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特開2024-47389波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船
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  • 特開-波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船 図1
  • 特開-波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船 図2
  • 特開-波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船 図3
  • 特開-波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047389
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船
(51)【国際特許分類】
   B63H 1/37 20060101AFI20240329BHJP
   B63H 11/06 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B63H1/37
B63H11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022152978
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】593214501
【氏名又は名称】株式会社ナカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 富市
(57)【要約】
【課題】新たな発想、原理に基づき、波の上下動を水のジェット推進力に変えて走行することができる自走式船を容易に実現できる優れた波を利用した船用推進装置を提供すること。
【解決手段】波により上下動する揺動部1と、水深位置に配置されている水中非揺動部2との間に、相対的揺動によりピストン部3がシリンダー部4内で往復動する揺動連動ポンプ部5を設け、このシリンダー部4内でのピストン部3の往復動により生じる吐出力により船体6の後方に水が吐出されて前方への推進力が生じる構成とした波を利用した船用推進装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面に浮遊し波による水面の上下動により上下動する揺動部と、この揺動部が波により上下に揺動しても静止またはこの揺動よりも小さく揺動する水深位置に配置されている水中非揺動部との間に、
前記揺動部と前記水中非揺動部との相対的揺動によりピストン部がシリンダー部内で往復動する揺動連動ポンプ部が備えられていて、
この揺動連動ポンプ部の前記シリンダー部内での前記ピストン部の往復動により生じる吐出力により船体の後方に水が吐出されて前方への推進力が生じる、または前記シリンダー部内での前記ピストン部の往復動により生じる吸込み力により船体の前方から水が吸い込まれて前方への推進力が生じる構成とされていることを特徴とした波を利用した船用推進装置。
【請求項2】
前記揺動連動ポンプ部の前記シリンダー部内での前記ピストン部の往復動により生じる吐出力により船体の後方に水が吐出されて前方への推進力が生じる構成とされているとともに、
前記シリンダー部内での前記ピストン部の往復動により生じる吸込み力により船体の前方から水が吸い込まれて前方への推進力が生じる構成とされていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置。
【請求項3】
水面に浮遊し波により水面が上下動することで揺動する前記船体である前記揺動部またはこの船体の一部に設けられている前記揺動部と、この船体が波により上下に揺動しても静止またはこの揺動より小さく揺動する水深位置に配置されている前記水中非揺動部との間に、
前記水中非揺動部または前記揺動部に連結している前記ピストン部と、
前記揺動部または前記水中非揺動部に連結していて波により揺動する前記揺動部とともに前記ピストン部が内部で相対的に往復動することで吐出力および吸込み力が生じる前記シリンダー部と、
このシリンダー部と連通する貯水部と、
波により前記シリンダー部内で前記ピストン部が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部内の水を前記船体の後方に吐出して船体に前方への推進力を生じさせる後方吐出部、または前記シリンダー部内で前記ピストン部が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部内に外部の水を前記船体の前方から吸い込んで船体に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部と、
からなる前記揺動連動ポンプ部が備えられていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置。
【請求項4】
前記揺動連動ポンプ部は、波により前記シリンダー部内で前記ピストン部が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部内の水を前記船体の後方に吐出して船体に前方への推進力を生じさせる前記後方吐出部と、前記シリンダー部内で前記ピストン部が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部内に外部の水を前記船体の前方から吸い込んで船体に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部との双方が備えられていることを特徴とする請求項3記載の波を利用した推進装置。
