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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047292
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240329BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 648A
H01L21/304 642A
H01L21/304 651B
H01L21/304 651Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152835
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】天久 賢治
(72)【発明者】
【氏名】谷口 進一
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 旭紘
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131BB03
5F131BB13
5F131BB23
5F131CA32
5F131CA70
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA42
5F131DA43
5F131DB03
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB73
5F131DB76
5F131DB82
5F131DC23
5F131DD82
5F131DD83
5F131DD85
5F131GA03
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA13
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB03
5F157AB33
5F157AB34
5F157AB45
5F157AB47
5F157AB51
5F157AB62
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC04
5F157AC56
5F157BB02
5F157BB22
5F157BB45
5F157CB14
5F157CB26
5F157DA21
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】バッチ処理領域から枚葉処理領域への基板搬送において、基板の乾燥を防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1の処理ブロック7は、バッチ処理領域R1および枚葉基板搬送領域R3に隣接する濡れ搬送領域R5を備える。濡れ搬送領域R5には、6個のバッチ処理槽BT1~BT6の列の延長線上に設けられ、浸漬処理が行われた複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換部55と、第2姿勢変換部55から水平姿勢の基板を1枚ずつ受け取って枚葉基板搬送領域R3に搬送するベルトコンベア機構57と、ベルトコンベア機構57で搬送される基板を濡れさせるために液体を供給する液体供給部とが設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、
複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納するキャリアを載置するキャリア載置棚と、
前記キャリア載置棚に隣接する移載ブロックと、
前記移載ブロックに隣接する処理ブロックと、
を備え、
前記移載ブロックは、
前記キャリアから取り出された前記複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する第1姿勢変換機構と、
前記キャリア載置棚に載置された前記キャリアから前記複数枚の基板を一括して取り出して前記第1姿勢変換機構に搬送し、また、前記キャリア載置棚に載置された前記キャリアに前記枚葉処理された基板を戻す基板ハンドリング機構と、を備え、
前記処理ブロックは、
前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ処理領域と、
前記バッチ処理領域に沿って設けられ、一端側が前記移載ブロックにまで延び、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ基板搬送領域と、
前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉基板搬送領域と、
前記枚葉基板搬送領域に沿って設けられた枚葉処理領域と、
前記バッチ処理領域および前記枚葉基板搬送領域に隣接する濡れ搬送領域と、を備え、
前記バッチ処理領域には、その領域が延びる方向に複数枚の基板を一括して浸漬処理する複数個のバッチ処理槽が並び、
前記濡れ搬送領域には、前記複数個のバッチ処理槽の列の延長線上に設けられ、前記浸漬処理が行われた前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換機構と、前記第2姿勢変換機構から水平姿勢の基板を1枚ずつ受け取って前記枚葉基板搬送領域に搬送するベルトコンベア機構と、前記ベルトコンベア機構で搬送される基板を濡れさせるために液体を供給する液体供給部とが設けられ、
前記枚葉処理領域には、その領域が延びる方向に基板を1枚ずつ処理する複数個の枚葉処理チャンバが並び、
前記枚葉基板搬送領域には、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って前記枚葉処理チャンバに搬送し、前記枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することが可能な枚葉基板搬送機構が設けられ、
前記バッチ基板搬送領域には、前記移載ブロック内に定められた基板受け渡し位置と前記複数個のバッチ処理槽と前記第2姿勢変換機構との間で複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構が設けられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉基板搬送領域は、前記バッチ処理領域と前記枚葉処理領域との間に介在することを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記枚葉処理領域には、前記複数個の枚葉処理チャンバとして第1枚葉処理チャンバと第2枚葉処理チャンバとが設けられ、両チャンバの間で基板を搬送する第2枚葉基板搬送機構が更に設けられ、
前記枚葉基板搬送機構は、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って前記第1枚葉処理チャンバに搬送し、前記第2枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉処理領域は、前記バッチ処理領域と前記枚葉基板搬送領域との間に介在することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記濡れ搬送領域は、前記バッチ処理領域の一端側であって、前記移載ブロックが設けられた側とは反対側に設けられ、
前記ベルトコンベア機構は、前記枚葉処理領域が介在することで、前記第2姿勢変換機構から前記枚葉基板搬送領域に直線状に基板を搬送することができない場合に、平面視で、前記枚葉処理領域を回り込むように設けられていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記濡れ搬送領域は、前記移載ブロックと前記バッチ処理領域との間に介在すること
を特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉処理領域には、前記複数個の枚葉処理チャンバとして第1枚葉処理チャンバと第2枚葉処理チャンバとが設けられ、両チャンバの間に配置された第2枚葉基板搬送領域が更に設けられ、
前記濡れ搬送領域は、前記バッチ処理領域の一端側であって、前記移載ブロックが設けられた側とは反対側に設けられ、
前記枚葉基板搬送領域は、前記移載ブロック側の移載ブロック側搬送領域と、前記ベルトコンベア機構側のベルトコンベア側搬送領域とを有し、
前記第2枚葉基板搬送領域および前記ベルトコンベア側搬送領域には、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って、前記第1枚葉処理チャンバに搬送し、また、前記第1枚葉処理チャンバで処理された基板を前記第2枚葉処理チャンバに搬送する第2枚葉基板搬送機構が設けられ、
前記枚葉基板搬送機構は、前記第2枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記第2姿勢変換機構は、
基板を出入りさせるための出入口を有すると共に、前記出入口を通過した前記複数枚の基板を収納するための複数対の保持溝が各々対向するように設けられた2個の側壁を有する槽内キャリアであって、前記複数枚の基板を介して前記出入口に対向して配置され、各基板の径方向で各基板の直径よりも小さい幅を有する裏側開口とを備えた前記槽内キャリアと、
前記槽内キャリアを浸漬液に浸漬させるために、浸漬液を貯留する浸漬槽と、
前記槽内キャリアを下側から支持するキャリア支持部と、
前記キャリア支持部を昇降させるキャリア昇降部と、
前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換するために、水平方向に延びる2本の回転シャフトで前記槽内キャリアの前記2個の側壁を挟み込みながら、前記2本の回転シャフト周りに前記槽内キャリアを回転させる回転機構と、
前記槽内キャリアに収納される1枚の基板を押し出すための押し出し部材と、
前記押し出し部材を水平方向に進退させる押し出し部材進退部と、を備え、
前記押し出し部材進退部は、前記槽内キャリアに収納された前記複数枚の基板が水平姿勢であるときに、前記裏側開口から前記槽内キャリア内に前記押し出し部材を進入させながら、前記出入口を通じて前記1枚の基板を押し出すことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置として、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式処理モジュール(バッチ処理部)と、バッチ式処理モジュールで処理された基板を一枚ずつ処理する枚葉式処理モジュール(枚葉処理部)とを備えたハイブリッド式の基板処理装置がある(例えば特許文献1,2参照)。バッチ式処理モジュールで処理された複数枚の基板は、水平姿勢に変換された後に、搬送ロボットによって、枚葉式処理モジュールに1枚ずつ搬送される。
