(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047307
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/06 20060101AFI20240329BHJP
F16B 21/08 20060101ALI20240329BHJP
F16B 21/06 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F25D23/06 N
F16B21/08
F16B21/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152854
(22)【出願日】2022-09-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和4年2月15日から18日、第23回厨房設備機器展に出展し公開 2.令和4年2月16日から18日、スーパーマーケットトレードショー2022に出展し公開 3.令和4年9月7日から8日、フードストアソリューションズフェア2022に出展し公開 4.令和4年5月30日、パンのトラ八事店へ納品 5.令和4年8月2日、ベルクベスタ狭山店へ納品
(71)【出願人】
【識別番号】000239585
【氏名又は名称】フクシマガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 真吾
【テーマコード(参考)】
3J037
3L102
【Fターム(参考)】
3J037AA02
3J037DA02
3J037DA12
3J037DB02
3J037DC01
3L102JA01
3L102LB13
(57)【要約】
【課題】仕切体を備える貯蔵庫において、貯蔵庫本体に仕切体を簡便に取り付けることができるようにする。
【解決手段】貯蔵庫本体3の向かい合う左右の庫内面5A・5Bに固定される左右一対のブラケット55・55と、これらブラケット55・55の間に架設されて、貯蔵庫本体3の前面開口2を上下に仕切る四角柱状の仕切体6とを備え、ブラケット55・55と仕切体6の左右の端部との間に、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付けを担う取付構造52・52が設けられている貯蔵庫を対象とする。各取付構造52が、仕切体6に設けられて、左右外向きに突出するガイド突部48と、ブラケット55に設けられて、前後方向に差し込まれたガイド突部48を上下方向に移動不能に受け止め支持するガイド溝53と、ガイド溝53で受け止め支持されたガイド突部48の前後方向の移動を規制するロック構造54とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵庫本体(3)の向かい合う左右の庫内面(5A・5B)に固定される左右一対のブラケット(55・55)と、これらブラケット(55・55)の間に架設されて、貯蔵庫本体(3)の前面開口(2)を上下に仕切る四角柱状の仕切体(6)とを備え、
ブラケット(55・55)と仕切体(6)の左右の端部との間に、貯蔵庫本体(3)に対する仕切体(6)の取り付けを担う取付構造(52・52)が設けられている貯蔵庫であって、
各取付構造(52)が、ブラケット(55)と仕切体(6)とのいずれか一方に設けられて、他方に向かって左右方向に突出するガイド突部(48)と、ブラケット(55)と仕切体(6)の他方に設けられて、前後方向に差し込まれたガイド突部(48)を上下方向に移動不能に受け止め支持するガイド溝(53)と、ガイド溝(53)で受け止め支持されたガイド突部(48)の前後方向の移動を規制するロック構造(54)とを備えることを特徴とする貯蔵庫。
【請求項2】
仕切体(6)の左右の端面から左右の外方向に向かってガイド突部(48)が突設され、ブラケット(55)の左右の端面にガイド溝(53)が凹み形成されており、
仕切体(6)のブラケット(55・55)への取り付けに際して、ガイド溝(53)に対してガイド突部(48)が前方から後方に向かって差し込まれるようになっており、
ロック構造(54)が、ガイド溝(53)に前方から差し込まれるガイド突部(48)を受け止めて後方への移動を規制するストッパー(62)と、ガイド突部(48)がストッパー(62)で受け止められたときに互いに係止されてガイド突部(48)の前方への移動を規制する係止突部(49)と係止爪(65)とを備えている請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項3】
係止突部(49)は仕切体(6)の左右の端面に設けられ、係止爪(65)はブラケット(55)に弾性変形可能に形成された弾性片(64)の先端に設けられており、
係止突部(49)と係止爪(65)は、ガイド溝(53)に対するガイド突部(48)の差し込み時に、互いに当接する傾斜面からなるガイド面(60・67)を備えており、
ガイド溝(53)に対するガイド突部(48)の差し込み動作に連動して、両ガイド面(60・67)の当接反力で弾性片(64)が弾性変形することにより、係止爪(65)が係止突部(49)に係止されるように構成されている請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項4】
ガイド突部(48)は、ガイド溝(53)で受け止められる、前後方向に伸びる上下一対の突条(58・58)を含み、
