(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047435
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240329BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153049
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】西潟 拓未
(72)【発明者】
【氏名】和井田 瑛一
(72)【発明者】
【氏名】近 雄介
(72)【発明者】
【氏名】内山 一信
(72)【発明者】
【氏名】木村 英雄
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270KA33
2H270KA49
2H270LA19
2H270LA22
2H270LA67
2H270MC24
2H270MD02
2H270MD05
2H270MD06
2H270PA83
2H270QB14
2H270RA03
2H270RB06
2H270RC09
2H270RC10
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像形成ユニット間のトナー像の位置ずれ調整を可能とする。
【解決手段】画像形成装置10は、第一画像形成ユニット30と第二画像形成ユニット50と、第一画像形成ユニット30に対応して設けられ中間転写体40のトナー像を記録用紙Pに二次転写する二次転写部74と、第二画像形成ユニット50に対応して設けられ中間転写体60のトナー像を記録用紙Pに二次転写する二次転写部76と、CPUとを備え、CPUはトナー像の位置ずれ調整の指示を受け付けると、第一チャートと第二チャートとを記録用紙Pに二次転写して出力すると共に第一調整値の入力と第二調整値の入力と、を受け付ける、モードを実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転される中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記トナー像の位置ずれ調整の指示を受け付けると、
前記画像形成ユニット毎に基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像に対する他の前記画像形成部が形成した前記トナー像との位置ずれ量を確認可能な第一チャートと、複数の前記画像形成ユニットの前記基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像同士の位置ずれ量を確認可能な第二チャートと、を前記記録媒体に二次転写して出力し、前記第一チャートから読み取られた前記画像形成ユニット毎の位置ずれを調整する第一調整値の入力と、前記第二チャートから読み取られた複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれを調整する第二調整値の入力と、を受け付ける、
モードを実行する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記モードは、
前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付けたあとに、
前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記モードは、
前記第一調整値を用いて、前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部の位置ずれを調整し、
前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの複数の前記画像形成部のそれぞれの位置ずれを再調整する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記モードは、
前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付けたあとに、
前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付ける、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記モードは、
前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニット間の基準の前記画像形成部の位置ずれを調整し、
前記第一調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの基準の前記画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記モードは、
前記第二調整値を反映すると位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、
前記第二調整値を分割して、複数の前記画像形成ユニットに反映する、
請求項3又は請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記モードは、
前記第二調整値を分割して反映しても位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、
位置ずれ調整できない前記画像形成部を有しない前記画像形成ユニットを選択可能とする、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記モードは、
前記第一調整値の入力と前記第二調整値の入力とを受け付けた後に、
前記第一チャートと前記第二チャートとを再度形成して前記記録媒体に二次転写して出力する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の印刷装置を用いて、1枚の用紙に第1のトナーと第2のトナーを用いて画像を形成する印刷装置及び印刷方法並びに印刷方法を実行するプログラムに関する技術が開示されている。この先行技術では、第1の色材を用いて印刷する第1の印刷装置の排紙部と第2の色材を用いて印刷する第2の印刷装置の給紙部が接続された印刷システムであり、第1の印刷装置は、入力した印刷データから第1の印刷データと第2の印刷データを生成し、第2の印刷データを第2の印刷装置に送信し、第1の印刷データを第1の色材を用いて用紙に印刷して排紙部から排紙する。第2の印刷装置は、第1の印刷データが印刷され排紙された用紙を給紙部から給紙し第2の印刷データを印刷する際、用紙の上に発生する版ずれを抑制するために第2の印刷データの印刷位置を補正する補正パラメータを取得し、前記第2の印刷データの印刷位置を補正して前記版ずれを抑制し、第1の印刷データが印刷された用紙に補正された第2の印刷データを第2の色材を用いて印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の画像形成部で形成されたトナー像が一次転される中間転写体を有する画像形成ユニットを複数有し、複数の画像形成ユニットの中間転写体のトナー像を記録媒体に二次転写する画像形成装置において、記録媒体に二次転写された各トナー像の位置ずれ調整を正確に行うためには、各画像形成ユニットの各画像形成部の位置ずれ調整に加え、複数の画像形成ユニット間の位置ずれ調整を行う必要がある。
【0005】
本発明は、上記事実に鑑み、画像形成ユニット間のトナー像の位置ずれ調整を可能とすることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様は、複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転される中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記トナー像の位置ずれ調整の指示を受け付けると、前記画像形成ユニット毎に基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像に対する他の前記画像形成部が形成した前記トナー像との位置ずれ量を確認可能な第一チャートと、複数の前記画像形成ユニットの前記基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像同士の位置ずれ量を確認可能な第二チャートと、を前記記録媒体に二次転写して出力、前記第一チャートから読み取られた前記画像形成ユニット毎の位置ずれを調整する第一調整値の入力と、前記第二チャートから読み取られた複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれを調整する第二調整値の入力と、を受け付ける、モードを実行する、画像形成装置である。
【0007】
第二態様は、前記モードは、前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付けたあとに、前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付ける、第一態様に記載の画像形成装置である。
【0008】
第三態様は、前記モードは、前記第一調整値を用いて、前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部の位置ずれを調整し、前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの複数の前記画像形成部のそれぞれの位置ずれを再調整する、第二態様に記載の画像形成装置である。
【0009】
第四態様は、前記モードは、前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付けたあとに、前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付ける、第一態様に記載の画像形成装置である。
【0010】