【0003】
なお、特許文献3には、液槽と、多数の薄板材を収納するカセット(キャリア)を載置するアームと、アームを昇降させる昇降装置と、カセットから薄板材をコンベアに押し出すプッシャ(押し出し部材)を備えた液中ローダが開示されている。液中ローダは、アームに載置されたカセットを液に没入させる。液中ローダは、薄板材を使用する時に、上段側の薄板材を1枚ずつ液面上に出し、液面上に出た薄板材をプッシャによりコンベアに押し出す。押し出された薄板材は、次の処理装置に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2016-502275号公報
【特許文献2】特開2021-064652号公報
【特許文献3】実公平03-006581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の基板処理装置は、次の問題を有する。バッチ式処理モジュールで処理された複数枚の基板は、バッチ式処理モジュールが設けられるバッチ処理領域から枚葉式処理モジュールが設けられる枚葉処理領域に搬送する必要がある。この搬送中に基板が乾燥すると、基板に形成されたパターンが倒れてしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、バッチ処理領域から枚葉処理領域への基板搬送において、基板の乾燥を防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理装置は、複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納するキャリアを載置するキャリア載置棚と、前記キャリア載置棚に隣接する移載ブロックと、前記移載ブロックに隣接する処理ブロックと、を備え、前記移載ブロックは、前記キャリアから取り出された前記複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する第1姿勢変換機構と、前記キャリア載置棚に載置された前記キャリアから前記複数枚の基板を一括して取り出して前記第1姿勢変換機構に搬送し、また、前記キャリア載置棚に載置された前記キャリアに前記枚葉処理された基板を戻す基板ハンドリング機構と、を備え、前記処理ブロックは、前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ処理領域と、前記バッチ処理領域に沿って設けられ、一端側が前記移載ブロックにまで延び、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ基板搬送領域と、前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉基板搬送領域と、前記枚葉基板搬送領域に沿って設けられた枚葉処理領域と、前記バッチ処理領域および前記枚葉基板搬送領域に隣接する濡れ搬送領域と、を備え、前記バッチ処理領域には、その領域が延びる方向に複数枚の基板を一括して浸漬処理する複数個のバッチ処理槽が並び、前記濡れ搬送領域には、前記複数個のバッチ処理槽の列の延長線上に設けられ、前記浸漬処理が行われた前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換機構と、前記第2姿勢変換機構から水平姿勢の基板を1枚ずつ受け取って前記枚葉基板搬送領域に搬送するベルトコンベア機構と、前記ベルトコンベア機構で搬送される基板を濡れさせるために液体を供給する液体供給部とが設けられ、前記枚葉処理領域には、その領域が延びる方向に基板を1枚ずつ処理する複数個の枚葉処理チャンバが並び、前記枚葉基板搬送領域には、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って前記枚葉処理チャンバに搬送し、前記枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することが可能な枚葉基板搬送機構が設けられ、前記バッチ基板搬送領域には、前記移載ブロック内に定められた基板受け渡し位置と前記複数個のバッチ処理槽と前記第2姿勢変換機構との間で複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構が設けられることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る基板処理装置によれば、濡れ搬送領域は、バッチ処理領域および枚葉基板搬送領域に隣接する。濡れ搬送領域には、第2姿勢変換機構、ベルトコンベア機構および液体供給部が設けられる。第2姿勢変換機構は、複数個のバッチ処理槽の列の延長線上に設けられ、浸漬処理が行われた複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。ベルトコンベア機構は、第2姿勢変換機構から水平姿勢の基板を1枚ずつ受け取って枚葉基板搬送領域に搬送する。液体供給部は、ベルトコンベア機構で搬送される基板を濡れさせるために液体を供給する。ベルトコンベア機構は、液体供給部によって濡れた基板を、第2姿勢変換機構から枚葉基板搬送領域側に搬送する。枚葉基板搬送領域の枚葉基板搬送機構は、ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って枚葉処理チャンバに搬送する。そのため、バッチ処理領域から枚葉処理領域への基板搬送において、基板の乾燥を防止することができる。
【0009】
また、枚葉基板搬送領域がバッチ処理領域から離れていても、ベルトコンベア機構が基板を搬送するので、枚葉基板搬送機構は、基板を受け取ることが容易である。また、ベルトコンベア機構および液体供給部は、基板の乾燥を防止することができる。そのため、搬送経路を長くでき、それにより、バッチ処理領域と枚葉処理領域の配置の自由度を増すことができる。
【0010】
また、上述の基板処理装置において、前記枚葉基板搬送領域は、前記バッチ処理領域と前記枚葉処理領域との間に介在することが好ましい。これにより、移載ブロック、バッチ処理領域および枚葉処理領域は、枚葉基板搬送領域を中心として配置することができる。
【0011】
また、上述の基板処理装置において、前記枚葉処理領域には、前記複数個の枚葉処理チャンバとして第1枚葉処理チャンバと第2枚葉処理チャンバとが設けられ、両チャンバの間で基板を搬送する第2枚葉基板搬送機構が更に設けられ、前記枚葉基板搬送機構は、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って前記第1枚葉処理チャンバに搬送し、前記第2枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することが好ましい。これにより、基板は、2台の枚葉基板搬送機構によって搬送されるので、スループットを向上できる。
【0012】
また、上述の基板処理装置において、前記枚葉処理領域は、前記バッチ処理領域と前記枚葉基板搬送領域との間に介在することが好ましい。これにより、枚葉基板搬送領域を介して、枚葉処理領域の反対側の領域を第2の枚葉処理領域として利用できるので、多くの枚葉処理チャンバを配置することができる。
【0013】
また、上述の基板処理装置において、前記濡れ搬送領域は、前記バッチ処理領域の一端側であって、前記移載ブロックが設けられた側とは反対側に設けられ、前記ベルトコンベア機構は、前記枚葉処理領域が介在することで、前記第2姿勢変換機構から前記枚葉基板搬送領域に直線状に基板を搬送することができない場合に、平面視で、前記枚葉処理領域を回り込むように設けられていることが好ましい。ベルトコンベア機構が障害物を回り込みながら基板を搬送できるので、枚葉処理領域などの配置の自由度を高めることができる。
【0014】
また、上述の基板処理装置において、前記濡れ搬送領域は、前記移載ブロックと前記バッチ処理領域との間に介在することが好ましい。これにより、濡れ搬送領域は、移載ブロックの近くに配置される。そのため、枚葉基板搬送機構は、移載ブロック側を基点として、基板を搬送することができる。また、薬液処理槽を移載ブロックから離れた位置に置くことができるので、移載ブロックの基板ハンドリング機構などの機構が薬液雰囲気によって腐食されるなどの悪影響を抑制することができる。
【0015】
また、上述の基板処理装置において、前記枚葉処理領域には、前記複数個の枚葉処理チャンバとして第1枚葉処理チャンバと第2枚葉処理チャンバとが設けられ、両チャンバの間に配置された第2枚葉基板搬送領域が更に設けられ、前記濡れ搬送領域は、前記バッチ処理領域の一端側であって、前記移載ブロックが設けられた側とは反対側に設けられ、前記枚葉基板搬送領域は、前記移載ブロック側の移載ブロック側搬送領域と、前記ベルトコンベア機構側のベルトコンベア側搬送領域とを有し、前記第2枚葉基板搬送領域および前記ベルトコンベア側搬送領域には、前記ベルトコンベア機構で搬送されてきた水平姿勢の基板を受け取って、前記第1枚葉処理チャンバに搬送し、また、前記第1枚葉処理チャンバで処理された基板を前記第2枚葉処理チャンバに搬送する第2枚葉基板搬送機構が設けられ、前記枚葉基板搬送機構は、前記第2枚葉処理チャンバで処理された基板を搬出することが好ましい。
【0016】
これにより、枚葉基板搬送機構は、乾燥処理後の基板だけを搬送することができると共に、第2枚葉基板搬送機構は、濡れた基板だけを搬送することができる。
【0017】
また、上述の基板処理装置において、前記第2姿勢変換機構は、基板を出入りさせるための出入口を有すると共に、前記出入口を通過した前記複数枚の基板を収納するための複数対の保持溝が各々対向するように設けられた2個の側壁を有する槽内キャリアであって、前記複数枚の基板を介して前記出入口に対向して配置され、各基板の径方向で各基板の直径よりも小さい幅を有する裏側開口とを備えた前記槽内キャリアと、前記槽内キャリアを浸漬液に浸漬させるために、浸漬液を貯留する浸漬槽と、前記槽内キャリアを下側から支持するキャリア支持部と、前記キャリア支持部を昇降させるキャリア昇降部と、前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換するために、水平方向に延びる2本の回転シャフトで前記槽内キャリアの前記2個の側壁を挟み込みながら、前記2本の回転シャフト周りに前記槽内キャリアを回転させる回転機構と、前記槽内キャリアに収納される1枚の基板を押し出すための押し出し部材と、前記押し出し部材を水平方向に進退させる押し出し部材進退部と、を備え、前記押し出し部材進退部は、前記槽内キャリアに収納された前記複数枚の基板が水平姿勢であるときに、前記裏側開口から前記槽内キャリア内に前記押し出し部材を進入させながら、前記出入口を通じて前記1枚の基板を押し出すことが好ましい。
【0018】
