(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047204
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】プログラムおよび食材管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240329BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152698
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
(72)【発明者】
【氏名】仁藤 興次
(72)【発明者】
【氏名】築地新 建太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨一
(72)【発明者】
【氏名】小川 真申
(72)【発明者】
【氏名】吉川 晴奈
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 可奈
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅博
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】
利用者の生活に応じて、適切な食材の管理を行うことを課題とする。
【解決手段】
食材を収納する収納庫と、端末装置と、食材管理装置を有し、前記収納庫に収納される食材を管理するための食材管理システムにおいて、前記食材に関する収納食材情報を記憶する記憶部と、前記収納食材情報に基づく前記食材を示す食材管理画面を作成する表示情報作成部と、前記食材管理画面を表示する出力部と、前記食材のうち、使用済の食材および期限切れの食材の収納食材情報を削除する食材管理部を有する食材管理システムである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を収納する収納庫および食材管理装置と食材管理システムを構成する端末装置を機能させるためのプログラムであって、
前記食材管理装置は、前記食材に関する収納食材情報を記憶する記憶部を有し、
前記プログラムは前記端末装置を、
前記収納食材情報に基づく前記食材を示す食材管理画面を作成する表示情報作成部と、
前記食材管理画面を表示する出力部として機能させ、
前記食材のうち、使用済の食材および期限切れの食材の収納食材情報を削除するプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記出力部は、前記収納食材情報の削除を確認するポップアップ画面を表示し、
前記ポップアップ画面に対する利用者からの入力に応じて、前記収納食材情報の削除を実現するプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記記憶部は、利用者における購入希望の食材を示す買い物メモを示す買い物メモ情報および料理のレシピを示すレシピ情報をさらに記憶し、
前記表示情報作成部は、前記レシピ情報に基づく前記利用者に提案する料理のレシピを示すレシピ提案画面および前記買い物メモ情報に基づく前記利用者の購入希望の食材を示す買い物メモを示す買い物メモ画面をさらに作成し、
前記出力部は、前記レシピ提案画面および前記買い物メモ画面を選択的に表示し、
前記食材管理システムにより、前記レシピ提案画面のレシピで使用される食材のうち、前記収納食材情報に含まれていない不足食材を特定し、
前記出力部は、前記不足食材を確認するための不足確認エリアを含むレシピ提案画面を表示し、
前記出力部は、前記利用者からの前記不足確認エリアに対する入力があった場合、前記買い物メモ画面として、前記不足食材が追加された買い物メモ画面を表示するプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムにおいて、
前記出力部は、前記利用者からの前記不足確認エリアに対する指定があった場合、前記不足確認エリアを含むレシピ提案画面から前記不足食材が追加された買い物メモ画面に切り替えるプログラム。
【請求項5】
請求項3に記載のプログラムにおいて、
前記不足食材が追加された買い物メモ画面に対する前記利用者からの入力に応じて、前記買い物メモ情報に前記不足食材を追加することを実現するプログラム。
【請求項6】
食材を収納する収納庫と、端末装置と、食材管理装置を有し、前記収納庫に収納される食材を管理するための食材管理システムにおいて、
前記食材に関する収納食材情報を記憶する記憶部と、
前記収納食材情報に基づく前記食材を示す食材管理画面を作成する表示情報作成部と、
前記食材管理画面を表示する出力部と、
前記食材のうち、使用済の食材および期限切れの食材の収納食材情報を削除する食材管理部を有する食材管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の食材管理システムにおいて、
前記出力部は、前記収納食材情報の削除を確認するポップアップ画面を表示し、
前記食材管理部は、前記ポップアップ画面に対する利用者からの入力に応じて、前記収納食材情報の削除を実行する食材管理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の食材管理システムにおいて、
前記記憶部は、利用者における購入希望の食材を示す買い物メモを示す買い物メモ情報および料理のレシピを示すレシピ情報をさらに記憶し、
前記表示情報作成部は、前記レシピ情報に基づく前記利用者に提案する料理のレシピを示すレシピ提案画面および前記買い物メモ情報に基づく前記利用者の購入希望の食材を示す買い物メモを示す買い物メモ画面をさらに作成し、
前記出力部は、前記レシピ提案画面および前記買い物メモ画面を選択的に表示し、
前記食材管理システムは、さらに、前記レシピ提案画面のレシピで使用される食材のうち、前記収納食材情報に含まれていない不足食材を特定するレシピ提案部を有し、
前記出力部は、前記不足食材を確認するための不足確認エリアを含むレシピ提案画面を表示し、
前記出力部は、前記利用者からの前記不足確認エリアに対する入力があった場合、前記買い物メモ画面として、前記不足食材が追加された買い物メモ画面を表示する食材管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の食材管理システムにおいて、
前記出力部は、前記利用者からの前記不足確認エリアに対する指定があった場合、前記不足確認エリアを含むレシピ提案画面から前記不足食材が追加された買い物メモ画面に切り替える食材管理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の食材管理システムにおいて、
前記不足食材が追加された買い物メモ画面に対する前記利用者からの入力に応じて、前記買い物メモ情報に前記不足食材を追加する買い物メモ管理部をさらに有する食材管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材を管理するための技術に関する。その中でも特に、収納庫に収納される食材を管理するための技術に関する。
【0002】
