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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047303
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】バッテリー充電装置及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   B60L 50/60 20190101AFI20240329BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240329BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240329BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240329BHJP
   B60L 50/20 20190101ALI20240329BHJP
【FI】
B60L50/60
B60L58/10
B60K1/04 Z
H02J7/00 P
H02J7/00 303Z
B60L50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152849
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】318011831
【氏名又は名称】株式会社TOKUDA-ARD
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼田 政秀
【テーマコード(参考)】
3D235
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB53
3D235CC15
3D235HH08
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA10
5G503DA04
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC06
5H125AC12
5H125BC05
5H125EE41
5H125FF07
(57)【要約】
【課題】振動発電により生成した電力を、バッテリーに対して安定供給できるようにする。
【解決手段】本発明によるバッテリー充電装置は、主バッテリー6と、主バッテリー6からの電力により動作する走行用電動機2と、駆動輪5と、走行用電動機2の回転を所定の減速比で駆動輪5に伝達する減速機4と、を有する電気自動車1に内蔵されるバッテリー充電装置であって、走行用電動機2の回転を減速機4に伝達する駆動軸10と、駆動軸10の外周面に接するように配置される振動発電機8と、を含み、駆動軸10のうち振動発電機8に接する部分である駆動軸10aのうちの少なくとも一部の駆動軸10の回転軸と直交する方向の断面は、該回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成され、振動発電機8により生成された電力により主バッテリー6を充電する、バッテリー充電装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、
前記バッテリーからの電力により動作する電動機と、
駆動輪と、
前記電動機の回転を所定の減速比で前記駆動輪に伝達する減速機と、
を有する電気自動車に内蔵されるバッテリー充電装置であって、
前記電動機の回転を前記減速機に伝達する駆動軸と、
前記駆動軸の外周面に接するように配置される振動発電機と、を含み、
前記駆動軸のうち前記振動発電機に接する部分のうちの少なくとも一部の前記駆動軸の回転軸と直交する方向の断面は、前記回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成され、
前記振動発電機により生成された電力により前記バッテリーを充電する、
バッテリー充電装置。
【請求項2】
前記形状は、前記回転軸との交点を重心とする角丸三角形である、
請求項1に記載のバッテリー充電装置。
【請求項3】
前記振動発電機は、水平方向に揺動可能に吊持される、
請求項1又は2に記載のバッテリー充電装置。
【請求項4】
前記振動発電機が前記駆動軸の外周面から離れることを防止する壁面、
をさらに含む請求項3に記載のバッテリー充電装置。
【請求項5】
前記振動発電機は、1以上の振動発電半導体を含む、
請求項1又は2に記載のバッテリー充電装置。
【請求項6】
前記1以上の振動発電半導体は直列に接続される、
