(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047258
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】端末制御装置及びそのプログラム、端末
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240329BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240329BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240329BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20240329BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240329BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301D
G07G1/12 321L
G07G1/00 301D
G07G1/00 311E
G06Q30/06
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152782
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】中神 清次
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142CA13
3E142CA17
3E142DA08
3E142FA12
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA22
3E142GA41
5L049BB07
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】セルフ登録システムで使用される端末を子供が興味を持って操作するように制御する。
【解決手段】連携手段は、端末制御装置と端末とを連携状態とする。表示制御手段は、購入を予定する商品のリストを、端末の表示デバイスに表示させる。選択手段は、端末の入力デバイスからの入力を受けてリストから1つの商品を選択する。出力手段は、端末の読取デバイスで読み取られた商品コードで識別される商品が選択手段により選択された商品と一致する場合には正答信号を端末に出力し、一致しない場合には誤答信号を端末に出力する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイス、入力デバイス及び商品コードの読取りデバイスを備え、セルフ登録システムで使用される端末を制御する端末制御装置のコンピュータを、
前記端末制御装置と前記端末とを連携状態とする連携手段、
購入を予定する商品のリストを、前記端末の表示デバイスに表示させる表示制御手段、
前記端末の入力デバイスからの入力を受けて前記リストから1つの商品を選択する選択手段、及び
前記端末の読取デバイスで読み取られた前記商品コードで識別される商品が前記選択手段により選択された商品と一致する場合には正答信号を前記端末に出力し、一致しない場合には誤答信号を前記端末に出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記端末の読取デバイスで読み取られた前記商品コードで識別される商品が前記選択手段により選択された商品と一致する場合にポイントを取得する取得手段、
としてさらに機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記選択手段により選択された商品が販売されている場所まで案内する案内図を前記端末の表示デバイスに表示させる案内手段、
としてさらに機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、購入を予定する商品の中から子供が購入できない商品を除外した商品のリストを、前記端末の表示デバイスに表示させる、請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
表示デバイス、入力デバイス及び商品コードの読取りデバイスを備え、セルフ登録システムで使用される端末と連携する連携手段と、
購入を予定する商品のリストを、前記端末の表示デバイスに表示させる表示制御手段と、
前記端末の入力デバイスからの入力を受けて前記リストから1つの商品を選択する選択手段と、
前記端末の読取デバイスで読み取られた前記商品コードで識別される商品が前記選択手段により選択された商品と一致する場合には正答信号を前記端末に出力し、一致しない場合には誤答信号を前記端末に出力する出力手段と、
を具備する端末制御装置。
【請求項6】
購入を予定する商品のリストを表示する表示手段と、
前記リストから選択された商品を検出する検出手段と、
入力された商品コードで識別される商品が前記検出手段により検出された商品と一致する場合には第1の処理を実行し、一致しない場合には第2の処理を実行する処理手段と、
を具備する端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端末制御装置及びそのプログラム、さらには端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスーパーマーケットでは、商品が陳列されている売場を回りながら買物客が端末を操作して購入する商品のバーコードを自ら読み取るようにしたセルフ登録システムが導入されている。しかしながら、従来のセルフ登録システムで使用される端末は、子供が使用することを想定して設計されてはいない。このため、親子連れの買物客からは、子供が興味を持って操作するように設計された端末が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-272535号公報
【特許文献2】特開2015-038673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、セルフ登録システムで使用される端末を子供が興味を持って操作するように制御する端末制御装置及びそのプログラムと、子供が興味を持って操作する端末と、を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、プログラムは、表示デバイス、入力デバイス及び商品コードの読取りデバイスを備え、セルフ登録システムで使用される端末を制御する端末制御装置のコンピュータを、連携手段、表示制御手段、選択手段、及び出力手段として機能させる。連携手段は、端末制御装置と端末とを連携状態とする。表示制御手段は、購入を予定する商品のリストを、端末の表示デバイスに表示させる。選択手段は、端末の入力デバイスからの入力を受けてリストから1つの商品を選択する。出力手段は、端末の読取デバイスで読み取られた商品コードで識別される商品が選択手段により選択された商品と一致する場合には正答信号を端末に出力し、一致しない場合には誤答信号を端末に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、セルフ登録システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、商品データベースに保存される商品レコードの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、カートデータベースに保存されるカートレコードの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図4】
図4は、会員データベースに保存される会員レコードの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、買物支援サーバが備える買物リストテーブルの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図6】
図6は、買物支援サーバが備える購入リストテーブルの主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図7】
図7は、大人用カート端末の要部回路構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、大人用カート端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図9】
図9は、大人用カート端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図10】
図10は、大人用カート端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図11】
図11は、買物支援サーバが実行する連携確認コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図12】
図12は、買物支援サーバが実行する連携通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図13】
図13は、買物支援サーバが実行する累積通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図14】
図14は、買物支援サーバが実行する交換通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図15】