なお、食材には、肉類、魚類などの食品、飲料の他、調味料、加工食品や調理済の料理を含む。また、収納庫は、食材を収納できればよく、冷蔵庫やパントリーなどが含まれ、貯蔵庫等他の表記のものも含まれる。さらに、本願における収納とは、貯蔵、保管、保存などの概念が含まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、IT技術の普及により、コンピュータを利用した食材管理が行われていた。特許文献1には、「ユーザが冷蔵庫内の食材を適切に管理する」ための技術が開示されている。このために、特許文献1には「情報の入出力を行う操作・表示部24に対するユーザの操作、または冷蔵庫10から供給された情報に基づいて、冷蔵庫10に備わる複数の貯蔵室61~64のうち何れかを指定する貯蔵室指定部936と、画像を撮影する撮影部26から取得した画像を、貯蔵室指定部936で指定された貯蔵室61~64に対応付けた貯蔵室内画像として、画像記憶部912に記憶させる貯蔵室内画像記憶制御部938と、を冷蔵庫管理装置20に設けた」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ユーザ(利用者)がスマートフォンで実現可能な携帯端末を用いて、冷蔵庫内の画像、つまり、食材を確認することができる。ここで、近年の生活スタイルの多様化など変化により、食材管理も多角的に行うことが必要である。しかしながら、特許文献1では、単に食材の画像を表示するのみで、利用者の生活に応じた食材管理を行うことが困難であった。
【0006】
そこで、本発明では、利用者の生活に応じて、適切な食材の管理を行うことを課題とする。この課題の一例として、食材の状況を、食材を管理するための食材管理情報に反映できることが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、食材の購入、収納、調理といった家事や食材における各段階や食材の状況に応じた食材を管理する。より具体的には、食材を収納する収納庫と、端末装置と、食材管理装置を有し、前記収納庫に収納される食材を管理するための食材管理システムにおいて、前記食材に関する収納食材情報を記憶する記憶部と、前記収納食材情報に基づく前記食材を示す食材管理画面を作成する表示情報作成部と、前記食材管理画面を表示する出力部と、前記食材のうち、使用済の食材および期限切れの食材の収納食材情報を削除する食材管理部を有する食材管理システムや端末装置を機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者の生活に応じて、適切な食材の管理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態における考え方を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態における食材管理システムのシステム構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態における家電機器の機能ブロック図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態における端末装置の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態における端末装置のハードウエア構成図である。
【
図6】本発明の一実施形態における食材管理装置のハードウエア構成図である。
【
図7】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態で用いられる収納食材情報を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態で用いられる買い物メモ情報を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態で用いられる食材情報を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態で用いられるレシピ情報を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態で用いられるアイコン情報を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態で用いられる調理履歴情報を示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態での処理フロー(考え方)を示す図である。
【
図15A】実施例1における食材管理画面を示す図である。
【
図15B】実施例1におけるレシピ提案画面を示す図である。
【
図15C】実施例1における買い物メモ画面を示す図である。
【
図15D】実施例1における買い物メモ画面内の冷蔵庫写真を示す図である。
【
図16】実施例1における処理フローを示すフローチャートである。
【
図17】実施例1における表示処理の一具体例を示すフローチャートである。
【
図18A】実施例2における処理フローを示すフローチャートである。
【
図18B】実施例2における設定画面を示す図である。
【
図19】実施例2における食材管理画面を示す図である。
【
図20】実施例3における処理フローを示すフローチャートである。
【
図21】実施例3におけるフィルタ項目入力画面を示す図である。
【
図22】実施例3におけるフィルタリング画面の一例を示す図である。
【
図23】実施例4における収納食材情報の削除処理を示すフローチャートである。
【
図24A】実施例4における期限切れの食材を示すポップアップ画面を含む食材管理画面を示す図である。
【
図24B】実施例4における使用済の食材を示すポップアップ画面を含む食材管理画面を示す図である。
【
図25】実施例4における買い物メモ情報の更新処理を示すフローチャートである。
【
図26A】実施例4におけるレシピ提案画面を示す図である。
【
図26B】実施例4におけるレシピ提案画面および買い物メモ画面とその遷移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、一般家庭での食材の管理を例に説明する。特に、本実施形態では、単に冷蔵庫といった収納庫での収納時における管理に留まらず、食材の購入や使用の一形態である調理を含む総合的な食材管理を実現する。
図1は、本実施形態における考え方を説明するための図である。
【0011】
図1において、食材は、購入、収納、調理の各段階を経ることになる。具体的には、食材は、店舗50で購入され、家屋1の冷蔵庫31等の収納庫で収納され、IH調理器32や電子レンジ33などの調理機器を用いて調理されことになる。そこで、本実施形態では、食材について、各段階に応じて、総合的に管理する。より具体的には、「食材管理」、「購入提案」を含む「買い物メモ」管理、「レシピ提案」を行う。例えば、
図1に示すように「購入」段階については、「食材管理」「レシピ提案」「購入提案」「買い物メモ」を実現する。また、「収納段階」については、「食材管理」「買い物メモ」を実現する。そして、「調理」段階については、「食材管理」「レシピ提案」を実現する。
【0012】
以上のように、食材は各段階を推移していくことになるが、これは家事の段階とそのフローを示すことになる。また、家事のフローについては、「収納」や「調理」に応じて、「購入」することになり、単なるフローに留まらず、家事のサイクルが発生する。そこで、本実施形態では、上述したような「食材管理」「買い物メモ」「レシピ提案」といった、家事のサイクルを反映した総合的な食材管理を含む家事支援を実現する。以下、この家事支援、特に、食材管理を実現するための構成について説明する。
