(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047319
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】フェルト材、熱プレス成形用クッション材、及び、フェルト材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 5/26 20060101AFI20240329BHJP
D04H 1/4326 20120101ALI20240329BHJP
【FI】
B32B5/26
D04H1/4326
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152871
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000180597
【氏名又は名称】イチカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 能樹
(72)【発明者】
【氏名】西本 直人
【テーマコード(参考)】
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
4F100AG00C
4F100AK17C
4F100AK47B
4F100AK47C
4F100AK49B
4F100AK49C
4F100AK57B
4F100AK57C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA08
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100DG01A
4F100DG01B
4F100DG01C
4F100DG12A
4F100DG15
4F100DG15A
4F100DG15B
4F100DG15C
4F100EC09
4F100JJ03A
4F100YY00A
4F100YY00B
4L047AA05
4L047AA24
4L047AA26
4L047AB02
4L047BA01
4L047BA03
4L047CA02
4L047CA04
4L047CA19
4L047CB05
4L047CC14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の熱プレス成形用クッション材よりも高い耐熱性及び耐久性を有する熱プレス成形用クッション材を与えるフェルト材を提供すること、及び、これまでに基材層に用いられることのなかった特定の繊維を同層に含む、新規なフェルト材を提供すること。
【解決手段】基材層とバット繊維層20とを備え、基材層のうちの少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む耐熱基材層10である、フェルト材1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層とバット繊維層とを備え、
前記基材層のうちの少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む耐熱基材層である、フェルト材。
【請求項2】
前記バット繊維層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維、ポリオキサジアゾール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、アラミド繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む、請求項1に記載のフェルト材。
【請求項3】
厚さが1~10mmである、請求項1に記載のフェルト材。
【請求項4】
前記基材層のうちの少なくとも一層の目付が50~500g/m2である、請求項1に記載のフェルト材。
【請求項5】
前記基材層として追加の基材層をさらに含む、請求項1に記載のフェルト材。
【請求項6】
前記追加の基材層が、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む、請求項5に記載のフェルト材。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のフェルト材を含む、熱プレス成形用クッション材。
【請求項8】
下記の工程(a)及び(b)をこの順序で含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のフェルト材の製造方法。
(a)バット繊維からなる繊維ウェブを前記基材層の少なくとも一面に配置する工程。