図15は、買物支援サーバが実行する会計通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図16】
図16は、買物支援サーバが実行する連係解除コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。
【
図17】
図17は、大人用カート端末に表示されるリスト確認画像の一例を示す模式図である。
【
図18】
図18は、大人用カート端末に表示される手伝い確認画像の一例を示す模式図である。
【
図19】
図19は、大人用カート端末に表示されるカート連携画像の一例を示す模式図である。
【
図20】
図20は、大人用カート端末に表示される買物案内画像の一例を示す模式図である。
【
図21】
図21は、大人用カート端末に表示される商品登録画像の一例を示す模式図である。
【
図22】
図22は、子供用カート端末に表示される子供用画像の一例を示す模式図である。
【
図23】
図23は、子供用カート端末に表示される子供用画像の案内図表示例を示す模式図である。
【
図24】
図24は、子供用カート端末に表示される正答画像の一例を示す模式図である。
【
図25】
図25は、子供用カート端末に表示される誤答画像の一例を示す模式図である。
【
図26】
図26は、子供用カート端末に表示される交換確認画像の一例を示す模式図である。
【
図27】
図27は、子供用カート端末に表示される買物終了画像の一例を示す模式図である。
【
図28】
図28は、会計機から発行される交換券の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、セルフ登録システムで使用される端末を子供が興味を持って操作するように制御する端末制御装置及びそのプログラム並びに端末の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
[セルフ登録システムの説明]
図1は、セルフ登録システム1の概略構成図である。セルフ登録システム1は、実店舗において、商品が陳列されている売場を買物客が回りながら端末を操作して、購入する商品のバーコードを自ら読み取ることを可能としたシステムである。端末は、ショッピングカートに設けられたカート端末である。
【0009】
セルフ登録システム1は、データベースサーバ10、買物支援サーバ20、ネットワークサーバ30及び通信サーバ40を備える。そしてセルフ登録システム1は、データベースサーバ10、買物支援サーバ20、ネットワークサーバ30及び通信サーバ40を、サーバ間ネットワーク50で接続する。
【0010】
データベースサーバ10は、商品データベース11、カートデータベース12、会員データベース13等の種々のデータベースを管理する。買物支援サーバ20は、買物リストテーブル21及び購入リストテーブル22を用いて、カート端末を利用して買上商品をセルフ登録する客の買物を支援する。商品データベース11、カートデータベース12、会員データベース13、買物リストテーブル21、購入リストテーブル22については後述する。
【0011】
ネットワークサーバ30は、インターネット等の通信ネットワーク2を介して接続される会員端末3とのデータ通信を制御する。会員端末3は、セルフ登録システムが導入された店舗と会員契約を結んだ消費者が使用するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の端末である。会員端末3は、消費者が店舗で購入を予定している商品の情報入力等に供せられる。
【0012】
通信サーバ40は、店舗の会計場に設置されている会計機60とのデータ通信を制御する。会計機60は、店舗で商品を購入する消費者、すなわち買物客が、購入する商品の代金を現金、クレジットカード、電子マネー等の支払方法で決済するための端末である。会計機60は、商品が陳列されている売場とは区分けされた会計場に設置される。会計機60のオペレータは、店員であってもよいし、客自身であってもよい。会計機60は、例えばPOS(Point Of Sales)端末、セルフPOS端末、決済端末、電子式キャッシュレジスタ等とも称される周知の機器である。通常、会計場には2台以上の会計機60が設置され、それぞれLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して通信サーバ40と接続されている。
【0013】
セルフ登録システム1は、サーバ間ネットワーク50に1乃至複数のアクセスポイント70を接続している。アクセスポイント70は、大人用カート端末80及び子供用カート端末90と、サーバ間ネットワーク50に接続された各サーバとの間の無線を利用したデータ通信の中継点として機能する。
【0014】
大人用カート端末80は、大人が使用するのを想定して設計された大人用カートに取り付けられた端末である。一方、子供用カート端末90は、例えば小学生以下の子供が使用するのを想定して設計された子供用カートに取り付けられた端末である。大人用カート端末80及び子供用カート端末90は、いずれも売場をカートとともに回りながら買物を行う客が、購入する商品をその場でセルフ登録するために供せられる。そのセルフ登録の際に、大人用カート端末80又は子供用カート端末90は、アクセスポイント70を介して買物支援サーバ20等とデータ通信を行う。大人用カート端末80及び子供用カート端末90の詳細については後述する。
【0015】
[商品データベースの説明]
商品データベース11は、店舗で販売される商品毎に作成される商品レコード111(
図2を参照)の集合体である。
図2は、商品レコード111の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように商品レコード111は、商品コード、商品名、子供用商品名、価格、棚番号、子供禁止フラグFa、お手伝いポイントp等のデータ項目を含む。
【0016】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された一意のコードである。各商品には、商品コードを表すバーコードが付されている。商品名は、その商品の名称であり、子供用商品名は、その名称を子供用に変更したものである。例えば「牛乳」を「ぎゅうにゅう」とするように、漢字をひらがなで表記したものを子供用商品名とする。例えば「キャンディ」を「あめ」とするように、子供が理解しやすい表現に変更したものを子供用商品名とする。「みかん」等のようにひらがな表記の商品名の場合には、そのまま子供用商品名としてもよい。価格は、その商品の単価である。棚番号は、売場において、その商品が陳列されている商品棚の区画を示す番号である。商品棚の各区画にはそれぞれ固有の棚番号が割り当てられている。
【0017】
子供禁止フラグFaは、子供が購入するのを禁止する商品であるか否かを識別するための1ビットデータである。例えばアルコール類、タバコ等の20禁商品が子供禁止フラグFaの対象商品となる。20禁商品以外の商品を子供禁止フラグFaの対象商品としてもよい。本実施形態では、子供が購入するのを禁止しない商品の子供禁止フラグFaを“0”とし、子供が購入するのを禁止する商品の子供禁止フラグFaを“1”とする。
【0018】
お手伝いポイントpは、子供が子供用カート端末90を操作して、対応する商品コードで識別される商品をセルフ登録した場合に付与される特典ポイントである。お手伝いポイントpは、商品毎に決定される。お手伝いポイントpをどのように決めるかは任意である。例えば、外観が類似している商品が他にあるために子供には識別が難しい商品ほどお手伝いポイントpを大きくする。お手伝いポイントpは、商品の区別なく一律に決定してもよい。お手伝いポイントpが一定数溜まると、例えば玩具等の景品と交換可能とする。
【0019】
[カートデータベースの説明]
カートデータベース12は、店舗で使用される大人用カート及び子供用カート毎に作成されるカートレコード121(
図3を参照)の集合体である。
図3は、カートレコード121の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するようにカートレコード121は、カート番号、種別区分、使用中フラグFb、連携元カート番号等のデータ項目を含む。
【0020】
カート番号は、大人用カート及び子供用カートにそれぞれ割り当てられた固有の番号である。種別区分は、そのカート番号で特定されるカートが大人用カートなのか子供用カートなのかを区別する情報である。使用中フラグFbは、そのカート番号で特定される大人用カート又は子供用カートを買物客が使用中であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、使用中でないカートの使用中フラグFbを“0”とし、使用中であるカートの使用中フラグFbを“1”とする。
【0021】
連携元カート番号は、対応するカート番号のカートが子供用カートである場合に、その子供用カートに設けられた子供用カート端末90と連携状態にある大人用カート端末80が設けられた大人用カートのカート番号である。対応するカート番号のカートが大人用カートに属する場合には、連携元カート番号は省略される。
【0022】
[会員データベースの説明]
会員データベース13は、店舗と会員契約を結んだ消費者、いわゆる会員毎に作成される会員レコード131(
図4を参照)の集合体である。
図4は、会員レコード131の主要なデータ構造を示す模式図である。図示するように会員レコード131は、会員ID、保有ポイントQ等のデータ項目を含む。
【0023】