請求項5に記載のバッテリー充電装置。
【請求項7】
前記振動発電機は、それぞれゲルに固定された1以上の振動圧電素子を含む、
請求項1又は2に記載のバッテリー充電装置。
【請求項8】
前記1以上の振動圧電素子は直列に接続される、
請求項7に記載のバッテリー充電装置。
【請求項9】
バッテリーと、
前記バッテリーからの電力により動作する電動機と、
駆動輪と、
前記電動機の回転を所定の減速比で前記駆動輪に伝達する減速機と、
前記電動機の回転を前記減速機に伝達する駆動軸と、
前記駆動軸の外周面に接するように配置される振動発電機と、を含み、
前記駆動軸のうち前記振動発電機に接する部分のうちの少なくとも一部の前記駆動軸の回転軸と直交する方向の断面は、前記回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成され、
前記振動発電機により生成された電力により前記バッテリーを充電する、
電気自動車。
【請求項10】
前記駆動軸を手動で回転させるためのハンドル、
をさらに含む請求項9に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリー充電装置及び電気自動車に関し、特に、電気自動車のバッテリーを充電するためのバッテリー充電装置、及び、そのようなバッテリー充電装置を備える電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BEV(バッテリー式電気自動車)、EREV(レンジエクステンダー電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド式電気自動車)、HEV(ハイブリッド式電気自動車)など、バッテリーに蓄積される電力を用いて電動機を駆動することにより走行する機能を有する自動車の普及が進展している。本明細書では、この種の自動車をまとめて「電気自動車」と称する。
【0003】
電気自動車においては、バッテリーが消耗すると電力による走行ができなくなってしまう。そこで、近年の電気自動車には、外部電源や電動機からの回生電力によってバッテリーを充電する機能が設けられる。また、最近では、車体の振動を電力に代えてバッテリーを充電しようとする技術も提案されている。
【0004】
特許文献1~3には、この種の技術の例が開示されている。特許文献1は、タイヤに振動板及び発電板を取り付け、振動板により走行中のタイヤのたわみを圧力に変え、この圧力により発電板が発電し、発電によって得られた電力によりバッテリーを充電する技術を開示している。特許文献2は、車体に取り付けた振動発電機により走行中の振動を電力に変換し、バッテリーを充電する技術を開示している。特許文献3は、タイヤに埋め込んだ圧電素子アレイ又は電磁誘導式振動発電機により走行中の振動を電力に変換し、バッテリーを充電する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-062066号公報
【特許文献2】特開2019-103227号公報
【特許文献3】特開2022-093421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1~3の技術はいずれも、電気自動車の走行に伴って発生する自然な振動を利用して発電するものである。このように自然な振動を利用して発電を行う場合、振動自体が安定していないことから、バッテリーに対して電力を安定供給することは困難である。
【0007】
したがって、本発明の目的の一つは、振動発電により生成した電力をバッテリーに対して安定供給することのできるバッテリー充電装置及び電気自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるバッテリー充電装置は、バッテリーと、前記バッテリーからの電力により動作する電動機と、駆動輪と、前記電動機の回転を所定の減速比で前記駆動輪に伝達する減速機と、を有する電気自動車に内蔵されるバッテリー充電装置であって、前記電動機の回転を前記減速機に伝達する駆動軸と、前記駆動軸の外周面に接するように配置される振動発電機と、を含み、前記駆動軸のうち前記振動発電機に接する部分のうちの少なくとも一部の前記駆動軸の回転軸と直交する方向の断面は、前記回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成され、前記振動発電機により生成された電力により前記バッテリーを充電する、バッテリー充電装置である。
【0009】