係止突部(49)が、上下の突条(58・58)の間に設けられている請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項5】
仕切体(6)をブラケット(55)に取り付けたとき、ブラケット(55)の前端面と左右端面とが仕切体(6)で覆われている請求項1から4のいずれかひとつに記載の貯蔵庫。
【請求項6】
ブラケット(55)は、ガイド溝(53)が凹み形成されたブラケットベース(61)と、ブラケットベース(61)の後端から後向きに延出形成された締結座(63)とを備えており、
ブラケット(55)が、締結座(63)を介して貯蔵庫本体(3)にねじ込まれた固定ビス(77)により貯蔵庫本体(3)に固定されている請求項5に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵庫に関し、特に貯蔵庫本体の前面開口を上下に仕切る仕切体の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の貯蔵庫は、例えば特許文献1(発明の名称:冷却貯蔵庫)に開示されている。特許文献1の貯蔵庫の仕切体(仕切枠)は、貯蔵庫本体の前面開口(開口部)を左右に仕切るものであり、庫外側の面を構成する前面枠と、前面枠に対して庫内側に配されるカバーと、これら前面枠とカバーとの間に収納される断熱材とを備える。前面枠は、庫外側の面を構成する長方形状の前壁部と、前壁部の長手方向両端部から後向きに伸びるように形成される第1取付片とを備え、第1取付片にはねじ止め用の挿通孔が形成されている。仕切体の取り付けは、まず前面開口の上下の内周面に第1取付片をねじで締結して貯蔵庫本体に前面枠を固定する。続いて前壁部の裏面に断熱材を配置した状態で、前面枠の左右側板に形成された取付孔に、カバーの左右側壁部の内面に形成された突部を挿通するように、前面枠に対して貯蔵室の内部側からカバーを組み付ける。これにて、仕切体は四角柱状に形成されるとともに所謂センターピラーとして貯蔵庫本体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の貯蔵庫によれば、前壁部の裏面側にある第1取付片をねじ止めして貯蔵庫本体に前面枠を固定し、次いで固定された前面枠に対してカバーを組み付けて仕切体を取り付けるので、当該カバーで仕切体を取り付けるねじを隠蔽することが可能であり、貯蔵庫の見栄えが損なわれることを防ぐことができる。しかし、前面枠の固定対象となる第1取付片は前壁部の裏面側に位置するため、ねじ止め用の挿通穴を貯蔵庫本体の正面側から目視することは不可能であり、挿通穴に対するねじの位置合わせ作業が煩わしい。ねじを締め付けるためには、前壁部の裏面側に工具を回り込ませることが必要であり、ねじの締め付け作業を迅速に進めることもできない。さらに、固定された前面枠に対して貯蔵室の内部側から断熱材とカバーを組み付ける必要があり、これら断熱材とカバーの組み付け作業に手間が掛かる点にも不利がある。
【0005】
本発明は、仕切体を備える貯蔵庫において、貯蔵庫本体に対して仕切体をより簡便に取り付けることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の貯蔵庫は、貯蔵庫本体3の向かい合う左右の庫内面5A・5Bに固定される左右一対のブラケット55・55と、これらブラケット55・55の間に架設されて、貯蔵庫本体3の前面開口2を上下に仕切る四角柱状の仕切体6とを備え、ブラケット55・55と仕切体6の左右の端部との間に、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付けを担う取付構造52・52が設けられている。そして、各取付構造52が、ブラケット55と仕切体6とのいずれか一方に設けられて、他方に向かって左右方向に突出するガイド突部48と、ブラケット55と仕切体6の他方に設けられて、前後方向に差し込まれたガイド突部48を上下方向に移動不能に受け止め支持するガイド溝53と、ガイド溝53で受け止め支持されたガイド突部48の前後方向の移動を規制するロック構造54とを備えることを特徴とする。
【0007】
仕切体6の左右の端面から左右の外方向に向かってガイド突部48が突設され、ブラケット55の左右の端面にガイド溝53が凹み形成されており、仕切体6のブラケット55・55への取り付けに際して、ガイド溝53に対してガイド突部48が前方から後方に向かって差し込まれるようになっている。ロック構造54は、ガイド溝53に前方から差し込まれるガイド突部48を受け止めて後方への移動を規制するストッパー62と、ガイド突部48がストッパー62で受け止められたときに互いに係止されてガイド突部48の前方への移動を規制する係止突部49と係止爪65とを備えている。
【0008】
係止突部49は仕切体6の左右の端面に設けられ、係止爪65はブラケット55に弾性変形可能に形成された弾性片64の先端に設けられている。係止突部49と係止爪65は、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み時に、互いに当接する傾斜面からなるガイド面60・67を備えている。ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み動作に連動して、両ガイド面60・67の当接反力で弾性片64が弾性変形することにより、係止爪65が係止突部49に係止されるように構成されている。