(b)前記繊維ウェブと前記基材層とを互いに絡合させることにより、前記バット繊維層を形成する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルト材、熱プレス成形用クッション材、及び、フェルト材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板等の積層構造を有する電気部品の製造においては、積層体のプレス成型または熱圧着を目的として、熱プレスが行われる。プリント基板は、例えば、樹脂製プリプレグと銅箔等を積層した後、熱盤により加圧および加熱、すなわち熱プレスすることにより、製造される。熱プレスにおいては、プリプレグは、一般に加熱により一旦粘度が下がって液体状態に戻った後、徐々に硬化が進行する。このような熱プレスにおいては、積層体に負荷される圧力および温度の分布が均一であることが求められる。
【0003】
このために、熱プレスにおいて、熱プレス成形用クッション材として耐熱性を有するフェルト材が一般的に用いられている。熱プレス成形用クッション材は、熱盤と積層体との間に配置され、熱盤から負荷される圧力および温度を面方向に分散させることにより、熱プレスにおける圧力分布および温度分布を均一化させることができる。したがって、熱プレス成形用クッション材及びこれに用いられるフェルト材には、圧力分布および温度分布を均一化させるために適度の変形追従性、クッション性、熱伝導性、寸法安定性、耐久性や耐熱性等が基本的な性能として求められる。
【0004】
特許文献1には、少なくとも一層の基材を有する基材層を含む、プリント基板等の熱プレス時に用いるための耐熱フェルト材が記載されており、前記基材が、芳香族ポリアミド繊維およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(以下、「PBO繊維」ともいう。)からなる群から選択される少なくとも一種以上の繊維を含む糸を有する基布を含むことが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、無機繊維層及び耐熱有機繊維層を含む耐熱クッション材が記載されており、前記無機繊維及び耐熱有機繊維として、バサルト繊維及びPBO繊維をそれぞれ用いたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-160092号公報
【特許文献2】特開2017-095840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プリント基板を製造する工程で対象製品をプレス成型や熱圧着する際に使用される熱プレス成形用クッション材及びこれに用いられるフェルト材には、プレス成形温度の高温化により従来に増して高い耐熱性が求められ、また低コストの観点から更なる耐久性が求められている。
【0008】
特許文献1に記載される熱プレス成形用クッション材では、その構成要素である基材(織布、基布)や基材に積層されるウェブ(不織布)に、芳香族ポリアミド繊維やPBO繊維といった耐熱繊維を使用することによって耐熱性を向上させている。
【0009】
また、特許文献2に記載される耐熱クッション材では、無機繊維層の両面が耐熱有機繊維層で挟着されており、熱伝導が低い無機繊維層によりその下層にある耐熱有機繊維層への熱伝導が抑制されることにより耐熱有機繊維層の劣化が防止し、耐熱クッション材の耐久性を向上させている。
【0010】
上述した従来のフェルト材を用いた熱プレス成形用クッション材は、180~200℃といった条件下での熱プレスに対しては十分な耐熱性及び耐久性を示すものである。しかしながら、近年では、より高温条件下での熱プレスを要する基板も出現しており、250℃、あるいは、300℃を超える温度、及び、120kg/cm2に達するプレス圧力の条件下での熱プレスが要求されることがある。従来の熱プレス成形用クッション材では、かかる高温・高圧条件下での熱プレスを複数回行うと熱劣化により繊維強度が著しく低下することがあり、耐熱性及び耐久性が必ずしも十分とはいえなくなりつつあった。さらに、環境保全の観点及び作業者の健康安全の観点から、耐熱性及び耐久性を向上させるためにガラス繊維等の無機材料を用いることは、可能な限り回避されるべきである。
【0011】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、従来の熱プレス成形用クッション材よりも高い耐熱性及び耐久性を有する熱プレス成形用クッション材を与えるフェルト材の提供を目的とする。また、本発明は、これまでに基材層に用いられることのなかった特定の繊維を同層に含む、新規なフェルト材の提供をもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の繊維を含む耐熱基材層を採用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は下記に関するものである。
〔1〕
基材層とバット繊維層とを備え、
前記基材層のうちの少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む耐熱基材層である、フェルト材。
