(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047378
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】間仕切
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20240329BHJP
A47G 5/00 20060101ALI20240329BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
E04B2/74 541Z
A47G5/00 H
E04B2/74 561Z
G09F9/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152965
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴規
(72)【発明者】
【氏名】土山 和功
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 りほ
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA19
5G435EE13
5G435EE50
(57)【要約】
【課題】フレームの圧迫感を低減しながら、収容空間を大きく確保することができる間仕切を提供すること。
【解決手段】間仕切120にあっては、左右に立設される縦フレーム部122a、122aの背面側に張り出し、左右の縦フレーム部122a、122aとともに収容空間S1、S2を形成するバックパネル50Aを備えていることで、縦フレーム部122a、122aの空間S1の背面側に、さらにバックパネル50Aが構成する収容空間S2を連通させて、正面側に取付けた表示装置30の背面側に大きな収容空間S1、S2を確保できるため、縦フレーム部122a、122a自体の前後寸法L20を小さくでき、縦フレーム部122a、122aによる圧迫感を低減することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に立設される縦フレームの背面側に張り出し、左右の前記縦フレームとともに収容空間を形成するカバー部材を備えていることを特徴とする間仕切。
【請求項2】
前記カバー部材の両側部には、張り出し方向に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の間仕切。
【請求項3】
前記カバー部材は、左右一対の取付部と、該取付部に架設して取付けられるパネル部と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の間仕切。
【請求項4】
左右の前記縦フレームには、上下に離間して複数の横架部材が横設され、これら前記横架部材に前記取付部が固定されていることを特徴とする請求項3に記載の間仕切。
【請求項5】
前記パネル部は、左右一対の前記取付部の対向部にそれぞれ上下方向に延設された溝部に対して上下方向から嵌合して取付けられていることを特徴とする請求項3に記載の間仕切。
【請求項6】
前記取付部に対して、複数の前記パネル部が上下に並べて取付けられていることを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の間仕切。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切る間仕切に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の間仕切として、矩形状の中板の表裏面にスペーサを介して化粧板を貼設することにより構成された所定厚みのパネル板と、パネル板の上下辺各々に沿って装着される上下フレーム及びパネル板の左右側辺各々に沿って装着される縦フレームからなる矩形枠状の枠フレームと、からなる移動式の間仕切がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4570816号公報(第1図、第3頁)
【特許文献2】特許第6504536号公報(第1図、第3頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、ディスプレイを載置台以外に支持される使い方が提案されている。例えば、ディスプレイを建築用の壁材に保持させたものとして、特許文献2では、上下方向に立設された左右の縦フレームの間にパネル体が支持されており、ディスプレイはこのパネル体に正面側が露出するように埋設されている。このように、ディスプレイは縦フレームの前後幅内に収まり、ディスプレイの背面側の電源線等はパネル体内に配線されて隠蔽され、美観が高められている。
【0005】