【0009】
ガイド突部48は、ガイド溝53で受け止められる、前後方向に伸びる上下一対の突条58・58を含み、係止突部49は、上下の突条58・58の間に設けられている。
【0010】
仕切体6をブラケット55に取り付けたとき、ブラケット55の前端面と左右端面とが仕切体6で覆われている。
【0011】
ブラケット55は、ガイド溝53が凹み形成されたブラケットベース61と、ブラケットベース61の後端から後向きに延出形成された締結座63とを備えている。ブラケット55が、締結座63を介して貯蔵庫本体3にねじ込まれた固定ビス77により貯蔵庫本体3に固定されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貯蔵庫のように、ブラケット55・55と仕切体6の左右の端部との間に設けられる各取付構造52が、ガイド突部48と、前後方向に差し込まれたガイド突部48を上下方向に移動不能に受け止め支持するガイド溝53とを備えるものとなっていると、ガイド溝53に対してガイド突部48を前後方向に差し込むだけの簡単な操作で、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を上下移動不能に支持することができる。加えて、各取付構造52が、ガイド溝53で受け止め支持されたガイド突部48の前後方向の移動を規制するロック構造54を備えていると、ロック構造54を有効にすることで貯蔵庫本体3に対して仕切体6を前後動不能に保持することができる。以上のように、本発明によれば、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を前後方向に差し込み、ロック構造54を有効にするだけの操作で、貯蔵庫本体3に対する前後、左右、及び上下の移動を規制する状態で仕切体6を取り付けることができるので、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業を簡便に進めることができる。
【0013】
仕切体6の左右の端面から左右の外方向に向かってガイド突部48が突設され、ブラケット55の左右の端面にガイド溝53が凹み形成されており、仕切体6のブラケット55・55への取り付けに際して、ガイド溝53に対してガイド突部48が前方から後方に向かって差し込まれるようになっていると、貯蔵庫本体3の正面側から仕切体6を奥側に差し込むだけで、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を取り付けることができる。したがって、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業をより簡便に進めることができる。加えて、ロック構造54が、ガイド溝53に前方から差し込まれるガイド突部48を受け止めて後方への移動を規制するストッパー62と、ガイド突部48がストッパー62で受け止められたときに互いに係止されてガイド突部48の前方への移動を規制する係止突部49と係止爪65とを備えていると、仕切体6の前方向及び後方向の移動をロック構造54で同時に規制するので、貯蔵庫本体3に取り付けられた仕切体6ががたつくことを確実に防ぐことができる。
【0014】
係止突部49は仕切体6の左右の端面に設けられ、係止爪65はブラケット55に弾性変形可能に形成された弾性片64の先端に設けられており、係止突部49と係止爪65は、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み時に、互いに当接する傾斜面からなるガイド面60・67を備えている。このとき、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み動作に連動して、両ガイド面60・67の当接反力で弾性片64が弾性変形することにより、係止爪65が係止突部49に係止されるように構成されていると、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み動作、つまり、貯蔵庫本体3への仕切体6の取り付け操作を行うだけでロック構造54を有効化することができる。これによれば、ロック構造54を有効化するための特別な操作は不要となり、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業をさらに簡便に進めることができる。
【0015】
ガイド突部48は、ガイド溝53で受け止められる、前後方向に伸びる上下一対の突条58・58を含み、係止突部49が上下の突条58・58の間に設けられていると、ガイド溝53に差し込まれるガイド突部48の形成部分にロック構造54を構成する係止突部49を集約して設けることができるので、取付構造52のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
仕切体6をブラケット55に取り付けたとき、ブラケット55の前端面と上下端面とが仕切体6で覆われていると、貯蔵庫本体3と仕切体6とでブラケット55を覆い隠すことができるので、貯蔵庫1の正面側からブラケット55が目視されることによって貯蔵庫1の見栄えが損なわれることを防ぐことができる。
【0017】