〔2〕
前記バット繊維層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維、ポリオキサジアゾール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、アラミド繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む、〔1〕に記載のフェルト材。
〔3〕
厚さが1~10mmである、〔1〕又は〔2〕に記載のフェルト材。
〔4〕
前記基材層のうちの少なくとも一層の目付が50~500g/m2である、〔1〕~〔3〕のいずれか一つに記載のフェルト材。
〔5〕
前記基材層として追加の基材層をさらに含む、〔1〕~〔4〕のいずれか一つに記載のフェルト材。
〔6〕
前記追加の基材層が、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む、〔5〕に記載のフェルト材。
【0014】
〔7〕
〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載のフェルト材を含む、熱プレス成形用クッション材。
〔8〕
下記の工程(a)及び(b)をこの順序で含む、〔1〕~〔6〕のいずれか一つに記載のフェルト材の製造方法。
(a)バット繊維からなる繊維ウェブを前記基材層の少なくとも一面に配置する工程。
(b)前記繊維ウェブと前記基材層とを互いに絡合させることにより、前記バット繊維層を形成する工程。
【発明の効果】
【0015】
本発明のフェルト材は、高い耐熱性及び耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施態様に係るフェルト材を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る熱プレス成形用クッション材の使用状態の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る熱プレス成形用クッション材の使用状態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<フェルト材>
本発明の実施態様に係るフェルト材は、基材層とバット繊維層とを備え、基材層のうちの少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維(以下、「POD繊維」ともいう。)を含む耐熱基材層である。
ここで、本明細書における「耐熱基材層」とは、POD繊維を含む基材層を指す。
【0018】
以下に図面を参照しながら、本発明の実施態様に係るフェルト材の好ましい態様について説明する。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いる。
【0019】
本発明の実施態様に係るフェルト材は、
図1及び
図2に示されるように、例えば、平板形状をなす積層体であることができる。また、
図1及び
図2に示されるように、本発明の実施態様に係るフェルト材1は、耐熱基材層10とバット繊維層20とを含む。
【0020】
本発明の実施態様に係るフェルト材の厚さには特に制限がないが、クッション性の観点から、1mm~10mmであることが好ましく、2mm~8mmであることがより好ましく、3mm~7mmであることがさらに好ましい。
【0021】
また、本発明の実施態様に係るフェルト材の目付には特に制限がないが、クッション性と熱伝導性の観点から、150g/m2~5000g/m2であることが好ましく、300g/m2~4000g/m2であることがより好ましく、400g/m2~3000g/m2であることがさらに好ましい。また、クッション性、熱伝導性を調整するために、これらのフェルト材を複数枚重ねて用いることができる。
【0022】
[基材層]
本発明の実施態様に係るフェルト材は基材層を一層又は二層以上備え、基材層の少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む耐熱基材層である。言い換えれば、本発明の実施態様に係るフェルト材が含む基材層の少なくとも一層が、POD繊維を含む耐熱基材層である。
これにより、本発明の実施態様に係るフェルト材は高い耐熱性及び耐久性を有することができる。
【0023】
前記POD繊維を構成するポリフェニレンオキサジアゾール及びポリオキサジアゾールは、それぞれ、ポリフェニレン-1,3,4-オキサジアゾール及びポリ-1,3,4-オキサジアゾールとも呼ばれる。
