(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047259
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】光信号計測装置
(51)【国際特許分類】
H04N 17/00 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
H04N17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152783
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000113665
【氏名又は名称】マスプロ電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】日比野 孝俊
【テーマコード(参考)】
5C061
【Fターム(参考)】
5C061BB03
5C061BB09
(57)【要約】
【課題】 本発明は、総合変調度を測定することができる光信号計測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数のチャンネルを有する放送信号を含む電気信号の中から、各チャンネルの放送信号をそれぞれ抽出し、これらをそれぞれ検波することにより、放送信号の信号レベルをチャンネル毎に測定し、これらを算出部50に出力するチューナー部30と、光信号から光電変換部20の光電流Ipdを抽出し、これを電流/電圧変換することにより、前記光電流Ipdの値に応じた電圧信号を生成し算出部50に出力する電流/電圧変換部40と、各チャンネルの放送信号の信号レベルの総和を算出し、これを光電流Ipdで除算することにより、総合変調度を算出する算出部50とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給された複数のチャンネルを有する放送信号を含む光信号を電気信号に変換し、当該電気信号をチューナー部及び電流/電圧変換部に出力する光電変換部と、
複数のチャンネルを有する放送信号を含む前記電気信号の中から、各チャンネルの前記放送信号をそれぞれ抽出し、これらをそれぞれ検波することにより、前記放送信号の信号レベルをチャンネル毎に測定し算出部に出力するチューナー部と、
前記光信号から記光電変換部の光電流を抽出し、これを電流/電圧変換することにより、前記光電流の値に応じた電圧信号を生成し算出部に出力する電流/電圧変換部と、
各チャンネルの前記放送信号の信号レベルの総和を算出し、これを前記光電流で除算することにより、総合変調度を算出する算出部と、
前記総合変調度を表示する表示部と
を備えることを特徴とする光信号計測装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記放送信号の信号レベルをP、チャンネル番号をN、前記光電変換部のインピーダンスをR、前記光電流Ipdとすると、総合変調度Mを、式(1)によって算出する
(数1)
M=((P1+P2+・・+PN)/R)1/2/Ipd (1)
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号計測装置。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の光信号計測装置を備えたテレビ信号計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光信号を計測するための光信号計測装置として、種々の光信号計測装置が開発及び提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、総合変調度を測定することができる光信号計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による光信号計測装置は、
外部から供給された複数のチャンネルを有する放送信号を含む光信号を電気信号に変換し、当該電気信号をチューナー部及び電流/電圧変換部に出力する光電変換部と、
複数のチャンネルを有する放送信号を含む前記電気信号の中から、各チャンネルの前記放送信号をそれぞれ抽出し、これらをそれぞれ検波することにより、前記放送信号の信号レベルをチャンネル毎に測定し算出部に出力するチューナー部と、
前記光信号から前記光電変換部の光電流を抽出し、これを電流/電圧変換することにより、前記光電流の値に応じた電圧信号を生成し算出部に出力する電流/電圧変換部と、
各チャンネルの前記放送信号の信号レベルの総和を算出し、これを前記光電流で除算することにより、総合変調度を算出する算出部と、
前記総合変調度を表示する表示部と
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の光信号計測装置によれば、総合変調度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態による光信号計測装置の構成を示すブロック図及び処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1(a)は、本発明の実施の形態による光信号計測装置10の構成を示し、
図1(b)は、チューナー部30による処理手順RT10及び算出部50による処理手順RT100を示す。
【0010】