ブラケット55は、ガイド溝53が凹み形成されたブラケットベース61と、ブラケットベース61の後端から後向きに延出形成された締結座63とを備えており、ブラケット55が、締結座63を介して貯蔵庫本体3にねじ込まれた固定ビス77により貯蔵庫本体3に固定されていると、仕切体6で締結座63及び固定ビス77を覆い隠すことができるので、貯蔵庫1の正面側から締結座63及び固定ビス77が目視されることによって貯蔵庫1の見栄えが損なわれることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る貯蔵庫の要部を示す縦断平面図であり、
図3におけるC-C線断面を示している。
【
図5】仕切体の縦断正面図であり、
図7におけるA-A線断面を示している。
【
図7】仕切体の縦断側面図であり、
図5におけるE-E線断面を示している。
【
図9】貯蔵庫本体から仕切体が分離された状態を示す斜視図である。
【
図10】仕切体の端部とブラケットとを示す斜視図である。
【
図11】貯蔵庫本体から仕切体が分離された状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
図1から
図11に、本発明に係る貯蔵庫の実施形態を示す。本実施形態における前後、左右、上下とは、
図1から
図4に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。貯蔵庫1は縦型冷蔵庫として構成されている。
図2に示すように、貯蔵庫1は、前面開口2を有する上下方向に長い断熱箱体からなる貯蔵庫本体3と、前面開口2を揺動開閉する断熱性を有する扉4とを備える。前面開口2は、庫内5の左右に向かい合う庫内面5A・5Bに架け渡される3個の仕切体6で上下方向に並ぶ4個の領域に仕切られており(
図3参照)、仕切られた領域毎に扉4がそれぞれ設けられている。仕切体6は両持ち梁状に水平方向に架け渡される横桟と称されるものであり、前面開口2の等間隔置きに配される。庫内5の各仕切体6後方及び最下部には、金属丸棒が格子状に組み付けられた通気性を有する格子棚7が設置されている。
【0020】
庫内5の天井壁には、冷凍装置を構成する蒸発器10が設置されている。蒸発器10の前方には、庫内ファン11が設けられており、庫内ファン11を駆動することで、蒸発器10で冷却された空気が庫内5を循環する。貯蔵庫本体3の下側に配された機械室12には、蒸発器10と共に冷凍装置を構成する圧縮機13及び凝縮器14と、機械室12内に冷却風を生起する冷却ファン15などが設置されている。
【0021】
図2に示すように、扉4の内面には、四角枠状のマグネットパッキン16が装着されており、扉4が閉じ姿勢にあるとき、マグネットパッキン16が貯蔵庫本体3の前面に吸着する。最上段の扉4のマグネットパッキン16は、その上枠部及び左右枠部が貯蔵庫本体3に吸着し、下枠部が仕切体6に吸着する。最下段の扉4のマグネットパッキン16は、その下枠部及び左右枠部が貯蔵庫本体3に吸着し、上枠部が仕切体6に吸着する。残る中段2枚の扉4のマグネットパッキン16は、その左右枠部が貯蔵庫本体3に吸着し、上枠部及び下枠部が仕切体6に吸着する。マグネットパッキン16は、貯蔵庫本体3と扉4との間のシール性を確保し、また扉4を閉じ姿勢に保持する。
【0022】
図3に示すように仕切体6は、左右方向を長手方向、上下方向を幅方向とする長尺の四角柱状に形成される。仕切体6は、中空四角箱状のケース19と、ケース19内に収納される断熱材20とで構成される。断熱材20は発泡スチロールからなり、左右方向に長い四角柱状に形成される。ケース19は、四角柱の前面を区画する前ケース21と、後面を区画する後ケース22と、上下面を区画する上下ケース23(23A・23B)と、四角柱の端面を区画するエンドケース24(24A・24B)とで構成される。
【0023】
図4及び
図7において、前ケース21は、ステンレス鋼板(金属材)を断面コ字状に折り曲げ形成してなるものであり、前方面を形成する左右方向に長い長方形状の前主壁27と、前主壁27の左右方向に伸びる上下の縁部から後方に向かって連設される上下一対の前縁壁28(28A・28B)とを備える。上下の前縁壁28A・28Bの左右方向の長さ寸法は、前主壁27の左右方向の長さ寸法よりも僅かに小さく設定されている。上下の前縁壁28A・28Bの左右方向の両端には、板厚方向に貫通するように丸孔状の前係合孔29・29が開設されている。前主壁27の角部、及び上下の前縁壁28A・28Bの角部は丸められている。前ケース21は、所定形状に切抜き形成された磁性を有するステンレス鋼板にプレス加工を施して形成される。
【0024】
後ケース22は、前ケース21と略同様の構成を有する。詳しくは、後ケース22は、ステンレス鋼板(金属材)を断面コ字状に折り曲げ形成してなるものであり、後方面を形成する左右方向に長い長方形状の後主壁30と、後主壁30の左右方向に伸びる上方の縁部から前方に向かって連設される上下一対の後縁壁31(31A・31B)とを備える。上下の後縁壁31A・31Bの左右方向の長さ寸法は、後主壁30の左右方向の長さ寸法と同一に設定されている。上下の後縁壁31A・31Bの左右方向(長手方向)の両端には、板厚方向に貫通するように丸孔状の後係合孔32・32が開設されている。後縁壁31A・31Bの角部はそれぞれ丸められている。後ケース22は、所定形状に切抜き形成された磁性を有するステンレス鋼板にプレス加工を施して形成される。
【0025】
上下ケース23A(23)・23B(23)は略同一の構成からなる。つまり、下ケース23Bは、上ケース23Aを前後軸まわりに上下が反転してなる。したがって、以下では上ケース23Aについて説明し、下ケース23Bについては、上ケース23Aと同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
