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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047387
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240329BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B08B3/02 C
B65G47/52 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152975
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】名城 瞭直
(72)【発明者】
【氏名】福井 健太
【テーマコード(参考)】
3B201
3F044
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB14
3B201BB21
3B201BB90
3B201BB92
3B201CC11
3F044AB03
3F044BA07
3F044CC01
3F044CD01
(57)【要約】
【課題】コンパクトな洗浄装置を実現する。
【解決手段】洗浄装置(1)は、洗浄部(40)に向けて個々の洗浄対象物を順次送り出す分離部(30)に対して、洗浄対象物が積み重ねられてなる対象物群(Sb)を供給する供給部(10)を備え、供給部は、コンベヤ(移動コンベヤ11)とコンベヤの外側であって搬送方向とは異なる方向に位置する垂直軸の周りにコンベヤを旋回させる旋回部(12)とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、
複数の前記洗浄対象物が積み重ねられてなる対象物群を受け入れて、前記洗浄部に向けて個々の前記洗浄対象物を順次送り出す分離部と、
前記分離部に対して前記対象物群を供給する供給部と、を備え、
前記供給部は、
前記対象物群を搬送させ得るコンベヤと、
前記コンベヤの外側であって前記コンベヤの搬送方向とは異なる方向に位置する垂直軸の周りに、前記コンベヤを旋回させる旋回部と、を有している洗浄装置。
【請求項2】
前記供給部において、前記コンベヤは、前記対象物群を受け取る第1位置と、前記対象物群を前記分離部に引き渡す第2位置との間を旋回する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記供給部は、前記コンベヤに前記対象物群が載置されていない場合に、
前記第1位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記コンベヤに載置させる、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記供給部は、前記コンベヤが前記第1位置とは異なる位置にあり、前記コンベヤに前記対象物群が載置されていない場合に、
前記コンベヤを前記第1位置に移動させ、前記第1位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記コンベヤに載置させる、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記供給部に前記対象物群を引き渡す搬送部を更に備えた、請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記供給部は、
前記第2位置で前記コンベヤを動作させて、前記コンベヤに載置された前記対象物群を前記分離部に引き渡す、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記分離部が、受け入れた前記対象物群のうちの少なくとも一部の洗浄対象物を保持しているとき、
前記供給部は、次に前記分離部に供給する前記対象物群を前記コンベヤ上に載置した状態で、前記コンベヤを前記第2位置で待機させる、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記分離部が、受け入れた前記対象物群のうちの少なくとも一部の洗浄対象物を保持しているとき、
前記供給部は、次に前記分離部に供給する前記対象物群を前記コンベヤ上に載置した状態で、前記コンベヤを前記第2位置とは異なる位置で待機させる、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記供給部は、前記分離部から前記対象物群の引渡し要求を受け取ると、
前記コンベヤを前記第2位置に移動させ、前記第2位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記分離部に引き渡す、請求項8に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記第2位置は、前記コンベヤが前記第1位置から略半周旋回した位置である、請求項2から9のいずれか1項に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のパレット等の洗浄対象物を順次に自動で洗浄し乾燥させる処理を行う洗浄装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-223991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような洗浄装置は、洗浄対象物の洗浄を行う洗浄部、洗浄済みの洗浄対象物の乾燥を行う乾燥部、更には、洗浄対象物を受け入れて洗浄部に送り出すなどの各種の前後処理を行うモジュールが並べて構成される。