第五態様は、前記モードは、前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニット間の基準の前記画像形成部の位置ずれを調整し、前記第一調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの基準の前記画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、第四態様に記載の画像形成装置である。
【0011】
第六態様は、前記モードは、前記第二調整値を反映すると位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、前記第二調整値を分割して、複数の前記画像形成ユニットに反映する、第三態様又は第五態様に記載の画像形成装置である。
【0012】
第七態様は、前記モードは、前記第二調整値を分割して反映しても位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、位置ずれ調整できない前記画像形成部を有しない前記画像形成ユニットを選択可能とする、第六態様に記載の画像形成装置である。
【0013】
第八態様は、前記モードは、前記第一調整値の入力と前記第二調整値の入力とを受け付けた後に、前記第一チャートと前記第二チャートとを再度形成して前記記録媒体に二次転写して出力する、第一態様に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
第一態様の画像形成装置では、第一チャートのみを記録媒体に二次転写して出力する場合と比較し、画像形成ユニット間のトナー像の位置ずれ調整を可能とすることができる。
【0015】
第二態様の画像形成装置では、第一チャート及び第二チャートの両方を出力したあとに第一調整値と第二調整値とを入力する場合よりも入力ミスを低減することができる。
【0016】
第三態様の画像形成装置では、複数の画像形成ユニットの基準の画像形成部の位置ずれのみを再調整する場合と比較し、基準の画像形成部以外のトナー像の位置ずれが調整される。
【0017】
第四態様の画像形成装置では、第一チャート及び第二チャートの両方を出力したあとに第一調整値と第二調整値とを入力する場合よりも入力ミスを低減することができる。
【0018】
第五態様の画像形成装置では、複数の画像形成ユニットの基準の画像形成部の位置ずれのみを調整する場合と比較し、基準の画像形成部以外のトナー像の位置ずれが調整される。
【0019】
第六態様の画像形成装置では、第二調整値を分割しない場合と比較し、多数の画像形成部の位置ずれを調整できる。
【0020】
第七態様の画像形成装置では、位置ずれ調整できない画像形成部を有しない画像形成ユニットが予め決定されている場合と比較し、所望の位置ずれ調整をすることができる。
【0021】
第八態様の画像形成装置では、第一チャートと第二チャートとの両方を出力しない場合と比較し、位置ずれ調整の結果を正確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態における画像形成装置の構成図である。
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図4】第一実施形態における画像形成装置の要部構成を模式的に示す模式図である。
【
図5】制御装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図9】位置ずれ調整モードの第一手順例の流れを示すフローチャートである。
【
図10】位置ずれ調整モードの第二手順例の流れを示すフローチャートである。
【
図11】位置ずれ調整モードの第三手順例の流れを示すフローチャートである。
【
図12】位置ずれ調整モードの第三手順例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0024】
なお、
図1に示す画像形成装置10の幅方向をX方向、高さ方向をY方向、奥行き方向をZ方向とし、それぞれ矢印X、Y、Zで示す。また、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、
図1に示す画像形成装置10の右側を+X側、左側を-X側、上側を+Y側、下側を-Y側、前側を+Z側、後側を-Z側と記載する。また、本実施形態では、記録媒体の一例として記録用紙Pを採用し、記録用紙Pが搬送される搬送方向の上流側を「搬送方向上流側」とし、搬送方向の下流側を「搬送方向下流側」という。なお、本実施形態における画像形成装置10は、所謂シングルパス方式であり、記録用紙Pが後述する第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の前を、それぞれ1回だけ通過することにより印刷が行われる。
【0025】
[全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置10は、操作パネル95と、記録媒体の一例としての記録用紙Pが収容される収容部12と、記録用紙Pを搬送経路19に沿って搬送する搬送部11と、記録用紙Pに転写するトナー像を形成する第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50と、を備えている。なお、トナー像とは、現像剤等の色材の一例としてのトナーを用いた像のことである。
【0027】
収容部12は、画像形成装置10の装置本体である画像形成装置本体10Aから引き出し可能であり、記録用紙Pが収容されている。
【0028】
搬送部11は、搬送方向上流側から順に、送出ロール13、搬送ロール14、レジストロール対15、搬送ベルト装置20、定着装置18及び排出ロール17等を備えている。
【0029】
送出ロール13は、収容部12に収容された記録用紙Pを、搬送部11を構成する搬送経路19に送り出すものである。搬送ロール14は、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送するものである。
【0030】
レジストロール対15は、搬送ロール14によって搬送された記録用紙Pを、後述する上流側の二次転写位置TJ2へ搬送するものである。このレジストロール対15は、ピンチロール15Bは、レジストロール15Aに従動して回転する。そして、レジストロール対15は、レジストロール15Aとピンチロール15Bとで記録用紙Pを挟んで、記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送する。
【0031】
搬送ベルト装置20は、第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50により形成されたトナー像を記録用紙Pに二次転写しつつ、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送するものである。なお、搬送ベルト装置20の詳細については後述する。
【0032】
定着装置18は、定着ロール対16を有し、定着ロール対16の間を通過することで、トナー像が転写された記録用紙Pを加熱及び加圧し、トナー像を記録用紙Pに定着させる。
【0033】
排出ロール17は、定着装置18によってトナー像が定着された記録用紙Pを、排出部9へ排出するものである。
【0034】
第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50は、上下方向に並んで配置されている。なお、本実施形態では、第二画像形成ユニット50は、第一画像形成ユニット30の上方に配置されている。別の観点から説明すると、第二画像形成ユニット50は、第一画像形成ユニット30の搬送方向下流側に配置されている。
【0035】
図2に示すように、第一画像形成ユニット30は、四つの画像形成部32と、中間転写体の一例としての無端状の中間転写ベルト40と、を備えている。中間転写ベルト40は、四つの画像形成部32により形成されたトナー像が転写されると共に
図2を正面視して反時計回りに回転可能に装着されている。
【0036】
画像形成部32は、黒色の黒トナー像を形成する画像形成部32Kと、マゼンタ色のマゼンタトナー像を形成する画像形成部32Mと、シアン色のシアントナー像を形成する画像形成部32Cと、イエロー色のイエロートナー像を形成する画像形成部32Yと、を備えている。そして、これら四つの画像形成部32は、中間転写ベルト40が回転する回転方向の上流側(後述する支持ロール44に近い側)から順に、画像形成部32Y、画像形成部32M、画像形成部32C、画像形成部32Kの順に配置されている。なお、以下では、中間転写ベルト40の回転方向の上流側を「回転方向上流側」と称し、回転方向の下流側を「回転方向下流側」と称する。つまり、画像形成部32において、画像形成部32Yは最も回転方向下流側に配置されている。
【0037】
なお、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0038】
画像形成部32は、感光体33と、感光体33の表面を帯電する帯電部材34と、帯電した感光体33に露光を照射する露光装置35と、露光の照射により形成された静電潜像を現像してトナー像として可視化する現像装置36と、を備えている。
【0039】
現像装置36は、それぞれ現像ロール39Y、39M、39C、39Kを有し、それぞれ現像バイアスが電源装置159(
図3参照)によって印加されている。
【0040】
また、中間転写ベルト40を挟んで各感光体33と対向する位置には、画像形成部32により形成されたトナー像を中間転写ベルト40に転写する一次転写ロール37Y,37M、37C、37Kが配置されている。中間転写ベルト40は、中間転写ベルト40を支持する支持ロール44と、後述する上流側の二次転写部74に配置されるバックアップロール42と、に巻き掛けられている。なお、感光体33、一次転写ロール37及び中間転写ベルト40を含んで、一次転写部70が構成されている。また、感光体33Y、33M、33C、33Kと中間転写ベルト40との間を、それぞれ一次転写位置TY1、TM1、TC1、TK1Aとする。
【0041】
第二画像形成ユニット50は、前述の第一画像形成ユニット30と画像形成する色が一部異なるだけで同様の構成である。第二画像形成ユニット50は、四つの画像形成部52と、中間転写体の一例としての無端状の中間転写ベルト60と、を備えている。中間転写ベルト60は、四つの画像形成部52により形成されたトナー像が転写されると共に
