(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047261
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】組立式ラック
(51)【国際特許分類】
A47B 47/02 20060101AFI20240329BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A47B47/02 A
F16B12/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152785
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】598053271
【氏名又は名称】盈太企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 順義
【テーマコード(参考)】
3B054
3J024
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA04
3B054BA15
3B054FA01
3J024AA41
3J024CA01
(57)【要約】
【課題】組立式ラックの提供
【解決手段】本発明は組立式ラックであり、少なくとも4つの支柱装置、少なくとも2つの棚、および複数の挟持片を含み、支柱装置は左右に2本並ぶ支柱と、左右の支柱の間に設けられた複数の連接部材を含む。挟持片は、鉛直状に延びる溝を有し、溝の開口部の下半部の前後両端にそれぞれ1つの翼片が連設されている。挟持片の溝は、支柱に嵌め込まれることができる。棚の両側の前、後端には、それぞれ開口が外側に向かってU字状の緊迫部材が設けられ、緊迫部材の下半部の前後縁の下半部には、それぞれ突き出し片が設けられている。棚の各緊迫材は、各支柱に被覆された挟持片片の外側にそれぞれ対応でき、かつ、この2つの突き出し片の内側端面がそれぞれ2つの翼片に突き当てられる。突き出し片と2つの翼片との対応する傾斜式のフィットにより、挟持片と緊迫部材が互いに近接し、支柱が挟持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式ラックであって、少なくとも4つの支柱装置、少なくとも2つの棚、および複数の挟持片を含み、
前記支柱装置は左右に2本並ぶ支柱、前記左右の支柱の間に設けられた複数の水平状の連接部材を含み、前記連接部材の両端は、それぞれ前記左右の支柱に固定され、前記挟持片は、鉛直状に延びる溝を有し、前記溝の開口部の前後両端にそれぞれ前方および後方に折り曲げられた翼片が連設され、前記2つの翼片の外側面は、上から下に向かって徐々に外側に突出する斜面であり、前記挟持片の溝は、前記支柱に嵌め込まれ、且つ前記溝の開口部は、棚に向かって配置された形状であり、前記挟持片は、前記連接部材によって支持することができ、
前記挟持片の2つの翼片は、前記溝の開口部の下半部に配置され、前記挟持片の下端には、水平に延びる破溝が設けられ、前記支柱装置の連接部材は、前記挟持片の位置を制限するために、前記挟持片の破溝に導入することができ、前記棚の両側の前、後端には、それぞれ開口が外側に向かってU字状の緊迫部材が設けられ、前記緊迫部材の下半部の前後縁には、前記棚方向に延びる突き出し片がそれぞれ設けられ、前記2つの突き出し片の内側端面は斜面であり、前記2つの突き出し片の内側端面上端は下端に対して徐々に突出しており、前記棚の両側の前後端の緊迫部材は、前、後、左、右の各支柱装置に被覆された挟持片の外側にそれぞれ対応することができ、前記各緊迫部材の2つの突き出し片の内側端面は、それぞれ対応する挟持片の2つの翼片の外側面に突き当てられ、前記突き出し片と前記2つの翼片間の対応する斜面のフィットにより、前記挟持片と緊迫部材を互いに近づけて、前記支柱を挟持することを特徴とする組立式ラック。
【請求項2】
前記支柱装置の支柱は、前後両端が円弧、中央が平面の平円形のチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の組立式ラック。
【請求項3】
前記挟持片は金属材料で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の組立式ラック。
【請求項4】