【0005】
パレットや通い箱、買い物かご等、一般に積み重ねられた状態で搬出入される洗浄対象物については、洗浄対象物が積み重ねられた対象物群から、洗浄対象物をひとつひとつ取り出して順次洗浄部に送り込む、いわゆる段ばらしを行うモジュール(分離部)も必要となる。また、所要の処理の終了後にも、個々の洗浄対象物を積み重ねる、いわゆる段積みを行うモジュール(集積部)も必要となることがある。そのため、特に段ばらし等を行うモジュールを備えた洗浄装置は長大になりがちであり、コンパクトに設置できる洗浄装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る洗浄装置は、洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、複数の前記洗浄対象物が積み重ねられてなる対象物群を受け入れて、前記洗浄部に向けて個々の前記洗浄対象物を順次送り出す分離部と、前記分離部に対して前記対象物群を供給する供給部と、を備え、前記供給部は、前記対象物群を搬送させ得るコンベヤと、前記コンベヤの外側であって前記コンベヤの搬送方向とは異なる方向に位置する垂直軸の周りに、前記コンベヤを旋回させる旋回部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、段ばらし機能を備えつつ、コンパクトに設置できる洗浄装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る洗浄装置の概略平面図である。
図2】本開示の実施形態に係る洗浄装置の供給部の近傍を示す斜視図である。
図3】本開示の実施形態に係る洗浄装置の、分離部の正面方向から見た主要部を示す概略図である。
図4】本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例1を説明するための図である。
図5図4に続く、本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例1を説明するための図である。
図6図5に続く、本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例1を説明するための図である。
図7】本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例2を説明するための図である。
図8図7に続く、本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例2を説明するための図である。
図9】本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例3を説明するための図である。
図10図9に続く、本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例3を説明するための図である。
図11】本開示の実施形態に係る洗浄装置の動作例4を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下に図1~11を用いて本開示の一実施形態が、詳細に説明される。実施形態に係る洗浄装置1は、複数の洗浄対象物を自動的に洗浄、乾燥する洗浄装置である。以下では、店舗等で用いられる周知の買い物かごが洗浄対象物として例示されて説明される。
【0010】
しかしながら、本開示が適用される洗浄装置が対象とする洗浄対象物は、買い物かごに限られない。例えば、搬送用のパレット、搬送用の通い箱など、積み重ねられることによってまとめて運搬できるように構成されている洗浄対象物であれば、同様に適用することが可能である。
【0011】
<洗浄装置1の構成概要>
実施形態に係る洗浄装置1は、買い物かごB(洗浄対象物)が複数積み重ねられた買い物かご群Sb(対象物群)を受け入れて、個々の買い物かごBを洗浄、乾燥する処理を行う。また、洗浄装置1は、これらの処理済の買い物かごBを、複数積み重ねられた買い物かご群Sbとして搬出できる状態にする。
【0012】
図1は、本開示の実施形態に係る洗浄装置1を示す平面図である。すなわち図1は、床面に設置される洗浄装置1を上方より見た図である。洗浄装置1は、コンベヤ群20(搬送部)、供給部10、分離部30、洗浄部40、乾燥部50、集積部60、及び、取出部70を備えている。また洗浄装置1は、不図示の制御部を備えている。
【0013】
コンベヤ群20は、床面に対して固定の固定コンベヤ21が直列に並べられて構成されている。分離部30、洗浄部40、及び、乾燥部50は、コンベヤ群20と並列に、この順に一列に並ぶように配置されている。そうして、供給部10は、コンベヤ群20から分離部30へと買い物かご群Sbを受け渡すように配置されている。また、取出部70は、集積部60からコンベヤ群20へと買い物かご群Sbを受け渡すように配置されている。分離部30から集積部60にかけては、この順に買い物かごBが搬送される。
【0014】
<コンベヤ群20>
コンベヤ群20は、買い物かご群Sbを床面と略平行に搬送するためのモジュール群である。コンベヤ群20の中央部付近には、搬入エリアA1と搬出エリアA2とが設定される。搬入エリアA1は、搬出エリアA2よりも、コンベヤ群20における下流側に位置している。
【0015】
搬入エリアA1は、作業者が固定コンベヤ21上に買い物かご群Sbを載置することによって、洗浄装置1に対して、洗浄を行う買い物かごBを引き渡すための領域である。搬入エリアA1において固定コンベヤ21上に載置された買い物かご群Sbは、直列に並べられた複数の固定コンベヤ21によって順繰りに搬送されて、供給部10に引き渡される。