図2を正面視して反時計回りに回転可能に装着されている。
【0042】
なお、画像形成部52は、第一画像形成ユニット30の画像形成部32と同様の構成である。また、中間転写ベルト60及び後述する一次転写ロール57も第一画像形成ユニット30の中間転写ベルト40及び一次転写ロール37と同様の構成である。また、第二画像形成ユニット50を構成する他の構成部材も第一画像形成ユニット30と同様である。
【0043】
画像形成部52は、黒色の黒トナー像を形成する画像形成部52Kと、金色の金トナー像を形成する画像形成部52Gと、銀色の銀トナー像を形成する画像形成部52Sと、白色の白色トナー像を形成する画像形成部52Wと、を備えている。そして、4つの画像形成部52は、回転方向上流側、本例では後述する支持ロール64に近い側から順に、画像形成部52W、画像形成部52S、画像形成部52G、画像形成部52Kの順に配置されている。つまり、画像形成部52において、画像形成部52Kは最も回転方向下流側に配置され、画像形成部52G及び画像形成部52Sは画像形成部52Kよりも回転方向上流側に配置され、画像形成部52Wは最も回転方向上流側に配置されている。
【0044】
なお、W、S、G、Kを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0045】
画像形成部52は、感光体53と、帯電部材54と、露光装置55と、現像装置56と、を備えている。
【0046】
現像装置56は、それぞれ現像ロール59W、59S、59G、59Kを有し、それぞれ現像バイアスが電源装置159(
図3参照)によって印加されている。
【0047】
また、中間転写ベルト60を挟んで各感光体53と対向する位置には、一次転写ロール57W、57S、57G、57Kが配置されている。中間転写ベルト60は、支持ロール64と、後述する下流側の二次転写部76に配置されるバックアップロール62と、に巻き掛けられている。なお、感光体53、一次転写ロール57、及び中間転写ベルト60を含んで、一次転写部72が構成されている。また、感光体53Y、53M、53C、53Wと中間転写ベルト60との間を、それぞれ一次転写位置TW1、TS1、TG1、TK1Bとする。
【0048】
図4に示すように、第一画像形成ユニット30の各色の画像形成部32の現像装置36及び第二画像形成ユニット50の各色の画像形成部52の現像装置56には、それぞれ各色に対応したトナーが収容された複数のトナーカートリッジ100、110が供給路102、112を介して連結されている。それぞれのトナーカートリッジ100、110に収容されたトナーは、供給路102、112に設けられた供給装置120(
図3を参照)が作動することによって、供給路102、112を介して、各色の現像装置36、56に適宜供給される。なお、供給装置120(
図3参照)は、トナーカートリッジ100Y、100M、100C、100K、110W、110S、110G、110Kそれぞれから個別に現像装置36Y、36M、36C、36K、56C、56W、56G、56Kにトナーを供給することが可能な構成になっている。
【0049】
なお、以降、第一画像形成ユニット30の画像形成部32Kでの黒色を表す場合を「K1」、第二画像形成ユニット50の画像形成部52Kでの黒色を表す場合を「K2」と記すことがある
【0050】
[搬送ベルト装置の詳細]
次に、搬送ベルト装置20の詳細について説明する。
【0051】
図2に示すように、搬送ベルト装置20は、無端状の搬送ベルト21と、搬送ベルト21を支持する支持ロール22、23と、搬送ロール14と、中間転写ベルト40、60を挟んでバックアップロール42、62と対向する位置に配置された二次転写ロール24、25と、を含んで構成されている。
【0052】
二次転写ロール24は、バックアップロール42との間に記録用紙P及び搬送ベルト21を挟んで、第一画像形成ユニット30の中間転写ベルト40に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。同様に、二次転写ロール25は、バックアップロール62との間に記録用紙P及び搬送ベルト21を挟んで、第二画像形成ユニット50の中間転写ベルト60に形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。
【0053】
なお、バックアップロール42、二次転写ロール24及び中間転写ベルト40を含んで、二次転写部74が構成されている。また、バックアップロール62、二次転写ロール25、及び中間転写ベルト60を含んで、二次転写部76が構成されている。
【0054】
二次転写ロール24、25には、電源装置159(
図3参照)によってそれぞれ転写バイアスが印加されている。
【0055】
また、第一画像形成ユニット30の中間転写ベルト40と搬送ベルト21との間を二次転写位置TJ2とし、第二画像形成ユニット50の中間転写ベルト60と搬送ベルト21との間を二次転写位置TK2とする。なお、二次転写位置TK2が最下流の二次転写位置である。
【0056】
また、搬送ベルト装置20は、搬送ベルト21を清掃する図示していないベルトクリーニング装置を備えている。図示していないベルトクリーニング装置は、最下流の二次転写位置TK2の回転方向上流側で且つ最上流の二次転写位置TJ2の回転方向下流側で清掃を行う。なお、搬送ベルト21において、図示していないベルトクリーニング装置で清掃する位置を清掃位置CLとする。
【0057】
図4に示すように、搬送ベルト21に二次転写された自動調整用パッチ像等を検出する検出装置の一例としての濃度センサ150が、搬送ベルト21の上端部近傍に設けられている。
【0058】
図1に示している本実施形態の操作パネル95は、タッチパネルが重畳されたディスプレイであるが、これに限定されるものではない。操作パネル95には、ユーザが所望する機能を実行するために操作対象となる項目を表す画像の一例としてアイコン画像等が表示される。ユーザの操作対象となるものであればアイコン画像の種類に制約はなく、アイコン画像には、例えば、ボタン、スクロールバー、チェックボックス及びラジオボタン等が含まれる。アイコン画像に対してユーザの操作が行われると、操作内容に対して予め対応付けた処理が後述する制御装置80(
図3参照)で実行され、操作に対する応答が操作パネル95に表示される。
【0059】
[制御装置]
次に、画像形成装置10の動作を制御する制御装置80について説明する。
【0060】
図3は、画像形成装置10ハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置80には、第一画像形成ユニット30、第二画像形成ユニット50、通信部90、不揮発性メモリ92、供給装置120、電源159、濃度センサ150及び操作パネル95等が電気的に接続されている
【0061】
制御装置80は、CPU81(Central Processing Unit)、ROM82(Read Only Memory)、RAM83(Random Access Memory)及び入出力インターフェース(I/O)84がバスを介して各々接続されている。なお、CPU81は、プロセッサの一例である。
【0062】
ここで、ROM82には、CPU81に実行させる図示しない画像形成制御プログラム等が記憶されている。そして、CPU81は、ROM82から図示しない画像形成制御プログラムを読み出してRAM83に展開することで、図示しない画像形成制御プログラムによる印刷処理等を実行する。
【0063】
また、I/O84には、第一画像形成ユニット30、第二画像形成ユニット50、通信部90及び不揮発性メモリ92が接続されている。通信部90は、図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置と画像形成装置10とが相互にデータ通信を行うためのインターフェースである。不揮発性メモリ92には、画像形成装置10が画像形成動作等を実行するのに必要な情報が記憶されている。
【0064】
制御装置80は、第一画像形成ユニット30の各色の画像形成部32(
図2等参照)によって中間転写ベルト40(
図2等参照)にトナー像を形成するための各種制御を行う。同様に制御装置80は、第二画像形成ユニット50の各色の画像形成部52(
図2等参照)によって中間転写ベルト60(
図2等参照)にトナー像を形成するための各種制御を行う。
【0065】
また、制御装置80は、電源装置159によって現像装置36、56の現像ロール39Y、39M、39C、39W、59T、59S、59G、59K(
図2等参照)に印加される現像バイアスを制御する。更に、制御装置80は、電源装置159によって二次転写ロール24、25(
図2等参照)に印加される転写バイアスを制御する。
【0066】
また、制御装置80は、供給装置120を用いて、トナーカートリッジ100Y、100M、100C、100K、110W、110S、110G、110K(
図3参照)に現像装置36Y、36M、36C、36K、56W、56S、56G、56K(
図2等参照)への各色トナーのトナー供給の供給タイミング及び供給量等を制御する。また、制御装置80は、後述するトナー像の位置ずれを調整するモードを実行する。
【0067】
図5は、制御装置80の機能構成の例を示すブロック図である。
【0068】
制御装置80は、機能構成として、第一画像形成ユニット30用の第一制御部810及び第一コントロール部830、第二画像形成ユニット50用の第二制御部820及び第二コントロール部840を有して構成されている。
【0069】
第一制御部810及び第二制御部820は、それぞれ出力する印刷部812、822とカラーレジ制御部814、824とを有している。第一コントロール部830及び第二コントロール部840は、それぞれ入力受付部832、842、カラーレジ調整値計算部834、844、カラーレジ調整値保存部836、846で構成されている。
【0070】
なお、「カラーレジ調整」とは、
図2に示す第一画像形成ユニット30の各画像形成部32及び第二画像形成ユニット50の各画像形成部52が形成したY、M、C、K1、W、S、G、K2の各色のトナー像を重ね合わせた画像の副走査方向の位置ずれの調整、所謂カラーレジスト調整のことである。
【0071】
