(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047272
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】便器装置、便器システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
E03C 1/30 20060101AFI20240329BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
E03C1/30
E03D5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152801
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】近藤 康宏
(72)【発明者】
【氏名】小澤 慶記
(72)【発明者】
【氏名】木全 淳
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 弘明
(72)【発明者】
【氏名】松本 ひとみ
(72)【発明者】
【氏名】木原 由起子
【テーマコード(参考)】
2D039
2D061
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC03
2D039CB02
2D039EA01
2D039FA03
2D039FA08
2D039FC09
2D039FC10
2D061AA01
2D061AA02
2D061AA03
2D061AA10
2D061AB10
2D061AE03
(57)【要約】
【課題】 排水管の搬送能力を向上させる技術を提供する。
【解決手段】 便器装置は、洗浄水を排水する排水経路と接続される便鉢と、前記便鉢に供給する洗浄水を制御する供給制御部と、を備え、前記供給制御部は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を供給させ、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を供給させてもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を排水する排水経路と接続される便鉢と、
前記便鉢に供給する洗浄水を制御する供給制御部と、を備え、
前記供給制御部は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を供給させ、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を供給させる、便器装置。
【請求項2】
前記排水経路の前記流動性に関する第1指標を検出する第1検出部をさらに備え、
前記供給制御部は、検出済みの前記第1指標が前記排水経路の前記流動性が低下することを示す場合に、前記第2水量の洗浄水を供給する、請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記便鉢の汚れに関する第2指標を検出する第2検出部をさらに備え、
前記供給制御部は、検出済みの前記第2指標が前記便鉢が汚れていることを示す場合に、前記第2水量の洗浄水を供給する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項4】
前記供給制御部は、前記第2水量の洗浄水が供給された後に、前記便鉢を洗浄する場合に、前記第1水量よりも少ない水量の洗浄水を供給する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記第1水量は、前記便鉢からの排水を前記排水経路に流すために必要な水量である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項6】
第2水量は、前記便鉢を洗浄すること及び前記便鉢に残存する残存物を流すことの少なくとも一方のために必要な水量である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項7】
前記供給制御部は、前記便鉢に供給される複数回の洗浄水の所定期間における平均水量が所定水量以下となるように洗浄水を供給する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項8】
前記第1指標は、前記枝排水管の液面の位置を含む、請求項2に記載の便器装置。
【請求項9】
前記第2指標は、前記便鉢の画像を含む、請求項3に記載の便器装置。
【請求項10】
複数の便器装置と、
前記複数の便器装置の並び方向に延びており、前記複数の便器装置のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管を備える排水経路と、を備え、
前記複数の便器装置のそれぞれは、
洗浄水を排水する前記排水経路と接続される便鉢と、
前記便鉢に供給する洗浄水を制御する供給制御部と、を備え、
前記供給制御部は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を供給させ、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を供給させる、便器システム。
【請求項11】
便器システムの制御方法であって、
前記便器システムは、
複数の便器装置と、