【0016】
搬出エリアA2は、作業者が固定コンベヤ21上から買い物かご群Sbを取り上げることによって、洗浄装置1によって洗浄等の処理がされた買い物かごBを搬出するための領域である。取出部70から引き渡された買い物かご群Sbが、直列に並べられた複数の固定コンベヤ21によって順繰りに搬送されて、搬出エリアA2に至る。
【0017】
各固定コンベヤ21には、光電センサ等から構成される、買い物かご群Sbを検出するセンサが適宜設けられており、各センサの検出結果に基づいて各固定コンベヤ21の動作が適宜制御される。こうして、コンベヤ群20における買い物かご群Sbの搬送が実現される。
【0018】
なお、コンベヤ群20において、図1に示されるように、搬入エリアA1と搬出エリアA2との間も固定コンベヤ21が連続して配置されていてもよいが、搬入エリアA1と搬出エリアA2との間では買い物かご群Sbの搬送が行われ得ないように途切れていてもよい。また、買い物かご群Sbの固定コンベヤ21上への載置、固定コンベヤ21上からの取り上げを作業者が行うのではなく、そのような作業を行う別途の装置が更に設けられていてもよい。
【0019】
このように、外部から洗浄装置1に対して、洗浄前の買い物かごBからなる買い物かご群Sbを引き渡し、また、洗浄装置1から外部に対して、洗浄済みの買い物かごBからなる買い物かご群Sbを引き渡す機能がコンベヤ群20を用いて実現されている。そうしてコンベヤ群20は、分離部30から集積部60まで一列に並べられた洗浄装置1の主要部に対して並列に配置されている。したがって、洗浄装置1が長大化することなく、各モジュールがコンパクトに配置された洗浄装置1が実現される。
【0020】
図2も参照して、コンベヤ群20を構成する個々の固定コンベヤ21について更に説明する。図2は、洗浄装置1の供給部10近傍を示す斜視図である。図2には、分離部30とともに、コンベヤ群20の端部に位置する固定コンベヤ21の一部と、分離部30の一部も表されている。
【0021】
固定コンベヤ21は、フレーム211、無端ベルト213、一対のガイド214、一対のガイド固定具215、及び、単数または複数の光電センサ216を有している。固定コンベヤ21は、フレーム211が床面に対して移動することなく、固定で用いられるコンベヤである。コンベヤベルトとも呼称される無端ベルト213は、無端ベルト213の回転に伴って、載置された搬送物を搬送する。
【0022】
図2に表されるように、無端ベルト213の積載面が床面に近い固定コンベヤ21が適用されることで、搬入エリアA1あるいは搬出エリアA2における買い物かご群Sbの積み込み、積み下ろし作業が容易になる。なお、固定コンベヤ21には、無端ベルト213を有するベルトコンベヤに限らず、チェーンコンベヤ、ローラコンベヤが適用されてもよい。
【0023】
ガイド214は、搬送物である買い物かご群Sbの、無端ベルト213の回転による搬送に伴う移動をガイドする部材である。ガイド214は、無端ベルト213の両側に一対に設けられる。なお、コンベヤ群20において、平面視略長方形の買い物かごBの短辺に沿った方向が搬送方向となるように、買い物かご群Sbが搬送されてもよい。この場合、一対のガイド214は、当該ガイド214の高さにおける、断面平面視略長方形の買い物かごBの長辺よりもやや広い間隔で配置される。
【0024】
ガイド固定具215は、ガイド214をフレーム211に固定する部材である。光電センサ216は、光軸上の搬送物の有無を検出するセンサである。固定コンベヤ21において、光軸が無端ベルト213を跨いで搬送方向に直交するように、光電センサ216を構成する送信部と受信部とが配置される。
【0025】
<供給部10>
供給部10は、移動コンベヤ11(コンベヤ)と、旋回部12とから構成される。移動コンベヤ11は、買い物かご群Sbを載置した状態で床面上を移動できるコンベヤである。旋回部12は、垂直軸の周りを旋回するように、移動コンベヤ11を移動させる機構である。
【0026】
移動コンベヤ11は、フレーム111、複数のキャスタ112、無端ベルト113、一対のガイド114、一対のガイド固定具115、及び、単数または複数の光電センサ116を有している。キャスタ112は、フレーム111の四隅付近においてフレーム111に固定されており、移動コンベヤ11が床面上を移動することを可能にする。
【0027】
コンベヤベルトとも呼称される無端ベルト113は、無端ベルト113の回転に伴って、載置された買い物かご群Sbを搬送する。移動コンベヤ11による搬送方向における、移動コンベヤ11の長さは、平面視略長方形の買い物かごBの短辺の長さの2倍から3倍程度と、比較的短いことが適当である。移動コンベヤ11の長さは、無端ベルト113の搬送物の載置面の長さとほぼ等しい。なお、固定コンベヤ21には、無端ベルト213を有するベルトコンベヤに限らず、チェーンコンベヤ、ローラコンベヤが適用されてもよい。
【0028】
ガイド114は、搬送物である買い物かご群Sbの、無端ベルト113の回転による搬送に伴う移動をガイドする部材である。ガイド114は、無端ベルト113の両側に一対に設けられる。ガイド固定具115は、ガイド114をフレーム111に固定する部材である。光電センサ116は、光軸上の搬送物の有無を検出するセンサである。移動コンベヤ11において、光軸が無端ベルト113を跨いで搬送方向に直交するように、光電センサ116を構成する送信部と受信部とが配置される。
【0029】