第2姿勢変換機構は、槽内キャリアを浸漬液に浸漬させることができる浸漬槽を備える。そのため、槽内キャリアに収納される基板の乾燥を防止することができる。また、押し出し部材進退部は、押し出し部材で槽内キャリアに収納される基板を押し出すことができる。そのため、枚葉基板搬送機構のハンドを進入させなくても、槽内キャリアから基板を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る基板処理装置によれば、バッチ処理領域から枚葉処理領域への基板搬送において、基板の乾燥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図2】基板ハンドリング機構を示す側面図である。
図3】(a)~(c)は、第1姿勢変換機構(姿勢変換部とプッシャ機構)を説明するための側面図である。
図4】第2姿勢変換部を正面から見た縦断面図である。
図5】(a)は、第2姿勢変換部を左側面から見た縦断面図であり、(b)は、第2姿勢変換部を示す平面図である。
図6】(a)は、ベルトコンベア機構を示す平面図であり、(b)は、ベルトコンベア機構とシャワーヘッドを示す左側面図である。
図7】基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図8】(a)~(c)は、姿勢変換部の動作を説明するための正面図である。
図9】(a)~(c)は、姿勢変換部の動作を説明するための正面図である。
図10】姿勢変換部の動作を説明するための正面図である。
図11】(a)、(b)は、槽内キャリアからの基板搬出の動作を説明するための図である。
図12】実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図13】実施例2の変形例に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図14】(a)、(b)は、ベルトコンベア機構の方向変換部の動作を説明するための側面図である。
図15】実施例3に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図16】実施例4に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
図17】変形例に係るベルトコンベア機構を示す側面図である。
【実施例0021】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。図2は、基板ハンドリング機構HTRを示す側面図である。図3(a)~図3(c)は、第1姿勢変換機構15(姿勢変換部23とプッシャ機構25)を説明するための側面図である。
【0022】
<1.全体構成>
図1を参照する。基板処理装置1は、ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7を備える。ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7は、この順番で水平方向に1列に配置される。
【0023】
基板処理装置1は、基板Wに対して、例えば、薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などを行う。基板処理装置1は、基板Wに対して、バッチ処理と枚葉処理とを連続して行う。すなわち、基板処理装置1は、バッチ処理を行った後に、基板Wに対して枚葉処理を行う。バッチ処理は、複数枚の基板Wを一括して処理する処理方式である。枚葉処理は、基板Wを一枚ずつ処理する処理方式である。
【0024】
本明細書では、便宜上、ストッカーブロック3、移載ブロック5および処理ブロック7が並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、移載ブロック5からストッカーブロック3に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を「幅方向Y」と呼ぶ。幅方向Yの一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方と反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。例えば図1では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0025】
<2.ストッカーブロック>
ストッカーブロック3は、少なくとも1つのキャリアCを収容するものである。ストッカーブロック3には、1又は2以上(例えば2つ)のロードポート9が設けられる。ストッカーブロック3は、キャリア搬送機構(ロボット)11と棚13を備える。
【0026】
キャリア搬送機構11は、ロードポート9と棚13との間でキャリアCを搬送する。キャリア搬送機構11は、キャリアCの上面の突起部を把持する把持部、あるいは、キャリアCの底面に接触しつつキャリアCを支持するハンドを備える。棚13は、基板Wを取り出し・収納するための棚13Aと、保管用の棚13Bとに分類される。
【0027】
棚13Aは、移載ブロック5に隣接して配置される。棚13Aは、キャリアCの蓋部を着脱する機構が設けられていてもよい。棚13Aは、少なくとも1つ設けられる。棚13Aは、キャリアCが載置される。キャリアCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを水平姿勢で所定間隔(例えば10mm間隔)を空けて鉛直方向Zに収納する。なお、基板Wは、基板Wの厚み方向に整列される。キャリアCとして、例えば、FOUP(Front Opening Unify Pod)が用いられる。FOUPは、密閉型容器である。キャリアCは、開放型容器でもよく、種類を問わない。なお、棚13Aは、本発明のキャリア載置棚に相当する。
【0028】
<3.移載ブロック>
移載ブロック5は、ストッカーブロック3の後方Xに隣接して配置される。移載ブロック5は、基板ハンドリング機構(ロボット)HTRと第1姿勢変換機構15を備える。
【0029】
基板ハンドリング機構HTRは、移載ブロック5内の右方Y側に設けられる。基板ハンドリング機構HTRは、載置棚13Aに載置されたキャリアCから複数枚(例えば25枚)の基板Wを一括して取り出して第1姿勢変換機構15に搬送する。また、基板ハンドリング機構HTRは、載置棚13Aに載置されたキャリアCに、枚葉処理された基板Wを戻す。例えば、基板ハンドリング機構HTRは、バッファ部33から複数枚(例えば25枚)の基板Wを取り出して、その複数枚の基板Wを載置棚13Aに載置されたキャリアCに戻す。基板ハンドリング機構HTRは、棚13Aに載置されたキャリアC、第1姿勢変換機構15およびバッファ部33の間で複数枚の基板Wを搬送できる。
【0030】
図2を参照する。基板ハンドリング機構HTRは、複数個(例えば25個)のハンド17を備える。図2において、図示の便宜上、基板ハンドリング機構HTRは、3個のハンド17を備えるものとする。各ハンド17は、1枚の基板Wを保持する。
【0031】
また、基板ハンドリング機構HTRは、ハンド支持部19、進退部20および昇降回転部21を備える。ハンド支持部19は、複数個のハンド17を支持する。これにより、複数個のハンド17は、一体的に移動する。進退部20は、ハンド支持部19を介して、複数個のハンド17を前進および後退させる。昇降回転部21は、鉛直軸AX1周りに進退部20を回転させることで、鉛直軸AX1周りに複数個のハンド17等を回転させる。また、昇降回転部21は、進退部20を昇降させることで、複数個のハンド17等を昇降させる。昇降回転部21は、床面に固定されている。すなわち、昇降回転部21は、水平方向に移動しない。なお、進退部20および昇降回転部21は各々、電動モータを備える。なお、基板ハンドリング機構HTRは、ハンド17およびハンド支持部19とは別に、1枚の基板Wを搬送するためのハンド(図示しない)を備えてもよい。
【0032】
図1を参照する。第1姿勢変換機構15は、複数枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に一括して変換する。第1姿勢変換機構15は、姿勢変換部23とプッシャ機構25を備える。図1において、基板ハンドリング機構HTR、姿勢変換部23およびプッシャ機構25は、この順番で左方Yに配置される。図3(a)~図3(c)は、第1姿勢変換機構15を説明するための図である。
【0033】
図3(a)に示すように、姿勢変換部23は、支持台23A、1対の水平保持部23B、1対の鉛直保持部23C、および回転駆動部23Dを備える。1対の水平保持部23Bおよび1対の鉛直保持部23Cは、支持台23Aに設けられる。水平保持部23Bおよび鉛直保持部23Cは、基板ハンドリング機構HTRによって搬送された複数枚の基板Wを受け取る。基板Wが水平姿勢であるとき、1対の水平保持部23Bは、各基板Wの下面に接触しつつ、基板Wを下方から支持する。また、基板Wが鉛直姿勢であるとき、1対の鉛直保持部23Cは、基板Wを保持する。
【0034】
回転駆動部23Dは、水平軸AX2周りに支持台23Aを回転可能に支持する。また、回転駆動部23Dは、水平軸AX2周りに支持台23Aを回転させることで、保持部23B,23Cに保持された複数枚の基板Wの姿勢を水平から鉛直に変換する。
【0035】
図3(c)に示すように、プッシャ機構25は、プッシャ25A、昇降回転部25B、水平移動部25Cおよびレール25Dを備える。プッシャ25Aは、鉛直姿勢の複数枚(例えば25枚)の基板Wの各々の下部を支持する。なお、図3(a)~図3(f)において、図示の便宜上、プッシャ25Aは、3枚の基板Wを支持するものとする。
【0036】
昇降回転部25Bは、プッシャ25Aの下面に連結される。昇降回転部25Bは、伸縮することでプッシャ25Aを上下方向に昇降させる。また、昇降回転部25Bは、鉛直軸AX3周りにプッシャ25Aを回転させる。これにより、矢印ARで示す基板Wのデバイス面の向きを任意の方向にすることができる。水平移動部25Cは、昇降回転部25Bを支持する。水平移動部25Cは、プッシャ25Aおよび昇降回転部25Bをレール25Dに沿って水平移動させる。レール25Dは、幅方向Yに延びるように形成される。なお、回転駆動部23D、昇降回転部25Bおよび水平移動部25Cは各々、電動モータを備える。
【0037】
ここで、第1姿勢変換機構15の動作を説明する。処理ブロック7の後述するバッチ処理槽BT1~BT6は、1個分のキャリアCの例えば25枚の基板Wを一括して処理する。そのため、第1姿勢変換機構15は、キャリアCから取り出された25枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に一括して変換する。
【0038】
図3(a)を参照する。姿勢変換部23は、基板ハンドリング機構HTRにより搬送された25枚の基板Wを保持部23B,23Cで受け取る。この際、25枚の基板Wは、水平姿勢であり、デバイス面は上向きである。25枚の基板Wは、所定の間隔(フルピッチ)で配置される。フルピッチは、例えば10mm間隔である。フルピッチは、ノーマルピッチとも呼ばれる。なお、ハーフピッチは、フルピッチの半分の間隔である。