【0013】
図2は、本実施形態における食材管理システムのシステム構成図である。
図2においては、家屋1内では、冷蔵庫31、IH調理器32、電子レンジ33といった家電機器が利用され、家事がなされている。また、家屋1での生活者、つまり、家事の実施者が端末装置10を有しているものとする。そして、これら家電機器や端末装置10は、ルータ40を介して、もしくは直接互いに接続可能である。
【0014】
そして、ネットワーク60には、食材管理装置20が接続される。さらに、これら家電機器や端末装置10は、ルータ40を介して、もしくは直接インターネット等で実現できるネットワーク60と接続する。また、ネットワーク60には、食材を販売する店舗50の実店舗システム51やECシステム52といった販売システムが接続されている。さらに、端末装置10、家電機器とルータ40、ネットワーク60間は、有線接続でも無線接続でも構わない。以下、これらの各装置について説明する。
【0015】
まず、家屋1には、家電機器として、冷蔵庫31、IH調理器32および電子レンジ33が利用されている。なお、家屋1は、家電機器の利用領域の一例であり、他の領域にも本実施形態を適用できる。また、利用領域は、複数であってもよい。さらに、上述の各家電機器も一例であり、その一部であってもよいし、他の家電機器を加えてもよい。特に、冷蔵庫31は、食材を収納できる収納庫の一例であり、他にパントリー、ワインセラーなどの他の収納庫を用いることもでき、本実施形態ではこの収納庫も家電機器として扱う。また、IH調理器32および電子レンジ33も一例であり、他の調理機器を用いてもよいし、これらの少なくとも1つを省略してもよい。さらに、家電機器として、冷蔵庫31や調理機器以外の家電機器を用いてもよい。
【0016】
ここで、
図3に、本実施形態における食材を管理するシステムの機能ブロック図を示す。
図3は、冷蔵庫31等の家電機器と通信してもよい。
図3に示すように、食材を管理するシステムは、家電機器自体を制御する制御部310、家電通信部306、表示操作パネル307、稼働部308およびセンサ部309、サーバ部301を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。また、表示操作パネル307およびサーバ部301は利用者が有する端末装置10にあってもよい。また、サーバ部は、本食材を管理するシステムを提供する企業内や管轄するサーバ内にあってもよい。
【0017】
まず、サーバ部301は、制御信号作成部302、食材管理部303、レシピ提案部304および買い物メモ管理部305を有する。つまり、サーバ部301は、食材を管理するための各種情報処理を実行する。なお、制御信号作成部302は、家電機器自体を制御する制御部310内にあってもよく、庫内の温度調整等の当該家電機器の機能を実現するための制御信号を作成、出力し、家電機器の稼働を制御する。特に、冷蔵庫31では、設定された温度になるように温度調整(冷蔵、冷凍)が実現できる。また、IH調理器32や電子レンジ33は、加熱などの各種調理機能を実現できる。
【0018】
また、食材管理部303は、家屋1で管理、収納される食材を管理する。特に、家電機器が、冷蔵庫31を始めとする収納庫である場合、自身および他の収納庫で収納する食材を管理する。レシピ提案部304は、収納されている食材や買い物メモに応じて、料理やその調理方法を示すレシピを特定する。買い物メモ管理部305は、利用者や家族などのその関係者における購入希望の食材を示す買い物メモを管理する。
【0019】
なお、サーバ部301は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、制御信号作成部302、食材管理部303、レシピ提案部304や買い物メモ管理部305は、専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。また、パントリーなどの収納庫においては、制御信号作成部302や稼働部308を省略してもよい。
【0020】
また、家電通信部306は、ルータ40やネットワーク60を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、家電通信部306は、センサ部309で検知された内容や稼働状況を出力したり、端末装置10や食材管理装置20などから制御指示を受け付けたりする。また、家電機器もしくは利用者の端末装置10が有する表示操作パネル307は、利用者から家電機器に対する操作を受け付けたり、家電機器の稼働状況を出力したりする。なお、表示操作パネル307は、操作を受け付ける操作部(例えばボタン)と、表示を行う表示部といった出力部に分けて構成してもよい。
【0021】
また、稼働部308は、制御部310からの制御に従って、各種機能を実行する。このために、例えば、制御信号作成部302で作成された制御信号が用いられる。実行される機能としては、冷凍機能(温度調整機能)、調理機能等であり、圧縮器やモータ、アクチュエータなどで実現できる。
【0022】
また、センサ部309は、カメラなど家電機器の状況を検知する。この状況としては、収納庫や調理の際の温度が含まれる。さらに、収納庫においては、センサ部309がその収納状況を検知することが望ましい。そして、収納状況としては、収納された食材を撮影することが望ましい。
【0023】
次に、
図1や
図2の端末装置10について説明する。端末装置10は、利用者や家族により、家電機器の管理に利用されるもので、スマートフォン、携帯電話、タブレット、PCなどのコンピュータで実現できる。そして、端末装置10は、スマートフォンなどいわゆるモバイルコンピュータで実現される場合、家屋1内に限らず、店舗50などでも利用できる。また、
図1や
図2では、端末装置10を1台のみ記載したが、家族分など複数台用意してもよいし、利用者が複数台の端末装置10を利用してもよい。
【0024】
ここで、
図4は、本実施形態における端末装置10の機能ブロック図である。
図4において、端末装置10は、端末通信部11、撮影部12、表示情報作成部13、食材管理部14、レシピ提案部15、買い物メモ管理部16、利用者情報管理部17、入力部18、出力部19および記憶部100を有する。なお、端末装置自体には表示機能のみを有し、サーバ部301で管理されている食材管理、レシピ提案、買い物メモが受信され、表示するだけでもよい。
【0025】
そして、端末通信部11は、ルータ40やネットワーク60を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、撮影部12は、カメラのような撮影機能を有する。また、表示情報作成部13は、端末装置10で表示する情報を作成する。食材管理部14は、食材管理部303と同様に、家屋1で管理、収納される食材を管理する。レシピ提案部15は、レシピ提案部304と同様に、収納されている食材や買い物メモに応じて、料理やその調理方法を示すレシピを特定する。買い物メモ管理部16は、買い物メモ管理部305と同様に、利用者や家族などのその関係者における購入希望の食材を示す買い物メモを管理する。また、利用者情報管理部17は、当該端末装置10の利用者やその家族、つまり、家事の関連者に関する利用者管理情報110を管理する。
【0026】