入力受付部832、842は、操作パネル95から入力された情報を第一コントロール部830と第二コントロール部840との間で共有する機能を有する。また、カラーレジ調整値計算部834、844に操作パネル95から入力された情報を渡す機能を有する。
【0072】
カラーレジ調整値計算部834、844は、カラーレジ調整値保存部836、846から現在保存されている後述する第一調整値A、Bを取り出す機能を有する。また、入力された第一調整値A、Bを現在保存されている第一調整値A、Bに反映して新しい第一調整値A、Bとし、新しい第一調整値A、Bをカラーレジ調整値保存部836、846に保存する機能を有する。また、新しい第一調整値A、Bが範囲内か否かを判断し、範囲外となる後述する第二調整値を分割して調整量A、Bを算出する。そして、分割された調整量A、Bをそれぞれの画像形成ユニットのカラーレジ調整値保存部836、846に通知し、調整を依頼する機能を有する。また、カラーレジ調整値保存部836、846に記憶した第一調整値A、Bから印刷時の後述するカラーレジ調整値を算出しカラーレジ調整値保存部836、846に記憶する機能を有する。
【0073】
カラーレジ調整値保存部836、846は、第一調整値A、第一調整値B、調整範囲、調整量A、B及び印刷時のカラーレジ調整値等を保存する機能を有する。
【0074】
カラーレジ制御部814、824は、カラーレジ調整値保存部836、846から印刷時のカラーレジ調整値を読みだして、印刷部812、822と協力して、印刷時のカラーレジの制御を行う。
【0075】
印刷部812、822は、カラーレジ制御部814、824からの指示を受けて各色のカラーレジ調整値を制御して印刷を行う。
【0076】
[画像形成工程]
次に、画像形成装置10における画像形成工程の概略について説明する。
【0077】
まず、制御装置80は、第一画像形成ユニット30の中間転写ベルト40にトナー像が形成されるよう各画像形成部32を制御する。同様に、第二画像形成ユニット50の中間転写ベルト60にトナー像が形成されるよう各画像形成部52を制御する。
【0078】
具体的には、制御装置80は、帯電部材34、54に電圧を印加させ、電圧が印加された帯電部材34、54により、感光体33、53の表面を予め定めた電位になるように帯電する。続いて、制御装置80は、通信部90を介して取得した画像データに基づいて、帯電部材34、54により帯電された感光体33、53の表面に、露光装置35、55により露光を照射して静電潜像を形成する。これにより、画像データに対応した静電潜像が感光体33、53の表面に形成される。
【0079】
次に、制御装置80は、現像装置36、56により、露光装置35、55により形成された静電潜像を現像し、トナー像として可視化させる。さらに、制御装置80は、一次転写ロール37、57により、各色の感光体33、53の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト40、60に重畳して転写させる。
【0080】
このようにして、第一画像形成ユニット30には、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒色(K1)のトナーを重畳したトナー像が中間転写ベルト40に形成される。同様に、第二画像形成ユニット50には、例えば、黒色(K2)、金色(G)、銀色(S)、白色(W)のトナーを重畳したトナー像が中間転写ベルト60に形成される。
【0081】
ここで、収容部12から送出ロール13によって搬送経路19へ送り出された記録用紙Pは、制御装置80の制御に基づき、レジストロール対15によって搬送タイミングが調整された後、搬送方向上流側の二次転写位置TJ2へ送り出される。この二次転写位置TJ2では、記録用紙Pがバックアップロール42と二次転写ロール24との間を搬送されることで、中間転写ベルト40の外周面のトナー像が記録用紙Pに転写される。そして、トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送方向下流側に搬送され、搬送方向下流側の二次転写位置TK2に至る。
【0082】
このとき、制御装置80は、搬送方向上流側から搬送されてきた記録用紙P上のトナー像に、第二画像形成ユニット50の中間転写ベルト60に形成されたトナー像が重畳して転写されるように、画像形成を開始するタイミングを調整している。
【0083】
第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50によって形成された各色のトナー像が重畳して転写された記録用紙Pは、定着装置18の定着ロール対16によって定着された後、排出ロール17によって、画像形成装置本体10Aの上部に設けられた排出部9に排出される
【0084】
[トナー像の位置ずれ調整]
次にトナー像の位置ずれ調整について説明する。
【0085】
前述したように、具体的には、
図2に示す第一画像形成ユニット30の各画像形成部32及び第二画像形成ユニット50の各画像形成部52が形成したY、M、C、K1、T、S、G、K2の各色のトナー像を重ね合わせた画像の副走査方向の位置ずれの調整、所謂カラーレジスト調整について説明する。
【0086】
なお、本実施形態におけるカラーレジスト調整は、露光装置35、55の露光タイミングで行っている。具体的には、露光装置35Y、35M、35C、35K、55T、55S、55G、55Kの露光タイミングを調整することで、位置ずれの調整を行っている。
【0087】
図2に示す画像形成装置10は、第一画像形成ユニット30の各画像形成部32の各トナー像の位置ずれを調整するための第一チャート300A(
図6参照)と、第二画像形成ユニット50の各画像形成部52の各トナー像の位置ずれを調整するための第一チャート300B(
図8参照)と、第一画像形成ユニット30全体と第二画像形成ユニット50全体との位置ずれを調整するための第二チャート310(
図8参照)と、を記録用紙Pに形成して出力すると共にユーザがこれらの第一チャート300A(
図6参照)、第一チャート300B(
図7参照)及び第二チャート310(
図8参照)を目視して位置ずれ調整を行う位置ずれ調整モードを有している。よって、次にこの位置ずれ調整モードについて詳しく説明する。
【0088】
[位置ずれの調整モード]
まず、
図6に示す第一チャート300A、
図7に示す第一チャート300B及び
図8に示す第二チャート310について説明する。
【0089】
図6に示す第一チャート300Aは、第一画像形成ユニット30(
図2参照)における予め定めた基準とする色(以降「基準色」と記す)と基準色以外との位置ずれを調整するためのチャートである。同様に
図7に示す第一チャート300Bは、第二画像形成ユニット50(
図2参照)における基準色と基準色以外との位置ずれを調整するためのチャートである。そして、
図8に示す第二チャート310は、第一画像形成ユニット30(
図2参照)の基準色と第二画像形成ユニット50の基準色との位置ずれを調整するためのチャートである。
【0090】
本実施形態では、
図6に示す第一チャート300Aの基準色は画像形成部32K(
図2参照)で形成する黒色(K1)であり、
図7に第一チャート300Bの基準色は画像形成部52K(
図2参照)で形成する黒色(K2)である。なお、
図6及び
図7における両側の線が基準色である黒色(K1)及び黒色(K2)であり、中央の線が位置ずれ調整する基準色以外の線である。
【0091】
図6に示す第一チャート300AにおけるYチャート300AYは画像形成部32Kで形成する黒色(K1)に対する画像形成部32Yで形成するイエロー(Y)の位置ずれを調整するチャートであり、Mチャート300AMは画像形成部32Kで形成する黒色(K1)に対する画像形成部32Mで形成するマゼンタ(M)の位置ずれを調整するチャートであり、Cチャート300ACは画像形成部32Kで形成する黒色(K1)に対する画像形成部32Cで形成するシアン(C)の位置ずれを調整するチャートである。なお、各チャートにおける両側の線が基準色である黒色(K1)であり、中央の線が位置ずれ調整するイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の線である。イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の線は、実際には当該色で形成されている。
【0092】
同様に
図7に示す第一チャート300BにおけるWチャート300BWは画像形成部52Kで形成する黒色(K)に対する画像形成部52Wで形成する白色(W)の位置ずれを調整するチャートであり、Sチャート300BSは画像形成部52Kで形成する黒色(K2)に対する画像形成部52Sで形成する銀色(S)の位置ずれを調整するチャートであり、Gチャート300BGは画像形成部52Kで形成する黒色(K2)に対する画像形成部52Gで形成する金色(G)の位置ずれを調整するチャートである。なお、各チャートにおける両側の線が基準色である黒色(K2)であり、中央の線が位置ずれ調整する白色(W)、銀色(S)及び金色(G)の線である。白色(W)、銀色(S)及び金色(G)の線は、実際には当該色で形成されている。
【0093】
図8に示す第二チャート310は、第一画像形成ユニット30の画像形成部32Kで形成する黒色(K1)に対する、第二画像形成ユニット50の画像形成部52Kで形成する黒色(K2)の位置ずれを調整するチャートである。なお、チャートの両側の線が第一画像形成ユニット30の画像形成部32Kで形成された線で、中央の線は第二画像形成ユニット50の画像形成部52Kで形成された線である。
【0094】
なお、本実施形態の位置ずれの調整範囲は、各チャートの横に記載しているように、-10~+10である。この調整値は、ユーザに判り易くするためのものであり、例えば「+1」が1mmのずれを表しているわけではない。
【0095】
[手順例]
次に、ユーザが行う位置ずれ調整モードの具体的な手順の例について説明する。
【0096】
≪第一手順例≫
第一手順例では、第一チャート300A(
図6参照)及び第一チャート300Bを記録用紙Pに形成したのち、第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する。