会員IDは、各会員を個々に識別するために会員毎に設定された一意のIDである。会員は、会員端末3に会員用のアプリケーションソフトウェア(以下、会員アプリと称する)をインストールして会員登録を行う。会員登録を行うことで、その会員アプリに会員IDが設定される。そして会員アプリを起動すると、会員端末3のディスプレイに、会員IDを例えばバーコードの形態で表したスタート画面が表示される。
【0024】
保有ポイントQは、会員IDで識別される会員が保有するお手伝いポイントpの累積値である。前述したように、子供が子供用カート端末90を操作して商品をセルフ登録する毎に、その商品に対して設定されたお手伝いポイントpが付与される。そのお手伝いポイントpが保有ポイントQとして会員別に累積される。
【0025】
[買物リストテーブルの説明]
会員端末3に会員アプリをインストールして会員登録を行った消費者、すなわち会員は、その会員端末3を操作することにより、セルフ登録システム1が導入された店舗で購入を予定している商品のリストを買物支援サーバ20に登録することができる。買物支援サーバ20は、会員端末3から登録された購入予定商品のリストを基に買物リストテーブル21を作成し、保持する機能を有している。買物リストテーブル21には、会員が登録した購入予定商品に係るデータが保存される。
【0026】
図5は、買物リストテーブル21のデータ構造を示す模式図である。図示するように買物リストテーブル21は、会員IDと関連付けて、商品コード、商品名、子供用商品名、棚番号、子供禁止フラグFa及びお手伝いポイントpを含むレコードを記憶する。商品コードは、会員IDで識別される会員が購入を予定している商品の識別コードである。商品名、子供用商品名、棚番号、子供禁止フラグFa及びお手伝いポイントpは、その商品コードを含む商品レコード111に設定された情報である。
【0027】
[購入リストテーブルの説明]
買物支援サーバ20は、親子連れの買物客がそれぞれ大人用カート端末80と子供用カート端末90とを使用して買上商品のセルフ登録を行う場合に購入リストテーブル22を作成し、保持する機能を有している。購入リストテーブル22には、買物客が店舗の売場で大人用カート端末80又は子供用カート端末90を操作してセルフ登録をした買上商品に係るデータが保存される。
【0028】
図6は、購入リストテーブル22のデータ構造を示す模式図である。図示するように購入リストテーブル22は、会員IDと関連付けて、大人用カートのカート番号と、子供用カートのカート番号と、保有ポイントQとを記憶する。また購入リストテーブル22は、商品コード、価格、点数、金額及びお手伝いポイントpを記憶する。さらに購入リストテーブル22は、点数の合算値、金額の合算値及びお手伝いポイントpの合算値Pを記憶する。商品コードは、会員IDで特定される買物客が大人用カート端末80又は子供用カート端末90を操作してセルフ登録した買上商品の商品コードである。価格は、その商品コードで識別される商品の価格であり、点数は購入点数であり、金額は価格に購入点数を乗じて算出した購入金額である。お手伝いポイントpは、その商品コードで識別される商品に対して設定されたお手伝いポイントpである。ただし、お手伝いポイントpは、子供用カート端末90の操作によりセルフ登録された買上商品に対して記憶される。大人用カート端末80の操作によりセルフ登録された買上商品に対しては、お手伝いポイントpは記憶されない。
【0029】
また購入リストテーブル22は、ステータスSを記憶する。ステータスSは、お手伝いポイントpの処理に係る情報である。前述したように、お手伝いポイントpは一定数溜まると、景品と交換することができる。換言すれば、一定数溜まるまでは景品と交換することができない。このため、お手伝いポイントpの処理には、保有ポイントQとして蓄積する第1の処理と、景品と交換する第2の処理とがある。お手伝いポイントpが一定数以上溜まった買物客は、第1の処理又は第2の処理を選択することができる。本実施形態では、買物客が第1の処理を選択した場合のステータスSを“1”とし、第2の処理を選択した場合のステータスSを“2”とする。なお、お手伝いポイントpが一定数以上溜まっていない買物客に対しては、必然的に第1の処理が実行されるため、ステータスSは“1”となる。
【0030】
買物支援サーバ20は、大人用カート端末80だけを使用して買上商品のセルフ登録を行う買物客に対しても購入リストテーブルを作成し、保持する機能を有している。ただし、その購入リストテーブルは、子供用カートのカート番号と、保有ポイントQと、ステータスとを省略したものとなる。
【0031】
[カート端末の構成説明]
初めに、大人用カート端末80について説明する。
図7は、大人用カート端末80の要部回路構成を示すブロック図である。大人用カート端末80は、プロセッサ81、メインメモリ82、補助記憶デバイス83、無線ユニット84、デバイスインターフェース851、デバイスインターフェース852、センサ86及びシステム伝送路87を備える。そして大人用カート端末80は、デバイスインターフェース851にタッチパネル88を接続し、デバイスインターフェース852にスキャナ89を接続する。システム伝送路87は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。大人用カート端末80は、プロセッサ81とメインメモリ82、補助記憶デバイス83、無線ユニット84、デバイスインターフェース851、デバイスインターフェース852及びセンサ86とをシステム伝送路87で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0032】
プロセッサ81は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ81は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、大人用カート端末80としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ81は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0033】
メインメモリ82は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ82は、プロセッサ81が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ82は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ81によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0034】
補助記憶デバイス83は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス83となり得る。補助記憶デバイス83は、プロセッサ81が各種の処理を行う上で使用するデータ、又は、プロセッサ81での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス83は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0035】
無線ユニット84は、アクセスポイント70との間で無線を利用してデータを送受信するための回路である。
【0036】
デバイスインターフェース851は、タッチパネル88との間でデータ通信を行うための回路である。タッチパネル88は、ディスプレイに文字、記号、画像等からなる表示要素を表示する表示デバイスである。またタッチパネル88は、ディスプレイに対するタッチ操作位置をセンサで検知し、その位置の表示要素が入力されたものとして処理する入力デバイスでもある。
【0037】
デバイスインターフェース852は、スキャナ89との間でデータ通信を行うための回路である。スキャナ89は、バーコード、二次元コード等の機械可読コードを光で走査して読み取る光学式の読取りデバイスである。スキャナ89は、カメラで撮影した画像から機械可読コードを読み取る撮像式の読取りデバイスであってもよい。スキャナ89は、商品に付された商品コードを表すバーコードだけでなく、会員端末3のタッチパネルに表示された会員IDを表すバーコードを読み取ることもできる。
【0038】
センサ86は、カートの位置検出に利用されるセンサである。例えば売場の各所に位置情報を発信する発信機が設けられており、センサ86は、各発信機から発信される位置情報を検知する。プロセッサ81は、センサ86で検知した各発信機からの位置情報を基に、カートの売場内における現在位置を測定する。
【0039】
次に、子供用カート端末90について説明する。
子供用カート端末90の回路構成は、大人用カート端末80と基本的に同一である。このため、図示を省略するが、子供用カート端末90は、プロセッサ91、メインメモリ92、補助記憶デバイス93、無線ユニット94、デバイスインターフェース951、デバイスインターフェース952、センサ96及びシステム伝送路97を備える。そして子供用カート端末90は、デバイスインターフェース951にタッチパネル98を接続し、デバイスインターフェース952にスキャナ99を接続する。なお、タッチパネル98及びスキャナ99は、子供が操作しやすいように改良されたものであってもよい。
【0040】
ここに、子供用カート端末90は、表示デバイス、入力デバイス及び商品コードの読取りデバイスを備え、セルフ登録システム1で使用される端末の一例である。一方、大人用カート端末80は、その端末、つまりは子供用カート端末90を、子供が興味を持って操作するように制御する端末制御装置として機能する。
【0041】
