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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047367
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240329BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240329BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240329BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/42 F
G03G21/00 500
G03G21/00 386
H04N1/00 E
H04N1/00 002A
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152951
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 愛
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 穣治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ41
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN15
2H270QA13
2H270QA23
2H270QB07
2H270QB08
2H270QB09
2H270RB09
2H270RB10
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA32
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC06
5C062AC11
5C062AC68
5C062AC69
5C062AD02
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、
表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、
前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、
発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記仮に解除された前記エラーの情報を記憶し、全ての前記エラーが仮に解除された場合に、当該仮に解除された前記エラーを復活させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記エラーが発生した場合に、発生している当該エラーとは別に、発生していないにもかかわらず発生している状態に設定される仮エラーを発生させ、
発生している前記エラーが全て解除された場合に、前記仮エラーを解除する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記仮エラーの解除後、前記エラーにより中断されたジョブの処理を再開する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置の前部に設けられ、開けることで当該画像形成装置の内部にアクセス可能なカバーを備え、
前記エラーを解除するための解除方法が、前記カバーを開いて行うものであり、
前記プロセッサは、
前記カバーが閉じられた場合に、前記エラーが解除されたか確認する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記仮に解除された前記エラーの情報を発生している当該エラーが全て解除されたと判定するまで記憶する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータに、
発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、
表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、
前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、
発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイ装置とエラー検出手段とエラー表示制御手段を備え、エラーを検出してディスプレイ画面にエラーメッセージを表示するエラー表示方式において、予め、各エラーに表示優先順位を付しておき、複数のエラーが同時に発生した場合、またはエラー表示中に別のエラーが発生した場合、優先順位が最も高いエラーに応じたエラーメッセージを表示することを特徴とするエラー表示方式が開示されている。
【0003】
特許文献2には、画像形成装置にジョブの実行を指示する指示手段と、前記指示手段によって実行を指示されたジョブの実行中に前記画像形成装置にてエラーが発生した場合に、当該エラーが発生したことを示すエラー情報を受信する受信手段と、前記エラー情報を表示する表示手段と、前記画像形成装置にて前記エラーをスキップして前記ジョブを実行するよう指示されたことを示す情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって前記情報が取得された場合に、当該エラーの種類によって、前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示を継続するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示を継続すると判定された場合に、前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示を継続し、前記判定手段によって前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示を継続すると判定した場合に、前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示を継続しないと判定された場合に、前記表示手段に表示された前記エラー情報の表示をやめる制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-052018号公報