このように、板状の壁材におけるパネル体の内部、特にディスプレイの背面側には、電源線等を配線するための空間が必要であることから、縦フレームの前後幅が大きくなり、保持部材が特許文献1のように空間を区画する間仕切として利用される際には、区画された空間に圧迫感を与えてしまう虞がある。発明者らは、間仕切で区画された空間の中で行われる会議中の資料を映す用途や、広告宣伝用の画像等を映す用途等で、間仕切に薄型のディスプレイを支持させるという圧迫感の少ない新たな構造を提案する。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、フレームの圧迫感を低減しながら、収容空間を大きく確保することができる間仕切を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の間仕切は、
左右に立設される縦フレームの背面側に張り出し、左右の前記縦フレームとともに収容空間を形成するカバー部材を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、縦フレームの空間の背面側に、さらにカバー部材が構成する空間を連通させて正面側に取付けた電子機器等の背面側に、大きな収容空間を確保できるため、縦フレーム自体の前後寸法を小さくでき、縦フレームによる圧迫感を低減できる。
【0008】
前記カバー部材の両側部には、張り出し方向に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、正面側からカバー部材が視認しにくくなるため、間仕切の圧迫感を低減できる。
【0009】
前記カバー部材は、左右一対の取付部と、該取付部に架設して取付けられるパネル部と、から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材の取付作業を容易に行うことができる。
【0010】
左右の前記縦フレームには、上下に離間して複数の横架部材が横設され、これら前記横架部材に前記取付部が固定されていることを特徴としている。
この特徴によれば、カバー部材は横架部材に固定され、縦フレームへの加工を少なくでき、縦フレームの強度を確保できる。
【0011】
前記パネル部は、左右一対の前記取付部の対向部にそれぞれ上下方向に延設された溝部に対して上下方向から嵌合して取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、パネル部をスライド移動させることで、ディスプレイやモニター等の背面側にアクセスでき、メンテナンスが容易となる。
【0012】
前記取付部に対して、複数の前記パネル部が上下に並べて取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、パネル部が上下に短寸となることで着脱が容易であり、ディスプレイやモニター等の背面側にアクセスでき、メンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1に係る間仕切が設けられた空間構造体を示す斜視図である。
【
図2】(a)は
図1のA-A拡大断面図、(b)は
図1のA’-A’拡大断面図である。
【
図5】(a)は
図1の間仕切を示す正面図、(b)は背面図である。
【
図6】間仕切の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
【
図7】(a)はバックパネルを斜め後ろから見た状態を示す斜視図、(b)はバックパネルを示す平面図である。
【
図9】(a)は
図5(a)のC-C断面図、(b)はバックパネルの見え方を説明するための図である。
【
図11】本発明の実施例2に係る間仕切の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
【
図12】(a)は
図11の間仕切の要部を示す横断面図、(b)はバックパネルの見え方を説明するための図である。
【
図13】(a)~(c)は
図11の間仕切のバックパネルの使用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の間仕切を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0015】
以下、本発明の実施例1に係る間仕切について、
図1~
図10に基づいて説明する。尚、以下において、
図1の紙面斜め右下方を前方、斜め左上方を後方、斜め右上方を右方、斜め左下方を左方として説明する。
【0016】
図1に示されるように、本実施例の空間構造体1は、オフィスや展示場等の広い室内空間を方形に区画するために床面に自立させて設置されるものであり、ミーティングや業務スペースなどに使用される。
【0017】
空間構造体1は、床面に自立させて設置されるフレーム体2を備えている。フレーム体2は、天井面よりも低い上下寸法の前後左右に所定間隔おきに並ぶ6本の支柱3と、各支柱3の上端部同士を平面視「日」形状をなすように直角に連結している前後左右7本のビーム4と、を備えている。支柱3及びビーム4は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作されている。
【0018】