前記複数の便器装置の並び方向に延びており、前記複数の便器装置のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管を備える排水経路と、を備え、
前記複数の便器装置のそれぞれは、
洗浄水を排水する前記排水経路と接続される便鉢を備え、
前記制御方法は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を前記便鉢に供給し、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を前記便鉢に供給する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、便器装置、便器システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ボウルに供給された洗浄水が建物の排水管に排出される大便器が開示されている。排水配管に汚物が停滞すると、排水管が満水となり、サイホン現象が発生する。大便器では、サイホン現象を検出することによって、排水管に停滞汚物が存在することを推定する。サイホン現象が検出されると、大便器は、洗浄水量を増加させることによって、排水管の搬送能力を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、大便器の排水が流れる排水管の搬送能力向上のために、1回の洗浄水の水量が増加される。本明細書では、排水管の搬送能力を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示の技術の第1の態様は、便器装置である。便器装置は、洗浄水を排水する排水経路と接続される便鉢と、前記便鉢に供給する洗浄水を制御する供給制御部と、を備え、前記供給制御部は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を供給させ、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を供給させてもよい。
【0006】
第2の態様では、上記第1の態様において、便器装置は、前記排水経路の前記流動性に関する第1指標を検出する第1検出部をさらに備え、前記制御部は、検出済みの前記第1指標が前記排水経路の前記流動性が低下することを示す場合に、前記第2水量の洗浄水を供給してもよい。
【0007】
第3の態様では、上記第1から第2の態様のいずれか一つにおいて、便器装置は、前記便鉢の汚れに関する第2指標を検出する第2検出部をさらに備え、前記制御部は、検出済みの前記第2指標が前記便鉢が汚れていることを示す場合に、前記第2水量の洗浄水を供給してもよい。
【0008】
第4の態様では、上記第1から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記第2水量の洗浄水が供給された後に、前記便鉢を洗浄する場合に、前記第1水量よりも少ない水量の洗浄水を供給してもよい。
【0009】
第5の態様では、上記第1から第4の態様のいずれか一つにおいて、前記第1水量は、前記便鉢からの排水を前記排水経路に流すために必要な水量であってもよい。
【0010】
第6の態様では、上記第1から第5の態様のいずれか一つにおいて、第2水量は、前記便鉢を洗浄すること及び前記便鉢に残存する残存物を流すことの少なくとも一方のために必要な水量であってもよい。
【0011】
第7の態様では、上記第1から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記供給制御部は、前記便鉢に供給される複数回の洗浄水の所定期間における平均水量が所定水量以下となるように洗浄水を供給してもよい。
【0012】
第8の態様では、上記第2の態様において、前記第1指標は、前記枝排水管の液面の位置を含んでいてもよい。
【0013】
第9の態様では、上記第3の態様において、前記第2指標は、前記便鉢の画像を含んでいてもよい。
【0014】
第10の態様では、便器システムは、複数の便器装置と、前記複数の便器装置の並び方向に延びており、前記複数の便器装置のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管を備える排水経路と、を備え、前記複数の便器装置のそれぞれは、洗浄水を排水する前記排水経路と接続される便鉢と、前記便鉢に供給する洗浄水を制御する供給制御部と、を備え、前記供給制御部は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を供給させ、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を供給させてもよい。
【0015】
第11の態様では、便器システムの制御方法であって、前記便器システムは、複数の便器装置と、前記複数の便器装置の並び方向に延びており、前記複数の便器装置のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管を備える排水経路と、を備え、前記複数の便器装置のそれぞれは、洗浄水を排水する前記排水経路と接続される便鉢を備え、前記制御方法は、前記便鉢を洗浄する場合に第1水量の洗浄水を前記便鉢に供給し、前記排水経路の流動性に応じて、前記第1水量に加えて第2水量の洗浄水を前記便鉢に供給してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】管理領域内の水洗式便器の配管構造の概要図を示す。