本発明による電気自動車は、バッテリーと、前記バッテリーからの電力により動作する電動機と、駆動輪と、前記電動機の回転を所定の減速比で前記駆動輪に伝達する減速機と、前記電動機の回転を前記減速機に伝達する駆動軸と、前記駆動軸の外周面に接するように配置される振動発電機と、を含み、前記駆動軸のうち前記振動発電機に接する部分のうちの少なくとも一部の前記駆動軸の回転軸と直交する方向の断面は、前記回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成され、前記振動発電機により生成された電力により前記バッテリーを充電する、電気自動車である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、駆動軸の回転という安定した動きにより振動発電機を振動させ、それによって振動発電機に発電させることができるので、振動発電により生成した電力をバッテリーに対して安定供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態による電気自動車1のシステム構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施の形態による駆動軸10a及び振動発電機8の具体的な構成を示す図である。
図3】本発明の第1の実施の形態による振動発電機8に含まれる複数の振動発電半導体8cの電気的な接続を示す図である。
図4】駆動軸10aの断面形状の例を示す図である。
図5】本発明の第2の実施の形態による駆動軸10a及び振動発電機8の具体的な構成を示す図である。
図6】本発明の第2の実施の形態による振動発電機8の内部構成及び電気的な接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施の形態による電気自動車1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、電気自動車1は、走行用電動機2、クラッチ3、減速機4、駆動輪5、主バッテリー6、サブバッテリー7,振動発電機8、電力増幅器9、駆動軸10,11、車軸12を含んで構成される。本実施の形態によるバッテリー充電装置は、このうち振動発電機8、電力増幅器9、及び駆動軸10を含んで構成される。
【0014】
走行用電動機2は、主バッテリー6からのバッテリーからの電力により動作する電動機(モーター)であり、図示しないアクセルペダルが踏まれているとき(力行時)、主バッテリー6からの電力エネルギーを動力エネルギーに変え、駆動軸10を回転させる役割を果たす。アクセルペダルが踏まれておらず、かつ、電気自動車1が停止していないとき(回生時)の走行用電動機2は、駆動輪5から駆動軸10に伝達される運動エネルギーを電力エネルギー(回生エネルギー)に変え、主バッテリー6を充電する役割を果たす。
【0015】
クラッチ3は、駆動軸10,11が互いに接続されている状態(接続状態)と、駆動軸10,11が互いに接続されていない状態(切断状態)とを切り替えるための装置である。通常の状態(走行中、停止中を含む)においては、クラッチ3は接続状態となっており、駆動軸10,11は一体となって回転する。したがって、このときの駆動軸10は、走行用電動機2の回転を減速機4に伝達する役割を果たす。一方、図示しない車載コンピュータが暴走を検知したときなどの非常時には、クラッチ3は切断状態となり、駆動軸10から駆動軸11を切り離す役割を果たす。
【0016】
減速機4は、駆動軸11の回転を所定の減速比で車軸12に伝達する装置であり、走行用電動機2のトルクを増幅して発進時の加速力を確保するとともに、走行用電動機2の小型化を実現する役割を有している。なお、減速比を切り替えることができるように減速機4を構成することとしてもよく、その場合の減速機4は「変速機」と称されることがある。
【0017】
駆動輪5は、車軸12とともに回転する車輪である。図1には1つの駆動輪5のみを示しているが、実際の電気自動車1には、2つの駆動輪5(前輪駆動又は後輪駆動の場合)、又は、4つの駆動輪5(4輪駆動の場合)が設けられる。前輪駆動の場合、2つの駆動輪5が操舵輪を兼ねており、駆動輪5の他に2つの車輪が設けられる。後輪駆動の場合、2つの駆動輪5とは別に2つの操舵輪が設けられる。
【0018】