図2(a)に示されるように、各ビーム4の下端部に形成された下向き凹状の下面には、下端が内向き対向状に折曲された下向きコ字状断面のガイドレール5が複数のネジ6により固定されている。ガイドレール5は、例えば、アルミニウム材等の押出し成形によって製作され、前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5と前後方向に延びる3本のガイドレール5の長さは、後述するブリッジレール13を接続するためにビーム4の全長よりも所要寸法短く形成されている(
図3、
図4参照)。尚、各ビーム4の長さ方向の両側面は、ガイドレール5の両側面とともにカバー部材7、7により覆われているが、このようなカバー部材7は省略することもできる。
【0019】
図1に示されるように、支柱3を挟んで対向する前方の左右方向に延びる2本のガイドレール5、5には、間仕切20(
図10参照)が移動可能に支持されているとともに、後方の左右方向に延びるガイドレール5には、間仕切120(
図5参照)が支持されている。
【0020】
図2(a)に示されるように、間仕切20の枠フレーム21の上面に上下方向を向く左右一対の支持軸21aの下端を固着し、両支持軸21aの上端部に水平回転自在に取付けられたガイドローラ10を、ガイドレール5内に転動可能に嵌挿することにより、間仕切120はガイドレール5に沿って移動可能に支持されている。
【0021】
また、間仕切20の枠フレーム21の下面の幅方向の中央部には、移動時に床面に接して回転する車輪12が取付けられている。尚、車輪12の代わりに水平回転自在なキャスタを取付けてもよい。このように間仕切20は、床面から上方のガイドレール5にかけて延設され、上部に設けられた両支持軸21aのガイドローラ10がガイドレール5により移動案内されるとともに、下部に設けられた車輪12が床面上を転動可能に設けられている。尚、
図1において、間仕切20は1個のみ図示されているが、2個以上の複数の間仕切20が設けられていてもよい。
【0022】
図3に示されるように、フレーム体2の前側の左方のコーナー部(
図1のA部)のガイドレール5、5、すなわち支柱3に2方向からL字状に直角に接続された2本のビーム4、4に取付けた隣り合うガイドレール5、5の交差方向の終端には、ガイドレール5と同じ断面形状の直線形状のブリッジレール13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつガイドレール5、5と連続するように架設されている。ブリッジレール13の両端部の上面は、ビーム4の下面にネジ14により固定されている。隣り合うカバー部材7、7の下端部は、ブリッジレール13が挿通されるように切り欠かれている。尚、右方のL字交差部のガイドレール5にも同様のブリッジレール13が架設されている。
【0023】
また、
図4に示されるように、フレーム体2の前側中央部のT字交差部(
図1のB部)の3本のガイドレール5、すなわち、支柱3に3方向から直角に接続された各ビーム4に取付けられた隣り合う3本のガイドレール5の交差方向の終端にも、上記と同様のブリッジレール13、13の両端が、平面視及び底面視において45度をなすように、かつ3本のガイドレール5と連続するように架設されている。このように、ビーム4のL字交差部とT字交差部のガイドレール5にブリッジレール13を架設すると、間仕切20を
図3及び
図4の矢印方向に移動させることができる。
【0024】
一方、
図1及び
図2(b)に示されるように、間仕切120の枠フレーム121の上面には上下方向を向く左右一対の支持軸121aの下端が固着され、両支持軸121aの上端部がガイドレール5内に嵌挿されている。尚、支持軸121aの上端にはガイドローラ10が取付けられていない。また、間仕切120の枠フレーム121の下面に上下方向を向く左右一対の支持軸121bの上端が固着され、両支持軸121bの下端部が床面上に載置されている。このように間仕切120は、上部が支持軸121aを介してガイドレール5により傾倒不能に支持されるとともに、下部が支持軸121bを介して床面上に載置されることにより、間仕切20よりも移動が困難な状態で支持されている。尚、支持軸121bを浮かせれば、支持軸121aがガイドレール5に案内された状態で移動することができる。
【0025】
次に、間仕切120について、
図5~
図9に基づいて説明する。
【0026】
図5及び
図6に示されるように、間仕切120は、正面視ロ字状に形成された枠フレーム121と、枠フレーム121の前面側上部に取付けられた電子機器としての表示装置30と、枠フレーム121の前面側下部に取付けられたフロントパネル40と、枠フレーム121の背面側に取付けられたカバー部材としてのバックパネル50A、50Bと、から主に構成され、空間構造体1の内部空間とその外側の外部空間とを仕切るようにガイドレール5に沿って配置される。
【0027】