前記2つの突き出し片の間に押し板が設けられ、前記押し板の両側と前記2つの突き出し片との間は分離され、その先端は前記緊迫部材本体と一体に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の組立式ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも4本の支柱装置と複数の棚とを組み合わせた組立式ラックに関する。棚に設けられた緊迫部材と支柱装置上の挟持片で支柱装置を挟み込み、棚と支柱装置とをラックに組み立てる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5、676、263号、第5、303、645号などの特許は、バンブー式管材を支柱として、組立式ラックを開示している。支柱には、テーパー状の挟持片が位置決めのために多数の環状溝が設けられており、その後、棚の端角のテーパースリーブを挟持片の外側にスリーブし、挟持片を締め付けて棚を架設する。支柱の両側に架設される棚は、高さが異なるため、全体のラックが整然とせず、無秩序な印象となる。
【0003】
特開2012-157686号公報に開示された組立式ラックは、少なくとも4つの支柱装置と少なくとも2つの棚の組み合わせからなる。支柱装置は左右に2本並ぶ支柱と、左右の2本の支柱を結ぶ複数の連接部材を含む。挟持片には鉛直状に延びる嵌め溝が設けられており、嵌め溝の開口両端にはそれぞれ1つの翼片が設けられている。挟持片の嵌め溝は、支柱装置の支柱に嵌め込まれ、挟持片が支柱装置に組み立てられる。棚の両側の前端と後端には、それぞれ外側に開口するC形クランプが設けられており、このC形クランプは挟持片の2つの翼片を締め付ける。C形クランプは、2つの翼片との合わせ面が傾斜面であるため、棚が下に移動すると、C形クランプは2つの翼片を押し込み、挟持片を支柱に挟持する。棚の4つの端角のC形クランプは、それぞれ前、後、左、右の4つの支柱装置の支柱に固定することができる。
【0004】
特開2012-157686号の発明では、ラックのC形クランプは、使用期間後に開口部が徐々に開き、拡大し、徐々に棚が沈み、最終的に棚が傾いたり落ちたりする。また、特開2012-157686号の発明では、挟持片はプラスチック材料で作られており、強度も不十分であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、棚が支柱装置に安定して架設され、全体の構造強度を向上させることができる組立式ラックを提供することである。
【0006】
本発明が提供する組立式ラックは、少なくとも4つの支柱装置と、少なくとも2つの棚とから構成される。各棚の4つの端角は、4つの支柱装置に架設される。棚の端角には、支柱装置との間に挟持片が設けられ、支柱装置が挟持片と棚の間に挟まれることによって、棚は各支柱装置の間に架設される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
支柱装置は、左右に2本の並列支柱と、左右の支柱の間に配置された複数の水平状の連接部材を含む。2つの支柱は、左右の2つの棚をそれぞれ架設することができる。
【0008】
挟持片は鉛直状に延びる溝を有し、溝が開口する前後両端の下半部に両側に各翼片が連設されている。2つの翼片の外側面は下端が徐々に外側に突出する斜面である。挟持片の溝は、支柱に埋め込まれ、溝の開口は、棚に向かって配置された形状である。挟持片の下端には、水平に延びる破溝が設けられている。支柱装置の連接部材は挟持片の破溝に導入することができる。
【0009】
棚の両側の前、後端には、それぞれ開口を外向きにするU字状の緊迫部材が設けられている。緊迫部材の下半部の前後縁にはそれぞれ突き出し片が設けられている。2つの突き出し片の内側端面は斜面であり、その上端は下端に対して徐々に突出している。
【0010】
棚の両側の前、後端の緊迫部材は、前、後、左、右各支柱装置に被覆された挟持片の外側にそれぞれ対応可能である。各緊迫部材の2つの突き出し片の内側端面は、それぞれ対応する挟持片の2つの翼片の外側面に突き当てられている。突き出し片と2つの翼片の間の対応する斜面のフィットにより、挟持片と緊迫部材を互いに近づけて、支柱を挟持する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、棚が支柱装置に安定して架設され、全体の構造強度を向上させることができ、組み立てられたラックをコーディネートし、美しい外形を呈することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の
図1に示す実施形態の部分拡大図である。
【
図4】本発明の挟持片が支柱に組み立てられる概略図である。
【
図5】本発明の挟持片が支柱に組み立てられる別の角度で提示する概略図である。
【
図8】本発明の棚が支柱に組み立てられる操作図である。
【
図9】本発明の棚が支柱に組み立てられる側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1および