主バッテリー6は、走行用電動機2を駆動するための電力エネルギーを蓄積する電池であり、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池によって構成される。サブバッテリー7は、図示しないオーディオシステム、SRSエアバッグシステム、ヘッドライト、ワイパー、セキュリティ回路などを駆動するための電力エネルギーを蓄積する電池であり、例えば鉛蓄電池又はリチウムイオン電池によって構成される。サブバッテリー7に蓄積される電力エネルギーは、図示しないメモリの保護及びスタンバイ時の待機電力供給のためにも利用される。主バッテリー6の充電は、外部の充電器(家庭用通常コンセントに接続されるもの、及び、専用高速充電器を含む)から供給される電力エネルギー、走行用電動機2から供給される回生エネルギー、及び、後述する電力増幅器9から供給される電力エネルギーによって実行される。サブバッテリー7の充電は、主バッテリー6から供給される電力エネルギーによって実行される。
【0019】
振動発電機8は、振動エネルギーを電力エネルギーに変換する装置であり、駆動軸10の外周面に接するように配置される。以下では、駆動軸10のうち振動発電機8に接する部分を「駆動軸10a」と称して、他の部分と区別する場合がある。詳しくは後述するが、振動発電機8は天井から吊り下げられ、揺動可能な状態で配置される。また、駆動軸10aの少なくとも一部の駆動軸10の回転軸と直交する方向の断面(以下、単に「断面」と称する)は、該回転軸から外周面までの距離が均一でない形状により構成される。このように振動発電機8及び駆動軸10aを構成したことにより、駆動軸10が回転すると振動発電機8が揺動し、その結果として、振動発電機8による発電が行われる。振動発電機8によって生成された電力エネルギーは電力増幅器9によって増幅され、主バッテリー6に供給される。
【0020】
図2は、本実施の形態による駆動軸10a及び振動発電機8の具体的な構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態による電気自動車1は、駆動軸10aの水平方向両側に各1つずつ、計2つの振動発電機8を有して構成される。
【0021】
図2に示すように、2つの振動発電機8はそれぞれ、駆動軸10aに向かって突出する突出部8aと、板状の平面部材であるベース部8bと、ベース部8bの表面に貼付された複数の振動発電半導体8cとを有して構成される。突出部8aは駆動軸10aと接触する部分である。突出部8aの駆動軸10aとの接触面は、駆動軸10aの回転を妨げることのないよう、滑らかな凸曲面により構成される。ベース部8bの上端は紐30によって天井20から吊持されており、これにより振動発電機8は、水平方向に揺動可能に構成される。
【0022】
図3は、振動発電機8に含まれる複数の振動発電半導体8cの電気的な接続を示す図である。同図に示すように、振動発電機8に含まれる複数の振動発電半導体8cは、電力増幅器9のプラス側入力端子とマイナス側入力端子との間に直列に接続される。
【0023】
図2に戻り、本実施の形態による駆動軸10aは、断面が回転軸Cとの交点を重心とする角丸三角形(おにぎり形)となるように形成される。また、駆動軸10aの外表面は、突出部8aの表面と同様、滑らかな凸曲面により構成される。駆動軸10aをこのように構成したことで、駆動軸10aの回転(力行時、回生時を含む)に伴い、振動発電機8が水平方向に揺動することになる。振動発電機8が揺動するとその中の各振動発電半導体8cによって発電が行われ、発電により生じた電流が電力増幅器9に入力される。電力増幅器9は、こうして入力された電流により主バッテリー6の充電を行う。
【0024】
各振動発電機8の駆動軸10aと反対側には、所定距離Jを空けて壁面21が設けられる。ただし、Jは、駆動軸10aに接した状態を維持しながら揺動する場合における振動発電機8の振り幅である。具体的な壁面21の構成材料は特に限定されず、エンジンルームの隔壁を用いて壁面21を構成してもよいし、車体に固定された専用の板状部材を用いて壁面21を構成してもよい。振動発電機8は、慣性により駆動軸10aから離れてしまうことがあり得るが、そうすると安定した揺動が得られなくなり、各振動発電半導体8cの発電量も不安定になる。壁面21を設けることで、振動発電機8が駆動軸10aから離れてしまうことを防止し、各振動発電半導体8cの発電量を安定させることが可能になる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態によるバッテリー充電装置によれば、駆動軸10の回転という安定した動きにより振動発電機8を振動させ、それによって振動発電機8に発電させることができるので、振動発電により生成した電力を主バッテリー6に対して安定供給することが可能になる。
【0026】
なお、本実施の形態では、駆動軸10aの断面形状を、回転軸Cとの交点を重心とする角丸三角形(おにぎり形)とする例を説明したが、この形状とすることが必須というわけではなく、駆動軸10aの断面形状は、回転軸Cから外周面までの距離が均一でない形状であればよい。