枠フレーム121は、左右に立設される上下方向を向く縦フレーム部122a、122a及び縦フレーム部122a、122aの下部間を連結する横フレーム部122bにより正面視略上向きコ字形に形成されたベースフレーム122と、ベースフレーム122の縦フレーム部122a、122aの上部間を連結する上フレーム123と、から構成され、断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて、正面視矩形枠状に形成されている。
【0028】
尚、枠フレーム121は断面視四角筒状をなす金属製の管状部材にて形成されているが、断面視円筒形状をなす管状部材にて形成されていてもよいし、柱状部材にて形成されていてもよい。また、材質も金属材に限定されるものではなく、合成樹脂材であってもよい。
【0029】
また、左右の縦フレーム部122a、122aの上部間には、上横架部材124Aが架渡されているとともに、左右の縦フレーム部122a、122aにおける上横架部材124Aの下方位置には、下横架部材124Bが架渡されている。このように、縦フレーム部122a、122a間に複数の上横架部材124A及び下横架部材124Bが設けられていることで、枠フレーム121の強度が確保される。
【0030】
上横架部材124A及び下横架部材124Bは、四角筒状の金属管により構成されており(
図8参照)、図示しない連結金具及びネジを介して、左右の縦フレーム部122a、122aの内面に左右端部が固定されている。尚、左右端部は溶接等により縦フレーム部122a、122aの内面に固定されていてもよい。また、上横架部材124A及び下横架部材124Bは金属材にて形成されているが、合成樹樹脂材にて形成されていてもよい。
【0031】
また、上横架部材124A及び下横架部材124B各々の背面左右側には係止ピン62が突設・固定されており、バックパネル50Aを係止することができるようになっている。
【0032】
上横架部材124Aと下横架部材124Bとは互いに上下に離間して横設されており、上横架部材124Aと下横架部材124Bとには、上下方向に延びる縦連結部材70a、70bが互いに左右に離間して架設されている。詳しくは、縦連結部材70a、70bの上端は、上横架部材124Aに吊支された状態でネジ71aにより固定され、縦連結部材70a、70bの下端は、下横架部材124B上に載置された状態でネジ71bにより固定されている(
図8参照)。
【0033】
また、縦連結部材70a、70bには、各々3個以上の取付孔72、72・・が上下方向に向けて列設されており(
図8参照)、そのうち所定個(例えば、2個)の取付孔72、72に後側からネジ73、73を取付けて、表示装置30の背面に設けられたネジ孔31(
図6参照)に螺入することで、表示装置30を枠フレーム121の前面側上部に固定できるようになっている。尚、取付孔72、72・・の位置を変更することで表示装置30の高さ位置を上下方向に調整することができる。
【0034】
図6に示されるように、フロントパネル40は、薄肉の金属板により正面視四角形状に形成され、枠フレーム121内の下部、詳しくは、下横架部材124Bと、左右の縦フレーム部122a、122aと、横フレーム部122bとにより囲まれた領域を被覆可能とされている(尚、フロントパネル40の下部と横フレーム部122bの上部との間には小さな隙間が設けられている。
図5(a)参照)。
【0035】
フロントパネル40の左右辺には、後向片42が後向きに屈曲形成されているとともに、後向片42の後辺には、内向片43が内向きに屈曲形成されていることで、前面の強度が高められている。また、左右の内向片43各々の上部及び下部にはダルマ孔44が形成されている。
【0036】
左右の縦フレーム部122a、122a各々の内面における下横架部材124Bの下方には、係止金具60が内方を向いて上下に取付けられている。各係止金具60の前面側には係止ピン61が取付けられており(
図6の拡大図参照)、ダルマ孔44を係止ピン61に係止することで、フロントパネル40を枠フレーム121の前面側から取付けできるようになっている。また、フロントパネル40は、枠フレーム121に取付けた状態において左右の縦フレーム部122a、122aの対向面間に嵌合され、前面が縦フレーム部122a、122aの前面と略面一になる(
図8参照)。
【0037】
次に、カバー部材としてのバックパネル50A、50Bについて、
図7~
図9に基づいて説明する。尚、バックパネル50A、50Bは、上下寸法が異なるだけで他の構造は同一であるため、以下においては、上方のバックパネル50Aについて説明し、下方のバックパネル50Bの説明は省略する。
【0038】
図7(a)、(b)に示されるように、バックパネル50Aは、左右一対の取付部51、51と、該取付部51、51に架設して取付けられるパネル部52と、から構成されており、取付部51、51とパネル部52とは、1枚の鉄板を折り曲げ加工することにより一体に形成されている。
【0039】
