1入射面14aは、発光素子25からの上方部分の光L1Uの一部を捉えて入射光として入射させる。なお、発光素子25からの下方部分の光L1Dおよび上方部分の光L1Uの残りの部分は、第1入射面14aに入射しない。
【0034】
第2入射面14bは、第1入射面14aに入射しない発光素子25からの下方部分の光L1Dを入射させる入射面であって、第1入射面14aの下端から後下方へ延びる。
【0035】
第1出射面14cは、第1入射面14aから入射した入射光を出射光L2として第2レンズ21側へ出射させる出射面であって、第1入射面14aの前方に配置される。
【0036】
反射面14eは、第2入射面14bから入射した入射光を反射光として第2出射面14dに反射させる反射面であって、第2入射面14bの後端から前下方へ延びる。
【0037】
第2出射面14dは、反射面14eからの反射光を出射光L2として第2レンズ21側へ出射させる出射面であって、反射面14eの前下端から上方へ延び、反射面14eの前方に配置される。なお、第1出射面14cの下端と第2出射面14dの上端との間には、上下方向と交叉する繋面が設けられる。
【0038】
一対の取付部12a,12bは、レンズ本体部11と共に射出成形によって一体成形される。一対の取付部12a,12bは、レンズ本体部11の幅方向の両側に配置されて、レンズ本体部11の幅方向の両端に一体に設けられる。本実施形態では、一対の取付部12a,12bは、前後方向と交叉する板状に成形される。第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付けた状態で、一対の取付部12a,12bの後面は、基板26の前面に密着する。
【0039】
一対の取付部12a,12bは、レンズ本体部11よりも上方に位置する上部領域12aU,12bUと、レンズ本体部11と略同じ高さに位置する中間領域12aM,12bMと、レンズ本体部11よりも下方に位置する下部領域12aL,12bLとをそれぞれ有する。
【0040】
一対の取付部12a,12bの中間領域12aM,12bM(
図6の上下の一点鎖線に挟まれる領域)は、レンズ本体部11と略同じ高さで幅方向に直線状に延びる領域であって、レンズ本体部11の幅方向の両端から、幅方向の外側の第1レンズ10の幅方向の外端まで延びる。すなわち、中間領域12aM,12bMは、レンズ本体部11を通る幅方向の延長線を含む領域である。
【0041】
一対の取付部12a,12bの上部領域12aU,12bU(
図6の上側の一点鎖線よりも上方の領域)は、中間領域12aM,12bMと略同じ幅方向の長さを有し、中間領域12aM,12bMの上端から上方へ延びる。すなわち、上部領域12aU,12bUは、レンズ本体部11を通る幅方向の延長線を含まない領域である。
【0042】
一対の取付部12a,12bの下部領域12aL,12bL(
図6の下側の一点鎖線よりも下方の領域)は、中間領域12aM,12bMよりも短い幅方向の長さを有し、中間領域12aM,12bMの幅方向の外端部の下端から下方へ延びる。すなわち、下部領域12aL,12bLは、レンズ本体部11を通る幅方向の延長線を含まない領域である。本実施形態では、下部領域12aL,12bLの幅方向の長さw1,w2は、互いに略同じ長さに設定される。なお、下部領域12aL,12bLの幅方向の長さw1,w2を、互いに異なる長さに設定してもよい。
【0043】
一対の取付部12a,12bのうち幅方向の一側(
図5及び
図6の矢印Zが指し示す方向)の取付部12aの一側の外端面15には、ゲート跡(跡部)16が設けられる。ゲート跡16は、第1レンズ10を成形した際に生じたゲート跡である。すなわち、第1レンズ10は、射出成形時のゲート跡16が一側の外端面15に生じるように成形される。本実施形態のゲート跡16は、取付部12aの中間領域12aMの外端面15に設けられる。取付部12aの中間領域12aMの外端面15は、取付部12aのうちレンズ本体部11を通る幅方向の延長線上に位置する外端面15である。すなわち、本実施形態のゲート跡16は、取付部12aのうちレンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する外端面15に設けられる。これにより、ゲート跡16は、レンズ本体部11の一側への延長線上に配置される。
【0044】