【請求項5】
前記後方吐出部および前記前方吸込み部に逆流を抑制する逆止弁部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の波を利用した船用推進装置。
【請求項6】
前記揺動連動ポンプ部が複数備えられていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置。
【請求項7】
前記請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の波を利用した船用推進装置を備えた船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船または牽引船(曳航用ボート)に設け、波を利用した推進力を生じさせて、たとえば他の動力を用いずとも自走できる自走式船を実現することもできる波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、波を利用して走行する船(ボート)としては、たとえば翼のドルフィン効果を利用したウエーブパワーボート(波浪推進船)や水中グライダーに似た羽根構造物により推進力を生じさせる方式の推進装置を用いるものなどが知られている。
【0003】
しかし、いずれも推進効率、量産性、コストなどの点で実用性に優れておらず、さらなる研究・開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような現状に鑑み、従来構成とは異なる新たな発想、原理に基づき、波の上下動を水のジェット推進力に変えて走行することができる自走式船を実現できる優れた推進装置を創出するもので、燃料を要せず推進効率に優れ、製作容易で量産性に優れるなど極めて実用性に優れた画期的な波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
水面に浮遊し波による水面の上下動により上下動する揺動部1と、この揺動部1が波により上下に揺動しても静止またはこの揺動よりも小さく揺動する水深位置に配置されている水中非揺動部2との間に、前記揺動部1と前記水中非揺動部2との相対的揺動によりピストン部3がシリンダー部4内で往復動する揺動連動ポンプ部5が備えられていて、この揺動連動ポンプ部5の前記シリンダー部4内での前記ピストン部3の往復動により生じる吐出力により船体6の後方に水が吐出されて前方への推進力が生じる、または前記シリンダー部4内での前記ピストン部3の往復動により生じる吸込み力により船体6の前方から水が吸い込まれて前方への推進力が生じる構成とされていることを特徴とした波を利用した船用推進装置に係るものである。
【0007】
また前記揺動連動ポンプ部5の前記シリンダー部4内での前記ピストン部3の往復動により生じる吐出力により船体6の後方に水が吐出されて前方への推進力が生じる構成とされているとともに、前記シリンダー部4内での前記ピストン部3の往復動により生じる吸込み力により船体6の前方から水が吸い込まれて前方への推進力が生じる構成とされていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置に係るものである。
【0008】
また水面に浮遊し波により水面が上下動することで揺動する前記船体6である前記揺動部1またはこの船体6の一部に設けられている前記揺動部1と、この船体6が波により上下に揺動しても静止またはこの揺動より小さく揺動する水深位置に配置されている前記水中非揺動部2との間に、前記水中非揺動部2または前記揺動部1に連結している前記ピストン部3と、前記揺動部1または前記水中非揺動部2に連結していて波により揺動する前記揺動部1とともに前記ピストン部3が内部で相対的に往復動することで吐出力および吸込み力が生じる前記シリンダー部4と、このシリンダー部4と連通する貯水部9と、波により前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部9内の水を前記船体6の後方に吐出して船体6に前方への推進力を生じさせる後方吐出部7、または前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部9内に外部の水を前記船体6の前方から吸い込んで船体6に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部8と、からなる前記揺動連動ポンプ部5が備えられていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置に係るものである。
【0009】
また前記揺動連動ポンプ部5は、波により前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部9内の水を前記船体6の後方に吐出して船体6に前方への推進力を生じさせる前記後方吐出部7と、前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部9内に外部の水を前記船体6の前方から吸い込んで船体6に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部8との双方が備えられていることを特徴とする請求項3記載の波を利用した推進装置に係るものである。
【0010】