取付部51、51は、上横架部材124A及び下横架部材124Bの背面に当接する取付片51aと、取付片51aの外辺から後内向きに屈曲する傾斜片51bと、取付片51aの内辺から後内向きに屈曲する補強片51cと、から構成されており、左右の取付部51、51の傾斜片51b、51bがパネル部52により連結されている。また、
図7(b)に示されるように、傾斜片51bと取付片51aとの内角θは約45度となっており、バックパネル50Aの左右側に、後方に向けて内側に傾斜する傾斜面が形成されている。
【0040】
取付片51aの上部及び下部にはダルマ孔53、53が形成されており、上横架部材124A及び下横架部材124B各々の背面左右端側に突設された係止ピン62にダルマ孔53、53を背面側から係止することで、左右の縦フレーム部122a、122aより背面側にバックパネル50Aを取付けできるようになっている。
【0041】
尚、バックパネル50Bの場合は、
図6に示されるように、取付片51aの上部及び下部にダルマ孔54、54が形成されており、係止金具60各々の背面に突設・固定された係止ピン63にダルマ孔54、54を背面側から係止することで、左右の縦フレーム部122a、122aより背面側にバックパネル50Bを取付けできるようになっている。
【0042】
このように、上横架部材124A及び下横架部材124Bの係止ピン62にダルマ孔53を係止してバックパネル50Aを取付けるとともに、係止金具60の係止ピン63にダルマ孔54を係止してバックパネル50Bを取付けることで、
図8及び
図9に示されるように、左右の縦フレーム部122a、122aと、該縦フレーム部122a、122aから背面側に張り出すバックパネル50A、50Bとにより、電子機器としての表示装置30から延出される配線C1等を収容可能な収容空間S1、S2が形成される。
【0043】
詳しくは、収容空間は、上横架部材124A、下横架部材124B及び縦フレーム部122a、122aにより囲まれる収容空間S1と、収容空間S1に連通し該収容空間S1の背面側にてバックパネル50Aにより覆われる収容空間S2と、下横架部材124B、縦フレーム部122a、122a及び横フレーム部122bにより囲まれる収容空間S3と、収容空間S2に連通し該収容空間S2の下方にてバックパネル50Bにより覆われる収容空間S4と、から構成される。
【0044】
つまり、左右の縦フレーム部122a、122aの間には、前後寸法L20を有する収容空間S1が形成されているとともに、左右の縦フレーム部122a、122aの背面側に張り出すようにバックパネル50A、50Bを設け、収容空間S1の背面側に、前後寸法L20より長寸の前後寸法L30を有する収容空間S2を連通させることで、前後寸法が大きい収容空間S1、S2が表示装置30の背面側に確保される。よって、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20を長寸とすることなく、表示装置30から延出される配線C1を広い収容空間S1、S2に収容することができる。
【0045】
さらに、収容空間S2の下方に、前後寸法L30を有する収容空間S4を連通させることで、前後寸法が大きい収容空間S3、S4を表示装置30の下方にも確保することができる。よって、表示装置30から延出される配線C1を広い収容空間S3、S4に収容し、床面まで見栄え良く配線することができる。
【0046】
左右の縦フレーム部122a、122a間における下横架部材124Bの下方には、左右方向に延びる配線ダクト80が横設されている。配線ダクト80は、
図8及び
図9に示されるように、金属板を折り曲げ加工することにより形成されている。詳しくは、左右方向に向けて略水平に延びる載置片80aと、載置片80aの前辺から下向きに屈曲する下向片80bと、載置片80aの後辺から上向きに屈曲する上向片80cと、下向片80bの左右側から後向きに屈曲する取付片80dと、から構成され、取付片80dの上下に内側から取付けたネジ81、81を左右の縦フレーム部122a、122aの内面に螺入することで縦フレーム部122a、122aに固定されている。
【0047】
載置片80aは、フロントパネル40の背面側に略水平に設けられており、上方の収容空間S2から引き回された配線C1やOAタップ83などを上面に載置できるようになっている。よって、余剰の配線C1やOAタップ83などを床面に載置することなく、収容空間S3、S4内に見栄え良く収容しておくことができる。また、
図9(a)に示されるように、載置片80aの左右端はバックパネル50Aから離間しているため、載置片80aとバックパネル50Aとの間の隙間からOAタップ83の配線C2などを下方に引き出すことができるようになっている。
【0048】
さらに、載置片80aの左右方向の中央位置には配線用孔84が形成されているため、OAタップ83の配線C2などを配線用孔84から下方に引き出すこともできる。また、上向片80cにより載置片80aからの配線C1やOAタップ83の落下が防止されている。
【0049】