また、入力部18は、利用者や家族から各種操作を受け付ける。また、出力部19は、家事状況や家事に関するアドバイス等の各種情報を出力する。なお、入力部18および出力部19は、タッチパネルのように一体で構成できる。さらに、記憶部100は、撮影部12で撮影された画像データや、表示情報作成部13~利用者情報管理部17での処理、家電機器や食材管理装置20の処理で用いられる各種情報などが記憶される。なお、冷蔵庫上部に庫内画像を撮影するカメラ等を有する場合は、端末側で撮影する必要ない。このような冷蔵庫上部にカメラを有する場合は、利用者が開閉するタイミング等で庫内内部、扉側、野菜室、冷凍庫等を撮影し、記憶可能である。
【0027】
ここで、端末装置10の一実現例について説明する。
図5は、本実施形態における端末装置10のハードウエア構成図である。
図5において、端末装置10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103、記憶装置104およびカメラを有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0028】
まず、タッチパネル101は、
図4の入力部18および出力部19を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されている家電機器管理プログラム105(統合アプリ)に従って演算を実行する。
【0029】
そして、家電機器管理プログラム105は、その機能ごとに、食材管理モジュール106、レシピ提案モジュール107、買い物メモ管理モジュール108、利用者管理モジュール109で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0030】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する
図5に示す構成は、以下のとおりである。
食材管理モジュール106:食材管理部14
レシピ提案モジュール107:レシピ提案部15
買い物メモ管理モジュール108:買い物メモ管理部16
利用者管理モジュール109:利用者情報管理部17
なお、
図4の表示情報作成部13は、端末装置10での図示しないOS(Operating System)上で機能することを想定している。但し、家電機器管理プログラム105の一機能として実現してもよいし、別のアプリケーションプログラムとして実現してもよい。
【0031】
このため、処理装置102は、家電機器管理プログラム105に従って、食材管理部14、レシピ提案部15、買い物メモ管理部16および利用者情報管理部17の処理に相当する演算を実行することになる。
【0032】
また、記憶装置104は、家電機器管理プログラム105、利用者管理情報110、収納食材情報111、買い物メモ情報112、レシピ情報113、アイコン情報114および調理履歴情報115を記憶する。ここで、家電機器管理プログラム105は、家電機器を汎用的・統合的に管理するためのプログラムであってもよいし、家電機器ごとの複数のプログラムで構成してもよい。後者については、冷蔵庫31、IH調理器32や電子レンジ33各々の管理プログラムを用いることになる。なお、利用者管理情報110、収納食材情報111、買い物メモ情報112、レシピ情報113、アイコン情報114および調理履歴情報115については、食材管理装置が記憶する情報を説明する際に追って説明する。なお、家電機器管理プログラム105は、レシピ提案等を含む食材管理プログラムとして実現してもよい。
【0033】
また、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。さらに、家電機器管理プログラム105、利用者管理情報110、収納食材情報111、買い物メモ情報112、レシピ情報113、アイコン情報114および調理履歴情報115の少なくとも一部は省略できる。これは、後述の食材管理装置20で保持されていればよい。またさらに、家電機器管理プログラム105の少なくとも一部のモジュール(機能)を、家電機器や食材管理装置20に設けてもよい。
【0034】
以上で
図5の説明を終わり、
図2の説明に戻る。食材管理装置20は、家電機器の利用、つまり、家事の支援を実現するために設けられ、サーバ、クラウドといったコンピュータで実現できる。家事の支援としては、食材や家事の段階に応じた適切な食材管理が含まれる。このために、食材管理装置20は、装置通信部21、表示情報作成部22、食材管理部23、レシピ提案部24、買い物メモ管理部25、利用者情報管理部26および記憶部27を有する。
【0035】
ここで、装置通信部21は、ネットワーク60を介して、端末装置10や家電機器と接続する。また、表示情報作成部22は、端末装置10の表示情報作成部13と同様に端末装置10で表示する情報を作成する。また、食材管理部23は、端末装置10の食材管理部303や食材管理部14と同様に、家屋1で管理、収納される食材を管理する。
【0036】
また、レシピ提案部24は、レシピ提案部304やレシピ提案部15と同様に、料理やその調理方法を示すレシピを特定する。また、買い物メモ管理部25は、買い物メモ管理部305や買い物メモ管理部16と同様に、買い物メモを管理する。さらに、利用者情報管理部26は、端末装置10の利用者やその家族に関する利用者管理情報271を管理する。
【0037】
またさらに、記憶部27は、利用者管理情報271、収納食材情報272、買い物メモ情報273、店舗食材情報274、レシピ情報275、アイコン情報276および調理履歴情報277を記憶する。これら各情報については、追って説明するが、その前に食材管理装置20の一実現例について説明する。
図6は、本実施形態における食材管理装置20のハードウエア構成図である。
図6において、食材管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0038】
まず、処理装置201は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205に従って演算を実行する。家電機器管理プログラム205については、後述する。
【0039】
また、通信装置202は、
図2の装置通信部21に該当し、ネットワーク60と接続し、他の装置との通信を行う。
【0040】
また、メモリ203および副記憶装置204が、
図2の記憶部27に該当する。そして、メモリ203は、副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205や処理装置201での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置204は、いわゆるストレージで実現できる。そして、副記憶装置204は、家電機器管理プログラム205、利用者管理情報271、収納食材情報272、買い物メモ情報273、店舗食材情報274、レシピ情報275、アイコン情報276および調理履歴情報277を記憶する。また、副記憶装置204は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのように食材管理装置20とは別装置で実現してもよい。
【0041】