また、ポリフェニレンオキサジアゾールには、フェニレン部位の結合に関してオルト(o-)、メタ(m-)及びパラ(p-)の異性体が存在する。本発明の実施態様においては、耐熱性の観点から、POD繊維として、メタ体であるポリ(m-フェニレンオキサジアゾール)、パラ体であるポリ(p-フェニレンオキサジアゾール)、若しくは、メタ体及びパラ体の共重合体であるポリ(m-フェニレン)(p-フェニレン)オキサジアゾール、又は、これらの組み合わせを用いることが好ましく、ポリ(m-フェニレン)(p-フェニレン)オキサジアゾールを用いることがより好ましい。以下、本明細書において言及されるPOD繊維の構造及びその好ましい態様について、同様のことがいえる。
【0024】
耐熱基材層におけるPOD繊維の割合には特に制限がないが、高い耐熱性及び耐久性を得る観点から、繊維の構成割合で、50質量%~100質量%であることが好ましく、75質量%~100質量%であることがより好ましく、90質量%~100質量%であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
【0025】
耐熱基材層において含むことができるPOD繊維以外の繊維としては、例えば、アラミド繊維、PBO繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等を挙げることができる。
アラミド繊維には、フェニレン部位の結合に関してオルト(o-)、メタ(m-)及びパラ(p-)の異性体が存在する。本発明の実施態様においては、形状安定性の観点から、アラミド繊維として、メタ体であるm-アラミド繊維、パラ体であるp-アラミド繊維、若しくは、メタ体及びパラ体の共重合体であるm-p-アラミド繊維、又は、これらの組み合わせを用いることがより好ましい。以下、本明細書において言及されるアラミド繊維の構造及びその好ましい態様について、同様のことがいえる。
【0026】
また、本発明の実施態様に係るフェルト材は、基材層として追加の基材層をさらに含むことができる。ここで、本明細書における「追加の基材層」とは、POD繊維を含まない基材層を指す。
追加の基材層としては、例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、フッ素繊維、ガラス繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む基材層を挙げることができる。但し、本発明の実施態様に係るフェルト材は、耐熱性の観点から、耐熱基材層のみを含むことが好ましい。
追加の基材層を含む本発明の実施態様に係るフェルト材の具体的な態様として、例えば、
図3~
図5に示される態様を挙げることができる。
図3~
図5に示されるように、耐熱基材層10に加えて、POD繊維を含まない追加の基材層10Aをさらに含むことができる。
【0027】
本発明の実施態様に係るフェルト材は、基材層を一層のみ(すなわち、耐熱基材層を一層のみ)含んでいてもよく、二層以上の基材層を含んでいてもよい。耐久性および寸法安定性の観点から、基材層を二層以上含むことが好ましく、二層、三層又は四層含むことがより好ましく、三層含むことがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材が基材層を二層以上含む場合、基材層として、
図3~
図5に示されるように、耐熱基材層10と追加の基材層10Aの両方を含んでいてもよく、
図6~
図8に示されるように、耐熱基材層10のみを二層以上含んでいてもよい。
【0028】
基材層は、例えば、織布又は格子状素材により構成されることができる。織布及び格子状素材は、繊維から得られるスパン糸又はフィラメント糸を用いて形成してもよい。基材層が織布の場合、織布の組織は特に限定されるものではなく、平織、綾織、朱子織又はこれらを用いた多重織のいずれも用いることができる。
本発明の実施態様に係るフェルト材が基材層を二層以上含む場合、各層が前記の織布又は格子状素材により構成されることができる。
【0029】
基材層の厚さには特に制限がないが、平滑性の観点から、0.1mm~2mmであることが好ましく、0.2mm~1.5mmであることがより好ましく、0.3mm~1mmであることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材が基材層を二層以上含む場合には、少なくとも一層の基材層が前記厚さを満たすことが好ましく、全ての基材層が前記厚さを満たすことがより好ましい。
【0030】
基材層の目付には特に制限がないが、クッション性と熱伝導性の観点から、50g/m2~500g/m2であることが好ましく、60g/m2~400g/m2であることがより好ましく、80g/m2~300g/m2であることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材が基材層を二層以上含む場合には、少なくとも一層の基材層が前記目付を満たすことが好ましく、全ての基材層が前記目付を満たすことがより好ましい。
【0031】
[バット繊維層]