また、これらバックパネル50A、50Bは、係止ピン62、63にダルマ孔53、54を係止することで取付けできるようになっているため、上方のバックパネル50Aのみを上方に引き上げることで表示装置30の背面側を開放することができるとともに、さらに下方のバックパネル50Bを上方に引き出すことで、フロントパネル40の背面側を開放することができるため、収容空間S1、S2に収容された配線C1等の接続、配線作業や表示装置30のメンテナンス作業等と、収容空間S3、S4に収容された配線C1、C2等の接続、配線作業と個別に容易に行うことができる。
【0050】
尚、
図10に示されるように、間仕切20については、特に詳細な説明はしないが、間仕切120の表示装置30よりもサイズが小さい表示装置30Aが取付けられているとともに、その背面側には、左右の縦フレーム部122a、122aから背面側に張り出すカバー部材としてのバックパネル50Cが取付けられ、表示装置30Aから延出される配線等を収容可能な収容空間S1、S2(
図8、
図9参照)が形成されている。
【0051】
以上説明したように、本発明の実施例1としての間仕切120にあっては、左右に立設される縦フレーム部122a、122aの背面側に張り出し、左右の縦フレーム部122a、122aとともに収容空間S1、S2を形成するバックパネル50Aを備えていることで、縦フレーム部122a、122aの収容空間S1の背面側に、さらにバックパネル50Aが構成する収容空間S2を連通させて、正面側に取付けた表示装置30の背面側に大きな収容空間S1、S2を確保できるとともに、縦フレーム部122a、122aの収容空間S3の背面側に、さらにバックパネル50Bが構成する収容空間S4を連通させて、正面側に取付けた表示装置30の背面側に大きな収容空間S3、S4を確保できるため、縦フレーム部122a、122a自体の前後寸法L20を小さくでき、縦フレーム部122a、122aによる圧迫感を低減することができる。
【0052】
つまり、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20を広げて収容空間を形成する場合、枠フレーム121全体の前後寸法L20が大きくなり圧迫感が生じるだけでなく、間仕切120の荷重が増大してしまうが、本実施例1の間仕切120は、縦フレーム部122a、122aから背面側に張り出すバックパネル50A、50Bによって、少なくとも表示装置30やフロントパネル40の背面側に前後寸法が広い収容空間を容易に形成することができるため、空間に圧迫感を与えることなく仕切ることができる。
【0053】
また、バックパネル50A、50Bの左右両側部には、張り出し方向に傾斜する傾斜片51b、51bの外面により傾斜面が形成されていることで、
図9(b)に示されるように、間仕切120の斜め前側から背面側を視認したときにバックパネル50A、50Bが見えにくくなるため、圧迫感を低減できる。
【0054】
また、バックパネル50A、50Bは、左右一対の取付部51と、該取付部51に架設して取付けられるパネル部52と、から構成されていることで、バックパネル50A、50Bの上横架部材124A及び下横架部材124Bへの取付作業を容易に行うことができる。
【0055】
また、左右の縦フレーム部122a、122aには、上下に離間して複数の横架部材である上横架部材124A及び下横架部材124Bが横設され、これら上横架部材124A及び下横架部材124Bに取付部51、51の取付片51aが固定されていることで、縦フレーム部122a、122aへの加工を少なくできるため、枠フレーム121の強度を確保できる。
前記実施例1の間仕切120におけるカバー部材としてのバックパネル50A、50Bは、バックパネル50A、50Bを構成する取付部51及びパネル部52が1枚の鉄板を折り曲げ加工することにより一体に成形されている形態を例示したが、本実施例2の間仕切220におけるカバー部材としてのバックパネル150は、左右一対の取付部を構成する取付部材151、151と、該取付部材151、151に架設して取付けられる上下のパネル部を構成するパネル部材152A、152Bと、から構成されており、取付部材151、151とパネル部材152A、152Bとが異なる部材により別個に形成されている。
取付部材151、151は、上横架部材124Aからフロントパネル40の下端まで延設されており、上下のパネル部材152A、152Bに共通の取付部材とされているが、各パネル部材152A、152B各々に対応して上下に分割して形成されていてもよい。また、外片151dと内片151eと傾斜片151bとにより、内向きに開口する凹溝151fが上下方向に向けて延設されており、パネル部材152A、152Bの左右両端部を差し込み可能とされている。
以上説明したように、本発明の実施例2としての間仕切220にあっては、左右に立設される縦フレーム部122a、122aの背面側に張り出し、左右の縦フレーム部122a、122aとともに収容空間S1、S2を形成するカバー部材としてのバックパネル150を備えていることで、縦フレーム部122a、122aの収容空間S1の背面側に、さらにバックパネル150が構成する収容空間S2を連通させて、正面側に取付けた表示装置30の背面側に大きな収容空間S1、S2を確保できるとともに、縦フレーム部122a、122aの収容空間S3の背面側に、さらにバックパネル150が構成する収容空間S4を連通させて、正面側に取付けたフロントパネル40の背面側に大きな収容空間S3、S4を確保できるため、縦フレーム部122a、122a自体の前後寸法L20を小さくでき、縦フレーム部122a、122aによる圧迫感を低減することができる。