図6において、上ケース23Aは合成樹脂からなり、上面が上側の仕切面を形成する左右方向に長い長方形状の仕切主壁35と、仕切主壁35の下面中途部の2箇所に下向きに突出形成される前後一対の垂直壁36・36と、各垂直壁36の上下中途部から互いに遠ざかる方向に連設される前後一対の水平壁37・37などを備える。各垂直壁36は、左右方向に伸びる垂直な壁からなり、各水平壁37は、左右方向に伸びる水平な壁からなる。向かい合う仕切主壁35と前側の水平壁37との間には、前方側に開口する左右に伸びる前差込溝38が形成され、向かい合う仕切主壁35と後側の水平壁37との間には、後方側に開口する左右に伸びる後差込溝39が形成されている。前後の垂直壁36・36の間における仕切主壁35の厚み寸法は、他の部分よりも厚く形成されている。
【0027】
上ケース23Aの左右の端部において、両垂直壁36・36と両水平壁37・37は除去されており、垂直壁36及び水平壁37の左右方向の長さ寸法は、仕切主壁35の左右方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。上ケース23Aは、押出し成形により製作された合成樹脂の条材に対して切削加工を施してなる。
【0028】
左右のエンドケース24A・24Bは略同一の構成からなる。つまり、右エンドケース24Bは、左エンドケース24Aを前後軸まわりに左右が反転してなる。したがって、以下では左エンドケース24Aについて説明し、右エンドケース24Bについては、左エンドケース24Aと同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図1及び
図5において、左エンドケース24A(24)は合成樹脂の射出成形品からなり、左方面を形成する側面視が略正方形状の端主壁42と、端主壁42の上縁から右方に向かって連設される上壁43と、端主壁42の下縁から右方に向かって連設される下壁44などを備える。端主壁42と上壁43の入隅部の前後、及び端主壁42と下壁44の入隅部の前後のそれぞれには、補強用のリブ壁45が設けられている。上ケース23Aに臨む上壁43の上面の前後には、上向き(外向き)に突出する前後の係合突起46・47が設けられており、下ケース23Bに臨む下壁44の下面の前後にも、下向き(外向き)に突出する前後の係合突起46・47が設けられている。前係合突起46は、前係合孔29の直径と同一径の偏平円柱であり、後係合突起47は、後係合孔32の直径と同一径の偏平円柱である。端主壁42の左方面には、後述する取付構造52を構成するガイド突部48と係止突部49が設けられている。
【0030】
貯蔵庫本体3の向かい合う左右の庫内面5A・5Bには、一対のブラケット55・55が固定されており、仕切体6は、これらブラケット55・55と仕切体6の左右方向の端部との間に設けられて、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付けを担う取付構造52・52を介して取り付けられる。
図10及び
図11に示すように、各取付構造52は、仕切体6に設けられる先のガイド突部48と、ブラケット55に設けられ、ガイド突部48を受け止めるガイド溝53と、ガイド溝53で受け止められたガイド突部48の移動を阻止するロック構造54などで構成される。
【0031】
ブラケット55を含む左右の取付構造52・52は、実質的に同一の構成である。つまり、右側の取付構造52は、
図9において前後軸まわりに左右を反転してなる。したがって、以下では左側の取付構造52について説明し、右側の取付構造52については、その説明を省略する。
【0032】
図10に示すように、左エンドケース24Aのガイド突部48は、端主壁42から左方に向かって突出形成されている。ガイド突部48は、前後方向に伸びる上下一対の突条58と、上下の突条58の中途部どうしを接続する上下方向に伸びる補強突条59とにより、側面視で横臥H字状に形成されている。係止突部49は、補強突条59よりも後方の上下の突条58・58間に突出形成されている。係止突部49は、左後方に指向する傾斜面からなる突部側ガイド面60(ガイド面60)を備える断面直角三角形状に形成されている(
図1参照)。
【0033】
ブラケット55は、合成樹脂の射出成形品からなる。
図10に示すようにブラケット55は、前後方向に伸びるガイド溝53が凹み形成された左右に偏平なブラケットベース61と、ブラケットベース61の後端の上下から右向きに突出形成され、上下の突条58・58を受け止める上下一対のストッパー62と、ブラケットベース61の後端から後向きに延出形成される締結座63と、締結座63の上下中央から前向きに連設され、左右に弾性変形可能な弾性片64と、弾性片64の突端に設けられる係止爪65などを備える。
【0034】
図8に示すようにガイド溝53の上下面および底面は、ガイド突部48を構成する上下の突条58・58の受止面66とされている。