一対の取付部12a,12bの上部領域12aU,12bUには、基板26のピン挿通孔27に対応するピン挿通孔(挿通孔)17がそれぞれ形成される。取付部12aのピン挿通孔17は、ゲート跡16に近接して配置される。取付部12aのピン挿通孔17は、レンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上から外れた位置(中間領域12aMから外れた位置)に設けられる。上部領域12aU,12bUのピン挿通孔17は、第1レンズ10を基板26の所定の位置に重ねた状態で、基板26のピン挿通孔27と連通する。上部領域12aU,12bUのピン挿通孔17は、第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付ける際に、位置決めに使用される。
【0045】
一対の取付部12a,12bの下部領域12aL,12bLには、基板26のスクリュー挿通孔28に対応するスクリュー挿通孔(挿通孔)18がそれぞれ形成される。取付部12aのスクリュー挿通孔18は、ゲート跡16に近接して配置される。取付部12aのスクリュー挿通孔18は、レンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上から外れた位置(中間領域12aMから外れた位置)に設けられる。下部領域12aL,12bLのスクリュー挿通孔18は、第1レンズ10を基板26の所定の位置に重ねた状態で、基板26のスクリュー挿通孔28と連通する。下部領域12aL,12bLのスクリュー挿通孔18は、第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付ける際に、スクリュー5を挿通する孔として使用される。一対の取付部12a,12bは、ヒートシンク24に対して、スクリュー5によって、光源22の基板26と共に共締めで取り付けられる。
【0046】
一対の取付部12a,12bのうち幅方向の他側(
図5及び
図6の矢印Zが指し示す方向とは反対の方向)の取付部12bの幅方向の長さw3は、取付部12aの幅方向の長さw4よりも長い。本実施形態では、取付部12bの幅方向の長さw3は、取付部12bの下部領域12bLの幅方向の長さw2の2倍以上の長さに設定される。
【0047】
補強部13は、細長く形成されたレンズ本体部11を補強するための部分であって、レンズ本体部11、及び一対の取付部12a,12bと共に射出成形によって一体成形される。補強部13は、一対の取付部12a,12bの上部領域12aU,12bU間で幅方向に延びる。補強部13の幅方向の両端は、一対の取付部12a,12bの上部領域12aU,12bUの幅方向の内端に一体に設けられる。本実施形態では、補強部13は、一対の取付部12a,12bと同様に、前後方向と交叉する板状に成形される。補強部13と一対の取付部12a,12bとは、同じ板厚に形成される。補強部13の上端縁と一対の取付部12a,12bの上端縁とは、幅方向に一直線状に延びている。また、補強部13の下端縁も幅方向に一直線状に延びている。補強部13とレンズ本体部11との間には、空間19aが設けられる。この空間19aの幅方向の長さは、レンズ本体部11の幅方向の長さと略同じ長さに設定される。すなわち、補強部13は、レンズ本体部11との間に空間19aを設けた状態でレンズ本体部11と並列するように配置されて、幅方向の両端が一対の取付部12a,12bに一体に設けられる。補強部13とレンズ本体部11との間の空間19aは、上方が補強部13によって区画され、下方がレンズ本体部11によって区画され、幅方向の両側が一対の取付部12a,12bの上部領域12aU,12bUによって区画される。なお、レンズ本体部11の下方にも空間19bが設けられる。レンズ本体部11の下方の空間19bは、上方がレンズ本体部11によって区画され、幅方向の両側が一対の取付部12a,12bの下部領域12aL,12bLによって区画され、下方が開放される。第1レンズ10をヒートシンク24に対して取り付けた状態で、補強部13の後面は、基板26の前面に密着する。
【0048】
図1~
図3に示すように、第2レンズ21は、第1レンズ10の前方に配置される光透過性の樹脂製またはガラス製の投影レンズであって、第1レンズ10の複数(本実施形態では12個)のレンズ部14からの出射光L2を複数(本実施形態では12個)の配光パターンとして出射させる。第2レンズ21は、レンズホルダ23に保持され、レンズホルダ23を介してヒートシンク24に取り付けられる。
【0049】