【
図4】第1実施形態の洗浄処理のフローチャートを示す。
【
図5】第1実施形態の洗浄水制御処理のフローチャートを示す。
【
図6】第1実施形態の洗浄水量決定処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
(給排水システムの構成)
図1には、管理領域1内に設置される複数の便器装置100を備える給排水システム2が示されている。
図1では、3個の便器装置100a、100b、100cが表されている。管理領域1に配置される複数の便器装置100の個数には制限は無い。なお、管理領域1は、1個のビル、家屋、商業施設等の建物、1個の野外管理領域、1個の街区、及び、1個の町の少なくとも1個の領域のように、特に制限は無い。1個の街区及び町には、1個以上の建物及び1個以上の野外管理領域の少なくともいずれかが含まれている。管理領域1では、管理領域1内の複数の便器装置100の排水が管理領域1内の排水系統5によって、処理される。排水系統5は、1本以上の枝排水管6と、主排水管8と、を備える。枝排水管6は、複数の便器装置100が並ぶ方向に延びている。複数の便器装置100の排水は、1本の枝排水管6に合流して、管理領域1内の主排水管8に連通している。複数の便器装置100が直線状に並んでいない場合、枝排水管6は中間位置において曲がっていてもよい。
【0018】
管理領域1では、例えば1か月等の特定期間において使用する目標の水量が予め設定されている。管理領域1では、使用する水量が一括管理されている。管理領域1では、複数の便器装置100と、1本の枝排水管6と、の組み合わせが、2組以上設置されていてもよい。
【0019】
複数の便器装置100のそれぞれは、水洗式便器を有する。複数の便器装置100のそれぞれには、管理領域1の外側に設置されている上水管3に連通する給水管4から水が供給される。複数の便器装置100のそれぞれは、給水管4から分岐する分岐管4a、4b、4cに接続されている。複数の便器装置100のそれぞれは、分岐管6a、6b、6cに接続されている。複数の便器装置100のそれぞれで使用された水は、分岐管6a、6b、6cのそれぞれを介して枝排水管6に流れる。枝排水管6には、さらに、複数の便器装置100のそれぞれによって受け止められた排泄物が、分岐管6a、6b、6cのそれぞれを介して流れ込む。枝排水管6の水及び排泄物等は、枝排水管6を流れて主排水管8に到達する。主排水管8に到達した水及び排泄物等は、主排水管8を通過して、下水管に流れる。
【0020】
(便器装置の構成)
図2に示すように、便器装置100aは、便座102と、便鉢104と、排水管106と、図示省略された便蓋及びタンクと、個別制御装置20a(
図3参照)と、を備える。便器装置100aでは、タンクに貯留される洗浄水が、排泄物を受け入れる便鉢104に供給されることによって、便鉢104が洗浄される。タンクは、給水管4から供給される水を貯留する。便鉢104に供給された洗浄水は、排水管106から分岐管6aを通って、枝排水管6に流れる。洗浄水は、枝排水管6を、
図2の矢印の方向に、上流から下流に向かって流れる。変形例では、便器装置100aは、便蓋及びタンクの少なくとも一方を備えていなくてもよい。タンクが配置されていない便器装置100aでは、給水管4から分岐管4aを介して、便鉢104に洗浄水が供給されてもよい。
【0021】
排水管106は、便鉢104から上方に向かって延びて、変曲位置106aを頂点として、下方に湾曲して、分岐管6aまで延びている。便器装置100aが設置される地面Xから上方には、便器装置100aが備える排水管106が配置され、地面Xよりも下方には、管理領域1側の分岐管6aが配置される。変曲位置106aから下方に向くと、分岐管6aに通じて枝排水管6内の一部が露出している。便器装置100b、100cを含む複数の便器装置100のそれぞれは、便器装置100aと同様の構成を有する。
【0022】
(管理システムの構成)
給排水システム2は、
図3に示す管理システム10を備える。管理システム10は、複数の便器装置100を制御する。管理システム10は、制御ユニット11と、カメラ110と、センサ120と、を備える。制御ユニット11は、主制御装置12と、複数の個別制御装置20a、20b、20cと、を備える。複数の個別制御装置20a、20b、20cは、複数の便器装置100のそれぞれに配置されている。主制御装置12は、複数の便器装置100を管理する。主制御装置12は、CPU14と、メモリ16と、通信モジュール18と、を備える。
【0023】
CPU14とメモリ16と通信モジュール18とは、図示省略したバスバーによって通信可能に接続されている。主制御装置12は、メモリ16に格納されるコンピュータプログラムに従った処理をCPU14が実行することによって、複数の便器装置100を制御する。
【0024】
メモリ16は、例えばハードディスク、ROM及びRAMの少なくとも1種類のメモリを有する。メモリ16は、主制御装置12のためのコンピュータプログラム及び主制御装置12の処理に必要なデータを格納する。メモリ16には、複数の便器装置100のそれぞれに固有に付与される識別情報と、識別情報によって識別される水洗式便器の位置情報と、の組み合わせが予め格納されている。位置情報は、複数の便器装置100のうち、枝排水管6の上流から何番目に位置するかを示す情報を含む。メモリ16には、さらに、識別情報と、識別情報によって識別される水洗式便器の現在の洗浄水量と、の組み合わせが格納される。