本発明の実施態様に係るフェルト材が含むバット繊維層は、バット繊維により構成される層である。より詳細には、バット繊維層は、バット繊維(好ましくは短繊維であるバット繊維)どうしを絡合させることにより形成された繊維集合体層であり、一態様として、熱伝導性及びクッション性等を有する層として機能する。
【0032】
バット繊維層を構成するバット繊維には特に制限がないが、耐熱性の観点から、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維、ポリオキサジアゾール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維(以下、「PI繊維」ともいう。)、アラミド繊維及びポリフェニレンサルファイド繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含むことが好ましく、POD繊維、PBO繊維、又はPI繊維であることがより好ましく、POD繊維であることがさらに好ましい。
【0033】
本発明の実施態様に係るフェルト材1は、
図2及び
図6に示されるように、一層のみのバット繊維層20を含むことができる。また、本発明の実施態様に係るフェルト材1は、
図1、
図3~
図5、
図7及び
図8に示されるように、二層以上のバット繊維層20、20Aを含んでいてもよい。
また、本発明の実施態様に係るフェルト材1は、バット繊維層20、20Aを積層方向の最も外側に位置する層として含むことが好ましい。フェルト材1がバット繊維層20、20Aを二層以上含む場合には、例えば、
図1、
図3、
図4、
図7及び
図8に示されるように、積層方向の最も外側に位置する二層の両方がバット繊維層20、20Aであることが好ましい。
【0034】
本発明の実施態様に係るフェルト材を後述する熱プレス成形用クッション材として用いる場合には、使用上の利便性の観点から、バット繊維層を二層以上含むことが好ましく、二層含むことがより好ましい。この場合、好ましい態様として、バット繊維層は、後述する両面プリント配線板の製造装置の熱盤に接するように配置される。
【0035】
バット繊維層は、基材層の少なくとも一面に隣接して積層されることが好ましく、基材層の両面に隣接して積層されていてもよい。例えば、バット繊維からなる繊維ウェブを基材層上に配置し、ニードルパンチングにより互いに絡合させるとともに、基材層に絡合させることにより、基材層に隣接して積層されたバット繊維層を形成することができる。
【0036】
バット繊維層を構成するバット繊維の繊維長には特に制限がないが、平滑性の観点から、30mm~90mmであることが好ましく、35mm~85mmであることがより好ましく、40mm~80mmであることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材がバット繊維層を二層以上含む場合、少なくとも一層のバット繊維層が前記繊維長を満たすことが好ましく、全てのバット繊維層が前記繊維長を満たすことがより好ましい。
【0037】
バット繊維層を構成するバット繊維の繊度には特に制限がないが、クッション性の観点から、0.5dtex~10dtexであることが好ましく、1dtex~8dtexであることがより好ましく、1.5dtex~7dtexであることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材がバット繊維層を二層以上含む場合、少なくとも一層のバット繊維層が前記繊度を満たすことが好ましく、全てのバット繊維層が前記繊度を満たすことがより好ましい。
【0038】
バット繊維層の目付には特に制限がないが、クッション性および熱伝導性の観点から、200g/m2~4700g/m2であることが好ましく、300g/m2~3700g/m2であることがより好ましく、400g/m2~2700g/m2であることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材がバット繊維層を二層以上含む場合、少なくとも一層のバット繊維層が前記目付を満たすことが好ましく、全てのバット繊維層が前記目付を満たすことがより好ましい。
【0039】
バット繊維層の厚さには特に制限がないが、クッション性および熱伝導性の観点から、0.7mm~8mmであることが好ましく、1.2mm~7mmであることがより好ましく、1.7mm~6mmであることがさらに好ましい。
本発明の実施態様に係るフェルト材がバット繊維層を二層以上含む場合、少なくとも一層のバット繊維層が前記厚さを満たすことが好ましく、全てのバット繊維層が前記厚さを満たすことがより好ましい。
【0040】
平滑性および使用上の利便性の観点から、本発明の実施態様に係るフェルト材は、バット繊維層の一層又は二層を積層方向の最も外側に位置する層として含むことが好ましく、バット繊維層の二層を積層方向の最も外側に位置する層として各々一層ずつ含むことがより好ましい。
【0041】
[その他の層]