レンズホルダ23は、第2レンズ21を保持するホルダ部材であって、第2レンズ21を保持した状態で、ヒートシンク24に取り付けられる。レンズホルダ23は、光不透過部材によって形成され、第1レンズ10からの出射光L2以外の光(迷光、たとえば、発光素子25からの上方部分の光L1U)を、ランプレンズ3から出射しないように、遮蔽(遮断)する。
【0050】
ヒートシンク24は、発光素子25から発生した熱を放熱する部材であって、熱伝導性が高い部材(例えば、アルミダイカスト製の部材)によって形成される。本実施形態のヒートシンク24は、板形状の取付部29とフィン形状の放熱部30とを一体的に有する。
【0051】
ヒートシンク24の取付部29の前面には、スクリュー5,6を取付可能な複数のスクリュー取付孔31と、位置決めピン32とが設けられる。本実施形態では、位置決めピン32は2つ設けられる。第1レンズ10と光源22とは、ピン挿通孔17,27に位置決めピン32を挿入した状態で、スクリュー挿通孔18,28にスクリュー5を挿通させて、取付部29のスクリュー取付孔31に対してスクリュー5によって共締めで取り付けられる。また、第2レンズ21を保持するレンズホルダ23は、取付部29のスクリュー取付孔31に対してスクリュー6によって取り付けられる。
【0052】
次に、本発明の一実施形態に係るレンズ部品成形方法について説明する。以下の説明では、本開示に係るレンズ部品成形方法を、第1レンズ10を射出成形する方法に適用した場合について説明する。
【0053】
図7は、レンズ部品成形方法の説明図である。なお、
図7に示す矢印は、樹脂材料の流通方向を示す。
【0054】
本実施形態に係るレンズ部品成形方法は、複数のレンズ部14が所定方向に沿って並んで配置されるレンズ本体部11と、レンズ本体部11の上記所定方向の両側に配置されてヒートシンク(取付対象)24に対して取り付け可能な一対の取付部12a,12bと、レンズ本体部11との間に空間19aを設けた状態でレンズ本体部11と並列するように配置されて、上記所定方向の両端が一対の取付部12a,12bに一体に設けられてレンズ本体部11を補強する補強部13と、を備える第1レンズ(レンズ部品)10を射出成形するレンズ部品成形方法である。
【0055】
本実施形態に係るレンズ部品成形方法では、加熱溶融させた樹脂材料(例えば、熱硬化性樹脂である光学用液状シリコーンゴム)を、射出成形シリンダー(図示省略)からレンズ成形金型(金型)40に射出注入し、冷却・固化させることによって、第1レンズ10を成形する。射出成形シリンダーの先端(シリンダーノズル)は、レンズ成形金型40のスプール(図示省略)に接続可能となっており、加熱溶解された樹脂材料をレンズ成形金型40内へ射出可能となっている。射出成形時のレンズ成形金型40の向きは特に限定されない。なお、以下の説明では、レンズ成形金型40に関する方向は、レンズ成形金型40によって成形する第1レンズ10の方向を用いて説明する。
【0056】
図7に示すように、レンズ成形金型40は、第1レンズ10の形状に対応する製品空間41と、製品空間41へ連通するゲート42とを有する。なお、レンズ成形金型40は、図示しない2以上の金型によって構成され、射出成形後の第1レンズ10を取り出し可能となっている。
【0057】
製品空間41の内寸は、第1レンズ10の外寸と略同一である。製品空間41は、レンズ本体部11に対応するように所定方向に直線状に延びるレンズ本体部領域41aと、取付部12aに対応する一側取付部領域41bと、取付部12bに対応する他側取付部領域41cと、補強部13に対応する補強部領域41dとを有する。
【0058】
ゲート42は、製品空間41へ連通する流路であって、射出成形シリンダー側からの樹脂材料を製品空間41へ供給するための供給口として機能する。ゲート42の一端は、製品空間41の一側取付部領域41bのうち、第1レンズ10の中間領域12aMの外端面15に対応する領域A(
図7に一点鎖線で示す領域)に連通している。このゲート42が連通するレンズ成形金型40の製品空間41の領域A(以下、「注入領域A」という。)は、一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する領域である。すなわち、ゲート42の一端は、一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する領域に連通している。ゲート42は、製品空間41へ連通する一端から幅方向に直線状に延びる。これにより、レンズ本体部領域41aと注入領域Aとゲート42とは、レンズ本体部領域41aと幅方向に略一直線上に配置される。ゲート42の他端は、樹脂材料の流路であるランナー(図示省略)へ連通する。