【0025】
通信モジュール18は、主制御装置12と他の装置とを通信可能に接続するためのインターフェイスを備える。例えば、通信モジュール18は、LAN(Local Area Networkの略)と通信するためのインターフェイス及び無線通信を実行するためのインターフェイスの少なくとも一方を備えていてもよい。主制御装置12は、通信モジュール18を介して、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれと通信可能に接続されている。
【0026】
複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれは、複数の便器装置100のそれぞれに配置されている。個別制御装置20aは、便器装置100aに配置されている。個別制御装置20aは、制御部22aと、通信モジュール28と、操作部29と、を備える。制御部22aは、CPU24と、メモリ26と、を備える。
【0027】
CPU24とメモリ26と通信モジュール28と操作部29とは、図示省略したバスバーによって通信可能に接続されている。制御部22aは、メモリ26に格納されるコンピュータプログラムに従った処理をCPU24が実行することによって、複数の便器装置100を制御する。
【0028】
メモリ26は、例えばハードディスク、ROM及びRAMの少なくとも1種類のメモリを有する。メモリ26は、制御部22aのためのコンピュータプログラム及び制御部22aの処理に必要なデータを格納する。メモリ26には、便器装置100aの識別情報が予め格納されている。制御部22aは、タンクに配置される弁を制御することによって、タンクから便鉢104に洗浄水を供給する。制御部22aは、弁を制御することによって、タンクから便鉢104に供給される洗浄水量を調整することができる。
【0029】
通信モジュール28は、制御部22aと他の装置とを通信可能に接続するためのインターフェイスを備える。例えば、通信モジュール28は、通信モジュール18と同様の構成を有する。制御部22aは、通信モジュール28を介して、主制御装置12と、カメラ110と、センサ120と、のそれぞれと通信可能に接続されている。操作部29は、便器装置100aの使用者が、便器装置100aの便鉢104に洗浄水を供給させるための洗浄ボタンを備える。
【0030】
個別制御装置20b、20cのそれぞれは、便器装置100b、100cのそれぞれに配置されている。個別制御装置20b、20cは、個別制御装置20aと同様の構成を有する。
【0031】
カメラ110及びセンサ120は、便器装置100aに配置されている。
図2に示すように、カメラ110は、便座102の下面に配置される。カメラ110は、カメラ110から下方に広がる2本の破線で示される範囲で便鉢104を撮像する。センサ120は、排水管106の変曲位置106aに配置されている。センサ120は、センサ120から下方に延びる破線で示すように、超音波及び電波の少なくとも一方を、変曲位置106aに露出されている枝排水管6に向けて下方に発信する。センサ120は、枝排水管6内の排泄物等の異物及び液面WF2の少なくとも一方での反射波を受信することによって、枝排水管6内の異物及び液面WF2の少なくとも一方の位置を検出する。以下では、異物及び液面WF2の少なくとも一方の位置を、単に「液面の位置」と呼ぶ。複数の便器装置100のそれぞれには、カメラ110及びセンサ120と同様のカメラ及びセンサが配置されている。
【0032】
(便器に洗浄水を供給するための供給処理)
主制御装置12及び複数の個別制御装置20a、20b、20cは、複数の便器装置100a、100b、100cに供給する洗浄水量を供給するための供給処理を実行する。具体的には、複数の個別制御装置20a、20b、20cでは、洗浄処理が実行される。主制御装置12では、洗浄水制御処理が実行される。以下では、個別制御装置20aの制御部22aが実行する処理を説明するが、個別制御装置20b、20cの制御部22b、22cでも同様である。
【0033】
(洗浄処理)
制御部22aは、洗浄処理を継続的に実行している。
図4に示すように、洗浄処理では、S12において、制御部22aは、洗浄指示を取得することを監視している。洗浄指示は、便器装置100aの使用者が操作部29の洗浄ボタンを操作すると、操作部29から制御部22aに送信される。変形例では、制御部22aは、便器装置100aに配置される着座センサにおいて使用者が着座ことを表す信号を取得した後に脱座したことを表す信号を取得することによって、洗浄指示を取得したと判断してもよい。変形例では、便器100aに配置される便蓋の開閉を検知するセンサにおいて便蓋が閉じられたことを表す信号、及び便器100aに配置される人感センサにおいて使用者が便器100aから離れたことを表す信号の少なくとも一方を取得することによって、洗浄指示を取得したと判断してもよい。洗浄指示が取得されると(S12でYES)、S14に進む。制御部22aは、洗浄指示によらず、定期的及び不定期の少なくとも一方で洗浄水を供給させてもよい。この場合、洗浄水を供給すべきタイミングで、S12でYESと判断されてもよい。洗浄指示が取得されない場合(S12でNO)、S32に進む。
【0034】
S14では、制御部22aは、センサ120から枝排水管6の液面の位置の検出結果を取得する。S16では、制御部22aは、カメラ110から便鉢104の画像を表す画像データを取得する。S18では、S14で取得済みの検出結果、及び、S16で取得済みの画像データを、洗浄指示が取得されたことを示す洗浄指示情報及び便器装置100aの識別情報と組み合わせて、主制御装置12に送信する。