【0097】
まず、ユーザが操作パネル95(
図1参照)から位置ずれ調整モードを行うことを指示する。この指示を受けつけると制御装置80のCPU81(
図3参照)は、
図6に示す第一チャート300A及び
図7に示す第一チャート300Bを記録用紙Pに形成して出力する。ユーザは、これらを目視して、位置ずれ量の調整値を読み取る。具体的には、両側の基準色の線と中央の基準色以外の線とが一致又はほぼ一致している調整値を読み取る。
【0098】
なお、第一チャート300Aから読み取る調整値を便宜上「第一調整値A」とし、第一チャート300Bから読み取る調整値を便宜上「第一調整値B」とする。
【0099】
本例の場合、
図6に示す第一チャート300Aにおいて、Yチャート300AYでの第一調整値Aは+4であり、Mチャート300AMでの第一調整値Aは-2であり、Cチャート300ACでの第一調整値Aは-6である。なお、これら第一チャート300Aの第一調整値の表記を以降、{K1、Y、M、C}={0、+4、-2、-6}と記すことにする。なお、K1は基準色であるので、第一調整値AのK1は0である。
【0100】
同様に、
図7に示す第一チャート300Bにおいて、Wチャート300BWでの第一調整値Bは+6であり、Sチャート300BSでの第一調整値Bは+4であり、Gチャート300BGでの第一調整値Bは+8である。つまり、第一チャート300Bの第一調整値Bは、{K2、W、S、G}={0、+6、+4、+8}である。K2は基準色であるので、第一調整値BのK2は0である。
【0101】
そして、ユーザは読み取った第一調整値A及び第一調整値Bを操作パネル95から入力する。入力を受けつけると制御装置80(
図3参照)は、
図8に示す第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する。ユーザは、これらを目視して、調整値を読み取る。本例の場合の第二調整値は、{K1、K2}={0、-6}である。
【0102】
そして、ユーザはこの調整値を操作パネル95から入力する。なお、第二チャート310から読み取る調整値を「第二調整値」とする。
【0103】
制御装置80は、第二画像形成ユニット50については、第一調整値B{K2、W、S、G}={0、+6、+8、+4}に第二調整値{-6}を加えて、第一調整値Bを{K2、W、S、G}={-6、0、+2、-2}に修正する。なお、第一画像形成ユニット302については、第一調整値A{K1、Y、M、C}={0、+4、-2、-6}のままである。
【0104】
次に制御装置80は、第二画像形成ユニット50の修正後の第一調整値B{K2、W、S、G}={-6、0、+2、-2}が、全て調整量の範囲内、つまり、-10~+10に収まっていることを確認する。本例では範囲内であるので、第一画像形成ユニット30の第一調整値A{K1、Y、M、C}={0、+4、-2、-6}及び第二画像形成ユニット50の第一調整値B{K2、W、S、G}={-6、0、+2、-2}に基づいて、カラーレジ調整値に反映する。
【0105】
次に、第二画像形成ユニット50の修正後の第二調整量Bが範囲外、つまり、-10~+10に収まっていない場合の例について説明する。
【0106】
例えば、第一チャート300Bの読み取った第一調整値Bが{K2、W、S、G}={0、-2、+4、-8}とする。なお、これ以外は、上記例と同じである。そして、ユーザは第二調整値Bを操作パネル95から入力する。
【0107】
制御装置80は、第二画像形成ユニット50については、第一調整値B{K2、W、S、G}={0、-2、+4、-8}に第二調整値{-6}を加えて、第一調整値Bを{K2、W、S、G}={-6、-8、-2、-14}に修正する。制御装置80は、第二画像形成ユニット50の修正後の第一調整値B{K2、W、S、G}={-6、-8、-2、-14}が、いずれもが調整量の範囲内、つまり、-10~+10に収まっていることを確認する。
【0108】
本例では範囲外であるので、制御装置80は、範囲内に収まる調整量、つまり第二画像形成ユニット50で調整可能な調整量を算出する。具体的には、範囲の閾値から元の範囲外の第一調整値Bを引く。本例では、範囲の閾値{-10}からGの第二調整値B{-8}を引いた{-2}が調整可能な調整量となる。なお、この調整量を「調整量B」とする。
【0109】
また、制御装置80は、第二画像形成ユニット50で調整しきれなかった調整量を算出する。本例では、この{-2}から{-6}を引いた{+4}が調整量となる。なお、この調整量を「調整量A」とする。
【0110】
そして、制御装置80は、第二画像形成ユニット50については、第一調整値B{K2、W、S、G}={0、-2、+4、-8}に調整量B{-2}を加えて、第一調整値Bを{K2、W、S、G}={-2、-4、+2、-10}に修正する。また、第一画像形成ユニット30については、第一調整値A{K1、Y、M、C}={0、+4、-2、-6}に調整量A{+4}を加えて、第一調整値Aを{K1、Y、M、C}={+4、+8、+2、-2}に修正する。
【0111】
別の観点から説明すると、第二調整値{-6}を第一画像形成ユニット30の第一調整値Aに反映する「調整量A{+2}」と第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映する「調整量B{-2}」とに分割する。
【0112】
制御装置80は、第一画像形成ユニット30の修正後の第一調整値A{K1、Y、M、C}={+4、+8、+2、-2}のいずれもが、調整量の範囲内、つまり、-10~+10に収まっていることを確認する。本例では範囲内であるので、修正後の最終的な第一画像形成ユニット30を第一調整値A{K1、Y、M、C}={+4、+8、+2、-2}及び第二画像形成ユニット50の第一調整値B{K2、W、S、G}={-2、-4、+2、-10}に基づいてカラーレジ調整値に反映する。
【0113】
なお、第一画像形成ユニット30の修正後の第一調整値Aのいずれかが範囲外の場合は、調整できなかった色と調整量を操作パネル95に表示する。なお、調整できなかった調整量を「調整残量」とする。例えば、第一調整値A{K1、Y、M、C}={+4、+12、+2、-2}である場合、調整できなかった色はYで、{+12}から{+10}を引いた{+2}が調整残量である。また、第一調整値Aを範囲内に修正する、つまり{K1、Y、M、C}={+4、+10、+2、-2}に修正する。
【0114】
本実施形態では、制御装置80は、位置ずれ調整が終了したのち、カラーレジ調整された第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する。ユーザは、これらを見てカラーレジ調整値されたことを確認する。
【0115】
次に、第一手順例を
図9のフローチャートを使って説明する。
【0116】
本手順例では、第一チャート300A(
図6参照)及び第一チャート300Bを記録用紙Pに形成したのち、第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する。
【0117】
ユーザが操作した操作パネル95(
図1参照)から位置ずれ調整モードを行う指示を受けつけると、CPU81は、第一チャート300A(
図6参照)及び第一チャート300B(
図7参照)を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS100)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第一画像形成ユニット30の基準色に対する他の色の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の基準色に対する他の色の第一調整値Bを受け付ける(ステップS102)。
【0118】
CPU81は、受け付けた第一調整値A、Bを現在の第一調整値A、Bに反映して記憶する(ステップS104)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の第一調整値Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在のカラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS106)。
【0119】
なお、前述したように、「カラーレジ調整値」とは、第一調整値A、Bから算出された画像形成時における露光装置35Y、35M、35C、35K、55W、55S、55G、55Kの露光タイミングの調整値である。
【0120】
CPU81は、第二チャート310(
図8参照)を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS108)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第一画像形成ユニット30の基準色に対する第二画像形成ユニット50の基準色の第二調整値を受け付ける(ステップS110)。CPU81は、入力された第二調整値を第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して修正する(ステップS112)。CPU81は、第二画像形成ユニット50の修正後の第一調整値Bの全てが範囲内である否かを判断する(ステップS114)。
【0121】
範囲内の場合(ステップS114:YES)、CPU81は、ステップS116処理に進み修正された第一調整値A及び第一調整値Bを現在の第一調整値A、Bに反映して記憶する(ステップS116)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の第一調整値Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在のカラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS118)。
【0122】
CPU81は、新しいカラーレジ調整値によって第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS130)。
【0123】