【0059】
製品空間41の一側取付部領域41b及び他側取付部領域41cには、第1レンズ10のピン挿通孔(挿通孔)17に対応する第1柱部44と、第1レンズ10のスクリュー挿通孔(挿通孔)18に対応する第2柱部45とがそれぞれ設けられる。第1柱部44は、一側取付部領域41b及び他側取付部領域41cのうち、注入領域Aとレンズ本体部領域41aの一側の端部43との間で上記所定方向に延びる領域から一方側(第1レンズ10における上方側)へ外れた位置に配置される。第2柱部45は、一側取付部領域41b及び他側取付部領域41cのうち、注入領域Aとレンズ本体部領域41aの一側の端部43との間で上記所定方向に延びる領域から他方側(第1レンズ10における下方側)へ外れた位置に配置される。すなわち、第1柱部44及び第2柱部45は、レンズ本体部領域41aを通る幅方向(所定方向)の延長線上から外れた位置に設けられる。
【0060】
第1レンズ10を成形する際には、加熱溶解した樹脂材料を射出成形シリンダーからレンズ成形金型40のスプール(図示省略)に射出注入する。レンズ成形金型40のスプールに射出注入された樹脂材料は、ランナーを介してゲート42へ流通し、ゲート42から製品空間41へ射出注入される。ゲート42から製品空間41へ射出注入される樹脂材料は、製品空間41の一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する注入領域Aから、幅方向に沿って製品空間41へ射出注入される。すなわち、本実施形態に係るレンズ部品成形方法では、樹脂材料を、レンズ成形金型40の製品空間41のうち、第1レンズ10のレンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する領域から、幅方向に沿って射出注入する。
【0061】
図7に矢印で示すように、製品空間41に射出注入された樹脂材料は、ゲート42から一側取付部領域41bを介してレンズ本体部領域41aの一側の端部43に向かって幅方向に沿って流通し(矢印a1参照)、レンズ本体部領域41aを幅方向に沿って流通し(矢印a2参照)、他側取付部領域41cへ流通する(矢印a3参照)。また、製品空間41に射出注入された樹脂材料は、ゲート42から一側取付部領域41bを介して補強部領域41dに向かって流通し(矢印a4参照)、補強部領域41dを幅方向に沿って流通し(矢印a5参照)、他側取付部領域41cへ流通する(矢印a6参照)。このように、樹脂材料は、製品空間41を流通して、製品空間41に充填される。
【0062】
製品空間41に充填された樹脂材料は、冷却されて固化することによって、第1レンズ10を成形する。また、ゲート42に充填された樹脂材料は、冷却されて固化することによって、棒状のゲート部(図示省略)となる。そして、第1レンズ10に一体化されている棒状のゲート部を切除することによって、第1レンズ10を成形することができる。また、第1レンズ10のうち、棒状のゲート部を切除した位置には、ゲート跡16が残存する。このようにして、ゲート跡(跡部)16は、一対の取付部12a,12bのうちレンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する一側の外端面15に設けられる。
【0063】
上記のように構成された第1レンズ10では、レンズ本体部11が幅方向に沿って延び、射出成形時のゲート跡16が、一対の取付部12a,12bのうち幅方向の一側の取付部12aの外端面15に設けられる。すなわち、第1レンズ10を射出成形する際には、樹脂材料は、レンズ成形金型40の第1レンズ10の幅方向の取付部12aの外端面15に対応する位置から射出注入される。このように、樹脂材料は、幅方向に沿って延びるレンズ本体部領域41aを有する製品空間41に対して、幅方向の一側の外端面15に対応する位置から射出注入されるので、例えば、第1レンズ10の上方側(補強部13側)の上端面から射出注入される場合とは異なり、樹脂材料がレンズ本体部領域41aを幅方向に流通し易い。このため、レンズ本体部領域41aでの樹脂材料の合流を抑えることができるので、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0064】