【0035】
S20では、制御部22aは、主制御装置12から便鉢104に供給すべき洗浄水量を受信する。S22では、制御部22aは、便鉢104に洗浄水への供給を開始させる。S24では、制御部22aは、洗浄水の供給を開始してから所定期間が経過することを監視している。所定期間は、予め制御部22aに格納されている。所定期間は、枝排水管6の流動性が正常である場合に、洗浄水の供給後、便鉢104内の液面が水平に落ち着くまでの期間(例えば7秒)以上の期間である。
【0036】
S26とS28のそれぞれは、S14、S16のそれぞれと同様である。S30では、制御部22aは、S26及びS28で取得済みの検出結果及び画像データを便器装置100aの識別情報と組み合わせて、主制御装置12に送信する。S32では、制御部22aは、主制御装置12から追加洗浄水供給指示が受信されることを監視している。S30において検出結果を送信する場合、検出結果の送信後、予め制御部22aに設定された期間(例えば1秒)が経過するまで、追加洗浄水供給指示が受信されるか否かを判断する。追加洗浄水供給指示が受信されない場合(S32でNO)、S12に戻る。追加洗浄水供給指示が受信される場合(S32でYES)、S34において、制御部22aは、追加洗浄水供給指示に含まれる洗浄水量の洗浄水を、便鉢104に供給させて、S12に戻る。
【0037】
(洗浄水制御処理)
主制御装置12は、洗浄水制御処理を継続的に実行している。洗浄水制御処理では、
図5に示すように、S52において、主制御装置12は、複数の制御部22a、22b、22cのいずれかの制御部から検出結果及び画像データが受信されることを監視している。検出結果及び画像データが受信されると(S52でYES)、S54において、主制御装置12は、洗浄水量決定処理を実行する。
【0038】
(洗浄水量決定処理)
図6に示すように、洗浄水決定処理では、S72において、主制御装置12は、S52で取得される検出結果及び画像データを用いて、枝排水管6の流動性が低下しているか否か及び便鉢104が汚れているか否かを判断する。具体的には、主制御装置12は、枝排水管6の液面の位置が、第1基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。第1基準値は、枝排水管6に汚物等が存在しておらず、いずれの便器装置100a、100b、100cからも洗浄水が枝排水管6に流れていない状態における枝排水管6の液面の位置+H1(例えば30mm)である。S72では、主制御装置12は、S52で取得される画像データを用いて、便鉢104が汚れているか否かを判断する。具体的には、主制御装置12は、画像データによって表される画像に、便鉢104に汚れが付着していない場合の色彩と異なる色彩が含まれている場合に、便鉢104が汚れていると判断する。主制御装置12は、S72の判断結果を、便器装置100aの識別情報と組み合わせて累積的に格納する。変形例では、主制御装置12は、S52で取得される画像データを用いて、便鉢104に紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存しているか否かを判断してもよい。具体的には、主制御装置12は、画像データによって表される画像に、便鉢104に紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存していない場合の色彩と異なる色彩が含まれている場合に、紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存していると判断してもよい。
【0039】
流動性が低下していること及び便鉢104が汚れていることの少なくとも一方と判断される場合(S72でYES)、S74において、主制御装置12は、現在、便器装置100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量であるか否かを判断する。上限の洗浄水量は、例えば6.0Lであり、予め決定され、メモリ16に格納されている。便器装置100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量である場合(S74でYES)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器装置100の識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
【0040】
便器100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量でない場合(S74でNO)、S76において、主制御装置12は、新しい洗浄水量として、現在の洗浄水量に所定の水量VP2(例えば0.5L)を加算することによって、洗浄水量を決定する。その後、主制御装置12は、洗浄水量決定処理を終了する。
【0041】