ここで、家電機器管理プログラム205は、食材管理モジュール206、レシピ提案モジュール207、買い物メモ管理モジュール208および利用者情報管理モジュール209で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。また、家電機器管理プログラム205は、レシピ提案等の機能を有する食材管理プログラムとして実現してもよい。
【0042】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する
図2に示す構成は、以下のとおりである。
食材管理モジュール206:食材管理部23
レシピ提案モジュール207:レシピ提案部24
買い物メモ管理モジュール208:買い物メモ管理部25
利用者情報管理モジュール209:利用者情報管理部26
このため、処理装置201は、当該家電機器管理プログラム205に従って、食材管理部23、レシピ提案部24、買い物メモ管理部25および利用者情報管理部26の処理を実行することになる。
【0043】
なお、
図2の表示情報作成部22は、食材管理装置20での図示しないOS(Operating System)上で機能することを想定している。但し、家電機器管理プログラム205の一機能として実現してもよいし、別のアプリケーションプログラムとして実現してもよい。
【0044】
次に、副記憶装置204に記憶する各情報について、
図5に示す情報と共に説明する。まず、
図7は、本実施形態で用いられる利用者管理情報271を示す図である。利用者管理情報271は、家電機器を使用する利用者に関する情報である。
図7において、利用者管理情報271は、1利用者ごとに、または1利用者が属する家族ごとに、利用者、住所、連絡先、保有機器および常備品の各項目を有する。まず、家族は、家屋1で生活する人の単位を示す。また、利用者は、家族の構成員を示し、「パパ」などの属性、氏名、ニックネームで表現でき、食材の管理を含む家事を行うことが多い。住所は、該当の利用者の住所を示すが、家族として単一の住所としてもよい。また、連絡先は、該当の利用者の電話番号やメールアドレスなどの連絡先を示すが、家族として単一の連絡先としてもよい。
【0045】
また、保有機器は、家屋1での家電機器を列挙したものであるが、利用者毎の項目としてもよい。さらに、常備品は、当該家族ないし利用者において、食材として常備するものを示す。なお、本項目は省略してもよい。
【0046】
ここで、端末装置10が記憶する利用者管理情報110は、利用者管理情報271と同様の項目を有し、当該端末装置10を使用する利用者のレコードで構成してもよいし、当該利用者の家族分のレコードで構成してもよい。
【0047】
次に、
図8は、本実施形態で用いられる収納食材情報272を示す図である。収納食材情報272は、冷蔵庫31といった家屋1で収納されている食材に関する情報である。
図8において、収納食材情報272は、1利用者ごとに、または1利用者が属する家族ごとに、食材、分量、収納場所、収納日、消費期限/賞味期限、期限切れ、アイコンおよび通知情報の各項目を有する。さらに、1利用者ごとに収納食材情報272まず、食材は、収納されている食材を示し、より好適には階層的な項目とすることが望ましい。例えば、
図8の例では、肉類や野菜といった上位の階層と、牛肉Aや大根Bといった具体的な品名を示す。なお、牛肉Aとは商品名など固有名詞を用いることができる。また、分量は、該当の食材の分量を示す。
【0048】
また、収納場所は、該当の食材の収納場所を示す。より好適には、収納場所を階層的な項目とすることが望ましい。つまり、冷蔵庫31やパントリーといった収納庫を上位階層とし、冷凍室等の収納庫内の場所を下位階層とする。但し、収納場所は、収納庫といった階層的でない項目としてもよい。また、収納日は、該当の食材が収納場所に収納された日を示す。なお、収納日とは、食材の管理を開始する際、例えば、購入日としてもよいし、その日時まで示してもよい。
【0049】
また、消費期限/賞味期限は、該当の食材の管理期限を示し、本実施形態では消費期限および賞味期限を用いる。また、期限切れは、該当の消費期限/賞味期限を超過ないし間近である場合に「切」が記録され、そうでない場合「未」が記録される。また、アイコンは、該当の食材を示す画像データである。なお、本項目は、後述のアイコン情報276で管理してもよい。
【0050】
さらに、通知情報は、該当の食材の管理のための通知に関する情報である。具体的には、通知情報として、その通知の条件および通知される内容を示す。ここで、条件には、通知のタイミングが含まれる。また、内容には、注意喚起(アラート)や関連するレシピが含まれる。なお、食材については、一般的な定義情報として、そのアイコンや通知情報を含む食材定義情報を用いてもよい。また、収納食材情報272は、家族ごとに管理している場合は、当該家族で、収納食材情報272を共有できる。つまり、家族の構成員の端末装置10が該当の収納食材情報272にアクセスできる。また、収納食材情報272を個別の1利用者毎に記憶している場合は、当該1利用者が属する家族や、その他グループ、個人に共有可能であって、共有は、メールやメッセージアプリのようなSNSなどを利用してもよい。なお、この共有は、後述の買い物メモ情報273や調理履歴情報277でも同様である。またさらに、収納食材情報272は、利用者ごとに管理してもよい。ここで、端末装置10が記憶する収納食材情報111は、収納食材情報272と同様の項目を有し、当該端末装置10を使用する利用者のレコードで構成してもよいし、当該利用者の家族分のレコードで構成してもよい。
【0051】
次に、
図9は、本実施形態で用いられる買い物メモ情報273を示す図である。買い物メモ情報273は、利用者や家族における購入希望の食材に関する情報である。なお、購入希望には、購入の予定、検討や提案が含まれる。
図9において、買い物メモ情報273は、家族ごとに、または利用者ごとに、食材、常備品、購入済およびアイコンの各項目を有する。まず、利用者は、利用者管理情報271と同様の項目である。
【0052】
また、食材は、該当の利用者が購入を希望、予定ないし提案されている食材を示す。常備品は、該当の食材が常備品であるかを示すが、収納食材情報272と重複するため省略してもよい。さらに、アイコンは、該当の食材の画像データである。なお、本項目は、後述のアイコン情報276で管理してもよい。ここで、端末装置10が記憶する買い物メモ情報112は、買い物メモ情報273と同様の項目を有し、当該端末装置10を使用する利用者のレコードで構成してもよいし、当該利用者の家族分のレコードで構成してもよい。
【0053】
次に、
図10は、本実施形態で用いられる店舗食材情報274を示す図である。店舗食材情報274は、購入可能な食材に関する情報である。
図10において、店舗食材情報274は、店舗ごとに、食材、分量および消費期限/賞味期限の各項目を有する。まず、店舗は、食材の販売元を示す項目であり、スーパーマーケットのようなリアルな店舗でもよいし、ECサイトのようなネット上の店舗のいずれであってもよい。
【0054】
また、食材は、該当の店舗で販売しているないし販売予定の食材を示す。また、分量は、該当の食材の分量を示す。さらに、消費期限/賞味期限は、該当の食材の管理期限を示し、本実施形態では消費期限および賞味期限を用いる。なお、
図5の端末装置10には、店舗食材情報274に該当する情報を記憶してもよい。
【0055】
次に、
図11は、本実施形態で用いられるレシピ情報275を示す図である。レシピ情報275は、料理やその調理方法を示す料理のレシピを示す情報である。