【特許文献2】特開2011-138394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のエラーが発生した場合に、1つのエラーに対し、1つの解除方法を表示し、表示した解除方法に示される解除操作が確認されると、次のエラーに対し、次の解除方法を表示し、次のエラーの解除方法に示される解除操作を確認する画像形成装置がある。
【0006】
上記画像形成装置では、エラー毎に、対応する解除操作の確認を行う。解除操作の確認は、例えば、カバーの開閉がトリガーとなっている。従って、複数の解除操作を同時に行った場合でも、トリガーとなるカバーの開閉操作は、エラーの数だけ行う必要があり、複数の解除操作の確認をまとめて行うことはできなかった。
【0007】
本開示は、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することが可能な画像形成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様に係る画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する。
【0009】
第2態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記仮に解除された前記エラーの情報を記憶し、全ての前記エラーが仮に解除された場合に、当該仮に解除された前記エラーを復活させる。
【0010】
第3態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記エラーが発生した場合に、発生している当該エラーとは別に、発生していないにもかかわらず発生している状態に設定される仮エラーを発生させ、発生している前記エラーが全て解除された場合に、前記仮エラーを解除する。
【0011】
第4態様に係る画像形成装置は、第3態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記仮エラーの解除後、前記エラーにより中断されたジョブの処理を再開する。
【0012】
第5態様に係る画像形成装置は、第1態様に係る画像形成装置において、画像形成装置の前部に設けられ、開けることで当該画像形成装置の内部にアクセス可能なカバーを備え、前記エラーを解除するための解除方法が、前記カバーを開いて行うものであり、前記プロセッサは、前記カバーが閉じられた場合に、前記エラーが解除されたか確認する。
【0013】
第6態様に係る画像形成装置は、第2態様に係る画像形成装置において、前記プロセッサは、前記仮に解除された前記エラーの情報を発生している当該エラーが全て解除されたと判定するまで記憶する。
【0014】
第7態様に係るプログラムは、コンピュータに、発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
第1態様によれば、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することができる、という効果を有する。
【0016】
第2態様によれば、仮に解除されたエラーをまとめて確認することができる、という効果を有する。
【0017】
第3態様によれば、全てのエラーが解除されたのちに、仮エラーを解除することができる、という効果を有する。
【0018】
第4態様によれば、全てのエラーが解除された場合に、中断されたジョブの処理を再開することができる、という効果を有する。
【0019】
第5態様によれば、ユーザは、全てのエラーの解除操作をした後にカバーを閉じるだけで、エラーが解除されたかを画像形成装置に確認させることができる、という効果を有する。
【0020】
第6態様によれば、エラーが全て解除されるまで仮に解除されたエラーの情報を記憶することができる、という効果を有する。
【0021】
第7態様によれば、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することができる、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るエラーのデータベースの一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施形態に係るエラーを解除する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0024】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100を、前側から見た外観斜視図である。本実施形態に係る画像形成装置100は、印刷機能や、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナー機能などの各種の機能を有するものである。
【0025】
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前部に設けられ、開けることで当該画像形成装置100の内部にアクセス可能なフロントカバー120を備えている。このフロントカバー120は、ユーザが画像形成装置100の内部にアクセス可能にするために開閉自在となっている。これにより、ユーザは、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120が開かれた状態の装置が示されている。また、フロントカバー120が開いているかは後述するCPU201に接続されたセンサー(図示せず)により検知可能にされている。ここで、フロントカバー120が「カバー」の一例である。
【0026】