S72において、流動性が低下している及び便鉢104が汚れていると判断されない場合(S72でNO)、S78において、主制御装置12は、直前の所定の洗浄回数(例えば5回)に亘って、流動性が低下していると判断されていないか否かを判断する。主制御装置12は、メモリ16に便器装置100aの識別情報と組み合わせて格納されている流動性の低下の判断結果を用いて、直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されていないか否かを判断する。直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されている場合(S78のNO)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器装置100aの識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
【0042】
直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されていない場合(S78のYES)、S80において、主制御装置12は、S80において、主制御装置12は、現在、便器装置100aに設定されている洗浄水量が、下限の洗浄水量であるか否かを判断する。下限の洗浄水量は、例えば2.0Lであり、予め決定され、メモリ16に格納されている。主制御装置12は、便器装置100aに設定されている洗浄水量が、下限の洗浄水量である場合(S80でYES)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器装置100の識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
【0043】
下限の洗浄水量でない場合(S80でNO)、S82において、主制御装置12は、新しい洗浄水量として、現在の洗浄水量に所定の水量VP1(例えば0.5L)を減算することによって、洗浄水量を決定して、洗浄水量決定処理を終了する。洗浄水量決定処理では、便鉢104を洗浄した洗浄水、即ち、排水を便鉢104から排水管106を介して枝排水管6に搬送するために必要な水量が決定される。
【0044】
枝排水管6の流動性が低下している場合(S72でYES)に、洗浄水量を増加させることによって、枝排水管6の流動性の低下の原因となる異物D1(
図2参照)を主排水管8まで流すことができる。異物D1を主排水管8まで流すことによって、枝排水管6の流動性を向上することができる。但し、現在の洗浄水量が上限の洗浄水量である場合には洗浄水量を増加しないことによって、洗浄水量が多くなり過ぎることによって水の使用量が増加することを防止することができる。
【0045】
便鉢104が汚れていると判断される場合(S72でYES)に、洗浄水量を増加させることによって、便鉢104の汚れを洗浄し得る。変形例では、便鉢104に紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存している場合(S72でYES)に、洗浄水量を増加させることによって、便鉢104の残存している紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方を便鉢104から排出し得る。
【0046】
枝排水管6の流動性が継続して低下していない場合(S78でYES)に、洗浄水量を減少させることによって、洗浄水量を抑制することができる。但し、現在の洗浄水量が下限の洗浄水量である場合には洗浄水量を減少しないことによって、洗浄水量が少なくなり過ぎることによって、枝排水管6に異物が残留し、枝排水管6の流動性が低下することを抑制することができる。
【0047】
図5に戻って、洗浄水決定処理が終了すると、S56において、主制御装置12は、S54で決定済みの洗浄水量を、個別制御装置20aに送信する。S58では、主制御装置12は、個別制御装置20aから、S26及びS28の検出結果及び画像データを取得することを待機している。検出結果及び画像データが取得される(S58でYES)、S59において、主制御装置12は、枝排水管6の流動性が低下しているか否か及び便鉢104が汚れているか否かを判断する。
【0048】
具体的には、主制御装置12は、枝排水管6の液面の位置が、第3基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。第3基準値は、枝排水管6に異物が存在していない状態で、便器装置100aから枝排水管6に洗浄水が流れた場合の枝排水管6の液面の位置に基づいて決定される。例えば、第3基準値は、S14で検出済みの枝排水管6の液面+H3(例えば30mm)である。主制御装置12は、S72と同様に、画像データによって表される画像に、便鉢104に汚れが付着していない場合の色彩と異なる色彩が含まれている場合に、便鉢104が汚れていると判断する。変形例では、主制御装置12は、S72と同様に、S52で取得される画像データを用いて、便鉢104に紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存しているか否かを判断してもよい。具体的には、主制御装置12は、画像データによって表される画像に、便鉢104に紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存していない場合の色彩と異なる色彩が含まれている場合に、紙及び排泄物等の浮遊物の少なくとも一方が残存していると判断してもよい。
【0049】