旋回部12は、回転軸121、検出用カム122、複数のフォトインタラプタ123、駆動部124、及び、旋回アーム125を有している。回転軸121は、駆動部124によって駆動されて垂直軸を中心に回転する。すなわちここで垂直軸は、回転軸121の回転中心に一致する。旋回アーム125は回転軸121と、移動コンベヤ11のフレーム111とに接続されており、回転軸121の回転に伴って、移動コンベヤ11を垂直軸の周りに旋回させる。
【0030】
移動コンベヤ11と垂直軸の位置関係は次の通りである。垂直軸は移動コンベヤ11の外側であって、移動コンベヤ11から見て、移動コンベヤ11の搬送方向とは異なる方向に位置する。特に上述の通りに配置されたコンベヤ群20と、分離部30との間で買い物かご群Sbを、移動コンベヤ11の動作によって受け渡す観点から、次の関係にあることが好ましい。
【0031】
平面視において、移動コンベヤ11における搬送方向に平行である無端ベルト113の中央線が、移動コンベヤ11の各旋回位置において、垂直軸を中心とする径方向に無端ベルト113上において直交することが好ましい。あるいは、移動コンベヤ11の搬送方向に平行である無端ベルト113の中央線が、垂直軸を中心とする円にほぼ接するようにして移動コンベヤ11が旋回するように構成されていることが好ましい。
【0032】
検出用カム122は、回転軸121に取り付けられ、回転軸121と共に回転する円盤状の部材である。検出用カム122は、フォトインタラプタ123と組み合わせて、回転軸121が所定の回転位置、つまりは移動コンベヤ11が所定の旋回位置にあるか否かを検出するために用いられる。
【0033】
旋回によって、移動コンベヤ11が、コンベヤ群20における最下流の固定コンベヤ21に突き合わされるようになる位置を、第1位置と定義する。移動コンベヤ11が、第1位置に旋回した状態で、当該固定コンベヤ21と、移動コンベヤ11を動作させることで、買い物かご群Sbを当該固定コンベヤ21から移動コンベヤ11へと引き渡すことができる。少なくともフォトインタラプタ123のひとつが、移動コンベヤ11が第1位置にあることを検出可能であるように、検出用カム122は構成されている。
【0034】
また、旋回によって、移動コンベヤ11が、分離部30の中に少なくとも一部が入り込み、分離部30に対して買い物かご群Sbを引き渡すことができる位置を第2位置と定義する。第2位置における買い物かご群Sbのひき渡し動作については、後述する。少なくともフォトインタラプタ123のひとつが、移動コンベヤ11が第2位置にあることを検出可能であるように、検出用カム122は構成されている。
【0035】
移動コンベヤ11は、第1位置から第2位置までの範囲内を旋回することができる。第1位置と第2位置との間で、移動コンベヤ11が垂直軸の周りを旋回する旋回角は約180度である。すなわち第2位置は、移動コンベヤ11が第1位置から略半周旋回した位置である。
【0036】
供給部10は、以上のような構成を備えることで、コンパクトでありながら上述のように配置されたコンベヤ群20と分離部30との間の経路方向を180度転換する搬送が実現できる。例えば、コンベヤ群20と分離部30との間の搬送を例えば曲線コンベヤで行う場合には、コンベヤ上で買い物かご群Sbが転回していく必要があり、小さい曲率半径を実現することは容易ではない。よって、コンベヤ群20と分離部30との間の搬送経路が大型化してしまう問題がある。
【0037】
また供給部10によれば、移動コンベヤ11の移動の制御も、旋回部12による移動コンベヤ11の旋回角度のみで行うことできるためシンプルにできるメリットがある。
【0038】
<分離部30(段ばらしモジュール)>
図3も参照して、分離部30の構成について説明する。図3は、分離部30の主要部を示す正面図である。分離部30は、買い物かご群Sbを供給部10から受け入れて、買い物かごBをひとつずつ洗浄部40に向けて順次引き渡すモジュールである。分離部30が行う作業は、一般に段ばらしとも称される。
【0039】
分離部30は、フレーム31、フォーク32、フォーク昇降機構33、レール34、走行車35、及び、把持部36を有している。フォーク32は、第2位置にある移動コンベヤ11から買い物かご群Sbを掬う器具である。フォーク32は買い物かご群Sbにおける最下段の買い物かごBの、開口部周囲の鍔部に3方向で係合し、買い物かご群Sbを掬うことができる。フォーク32が移動コンベヤ11から買い物かご群Sbを掬う位置に、供給部10によって買い物かご群Sbが搬送されることで、供給部10からの受け渡しが実行される。
【0040】
フォーク32は、平面視において、第2位置にある移動コンベヤ11の無端ベルト113上であって、移動コンベヤ11の搬送方向について下流寄りの位置に配置される。フォーク昇降機構33はフォーク32を昇降させることで、フォーク32が買い物かご群Sbを掬い上げることを可能とするとともに、掬い上げた買い物かご群Sbを昇降させることを可能とするための機構である。
【0041】
走行車35が走行するレール34が、フレーム31の上部付近に水平に設置される。走行車35には、昇降可能に把持部36が懸下されている。把持部36は、買い物かご群Sbの最上段の買い物かごBを取り上げて保持することができる。分離部30による段晴らし作業は以下のように行われる。
【0042】
フォーク昇降機構33によって、フォーク32が上昇して移動コンベヤ11から買い物かご群Sbを掬い上げるとともに、買い物かご群Sbの高さに応じて、適宜の高さまでフォーク32が上昇させられる。フォーク32の上方に移動した走行車35から、走行車35に懸下された把持部36が下降する。把持部36は、買い物かご群Sb最上段の買い物かごBに達すると、当該買い物かごBを把持する。