本体装置110の上面には、液晶ディスプレイからなる表示部130、及び、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。表示部130は、CPU201の制御に基づき各種の情報を表示する。また、表示部130は、タッチパネル方式を採用して、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件がユーザからの操作によって入力される入力部としても機能する。具体的には、本実施形態では、ユーザからの表示部130に解除方法が表示されているエラーを仮に解除する仮解除命令を入力可能としている。また、表示部130は、仮解除命令を受け付ける度に、発生しているエラーのうち、仮解除命令を受け付けたエラーに後続するエラーの解除方法を、順に、切り替えて表示する。例えば、3個のエラーが発生している場合に、最初のエラーの解除方法を表示している間に仮解除命令を受け付けた場合は、2番目に解除方法を表示するエラーの解除方法を表示部130に表示する。そして、2番目に解除方法を表示するエラーの解除方法を表示している間に仮解除命令を受け付けた場合は、3番目に解除方法を表示するエラーの解除方法を表示部130に表示する。
【0027】
また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿を光学的に読み取って画像情報を得る画像読取部207(図2参照)を備えている。この画像読取部207によって得られた画像情報は、画像形成部208(図2参照)に送られる。なお、画像読取部207は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成部208は、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
【0028】
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
【0029】
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成部208まで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
【0030】
画像形成部208によって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体150によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
【0031】
つぎに、複数の画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、画像形成装置100は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、ストレージ204、表示部130、画像読取部207、画像形成部208、通信部209を有する。各構成は、バス210を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
CPU201は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU201は、ROM202又はストレージ204からプログラムを読み出し、RAM203を作業領域としてプログラムを実行する。CPU201は、ROM202又はストレージ204に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ストレージ204に、プログラムが格納されている。
【0034】
ROM202は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM203は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ204は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0035】
画像形成部208は、ネットワークを介して接続されたPC(図示せず)から得られた印刷ジョブに含まれる印刷データや、画像読取部207による読み取りによって得られた画像情報に基づく画像を、紙などの記録媒体に形成、すなわち、印刷するものである。
【0036】
通信部209は、画像形成装置100をネットワーク(図示せず)に接続させ、画像形成装置100と、PCなどの他の機器と通信を行う。また、通信部209は、画像形成装置100を公衆回線に接続し、FAX機能を有する他の画像形成装置と画像読取部207による読み取りによって得られた画像情報を送受信する。
【0037】
また、ストレージ204には、図3に示すように、エラー毎の解除方法を表示部130に表示する順位と、各エラーの解除方法が登録されたデータベースが記憶されている。例えば、エラーID「E001」として、「紙詰まり」のエラーが登録され、当該「紙詰まり」のエラーの解除方法を表示部130に表示する順位として「001」と、解除方法として、「フロントカバーを開ける」などが登録されている。
【0038】
ここで、エラーの解除方法を表示部130に表示する順位は、画像形成装置100のフロントカバー120を開けて行うデバイスエラーの方が、ジョブに対して行われるエラーであるオペエラーよりも先の順位となっている。デバイスエラーとしては、例えば「紙詰まり」のエラーなどがあり、オペエラーとしては、ユーザがジョブを中止などをすれば解除可能なエラー、例えば「用紙切れ」のエラーなどがある。なお、デバイスエラーの方がオペエラーよりも先の順位になっている場合に限定されず、デバイスエラーよりも先の順位になっているオペエラーがあってもよい。
【0039】
また、データベースには、エラーの解除方法を表示部130に表示する順位が最後である仮エラーが登録されている。仮エラーは、エラーが発生した場合に、発生しているエラーとは別に、発生していないにもかかわらず発生している状態に設定されるエラーである。仮エラーは、後述するように、本実施形態では、発生しているエラーを仮に解除(以下、「仮解除」ともいう。)可能としており、全てのエラーが仮解除された場合に、エラーで中断されていたジョブの処理が意図せず再開されてしまい、再度エラーが発生することを防止するために、発生させるエラーである。そのため、発生しているエラーが全て解除された場合に、仮エラーも解除される。