【0039】
また、基板Wのデバイス面とは、電子回路が形成される面であり、「表面」と呼ばれる。また、基板Wの裏面とは、電子回路が形成されない面をいう。デバイス面の反対側の面が裏面である。
【0040】
図3(b)を参照する。姿勢変換部23は、保持部23B,23Cを水平軸AX2周りに90度(degree)回転させて、25枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。図3(c)を参照する。プッシャ機構25は、姿勢変換部23の保持部23B,23Cよりも高い位置にプッシャ25Aを上昇させる。これにより、プッシャ25Aは、保持部23B,23Cから25枚の基板Wを受け取る。プッシャ25Aに保持された25枚の基板Wは、左方Yを向く。なお、矢印ARは、基板Wのデバイス面の向きを示す。
【0041】
その後、プッシャ機構25は、25枚の基板Wを保持するプッシャ25Aを搬送機構WTR(後述する)の1対のチャック29,30の下方の基板受け渡し位置PPにレール25Dに沿って移動させる。
【0042】
<4.処理ブロック7>
処理ブロック7は、移載ブロック5に隣接する。処理ブロック7は、移載ブロック5の後方Xに配置される。処理ブロック7は、バッチ処理領域R1、バッチ基板搬送領域R2、枚葉基板搬送領域R3、枚葉処理領域R4および濡れ搬送領域R5を備える。
【0043】
<4-1.バッチ処理領域R1>
バッチ処理領域R1は、移載ブロック5、バッチ基板搬送領域R2、枚葉基板搬送領域R3および濡れ搬送領域R5に隣接する。また、バッチ処理領域R1は、幅方向Yにおいて、バッチ基板搬送領域R2と枚葉基板搬送領域R3との間に介在する。また、バッチ処理領域R1は、前後方向Xにおいて、移載ブロック5と濡れ搬送領域R5との間に介在する。バッチ処理領域R1の一端側は、移載ブロック5に隣接する。バッチ処理領域R1の他端側(すなわち、バッチ処理領域R1)は、移載ブロック5から離れる方向(後方X)に延びる。
【0044】
バッチ処理領域R1には、例えば6個のバッチ処理槽BT1~BT6が設けられる。6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、バッチ処理領域R1が延びる方向(前後方向X)に一列で並ぶ。6個のバッチ処理槽BT1~BT6は各々、複数枚の基板Wを一括して浸漬処理する。例えば、6個のバッチ処理槽BT1~BT6は、4個の薬液処理槽BT1~BT4と、2つの水洗処理槽BT5,BT6とで構成される。具体的には、2個の薬液処理槽BT1,BT2と水洗処理槽BT5を1組とする。そして、2個の薬液処理槽BT3,BT4と水洗処理槽BT6を他の1組とする。なお、薬液処理槽と水洗処理槽の組合せは、この例に限定されない。また、バッチ処理槽の個数は、6個に限定されず、複数個であればよい。
【0045】
4つの薬液処理槽BT1~BT4は各々、薬液によるエッチング処理を行う。薬液として、例えば燐酸が用いられる。薬液処理槽BT1は、図示しない薬液噴出管から供給された薬液を貯留する。薬液噴出管は、薬液処理槽BT1の内壁に設けられる。3個の薬液処理槽BT2~BT4は各々、薬液処理槽BT1と同様に構成される。
【0046】
2つの水洗処理槽BT5,BT6は各々、複数枚の基板Wに付着している薬液を純水で洗い流す純水洗浄処理を行う。純水として、例えば脱イオン水(DIW:Deionized Water)が用いられる。2つの水洗処理槽BT5,BT6は各々、図示しない洗浄液噴出管から供給された純水を貯留する。洗浄液噴出管は、各水洗処理槽BT5,BT6の内壁に設けられる。
【0047】
6個のバッチ処理槽BT1~BT6には、6個のリフタLF1~LF6がそれぞれ設けられる。例えば、リフタLF1は、所定間隔(例えば10mm(フルピッチ))で配置された鉛直姿勢の複数枚の基板Wを保持する。また、リフタLF1は、バッチ処理槽(薬液処理槽)BT1の内部の処理位置と、バッチ処理槽BT1の上方の受け渡し位置との間で、複数枚の基板Wを昇降させる。他の5個のリフタLF2~LF6は、リフタLF1と同様に構成される。
【0048】
<4-2.バッチ基板搬送領域R2>
バッチ基板搬送領域R2は、移載ブロック5、バッチ処理領域R1および濡れ搬送領域R5に隣接する。バッチ基板搬送領域R2は、バッチ処理領域R1に沿って設けられる。バッチ基板搬送領域R2の一端側が移載ブロック5まで延び、その他端側が移載ブロック5から離れる方向(後方X)に延びる。バッチ基板搬送領域R2は、バッチ処理領域R1に対して平行に延びる。
【0049】
バッチ基板搬送領域R2は、搬送機構(ロボット)WTRを有する。すなわち、バッチ基板搬送領域R2には、搬送機構WTRが設けられる。搬送機構WTRは、移載ブロック5内に定められた基板受け渡し位置PPと、例えば6個のバッチ処理槽BT1~BT6と、第2姿勢変換部55との間で鉛直姿勢の複数枚(例えば25枚)の基板Wを一括して搬送する。
【0050】
搬送機構WTRは、1対のチャック29,30、およびガイドレール31を備える。チャック29,30は各々、例えば、25枚の基板Wを保持するために25個の保持溝を備える。2つのチャック29,30は各々、平面視で、幅方向Y(図1)に平行に延びる。搬送機構WTRは、2つのチャック29,30を開いたり閉じたりする。搬送機構WTRは、1対のチャック29,30をガイドレール31に沿って移動させる。搬送機構WTRは、電動モータで駆動される。
【0051】
<4-3.枚葉基板搬送領域R3>
枚葉基板搬送領域R3は、移載ブロック5、バッチ処理領域R1、枚葉処理領域R4および濡れ搬送領域R5に隣接する。また、枚葉基板搬送領域R3は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R4との間に介在する。枚葉基板搬送領域R3の一端側は、移載ブロック5に隣接する。また、枚葉基板搬送領域R3の他端側(すなわち枚葉基板搬送領域R3)は、移載ブロック5から離れる方向(後方X)に延びる。
【0052】
枚葉基板搬送領域R3には、第1センターロボットCR1およびバッファ部33が設けられる。第1センターロボットCR1は、ベルトコンベア機構57(後述する)、第1枚葉処理チャンバSW1(後述する)、第2枚葉処理チャンバSW2(後述する)およびバッファ部33の間で水平姿勢の基板Wを搬送する。第1センターロボットCR1は、2個のハンド35、進退部37、昇降回転部39、および水平移動部41(ガイドレール含む)を備える。
【0053】
2個のハンド35は各々、水平姿勢の1枚の基板Wを保持する。なお、第1のハンド35は、濡れた基板Wを搬送するために用いられ、第2のハンド35は、乾燥後の基板Wを搬送するために用いられる。進退部37は、2個のハンド35を移動可能に支持すると共に、2個のハンド35を個々に進退させる。昇降回転部39は、ハンド35および進退部37を鉛直軸AX4周りに回転させる。また、昇降回転部39は、ハンド35および進退部37を昇降させる。ガイドレールは、枚葉基板搬送領域R3が延びる方向に沿って設けられると共に、枚葉基板搬送領域R3の床面に設けられる。水平移動部41は、ガイドレールに沿って前後方向Xに2個のハンド35および進退部37等を移動させる。なお、進退部37、昇降回転部39および水平移動部41は各々、電動モータを備える。
【0054】
例えば、進退部37は、第1のハンド35を前進させてベルトコンベア機構57から基板Wを受け取る。その後、進退部37は、第1のハンド35を前進させて第1枚葉処理チャンバSW1に1枚の基板Wを搬送する。なお、第1センターロボットCR1は、3個以上のハンド35を備えてもよい。3個以上のハンド35を備える場合、第1センターロボットCR1は、3個以上のハンド35を個々に進退させる。
【0055】
バッファ部33は、複数個の載置棚を備えている。複数個の載置棚は各々、水平姿勢である。複数個の載置棚は各々、1枚の基板Wを載置することができる。バッファ部33は、複数枚の基板Wを水平姿勢で所定間隔(フルピッチ)を空けて鉛直方向Zに載置する。すなわち、複数個の載置棚は、所定間隔(フルピッチ)でかつ鉛直方向Zに配置される。バッファ部33は、例えば、基板ハンドリング機構HTRが搬送可能な25枚の基板Wが少なくとも載置できるように構成される。なお、バッファ部33は、2枚以上25枚未満の基板Wを載置できるように構成されていてもよい。
【0056】
なお、バッファ部33は、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R3とにまたがって配置されてもよい。すなわち、バッファ部33は、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R3との境界に設けられてもよい。また、バッファ部33は、移載ブロック5だけに設けられてもよい。そのため、バッファ部33は、移載ブロック5と枚葉基板搬送領域R3との境界、移載ブロック5、および枚葉基板搬送領域R3のいずれかに固定して設けられていればよい。第1センターロボットCR1は、本発明の枚葉基板搬送機構に相当する。
【0057】
<4-4.枚葉処理領域R4>
枚葉処理領域R4は、移載ブロック5および枚葉基板搬送領域R3に隣接する。枚葉処理領域R4の一端側は、移載ブロック5に隣接し、その他端側は、移載ブロック5から離れる方向(後方X)に延びる。また、枚葉処理領域R4は、バッチ処理領域R1および枚葉基板搬送領域R3に沿って設けられる。
【0058】
枚葉処理領域R4には、複数個(例えば2個)の枚葉処理チャンバSW1,SW2が設けられる。2個の枚葉処理チャンバSW1,SW2は、枚葉処理領域R4が延びる前後方向Xに並ぶ。各枚葉処理チャンバSW1,SW2は、基板Wを1枚ずつ処理する。第1枚葉処理チャンバSW1は、移載ブロック5から最も遠い位置に配置される。第2枚葉処理チャンバSW2は、第1枚葉処理チャンバSW1の前方Xに配置される。2個の枚葉処理チャンバSW1,SW2は、複数段で構成されていてもよい。例えば、6個の枚葉処理チャンバが前後方向X(水平方向)に2個でかつ鉛直方向Zに3個で配置されていてもよい。
【0059】
例えば、第1枚葉処理チャンバSW1は、回転処理部45とノズル47とを備える。回転処理部45は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持するスピンチャックと、その基板Wの中心を通過する鉛直軸周りにスピンチャックを回転させる電動モータとを備える。
【0060】
ノズル47は、回転処理部45で保持された基板Wに処理液を供給する。ノズル47は、回転処理部45から離れた待機位置と、回転処理部45の上方の供給位置とにわたって移動される。処理液として、例えば、純水(DIW)およびIPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。第1枚葉処理チャンバSW1は、例えば、基板Wに対して純水で洗浄処理を行った後、IPAで予備的な乾燥処理を行ってもよいし、基板Wの上面にIPAの液膜を形成してもよい。