【0043】
買い物かごBを把持した把持部36が所定位置まで上昇する。その後、買い物かごBを把持した把持部36とともに、走行車35が水平移動する。次に把持部36が適宜下降し、買い物かごBを解放して、買い物かごBを洗浄部40内部へと搬送させる不図示のコンベヤ等の搬送機構に買い物かごBを引き渡す。把持部36による買い物かご群Sb最上段の買い物かごBの把持と、搬送機構への買い物かごBの引き渡しが繰り返され、洗浄部に対して個々の買い物かごBが順次送り込まれる。
【0044】
<洗浄部40、乾燥部50>
洗浄部40は、洗浄液を用いて買い物かごBを洗浄するモジュールである。洗浄部40における洗浄には高圧洗浄が適用されてもよい。乾燥部50は、洗浄部40で洗浄された買い物かごBからの液体の除去を行うモジュールである。乾燥部50における乾燥は、買い物かごBへの気体のブローによって実行されてもよい。
【0045】
<集積部60(段積みモジュール)、取出部70>
集積部60は、乾燥部50から順次送り込まれる買い物かごBを受け入れて積み重ね、買い物かご群Sbとして取出部70に引き渡すモジュールである。集積部60が行う作業は、一般に段積みとも称される。集積部60は、分離部30と同様のモジュール構成であって、分離部30とは動作を逆に行うものであってよい。
【0046】
取出部70は、移動コンベヤ71と、旋回部72とから構成される。移動コンベヤ71は、供給部10の移動コンベヤ11と同様の構成であり、旋回部72は、供給部10の旋回部12と同様の構成であってよい。取出部70は、集積部60から買い物かご群Sbを受け取り、コンベヤ群20の最上流の固定コンベヤ21へと買い物かご群Sbを受け渡す動作を行う。
【0047】
<制御部>
制御部は、洗浄装置1の各部を制御する機能ブロックである。制御部を実現するためのハードウェアとして、洗浄装置1は、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。
【0048】
制御部はコンピュータと、洗浄装置1の各部を制御するようにコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。プログラムは記憶装置に記憶されていてもよい。制御部は、物理的に一体の筐体に収められたコンピュータで実現されてもよいが、複数のコンピュータによって実現されていてもよい。またこのようなコンピュータとして、プログラミングロジックコントローラ(PLC)と呼ばれる産業用の装置が適用されてもよい。
【0049】
<洗浄装置1の動作例について>
図4から図10は、供給部10による買い物かご群Sbの、固定コンベヤ21あるいは分離部30との受け渡し動作を説明するための模式的に描かれた平面図である。以下に、実施形態に係る洗浄装置1が実行する、これらに関する特徴的な動作の事例を、動作例1から動作例4として説明する。
【0050】
図4から図10の各図には、コンベヤ群20における最下流付近の固定コンベヤ21、供給部10の移動コンベヤ11、分離部30が模式的に描かれている。また、移動コンベヤ11の旋回の中心軸である垂直軸12Cが黒点で、移動コンベヤ11が旋回する範囲が破線の円弧で模式的に示されている。
【0051】
コンベヤ群20において搬送方向に沿って複数設置された光電センサ216の光軸位置が、一点鎖線で示されている。最下流の固定コンベヤ21の下流側の端部付近には光電センサ216が設置されており、その光軸位置が検出位置21Pとして示されている。また移動コンベヤ11に設置された光電センサ116の光軸位置が、一点鎖線で検出位置11Pとして示されている。検出位置11Pは、移動コンベヤ11の受け入れ側の端部から、搬出方向に買い物かごB一台分よりもやや手前の位置である。
【0052】
分離部30に設置された光電センサの光軸位置が、一点鎖線で検出位置30Pとして示されている。検出位置30Pは、買い物かご群Sbを受け入れるフォーク32の最奥位置に該当する、すなわち、フォーク32に十分把持される位置に買い物かご群Sbがあるか否かを、検出位置30Pの光電センサが検出する。
【0053】
実施形態に係る洗浄装置1は、以下の動作例1から4の少なくとも何れかを実行することにより、分離部30に適時に買い物かご群Sbを供給することができる。分離部30から洗浄部40等に送り込まれる買い物かごBが途切れることが抑制されるため、洗浄装置1は、買い物かごBに対する処理を効率的に実行することができるようになる。
【0054】
<動作例1>
ステップF10(図4):ステップF10は、動作例1の初期状態である。検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出され、最下流の固定コンベヤ21(以下、固定コンベヤ21とのみ記載)の下流側の端部に買い物かご群Sbが載置されている状態である。このとき固定コンベヤ21は動作していない。つまり、無端ベルト213が回転していない。検出位置11Pで買い物かご群Sbは検出されず、移動コンベヤ11上に買い物かご群Sbが乗っていない状態である。旋回範囲における移動コンベヤ11の旋回位置は任意である。
【0055】
検出位置30Pで買い物かご群Sbは検出されず、分離部30に買い物かご群Sbがセットされていない状態である。動作例1では、初期状態で分離部30に買い物かご群Sbがセットされていないため、制御部は、分離部30への買い物かご群Sbの供給動作を行うことを決定する。
【0056】
ステップF11(図4):制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第1位置方向に旋回させる。