【0040】
また、データベースに登録されているエラーの解除方法は、エラー毎の解除手順を画像や音声で説明する手順である。
【0041】
つぎに、画像形成装置100の作用について説明する。
【0042】
図4を用いて、画像形成装置20を用いたエラーを解除する際の処理の流れについて説明する。図4では、エラーとして「紙詰まり」と「用紙切れ」が発生しており、「紙詰まり」の方が「用紙切れ」よりもエラーを解除するための解除方法を表示部130に表示する順位が高いエラーである場合を例にして説明する。
【0043】
ステップS100(1回目)において、CPU201が、発生しているエラーをユーザに通知する。本例では、表示部130やスピーカ(図示せず)を用いて、ユーザに発生してるエラーのうち、順位が最も高いエラー、本例では、「紙詰まり」のエラーが発生していることをユーザに通知し、当該「紙詰まり」のエラーの解除方法を表示部130に表示する。そして、次のステップS101に進む。ここで、発生しているエラーのうち、順位が最も高いエラーのみを通知する場合に限定されず、発生しているエラーを全て通知し、そのうち順位が最も高いエラーの解除方法のみを表示部130に表示してもよい。
【0044】
ステップS101において、CPU201が、フロントカバー120が上述したステップS100によるエラーの通知より前に既に開いているか検知する。すなわち、ユーザが既にフロントカバー120を開けているか否かを検知する。フロントカバー120が既に開いていると検知しない場合は、次のステップS102進み、フロントカバー120が既に開いていると検知されない場合はステップS102を経ずに、ステップS103に進む。本例では、ユーザがフロントカバー120を開ける前であるため、ステップS102に進む。
【0045】
ステップS102において、CPU201は、ユーザがフロントカバー120を開けたことを検知し、当該ユーザがフロントカバー120を開けたことにより「front cover open」のエラーを発生させる。そして、次のステップS103に進む。
【0046】
ステップS103において、CPU201は、ユーザにより仮解除の操作を受け付けたか否かを判定する。ユーザにより仮解除の操作を受け付けたと判定しない場合は、次のステップS104に進む。本例では、ユーザが「紙詰まり」のエラーを解除する操作をしていないため、仮解除の操作を受け付けていない次のステップS104に進む。
【0047】
ステップS104において、ユーザがエラーを解除する操作を実施する。本例では、「紙詰まり」のエラーを解消するため、画像形成装置100の内部などに詰まった紙を除去する操作を行う。そして、次のステップS105に進む。
【0048】
ステップS105において、CPU201は、仮エラーのみが発生している状態であるかを判定する。仮エラーのみが発生している状態であると判定した場合は、次のステップS106に進み、仮エラーのみが発生している状態であると判定しない場合は、ステップS106を経ずに、ステップS107に進む。本例では、「紙詰まり」、「用紙切れ」及び「front cover open」のエラーが発生しており、仮エラーのみが発生している状態ではないため、ステップS106に進む。
【0049】
ステップS106において、CPU201は、ユーザの仮解除を解除する操作を受け付け、仮解除されたエラーを復活させる。本例では、まだ仮解除されたエラーがないため、仮解除されたエラーを復活させることなく、次のステップS107に進む。なお、ユーザの仮解除を解除する操作を受け付けることなく、CPU201が時間の経過などにより仮解除を解除してもよい。また、ユーザの仮解除を解除する操作を促す通知を、表示部130に表示してもよい。
【0050】
ステップS107において、CPU201は、ユーザがフロントカバー120を閉じたか否かを判定する。ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定した場合は、次のステップS120に進み、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しない場合は、上述したステップS100に戻る。本例では、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しないため、ステップS100に戻る。
【0051】
ステップS100(2回目)において、CPU201が、発生しているエラーをユーザに通知する。本例では、上述したステップS100(1回目)で通知した「紙詰まり」のエラーが発生していることの通知をそのまま維持する。そして、次のステップS101に進む。
【0052】
ステップS101において、フロントカバー120が既に開いているか検知する。本例では、フロントカバー120が既に開いているためステップS103に進む。
【0053】
ステップS103において、CPU201は、ユーザにより仮解除の操作を受け付けたか否かを判定する。本例では、上述したステップS104で、ユーザが「紙詰まり」のエラーを解除する操作をしているため、ユーザにより「紙詰まり」のエラーの仮解除の操作を受け付けるため、ステップS110に進む。
【0054】
ステップS110において、CPU201は、エラーの仮解除を行う。本例では、表示部130に解除方法が表示されていたエラーである「紙詰まり」のエラーを仮解除する。また、CPU201は、仮解除されたエラーの情報を記憶する。そして、次のステップS111に進む。
【0055】
ステップS111において、CPU201は、仮エラーを発生させる。そして、次のステップS112に進む。
【0056】
ステップS112において、CPU201は、ユーザによる「front cover open」のエラーの仮解除を受け付ける。そして、次のステップS107に進む。
【0057】