主制御装置12は、枝排水管6の液面の位置が第3基準値以下の場合、流動性が低下していないと判断する。流動性が低下していること及び便鉢104が汚れていることの少なくとも一方と判断される場合(S59でYES)、S60において、主制御装置12は、追加洗浄水量を決定する。枝排水管6の流動性が低下していると判断される場合、枝排水管6の流動性低下の原因である枝排水管6内の排泄物及びトイレットペーパーのような異物を主排水管8に流すために、洗浄指示によって供給される洗浄水に加えて、追加の洗浄水を枝排水管6に供給する。追加洗浄水量(例えば1.0L)は、予め設定されてメモリ16に格納されている。変形例では、主制御装置12は、追加洗浄水量を、流動性及び便鉢104の汚れの程度の少なくとも一方に応じて決定してよい。例えば、主制御装置12は、流動性の程度、即ち、枝排水管6の液面の位置に基づいて、3種類の水量(例えば、0.5L、1.0L、1.5L)のいずれかを追加洗浄水量として決定してもよい。主制御装置12は、流動性の程度は、S26で検出済みの枝排水管6の液面が高いほど、流動性が低いと決定してもよい。例えば、主制御装置12は、画像データによって表される画像に含まれる便鉢104に汚れが付着していない場合の色彩と異なる色彩の大きさに応じて、追加洗浄水量を決定してもよい。追加洗浄水量は、便鉢104の汚れの洗浄に必要な水量である。変形例では、追加洗浄水量は、便鉢104の汚れの洗浄及び便鉢104に残存する紙及び排泄物等の浮遊物である残存物を枝排水管6にために必要な水量である。
【0050】
S64では、S60で決定済みの追加洗浄水量を、個別制御装置20aに送信して、S52に戻る。
【0051】
主制御装置12は、供給処理と並行して、所定のタイミング(例えば6時間毎)で、平均水量管理処理を実行する。主制御装置12は、複数の便器100のそれぞれについて、所定期間(例えば1日)における洗浄水の1回当たりの平均水量を算出する。平均水量が所定水量(例えば3L)を越える便器が存在する場合、平均水量が所定水量を越える便器の現在水量を、下限水量に設定する。これにより、複数の便器100のそれぞれで使用される洗浄水の平均水量を予め設定された水量に制御することができる。管理領域1内の洗浄水の水量を調整することができる。
【0052】
管理システム10によると、枝排水管6の流動性が低下していると判断される場合、上流側から洗浄水を追加で枝排水管6に供給することによって、流動性低下の原因である異物を枝排水管6から主排水管8に流すことができる。枝排水管6の流動性の低下を解消することにより、枝排水管6の搬送能力を向上することができる。枝排水管6の流動性低下の有無を特定することができるため、通常の洗浄水量を抑えて、枝排水管6の流動性の低下が特定される場合に洗浄水量を増加させる処理をすることができる。当該処理によって、枝排水管6の搬送能力が低下することを抑制することができるとともに複数の便器装置100において使用される洗浄水量を抑制することができる。
【0053】
枝排水管6の流動性低下の有無を特定するために、センサ120の検出結果が用いられる。センサ120を用いて、枝排水管6の液面の位置を検出することによって、枝排水管6の流動性が低下していることを推定することができる。センサ120は、複数の便器装置100に取り付けられる。枝排水管6に枝排水管6の流動性低下の有無を特定するための検出装置を配置せずに済む。
【0054】
主制御装置12は、カメラ110で撮像される便鉢104の画像を用いて、便鉢104に汚れが付着していると判断される場合に、追加の洗浄水を供給する。追加の洗浄水によって、便鉢104を清潔に維持することができる。
【0055】
(対応関係)
枝排水管6と分岐管6a、6b、6cとが「排水経路」の一例である。枝排水管6の液面の位置が「第1指標」の一例である。便鉢104の画像が「第2指標」の一例である。洗浄水量決定処理で決定される水量が「第1水量」の一例である。追加洗浄水量が「第2水量」の一例である。
【0056】
(第2実施形態)
第1実施形態と異なる点を説明する。S59の処理が、第1実施形態と異なる。S59では、主制御装置12は、最初に、便器装置100aの直下の枝排水管6の部分、即ち、センサ120で検出される枝排水管6の部分に流れる水量に応じて、追加の洗浄水を供給する頻度を抑制するか否かを決定する。具体的には、主制御装置12は、便器装置100a及び便器装置100aよりも上流側の水洗式便器において、所定期間(例えば1時間)に洗浄水が供給された回数が、予め決められた回数よりも多い場合に、追加の洗浄水を供給する頻度を抑制することを決定する。この構成では、便器装置100aの直下の枝排水管6の部分に流れる水の量が多い場合、便器装置100a周辺では、枝排水管6に異物が存在する可能性、即ち、枝排水管6の流動性が低下している可能性が低い。このため、便器装置100aの直下の枝排水管6の部分に流れる水の量が多い場合、追加の洗浄水を供給する頻度を抑制することを決定する。
【0057】
追加の洗浄水を供給する頻度を抑制することが決定されると、主制御装置12は、枝排水管6の液面の位置が、第5基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。第5基準値は、第3基準値よりも高く設定される。例えば、第5基準値は、S14で検出済みの枝排水管6の液面+H5(例えば35mm)である。主制御装置12は、便鉢104の液面の位置が、第6基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。第6基準値は、第4基準値よりも高く設定される。第6基準値は、例えば、便器装置100aに想定されている溜水の液面の位置+H6(例えば15mm)である。これにより、追加の洗浄水が供給される頻度を抑えて、水量を抑制することができる。