また前記後方吐出部7および前記前方吸込み部8に逆流を抑制する逆止弁部10が設けられていることを特徴とする請求項2記載の波を利用した船用推進装置に係るものである。
【0011】
また前記揺動連動ポンプ部5が複数備えられていることを特徴とする請求項1記載の波を利用した船用推進装置に係るものである。
【0012】
また前記請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の波を利用した船用推進装置を備えた船に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、波の上下動を水のジェット推進力に変えて走行することができる自走式船を実現できる優れた推進装置を創出するもので、燃料を要せず推進効率に優れ、製作容易で量産性に優れるなど極めて実用性に優れた画期的な波を利用した船用推進装置並びに波を利用した船用推進装置を備えた船となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1の概略構成説明図である。
図2】実施例2の概略構成説明図である。
図3】実施例3の概略構成説明図である。
図4】実施例4の概略構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
船体6自体または船体6に設けた一部を揺動部1とする。たとえば船体6(または船体6を牽引するための牽引船6を含む)の底部(下部)を揺動部1とする。
【0017】
この揺動部1は波による水面の上下動により船体6が上下に揺動するとともに揺動する。
【0018】
一方、この揺動部1が波により上下に揺動してもほぼ静止またはこの揺動よりも小さくしか揺動しない水深位置(前記揺動部1とは離れた水中位置)に、水中非揺動部2を設け、この間に吐出力や吸込み力を生じさせてこの水の吐出や吸込みにより推進力が生じる揺動連動ポンプ部5を設けた構成としている。
【0019】
すなわち本発明は、この揺動部1と水中非揺動部2との間に、ピストン部3がシリンダー部4内で波の上下の揺動に連動して相対的に往復動し吐出力や吸込み力を生じさせてこの水の吐出や吸込みにより推進力が生じる揺動連動ポンプ部5を設けた構成としている。
【0020】
したがって、本発明は、波により水面が上下動することで船体6やこれに設けた前記揺動部1は上下に揺動するが、これより水中深い位置の前記水中非揺動部2はほぼ静止または揺動が小さいことから、この間に介存し両者を連結している前記揺動連動ポンプ部5は、その前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が波の上下動に連動して相対的に往復動を繰り返すことになり、この揺動連動ポンプ部5のシリンダー部4内でのピストン部3の往復動により吐出力や吸込み力が生じることとなる。
【0021】
そして本発明は、この吐出力により船体6の後方に水が吐出されるように構成することで、その反力により前方への推進力が生じる、または吸込み力により船体6の前方から水が吸い込まれるように構成することでやはり前方への推進力が生じることとなる。
【0022】
この一方または双方を推進力とすることで、波の上下動を利用した自走式船が実現できることとなる。
【0023】
さらに説明すると、たとえば波により水面が上下動することで揺動する船体6の一部(底部)を前記揺動部1とすれば、この揺動部1と、この船体6が波により上下に揺動してもほぼ静止またはこの揺動より小さく揺動する水深位置(船体6の底部よりもさらに深い水中位置)に配置されている前記水中非揺動部2とを、前記揺動連動ポンプ部5で連結した構成としている。さらに具体的に説明すれば、たとえば船体6に設けた揺動部1に水を吐出・吸込みするための貯水部9を設けるとともに、この貯水部9に連通するシリンダー部4と、このシリンダー部4内で往復動自在に設け前記水中非揺動部2に連結した前記ピストン部3とからなる前記揺動連動ポンプ部5を設けた構成としている。
【0024】
したがって、前記揺動部1と前記水中非揺動部2との間の揺動連動ポンプ部5により、すなわち波の上下の揺動によって前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が相対的に往復動することにより、吐出力および吸込み力が生じ、これによりたとえばこのシリンダー部4と連通する前記貯水部9内の水が後方吐出部7から前記船体6の後方に吐出することで船体6に前方への推進力を生じる、または前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が前記往復動することにより生じる吸込み力により前方吸込み部8から前記貯水部9内に外部の水が前記船体6の前方から吸い込まれることで船体6に前方への推進力が生じることとなる。
【0025】
ゆえに、波の上下動を水のジェット推進力に変えて走行する自走式船を実現でき、燃料を要せず推進効率に優れ、製作容易で量産性に優れるなど極めて実用性に優れた画期的な波を利用した船用推進装置となるものである。
【実施例0026】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0027】
図1に示す実施例1は、水面に浮遊し波により水面が上下動することで揺動する船体6の底部を揺動部1とし、この揺動部1と船体6が波により上下に揺動してもほぼ静止またはこの揺動より小さくしか揺動しない船体6底部よりも深い水深位置に、平板状の水中非揺動部2を配置し、この揺動部1と水中非揺動部の間に、シリンダー部4とこのシリンダー部4内で往復動自在に設けたピストン部5とからなる揺動連動ポンプ部5(いわば波の上下動に連動しその波の力で吐出力と吸込み力が交互に生じる水ポンプ部あるいは水鉄砲構成部)を介存状態に設けた構成としている。