ステップS107において、CPU201は、ユーザがフロントカバー120を閉じたか否かを判定する。ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定した場合は、次のステップS120に進み、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しない場合は、上述したステップS100に戻る。本例では、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しないため、ステップS100に戻る。
【0058】
ステップS100(3回目)において、CPU201は、発生しているエラーをユーザに通知する。本例では、発生しているエラーのうち、「紙詰まり」のエラーの次に解除方法が表示されるエラーである「用紙切れ」のエラーが発生していることをユーザに通知し、「用紙切れ」のエラーの解除方法を表示部130に表示する。そして、次のステップS101に進む。
【0059】
ステップS101において、フロントカバー120が既に開いているか検知する。本例では、フロントカバー120が既に開いているためステップS103に進む。
【0060】
ステップS103において、CPU201は、ユーザにより仮解除の操作を受け付けたか否かを判定する。ユーザにより仮解除の操作を受け付けたと判定しない場合は、次のステップS104に進む。本例では、ユーザが「用紙切れ」のエラーを解除する操作をしていないため、仮解除の操作を受け付けていない次のステップS104に進む。
【0061】
ステップS104において、ユーザがエラーを解除する操作を実施する。本例では、「用紙切れ」のエラーを解消するため、用紙収納カセット140a,140b,140cを抜き出し、なくなっている用紙を補充する操作を行う。そして、次のステップS105に進む。
【0062】
ステップS105において、CPU201は、仮エラーのみが発生している状態であるかを判定する。仮エラーのみが発生している状態であると判定した場合は、次のステップS106に進み、仮エラーのみが発生している状態であると判定しない場合は、ステップS106を経ずに、ステップS107に進む。本例では、「用紙切れ」」及び「front cover open」のエラーが発生しており、仮エラーのみが発生している状態ではないため、ステップS106に進む。
【0063】
ステップS106において、CPU201は、仮解除されたエラーを復活させる。本例では、上述したステップS110で仮解除した「紙詰まり」とステップS112で仮解除した「front cover open」のエラーを復活させる。そして、次のステップS107に進む。
【0064】
ステップS107において、CPU201は、ユーザがフロントカバー120を閉じたか否かを判定する。ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定した場合は、次のステップS120に進み、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しない場合は、上述したステップS100に戻る。本例では、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しないため、ステップS100に戻る。
【0065】
ステップS100(4回目)において、CPU201が、発生しているエラーをユーザに通知する。本例では、上述したステップS100(3回目)で通知した「用紙切れ」のエラーが発生していることの通知をそのまま維持する。そして、次のステップS101に進む。
【0066】
ステップS101において、フロントカバー120が既に開いているか検知する。本例では、フロントカバー120が既に開いているためステップS103に進む。
【0067】
ステップS103において、CPU201は、ユーザにより仮解除の操作を受け付けたか否かを判定する。本例では、上述したステップS104で、ユーザが「用紙切れ」のエラーを解除する操作をしているため、ユーザにより「用紙切れ」のエラーの仮解除の操作を受け付けるため、ステップS110に進む。
【0068】
ステップS110において、CPU201は、エラーの仮解除を行う。本例では、表示部130に解除方法が表示されていたエラーである「用紙切れ」のエラーを仮解除する。そして、次のステップS111に進む。
ステップS111において、CPU201は、仮エラーを発生させる。なお、仮エラーは既に発生されているため、そのまま仮エラーを維持すれば足りる。そして、次のステップS112に進む。
【0069】
ステップS112において、CPU201は、ユーザによる「front cover open」のエラーの仮解除を受け付ける。そして、次のステップS107に進む。
【0070】
ステップS107において、CPU201は、ユーザがフロントカバー120を閉じたか否かを判定する。ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定した場合は、次のステップS120に進み、ユーザがフロントカバー120を閉じたと判定しない場合は、上述したステップS100に戻る。本例では、ユーザが発生している「紙詰まり」と「用紙切れ」のエラーを解除する操作を行っているため、フロントカバー120を閉じたと判定した場合について説明する。そのため、次のステップS108に進む。
【0071】
ステップS108において、CPU201は、仮エラー以外のエラーがあるか否かを判定する。すなわち、フロントカバー120が閉じられたことを契機に、仮エラー以外の画像形成装置100に発生していたエラーが解除されたか、他のエラーが発生しているか否かを確認する。エラーがあると判定した場合は、上述したステップS100に戻り、エラーがないと判定した場合は、次のステップS109に進む。本例では、既にユーザにより「紙詰まり」と「用紙切れ」のエラーが解除され、「front cover open」のエラーもフロントカバー120が閉じられたことにより解除されたため、ステップS109に進む。また、CPU201は、エラーが全て解除されたため、記憶されている仮解除されたエラーの情報を消去する。
【0072】