なお、大人用カート端末80及び子供用カート端末90が備えるデバイスは、タッチパネルとスキャナとに限定されるものではない。キーボード、カードリーダ、カメラ等の種々のデバイスを、それぞれデバイスインターフェースを介してコンピュータに接続して、大人用カート端末80又は子供用カート端末90を構成してもよい。
【0042】
さて、大人用カート端末80及び子供用カート端末90の補助記憶デバイス83,93には、それぞれ当該カート端末が設けられたカートのカート番号が記憶されている。すなわち、大人用カート端末80の補助記憶デバイス83には、大人用カートのカート番号が記憶され、子供用カート端末90の補助記憶デバイス93には、子供用カートのカート番号が記憶されている。
【0043】
そして、大人用カート端末80は、子供用カート端末90を制御する端末制御装置として機能するために、プロセッサ81が、連携手段811、表示制御手段812、選択手段813、案内手段814、取得手段815及び出力手段816を有するように制御プログラムを実装している。制御プログラムは、補助記憶デバイス83にインストールされている。制御プログラムは、メインメモリ82にインストールされてもよい。制御プログラムをメインメモリ82又は補助記憶デバイス83にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、制御プログラムをメインメモリ82又は補助記憶デバイス83にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0044】
連携手段811は、大人用カート端末80と子供用カート端末90とを連携状態にするための手段である。大人用カート端末80と子供用カート端末90とが連携状態になることによって、大人用カート端末80と子供用カート端末90との間で無線による双方向のデータ通信が可能となる。
【0045】
表示制御手段812は、購入を予定する商品のリスト、いわゆる買物リストを子供用カート端末90の表示デバイスに表示させる手段である。詳しくは、表示制御手段812は、購入を予定する商品の中から子供が購入できない商品を除外した商品のリストを子供用カート端末90の表示デバイスに表示させる。すなわち子供用カート端末90は、買物リストを表示する表示手段を備えている。
【0046】
選択手段813は、子供用カート端末90の入力デバイスからの入力、つまりはタッチパネル98の操作入力を受けて、買物リストから1つの商品を選択する手段である。子供用カート端末90を使用する子供は、タッチパネル98を操作して買物リストの中から購入しようとする商品を選択する。子供用カート端末90は、買物リストから選択された商品を検出する検出手段を備えており、検出した商品の情報、例えば商品コードを大人用カート端末80に通知する。選択手段813は、子供用カート端末90の検出手段で検出された商品を買物リストから選択する。
【0047】
案内手段814は、選択手段813により選択された商品が販売されている場所まで案内する案内図を子供用カート端末90の表示デバイスに表示させる手段である。子供は、案内図に従い選択した商品が販売されている商品棚まで子供用カートを押しながら売場を移動する。
【0048】
取得手段815は、子供用カート端末90の読取デバイスで読み取られた商品コードで識別される商品が選択手段813により選択された商品と一致する場合に、お手伝いポイントpを取得する手段である。案内図に従い商品棚まで移動した子供は、選択した商品を手に取り、その商品に付されているバーコードをスキャナ99で読み取るための操作を行う。このとき、バーコードを読み取った商品が選択した商品と一致する場合には、その商品に対して設定されているお手伝いポイントpを獲得できる。バーコードを読み取った商品が選択した商品と一致しない場合には、お手伝いポイントpを獲得できない。
【0049】
出力手段816は、子供用カート端末90の読取デバイスで読み取られた商品コードで識別される商品が選択手段813により選択された商品と一致する場合には正答信号を子供用カート端末90に出力し、一致しない場合には誤答信号を子供用カート端末90に出力する手段である。正答信号が出力された子供用カート端末90においては、例えば取得手段815で取得したお手伝いポイントpがタッチパネル98に表示される。誤答信号が出力された子供用カート端末90においては、例えば商品が間違えていることを通知する画像がタッチパネル98に表示される。このように、子供用カート端末90は、入力された商品コードで識別される商品が検出手段により検出された商品と一致する場合には正答信号に従った第1の処理を実行し、一致しない場合には誤答信号に従った第2の処理を実行する処理手段を有している。
【0050】
[セルフ登録システムの動作説明]
図8乃至
図10は、大人用カート端末80のプロセッサ81が実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図11乃至
図16は、買物支援サーバ20が実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図17乃至
図27は、大人用カート端末80又は子供用カート端末90のタッチパネル88又は98に表示される画像の一例である。
図28は、会計機60から発行される交換券TKの印刷例である。以下、各図を用いて、親子連れの買物客が大人用カート端末80及び子供用カート端末90を利用して購入する商品のバーコードを自ら読み取る場合のセルフ登録システム1の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する情報処理の手順及び内容は一例である。同様な各種の作用効果を奏し得るのであれば、その手順及び内容は適宜変更することができる。また、種々の画像及び交換券も一例である。表示要素または印刷要素の配置又はテキストの内容等を適宜変更可能であることは言うまでもないことである。
【0051】
はじめに、セルフ登録システム1が構築された店舗の会員である親は、会員端末3にインストールした会員アプリを利用して、その店舗で購入を予定している商品を登録する。会員が会員端末3から購入予定商品を登録することで、買物支援サーバ20は、買物リストテーブル21を作成し保持する。買物リストテーブル21は、会員の会員IDと関連付けて、購入予定商品の商品コード、商品名、子供用商品名、棚番号、子供禁止フラグFa、お手伝いポイントp等を記憶したものである。
【0052】
購入予定商品を登録し終えた親は、子供と一緒に店舗に行って買物を行う。このとき、親は大人用カートを使用する。子供は子供用カートを使用する。大人用カートに設けられた大人用カート端末80のタッチパネル88には、初期画像が表示されている。初期画像は、スタートボタンを含む画像である。親は、スタートボタンにタッチする。一方、子供用カートに設けられた子供用カート端末90のタッチパネル98にも初期画像が表示されている。ただし、スタートボタンは含まれていない。
【0053】
初期画像を表示した大人用カート端末80のプロセッサ81は、
図8のACT1として連携フラグFdを“0”に設定する。連携フラグFdは、当該大人用カート端末80が子供用カートに設けられた子供用カート端末90と連携して動作するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、子供用カート端末90と連携しない場合の連携フラグを“0”とし、連携する場合の連携フラグを“1”とする。連携フラグFdは、メインメモリ82の揮発性メモリ領域に記憶されている。初期の段階では、大人用カート端末80は子供用カート端末90と連携していない。したがって、ACT1において、連携フラグFdは“0”に設定される。
【0054】
連携フラグFdを“0”に設定したプロセッサ81は、ACT2としてスタートボタンが入力されるのを待ち受ける。タッチパネル88からの信号によりスタートボタンが入力されたことを確認すると、プロセッサ81は、ACT2からACT3へと進む。プロセッサ81は、ACT3としてタッチパネル88にリスト確認画像SCa(
図17を参照)を表示させる。
【0055】
図17は、リスト確認画像SCaの一表示例である。図示するようにリスト確認画像SCaは、買物リストがあるか否か、つまりは来店前に購入予定商品を登録したか否かを問い合わせるテキスト、例えば「買物リストはありますか? 買物リストがあるお客様は、スキャナで会員IDをスキャンしてください」とともに、[ある]の第1ボタンBaと、[ない]の第2ボタンBbとを配置する。
【0056】
リスト確認画像SCaを確認した親は、来店前に購入予定商品を登録しているので、[ある]の第1ボタンBaにタッチする。さらに親は、会員端末3にインストールした会員アプリを起動し、スタート画面に表示される会員IDのバーコードをスキャナ89で読み取らせる。因みに、来店前に購入予定商品を登録していない買物客は、[ない]の第2ボタンBbにタッチする。
【0057】
リスト確認画像SCaを表示させたプロセッサ81は、ACT4として買物リストがあるか否か、つまりは、[ある]の第1ボタンBaが入力されたのか、[ない]の第2ボタンBbが入力されたのかを確認する。プロセッサ81は、タッチパネル88からの信号により[ない]の第2ボタンBbが入力されたことを確認した場合には、ACT4からACT14へと進む。ACT14以降の処理については後述する。
【0058】