【0061】
第2枚葉処理チャンバSW2は、例えば、超臨界流体による乾燥処理を行う。流体として、例えば二酸化炭素が用いられる。第2枚葉処理チャンバSW2は、チャンバ本体(容器)48、支持トレイ49、蓋部51、3本のリフトピン52を備える。チャンバ本体48は、内部に設けられた処理空間48Aと、この処理空間48Aに基板Wを入れるための開口と、供給口と、排気口とを備える。支持トレイ49は、3本のリフトピン52を通すための3個の孔部49Aを備える。3本のリフトピン52は、昇降可能である。図1に示す支持トレイ49が処理空間48Aから取り出された状態のときに、3本のリフトピン52は、3個の孔部49Aをそれぞれ通過することができる。これにより、3本のリフトピン52は、基板Wを支持トレイ49から持ち上げたり、支持トレイ49に下ろしたりすることができる。第1センターロボットCR1および第2センターロボットCR2(後述する)は各々、3本のリフトピン52が上昇しているときに、基板Wを受け渡しすることができる。
【0062】
基板Wは、支持トレイ49に支持されつつ処理空間48Aに収容される。蓋部51はチャンバ本体48の開口を塞ぐ。例えば、第2枚葉処理チャンバSW2は、流体を超臨界状態にして、供給口からチャンバ本体48内の処理空間に超臨界流体を供給する。この際、チャンバ本体48内の処理空間48Aの気体は、排気口から排気される。処理空間48Aに供給された超臨界流体により、基板Wに対する乾燥処理が行われる。
【0063】
超臨界状態は、流体に固有の臨界温度と臨界圧力にすることで得られる。具体的には、流体が二酸化炭素の場合、臨界温度が31℃であり、臨界圧力が7.38MPaである。超臨界状態では、流体の表面張力がほぼゼロになる。そのため、基板Wのパターンに気液界面の影響が生じない。したがって、基板Wにおけるパターン倒れが生じにくい。
【0064】
また、枚葉処理領域R4には、第1枚葉処理チャンバSW1と第2枚葉処理チャンバSW2との間で基板Wを搬送する第2センターロボットCR2が更に設けられている。第2センターロボットCR2は、第1枚葉処理チャンバSW1から第2枚葉処理チャンバSW2に基板Wを搬送する。第2センターロボットCR2は、昇降回転部39の下端部が床面に固定されていること以外は、第1センターロボットCR1と同様に構成される。第2センターロボットCR2は、2個のハンド35、進退部37および昇降回転部39を備えている。各ハンド35は、濡れた基板Wを搬送する。
【0065】
<4-5.濡れ搬送領域R5>
濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1、バッチ基板搬送領域R2および枚葉基板搬送領域R3に隣接する。濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1の一端側であって、移載ブロック5が設けられた側とは反対側に設けられる。濡れ搬送領域R5には、第2姿勢変換部(水中姿勢変換部)55、ベルトコンベア機構57およびシャワーヘッド59が設けられる。
【0066】
なお、第2姿勢変換部55は、本発明の第2姿勢変換機構に相当する。シャワーヘッド59は、本発明の液体供給部に相当する。
【0067】
<4-5-1.第2姿勢変換部55>
図1に示すように、第2姿勢変換部55は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6の列の延長線上に設けられる。第2姿勢変換部55は、浸漬処理が行われた複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。図4は、第2姿勢変換部55を正面から見た縦断面図である。図5(a)は、第2姿勢変換部55を左側面から見た縦断面図である。図5(b)は、第2姿勢変換部55を示す平面図である。
【0068】
第2姿勢変換部55は、槽内キャリア61、浸漬槽63、回転機構65、リフタLF9およびプッシャ67を備えている。槽内キャリア61は、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収納することが可能である。この場合、槽内キャリア61は、25枚の基板Wを所定の間隔(例えばフルピッチ)を空けて収納する。25枚の基板Wは、各基板Wの厚み方向に整列する。
【0069】
槽内キャリア61は、出入口69、2個の側壁71および裏側開口73を備える。出入口69は、基板Wを出入りさせるための開口である。2個の側壁71は、複数対(例えば25対)の保持溝75が設けられる。25対の保持溝75は各々対向する。25対の保持溝75は、出入口69を通過した25枚の基板Wを収納する。すなわち、各対の保持溝75は、1枚の基板Wを収納する。裏側開口73は、槽内キャリア61に収納される25枚の基板Wを介して、出入口69に対向して配置される。裏側開口73は、各基板Wの径方向(前後方向X)で各基板Wの直径よりも小さい幅を有する。これにより、各基板Wは、裏側開口73から出入りできない。なお、槽内キャリア61の出入口69が上向きであるとき、プッシャ67は、出入口69および裏側開口73を通過することができる。
【0070】
浸漬槽63は、槽内キャリア61と、リフタLF9の2本のキャリア支持部85(後述する)とを収容する。浸漬槽63は、浸漬液として、例えば純水を貯留する。これにより、浸漬槽63内の純水に槽内キャリア61を浸漬させることができる。そのため、基板Wの乾燥を防止することができる。なお、浸漬液は、純水に限らずアルコールであってもよい。また、純水は、例えば脱イオン水(DIW)が用いられる。浸漬槽63は、底面における前後方向Xの両端に噴出管77を備えている。各噴出管77は、筒状に形成されると共に、幅方向Yに延びるように形成される。各噴出管77は、浸漬槽63内に純水を噴出する。
【0071】
回転機構65は、槽内キャリア61に収納された25枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換させるために、後述する2本の作動軸79Aで槽内キャリア61を挟み込みながら、後述する2本の作動軸79A周りに槽内キャリア61を回転させる。回転機構65は、2個のエアシリンダ79と2個の電動モータ81とを備えている。
【0072】
エアシリンダ79は各々、前後方向Xに沿って延びる作動軸79Aを備える。浸漬槽63には、2個の貫通孔74が形成される。2本の作動軸79Aは2個の貫通孔74にそれぞれ通されている。2個のエアシリンダ79は、2本の作動軸79Aを前後方向Xに沿って前進させることで、2本の作動軸79Aで槽内キャリア61の2個の側壁71を挟み込む。これにより、2本の作動軸79Aと槽内キャリア61は一体となる。また、2個のエアシリンダ79は、2本の作動軸79Aを前後方向Xに沿って後退させることで、2本の作動軸79Aで槽内キャリア61を挟み込んだ状態を解放する。各作動軸79Aは、本発明の回転シャフトに相当する。
【0073】
2個の電動モータ81は、2本の作動軸79A(水平軸)周りに2個のエアシリンダ79を回転させる。これにより、2個の電動モータ81は、2本の作動軸79Aで挟まれた槽内キャリア61を回転させることができる。
【0074】
リフタLF9は、背板部83、2本のキャリア支持部85およびキャリア昇降部87を備える。背板部83は、鉛直方向Zに延びている。背板部83は、後述する押し出し部材96を通過させるための背板開口83Aを有する。2本のキャリア支持部85は、背板部83の下端部に取り付けられ、また、幅方向Yに沿って各々延びている。2本のキャリア支持部85の間隔は、裏側開口73の前後方向Xの幅よりも広くなっている。2本のキャリア支持部85は、槽内キャリア61を下側から支持する。キャリア昇降部87は、背板部83および2本のキャリア支持部85を昇降させることで、2本のキャリア支持部85で支持される槽内キャリア61を昇降させる。キャリア昇降部87は、電動モータを備える。
【0075】
また、第2姿勢変換部55は、プッシャ67に加えて、鉛直シャフト89とプッシャ昇降回転部91とを備えている。プッシャ67は、複数枚(例えば25枚)の基板Wを鉛直姿勢で下側から保持する。プッシャ67の下面には鉛直シャフト89の上端が接続される。鉛直シャフト89は、鉛直方向Zに沿って延びている。図4に示すように、浸漬槽63の底部には、貫通孔93が設けられている。鉛直シャフト89は、貫通孔93に通されている。プッシャ昇降回転部91は、プッシャ67および鉛直シャフト89を昇降させ、また、これらを鉛直軸AX5周りに回転させる。プッシャ昇降回転部91は、例えば複数個の電動モータを備える。
【0076】
また、第2姿勢変換部55は、図5(a)に示すように、押し出し部材96と押し出し部材進退部98とを備える。押し出し部材96は、槽内キャリア61に収納される1枚の基板Wを押し出すものである。押し出し部材進退部98の進退可能なロッド98Aの先端部には、押し出し部材96が接続される。押し出し部材進退部98は、押し出し部材96を水平方向に進退させる。押し出し部材進退部98は、電動モータまたはエアシリンダを備える。押し出し部材進退部98は、槽内キャリア61に収納された複数枚(例えば25枚)の基板Wが水平姿勢であるときに、背板開口83Aおよび裏側開口73から槽内キャリア61内に押し出し部材96を進入させながら、出入口69を通じて1枚の基板Wを押し出す。なお、基板Wの端に液体を噴出することで槽内キャリア61から基板Wを押し出してもよい。
【0077】
<4-5-2.ベルトコンベア機構57>
図6(a)は、ベルトコンベア機構57を示す平面図である。図6(b)は、ベルトコンベア機構57とシャワーヘッド59を示す左側面図である。押し出し部材96によって槽内キャリア61から押し出された1枚の基板Wは、ベルトコンベア機構57に引き渡される。ベルトコンベア機構57は、第2姿勢変換部55から水平姿勢の基板Wを1枚ずつ受け取って枚葉基板搬送領域R3側に搬送する。
【0078】
ベルトコンベア機構57は、ベルトコンベア101と引き渡し部103とを備える。ベルトコンベア101は、第2姿勢変換部55から引き渡し部103に基板Wを搬送する。ベルトコンベア101は、3個のプーリ105,106,107と、3本のベルト109A,109B,109Cと、電動モータ112とを備える。
【0079】
3個のプーリ105,106,107は、第2姿勢変換部55側から幅方向Yに沿ってこの順番で配置される。3個のプーリ105,106,107は各々、水平軸AX7,AX8,AX9周りに回転可能にそれぞれ支持されている。また、プーリ107は、引き渡し部103の後述する3本のリフトピン123の近くに配置される。
【0080】
3本のベルト109A,109B,109Cは各々、リング状に形成されている。3本のベルト109A,109B,109Cの各々の断面は、例えば円形に形成されている。2本のベルト109A,109Bは各々、2個のプーリ105,106に巻かれる。また、ベルト109Cは、2本のベルト109A,109Bの間に配置されると共に、3個のプーリ105,106,107に巻かれる。