本発明の実施態様に係るフェルト材は、基材層及びバット繊維層に加えてその他の層を含むことができる。その他の層としては、例えば、フィルム層、ペーパー層等を挙げることができる。
本発明の実施態様に係るフェルト材は、基材層及びバット繊維層のみを含むことが好ましい。
【0042】
[形状]
本発明の実施態様に係るフェルト材は、その用途に応じて様々な形状とすることができ、例えば、平板形状、ベルト形状又は円筒形状をなす積層体であることができる。
【0043】
[用途]
本発明の実施態様に係るフェルト材は高い耐熱性及び耐久性を有することから、高温・高圧条件下での用途に好適である。このような用途として、例えば、熱プレス成形用クッション材、並びに、高温炉用シール材、スペーサー及びガスケット等が挙げられる。
【0044】
<熱プレス成形用クッション材>
本発明の実施態様に係る熱プレス成形用クッション材は、上述のフェルト材を含む。
以下、本発明の実施態様に係る熱プレス成形用クッション材の具体的な使用例を、
図9及び
図10に示す両面プリント配線板の製造装置を用いたプレス工程(熱プレス)に基づき説明する。
【0045】
図9は、樹脂製プリプレグと銅箔等を積層した積層板を、熱プレス成形用クッション材を用いて熱プレスする一態様を示す図である。なお、本実施形態においては、熱プレスが行われる対象物が、プリント配線板の前駆体としての積層板300であるとして説明する。
【0046】
図9に示されるように、熱プレスは、上下一対の加熱された熱盤100により、積層板300を圧迫することにより行われる。また、
図9に示されるように、熱プレスは、同時に複数の積層板300に対し行うことができる。本例では、熱プレス成形用クッション材400は平板形状をなしている。
【0047】
図10は、
図9に示される鏡面板200に挟まれた積層板300の1セットを拡大した図である。
図10に示されるように、積層板300は、プリプレグ301の両面に銅箔等の金属箔302が配置されている。プリプレグ301は、ガラスクロスに硬化性樹脂が含浸され半キュアー状態とされている板材を、複数枚重ねることにより構成される。
【0048】
図9に示されるように、複数の積層板300間には、これらが直接接触しないようにかつ表面の成形のためにステンレス板等の鏡面板200が配置される。なお、上端に存在する積層板300の上方および下端に存在する積層板300の下方にも、熱プレス成形用クッション材400および熱盤100との直接的な接触を回避するためにかつ表面の成形のために、鏡面板200が配置される。
【0049】
そして、積層板300と鏡面板200とを積層した被プレス対象物は、その上下に配置された熱プレス成形用クッション材400を介して熱盤100によりプレスされる。ここで熱プレス成形用クッション材400は、適度な熱伝導性、変形追従性およびクッション性を有し、熱盤100からの圧力および熱を均一に積層板300と鏡面板200とを積層した被プレス対象物に伝える機能を有する。
【0050】
図10に示される、鏡面板200に挟まれた金属箔302及びプリプレグ301を1セットとすると、1回のプレス工程につき10セット~20セット程度がプレスされる。また、一般的には、200回~1000回程度のプレス工程に耐えうることが熱プレス成形用クッション材400に要求されている。
【0051】
前記プレス工程におけるプレス条件は、通常、熱盤の温度が150℃~250℃、熱盤と熱盤との間にかかる圧力は20kg/cm2~100kg/cm2程度である。ところが、近年はプリント基板の耐熱性に対する要求が高まっていることから、熱盤の温度を250℃~450℃程度、及び、熱盤と熱盤との間にかかる圧力を20kg/cm2~300kg/cm2程度にまで上昇させる必要が生じつつある。これにより、熱プレス成形用クッション材の耐熱性及び耐久性に対する要求も高まりつつある。
【0052】
本発明の実施態様に係る熱プレス成形用クッション材は、上述のフェルト材を含むことにより、高いクッション性のみでなく、従来品よりも高い耐熱性及び耐久性を有するため、このような要求に対して十分に対応することができる。
【0053】
<フェルト材の製造方法>
本発明の実施態様に係るフェルト材の製造方法は、好ましい態様として、下記の工程(a)及び(b)をこの順序で含む。
(a)バット繊維からなる繊維ウェブを基材層の少なくとも一面に配置する工程。
(b)繊維ウェブと基材層とを互いに絡合させることにより、バット繊維層を形成する工程。
【0054】
本発明の実施態様に係るフェルト材の製造方法において、基材層のうちの少なくとも一層が、ポリフェニレンオキサジアゾール繊維及びポリオキサジアゾール繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む耐熱基材層である。
【0055】
本発明の実施態様に係るフェルト材の製造方法において用いる基材層、バット繊維、繊維ウェブ及びバット繊維層等の詳細及び好ましい態様等は、上述のものと同様である。