ステップS109において、CPU201は、仮エラーを解除する。そして、処理を終了する。仮エラーの解除後、CPU201は、エラーにより中断されていたジョブの処理、例えば、紙詰まりや用紙切れにより処理が中断されていたコピーや印刷などの処理を再開する。すなわち、CPU201は、発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する。
【0073】
本開示によれば、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することができる、という効果を有する。特に、発生しているエラーを解除するための解除方法が、フロントカバー120を開けて行うものである場合に、1つのエラーを解除する操作を実施する毎に、フロントカバー120を閉じてエラーが解除されたかをCPU201が判定し、更に、他のエラーが発生しているかを判定すると、他のエラーが発生していた場合に、再度フロントカバー120を開ける操作をユーザにさせることになる。フロントカバー120の複数回の開閉操作をユーザにさせると、ユーザが不満を感じやすいと考えられ、画像形成装置100の満足度の低下をもたらしかねない。そのため、1回のフロントカバー120の開閉操作で、まとめてエラーが解除されたかを確認させる。また、全てのエラーが仮に解除された場合に、エラーにより中断されていたジョブの処理が再開することを防止するために、仮エラーを発生させる。
【0074】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0075】
なお、上記実施形態では、プログラムがROM202又はストレージ204に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0077】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0078】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0079】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、
表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、
前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、
発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する画像形成装置。
【0080】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記仮に解除された前記エラーの情報を記憶し、全ての前記エラーが仮に解除された場合に、当該仮に解除された前記エラーを復活させる(((1)))に記載の画像形成装置。
【0081】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記エラーが発生した場合に、発生している当該エラーとは別に、発生していないにもかかわらず発生している状態に設定される仮エラーを発生させ、
発生している前記エラーが全て解除された場合に、前記仮エラーを解除する(((1)))又は(((2)))に記載の画像形成装置。
【0082】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記仮エラーの解除後、前記エラーにより中断されたジョブの処理を再開する(((3)))に記載の画像形成装置。
【0083】
(((5)))
画像形成装置の前部に設けられ、開けることで当該画像形成装置の内部にアクセス可能なカバーを備え、
前記エラーを解除するための解除方法が、前記カバーを開いて行うものであり、
前記プロセッサは、
前記カバーが閉じられた場合に、前記エラーが解除されたか確認する(((1)))
~(((4)))のいずれかに記載の画像形成装置。
【0084】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記仮に解除された前記エラーの情報を発生している当該エラーが全て解除されたと判定するまで記憶する(((2)))に記載の画像形成装置。
【0085】
(((7)))
コンピュータに、
発生しているエラーのうち、最初のエラーを解除するための解除方法を表示部に表示し、
表示部に前記解除方法が表示されている前記最初のエラーの解除方法が表示されている間に、当該最初のエラーが仮に解除されたものとして処理する仮解除命令を受け付け、
前記仮解除命令を受け付ける度に、後続するエラーの解除方法を、順に、前記表示部に切り替えて表示し、
発生しているエラーの解除方法の全てに対する解除操作が完了された場合に、当該エラーにより中断されたジョブの処理を再開する処理を実行させるためのプログラム。
【0086】
(((1)))によれば、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することができる、という効果を有する。
【0087】
(((2)))によれば、仮に解除されたエラーをまとめて確認することができる、という効果を有する。
【0088】
(((3)))によれば、全てのエラーが解除されたのちに、仮エラーを解除することができる、という効果を有する。
【0089】
(((4)))によれば、全てのエラーが解除された場合に、中断されたジョブの処理を再開することができる、という効果を有する。
【0090】
(((5)))によれば、ユーザは、全てのエラーの解除操作をした後にカバーを閉じるだけで、エラーが解除されたかを画像形成装置に確認させることができる、という効果を有する。
【0091】
(((6)))によれば、エラーが全て解除されるまで仮に解除されたエラーの情報を記憶することができる、という効果を有する。
【0092】
(((7)))によれば、複数のエラーに対する複数の解除操作をまとめて確認することができる、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0093】
100 画像形成装置
120 フロントカバー
130 表示部
図1
図2
図3
図4