【0057】
ステップF12(図4):移動コンベヤ11が第1位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。
【0058】
ステップF13(図5):制御部は、固定コンベヤ21を制御して、固定コンベヤ21を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト213を回転させる)。また制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト113を回転させる)。すると、買い物かご群Sbが固定コンベヤ21から移動コンベヤ11へと引き渡される。
【0059】
ステップF14(図5):買い物かご群Sbが検出位置11Pに達したことが検出されると、制御部は固定コンベヤ21及び移動コンベヤ11の動作を停止させる。すると、買い物かご群Sbが、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向後方領域に乗った状態となる。
【0060】
ステップF15(図5):次に制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第2位置方向に旋回させる。
【0061】
ステップF16(図5):移動コンベヤ11が第2位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。
【0062】
ステップF17(図6):制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト113を回転させる)。すると、買い物かご群Sbが移動コンベヤ11上において搬送され、分離部30のフォーク32の方向に移動する。
【0063】
ステップF18(図6):買い物かご群Sbが検出位置30Pに達したことが検出されると、制御部は移動コンベヤ11の動作を停止させる。すると、買い物かご群Sbが、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向前方領域に乗った状態となる。このとき、買い物かご群Sbがフォーク32の奥にまで十分に差し込まれた状態となり、買い物かご群Sbが供給部10から分離部30に引き渡されたこととなる。分離部30が、買い物かご群Sbの段ばらし作業を実行できる状態となる。
【0064】
<動作例2>
ステップF20(図7):ステップF20は、動作例2の初期状態である。検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出され、固定コンベヤ21の下流側の端部に買い物かご群Sbが載置されている状態である。このとき固定コンベヤ21は動作していない。つまり、無端ベルト213が回転していない。
【0065】
なお、動作例2では、初期状態において検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出されなくてもかまわない。検出位置11Pで買い物かご群Sbが検出され、買い物かご群Sbは、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向後方領域に乗った状態である。旋回範囲における移動コンベヤ11の旋回位置は任意である。
【0066】
検出位置30Pで買い物かご群Sbは検出されず、分離部30に買い物かご群Sbがセットされていない状態である。動作例2では、初期状態で分離部30に買い物かご群Sbがセットされていないため、制御部は、分離部30への買い物かご群Sbの供給動作を行うことを決定する。
【0067】
ステップF21(図7):移動コンベヤ11上に買い物かご群Sbが乗っている状態であるため、制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第2位置方向に旋回させる。
【0068】
ステップF22(図7):移動コンベヤ11が第2位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。なお、動作例2におけるステップF22からステップF24における各動作は、動作例1におけるステップF16からステップF18における各動作と同様である。
【0069】
ステップF23(図8):制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト113を回転させる)。すると、買い物かご群Sbが移動コンベヤ11上において搬送され、分離部30のフォーク32の方向に移動する。
【0070】
ステップF24(図8):買い物かご群Sbが検出位置30Pに達したことが検出されると、制御部は移動コンベヤ11の動作を停止させる。すると、買い物かご群Sbが、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向前方領域に乗った状態となる。このとき、買い物かご群Sbがフォーク32の奥にまで十分に差し込まれた状態となり、買い物かご群Sbが供給部10から分離部30に引き渡されたこととなる。分離部30が、買い物かご群Sbの段ばらし作業を実行できる状態となる。
【0071】
<動作例3>
ステップF30(図9):ステップF30は、動作例3の初期状態である。検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出され、固定コンベヤ21の下流側の端部に買い物かご群Sbが載置されている状態である。このとき固定コンベヤ21は動作していない。つまり、無端ベルト213が回転していない。検出位置11Pで買い物かご群Sbは検出されず、移動コンベヤ11上に買い物かご群Sbが乗っていない状態である。旋回範囲における移動コンベヤ11の旋回位置は任意である。