また、ゲート跡16は、一対の取付部12a,12bのうちレンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する一側の外端面15に設けられる。すなわち、第1レンズ10を射出成形する際には、樹脂材料は、製品空間41の一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向の延長線上に位置する注入領域Aから射出注入される。このため、樹脂材料がゲート42から幅方向に沿ってレンズ本体部領域41aに流入し易く、レンズ本体部領域41aに留まることなく幅方向に更に流通し易いので、レンズ本体部領域41aでの樹脂材料の合流を抑えることができ、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0065】
また、一対の取付部12a,12bのうち他側の取付部12bの幅方向の長さw3が、取付部12aの幅方向の長さw4よりも長いので、射出成形時に樹脂材料の流れがレンズ本体部領域41a側と補強部領域41d側とに製品空間41内で分岐するとしても、レンズ本体部領域41aから他側へ離間した位置で分岐後の樹脂材料を合流させることができる。このため、仮にウェルドラインが発生するとしても、レンズ本体部11から他側へ離間した位置に発生させることができるので、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0066】
また、取付部12aのピン挿通孔17は、レンズ本体部11の一側の端部11aとゲート跡16との間で幅方向に延びる領域(中間領域12aM)から外れた位置(本実施形態では上方へ外れた位置)に配置される。すなわち、レンズ成形金型40に設けられる第1柱部44は、一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向の延長線上から外れた位置に配置される。このため、ゲート42から製品空間41へ射出注入される樹脂材料を、その流れを第1柱部44によって分岐させることなく、レンズ本体部領域41aの一側の端部43へ流通させることができるので、レンズ本体部領域41aの流通方向の手前側(一側)での樹脂材料の合流を抑えることができ、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0067】
また、取付部12aのスクリュー挿通孔18は、レンズ本体部11の一側の端部11aとゲート跡16との間で幅方向に延びる領域(中間領域12aM)から外れた位置(本実施形態では下方へ外れた位置)に配置される。すなわち、レンズ成形金型40に設けられる第2柱部45は、一側取付部領域41bのうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向の延長線上から外れた位置に配置される。このため、ゲート42から製品空間41へ射出注入される樹脂材料を、その流れを第2柱部45によって分岐させることなく、レンズ本体部領域41aの一側の端部43へ流通させることができるので、レンズ本体部領域41aの流通方向の手前側(一側)での樹脂材料の合流を抑えることができ、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0068】
また、ランプユニット20は、第1レンズ10と、第1レンズ10に近接して配置される発光素子25を有する光源22と、を備える。すなわち、ランプユニット20は、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制された第1レンズ10を備えるので、ウェルドラインによる影響を受けることなく光源22の発光素子25からの光を照射することができる。
【0069】
また、上記レンズ部品成形方法では、樹脂材料を、レンズ成形金型40のうちレンズ本体部領域41aを通る幅方向の延長線上に位置する注入領域Aから、幅方向に沿って製品空間41に射出注入する。このように、樹脂材料を、上記注入領域Aから幅方向に沿って射出注入するので、樹脂材料を、ゲート42から製品空間41のレンズ本体部領域41aの一側の端部43へ向かって直線状に射出注入することができる。このため、樹脂材料がレンズ本体部領域41aに留まることなくレンズ本体部領域41aを幅方向に流通し易いので、レンズ本体部領域41aでの樹脂材料の合流を抑えることができ、レンズ本体部11におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。
【0070】
このように、本実施形態によれば、レンズ本体部11へのウェルドラインの発生を抑制することができる。これにより、第1レンズ10の光学系(レンズ本体部11)の成立性を優先して第1レンズ10を製造することができる。