プロセッサ81は、タッチパネル88からの信号により[ある]の第1ボタンBaが入力されたことを確認した場合には、ACT4からACT5へと進む。プロセッサ81は、ACT5としてスキャナ89で会員IDのバーコードが読み取るのを待ち受ける。スキャナ89で会員IDのバーコードが読み取られたならば、プロセッサ81は、ACT5からACT6へと進む。プロセッサ81は、ACT6としてその会員IDを含む買物リストテーブル21を買物支援サーバ20から取得する。具体的にはプロセッサ81は、買物リストテーブル21の問合せコマンドを無線ユニット84から買物支援サーバ20へと送信する。問合せコマンドは、アクセスポイント70で受信され、サーバ間ネットワーク50を通じて買物支援サーバ20へと送られる。問合せコマンドには、スキャナ89で読み取ったバーコードから得られた会員IDが含まれている。買物支援サーバ20は、問合せコマンドに含まれた会員IDが設定された買物リストテーブル21を問合せコマンド送信元の大人用カート端末80に送信する。かくして大人用カート端末80は、買物リストテーブル21を取得することができる。
【0059】
買物リストテーブル21を取得した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT7としてタッチパネル88に手伝い確認画像SCb(
図18を参照)を表示させる。
【0060】
図18は、手伝い確認画像SCbの一表示例である。図示するように手伝い確認画像SCbは、子供用カートを利用して子供に買物のお手伝いをさせるか否かを問い合わせるテキスト、例えば「子供用カートを利用して、お子様に買物のお手伝いをさせますか?」とともに、[させる]の第3ボタンBcと、[させない]の第4ボタンBdとを配置する。
【0061】
手伝い確認画像SCbを確認した親は、子供用カートを利用して子供に買物のお手伝いをさせるので、[させる]の第3ボタンBcにタッチする。因みに、親子連れでない、若しくは子供に買物のお手伝いをさせない買物客は、[させない]の第4ボタンBdにタッチする。
【0062】
手伝い確認画像SCbを表示させたプロセッサ81は、ACT8として子供に買物のお手伝いをさせるか否か、つまりは、[させる]の第3ボタンBcが入力されたか、[させない]の第4ボタンBdが入力されたかを確認する。プロセッサ81は、タッチパネル88からの信号により[させない]の第4ボタンBdが入力されたことを確認した場合には、ACT8からACT14へと進む。ACT14以降の処理については後述する。
【0063】
プロセッサ81は、タッチパネル88からの信号により[させる]の第3ボタンBcが入力されたことを確認した場合には、ACT8からACT9へと進む。プロセッサ81は、ACT9としてタッチパネル88にカート連携画像SCc(
図19を参照)を表示させる。
【0064】
図19は、カート連携画像SCcの一表示例である。図示するようにカート連携画像SCcは、カート番号を置数するためのテンキーボタンBeと、このテンキーボタンBeで置数されたカート番号を表示するカート番号エリアAaと、[確定]の第5ボタンBfと、[クリア]の第6ボタンBgとを配置する。
【0065】
カート連携画像SCcを確認した親は、テンキーボタンBeを操作して、子供が利用する子供用カートのカート番号を置数する。そしてカート番号エリアAaに表示されたカート番号が正しいと認識した親は、[確定]の第5ボタンBfにタッチする。なお、カート番号エリアAaに表示されたカート番号が間違っていることに気づいた親は、[クリア]の第6ボタンBgにタッチする。第6ボタンBgの入力によりカート番号エリアAaがクリアされるので、親は、子供用カートのカート番号を置数し直せばよい。
【0066】
カート連携画像SCcを表示させた大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT10としてカート番号の入力が確定するのを待ち受ける。[確定]の第5ボタンBfが入力されて、テンキーボタンBeにより置数されたカート番号が確定されると、プロセッサ81は、ACT10からACT11へと進む。プロセッサ81は、ACT11として連携確認コマンドを買物支援サーバ20に送信する。連携確認コマンドは、無線ユニット84の作用により無線で送信され、アクセスポイント70で受信される。さらに連携確認コマンドは、サーバ間ネットワーク50を通じて買物支援サーバ20へと送信される。連携確認コマンドには、コマンド送信元の大人用カート端末80に設定されているカート番号、つまりは連携元カート番号と、連携先カート番号、つまりは親がテンキーボタンBeを操作して入力したカート番号とが含まれる。
【0067】
連携確認コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図11の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、買物支援サーバ20は、ACT61として連携確認コマンドから連携先カート番号を検出する。連携先カート番号を検出した買物支援サーバ20は、ACT62としてデータベースサーバ10にアクセスして、その連携先カート番号を含むカートレコード121を取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT63としてそのカートレコード121の種別区分が子供用カートを示しているか否かを確認する。
【0068】
種別区分が子供用カートを示している場合には、買物支援サーバ20は、ACT64としてカートレコード121の使用中フラグFbが未使用の状態を示しているか否かを確認する。使用中フラグFbが“0”、すなわち未使用の状態を示している場合には、買物支援サーバ20は、ACT65として連携確認コマンドから連携元カート番号を取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT66としてカートレコード121に連携元カート番号を記録する。また買物支援サーバ20は、ACT67としてカートレコード121の使用中フラグFbを使用中の状態を示す値、すなわち“1”に書き換える。さらに買物支援サーバ20は、ACT68として連携確認コマンド送信元の大人用カート端末80に対し、連携成立の応答コマンドを送信する。
【0069】
一方、ACT63においてカートレコード121の種別区分が子供用カートを示していない場合、あるいはACT64においてカートレコード121の使用中フラグFbが使用中の状態を示している場合には、買物支援サーバ20は、ACT69として連携確認コマンド送信元の大人用カート端末80に対し、連携不成立の応答コマンドを送信する。かくして、連携成立の応答コマンド又は連携不成立の応答コマンドを送信した買物支援サーバ20は、連携確認コマンドを受信した際の情報処理を終了する。
【0070】
図8の説明に戻る。
連携確認コマンドを送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT12とて応答コマンドを待ち受ける。そして買物支援サーバ20から連携不成立応答のコマンドを受信した場合には、プロセッサ81は、今回の処理をエラーとして終了する。エラーとなるのは、親がカート連携画像SCcにおいて大人用カートのカート番号を入力してしまったり、他の買物客が使用中の子供用カートのカート番号を入力してしまったりした場合である。すなわち、子供用カート番号の入力間違えがエラーの原因である。そこでエラーとなった場合には、親は、スタートボタンの入力から操作をやり直せばよい。
【0071】
買物支援サーバ20から連携成立の応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ81は、ACT12からACT13へと進む。プロセッサ81は、ACT13として連携フラグFdを“0”から“1”に変更する。連携成立の応答コマンドを受信したということは、大人用カート端末80が子供用カート端末90と連携したことを意味する。そこで本実施形態では、連携フラグFdを“1”に変更する。ここに、プロセッサ81は、ACT9乃至ACT13の処理を実行することにより連携手段811を実現する。
【0072】
連携フラグFdを“1”に変更したプロセッサ81は、ACT14へと進む。このように、連携フラグFdが“1”に変更されるか、リスト確認画像SCaの第2ボタンBbが入力されるか、手伝い確認画像SCbの第4ボタンBdが入力されると、プロセッサ81は、ACT14へと進む。プロセッサ81は、ACT14としてタッチパネル88に買物案内画像SCd(
図20を参照)を表示させる。したがって、大人用カート端末80と子供用カート端末90とを連携させて買物を行う親子連れの買物客らみならず、大人用カート端末80を使用する全ての買物客に対して買物案内画像SCdが表示される。
【0073】
図20は、買物案内画像SCdの一表示例である。図示するように買物案内画像SCdは、買物を始めるのに必要な操作を示すテキスト、例えば「買物開始ボタンにタッチして、お買い物を始めてください」とともに、[買物開始]の第7ボタンBhを配置する。買物案内画像SCdを確認した買物客は、[買物開始]の第7ボタンBhにタッチする。
【0074】
買物案内画像SCdを表示させたプロセッサ81は、ACT15として[買物開始]の第7ボタンBhが入力されるのを待ち受ける。タッチパネル88からの信号により第7ボタンBhが入力されたことを確認したプロセッサ81は、ACT15からACT16へと進む。プロセッサ81は、ACT16として連携フラグFdを調べる。連携フラグFdが“0”、すなわち大人用カート端末80が子供用カート端末90と連携していない場合には、プロセッサ81は、既存の処理を実行する。既存の処理とは、買物客が大人用カート端末80を単独で操作して購入する商品のセルフ登録を行うのを可能とするための処理である。プロセッサ81は、買物支援サーバ20と協働して処理を実行する。かかる処理は、既存のセルフ登録システムにおける処理と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0075】