【0081】
電動モータ112が例えばプーリ105を回転させることで、3本のベルト109A~109Cに載置された基板Wが搬送される。また、ベルトコンベア101は、ベルト109Cがプーリ107に巻かれているので、3本のリフトピン123の近くまで基板Wを移動させることができる。
【0082】
引き渡し部103は、3個のプーリ115,116,117と、2本のベルト119,121と、3本のリフトピン123と、リフトピン昇降部125とを備える。3個のプーリ115,116,117は各々、自在に回転可能である。2個のプーリ115,116は、水平軸AX9に沿って配置され、また、ベルトコンベア101の第3プーリ107を挟む。2個のプーリ115,116は各々、水平軸AX9周りに回転可能に支持される。プーリ117は、水平軸AX10周りに回転可能に支持される。ベルト119は、2個のプーリ115,117に巻かれる。また、ベルト121は、2個のプーリ116,117に巻かれる。
【0083】
引き渡し部103は、電動モータを有しないので、自力で2本のベルト119,121を駆動することができない。しかし、引き渡し部103は、電動モータを有することで、ベルト119,121を駆動させてもよい。
【0084】
なお、ベルトコンベア101は、引き渡し部103のベルト119,121と別に、ベルト109A~109Cを有する。そのため、ベルト119,121上に基板Wがある場合でも、ベルト109A~109C上の別の基板Wを移動させることができる。
【0085】
図6(a)に示すように、3本のリフトピン123は、2本のベルト119,121の間に配置される。リフトピン昇降部125は、3本のリフトピン123を下側の待機位置と上側の引き渡し位置との間で昇降させる。3本のリフトピン123が引き渡し位置に上昇されたとき、基板Wはベルト119,121から持ち上げられる。また、3本のリフトピン123が待機位置に下降されたとき、基板Wの搬送を妨げないように、各リフトピン123の上端が2本のベルト119,121の搬送面127よりも低い位置に配置される。リフトピン昇降部125は、電動モータまたはエアシリンダを備える。
【0086】
図6(b)に示すように、シャワーヘッド59は、ベルトコンベア機構57で搬送される基板Wを濡れさせるために液体を供給する。液体として、例えば、純水(DIW)が供給される。また、液体は、IPAなどのアルコールであってもよい。複数個のシャワーヘッド59は、ベルトコンベア101の3本のベルト109A~109Cに沿って1列に配置される。ベルトコンベア101上を水平姿勢の基板Wのデバイス面の向き(矢印AR)は、上向きである。そのため、基板Wのデバイス面に純水の液膜を形成させることができる。なお、濡れ搬送領域R5は、1個のベルトコンベア101に対して1個のシャワーヘッド59を備えるようにしてもよい。
【0087】
<5.制御部>
基板処理装置1は、制御部131(図1参照)と記憶部(図示しない)を備えている。制御部131は、基板処理装置1の各構成を制御する。制御部131は、例えば中央演算処理装置(CPU)などの1つ以上のプロセッサを備える。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。記憶部は、基板処理装置1の各構成を制御するために必要なコンピュータプログラムを記憶する。
【0088】
<6.動作説明>
次に、図7のフローチャートを参照しつつ、基板処理装置1の動作について説明する。図1を参照する。図示しない外部搬送ロボットは、1個のキャリアCをロードポート9に搬送する。
【0089】
〔ステップS01〕キャリアからの基板搬送
ストッカーブロック3のキャリア搬送機構11は、ロードポート9から棚13AにキャリアCを搬送する。移載ブロック5の基板ハンドリング機構HTRは、棚13Aに載置されたキャリアCから水平姿勢の25枚の基板を取り出して、姿勢変換部23に搬送する。
【0090】
〔ステップS02〕鉛直姿勢への姿勢変換
図3(a)~図3(c)に示すように、姿勢変換部23は、25枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換し、鉛直姿勢の25枚の基板Wをプッシャ機構25に引き渡す。プッシャ機構25は、移載ブロック5内に定められた基板受け渡し位置PPに鉛直姿勢の25枚の基板Wを搬送する。
【0091】
〔ステップS03〕薬液処理(バッチ処理)
搬送機構WTRは、基板受け渡し位置PPでプッシャ機構25から鉛直姿勢の25枚の基板Wを受け取り、4つの薬液処理槽BT1~BT4の4つのリフタLF1~LF4のいずれかに25枚の基板Wを搬送する。
【0092】
例えば、搬送機構WTRは、薬液処理槽BT1のリフタLF1に25枚の基板Wを搬送する。リフタLF1は、薬液処理槽BT1の上方の位置で25枚の基板Wを受け取る。リフタLF1は、薬液処理槽BT1内の処理液としての燐酸に25枚の基板Wを浸漬させる。これにより、エッチング処理が25枚の基板Wに対して行われる。エッチング処理の後、リフタLF1は、25枚の基板Wを薬液処理槽BT1の燐酸から引き上げる。なお、25枚の基板Wが他の薬液処理槽BT2~BT4のリフタLF2~LF4の各々に搬送された場合も薬液処理槽BT1と同様の処理が行われる。
【0093】
〔ステップS04〕純水洗浄処理(バッチ処理)
搬送機構WTRは、例えばリフタLF1(またはリフタLF2)から鉛直姿勢の25枚の基板Wを受け取り、水洗処理槽BT5のリフタLF5に25枚の基板Wを搬送する。リフタLF5は、水洗処理槽BT5の上方の位置で25枚の基板Wを受け取る。リフタLF5は、水洗処理槽BT5内の純水に25枚の基板Wを浸漬させる。これにより、25枚の基板Wは洗浄処理が行われる。
【0094】
なお、搬送機構WTRがリフタLF3,LF4の一方から鉛直姿勢の25枚の基板Wを受け取る場合、搬送機構WTRは、水洗処理槽BT6のリフタLF6に25枚の基板Wを搬送する。リフタLF6は、水洗処理槽BT6内の純水に25枚の基板Wを浸漬させる。
【0095】
本実施例では、第2姿勢変換部55は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6を介在して移載ブロック5の反対側に設けられている。搬送機構WTRは、移載ブロック5に近い側の例えばバッチ処理槽BT1(BT3)から移載ブロック5から遠い側のバッチ処理槽BT5(BT6)を経て第2姿勢変換部55に25枚の基板Wを一括して搬送する。
【0096】
〔ステップS05〕水平姿勢への姿勢変換
図8(a)~図10は、第2姿勢変換部55の動作を説明するための正面図である。なお、リフタLF9のキャリア支持部85が第1の高さ位置P1に位置するとき、キャリア支持部85が浸漬槽63の底面付近に位置する。キャリア支持部85が第1の高さ位置P1に位置するとき、回転機構65は槽内キャリア61を浸漬槽63内で縦回転することができる。キャリア支持部85が第2の高さ位置P2に位置するとき、槽内キャリア61の全体が浸漬槽63の液面下に位置する。キャリア支持部85が第2の高さ位置P2に位置するとき、回転機構65は、出入口69が上向きの槽内キャリア61に対して挟持動作を行うことができる。
【0097】
キャリア支持部85が第3の高さ位置P3に位置するとき、槽内キャリア61とプッシャ67との間で25枚の基板Wを受け渡しすることができる。キャリア支持部85が第4の高さ位置P4に位置するとき、水平姿勢の25枚の基板Wが収納された槽内キャリア61が浸漬槽63内の水面下に位置する。
【0098】
図8(a)を参照する。第2姿勢変換部55の槽内キャリア61の出入口69は上向きである。搬送機構WTRは、槽内キャリア61の上方に25枚の基板Wを搬送する。図8(b)を参照する。その後、プッシャ昇降回転部91は、25枚の基板Wを鉛直姿勢で保持できる高さに、プッシャ67を上昇させる。これにより、プッシャ67は、搬送機構WTRから25枚の基板Wを受け取る。なお、プッシャ67は、2本のキャリア支持部85の間、裏側開口73および出入口69を順番に通過して、25枚の基板Wまで上昇される。
【0099】
図8(c)を参照する。その後、搬送機構WTRは、2個のチャック29,30を開き、25枚の基板Wの保持を解除し、その後、槽内キャリア61の上方から移動する。その後、キャリア昇降部87は、キャリア支持部85を第3の高さ位置P3に上昇させる。これにより、プッシャ67により鉛直姿勢で保持された25枚の基板Wを槽内キャリア61に収納させる。
【0100】
図9(a)を参照する。その後、プッシャ昇降回転部91は、浸漬槽63の底部までプッシャ67を下降させる。また、キャリア昇降部87は、キャリア支持部85を第2の高さ位置P2に下降させる。これにより、25枚の基板Wを収納した槽内キャリア61を浸漬槽63内の純水に浸漬させる。そのため、各基板Wの乾燥が防止される。図9(b)を参照する。その後、回転機構65の2個のエアシリンダ79は、2本の作動軸79Aを前進させることで、2本の作動軸79Aで槽内キャリア61(2個の側壁71)を挟み込む(挟持動作)。
【0101】
図9(c)を参照する。その後、キャリア昇降部87は、キャリア支持部85を第1の高さ位置P1に下降させる。これにより、槽内キャリア61は、2本の作動軸79Aだけで支持される。また、槽内キャリア61の縦回転が可能である。回転機構65は、2本の作動軸79A(水平軸)周りに槽内キャリア61を90度回転させる。これにより、デバイス面が上向きでありながら、25枚の基板Wは鉛直姿勢から水平姿勢に変換される。なお、この90度の回転は、裏側開口73が背板部83に向くように行われる(図5(a)参照)。
【0102】
図10を参照する。その後、キャリア昇降部87は、キャリア支持部85を第4の高さ位置P4に上昇させる。その後、回転機構65の2個のエアシリンダ79は、2本の作動軸79Aを後退させることで、2本の作動軸79Aによる槽内キャリア61の挟み込みを解放する。これにより、槽内キャリア61は、キャリア支持部85だけで支持される。
【0103】
〔ステップS06〕ベルトコンベアによる基板搬送
その後、第2姿勢変換部55は、槽内キャリア61に収納された水平姿勢の25枚の基板Wを最上段の基板Wから順番に搬出する。キャリア昇降部87は、図11(a)に示すように最上段の基板Wが液面から出るように、槽内キャリア61を支持するキャリア支持部85を上昇させる。なお、最上段の基板W以外は、純水中で待機する。その後、押し出し部材進退部98は、背板開口83Aおよび裏側開口73から槽内キャリア61内に押し出し部材96を進入させながら、出入口69を通じて最上段の基板Wを押し出す。
【0104】