図11において、レシピ情報275は、料理ごとに、食材、分量および調理方法の各項目を有する。まず、料理は、レシピ情報の対象である料理を識別する情報であり、料理名を用いることができる。
【0056】
また、食材は、該当の料理で使用される食材を示す。また、分量は、該当の料理において、使用される食材の分量を示す。さらに、調理方法は、該当の料理の調理方法、つまり、手順を示す。ここで、端末装置10が記憶するレシピ情報113は、レシピ情報275と同様の項目を有する。但し、当該端末装置10の利用者やその家族に特化した料理分のレコードで構成してもよい。
【0057】
次に、
図12は、本実施形態で用いられるアイコン情報276を示す図である。アイコン情報276は、利用者に提示するアイコンを定義する情報である。
図12に示すように、アイコン情報276は、対象ごとに、そのアイコンが定義されている。まず、対象は、表示するアイコンの対象を示し、主に食材と管理情報に分けられる。食材は、その種類ごとに定められる。また、管理情報とは、管理対象の食材についての付加的な情報を示す。例えば、新規登録、つまり、新規に収納されたことなどが含まれる。
【0058】
また、アイコンは、表示される画像データである。ここで、端末装置10が記憶するアイコン情報114は、アイコン情報276と同様の項目を有する。但し、当該端末装置10の利用者やその家族に特化した食材や管理情報のレコードで構成してもよい。
【0059】
次に、
図13は、本実施形態で用いられる調理履歴情報277を示す図である。調理履歴情報277は、家屋1で調理された料理の履歴に関する情報である。
図13に示すように、調理履歴情報277は、家族ごとに、利用者ごとに、家電機器、料理、食材および調理時期の各項目を有する。
【0060】
まず、家族および利用者は、料理を行った家族や利用者を示すが、いずれかのみを用いてもよい。また、家電機器が該当の料理で利用された家電機器を示す。また、食材は、該当の料理で使用された食材を示す。さらに、調理時期は、該当の料理が行われた時期を示す。ここで、端末装置10が記憶する調理履歴情報115は、調理履歴情報277と同様の項目を有し、当該端末装置10を使用する利用者のレコードで構成してもよいし、当該利用者の家族分のレコードで構成してもよい。以上で、本実施形態で用いられる情報の説明を終わり、
図2の説明に戻る。
【0061】
図2において、実店舗システム51は、食材を販売する実店舗で運用されるコンピュータシステムであって、当該店舗での在庫管理を行う。なお、実店舗システム51は、同じチェーン店の複数の店舗をまとめて管理してもよいし、店舗ごとの管理を行ってもよい。さらに、ECシステム52は、食材を対象とするいわゆるネットショッピングを実現するためのコンピュータシステムである。そして、端末装置10からの発注(購入要求)に応じて、利用者に食材の販売を行う。なお、実店舗システム51でネットショッピングを実現してもよい。さらに、実店舗システム51やECシステム52は、自身の食材に関する食材情報やレシピ情報を記憶することが望ましい。以上で、本実施形態の構成の説明を終わる。
【0062】
次に、本実施形態での処理について説明する。
図14は、本実施形態での処理フロー(考え方)を示す図である。
図14の各ステップでは、上述の装置のうち少なくとも一部を用いて、情報収集、情報管理・更新および情報提示を行う。そして、これらのサイクルを、家事のサイクルに応じて
図14に示す処理を繰り返すことで、食材の管理を含む実現する。
【0063】
そして、情報収集ステップでは、購入状況、収納状況、調理履歴等を取得する。また、情報管理・更新ステップでは、収納食材情報111や収納食材情報272の設定、更新を行ったり、買い物メモ情報112や買い物メモ情報273の更新を行ったりする。さらに、情報提示ステップでは、利用者に対して、収納食材情報111、収納食材情報272や買い物メモを提示したり、レシピや購入を提案したりする。以上の実施形態のより具体的な態様を示す実施例1~4を以下で説明する。
【実施例0064】
まず、実施例1は、「食材管理」「レシピ提案」および「買い物メモ」について、利用者が利用しやすい端末装置10での表示画面を提供する。本実施例では、「食材管理」「レシピ提案」および「買い物メモ」の各画面を用意し、これらを画面内のタブを用いて切り替え可能としている。
図15Aは、本実施例における食材管理画面101aを示す図である。本実施例では、食材管理画面101aは端末装置10のタッチパネル101に表示されるものとする。
【0065】
食材管理画面101aは、収納食材情報272もしくは収納食材情報111に基づき作成され、収納される食材を示す画面で、食材表示エリア1011およびタブ1012で構成される。そして、食材表示エリア1011では、「収納中の食材」をリスト形式で表示している。また、各食材表示エリア1011には、収納中の食材ごとに、食材アイコン1011a、食材名1011bおよび消費期限の目安1011cが示される。
図15Aの例では、「牛肉」「大根」「牛乳」「冷凍ピザ」が家屋1で(例えば、冷蔵庫31)収納・管理されていることを示している。
【0066】
また、タブ1012では、「食材管理」「レシピ提案」および「買い物メモ」のいずれかを選択的に表示させるための領域である。この領域には、さらに追加で後述する一括設定など可能となる「設定」を選択的に表示させるための領域を設けてもよい。つまり、「食材管理」「レシピ提案」および「買い物メモ」や「設定」を表示する領域は、タブ1012に対する指定を受け付ける領域である。
図15Aでは、「食材管理」が指定されているため、上述のように食材管理画面101aが表示されることになる。
【0067】
次に、
図15Bは、本実施例におけるレシピ提案画面101bを示す図である。本実施例では、レシピ提案画面101bも端末装置10のタッチパネル101に表示されるものとする。レシピ提案画面101bは、レシピ情報275もしくはレシピ情報113に基づき作成され、提案される料理のレシピを示す。具体的には、図示したように、「今日のレシピ診断」といった提案レシピに関する一覧表指定エリア1013、レシピ表示エリア1014およびタブ1012で構成される。そして、一覧表指定エリア1013は、提案されるレシピを一覧表で表示させるための領域である。
【0068】
また、レシピ表示エリア1014は、料理の画像、材料(食材)および作り方(調理方法)が示される。また、
図15Bのタブ1012では「レシピ提案」が指定されているため、図示したような表示がされている。また、例えば、タブ1012で「食材管理」から「レシピ提案」に変更された場合、
図15Aの食材管理画面101aから
図15Bのレシピ提案画面101bに画面が遷移する。
【0069】
次に、
図15Cは、本実施例における買い物メモ画面101cを示す図である。本実施例では、買い物メモ画面101cも端末装置10のタッチパネル101に表示されるものとする。買い物メモ画面101cは、買い物メモ情報273もしくは買い物メモ情報112に基づき作成され、買い物メモ、つまり、購入希望の食材を示す画面である。具体的には、図示したように、「買い物メモ」として、購入食材表示エリア1015およびタブ1012で構成される。
【0070】