ACT16において、連携フラグFdが“1”である場合、すなわち大人用カート端末80と子供用カート端末90とを連携させて買物を行う親子連れの買物客の場合には、プロセッサ81は、ACT17へと進む。プロセッサ81は、ACT17として連携通知コマンドを買物支援サーバ20に送信する。連携通知コマンドは、無線ユニット84の作用により無線で送信され、アクセスポイント70で受信される。さらに連携通知コマンドは、サーバ間ネットワーク50を通じて買物支援サーバ20へと送信される。連携通知コマンドには、会員IDと、連携元カート番号と、連携先カート番号とが含まれる。会員IDは、ACT5において読み取ったバーコードから得た会員IDである。連携元カート番号及び連携先カート番号は、ACT11において買物支援サーバ20へと送信した連携確認コマンドに含めた連携元カート番号及び連携先カート番号である。
【0076】
連携通知コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、買物支援サーバ20は、ACT71として連携通知コマンドから会員IDを検出する。また買物支援サーバ20は、ACT72として連携通知コマンドから連携元カート番号、つまりは大人用カート番号を検出する。さらに買物支援サーバ20は、ACT73として連携通知コマンドから連携先カート番号、つまりは子供用カート番号を検出する。
【0077】
次いで、買物支援サーバ20は、ACT74としてデータベースサーバ10にアクセスして、会員IDを含む会員レコード131から保有ポイントQを取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT74として購入リストテーブル22を作成し保持する。購入リストテーブル22には、ACT71乃至ACT74の処理で取得した会員ID、大人用カート番号、子供用カート番号及び保有ポイントQが記述される。
【0078】
その後、買物支援サーバ20は、ACT76として購入リストテーブル22のステータスをデフォルトの値“0”とする。そして買物支援サーバ20は、連携通知コマンド送信元の大人用カート端末80に対し、購入リストテーブル22を送信する。かくして買物支援サーバ20は、連携通知コマンドを受信した際の情報処理を終了する。
【0079】
図8の説明に戻る。
連携通知コマンドを送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT18として無線ユニット84を介して受信した購入リストテーブル22を記憶する。例えばプロセッサ81は、メインメモリ82の揮発性メモリ領域に購入リストテーブル22を記憶する。プロセッサ81は、補助記憶デバイス83で購入リストテーブル22を記憶してもよい。
【0080】
購入リストテーブル22を記憶したプロセッサ81は、
図9のACT21へと進む。プロセッサ81は、ACT21としてタッチパネル88に商品登録画像SCe(
図21を参照)を表示させる。
【0081】
図21は、商品登録画像SCeの一表示例である。図示するように、商品登録画像SCeには、子供用カート番号の表示エリアAbと、買物リストの表示エリアAcと、登録商品明細の表示エリアAdと、お手伝いポイントの表示エリアAeと、[会計]の第8ボタンBiとが配置されている。第8ボタンBiは、買上商品のセルフ登録を終えた買物客が会計を指示するための操作子である。
【0082】
表示エリアAbには、購入リストテーブル22に記憶された子供用カート番号が表示される。表示エリアAcには、買物リストテーブル21に記憶された商品名のリストが表示される。表示エリアAdには、セルフ登録された商品の商品名、価格、購入点数及び購入金額と、購入点数及び購入金額の合計とが表示される。表示エリアAeには、購入リストテーブル22に記憶された保有ポイントQと、セルフ登録された各商品のお手伝いポイント合算値Pと、保有ポイントQとお手伝いポイント合算値Pとの合計ポイントQ+Pと、が表示される。なお、現時点では、セルフ登録が行われていないので、表示エリアAdは空欄である。表示エリアAeのお手伝いポイント合算値Pは「0」である。
【0083】
ACT21において商品登録画像SCeを表示した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT22へと進む。プロセッサ81は、ACT22として買物リストテーブル21を検索する。そしてプロセッサ81は、ACT23として買物リストテーブル21から子供禁止フラグFcが“1”に設定されている商品を除外して、子供用買物リストを作成する。子供用買物リストには、買物リストテーブル21に記憶された商品コードとその商品コードに対応付けられた子供用商品名とが含まれる。プロセッサ81は、ACT24として子供用買物リストのデータを連携状態にある子供用カート端末90に送信する。すなわちプロセッサ81は、購入リストテーブル22で記憶している子供用カートのカート番号を宛先として子供用買物リストのデータを無線送信する。このデータは、アクセスポイント70を介して当該カート番号を記憶した子供用カート端末90で受信される。
【0084】
子供用買物リストのデータを受信した子供用カート端末90においては、タッチパネル98に子供用画像SCf(
図22を参照)が表示される。
【0085】
図22は、子供用画像SCfの一表示例である。図示するように、子供用画像SCfには、子供用買物リストの表示エリアAfと、売場マップMPとが表示される。表示エリアAfには、子供用商品名のリストが選択ボタンSLとともに表示される。売場マップMPは、売場に配置された商品棚のレイアウトを示すもので、センサ96によって検知されている子供用カートの現在位置が顔マークMKによって示されている。ここに、プロセッサ81は、ACT22乃至ACT24の処理を実行することにより表示制御手段812を実現する。
【0086】
子供用画像SCfを確認した子供は、子供用買物リストの中から買物をする商品を選び、その商品の選択ボタンSLにタッチする。選択ボタンSLがタッチされることにより、子供用カート端末90から大人用カート端末80に対して商品選択コマンドが送信される。商品選択コマンドには、タッチされた選択ボタンSLと関連付けられた子供用商品名の商品コードが含まれる。
【0087】
大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT25として商品選択コマンドを待ち受ける。子供用カート端末90から商品選択コマンドを受信すると、プロセッサ81は、ACT26へと進む。プロセッサ81は、ACT26として選択された商品の棚番号で特定される商品棚の区画を特定し、子供用カートの現在位置からその区画までの移動経路を示す案内図画像PR(
図23を参照)を子供用カート端末90に送信する。これにより、
図23に示すように、子供用画像SCfの売場マップMPに案内図画像PRが重ねて表示される。
【0088】
子供は、案内図画像PRに従って、売場を移動する。そして子供は、子供用買物リストから選択した商品を見つけると、その商品に付されているバーコードをスキャナ99で読み取る。スキャナ99でバーコードが読み取られると、そのバーコードで表された商品コードが子供用カート端末90から大人用カート端末80へと送信される。
【0089】
案内図画像PRを送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT27として商品コードを待ち受ける。子供用カート端末90から商品コードを受信すると、プロセッサ81は、ACT27からACT28へと進む。プロセッサ81は、ACT28として受信した商品コードで特定される商品が、子供用買物リストから選択された商品と一致するか否かを確認する。一致する場合、プロセッサ81は、ACT28からACT29へと進む。プロセッサ81は、ACT29として受信した商品コードで特定される商品のお手伝いポイントpを買物リストテーブル21から取得する。またプロセッサ81は、ACT30として子供用カート端末90に正答信号を送信する。
【0090】
正答信号を受信した子供用カート端末90においては、タッチパネル98に正答画像PUa(
図24を参照)が表示される。
【0091】
図24は、正答画像PUaの一表示例である。図示するように正答画像PUaは、子供用画像SCfの上に重ねてポップアップ画像として表示される。正答画像PUaには、正解であることを示すテキスト、例えば「よくできました」とともに、お手伝いポイントpが表示される。また、[もらう]の第9ボタンBjが表示される。正答画像PUaを確認した子供は、[もらう]の第9ボタンBjにタッチする。第9ボタンBjがタッチされると、正答画像PUaは消去される。
【0092】
正答信号を送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT31として子供用カート端末90のスキャナ99で読み取られた商品コードと、その商品コードで特定される商品の価格、販売点数及び販売金額を、お手伝いポイントpとともに購入リストテーブル22に追加する。そしてプロセッサ81は、ACT32として購入リストテーブル22のデータを基に商品登録画像SCeを更新する。これにより、商品登録画像の表示エリアAdに、商品名、価格、販売点数及び販売金額が表示される。また、表示エリアAeのお手伝いポイントの欄にお手伝いポイント合算値Pが表示され、合計ポイントの欄に保有ポイントQとお手伝いポイント合算値Pとの合計ポイントQ+Pが表示される。
【0093】