範囲外の場合(ステップS114:NO))、ステップS120の処理に進み範囲外となる第二画像形成ユニット50で調整可能な調整量Bを算出する(ステップS120)。なお、複数の色で範囲外が生じた場合は最大のものを調整量Bとする。また、調整量Bから第一画像形成ユニット30に振り分ける調整量Aを算出する。
【0124】
ここで、前述の例では、範囲の閾値{-10}から{-8}を引いた{-2}が第二画像形成ユニット50の調整量Bであり、{-2}から{-6}を引いた{+4}が第一画像形成ユニット30の調整量Aである。
【0125】
CPU81は、算出された調整量A、Bを第一画像形成ユニット30の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して修正する(ステップS122)。CPU81は、修正後の第一調整値Aが全て範囲内であるか否かを判断する(ステップS124)。
【0126】
範囲内の場合(ステップS124:YES))、CPU81は、ステップS116の処理に進み、修正された第一調整値A及び第一調整値Bを反映して記憶し(ステップS116)、カラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS118)、第一チャート30A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS130)。
【0127】
範囲外の場合(ステップS124:NO))、CPU81は、ステップS126の処理に進み調整できない残調整量を算出すると共に第一調整値Aの範囲外のものを範囲内に修正する。
【0128】
ここで、「残整残量」と「第一調整値Aの修正」とについて説明する。例えば、第一調整値Aが{0、0、+10、+12}になる場合、{+12}の範囲外となる{+2}が「調整残量」であり、「第一調整値Aの修正」は、{0、0、+10、+10}である。
【0129】
CPU81は、第一画像形成ユニット30の位置ずれが調整できなかった色と調整残量を操作パネル95に表示し(ステップS128)、ステップS116の処理に進む。
【0130】
CPU81は、修正された第一調整値A及び第一調整値Bを反映して記憶し(ステップS116)、カラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS118)、第一チャート30A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS130)。
【0131】
≪第二手順例≫
本手順例では、第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力した後、第一チャート300A(
図6参照)及び第一チャート300Bを記録用紙Pに形成して出力する。なお、
図6に示す第一チャート300A、
図7に示す第一チャート300B及び
図8に示す第二チャート310は同じである。また、第一調整値A、第一調整値B、第二調整値、調整量A、調整量B及び調整残量の定義も同じである。
【0132】
第二手順を
図10のフローチャートを使って説明する。なお、第一手順と同様のステップ等は簡略化して説明する。
【0133】
ユーザが操作した操作パネル95(
図1参照)から位置ずれ調整モードを行う指示を受けつけると、CPU81は、第二チャート310(
図8参照)を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS200)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第一画像形成ユニット30の基準色に対する第二画像形成ユニット50の基準色の第二調整値を受け付ける(ステップS202)。
【0134】
CPU81は、受け付けた第二調整値を現在の第一画像形成ユニット30の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して記憶する(ステップS204)。
【0135】
CPU81は、記憶した第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在カラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS206)。
【0136】
CPU81は、第一チャート300A及び第一チャート300Bを記録用紙Pに形成して出力する(ステップS208)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第一画像形成ユニット30の基準色に対する他の色の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の基準色に対する第一調整値Bを受け付ける(ステップS210)。
【0137】
CPU81は、受け付けた第一調整値A、Bを現在の第一調整値A、Bに反映して修正する(ステップS212)。CPU81は、修正された第一調整値Aの全てが範囲内であるか否かを判断する(ステップS214)。範囲内の場合(ステップS214:YES))、CPU81は、ステップS216の処理に進む。
【0138】
CPU81は、修正された第一調整値Bの全てが範囲内であるか否かを判断する(ステップS216)。範囲内の場合(ステップS216:YES))、CPU81は、ステップS218の処理に進む。
【0139】
CPU81は、第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS218)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30の第一調整値A及び第二画像形成ユニット50の第一調整値Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在のカラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS220)。
【0140】
CPU81は、新しいカラーレジ調整値によって第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS230)。
【0141】
ステップS214で範囲外の場合(ステップS214:NO)、ステップS222の処理に進み調整量Aを算出する。なお、複数の色で範囲外が生じた場合は最大のものを調整量Aとする。また、第一画像形成ユニット30の調整量Aから第二画像形成ユニット50の調整量Bを算出する(ステップS222)。
【0142】
CPU81は、算出された調整量A、Bを第一画像形成ユニット30の第一調整値及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bに反映して修正(ステップS224)し、ステップS216に進む。
【0143】
ステップS216で範囲外の場合(ステップS216:NO)、CPU81は、ステップS226の処理に進み調整できない残調整量を算出すると共に第一調整値Aの範囲外のものを範囲内に修正する。
【0144】
CPU81は、第二画像形成ユニット50の位置ずれが調整できなかった色と調整残量を操作パネル95に表示し(ステップS228)、ステップS218の処理に進む。
【0145】
CPU81は、修正された第一調整値A及び第一調整値Bを反映して記憶し(ステップS218)、カラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS220)、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS230)。
【0146】
≪第三手順例≫
第三手順例では、位置づれ調整を優先する画像形成ユニット又は調整残量を分割するか否かをユーザに問いあわせる。
図6に示す第一チャート300A、
図7に示す第一チャート300B及
図8に示す第二チャート310は同じである。また、第一調整値A、第一調整値B、第二調整値、調整量A、調整量B及び調整残量の定義も同じである。
【0147】
第三手順例を
図11及び
図12のフローチャートを使って説明する。なお、ステップS324までは、
図9の第一手順例のステップS124までは同じであるので、説明を簡略化する。また、その他、第一手順例及び第二手順例と同様のステップ等も簡略化して説明する。
【0148】
また、後述する「位置ずれ調整を優先する画像形成ユニット」とは、位置ずれ調整ができない画像形成部を有しない画像形成ユニットを選択することである。言い換えると、第一画像形成ユニット30及び第二画像形成50ユニットのうち、全ての画像形成部が調整される方をユーザが選択することである。
【0149】
ユーザが操作した操作パネル95(
図1参照)から位置ずれ調整モードを行う指示を受けつけると、CPU81は、第一チャート300A(
図6参照)及び第一チャート300B(
図7参照)を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS300)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第一調整値A、Bを受け付ける(ステップS302)。
【0150】
CPU81は、受け付けた第一調整値A、Bを現在の第一調整値A、Bに反映して記憶する(ステップS304)。CPU81は、記憶されている第一調整値A及び第一調整値Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在のカラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS306)。
【0151】
CPU81は、第二チャート310(
図8参照)を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS308)。CPU81は、ユーザが読み取って操作パネル95から入力した第二調整値310を受け付ける(ステップS310)。CPU81は、入力された第二調整値を第一調整値Bに反映して修正する(ステップS312)。CPU81は、第二画像形成ユニット50の修正後の第一調整値Bの全てが範囲内である否かを判断する(ステップS314)。
【0152】