図1に示すように各ストッパー62は、その一部がガイド溝53に臨むように形成されており、ガイド溝53で受け止められたガイド突部48の上下の突条58・58と端主壁42とを受け止める。係止爪65は、断面L字状に形成された弾性片64の先端から右向きに突出形成されており、右前方に指向する傾斜面からなる爪側ガイド面67(ガイド面67)を備える断面直角三角形状に形成されている。弾性片64に臨むブラケットベース61及び締結座63には、弾性片64が弾性変形するためのスペースを確保するために退避孔68が設けられている。ロック構造54は、ブラケット55に設けられたストッパー62、弾性片64及び係止爪65と、左エンドケース24Aに設けられた突条58及び係止突部49とで構成される。
【0035】
図11に示すようにガイド溝53の上下方向の寸法は、上側の突条58の上面から下側の突条58の下面までの上下方向の寸法と同じか、僅かに小さく設定されている。これら上下方向の寸法の差が小さいほど、貯蔵庫本体3に仕切体6を取り付けたときのガイド溝53とガイド突部48との間のクリアランスが小さくなる。このクリアランスは、仕切体6のがたつきの原因となるため、可能な限り小さく形成することが好ましい。
【0036】
図4に示すように断熱材20の左右の端部には、各エンドケース24A・24Bに設けられた差込片71が差し込まれる切欠部72が切欠き形成されている。差込片71は各エンドケース24A・24Bのリブ壁45で構成されている。切欠部72は各差込片71に対応して断熱材20の各頂点部分に形成されている。四角柱状の断熱材20の前面には、結露防止用のヒーターが装着されるヒーター凹部73が凹み形成されている。かかるヒーターは、必要に応じて断熱材20に装着される。
【0037】
ここで、仕切体6の組み付け手順を説明する。まず、作業員は、作業台上に後ケース22をその後方面が作業台に当接するように載置する。続いて、後ケース22に対して上ケース23Aと下ケース23Bとを連結する。具体的には、上ケース23Aの後差込溝39内に後ケース22の上側の後縁壁31A(31)を差し込み、後ケース22と上ケース23Aとを連結する。同様に、下ケース23Bの後差込溝39内に後ケース22の下側の後縁壁31B(31)を差し込み、後ケース22と下ケース23Bとを連結する。このとき、上下ケース23A・23Bは、その仕切面が外向きになるように後ケース22に対して連結する。これにて、後ケース22と上ケース23Aと下ケース23Bの3者は、作業台上で上向きに開口するコ字枠状に組み付けられる。
【0038】
次いで、コ字枠状に組み付けた3者(後ケース22と上ケース23Aと下ケース23B)の開口に上方から断熱材20を差し込み、断熱材20の三方の面が後ケース22及び上下ケース23A・23Bで囲まれるように断熱材20を載置する。続いて、前ケース21を上下ケース23A・23Bに連結させる。具体的には、上側の前縁壁28Aを上ケース23Aの前差込溝38に差し込むとともに、下側の前縁壁28Bを下ケース23Bの前差込溝38に差し込み、これにて前ケース21と上下ケース23A・23Bとを連結する。以上より、前後ケース21・22と上下ケース23A・23Bが四角筒状に組み付けられ、その内部に断熱材20が配された中間組付体を得ることができる。この中間組付体の状態において、前後のケース21・22、上下のケース23A・23B、及び断熱材20は相互に強固に連結されておらず、一体として取り扱わないと簡単に分離してしまう。このため、弱粘着性の接着テープ等で、中間組付体を構成する隣り合う部材間を仮固定してもよい。
【0039】
次いで、中間組付体に対して、左エンドケース24Aを組み付ける。具体的には、四角筒状に組み付けられた前後ケース21・22と上下ケース23A・23Bの左側の開口から覗く断熱材20の切欠部72に対して、左エンドケース24Aの差込片71(リブ壁45)を位置合わせしたうえで、前記開口に向かって(右方向に向かって)左エンドケース24Aを差し込む。このとき、差込片71が切欠部72でガイドされるので、左エンドケース24Aを前記開口の規定位置へ差し込むことができる。
【0040】
上記の状態から左エンドケース24Aを右方向へさらに押し込むと、上下ケース23A・23Bの各仕切主壁35と前後の縁壁28・31の各左端部が外向きに僅かに弾性変形し、これにて前後の係合突起46・47を前後の縁壁28・31の内側に潜り込ませることができる。この状態から左エンドケース24Aを右方向へさらに押し込むと、前係合突起46が前係合孔29に挿通するとともに、後係合突起47が後係合孔32に挿通し、これにて中間組付体に対して左エンドケース24Aを組み付けることができる。この状態では、前後ケース21・22の左端側が左エンドケース24Aによって連結されている。
【0041】
次いで、中間組付体に対して、右エンドケース24Bを組み付ける。この右エンドケース24Bの組み付け方法は、押し込み方向が左右逆である点を除いて上記の左エンドケース24Aと同様である。中間組付体に対して右エンドケース24Bを組み付けると、前後のケース21・22の右端側が右エンドケース24Bで連結される。以上より、仕切体6の組み付けが完了する。
【0042】
図6に示すように、仕切体6は、前ケース21の前主壁27の内面が、ヒーター凹部73を除く断熱材20の前面に密着しており、後ケース22の後主壁30の内面が、断熱材20の後面に密着している。上ケース23Aの垂直壁36の下面は、断熱材20の上面に密着しており、下ケース23Bの垂直壁36の上面は、断熱材20の下面に密着している。
図5に示すように、左エンドケース24Aの端主壁42の右面は、断熱材20の左面に密着しており、右エンドケース24Bの端主壁42の左面は、断熱材20の右面に密着している。このように、断熱材20は、前後、上下、左右の全ての面が、ケース19を構成する各ケース21~24と接する状態で、ケース19の内部に収納される。