一方、ACT28において子供用カート端末90のスキャナ99で読み取られた商品コードで特定される商品が子供用買物リストから選択された商品と一致しない場合には、プロセッサ81は、ACT33へと進む。プロセッサ81は、ACT33として子供用カート端末90に誤答信号を送信する。
【0094】
誤答信号を受信した子供用カート端末90においては、誤答画像PUb(
図25を参照)が表示される。
【0095】
図25は、誤答画像PUbの一表示例である。図示するように誤答画像PUbは、子供用画像SCfの上に重ねてポップアップ画像として表示される。誤答画像PUbには、誤答であることを示すテキスト、例えば「それは「なし」だよ」とともに、[かう]の第10ボタンBkと、[かわない]の第11ボタンBmとが表示される。
図25の誤答画像PUbは、リンゴを探していた子供が間違えて梨のバーコードを読み取った場合を想定している。梨を購入する場合、子供は、[かう]の第10ボタンBkにタッチする。梨を購入しない場合、子供は、[かわない]の第11ボタンBmにタッチする。第10ボタンBk又は第11ボタンBmがタッチされると、誤答画像PUbは消去される。
【0096】
誤答信号を送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT34として商品を購入するか否かを判定する。子供用カート端末90からの信号により、[かう]の第10ボタンBkがタッチされたことを検知した場合には、プロセッサ81は、商品を購入すると判定する。プロセッサ81は、ACT34からACT31へと進む。プロセッサ81は、ACT31及びACT32の処理を前述したのと同様に実行する。このように、子供用買物リストから選択された商品と一致しない商品のバーコードが子供用カート端末90のスキャナ99で読み取られた場合でも、その商品を購入することができる。
【0097】
これに対し、子供用カート端末90からの信号により、[かわない]の第11ボタンBmがタッチされたことを検知した場合には、プロセッサ81は、子供用カート端末90のスキャナ99で読み取られたバーコードで特定される商品を購入しないと判定する。プロセッサ81は、ACT31及びACT32の処理をスキップする。
【0098】
プロセッサ81は、ACT32において商品登録画像SCeを更新するか、ACT34において商品を購入しないと判定すると、ACT35へと進む。プロセッサ81は、ACT35として子供用カート端末90から次の商品選択コマンドを受信したか否かを確認する。商品選択コマンドを受信していない場合、プロセッサ81は、ACT35からACT36へと進む。プロセッサ81は、ACT36として[会計]の第8ボタンBiが入力されたか否かを確認する。第8ボタンBiが入力されていない場合、プロセッサ81は、ACT36からACT35へと戻る。このようにプロセッサ81は、ACT35及びACT36において、子供用カート端末90から商品選択コマンドを受信するか、[会計]の第8ボタンBiが入力されるのを待ち受ける。
【0099】
ACT35及びACT36の待ち受け状態において、子供用カート端末90から商品選択コマンドを受信した場合には、プロセッサ81は、ACT35からACT26へと戻る。プロセッサ81は、ACT26以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、子供用買物リストから選択された商品が陳列されている商品棚の区画までの移動経路を示す案内図画像PRが子供用画像SCfに表示される。そして、子供がスキャナ99を操作して商品のバーコードを読み取ると、正答画像PUa又は誤答画像PUbが表示される。正答画像PUaが表示された場合、すなわち子供が子供用買物リストから選択した商品を商品棚から正しく見つけてその商品のバーコードを読み取った場合には、その商品のセルフ登録に係るデータが購入リストテーブル22に追加され、お手伝いポイントpが付与される。誤答画像PUbが表示された場合、すなわち子供が商品を間違えた場合には、お手伝いポイントpは付与されない。
【0100】
ここに、プロセッサ81は、ACT25又はACT35の処理により選択手段813を実現する。またプロセッサ81は、ACT26により案内手段814を実現する。またプロセッサ81は、ACT25の処理により取得手段815を実現する。またプロセッサ81は。ACT30及びACT33の処理により出力手段816を実現する。
【0101】
ACT35及びACT36の待ち受け状態において、[会計]の第8ボタンBiが入力された場合には、プロセッサ81は、ACT36から
図10のACT41へと進む。プロセッサ81は、ACT41として購入リストテーブル22を買物支援サーバ20にアップロードする。このアップロードにより、買物支援サーバ20に記憶されていた同一会員IDの購入リストテーブル22が、大人用カート端末80からアップロードされた購入リストテーブルの内容に更新される。因みに、この時点では、購入リストテーブル22のステータスSは、デフォルトの値“0”である。
【0102】
プロセッサ81は、ACT42として保有ポイントQとお手伝いポイント合算値Pとの合計ポイントQ+Pが、景品と交換が可能となる一定数、すなわち景品交換ポイントX以上であるか否かを確認する。合計ポイントQ+Pが景品交換ポイントX以上である場合、プロセッサ81は、ACT42からACT43へと進む。プロセッサ81は、ACT43として交換確認画像SCg(
図26を参照)を子供用カート端末90に送信する。これにより、子供用カート端末90においては、交換確認画像SCgが表示される。
【0103】
図26は、交換確認画像SCgの一表示例である。図示するように交換確認画像SCgには、お手伝いポイントを景品と交換するか否かを確認するテキスト、例えば「ポイントをおもちゃとこうかんする?」とともに、「する」の第12ボタンBnと、[しない]の第13ボタンBpとが表示される。お手伝いポイントを景品と交換する子供は、「する」の第12ボタンBnにタッチする。お手伝いポイントを景品と交換しない子供は、「しない」の第13ボタンBpにタッチする。
【0104】
交換確認画像SCgを送信した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT45としてお手伝いポイントを交換するか否かを確認する。子供用カート端末90からの信号により、「しない」の第13ボタンBpがタッチされたことを検知した場合には、プロセッサ81は、ACT44からACT45へと進む。プロセッサ81は、ACT45として累積通知コマンドを買物支援サーバ20に出力する。
【0105】
これに対し、子供用カート端末90からの信号により、「する」の第12ボタンBnがタッチされたことを検知した場合には、プロセッサ81は、ACT44からACT46へと進む。プロセッサ81は、ACT46として交換通知コマンドを買物支援サーバ20に出力する。
【0106】
一方、ACT42において、合計ポイントQ+Pが景品交換ポイントX未満である場合には、お手伝いポイントを景品と交換することができない。プロセッサ81は、ACT42からACT45へと進む。プロセッサ81は、ACT45として累積通知コマンドを買物支援サーバ20に出力する。
【0107】
このように、子供用カート端末90と連携状態にある大人用カート端末80において、商品登録画像SCeの[会計]の第8ボタンBiが入力されると、プロセッサ81は、買物支援サーバ20に対して累積通知コマンド又は交換通知コマンドを出力する。累積通知コマンド及び交換通知コマンドには、購入リストテーブル22に記憶されている会員IDが含まれている。
【0108】
累積通知コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図13の流れ図に示す手順の情報処理を実行する。すなわち買物支援サーバ20は、ACT81として累積通知コマンドから会員IDを取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT82としてその会員IDを含む購入リストテーブル22、つまりは大人用カート端末80からアップロードされた購入リストテーブル22のステータスを“0”から“1”へと変更する。
【0109】
一方、交換通知コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図14の流れ図に示す手順の情報処理を実行する。すなわち買物支援サーバ20は、ACT91として交換通知コマンドから会員IDを取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT92としてその会員IDを含む購入リストテーブル22、つまりは大人用カート端末80からアップロードされた購入リストテーブル22のステータスを“0”から “2”へと変更する。以上で、買物支援サーバ20は、累積通知コマンド又は交換通知コマンドを受信した際の情報処理を終了する。
【0110】
図10の説明に戻る。
ACT45又はACT46の処理を終えると、プロセッサ81は、ACT47へと進む。プロセッサ81は、ACT47として買物終了画像SCh(
図27を参照)を子供用カート端末90に送信する。これにより、子供用カート端末90のタッチパネル98に買物終了画像SChが表示される。
【0111】
図27は、買物終了画像SChの一表示例である。買物終了画像SChは、子供に対して買物が終わったことを示すテキスト、例えば「おかいものがおわったよ。また、おてつだいしてね」とともに、[はい]の第14ボタンBqが表示される。子供が[はい]の第14ボタンBqにタッチすると、買物終了画像SChは消去される。
【0112】