つまり、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20を広げて収容空間を形成する場合、枠フレーム121全体の前後寸法L20が大きくなり圧迫感が生じるだけでなく、間仕切220の荷重が増大してしまうが、本実施例2の間仕切220は、縦フレーム部122a、122aから背面側に張り出すバックパネル150によって、少なくとも表示装置30やフロントパネル40の背面側に前後寸法が広い収容空間S1~S4を容易に形成することができるため、空間に圧迫感を与えることなく仕切ることができる。
また、バックパネル150は、左右一対の取付部材151、151と、該取付部材151、151に架設して取付けられるパネル部材152A、152Bと、から構成されていることで、バックパネル150の上横架部材124A及び下横架部材124Bへの取付作業を容易に行うことができる。
また、左右の縦フレーム部122a、122aには、上下に離間して複数の横架部材である上横架部材124A及び下横架部材124Bが横設され、これら上横架部材124A及び下横架部材124Bに取付部材151、151の取付片151aが固定されていることで、縦フレーム部122a、122aへの加工を少なくできるため、枠フレーム121の強度を確保できる。
また、パネル部材152A、152Bは、左右一対の取付部材151、151の対向部にそれぞれ上下方向に延設された凹溝151f、151fに対して上下方向から嵌合して取付けられていることで、パネル部材152A、152Bを上方にスライド移動させることで表示装置30の背面側にアクセスできるため、メンテナンス作業が容易となる。尚、本実施例2ではパネル部材152A、152Bは、左右一対の取付部材151、151に上方向にスライド移動させることで取外し可能とされていたが、背面側に抜き出しすることで取外し可能とされていてもよい。
また、取付部材151、151に対して、複数のパネル部材152A、152Bが分割して上下に並べて取付けられていることで、パネル部材152A、152Bが上下に短寸となることで着脱が容易となる。また、上下の収容空間S1、S2と収容空間S3、S4とを個別に開放することができるため、1枚の大きいパネル部材を上方に引き出すことなく、配線やメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、縦フレーム部122a、122aの左右内端とバックパネル50A、150の左右外端とが左右方向の同位置に配置されていることで、間仕切120、220の圧迫感を低減しつつ、内部の収容空間S1、S2を左右方向に広く確保することができる。
また、上横架部材124Aと下横架部材124Bの前後寸法L21は、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20よりも僅かに短く(狭く)形成され、バックパネル50A、150の取付片51a、151aが上横架部材124A及び下横架部材124Bの背面に取付けられた状態において、取付片51a、151aの背面と縦フレーム部122a、122aの背面とが前後方向の同位置に配置されるようになっている。このようにすることで、縦フレーム部122a、122aの背面とバックパネル50A、150の傾斜片51b、151bの背面とが段差がない状態で平面視略「く」の字で連なるため、圧迫感が低減される。さらに、バックパネル50A、150は、上横架部材124A、下横架部材124Bの背面に当接するとともに、縦フレーム部122a、122aの左右内端が左右側に配置されることで、左右方向への位置ずれが規制される。
また、取付片51a、151aに対し傾斜片51b、151bが鋭角に屈曲していることで、取付片51a、151aから約90度の角度で後向きに屈曲する後向片(図示略)を介して傾斜片51b、151bが形成されている場合に比べて、上横架部材124A及び下横架部材124Bの前後寸法L21を短寸にすることなく、取付片51a、151aの背面と縦フレーム部122a、122aの背面とを前後方向の同位置に配置できるため、上横架部材124A及び下横架部材124Bの強度を確保しつつ、圧迫感を低減することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における追加や変更があっても、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例1、2では、間仕切20、120、220は、正面視矩形枠状の枠フレーム121にて構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも左右に立設される縦フレーム部122a、122aを有していれば、必ずしも枠状のフレームを有していなくてもよい。