【0072】
検出位置30Pで買い物かご群Sが検出され、分離部30に買い物かご群Sbがセットされている状態である。動作例3では、初期状態で分離部30に買い物かご群Sbがセットされており、制御部は、分離部30への買い物かご群Sbの供給を行うための待機位置まで買い物かご群Sbを移動させことを決定する。
【0073】
ステップF31(図9):制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第1位置方向に旋回させる。なお、動作例3におけるステップF31からステップF36における各動作は、動作例1におけるステップF11からステップF16における各動作と同様である。
【0074】
ステップF32(図9):移動コンベヤ11が第1位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。
【0075】
ステップF33(図10):制御部は、固定コンベヤ21を制御して、固定コンベヤ21を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト213を回転させる)。また制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせる(無端ベルト113を回転させる)。すると、買い物かご群Sbが固定コンベヤ21から移動コンベヤ11へと引き渡される。
【0076】
ステップF34(図10):買い物かご群Sbが検出位置11Pに達したことが検出されると、制御部は固定コンベヤ21及び移動コンベヤ11の動作を停止させる。すると、買い物かご群Sbが、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向後方領域に乗った状態となる。
【0077】
ステップF35(図10):次に制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第2位置方向に旋回させる。
【0078】
ステップF36(図10):移動コンベヤ11が第2位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。このとき、分離部30のフォーク32に把持されている買い物かご群Sbは、第2位置にある移動コンベヤ11の搬送方向前方領域に位置しているため、移動コンベヤ11によって移送されてきた買い物かご群Sbと干渉することはない。
【0079】
その後制御部は、買い物かご群Sbを積載した移動コンベヤ11を、買い物かご群Sbを直ちに分離部30に引き渡すことが可能な第2位置で待機させる。更に制御部は、検出位置30Pで買い物かご群Sbが検出されなくなると、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせて、分離部30に買い物かご群Sbを引き渡させる。この場合の動作は、動作例1のステップF17からステップF18と同様である。なお、分離部30に設置された光電センサからの買い物かご群Sbが検出されなくなった旨の通知は、分離部30から制御部への、買い物かご群Sbの引き渡し要求とみなすことができる。
【0080】
<動作例4>
ステップF40(図11):ステップF40は、動作例4の初期状態である。検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出され、固定コンベヤ21の下流側の端部に買い物かご群Sbが載置されている状態である。このとき固定コンベヤ21は動作していない。つまり、無端ベルト213が回転していない。
【0081】
なお、動作例4では、初期状態において検出位置21Pで買い物かご群Sbが検出されなくてもかまわない。検出位置11Pで買い物かご群Sbが検出され、買い物かご群Sbは、移動コンベヤ11の無端ベルト113の搬送方向後方領域に乗った状態である。旋回範囲における移動コンベヤ11の旋回位置は任意である。
【0082】
検出位置30Pで買い物かご群Sが検出され、分離部30に買い物かご群Sbがセットされている状態である。動作例4では、初期状態で分離部30に買い物かご群Sbがセットされており、制御部は、分離部30への買い物かご群Sbの供給を行うための待機位置まで買い物かご群Sbを移動させことを決定する。
【0083】
ステップF41(図11):移動コンベヤ11上に買い物かご群Sbが乗っている状態であるため、制御部は、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を第2位置方向に旋回させる。
【0084】
ステップF42(図11):移動コンベヤ11が第2位置に達すると、フォトインタラプタ123によってそのことが検出され、制御部は移動コンベヤ11の旋回を停止させる。このとき、分離部30のフォーク32に把持されている買い物かご群Sbは、第2位置にある移動コンベヤ11の搬送方向前方領域に位置しているため、移動コンベヤ11によって移送されてきた買い物かご群Sbと干渉することはない。
【0085】
その後制御部は、買い物かご群Sbを積載した移動コンベヤ11を、買い物かご群Sbを直ちに分離部30に引き渡すことが可能な第2位置で待機させる。更に制御部は、検出位置30Pで買い物かご群Sbが検出されなくなると、供給部10を制御して、移動コンベヤ11を動作させて搬送を行わせて、分離部30に買い物かご群Sbを引き渡させる。この場合の動作は、動作例1のステップF17からステップF18と同様である。
【0086】
<変形例>