買物終了画像SChを送信したプロセッサ81は、ACT48へと進む。プロセッサ81は、ACT48として会計バーコードを表示する。会計バーコードは、購入リストテーブル22に記憶されている会員IDをバーコード体系で表したものである。
【0113】
親は、会計バーコードを会計機60のスキャナで読み取らせる。そうすると、会計機60から買物支援サーバ20に会計通知コマンドが送信される。会計通知コマンドには、会計バーコードから読み取られた会員IDが含まれる。
【0114】
会計通知コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図15の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。すなわち買物支援サーバ20は、ACT101として会計通知コマンドから会員IDを取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT102としてその会員IDを含む購入リストテーブル22のデータを会計通知コマンド送信元の会計機60に送信する。
【0115】
購入リストテーブル22のデータを受信した会計機60においては、そのデータに基づいて買物客との間で決済処理が実行される。決済処理については、周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
【0116】
ACT102において、購入リストテーブル22のデータを会計機60へと送信した買物支援サーバ20は、ACT103へと進む。買物支援サーバ20は、ACT103としてその購入リストテーブル22におけるステータスSが“1”であるか否かを確認する。ステータスSが“1”でない場合、買物支援サーバ20は、ACT103からACT104へと進む。買物支援サーバ20は、ACT104としてその購入リストテーブル22におけるステータスSが“2”であるか否かを確認する。ステータスSが“2”でもない場合、すなわちステータスSが“0”の場合には、買物支援サーバ20は、ACT104からACT108へと進む。ACT108以降の処理については後述する。
【0117】
ステータスSが“1”の場合、すなわちお手伝いポイントを保有ポイントQとして蓄積する第1の処理が選択されていた場合には、買物支援サーバ20は、ACT103からACT105へと進む。買物支援サーバ20は、ACT105としてデータベースサーバ10にアクセスして、ACT101の処理で取得した会員IDを含む会員レコード131の保有ポイントQに、購入リストテーブル22に記憶されているお手伝いポイント合算値Pを加算する。その後、買物支援サーバ20は、ACT108へと進む。
【0118】
ステータスSが“2”の場合、すなわちお手伝いポイントを景品と交換する第2の処理が選択されていた場合には、買物支援サーバ20は、ACT104からACT106へと進む。買物支援サーバ20は、ACT106として予め記憶している交換券印刷データを会計機60に送信する。また買物支援サーバ20は、ACT107としてデータベースサーバ10にアクセスして、ACT101の処理で取得した会員IDを含む会員レコード131の保有ポイントQに、購入リストテーブル22に記憶されているお手伝いポイント合算値Pを加算し、さらに景品交換ポイントXを減算する。その後、買物支援サーバ20は、ACT108へと進む。
【0119】
購入リストテーブル22のデータを受信し、決済処理を実行する会計機60は、買物支援サーバ20から交換券印刷データを受信すると、レシートプリンタを動作させて、交換券TK(
図28を参照)を印刷する。
【0120】
図28は、会計機60から発券される交換券TKの一例である。図示するように、交換券TKには、お手伝いポイントを景品と交換できることを示すテキスト、例えば「お手伝いポイントが溜まりました。サービスカウンタにてお好きな玩具と交換できます」が印刷されている。交換券TKを入手した親子連れの買物客は、サービスカウンタで好きな玩具と交換することができる。
【0121】
決済処理を終えると、会計機60は、買物支援サーバ20に会計終了コマンドを送信する。ACT107までの処理を終えた買物支援サーバ20は、ACT108として会計終了コマンドを待ち受けている。会計終了コマンドを受信すると、買物支援サーバ20は、ACT108からACT109へと進む。買物支援サーバ20は、ACT109として購入リストテーブル22をアップロードした大人用カート端末80に会計終了通知コマンドを送信する。
【0122】
図10の説明に戻る。
会計バーコードを表示した大人用カート端末80のプロセッサ81は、ACT49として会計終了コマンドを待ち受けている。会計終了コマンドを受信すると、プロセッサ81は、ACT49からACT50へと進む。プロセッサ81は、ACT50として連係解除コマンドを買物支援サーバ20に送信する。連係解除コマンドには、メインメモリ82で記憶しているカート番号が含まれる。その後、プロセッサ81は、ACT51としてタッチパネル88の表示をクリアする。以上で、プロセッサ81は、初期画像のスタートボタンが入力された後の情報処理を終了する。情報処理を終了した大人用カート端末80のタッチパネル88には、再び初期画像が表示される。
【0123】
一方、連携解除コマンドを受信した買物支援サーバ20は、
図16の流れ図で示す手順の情報処理を実行する。買物支援サーバ20は、ACT111として連携解除コマンドから大人用カートのカート番号を取得する。そして買物支援サーバ20は、ACT112としてデータベースサーバ10にアクセスして、そのカート番号を含むカートレコード121の使用中フラグFbを“1”から“0”に変更する。
【0124】
また買物支援サーバ20は、ACT113としてそのカート番号を連携先カート番号として記憶しているカートレコード121のカート番号、つまりは大人用カートと連携されている子供用カートのカート番号を取得する。買物支援サーバ20は、ACT114としてその子供用カートのカート番号を含むカートレコード121の使用中フラグFbを“1”から“0”に変更する。さらに買物支援サーバ20は、ACT115としてその子供用カートのカート番号を含むカートレコード121から連携元カート番号を削除する。以上で、買物支援サーバ20は、連携解除コマンドを受信した際の情報処理を終了する。
【0125】
以上、詳述したように、本実施形態に係るセルフ登録システム1によれば、子供用カートに設けられた子供用カート端末90を用いて買物リストの商品をセルフ登録することができる。その際に、子供が買物リストから商品を選ぶと、現在位置からその商品が販売されている商品棚までの案内図が子供用カート端末90のタッチパネル88に表示される。子供は、案内図に従って売場を移動して商品棚の場所まで行く。そして子供は、買物リストから選んだ商品を見つけたならば、その商品のバーコードをスキャナ99で読み取らせる。このとき、バーコードで特定される商品が買物リストから選んだ商品と一致すると、タッチパネル98に正答画像PUaが表示される。また、その商品のお手伝いポイントpが付与される。一方、バーコードで特定される商品が買物リストから選んだ商品と一致しない場合には、タッチパネル98に誤答画像PUbが表示される。お手伝いポイントpは付与されない。
【0126】
このように、子供がゲーム感覚で子供用カート端末90を操作することで、購入予定商品のセルフ登録が行われる。したがって、子供は興味を持って子供用カート端末90を操作するようになるので、親子連れであっても買物をスムーズに行うことができる。
[変形例]
前記実施形態では、子供用カート端末90を制御する端末制御装置を大人用カート端末80として説明した。端末制御装置は、大人用カート端末80に限定されない。親が携帯するスマートフォン等の会員端末3を端末制御装置として機能させることも可能である。また、端末制御装置によって制御される端末は、子供用カート端末90でなくてもよい。子供が手で持つことができるサイズのタブレット端末であってもよい。すなわち、子供は子供用カートを押すことなくタブレット端末を持って売場を移動し、買物リストから選択した商品のバーコードをタブレット端末のスキャナで読み取って大人用カートに収容してもよい。
【0127】
前記実施形態では、交換券TKは会計機60から発行されるものとして説明したが、それに限定されない。例えば交換券TKに相当する画像データを買物客の会員端末3に送信して、会員端末3のディスプレイに交換券TKの画像を表示するようにしてもよい。この場合も買物客は、交換券TKの画像を店員に見せることで、景品と交換することができる。
【0128】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1…セルフ登録システム、3…会員端末、10…データベースサーバ、11…商品データベース、12…カートデータベース、13…会員データベース、20…買物支援サーバ、21…買物リストテーブル、22…購入リストテーブル、30…ネットワークサーバ、40…通信サーバ、50…サーバ間ネットワーク、60…会計機、70…アクセスポイント、80…大人用カート端末、81,91…プロセッサ、82,92…メインメモリ、83,93…補助記憶デバイス、84,94…無線ユニット、86,96…センサ、88,98…タッチパネル、89,99…スキャナ、90…子供用カート端末、811…連携手段、812…表示制御手段、813…選択手段、814…案内手段、815…取得手段、816…出力手段、PUa…正答画像、PUb…誤答画像、SCa…リスト確認画像、SCb…手伝い確認画像、SCc…カート連携画像、SCd…買物案内画像、SCe…商品登録画像、SCf…子供用画像、SCg…交換確認画像、SCh…買物終了画像、TK…交換券。