範囲内の場合(ステップS314:YES)、CPU81は、ステップS316の処理に進み修正された第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS316)。
【0153】
CPU81は、記憶されている第一調整値A及び第一調整値Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS320)、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS356)。
【0154】
範囲外の場合(ステップS314:NO)、ステップS322の処理に進み範囲外となる第二画像形成ユニット50で調整可能が調整量Bを算出する(ステップS322)。なお、複数の色で範囲外が生じた場合は最大のものを調整量Bとする。また、調整量Bから第一画像形成ユニット30に振り分ける調整量Aを算出する。CPU81は、算出された調整量A、Bを第一調整値A、Bに反映して修正する(ステップS324)。
【0155】
CPU81は、修正後の第一調整値Aが全て範囲内であるか否かを判断する(ステップS326)。
【0156】
範囲内の場合(ステップS326:YES))、CPU81は、ステップS316の処理に進み、修正された第一調整値A及び第一調整値Bを反映して記憶し(ステップS316)、カラーレジ調整値を算出して反映する(ステップS320)。
【0157】
範囲外の場合(ステップS326:NO))、CPU81は、
図12のステップS328の処理に進み、範囲外となる第一調整値Aの調整残量を算出すると共に調整量Aから調整残量を引いた調整量AAを第一調整値Aに反映して修正する(ステップS328)。
【0158】
CPU81は、位置ずれが調整できなかった旨とその調整残量を操作パネル95に表示する(ステップS330)。
【0159】
CPU81は、第一画像形成ユニット30の位置ずれ調整を優先するか否かの質問を操作パネル95に表示する(ステップS332)。
【0160】
ステップS334に進み、ユーザの回答を入力として受け付ける。ユーザの入力が第一画像形成ユニット30を優先する場合(ステップS334:YES)、CPU81は、ステップS336の処理に進み調整残量を第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して記憶する(ステップS336)。なお、このとき、第二画像形成ユニット50の第一調整値Bが範囲外になるものは範囲内に収める。
【0161】
CPU81は、修正された第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS338)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS340)、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS354)。
【0162】
ユーザの入力が第一画像形成ユニット30を優先しない場合(ステップS334:NO)、CPU81は、ステップS342の処理に進む。CPU81は、第二画像形成ユニット50を位置ずれ調整を優先するか否かの質問を操作パネル95に表示する(ステップS342)。
【0163】
ユーザの入力が第二画像形成ユニット50を優先する場合(ステップS344:YES)、CPU81は、ステップS346の処理に進み調整残量を第一画像形成ユニット30の第一調整値Aに反映して修正する(ステップS346)。なお、このとき、第一調整値Aが範囲外になるものは範囲内に収める。
【0164】
CPU81は、修正された第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS338)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS340)、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS354)。
【0165】
ユーザの入力が第二画像形成ユニット50を優先しない場合(ステップS344:NO)、CPU81は、ステップS348の処理に進み、分割するか否かの質問を操作パネル95に表示する(ステップS348)。
【0166】
ステップS350に進み、ユーザの回答を入力として受け付ける。ユーザの入力が分割するである場合(ステップS350:YES)、CPU81は、ステップS352の処理に進み調整残量の半分を第一画像形成ユニット30の第一調整値Aに反映して修正すると共に調整残量の半分を第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して修正する(ステップS352)。なお、このとき、第一調整値A、Bの中で範囲外になるものは範囲内に収める。
【0167】
CPU81は、修正された第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS338)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し反映して記憶し(ステップS340)、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力する(ステップS354)。
【0168】
ユーザの入力が分割でない場合(ステップS350:NO)、CPU81はステップS338に進む。
【0169】
CPU81は、修正された第一調整値A、Bを反映して記憶する(ステップS338)。CPU81は、記憶されている第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の第一調整値A、Bから第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のカラーレジ調整値を算出し、現在のカラーレジ調整値に反映して記憶する(ステップS354)。
【0170】
[作用]
次に本実施形態の作用について説明する。
【0171】
本実施形態の画像形成装置10では、第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のそれぞれにおける基準色のトナー像と基準色以外のトナー像との位置ずれを調整するため第一チャート300A、300Bと、第一画像形成ユニット30の基準色と第二画像形成ユニット50の基準色との位置ずれを調整するための第二チャート310と、を記録用紙Pに形成して出力する。よって、第一画像形成ユニット30と第二画像形成ユニット50との間のトナー像の位置ずれ調整を可能とすることができる。
【0172】
また、手順例1及び手順例3では、第一チャート300A、300Bを記録用紙Pに形成し出力して第一調整値A、Bが入力されたのち、第二チャート310を記録用紙Pに形成し出力して第一調整値が入力される。よって、第一チャート300A、300B及び第二チャート310の両方を出力したあとに第一調整値A、Bと第二調整値とを入力する場合よりもユーザの入力ミスを低減することができる。
【0173】
また、手順例1及び手順例3では、第一調整値Aを用いて第一画像形成ユニット30の画像形成部32の位置ずれを調整し、第一調整値Bを用いて第二画像形成ユニット50の画像形成部52の位置ずれを調整する。そして、第二調整値を用いて、第二画像形成ユニット50の基準色を含む各画像形成部52のそれぞれの位置ずれを再調整する。よって、第二画像形成ユニット50の基準色の画像形成部52Kの位置ずれのみを再調整する場合と比較し、画像形成部52以外の色の画像形成部52のトナー像の位置ずれも調整される。
【0174】
また、手順例2では、第二チャート310を記録用紙Pに形成し出力して第一調整値が入力されたのち、第一チャート300A、300Bを記録用紙Pに形成し出力して第一調整値A、Bが入力される。よって、第一チャート300A、300B及び第二チャート310の両方を出力したあとに第一調整値A、Bと第二調整値とを入力する場合よりもユーザの入力ミスを低減することができる。
【0175】
また、手順例2では、第二調整値を用いて第一画像形成ユニット30の基準の画像形成部32Kと第二画像形成ユニット50の基準の画像形成部52Kとの位置ずれを調整する。そして、第一調整値Aを用いて第一画像形成ユニット30の基準の画像形成部32Kに対して他の画像形成部32Y、32M、32Cの位置ずれを調整すると共に第一調整値Bを用いて第二画像形成ユニット50の基準の画像形成部52Kに対して他の画像形成部52W、52S、52GCの位置ずれを調整する。よって、第二調整値を用いて第一画像形成ユニット30の基準の画像形成部32Kと第二画像形成ユニット50の基準の画像形成部52Kとの位置ずれを調整する。よって、第一画像形成ユニット30の基準の画像形成部32Kと第二画像形成ユニット50の基準の画像形成部52Kの位置ずれのみを調整する場合と比較し、基準の画像形成部32K、52K以外の画像形成部32Y、32M、32C、52W、52S、52Gのトナー像の位置ずれが調整される。
【0176】
また、第一手順例、第二手順例及び第三手順例では、第二調整値を反映すると位置ずれ調整の位置ずれ調整できない画像形成部がある場合、第二調整値を分割して、第一画像形成ユニット30と第二画像形成ユニット50とに振り分けて反映する。よって、第二調整値を分割しない場合と比較し、多数の画像形成部の位置ずれを調整することができる。
【0177】
また、第三手順例では、第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50のうち位置ずれ調整を優先する方を指定することができる。よって、ユーザが所望の位置ずれ調整を行うことができる。
【0178】
また、第一手順例、第二手順例及び第三手順例では、第一調整値A、B及び第二調整値を入力したのち、第一チャート300A、300Bと第二チャート310とを再度形成して記録用紙Pに形成して出力する。よって、第一チャート300A、300Bと第二チャート310との両方を出力しない場合と比較し、位置ずれ調整の結果を正確に確認することができる。
【0179】
<その他>
尚、本発明は、上記実施形態に限定されない。
【0180】