そして、各購入食材表示エリア1015では、購入希望の食材が表示されている。なお、購入希望の食材としては、利用者の入力したものであってもよいし、食材管理装置20や端末装置10などシステム側から提案された食材であってよい。また、購入食材表示エリア1015には、購入希望の食材の個数(分量)が指定できるようにもなっている。
【0071】
また、
図15Cのタブ1012では「買い物メモ」が指定されているため、図示したような表示がされている。また、例えば、タブ1012で「レシピ提案」や「食材管理」から「買い物メモ」に変更された場合、
図15AやBに示す画面から
図15Cの買い物メモ画面101cに画面が遷移する。なお、この遷移の例は、あくまでも例示であり、タブ1012への指定により、
図15Aの食材管理画面101aへの変更なども可能である。以上のように、実施例1のタブ1012により、各画面の選択が可能となる。なお、食材管理画面101aおよび買い物メモ画面101cのうち少なくとも一方については、家族で共用できる。つまり、家族の構成員の端末装置10のそれぞれにおいて、「家族画面」として、共通の食材管理画面101aおよび買い物メモ画面101cの少なくとも一方を表示できる。これは収納食材情報272、買い物メモ情報273を家族単位で管理しているためである。さらに、買い物メモ画面101c上では、
図15Dのように冷蔵庫31の内部を示す冷蔵庫写真を参照可能である。冷蔵庫写真については、冷蔵庫上部や冷蔵庫庫外カメラによって、利用者が開けたタイミングで撮影された画像である。さらに、
図15Dに示す買い物メモ画面101cの通り、保存場所をタップすると、冷蔵庫の庫内画像、扉側画像、野菜室画像、冷凍庫画像を選択可能である。さらに、冷蔵庫画像をタップすると、
図15Dのように庫内画像を拡大したり、縮小したり、傾けたりが可能となる(矢印の先を参照)。
【0072】
次に、上述の画面表示を含む実施例1での処理について説明する。
図16は、実施例1における処理フローを示すフローチャートである。まず、ステップS1において、端末装置10が起動、つまり、家電機器管理プログラム105が利用者の指示に応じて動作を開始する。これは、
図4の表示情報作成部13~利用者情報管理部17が動作可能となってことを意味する。
【0073】
また、ステップS2において、買い物メモ管理部16が、自身の買い物メモ情報112もしくは入力部18を介して入力された買い物メモ情報を読込む。そして、ステップS3において、端末通信部11が、読み込まれた買い物メモ情報を含む管理対象である収納食材に関連する情報の要求を、冷蔵庫31および食材管理装置20に送信する。これは、端末装置10でローカルに更新された買い物メモ情報に応じて、各種情報を最新に更新するために実行される。このため、ステップS2の買い物メモは必須でなく、何等かの更新要求や食材の指定であってもよいし、単に最新の情報の要求としてもよい。
【0074】
また、ステップS4において、冷蔵庫31の家電通信部306が、ステップS3の要求を受け付ける。また、ステップS5において、制御信号作成部302の制御信号に従って、センサ部309が庫内を撮影する。この結果、庫内に収納された食材の画像データが取得される。なお、端末装置10から要求があった場合に庫内画像を撮影するのではなく、例えば冷蔵庫31上部に庫外カメラがついている場合は、利用者が冷蔵庫31の扉をあけたタイミング等で適宜撮影し、その事前に撮影された撮影済みの画像を送信するものであってもよい。また、ステップS6において、家電通信部306が、端末装置10に、撮影された画像データを送信する。そして、ステップS11において、端末通信部11が、画像データを受け付ける。なお、後述の
図17に示すように、庫内の撮影要求を行う場合、ステップS3~S6およびS11は省略できる。
【0075】
また、ステップS7において、食材管理装置20の装置通信部21が、ステップS3の要求を受け付ける。また、ステップS8において、食材管理部23が、要求に応じた収納食材情報272および買い物メモ情報273を特定する。また、レシピ提案部24が、要求に応じたレシピ情報275を特定する。もしくは、レシピ提案部24は、レシピ情報を作成してもよい。そして、ステップS9において、装置通信部21が、端末装置10に、特定された収納食材情報272、買い物メモ情報273およびレシピ情報275を送信する。そして、ステップS12において、端末通信部11がこれらを受け付ける。
【0076】
また、ステップS13において、表示情報作成部22が、ステップS11やS12で受け付けた情報を用いて、表示情報を作成する。つまり、表示情報作成部22は、収納食材情報272から食材管理画面101aを作成する。また、表示情報作成部22は、レシピ情報275からレシピ提案画面101bを作成する。さらに、表示情報作成部22は、買い物メモ情報273から買い物メモ画面101cを作成することになる。ここで、利用者には、冷蔵庫31の庫内、つまり、冷蔵庫31の食材を確認しながら買い物メモ画面101cを利用したいとのニーズがある。つまり、希望食材が冷蔵庫31に収納されているか確認したいとの要望がある。そこで、表示情報作成部22は、ステップS11で受け付けた撮影データを含めるように買い物メモ画面101cを作成してもよい。さらに、食材管理画面101aの作成においては、食材管理装置20で記憶された収納食材情報272に、直近に冷蔵庫31へ収納された食材が反映されていないことがある。この場合、表示情報作成部22は、ステップS11で受け付けた画像データを、食材管理画面101aに含めることが望ましい。なお、
以上の結果、
図15A~
図15Cに示す各画面が作成されることになる。
【0077】
そして、ステップS14において、出力部19が、作成された食材管理画面101a、レシピ提案画面101bおよび買い物メモ画面101cを表示する。この結果、上述したようなタブ1012を用いた表示画面の切替えが実現できる。ここで、ステップS14での表示処理においては、利用者からの入力に応じて、各種情報の更新を実現できる。以下この具体例の1つを説明する。
【0078】
図17は、実施例1における表示処理の一具体例を示すフローチャートである。まず、ステップS15において、出力部19が、ステップS13で作成された表示画面を表示する。この際、いずれの画面を表示するかは初期設定に応じて定めてもよいし、前回表示した画面としてもよい。本例では、買い物メモ画面101cが表示されたとする。
【0079】
また、ステップS16において、買い物メモ管理部16が、買い物メモへの変更があるかを判定する。このために、買い物メモ管理部16は、入力部18に対して利用者が変更指示を入力したかを判定する。この結果、変更があった場合(Yes)、ステップS17に遷移する。また、変更がない場合(No)、ステップS20に遷移する。
【0080】
また、ステップS17において、端末通信部11が、食材管理装置20に、変更の内容を含む買い物メモの変更を通知する。また、食材管理装置20の装置通信部21が、変更の通知を受け付ける。また、買い物メモ管理部25が、変更の通知に従って買い物メモ情報273を更新する。そして、ステップS9に遷移し、更新結果に応じてこれ以降の処理が実行される。なお、買い物メモ情報を端末装置10のみで管理する場合、自身で買い物メモ情報112を更新し、ステップS17~ステップS19を省略してもよい。
【0081】