【0043】
図7に示すように、上方側に位置する左右のエンドケース24A・24Bの前係合突起46及び後係合突起47の突出端は、上ケース23Aの仕切主壁35の内面に当接し、下方側に位置する左右のエンドケース24A・24Bの前係合突起46及び後係合突起47の突出端は、下ケース23Bの仕切主壁35の内面に当接している。前差込溝38に差し込まれた前縁壁28の先端(後端)は、前差込溝38の溝底に当接し、後差込溝39に差し込まれた後縁壁31の先端(前端)は、後差込溝39の溝底に当接している。
【0044】
上記のように、左右のエンドケース24A・24Bの差込片71が断熱材20の切欠部72に差し込まれることで、左右のエンドケース24A・24Bは断熱材20に連結されている。このように差込片71と切欠部72の係合により断熱材20に連結されることで、各エンドケース24A・24Bの前後、上下、及び左右の移動は規制されている。加えて、各エンドケース24A・24Bの各係合突起46・47が、前後ケース21・22の各係合孔29・32に挿通され、両者が係合することで、前後ケース21・22は左右のエンドケース24A・24Bに連結されている。このように、係合突起46・47と係合孔29・32との係合により前後ケース21・22が左右のエンドケース24A・24Bに連結されることで、前後ケース21・22の前後、上下、及び左右の移動は規制されている。
【0045】
図6に示すように、前後の差込溝38・39に前後の縁壁28・31が差し込まれることで、上下ケース23A・23Bの上下及び前後の移動は規制されている。また、
図5に示すように、上ケース23Aは、垂直壁36の左端部が左エンドケース24Aの上壁43に当接し、垂直壁36の右端部が右エンドケース24Bの上壁43に当接し、同様に、下ケース23Bは、垂直壁36の左端部が左エンドケース24Aの下壁44に当接し、垂直壁36の右端部が右エンドケース24Bの下壁44に当接しており、これらにより、上下ケース23A・23Bの左右の移動は規制されている。このように、ケース19を構成する各ケース21~24及び断熱材20は、相対的な移動が相互に規制されるように組み付けられている。
【0046】
続いて、以上のように構成された仕切体6を貯蔵庫本体3に取り付ける。かかる取り付けに際しては、まず、左右の庫内面5A・5Bのそれぞれにブラケット55を固定する(
図9、10参照)。つまり、仕切体6を取り付けるべき高さ位置の左右の庫内面5A・5Bにブラケット55を固定する。ブラケット55は、締結座63の上下に設けられたビス通孔76を介して固定ビス77を貯蔵庫本体3にねじ込むことで固定される。左右の庫内面5A・5Bに対するブラケット55の固定が完了すると、ブラケット55のガイド溝53に対して、仕切体6のガイド突部48を位置合わせしたうえで、仕切体6を後方に移動させて、ガイド溝53内にガイド突部48の後端を差し込む。続いてこの状態から、さらに仕切体6を後方に押し込み、係止突部49の突部側ガイド面60と係止爪65の爪側ガイド面67とが当接するまで移動させる。このときガイド溝53に対してガイド突部48が移行案内されることで、仕切体6は適正姿勢で後方へ向かってスライド移動される。
【0047】
上記の状態から仕切体6を後方へ向かってさらにスライド移動させると、突部側ガイド面60により爪側ガイド面67が押圧され、その当接反力で弾性片64が退避孔68側へと弾性変形される。さらに仕切体6をスライド移動させて、係止爪65が係止突部49を乗り越えると、弾性片64の弾性復元力で係止爪65は係止突部49の前面に係止され、かかる係止により貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付けが完了する。仕切体6の後方へのスライド移動限界は、上下のストッパー62・62に端主壁42の後端面と上下の突条58・58の後端面が当接することで規制される。
【0048】
貯蔵庫本体3に取り付けられた仕切体6の前後方向の移動は、ロック構造54を構成する係止突部49と係止爪65との係止、及び突条58とストッパー62との当接により、規制される(
図1参照)。仕切体6の上下方向の移動は、上下の突条58・58と上下の受止面66との係止により規制される(
図8参照)。仕切体6の左右方向の移動は、端主壁42(仕切体6の長手方向の端面)とブラケットベース61(ブラケット55)とが当接することで規制される(
図8参照)。以上のように、仕切体6は、前後、上下、左右に位置決めされた状態で貯蔵庫本体3に両持ち梁状に取り付けられる。
【0049】
仕切体6が貯蔵庫本体3に取り付けられた状態では、ブラケット55の前側は前ケース21で覆われ、ブラケット55の上側及び下側は、上下のケース23(23A・23B)で覆われており、前ケース21の左右の端部は、それぞれ貯蔵庫本体3の前面に僅かに重畳している。これにより、貯蔵庫1の庫外からブラケット55が目視されることを防ぐことができる。また、ブラケットベース61から後方向に形成される締結座63に固定ビス77を配したので、貯蔵庫1の正面視において固定ビス77が目視されることを仕切体6で防ぐことができる。
【0050】