買い物かご群Sbを載置した移動コンベヤ11の、買い物かご群Sbを分離部30に引き渡す前の待機位置は、動作例3及び動作例4においては、第2位置であった。しかし待機位置は第2位置に限られない。例えば、第1位置と第2位置の間の旋回位置であってもよい。
【0087】
〔まとめ〕
本開示の態様1の洗浄装置は、洗浄対象物を洗浄する洗浄部と、複数の前記洗浄対象物が積み重ねられてなる対象物群を受け入れて、前記洗浄部に向けて個々の前記洗浄対象物を順次送り出す分離部と、前記分離部に対して前記対象物群を供給する供給部と、を備え、前記供給部は、前記対象物群を搬送させ得るコンベヤと、前記コンベヤの外側であって前記コンベヤの搬送方向とは異なる方向に位置する垂直軸の周りに、前記コンベヤを旋回させる旋回部と、を有している。
【0088】
上記態様によれば、段ばらし機能を備えつつ、コンパクトに設置できる洗浄装置が実現できる。
【0089】
本開示の態様2の洗浄装置は、上記態様1において、前記供給部において、前記コンベヤは、前記対象物群を受け取る第1位置と、前記対象物群を前記分離部に引き渡す第2位置との間を旋回することを特徴とする。上記態様によれば、分離部に対して対象物群を効率的に供給できる洗浄装置が実現できる。
【0090】
本開示の態様3の洗浄装置は、上記態様2において、前記供給部は、前記コンベヤに前記対象物群が載置されていない場合に前記第1位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記コンベヤに載置させることを特徴とする。上記態様によれば、旋回する移動式のコンベヤに対して対象物群を移載させることができる。
【0091】
本開示の態様4の洗浄装置は、上記態様2または3において、前記供給部は、前記コンベヤが前記第1位置とは異なる位置にあり、前記コンベヤに前記対象物群が載置されていない場合に、前記コンベヤを前記第1位置に移動させ、前記第1位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記コンベヤに載置させることを特徴とする。上記態様によれば、旋回する移動式のコンベヤが第1位置とは異なる位置にあっても、分離部に対して対象物群を供給できる洗浄装置が実現できる。
【0092】
本開示の態様5の洗浄装置は、上記態様2から4のいずれかにおいて、前記供給部に前記対象物群を引き渡す搬送部を更に備える。上記態様によれば、旋回する移動式のコンベヤに対象物群を自動的に移載させることができる洗浄装置が実現できる。
【0093】
本開示の態様6の洗浄装置は、上記態様2から5のいずれかにおいて、前記供給部は、前記第2位置で前記コンベヤを動作させて、前記コンベヤに載置された前記対象物群を前記分離部に引き渡すことを特徴とする。上記態様によれば、旋回する移動式のコンベヤから前記分離部に対象物群を移載させることができる。
【0094】
本開示の態様7の洗浄装置は、上記態様2から6のいずれかにおいて、前記分離部が、受け入れた前記対象物群のうちの少なくとも一部の洗浄対象物を保持しているとき、前記供給部は、次に前記分離部に供給する前記対象物群を前記コンベヤ上に載置した状態で、前記コンベヤを前記第2位置で待機させることを特徴とする。上記態様によれば、分離部にセットされた対象物群が尽きたときに、直ちに対象物群を補充させることができる。
【0095】
本開示の態様8の洗浄装置は、上記態様2から6のいずれかにおいて、前記分離部が、受け入れた前記対象物群のうちの少なくとも一部の洗浄対象物を保持しているとき、前記供給部は、次に前記分離部に供給する前記対象物群を前記コンベヤ上に載置した状態で、前記コンベヤを前記第2位置とは異なる位置で待機させることを特徴とする。上記態様によれば、分離部にセットされた対象物群が尽きたときに、早期に対象物群を補充させることができる。
【0096】
本開示の態様9の洗浄装置は、上記態様8において、前記供給部は、前記分離部から前記対象物群の引渡し要求を受け取ると、前記コンベヤを前記第2位置に移動させ、前記第2位置で前記コンベヤを動作させて、前記対象物群を前記分離部に引き渡すことを特徴とする。上記態様によれば、旋回する移動式のコンベヤから前記分離部に対象物群を移載させることができる。
【0097】
本開示の態様10の洗浄装置は、上記態様2から9のいずれかにおいて、前記第2位置は、前記コンベヤが前記第1位置から略半周旋回した位置であることを特徴とする。上記態様によれば、よりコンパクトに設置できる洗浄装置が実現できる。
【0098】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 洗浄装置
10 供給部
11 移動コンベヤ(コンベヤ)
111 フレーム
112 キャスタ
113 無端ベルト
114 ガイド
115 ガイド固定具
116 光電センサ
12 旋回部
12C 垂直軸
121 回転軸
122 検出用カム
123 フォトインタラプタ
124 駆動部
125 旋回アーム
20 コンベヤ群(搬送部)
21 固定コンベヤ
211 フレーム
213 無端ベルト
214 ガイド
215 ガイド固定具
216 光電センサ
30 分離部
31 フレーム
32 フォーク
33 フォーク昇降機構
34 レール
35 走行車
36 把持部
40 洗浄部
50 乾燥部
60 集積部
70 取出部
71 移動コンベヤ
72 旋回部
A1 搬入エリア
A2 搬出エリア
B 買い物かご(洗浄対象物)
Sb 買い物かご群(対象物群)
11P、21P、30P 検出位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11