【0058】
主制御装置12は、所定期間に洗浄水が供給された回数が、予め決められた回数以下の場合に、追加の洗浄水を供給する頻度を抑制しないことを決定する。この場合、第1実施形態と同様に、主制御装置12は、第3基準値と第4基準値とを用いて、追加の洗浄水を供給するか否かを判断する。
【0059】
追加の洗浄水を供給する頻度を抑制することを決定する場合、主制御装置12は、洗浄水が供給された回数以外に、枝排水管6に流れる水量、追加洗浄水の供給回数、追加洗浄水の供給頻度等に基づいて、決定してもよい。
【0060】
この実施形態でも第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
具体的な実施形態を詳細に説明した。これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上述の実施形態の変形例を以下に列挙する。
【0062】
(1)上述した各実施形態では、枝排水管6に水を流す機器は、便器装置100以外に、洗面台、シンク、浴室、食器洗浄機、洗濯機のように給水管4を介して上水管3から供給される水を使用する衛生設備機器を含んでいてもよい。
【0063】
(2)カメラ110に替えて、便鉢104内の洗浄水の液面を検出するセンサが配置されていてもよい。主制御装置12は、センサによって検出される液面を用いて、枝排水管6の流動性の低下を推定してもよい。カメラ110は、センサとともに用いられてもよい。センサ及びカメラ110の少なくとも一方は、例えば、便鉢104等の便座102の下面以外の位置に配置されていてもよい。センサ及びカメラ110の少なくとも一方は、便蓋及び便座104の一方に後付けされていてもよい。センサ及びカメラ110の少なくとも一方は、便鉢104内の洗浄水を検知可能な位置に配置されていればよい。
【0064】
(3)カメラ110は配置されていなくてもよい。枝排水管6の流動性の低下を、センサ120の検出結果を用いて推定してもよい。
【0065】
(4)制御ユニット11の構成は、上記の各実施形態の構成に限定されない。例えば、主制御装置12は、配置されていなくてもよい。この場合、複数の個別制御装置20a、20b、20cのいずれかの個別制御装置が、主制御装置12に替わって、洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理を実行してもよい。本変形例では、複数の個別制御装置20a、20b、20cが「制御装置」の一例である。例えば、複数の個別制御装置20a、20b、20cは、配置されていなくてもよい。この場合、主制御装置12が、複数の個別制御装置20a、20b、20cに替わって、洗浄処理を実行してもよい。本変形例では、主制御装置12が「制御装置」の一例である。
【0066】
(5)上記の各実施形態では、供給処理において、主制御装置12が洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理を実行し、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが、洗浄処理を実行している。変形例では、洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理の少なくとも一部の処理を、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが実行してもよい。洗浄処理の少なくとも一部の処理を、主制御装置12が実行してもよい。主制御装置12は、現在洗浄水量等のデータの格納を実行し、それ以外の処理を複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが実行してもよい。
【0067】
(6)センサ120は、排水管106の変曲位置106a(即ちトラップ部分)の圧力を検知するセンサを含んでいてもよい。主制御装置12は、変曲位置106aの気圧の変化量が所定変化量よりも大きい場合に流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方であると判断する。所定変化量よりも大きい場合に流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方である場合、検出済みの気圧が流動性の低下を示す場合ということができる。所定変化量は、例えば、0.3kPaであってもよい。変曲位置106aの気圧が変化する場合とは、上流側の便器において洗浄水とともに異物が枝排水管6に流れ、センサが配置されている排水管の下方を異物が通過する状況において、異物が大きい場合には、一時的に枝排水管6の気圧が降下する。所定変化量は、一時的に枝排水管6の気圧が降下する現象を検出可能に設定されていてもよい。
【0068】
本明細書及び図面の少なくとも一方に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。本明細書及び図面の少なくとも一方に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0069】
1:管理領域、2:給排水システム、3:上水管、4:給水管、5:排水系統、6:枝排水管、8:主排水管、10:管理システム、11:制御ユニット、12:主制御装置、20a、20b、20c:個別制御装置、100:複数の便器装置、100a、100b、100c:便器装置、110:カメラ、120:センサ