以上のように、本実施形態の貯蔵庫1では、貯蔵庫本体3の向かい合う左右の庫内面5A・5Bに固定される左右一対のブラケット55・55に仕切体6を架設したので、仕切体6の左右方向の移動はブラケット55で規制することができる。そのうえで、ブラケット55・55と仕切体6の左右の端部との間に設けられる各取付構造52を、ガイド突部48と、前後方向に差し込まれたガイド突部48を上下方向に移動不能に受け止め支持するガイド溝53とを備えるものとしたので、ガイド溝53に対してガイド突部48を前後方向に差し込むだけの簡単な操作で、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を上下移動不能に支持することができる。加えて、各取付構造52を、ガイド溝53で受け止め支持されたガイド突部48の前後方向の移動を規制するロック構造54を備えるものとしたので、ロック構造54を有効にすることで貯蔵庫本体3に対して仕切体6を前後動不能に保持することができる。以上のように、本実施形態によれば、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を前後方向に差し込み、ロック構造54を有効にするだけの操作で、貯蔵庫本体3に対する前後、左右、及び上下の移動を規制する状態で仕切体6を取り付けることができるので、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業を簡便に進めることができる。
【0051】
仕切体6の左右の端面から左右の外方向に向かってガイド突部48が突設され、ブラケット55の左右の端面にガイド溝53が凹み形成されており、仕切体6のブラケット55・55への取り付けに際して、ガイド溝53に対してガイド突部48が前方から後方に向かって差し込まれるようにしたので、貯蔵庫本体3の正面側から仕切体6を奥側に差し込むだけで、貯蔵庫本体3に対して仕切体6を取り付けることができる。したがって、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業をより簡便に進めることができる。加えて、ロック構造54を、ガイド溝53に前方から差し込まれるガイド突部48を受け止めて後方への移動を規制するストッパー62と、ガイド突部48がストッパー62で受け止められたときに互いに係止されてガイド突部48の前方への移動を規制する係止突部49と係止爪65とを備えるものとしたので、仕切体6の前方向及び後方向の移動をロック構造54で同時に規制して、貯蔵庫本体3に取り付けられた仕切体6ががたつくことを確実に防ぐことができる。
【0052】
係止突部49は仕切体6の左右の端面に設けられ、係止爪65はブラケット55に弾性変形可能に形成された弾性片64の先端に設けられており、係止突部49と係止爪65は、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み時に、互いに当接する傾斜面からなるガイド面60・67を備えるように構成した。そのうえで、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み動作に連動して、両ガイド面60・67の当接反力で弾性片64が弾性変形することにより、係止爪65が係止突部49に係止されるように構成したので、ガイド溝53に対するガイド突部48の差し込み動作、つまり、貯蔵庫本体3への仕切体6の取り付け操作を行うだけでロック構造54を有効化することができる。これによれば、ロック構造54を有効化する操作は不要となり、貯蔵庫本体3に対する仕切体6の取り付け作業をさらに簡便に進めることができる。
【0053】
ガイド突部48は、ガイド溝53で受け止められる、前後方向に伸びる上下一対の突条58・58を含むものとし、係止突部49を上下の突条58・58の間に設けたので、ガイド溝53に差し込まれるガイド突部48の形成部分にロック構造54を構成する係止突部49を集約して設けて、取付構造52のコンパクト化を図ることができる。
【0054】
仕切体6をブラケット55に取り付けたとき、ブラケット55の前端面と上下端面とを仕切体6で覆うように構成したので、貯蔵庫本体3と仕切体6とでブラケット55を覆い隠して、貯蔵庫1の正面側からブラケット55が目視されることによって貯蔵庫1の見栄えが損なわれることを防ぐことができる。
【0055】
ブラケット55は、ガイド溝53が凹み形成されたブラケットベース61と、ブラケットベース61の後端から後向きに延出形成された締結座63とを備えており、ブラケット55を、締結座63を介して貯蔵庫本体3にねじ込まれた固定ビス77により貯蔵庫本体3に固定するように構成したので、仕切体6で締結座63及び固定ビス77を覆い隠して、貯蔵庫1の正面側から締結座63及び固定ビス77が目視されることによって貯蔵庫1の見栄えが損なわれることを防ぐことができる。
【0056】
上記実施形態では、仕切体6が、貯蔵庫本体3の左右に向かい合う庫内面に架け渡される横桟である場合を示したが、仕切体6は、左右の庫内面5A・5Bに固定される左右一対のブラケット55・55を上下の庫内面に固定することで、横型冷蔵庫における所謂センターピラーとして適用することもできる。
【符号の説明】
【0057】
1 貯蔵庫
2 前面開口
3 貯蔵庫本体
5A 庫内面
5B 庫内面
6 仕切体
48 ガイド突部
49 係止突部
52 取付構造
53 ガイド溝
54 ロック構造
55 ブラケット
58 突条
60 ガイド面(突部側ガイド面)
61 ブラケットベース
62 ストッパー
63 締結座
64 弾性片
65 係止爪
67 ガイド面(爪側ガイド面)
77 固定ビス