出入口69を通じて押し出された基板W(適宜「1番目の基板W」と呼ぶ)は、ベルトコンベア101の3本のベルト109A,109B,109Cの上に載置される。図6(a)、図6(b)を参照する。ベルトコンベア101の電動モータ112は、プーリ105を回転させることで、1番目の基板Wを引き渡し部103側に移動させる。この1番目の基板Wが2個のプーリ105,106の間の所定の位置を通過すると、第2姿勢変換部55は、2番目の基板Wを搬出する。その所定の位置は、例えば光学センサ135で検出する。光学センサ135が1番目の基板Wの通過を検出すると、キャリア昇降部87は、上側の1枚の基板Wが液面から出るように、キャリア支持部85を上昇させる。その後、図11(b)に示すように、押し出し部材進退部98は、押し出し部材96で2番目の基板Wを押し出す。
【0105】
ベルトコンベア101は、引き渡し部103に基板Wを搬送する。ここで、複数個のシャワーヘッド59は、ベルトコンベア101の3本のベルト109A~109Cに沿って配置される。そのため、ベルトコンベア101で基板Wの搬送中に基板Wが乾燥することを防止することができる。ベルトコンベア101のベルト109Cが3本のリフトピン123の近くまで配置されているので、3本のリフトピン123の上方まで基板Wを搬送できる。3本のリフトピン123の上方に基板Wが搬送されると、リフトピン昇降部125は、リフトピン123を上昇させることで、2本のベルト119,121上の基板Wを持ち上げることができる。そして、図1に示す第1センターロボットCR1は、3本のリフトピン123で持ち上げた基板Wを第1のハンド35で保持しながら搬送する。
【0106】
〔ステップS07〕第1の枚葉処理
図1を参照する。第1センターロボットCR1は、リフトピン123から受け取った基板Wを第1枚葉処理チャンバSW1に搬送する。第1枚葉処理チャンバSW1は、例えば、回転処理部45によりデバイス面が上向きの基板Wを回転させつつ、ノズル47からデバイス面に純水を供給する。その後、第1枚葉処理チャンバSW1は、基板Wのデバイス面(上面)に対してノズル47からIPAを供給して、基板Wの純水をIPAで置換する。
【0107】
〔ステップS08〕第2の枚葉処理(乾燥処理)
その後、第2センターロボットCR2は、第1枚葉処理チャンバSW1からIPAで濡れている基板Wを取り出し、第2枚葉処理チャンバSW2の3本のリフトピン52にその基板Wを搬送する。その後、3本のリフトピン52が下降されることで、支持トレイ49に基板Wが載置される。その後、支持トレイ49がチャンバ本体48の処理空間48Aに移動される。
【0108】
第2枚葉処理チャンバSW2は、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界流体)により、基板Wに対して乾燥処理を行う。超臨界流体を用いた乾燥処理により、基板Wのパターン面(デバイス面)のパターン倒壊が抑制される。乾燥処理後、支持トレイ49が処理空間48Aから取り出される。その後、支持トレイ49の3個の孔部49Aを通過しながら、3本のリフトピン52が上昇し、乾燥処理後の基板Wを持ち上げる。
【0109】
〔ステップS09〕バッファ部からキャリアへの基板搬送
第1センターロボットCR1は、第2のハンド35を用いて、第2枚葉処理チャンバSW2の3本のリフトピン52からバッファ部33の載置棚のいずれか1つに基板Wを搬送する。バッファ部33に1ロット分(25枚)の基板Wが搬送されると、基板ハンドリング機構HTRは、バッファ部33から棚13Aに載置された空のキャリアC内に、25枚の基板Wを一括搬送する。その後、ストッカーブロック3内のキャリア搬送機構11は、処理後の基板Wが収納されたキャリアCをロードポート9に搬送する。図示しない外部搬送ロボットは、ロードポート9のキャリアCを次の目的地に搬送する。なお、基板ハンドリング機構HTRは、バッファ部33から棚13Aに載置されたキャリアCに基板Wを1枚ずつ戻してもよい。
【0110】
本実施例によれば、濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1および枚葉基板搬送領域R3に隣接する。濡れ搬送領域R5には、第2姿勢変換機構55、ベルトコンベア機構57およびシャワーヘッド59が設けられる。第2姿勢変換機構55は、6個のバッチ処理槽BT1~BT6の列の延長線上に設けられ、浸漬処理が行われた複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。ベルトコンベア機構57は、第2姿勢変換機構55から水平姿勢の基板Wを1枚ずつ受け取って枚葉基板搬送領域R3に搬送する。シャワーヘッド59は、ベルトコンベア機構57で搬送される基板Wを濡れさせるために液体を供給する。ベルトコンベア機構57は、シャワーヘッド59によって濡れた基板Wを、第2姿勢変換機構55から枚葉基板搬送領域R3側に搬送する。枚葉基板搬送領域R3の第1センターロボットCR1は、ベルトコンベア機構57で搬送されてきた水平姿勢の基板Wを受け取って第1枚葉処理チャンバSW1に搬送する。そのため、バッチ処理領域R1から枚葉処理領域R3への基板搬送において、基板Wの乾燥を防止することができる。
【0111】
また、枚葉基板搬送領域R3がバッチ処理領域R1から離れていても、ベルトコンベア機構57が基板Wを搬送するので、第1センターロボットCR1は、基板Wを受け取ることが容易である。また、ベルトコンベア機構57およびシャワーヘッド59は、基板Wの乾燥を防止することができる。そのため、搬送経路を長くでき、それにより、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R4の配置の自由度を増すことができる。
【0112】
また、枚葉基板搬送領域R3は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R4との間に介在する。これにより、移載ブロック5、バッチ処理領域R1および枚葉処理領域R4は、枚葉基板搬送領域R3を中心として配置することができる。
【0113】
また、枚葉処理領域R4には、第1枚葉処理チャンバSW1と第2枚葉処理チャンバSW2とが設けられ、両チャンバSW1,SW2の間で基板Wを搬送する第2センターロボットCR2が更に設けられる。第1センターロボットCR1は、ベルトコンベア機構57で搬送されてきた水平姿勢の基板Wを受け取って第1枚葉処理チャンバSW1に搬送し、第2枚葉処理チャンバSW2で処理された基板Wを搬出する。これにより、基板Wは、2台のセンターロボットCR1、CR2によって搬送されるので、スループットを向上できる。
【0114】
第2姿勢変換部55は、槽内キャリア61を純水に浸漬させることができる浸漬槽63を備える。そのため、槽内キャリア61に収納される基板Wの乾燥を防止することができる。また、押し出し部材進退部98は、押し出し部材96で槽内キャリア61に収納される基板Wを押し出すことができる。そのため、第1センターロボットCR1のハンド35を進入させなくても、槽内キャリア61から基板Wを取り出すことができる。
【実施例0115】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。図12は、実施例2に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。
【0116】
実施例1では、図1に示すように、枚葉基板搬送領域R3は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R4との間に介在した。この点、実施例2では、図12に示すように、枚葉処理領域R4は、バッチ処理領域R1と枚葉基板搬送領域R3との間に介在する。
【0117】
すなわち、バッチ処理領域R1、枚葉処理領域R4および枚葉基板搬送領域R3は、この順番で右方Yに配置される。そのため、図12において、枚葉基板搬送領域R3の右方に、第2の枚葉処理領域R6を配置できる。これにより、枚葉基板搬送領域R3を介して、枚葉処理領域R4の反対側の領域を第2の枚葉処理領域R6として利用できるので、多くの枚葉処理チャンバを配置することができる。なお、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R4との間には、メンテナンスのための領域R7が存在するが、領域R7は、存在しなくてもよい。また、移載ブロック5は、バッファ部33を備える。基板ハンドリング機構HTRは、レール136に沿って幅方向Yに移動することができる。
【0118】
また、図12に示す基板処理装置1では、ベルトコンベア機構57は、第2姿勢変換部55から枚葉基板搬送領域R3に直線状に基板Wを搬送した。この点、ベルトコンベア機構57は、基板Wを直線状に搬送することができない場合に、平面視で、妨げる要素を回り込むように設けられてもよい。これにより、ベルトコンベア機構57が障害物を回り込みながら基板Wを搬送できるので、枚葉処理領域R4などの配置の自由度を高めることができる。
【0119】
図13を参照する。枚葉処理領域R4には、2個の枚葉処理チャンバSW1,SW2の後方Xに例えばサイドキャビネット137が設けられる場合がある。サイドキャビネット137には、例えば、薬液を供給するためのボトル、薬液配管、純水配管および排気ダクトの少なくとも1つが設けられる。この場合、枚葉処理領域R4のサイドキャビネット137が介在することで、ベルトコンベア機構57は、第2姿勢変換部55から枚葉基板搬送領域R3に直線状に基板Wを搬送することができない。障害物は、サイドキャビネット137に限られず、例えば、枚葉処理チャンバであってもよい。
【0120】
そこで、ベルトコンベア機構139は、例えば3台(n台)のベルトコンベア141,143,145と、例えば2台(n-1台)の方向変換部147,149とを備える。なお、「n」は2以上の自然数である。第2姿勢変換部55は、後方Xを向いている。すなわち、押し出し部材進退部98は、押し出し部材96を前後方向Xに沿って進退させる。
【0121】
第2姿勢変換部55の後方Xには、第1ベルトコンベア141が設けられる。第1ベルトコンベア141の後方Xには、第1方向変換部147が設けられる。第1方向変換部147の右方Yには、第2ベルトコンベア143が設けられる。第2ベルトコンベア143の右方Yには、第2方向変換部149が設けられる。第2方向変換部149の前方Xには、第3ベルトコンベア145が設けられる。第3ベルトコンベア145の前方Xには、引き渡し部103(図6(b)参照)が設けられる。
【0122】
3台のベルトコンベア141~145と2台の方向変換部147,149は各々、ベルト151(151A)を駆動するために、電動モータを備える。また、第1方向変換部147は、搬送方向が異なる2台のベルトコンベア141,143の間で基板Wを搬送するために、基板Wの搬送方向を変える。第1方向変換部147は、図14(a)に示すように、2個のプーリ153,154と、プーリ153,154に巻かれた2本のベルト151Aと、2個のプーリ153,154を回転可能に支持する支持部材155と、昇降回転部157を備える。昇降回転部157は、支持部材155を昇降させ、また、支持部材155を鉛直軸AX15周りに回転させる。なお、第2方向変換部149は、第1方向変換部147と同様に構成される。