また、前記実施例1では、縦フレームの背面側に張り出すカバー部材として、表示装置30の背面側を覆うバックパネル50Aと、フロントパネル40の背面側を覆うバックパネル50Bを適用し、前記実施例2では、縦フレームの背面側に張り出すカバー部材として、表示装置30及びフロントパネル40の背面側を覆うバックパネル150を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも縦フレーム部122a、122aの前面側に取付けた面状電子機器(例えば、液晶表示器やLEDパネルなどの表示装置やモニター、LEDライトなどの面状発光装置、デジタルホワイドボードなど)の背面側から延出される配線や端子等を被覆可能に設けられていれば、必ずしもフロントパネル40の背面側を被覆可能に設けられていなくてもよい。
また、前記実施例1、2では、傾斜片51b、151bと取付片51a、151aとの内角θは約45度となっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記内角θは45度に限らず、例えば、圧迫感を好適に軽減するには、30~60度の範囲の所定の角度とすることが好ましい。
また、前記実施例1、2では、カバー部材としてのバックパネル50A、50B、50C、150は、傾斜片51b、151bを有する取付部51、取付部材151と、平板状のパネル部52、パネル部材152A、152Bとから平面視略山型に形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも傾斜片51b、151bを有していなくてもよく、左右側辺は、取付片51a、151aに対し直交する後向片にて構成されていてもよい。
また、取付部は少なくとも取付片51aを有していればよく、傾斜片51bはパネル部52の一部として構成されていてもよい。また、カバー部材の形状は任意であり、例えば、パネル部が平面視略湾曲状に形成されていてもよい。
また、前記実施例1、2では、カバー部材としてのバックパネル50A、50B、50C、150の前後寸法L30は、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20よりも長寸とされる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも縦フレーム部122a、122aから背面側に張り出すように設けられていれば張り出し寸法は任意であり、縦フレーム部122a、122aの前後寸法L20と同寸でも短寸でもよい。
また、前記実施例1、2では、カバー部材としてのバックパネル50A、50B、150は、表示装置30の背面側とフロントパネル40の背面側とが別個のパネル部52、パネル部材152A、152Bにより覆われている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示装置30の背面側とフロントパネル40の背面側とが共通のパネル部材により覆われていてもよい。
また、前記実施例1、2では、カバー部材としてのバックパネル50A、50B、150は、枠フレーム121側に突設された係止ピン61~63にダルマ孔44、53、54を係止することで縦フレーム部122a、122aの背面側に取付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ネジ、面ファスナ、係止フック等の別の取付手段により取付けられていてもよい。また、必ずしも着脱可能に取付けられていなくてもよい。さらに、上横架部材124Aと下横架部材124Bでなく、左右の縦フレーム部122a、122aに取付けられてもよい。
また、前記実施例1、2では、カバー部材としてのバックパネル50A、50Bは金属材、バックパネル150はパネル部材152A、152Bがフェルト材にて構成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、材質は任意であり、合成樹脂材など他の素材にて構成されていてもよい。また、パネル部材は必ずしも透視不能な素材にて構成されていなくてもよく、例えば、半透明なアクリルパネル等にて構成されていてもよい。
また、前記実施例1、2では、間仕切20、120、220は、左右の縦フレーム部122a、122a間に上横架部材124Aと下横架部材124Bが横設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、3本以上の横架部材が横設されていてもよい。
また、前記実施例1、2では、間仕切120、220は、上部の支持軸121a、121aがガイドレール5に支持され、下部の支持軸121b、121bが床面に載置されていることでガイドレール5に沿って移動させることが困難であるが、間仕切20のように、ガイドレール5に沿って移動可能に設けられていてもよい。