【0056】
本発明の実施態様に係るフェルト材の製造方法は、製造しようとする具体的なフェルト材の態様により適宜変更され得る。
例えば、バット繊維層を複数含む場合は、上記工程(b)の繊維ウェブとして、複数の繊維ウェブを互いに絡合させることにより、あらかじめ複数のバット繊維層を積層させたものを用いてもよい。或いは、上記工程(b)において、繊維ウェブと基材層とを互いに絡合させた後で、別の繊維ウェブを前記繊維ウェブと互いに絡合させることにより、バット繊維層を積層させてもよい。
【実施例0057】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0058】
[実施例1]
(基材層の形成)
ポリ(m-フェニレン)(p-フェニレン)オキサジアゾール繊維(POD繊維)(商品名:PODRUN;Jiangsu Pod New Material Co., Ltd.製)のスパン糸を平織に織製し、基材層(耐熱基材層)を形成した。基材層の厚さは0.4mm、目付は100g/m2であった。
【0059】
(バット繊維層の形成及びフェルト材の作成)
上で作成した基材層を三層重ねたものの両面に、ポリ(m-フェニレン)(p-フェニレン)オキサジアゾール繊維(POD繊維)(商品名:PODRUN;Jiangsu Pod New Material Co., Ltd.製)からなる繊維ウェブ(繊維長:51mm~76mm;繊度:2.2dtex~6.7dtex)を積層し、ニードルパンチングしてバット繊維層を形成することにより、実施例1のフェルト材を作成した。なお、三層重ねられた基材層の両面に形成されたバット繊維層は、それぞれ、厚さが2mm、目付が500g/m2であった。
【0060】
実施例1で得られたフェルト材の層構成は、下記のとおりであった。このフェルト材の層構成は、
図7により模式的に示される。また、フェルト材の厚さは5.2mmであった。
バット繊維層(POD繊維、厚さ2mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/バット繊維層(POD繊維、厚さ2mm)
【0061】
[実施例2]
バット繊維層の形成に当たり、POD繊維からなる繊維ウェブに代えてPBO繊維(商品名:ザイロン;東洋紡株式会社製)からなる繊維ウェブ(繊維長:38mm~51mm;繊度:1dtex~3.3dtex)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により実施例2のフェルト材を作成した。なお、三層重ねられた基材層の両面に形成されたバット繊維層は、それぞれ、厚さが2mm、目付が500g/m2であった。
【0062】
実施例2で得られたフェルト材の層構成は、下記のとおりであった。このフェルト材の層構成は、
図7により模式的に示される。また、フェルト材の厚さは5.2mmであった。
バット繊維層(PBO繊維、厚さ2mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/バット繊維層(PBO繊維、厚さ2mm)
【0063】
[実施例3]
バット繊維層の形成に当たり、POD繊維からなる繊維ウェブに代えてPI繊維(商品名:YILUN POLYIMIDE FIBER;CHANGCHUN HIPOLYKING Co., Ltd.製)からなる繊維ウェブ(繊維長:64mm;繊度:6.7dtex)を用いたことを除き、実施例1と同様の方法により実施例3のフェルト材を作成した。なお、三層重ねられた基材層の両面に形成されたバット繊維層は、それぞれ、厚さが2mm、目付が500g/m2であった。
【0064】
実施例3で得られたフェルト材の層構成は、下記のとおりであった。このフェルト材の層構成は、
図7により模式的に示される。また、フェルト材の厚さは5.2mmであった。
バット繊維層(PI繊維、厚さ2mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/耐熱基材層(厚さ0.4mm)/バット繊維層(PI繊維、厚さ2mm)
【0065】
[比較例1]
(基材層の形成)
PBO繊維(商品名:ザイロン;東洋紡株式会社製)のスパン糸を織製し、基材層を形成した。基材層の厚さは0.3mm、目付は100g/m2であった。
【0066】
(バット繊維層の形成及びフェルト材の作成)
上で作成した基材層を三層重ねたものの両面に、PBO繊維(商品名:ザイロン;東洋紡株式会社製)からなる繊維ウェブ(繊維長:44mm;繊度:1.7dtex)を積層し、ニードルパンチングしてバット繊維層を形成することにより、比較例1のフェルト材を作成した。なお、三層重ねられた基材層の両面に形成されたバット繊維層は、それぞれ、厚さが1.7mm、目付が500g/m2であった。
【0067】
比較例1で得られたフェルト材の層構成は、下記のとおりであった。また、フェルト材の厚さは4.3mmであった。