【0123】
なお、図14(a)、図14(b)において、3台のベルトコンベア141,143は各々、プーリ158を有する。図14(a)に示すように、例えば、第2ベルトコンベア143は、第1ベルトコンベア141よりも高い位置に配置される。また、第3ベルトコンベア145は、第2ベルトコンベア143よりも低い位置に配置される。なお、第3ベルトコンベア145は、第2ベルトコンベア143よりも高い位置に配置されてもよい。
【0124】
ここで、第1方向変換部147の動作を説明する。図14(a)を参照する。基板Wは、第1ベルトコンベア141により第1方向変換部147に搬送される。第1方向変換部147は、図14(b)に示すように、2台のベルトコンベア141,143と干渉しない高さで、2個のプーリ153,154および支持部材155等を鉛直軸AX15周りに回転させる。その後、第1方向変換部147は、電動モータによりベルト151Aを駆動させることで、第2ベルトコンベア143に基板Wを搬送する。
【0125】
次に、ベルトコンベア機構139の動作を説明する。第2姿勢変換部55のプッシャ67は、搬送機構WTRにより、幅方向Yに整列する25枚の基板Wを受け取る。その後、プッシャ昇降回転部91は、鉛直軸AX5周りにプッシャ67を90度回転させる。これにより、25枚の基板Wは、前後方向Xに整列する。第2姿勢変換部55は、浸漬槽63に貯留する純水中において、前後方向Xに整列した25枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。
【0126】
その後、第2姿勢変換部55は、押し出し部材96によって、第1ベルトコンベア141に基板Wを押し出す。第1ベルトコンベア141は、第1方向変換部147に基板Wを搬送する。第1方向変換部147は、基板Wを上昇させながら、基板Wの搬送方向を変えて、第2ベルトコンベア143に基板Wを搬送する。第2ベルトコンベア143は、第2方向変換部149に基板Wを搬送する。第2方向変換部149は、基板Wを下降させながら、基板Wの搬送方向を変えて、第3ベルトコンベア145に基板Wを搬送する。第3ベルトコンベア145は、引き渡し部103に基板Wを搬送する。引き渡し部103は、3本のリフトピン123で基板Wを持ち上げる。そして、第1センターロボットCR1は、第1のハンド35を用いて、3本のリフトピン123で持ち上げられた基板Wを保持して、その後、第1枚葉処理チャンバSW1に基板Wを搬送する。
【0127】
3台のベルトコンベア141,143,145の各々のベルト151に沿って、複数個のシャワーヘッド59が設けられている。シャワーヘッド59は、搬送する基板Wに純水をシャワー状に供給する。そのため、ベルトコンベア機構139において、基板Wの乾燥を防止することができる。なお、各方向変換部147,149にも、シャワーヘッド59が設けられてもよい。
【実施例0128】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。図15は、実施例3に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。
【0129】
実施例1では、第1センターロボットCR1は、ベルトコンベア機構57から第1枚葉処理チャンバSW1に基板Wを搬送し、また、第2枚葉処理チャンバSW2からバッファ部33に基板Wを搬送した。また、第2センターロボットCR2は、第1枚葉処理チャンバSW1から第2枚葉処理チャンバSW2に基板Wを搬送した。この点、実施例3では、第1センターロボットCR1は、第2枚葉処理チャンバSW2からバッファ部33に基板Wを搬送する。また、第2センターロボットCR2は、ベルトコンベア機構57から第1枚葉処理チャンバSW1に基板Wを搬送し、また、第1枚葉処理チャンバSW1から第2枚葉処理チャンバSW2に基板Wを搬送する。
【0130】
枚葉処理領域R4には、2個の枚葉処理チャンバSW1,SW2が設けられ、両チャンバSW1,SW2の間に配置された第2枚葉基板搬送領域R8が更に設けられる。濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1の一端側であって、移載ブロック5が設けられた側とは反対側に設けられる。枚葉基板搬送領域R3は、移載ブロック5側の移載ブロック側搬送領域R31と、ベルトコンベア機構57側のベルトコンベア側搬送領域R32とを有する。
【0131】
移載ブロック側搬送領域R31には、第1センターロボットCR1が設けられる。第1センターロボットCR1は、第2枚葉処理チャンバSW2で処理された基板Wを搬出する。すなわち、第1センターロボットCR1は、第2枚葉処理チャンバSW2で処理された基板Wをバッファ部33に搬送する。第2枚葉基板搬送領域R8およびベルトコンベア側搬送領域R32には、第2センターロボットCR2が設けられる。第2センターロボットCR2は、ベルトコンベア機構57で搬送されてきた水平姿勢の基板Wを受け取って、第1枚葉処理チャンバSW1に搬送する。また、第2センターロボットCR2は、第1枚葉処理チャンバSW1で処理された基板Wを第2枚葉処理チャンバSW2に搬送する。第2センターロボットCR2は、第2枚葉基板搬送領域R8とベルトコンベア側搬送領域R32との間を幅方向Yに移動できる。
【0132】
本実施例によれば、第1センターロボットCR1は、乾燥処理後の基板Wだけを搬送することができると共に、第2センターロボットCR2は、濡れた基板Wだけを搬送することができる。
【実施例0133】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1~3と重複する説明は省略する。図16は、実施例4に係る基板処理装置1の概略構成を示す平面図である。
【0134】
実施例1では、濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1の一端側であって、移載ブロック5が設けられた側とは反対側に設けられた。この点、実施例4では、濡れ搬送領域R5は、移載ブロック5とバッチ処理領域R1との間に介在している。
【0135】
本実施例によれば、濡れ搬送領域R5は、移載ブロック5の近くに配置される。そのため、第1センターロボットCR1は、移載ブロック5側を基点として、基板Wを搬送することができる。また、薬液処理槽BT1~BT4を移載ブロック5から離れた位置に置くことができるので、移載ブロック5の基板ハンドリング機構HTRなどの機構が薬液雰囲気によって腐食されるなどの悪影響を抑制することができる。
【0136】
また、濡れ搬送領域R5は、バッチ処理領域R1の例えば2個のバッチ処理槽BT3,BT4の間に介在してもよい。これにより、6個のバッチ処理槽BT1~BT6の列の中央側を基点として基板Wを搬送することができる。
【0137】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0138】
(1)上述した各実施例では、ベルトコンベア機構57(139)は、複数個のシャワーヘッド59を有して、搬送中の基板Wの乾燥を防止した。この点、ベルトコンベア機構57(139)は、例えば、図17に示すように、浸漬槽63に貯留した純水中で基板Wを搬送してもよい。この場合、例えば、噴出管77が本発明の液体供給部に相当する。また、液体供給部として、シャワーヘッド59は、基板Wに対してシャワー状の純水を供給した。この点、液体供給部は、基板Wに対してミスト状の純水を供給してもよい。
【0139】
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、処理ブロック7は、第1センターロボットCR1に加えて、第2センターロボットCR2を備えた。この点、必要により、処理ブロック7は、第2センターロボットCR2を設けなくてもよい。
【0140】
(3)上述した各実施例および各変形例では、各バッチ処理槽BT1~BT6は、フルピッチ(例えば10mm)でかつフェース・ツー・バック形式で整列された25枚の基板Wを処理した。フェース・ツー・バック形式は、全ての基板Wのデバイス面が同じ方向を向く並べ方である。その点、各バッチ処理槽BT1~BT6は、フルピッチの半分の間隔であるハーフピッチ(例えば5mm)で整列された50枚の基板Wを処理してもよい。
【0141】
なお、図5(a)に示す押し出し部材96は、水平姿勢の基板Wの端部に接触しながら、基板Wを水平に押し出している。そのため、50枚の基板Wがハーフピッチでかつフェース・ツー・バック方式で整列されていても、2枚の基板Wの間隔を広げることなく、1枚の基板Wを押し出し部材96によって取り出すことができる。
【0142】
また、各バッチ処理槽BT1~BT6は、フェース・ツー・フェース方式で整列された50枚の基板Wを処理してもよい。フェース・ツー・フェース方式は、隣接する2枚の基板Wの2つのデバイス面(または2つの裏面)が向き合っている並べ方である。この場合、バッチ基板搬送領域R2は、ハーフピッチで整列された50枚の基板Wを搬送する搬送機構WTRに加えて、ハーフピッチで整列された50枚の基板Wから1枚置きに整列された25枚の基板Wを抜き出すことができる第2の搬送機構を備える。第2の搬送機構は、例えば水洗処理槽BT5のリフタLF5からプッシャ67に25枚の基板Wを搬送する。
【0143】
(4)上述した各実施例および各変形例では、枚葉処理チャンバSW2は、超臨界流体を用いて基板Wの乾燥処理を行った。この点、枚葉処理チャンバSW2は、枚葉処理チャンバSW1と同様に、回転処理部45とノズル47とを備えてもよい。この場合、枚葉処理チャンバSW1,SW2(または枚葉処理チャンバSW1~SW3)は各々、例えば、純水およびIPAをこの順番で基板Wに供給した後、基板Wの乾燥処理(スピン乾燥)を行う。
【符号の説明】
【0144】
1 … 基板処理装置
5 … 移載ブロック
7 … 処理ブロック
13A … 棚
HTR … 基板ハンドリング機構
15 … 第1姿勢変換機構
PP … 基板受け渡し位置
R1 … バッチ処理領域
R2 … バッチ基板搬送領域
R3 … 枚葉基板搬送領域
R4 … 枚葉処理領域
R5 … 濡れ搬送領域
BT1~BT6 … バッチ処理槽
WTR … 搬送機構
CR1 … 第1センターロボット
CR2 … 第2センターロボット
55 … 第2姿勢変換部
57,139 … ベルトコンベア機構
59 … シャワーヘッド
61 … 槽内キャリア
63 … 浸漬槽
65 … 回転機構
69 … 出入口
71 … 2個の側壁
73 … 裏側開口
75 … 保持溝
79A … 作動軸
85 … キャリア支持部
96 … 押し出し部材
98 … 押し出し部材進退部
図1
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