【0027】
図4(a)~(c)は、駆動軸10aの断面形状の例を示す図である。図4(a)は、図2にも示したように、回転軸Cとの交点を重心とする角丸三角形(おにぎり形)とする例を示している。図4(b)は、回転軸Cとの交点を重心とする角丸四角形とする例を示している。図4(c)は、回転軸Cとの交点とは異なる位置を重心とする真円形とする例を示している。これらの例に示すように、駆動軸10aの断面形状は、真円形を含む各種の形状であり得る。
【0028】
図5は、本発明の第2の実施の形態による駆動軸10a及び振動発電機8の具体的な構成を示す図である。また、図6は、本実施の形態による振動発電機8の内部構成及び電気的な接続を示す図である。本実施の形態によるバッテリー充電装置は、振動発電機8の内部構成の点で第1の実施の形態によるバッテリー充電装置と異なり、その他の点では、第1の実施の形態によるバッテリー充電装置と同様である。そこで以下では、第1の実施の形態によるバッテリー充電装置との相違点に着目して説明を行う。
【0029】
図5に示すように、本実施の形態による振動発電機8は、駆動軸10aに向かって突出する突出部8aと、筐体8dと、複数のゲル状部材8eと、複数の振動圧電素子8fとを有して構成される。突出部8aの具体的な構成は、第1の実施の形態で説明したとおりである。複数のゲル状部材8e及び複数の振動圧電素子8fは、筐体8dの中に並べて配置される。
【0030】
筐体8d内におけるゲル状部材8e及び振動圧電素子8fの配置について、図6を参照しながら具体的に説明すると、筐体8dの底部側から順に、6個のゲル状部材8e、12個の振動圧電素子8f、6個のゲル状部材8e、12個の振動圧電素子8f、6個のゲル状部材8e、12個の振動圧電素子8f、6個のゲル状部材8eの順で積層配置される。なお、各層におけるゲル状部材8e及び振動圧電素子8fの数は、それぞれ6個及び12個に限定されるものではない。また、図6では、各層内のゲル状部材8e及び振動圧電素子8fを図面横方向に沿って一列に並べているが、図面奥行き方向も含めてマトリクス状に並べることとしてもよい。
【0031】
各振動圧電素子8fは、垂直方向に圧力が加わった場合に発電する向きで配置され、各振動圧電素子8fと隣接するゲル状部材8eの間は接着剤8gにより固定(接着)される。電気的には、各振動発電半導体8cは、電力増幅器9のプラス側入力端子とマイナス側入力端子との間に直列に接続される
【0032】
振動発電機8を以上のように構成したことで、駆動軸10aの回転に伴って振動発電機8が揺動すると、各ゲル状部材8eが振動し、それによって生ずる圧力により、各振動圧電素子8fによる発電が行われる。そして、その結果として発生する電流が電力増幅器9を介して主バッテリー6に供給されることにより、主バッテリー6が充電されることになる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によるバッテリー充電装置によっても、駆動軸10の回転という安定した動きにより振動発電機8を振動させ、それによって振動発電機8に発電させることができるので、振動発電により生成した電力を主バッテリー6に対して安定供給することが可能になる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0035】
例えば、上記第1の実施の形態では振動発電半導体8cにより、上記第2の実施の形態では振動圧電素子8fにより、それぞれ振動発電を行う例を説明したが、他の振動発電材料による振動発電を行うこととしてもよい。既に特許が取得されてる全ての振動発電材料や既に市販されているあらゆる振動発電材料の中から、高効率な振動発電材料を選択し、使用すればよい。
【0036】
また、駆動軸10を手動で回転させるためのハンドルを電気自動車1に設けることとしてもよい。こうすれば、電気自動車1の停止中であっても振動発電機8から主バッテリー6を充電することができるので、豪雪による長時間渋滞などの緊急時に、電欠に至るまでの時間をできるだけ稼ぎ、乗員の命を守ることが可能になる。
【符号の説明】
【0037】
1 電気自動車
2 走行用電動機
3 クラッチ
4 減速機
5 駆動輪
6 主バッテリー
7 サブバッテリー
8 振動発電機
8a 突出部
8b ベース部
8c 振動発電半導体
8d 筐体
8e ゲル状部材
8f 振動圧電素子
8g 接着剤
9 電力増幅器
10,11 駆動軸
10a 駆動軸10の一部
12 車軸
20 天井
21 壁面
30 紐
C 駆動軸10の回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6