【0071】
また、補強部13が、レンズ本体部11との間に空間19aを設けた状態でレンズ本体部11と並列するように配置されて、幅方向の両端が一対の取付部12a,12bに一体に設けられる。このため、レンズ本体部11を幅方向に細長い形状に小型化しても、レンズ本体部11を補強することができる。特に、本実施形態のように、複数のレンズ部14が所定方向に沿って並んで一体に設けられるレンズ本体部11では、強度が弱くなる傾向があるが、補強部13によってレンズ本体部11を補強することができる。
【0072】
また、補強部13が、レンズ本体部11との間に空間19aを設けた状態でレンズ本体部11と並列するように配置されるので、レンズ部14の出射面や反射面を上方へ広く確保することができ、上下に広い範囲で光を前方へ出射させて、光の損失を抑えることができる。また、レンズ本体部11の下方に空間19bを設けるので、レンズ部14の出射面や反射面を下方へ広く確保することができ、上下に広い範囲で光を前方へ出射させて、光の損失を抑えることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、第1レンズ10の一対の取付部12a,12bの双方のピン挿通孔17を、中間領域12aM,12bMから外れた位置に配置したが、少なくとも取付部12aのピン挿通孔17を、中間領域12aMから外れた位置に配置すればよい。また、スクリュー挿通孔18も同様に、少なくとも取付部12aのスクリュー挿通孔18を、中間領域12aMから外れた位置に配置すればよい。
【0074】
また、本実施形態では、一対の取付部12a,12bのうち取付部12bの幅方向の長さw3を、取付部12aの幅方向の長さw4よりも長くしたが、これに限定されるものではなく、例えば、一対の取付部12a,12bの幅方向の長さw3,w4を互いに同じ長さにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ゲート跡16を、一対の取付部12a,12bのうちレンズ本体部11を通る幅方向(所定方向)の延長線上に位置する一側の外端面15に設けたが、これに限定されるものではなく、少なくとも取付部12aの外端面15に設けていればよい。
【0076】
また、本実施形態では、レンズ本体部11のレンズ部14の形状を、第1入射面14aと、第2入射面14bと、第1出射面14cと、第2出射面14dと、反射面14eと、を有する形状としたが、これに限定されるものではなく、様々な形状を適用することができる。
【0077】
また、本実施形態では、レンズ本体部11を、幅方向に沿って並んで一体に設けられる複数のレンズ部14を有するレンズ本体部11としたが、これに限定されるものではなく、幅方向に沿って延びるレンズ本体部11であればよい。
【0078】
また、本実施形態では、光源22に複数の発光素子25を設けたが、これに限定されるものではなく、少なくとも1つの発光素子25を設けていればよい。
【0079】
また、本実施形態では、ランプユニット20を、ハイビーム配光パターンを照射するランプユニット20としたが、これに限定されるものではなく、例えば、ロービーム配光パターンを照射するランプユニットであってもよいし、あるいは、ディタイムランニングランプなどを配置したランプユニットであってもよい。
【0080】
また、本実施形態では、補強部13を、レンズ本体部11の上方に配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、補強部13を、レンズ本体部11の下方に空間を空けた状態で配置してもよいし、あるいはレンズ本体部11の上下両側に空間を空けた状態で配置してもよい。
【0081】
また、本実施形態では、第1レンズ10の取付対象をヒートシンク24としたが、これに限定されるものではなく、様々な取付対象に対して第1レンズ10を取り付けることができる。
【0082】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
10:第1レンズ(レンズ部品)
11:レンズ本体部
12a,12b:一対の取付部
12aM:中間領域
13:補強部
15:外端面
16:ゲート跡(跡部)
17:ピン挿通孔(挿通孔)
18:スクリュー挿通孔(挿通孔)
19a:空間
20:ランプユニット
22:光源
24:ヒートシンク(取付対象)
25:発光素子
40:レンズ成形金型(金型)
41:製品空間
A:注入領域