【0028】
言い換えると、船体6自体やその一部を前記揺動部1または船体6に付設した部分や単なる浮遊部に付設した部分を前記揺動部1とし、この揺動部1とこれよりさらに深い水中位置であって波があってもほぼ静止状態にある水深位置に配置された前記水中非揺動部2とを、前記構成の揺動連動ポンプ部5で連結した構成としている。
【0029】
さらに具体的に説明すると、本実施例の前記揺動連動ポンプ部5は、たとえば平板状の前記水中非揺動部2にロッド下端部が連結している前記ピストン部3と、船体6の底部の揺動部1に設けた貯水部9に上部流通口部を介して連通するシリンダー部4とからなり、波により揺動する前記揺動部1とともにシリンダー部4が揺動し前記ピストン部3がシリンダー部4内で相対的に往復動するように構成し、このピストン部3のシリンダー部4内での波に連動した往復動により、貯水部9を介して外部へ水の吐出力および外部からの水の吸込み力が生じる構成とし、この揺動連動ポンプ部5を、前記揺動部1と前記水中非揺動部2との間に設けた構成としている。
【0030】
また本実施例では、前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部9内の水を前記船体6の後方に吐出して船体6に前方への推進力を生じさせる後方吐出部7と、この後方吐出部7と反対側の前方に前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部9内に外部の水を前記船体6の前方から吸い込んで船体6に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部8とを設けた構成としている。
【0031】
すなわち前記揺動連動ポンプ部5は、波により前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が相対的に往復動することにより生じる前記吐出力により前記貯水部9内の水を前記船体6の後方に吐出して船体6に前方への推進力を生じさせる前記後方吐出部7と、前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が前記往復動することにより生じる吸込み力により前記貯水部9内に外部の水を前記船体6の前方から吸い込んで船体6に前方への推進力を生じさせる前方吸込み部8との双方を貯水部9の前後に設け、この後方吐出部7および前方吸込み部8の双方に逆流を抑制する逆止弁部10を設けた構成としている。
【0032】
したがって、本実施例では、波により水面が上下動することで船体6やこれに設けた前記揺動部1は上下に揺動するが、これより水中深い位置の前記水中非揺動部2はほぼ静止または揺動が小さいことから、この間に介存し両者を連結している前記揺動連動ポンプ部5は、その前記シリンダー部4内で前記ピストン部3が波の上下動に連動して往復動を繰り返すことになり、この揺動連動ポンプ部5のシリンダー部4内でのピストン部3の往復動により吐出力や吸込み力が生じることとなる。
【0033】
そのため本実施例では、この吐出力により船体6の後方に貯水部9の水が船外へ吐出されて、その反力により前方への推進力が生じ、且つ吸込み力により船体6の前方から水が貯水部9内に吸い込まれてやはり前方への推進力が生じることとなる。
【0034】
この推進力Fは、F=ρQV(ρは水の密度、Qは吐出量・吸込み量、Vは吐出・吸込みの流速)となる。
【0035】
この一方の推進力のみを用いる構成としてもよいが、本実施例では、この双方を前方への推進力とすることで、波の上下動を利用した自走式船が一層容易に実現できることとなる。
またこのように本実施例では、波の上下動をポンプ構造により推進力に変える画期的な原理に基づく推進装置であるが、同時に走行時の上下動を軽減させる作用効果も期待できるものである。
【実施例0036】
図2に示す実施例2は、前記揺動連動ポンプ部5を複数備えた構成とし、推進力を増大させた構成としているが、図1の実施例1とは上下逆に揺動連動ポンプ部5のピストン部3のロッド端部を揺動部1に連結し、シリンダー部4およびこれと連通する貯水部9を水中非揺動部2に設けた構成としている。
【0037】
この実施例2では、水中非揺動部2に貯水部9を設けた構成としているが、貯水部9自体を水中非揺動部2として機能する構成としてもよい。
【実施例0038】
図3に示す実施例3は、前記揺動連動ポンプ部5を複数(多数)備えた構成とし、推進力を増大させた構成としている。たとえば図1の実施例1のように大型の揺動連動ポンプ部5としてもよいが、小型の揺動連動ポンプ部5を複数貯水部9に並設してもよく、小型の揺動連動ポンプ部5を採用しても、十分な推進力が得られるように構成できるようにしている。
【実施例0039】
また図示していないが、双胴船の中間水域に浮遊部を前記揺動部1として本発明(本装置)を装備してもよいし、図4に示す実施例4のように船を牽引する(曳航する)ための牽引船6(あるいはその浮遊部)を本発明の船体6としこの船体6に設けた揺動部1に本発明(本装置)を設けて自走式船を構成してもよい。
【0040】
このように本装置を船や牽引船や水面に浮遊させる浮遊体に設けることで、他の動力を要せずに波の上下動を利用して走行できる自走式船を容易に実現できることとなる。
【0041】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0042】
1 揺動部
2 水中非揺動部
3 ピストン部
4 シリンダー部
5 揺動連動ポンプ部
6 船体
7 後方吐出部
8 前方吸込み部
9 貯水部
10 逆止弁部
図1
図2
図3
図4