例えば、上記実施形態の第三手順例では、調整残量の半分を第一画像形成ユニット30の第一調整値Aに反映して修正すると共に調整残量の半分を第二画像形成ユニット50の第一調整値Bに反映して修正したが、これに限定されるものではない。調整残量の分割量は、第一画像形成ユニット30と第二画像形成ユニット50とで変えてもよい。その際、第一画像形成ユニット30に適用する分割量と第二画像形成ユニット50に適用する分割量とをユーザに問いあわせて入力するようにしてもよい。
【0181】
また、例えば、上記実施形態では、第一手順例及び第三手順例では、第一チャート300A、300Bを記録用紙Pに形成して出力し第一調整値A、Bを入力したのち、第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力し第二調整値を入力した。第二手順例では、第二チャート310を記録用紙Pに形成して出力し第二調整値を入力したのち、第一チャート300A、300Bを記録用紙Pに形成して出力し第一調整値A、Bを入力した。しかし、これらの手順に限定されるものではない。例えば、第一チャート300A、300B及び第二チャート310を全部記録用紙Pに形成して出力したのち、第一調整値A、B及び第二調整値を入力してもよい。
【0182】
また、
図6に示す第一チャート300A、300B及び第二チャート310は一例であって、これらに限定されるものではない。
【0183】
また、例えば、上記実施形態では、ユーザが行う位置ずれ調整モードの実行の入力及び優先する画像形成ユニットの入力等は、操作パネル95から行ったが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザは、画像形成装置10に有線又は無線によって電気的に接続されたパソコン、スマートフォン及びタブレット端末等から入力を行ってもよい。
【0184】
また、例えば、上記実施形態では、画像形成装置10は、第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50は、黒色のトナー像のみ同色であったが、これに限定されるものではない。例えば、四色全てが同色、一例として、Y、M、C、Kの四色を第一画像形成ユニット30及び第二画像形成ユニット50の両方が有していてもよい。或いは、四色全ての色が異なっていてもよい。一例として上記実施形態の第二画像形成ユニット50が黒色以外、例えば透明色であってもよい。
【0185】
また、例えば、上記実施形態では、画像形成装置10は、第一画像形成ユニット30と第二画像形成ユニット50との二つの画像形成ユニットを備えていたが、これに限定されない。三以上の画像形成ユニットを備えた画像形成装置であってもよい。また、画像形成ユニット30、50は、それぞれ四つの画像形成部32、52を有していたが、これに限定されない。画像形成ユニットは2以上の画像形成部を有していればよい。
【0186】
ここで三以上の画像形成ユニットを備えた画像形成装置の場合の第二調整値について説明する。基準とする画像形成ユニットを一つ決め、その基準の画像形成ユニットに対する他の画像形成ユニット毎に第二調整値を読み取る。つまり、他の複数の画像形成ユニット毎に第二調整値がある。
【0187】
また、制御装置80による各種制御は、モードと読み替えてもよいし、制御形態と読み替えてもよい
【0188】
また、上記実施形態では、記録媒体の一例として記録用紙Pを用いたが、これに限定されるものではない。記録用紙P以外、例えば、OHPシート等であってもよい。
【0189】
また、上記実施形態では、CPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理をCPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、処理をこれらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0190】
また、上記各実施形態では、プログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0191】
また、画像形成装置の構成としては、上記実施形態の構成に限られず種々の構成とすることが可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0192】
[付記]
【0193】
(((1)))
複数の画像形成部と、複数の前記画像形成部で形成されたトナー像が一次転される中間転写体と、を有する複数の画像形成ユニットと、
複数の前記画像形成ユニットにそれぞれ対応して設けられ、前記中間転写体の前記トナー像を記録媒体に二次転写する複数の二次転写部と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記トナー像の位置ずれ調整の指示を受け付けると、
前記画像形成ユニット毎に基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像に対する他の前記画像形成部が形成した前記トナー像との位置ずれ量を確認可能な第一チャートと、複数の前記画像形成ユニットの前記基準とする前記画像形成部が形成した前記トナー像同士の位置ずれ量を確認可能な第二チャートと、を前記記録媒体に二次転写して出力、前記第一チャートから読み取られた前記画像形成ユニット毎の位置ずれを調整する第一調整値の入力と、前記第二チャートから読み取られた複数の前記画像形成ユニット間の位置ずれを調整する第二調整値の入力と、を受け付ける、
モードを実行する、
画像形成装置。
【0194】
(((2)))
前記モードは、
前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付けたあとに、
前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付ける、
(((1)))に記載の画像形成装置。
【0195】
(((3)))
前記モードは、
前記第一調整値を用いて、前記画像形成ユニット毎の複数の前記画像形成部の位置ずれを調整し、
前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの複数の前記画像形成部のそれぞれの位置ずれを再調整する、
(((2)))に記載の画像形成装置。
【0196】
(((4)))
前記モードは、
前記第二チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第二調整値の入力を受け付けたあとに、
前記第一チャートを前記記録媒体に二次転写して出力して前記第一調整値の入力を受け付ける、
(((1)))に記載の画像形成装置。
【0197】
(((5)))
前記モードは、
前記第二調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニット間の基準の前記画像形成部の位置ずれを調整し、
前記第一調整値を用いて、複数の前記画像形成ユニットの基準の前記画像形成部に対して他の前記画像形成部の位置ずれを調整する、
(((4)))に記載の画像形成装置。
【0198】
(((6)))
前記モードは、
前記第二調整値を反映すると位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、
前記第二調整値を分割して、複数の前記画像形成ユニットに反映する、
(((3)))又は(((5)))に記載の画像形成装置。
【0199】
(((7)))
前記モードは、
前記第二調整値を分割して反映しても位置ずれ調整できない前記画像形成部がある場合、
位置ずれ調整できない前記画像形成部を有しない前記画像形成ユニットを選択可能とする、
(((6)))に記載の画像形成装置。
【0200】
(((8)))
前記モードは、
前記第一調整値の入力と前記第二調整値の入力とを受け付けた後に、
前記第一チャートと前記第二チャートとを再度形成して前記記録媒体に二次転写して出力する、
(((1)))~(((7)))のいずれかに記載の画像形成装置。
【0201】
(((1)))に係る画像形成装置によれば、画像形成ユニット間のトナー像の位置ずれ調整を可能とすることができる。
【0202】
(((2)))に係る画像形成装置によれば、第一チャート及び第二チャートの両方を出力したあとに第一調整値と第二調整値とを入力する場合よりも入力ミスを低減することができる。
【0203】
(((3)))に係る画像形成装置によれば、複数の画像形成ユニットの基準の画像形成部の位置ずれのみを再調整する場合と比較し、基準の画像形成部以外のトナー像の位置ずれが調整される。
【0204】
(((4)))に係る画像形成装置によれば、第一チャート及び第二チャートの両方を出力したあとに第一調整値と第二調整値とを入力する場合よりも入力ミスを低減することができる。
【0205】
(((5)))に係る画像形成装置によれば、複数の画像形成ユニットの基準の画像形成部の位置ずれのみを調整する場合と比較し、基準の画像形成部以外のトナー像の位置ずれが調整される。
【0206】
(((6)))に係る画像形成装置によれば、第二調整値を分割しない場合と比較し、多数の画像形成部の位置ずれを調整できる。
【0207】
(((7)))に係る画像形成装置によれば、位置ずれ調整できない画像形成部を有しない画像形成ユニットが固定されている場合と比較し、所望の位置ずれ調整をすることができる。
【0208】
(((8)))に係る画像形成装置によれば、第一チャートと第二チャートとの両方を出力しない場合と比較し、位置ずれ調整の結果を正確に確認することができる。
【符号の説明】
【0209】
10 画像形成装置
30 第一画像形成ユニット
32Y 画像形成部
32C 画像形成部
32M 画像形成部
32K 画像形成部
40 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
50 第二画像形成ユニット
52W 画像形成部
52S 画像形成部
52G 画像形成部
52K 画像形成部
60 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
74 二次転写部(転写部の一例)
76 二次転写部(転写部の一例)
80 制御装置
81 CPU(プロセッサの一例)
300A 第一チャート
300B 第一チャート
310 第二チャート
P 記録用紙(記録媒体の一例)