図2を参照されたい。本発明が開示する組立式ラックは、少なくとも4つの支柱装置10と、少なくとも2つのエラ20とから構成されている。立柱装置10は、左右に2本並設された鉛直状の支柱11と、上から下に設ける水平状に延びる連接部材12とを複数備えている。連接部材12は、左右2本の支柱11の間に配置され、左右2本の支柱11が一体に連結されている。連接部材12の両端は、それぞれ左右の支柱11に固着され、連接部材12の幅は、左右の支柱11間の間隔を規定している。支柱装置10の支柱11は、両端が円弧、中央が平面である平円形のチューブを選択することができる。
【0014】
図3を参照されたい。棚20の両側の前、後端には、それぞれ開口が外側に向かってU字状の緊迫部材30が設けられ、棚20の4つの端角は、4つの支柱装置10の支柱11にそれぞれ架け渡されることができる。この4本の支柱装置10の支柱11には、それぞれ挟持片40を設けることができ、 挟持片40は、対応する支柱11の嵌め込みを許容する鉛直状に延びる溝41を有している。棚20の4つの緊迫部材30は、それぞれ対応する4つの挟持片40と、4つの支柱11を挟持することにより、棚20が4つの支柱装置10に架け渡すことができる。
【0015】
図4、
図5及び
図7を参照されたい。挟持片40の下端には、水平状に延びる破溝42が設けられている。支柱装置10の連接部材12は、挟持片40の破溝42内に導入され、支柱11上の挟持片40の位置を規定することができ、挟持片40は、連接部材12によって支持されることができる。挟持片40の溝41は、開口の前後両端の下半部に両側に翼片43、44が連設されている。2つの翼片43、44の外側面は、下端が徐々に外側に突出する斜面であり、2つの翼片43、44の外側面431(
図7参照、翼片44の外側面、図示せず)の傾きは同じである。挟持片40の溝41は、支柱11が嵌め込まれた後、溝411の開口が棚20に向かう態様である。破溝42の開口は前方を向いているため(
図5の状態の場合)、前方翼片43の底縁は、後方翼片44の底縁の高さよりも高い。
【0016】
図4、
図5及び
図6を参照されたい。緊迫部材30の下半部の前後縁には、それぞれ、棚方向に向かって延びる突き出し片31が設けられている。2つの突き出し片31の内側端面311は斜面であり、2つの突き出し片31の内側端面311の上端は、下端に対して徐々に突出している。2つの突き出し片31の内側端面311の傾きは同じである。緊迫部材30を作製する際には、金属板を適宜に切断した後、U字状に曲げることができ、自然的に、2つの突き出し片31を有する緊迫部材30を形成することができる。2つの突き出し片31の間には、押さえ板32が形成され、押さえ板32の両側と2つの突き出し片31との間は分離状であり、その先端は緊迫部材30本体と一体に連結されている。押さえ板32は、棚20の横柱21と一体に溶接されている。
【0017】
図8~
図11を参照されたい。棚20が4本の支柱装置10に掛けつけられる操作において、上から下へ移動するために、棚20の両側の前、後端の緊迫部材30は、それぞれ、前、後、左、右の各支柱装置10に被覆された挟持片40の外部に対応させることができる。その間、緊迫部材30の前後端板がそれぞれ、挟持片40の前後端面の外側に被覆されている。各緊迫部材30の2つの突き出し片31の内側端面311は、それぞれ、対応する挟持片40の2つの翼片43、44の外側面431に当接している。棚20の下方へ移動する過程で、突き出し片31と2つの翼片43、44との対応する斜面の貼り合わせと相互の押し込みにより、挟持片40と緊迫部材30とが互いに近接し、支柱11が挟持される。このため、棚20は、4本の支柱11に掛けつけられることができる。
【0018】
支柱装置10は、左右の2つの支柱11を有し、
図12に示すように、左右の2つの棚20をそれぞれ設け、同じ高さで配置できる。これにより、組み立てられたラックをコーディネートし、美しい外形を呈するすることができる。
【0019】
要約すると、本発明が提供する組立式ラックは、挟持片40に対してエラ20が下降不能に移動した場合、挟持片40と緊迫部材30とが支柱11を完全に挟持したことを示す。即ち、棚20と支柱11との連結強度は高く、信頼性がある。したがって、本発明は、特開2012-157686号の最初の開示された発明と比較して、構造強度、耐久性が高い。
【0020】
本発明の好ましい実施形態の上記説明は例示的なものであり、本発明を限定するものではない。実施形態は、本発明の原理を説明し、当業者が様々な実施形態において本発明を使用できるようにすることを意図している。本発明の技術的思想は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって決定されることができる。
【符号の説明】
【0021】
10 支柱装置
11 支柱
12 連接部材
20 エラ
21 横柱
30 緊迫部材
31 突き出し片
311 内側端面
32 押さえ板
40 挟持片
41 溝
42 破溝
43 翼片
431 外側面
44 翼片