バット繊維層(PBO繊維、厚さ1.7mm)/基材層(PBO繊維、厚さ0.3mm)/基材層(PBO繊維、厚さ0.3mm)/基材層(PBO繊維、厚さ0.3mm)/バット繊維層(PBO繊維、厚さ1.7mm)
【0068】
[比較例2]
(基材層の形成)
メタ系アラミド繊維(商品名:コーネックス;帝人株式会社製)のスパン糸を織製し、基材層を形成した。基材層の厚さは0.4mm、目付は100g/m2であった。
【0069】
(バット繊維層の形成及びフェルト材の作成)
上で作成した基材層を三層重ねたものの両面に、比較例1で形成したものと同様のバット繊維層を形成することにより、比較例2のフェルト材を作成した。なお、三層重ねられた基材層の両面に形成されたバット繊維層は、それぞれ、厚さが1.7mm、目付が500g/m2であった。
【0070】
比較例2で得られたフェルト材の層構成は、下記のとおりであった。また、フェルト材の厚さは4.6mmであった。
バット繊維層(PBO繊維、厚さ1.7mm)/基材層(メタ系アラミド繊維、厚さ0.4mm)/基材層(メタ系アラミド繊維、厚さ0.4mm)/基材層(メタ系アラミド繊維、厚さ0.4mm)/バット繊維層(PBO繊維、厚さ1.7mm)
【0071】
<タテ切断強度の評価>
上述の実施例及び比較例で得られた各フェルト材に対して、以下の手順によりタテ切断強度の評価を行った。
なお、本明細書において、フェルト材の「タテ」方向、及び、タテ切断強度における「タテ」方向とは、実施例及び比較例のフェルト材を製造する際に、ニードルパンチングによってバット繊維層を取り付けるために耐熱基材層等を移動させる方向に対して、平行な方向を指す。
【0072】
フェルト材(タテ25cm×ヨコ25cm)を、下記の条件で加熱した。加熱後のフェルト材のタテ方向が長さ方向となるように、長さ25cm×巾2cmに切り取り、試験片を得た。得られた試験片を、下記の条件で長さ方向に引っ張り、加熱後のタテ切断強度(N/2cm)を測定した。
加熱をしなかったフェルト材のタテ方向が長さ方向となるように、長さ25cm×巾2cmに切り取り、試験片を得た。得られた試験片を、下記の条件で長さ方向に引っ張り、加熱前のタテ切断強度(N/2cm)を測定した。
タテ切断強度保持率(%)を、下記のとおり求めた。結果を表1に示す。
タテ切断強度保持率=(加熱後のタテ切断強度/加熱前のタテ切断強度)×100
【0073】
[フェルト材の加熱条件]
・加熱温度:330℃および400℃(乾熱暴露)
・加熱時間:20時間
・加熱装置:旭科学株式会社製 ハイテンプ オーブン H-80
【0074】
[試験条件]
・試験温度:常温
・引張速度:100mm/分
・測定装置:株式会社島津製作所 オートグラフ
【0075】
<ヨコ切断強度の評価>
実施例及び比較例で得られた各フェルト材に対して、下記の方法にてヨコ切断強度の評価を行った。
なお、本明細書において、フェルト材の「ヨコ」方向、及び、ヨコ切断強度における「ヨコ」方向とは、実施例及び比較例のフェルト材を製造する際に、ニードルパンチングによってバット繊維層を取り付けるために耐熱基材層等を移動させる方向に対して、垂直かつ同じ平面上にある方向を指す。
【0076】
フェルト材25cm×25cmを、下記の条件で加熱した。加熱後のフェルト材のヨコ方向が長さ方向となるように、長さ25cm×巾2cmに切り取り、試験片を得た。得られた試験片を、下記の条件で長さ方向に引っ張り、加熱後のヨコ切断強度(N/2cm)を測定した。
加熱をしなかったフェルト材のヨコ方向が長さ方向となるように、長さ25cm×巾2cmに切り取り、試験片を得た。得られた試験片を、下記の条件で長さ方向に引っ張り、加熱前のヨコ切断強度(N/2cm)を測定した。
ヨコ切断強度保持率(%)を、下記のとおり求めた。結果を表1に示す。
ヨコ切断強度保持率=(加熱後のヨコ切断強度/加熱前のヨコ切断強度)×100
【0077】
[フェルト材の加熱条件]
・加熱温度:330℃および400℃(乾熱暴露)
・加熱時間:20時間
・加熱装置:旭科学株式会社製 ハイテンプ オーブン H-80
【0078】
[試験条件]
・試験温度:常温
・引張速度:100mm/分
・測定装置:株式会社島津製作所 オートグラフ
【0079】
【0080】
表1に示されるとおり、実施例1~3に係るフェルト材は高い耐熱性及び耐久性を示した。このような高い耐熱性及び耐久性を有するフェルト材は、例えば、熱プレス成形用クッション材、並びに、高温炉用シール材、スペーサー及びガスケット等として好適に用いることができる。
これに対し、比較例1~2に係るフェルト材は耐熱性及び耐久性に劣る結果となった。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施態様について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術範囲に属するものと了解される。