例えば集合住宅などにおいては、アンテナによって受信された放送信号を光信号に変換して各家庭に送信する。本実施の形態の光信号計測装置10は、例えばこのアンテナから各家庭に送信される光信号を計測する際に用いられる。
【0011】
光電変換部20は、例えばフォトダイオードを有し、外部から供給された複数のチャンネルを有する放送信号を含む光信号を電気信号に変換し、当該電気信号をチューナー部30及び電流/電圧変換部40に出力する。
【0012】
チューナー部30は、複数のチャンネルを有する放送信号を含む前記電気信号の中から、各チャンネルの放送信号をそれぞれ抽出し、これらをそれぞれ検波(復調)することにより、放送信号の信号レベルをチャンネル毎に測定し、これらを算出部50に出力する。
【0013】
すなわち、チューナー部30は、光電変換部20から放送信号が入力されると(ステップSP10)、複数のチャンネルを有する放送信号の中から、最も低い周波数のチャンネルを抽出する(ステップSP20)。
【0014】
続いて、チューナー部30は、抽出した放送信号を検波した後(ステップSP30)、放送信号の信号レベルを測定し(ステップSP40)、これを保存して一時記憶する(ステップSP50)。
【0015】
ここで、チューナー部30は、全てのチャンネルの信号レベルを保存したか否か判定し、否定結果が得られた場合には、次に周波数が高いチャンネルを抽出し(ステップSP70)、ステップSP30に戻って、上述の処理を繰り返す。これに対して、肯定結果が得られた場合には、処理を終了する(ステップSP80)。
【0016】
一方、電流/電圧変換部40は、例えば抵抗を有し、光信号から光電変換部20の光電流を抽出し、これを電流/電圧変換することにより、光電流の値に応じた電圧信号を生成し算出部50に出力する。
【0017】
算出部50は、各チャンネルの放送信号の信号レベルの総和を算出し、これを光電流で除算することにより、総合変調度を算出する。表示部60は、総合変調度をディスプレイに表示し、総合変調度に関する情報をユーザに提供する。
【0018】
すなわち、算出部50は、電流/電圧変換部40から電圧信号を取得すると(ステップSP100)、電圧信号に応じた光電流を算出する(ステップSP110)。続いて、算出部50は、各チャンネルの放送信号の信号レベルの総和を算出し(ステップSP120)、これを光電流で除算することにより、総合変調度を算出し(ステップSP130)、処理を終了する(ステップSP140)。
【0019】
具体的には、算出部50は、放送信号の信号レベルをP、チャンネル番号をN、光電変換部20のインピーダンスをR、光電流Ipdとすると、総合変調度Mを、式(1)によって算出する。
(数1)
M=((P1+P2+・・+PN)/R)1/2/Ipd (1)
【0020】
すなわち、本実施の形態の光信号計測装置10は、外部から供給された複数のチャンネルを有する放送信号を含む光信号を電気信号に変換し、当該電気信号をチューナー部30及び電流/電圧変換部40に出力する光電変換部20と、複数のチャンネルを有する放送信号を含む電気信号の中から、各チャンネルの放送信号をそれぞれ抽出し、これらをそれぞれ検波することにより、放送信号の信号レベルをチャンネル毎に測定し、これらを算出部50に出力するチューナー部30と、光信号から光電変換部20の光電流Ipdを抽出し、これを電流/電圧変換することにより、前記光電流Ipdの値に応じた電圧信号を生成し算出部50に出力する電流/電圧変換部40と、各チャンネルの放送信号の信号レベルの総和を算出し、これを光電流Ipdで除算することにより、総合変調度を算出する算出部50と、総合変調度を表示する表示部60とを備える。
【0021】
このように本実施の形態によれば、総合変調度を測定することができる。因みに、各チャンネルの信号レベルと光電流とを用いて直ちに総合変調度を算出していることから、各チャンネルの変調度をそれぞれ算出する必要がなく、その分、総合変調度の算出に要する処理時間を短縮することができる。
【0022】
例えば各チャンネルの変調度をそれぞれ算出した後、これらを合計して総合変調度を算出する場合と比較して、各チャンネルの変調度をそれぞれ算出する必要がない分、処理速度を短縮することができ、特にチャンネル数が増加するほど、処理速度を大幅に短縮することができる。
【0023】
従って本実施の形態によれば、総合変調度を測定することができる。因みに、各チャンネルの変調度をそれぞれ算出した後、これらを合計して総合変調度を算出する場合と比較して、計算精度を維持しながら、一段と処理速度を短縮させることができる。
【0024】
なお、上述の実施の形態においては、光電変換部20としてフォトダイオードを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばレーザーダイオードを適用しても良い。
【0025】
また、上述の実施の形態においては、本発明を光信号計測装置10に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光信号計測装置10を備えたテレビ信号計測装置に本発明を広く適用することができる。テレビ信号計測装置は、レベルチェッカーとも呼ばれ、一体にすることにより、機能向上を図ることができる。この場合、算出部50ならびに、表示部60などはレべルチェッカーにすでに備わっているものが使用できるため、独立して設ける場合に比べて小型化が可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 光信号計測装置
20 光電変換部
30 チューナー部
40 電流/電圧変換部
50 算出部
60 表示部