また、ステップS20において、食材管理部23が、通知された収納食材情報272に不足が無いかを確認する。具体的には、通知されたレシピ情報275で利用される食材もしくは買い物メモ情報273に不足が無いか、レシピ情報275等に関わらず常備品に不足が無いかを確認する。この結果、常備品のみ不足している場合、ステップS23に遷移する。非常備品が不足している場合、ステップS21に遷移する。さらに、常備品・非常備品共に不足が無い場合、ステップS24に遷移する。
【0082】
また、ステップS21において、食材管理部23が、非常備品に対する発注確認を行う。具体的には、食材管理部23は、出力部19に、不足している非常備品への発注が必要か、必要な場合その分量の入力を受け付けるための画面を表示させる。この結果、発注が必要な場合(要)、ステップS23に遷移する。また、必要ない場合(不要)、ステップS22に遷移する。
【0083】
また、ステップS22において、食材管理部23は、非常備品だけなく常備品も不足しているかを確認する。この結果、常備品も不足している場合(Yes)、ステップS23に遷移する。また、不足していない場合(No)、ステップS24に遷移する。なお、ステップS20やステップS22の常備品の確認は、利用者管理情報271の常備品と、収納食材情報272を突き合せることで、実現できる。
【0084】
また、ステップS23において、食材管理部23は、ステップS20~ステップS22に応じた発注処理を実行する。具体的には、以下のとおりの処理が実行される。
【0085】
(1)ステップS20から遷移された場合
食材管理部23は、不足している常備品について、利用者管理情報271の常備品に応じた発注情報を作成し、端末通信部11を介して、実店舗システム51やECシステム52に送信する。つまり、常備品の自動発注を行う。但し、発注情報の送信を、利用者の確認を条件としてもよい。
(2)ステップS21から遷移した場合
食材管理部23は、利用者から入力された食材とその分量を示す発注情報を作成し、端末通信部11を介して、実店舗システム51やECシステム52に送信する。この際、常備品も不足していれば、食材管理部23が発注情報に常備品も含めることが望ましい。
(3)ステップS22から遷移した場合
食材管理部23は、(1)と同様に自動発注処理を実行する。
【0086】
なお、ステップS23では、以下のとおり、食材管理装置20と連携して実行してもよい。まず、食材管理部14は、端末通信部11を用いて、不足している食材を含む問合せ情報を、食材管理装置20に通知する。そして、食材管理装置20の食材管理部23が、店舗食材情報274を検索して、いずれの店舗に在庫が有るかを確認する。この結果、食材管理部23が、装置通信部21を介して端末装置10に、在庫のある店舗を回答する。
【0087】
また、端末装置10の出力部19が、当該回答を表示する。そして、食材管理部14が、利用者からの指定に応じて発注情報を作成する。また、在庫がネットショッピングに対応していない店舗であれば、利用者は当該店舗に出かけ、購入を行うことができる。
【0088】
また、ステップS24において、食材管理部23が、冷蔵庫31の庫内の撮影要求が有るかを判定する。具体的には、入力部18を介して、庫内、つまり、収納食材の撮影要求を受け付けたかを判定する。この結果、要求がある場合(Yes)、ステップS25に遷移する。また、要求がない場合(No)、ステップS32に遷移して表示を継続する。なお、本ステップは適宜実行可能であり、ステップS24までの処理が前提としなくともよい。
【0089】
また、ステップS25において、端末通信部11が、撮影要求を冷蔵庫31に送信する。これを受けて、ステップS26において、冷蔵庫31の家電通信部306が撮影要求を受け付ける。そして、ステップS27において、制御信号作成部302からの制御信号に従って、センサ部309が庫内を撮影し、画像データを得る。
【0090】
また、ステップS28において、家電通信部306が、食材管理装置20や端末装置10に、画像データを送信する。画像データの送信先は、食材管理装置20や端末装置10の一方としてもよいし、当該端末装置10以外の家族の端末装置を含めてもよい。
【0091】
また、ステップS29において、食材管理装置20の食材管理部23が、アイコン情報276を送信された画像データに更新する。また、本ステップでは、食材管理部23や買い物メモ管理部25のそれぞれが、収納食材情報272や買い物メモ情報273のアイコンを送信された画像データに更新してもよい。以上により、各情報のアイコンが現実に収納されているものを用いることが可能となる。なお、収納食材情報272や買い物メモ情報273の更新はいずれか一方であってもよい。
【0092】
また、ステップS30において、出力部19が、ステップS20で通知された画像データを表示する。そして、ステップS31において、ステップS29と同様にアイコンを更新する。つまり、食材管理部14が、通知された画像データにアイコン情報114を更新する。また、食材管理部14や買い物メモ管理部16のそれぞれが、収納食材情報111や買い物メモ情報112のアイコンを送信された画像データに更新してもよい。以上により、各情報のアイコンが現実に収納されているものを用いることが可能となる。なお、収納食材情報111や買い物メモ情報112の更新はいずれか一方であってもよい。そして、ステップS32において、出力部19での表示を継続する。
【0093】
以上で、本フローチャートの説明を終了する。フローチャートの示す処理により、不足した食材の発注(購入)やタイムリーなアイコンの更新が実現できる。また、実施例1では、端末装置10、冷蔵庫31および食材管理装置20が連携して、上述の処理を実行するが、いずれか1つの装置ないし2つの装置でこれらの処理を実行してもよい。さらに、各ステップを処理する装置も例示した以外であってもよい。例えば、端末装置10の出力部19の表示を冷蔵庫31の表示操作パネル307で行ってもよい。他にもステップS9のレシピ作成を、端末装置10のレシピ提案部15で実行してもよい。また、本実施例では、端末装置10の出力部19に、食材管理画面101a、レシピ提案画面101bおよび買い物メモ画面101cいずれかと、これらを選択するためのタブ1012を1つの画面に表示することになる。
また、ステップS38において、食材管理装置20の装置通信部21が、変更内容を受け付ける。これを受けて、ステップS39において、食材管理部23が、変更内容に対応する収納食材情報272を検索する。ここでは、端末装置10の利用者もしくはその家族の収納食材情報272が検索されることになる。そして、食材管理部23が、検索された収納食材情報272の通知情報を変更内容に応じて、一括更新する。
以上で、本フローチャートの説明を終了する。フローチャートの示す処理により、利用者ないし家族の収納食材情報272の通知情報等の一括設定を実現できる。また、実施例2では、端末装置10、冷蔵庫31および食材管理装置20が連携して、上述の処理を実行するが、いずれか1つの装置ないし2つの装置でこれらの処理を実行してもよい。さらに、各ステップを処理する装置も例示した以外であってもよい。例えば、端末装置10の出力部19の表示を冷蔵庫31の表示操作パネル307で行ってもよい。他にもステップS38以降の処理を、端末装置10の食材管理部14で実行してもよい。
なお、これら表示形式としては、食材アイコン1011aの一部に、新規登録アイコン1011dや収納場所アイコン1011eを重畳することが望ましい。このような表示を行うことで、利用者は直感的に収納食材の状況を把握することができる。以上で、実施例2の説明を終わる。