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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047437
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】媒体供給装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/04 20060101AFI20240329BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B65H43/04
B65H3/48 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153051
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕一
(72)【発明者】
【氏名】北澤 由之
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA13
3F048BB02
3F048BC03
3F048CA02
3F048DA04
3F048DC12
3F048EA15
3F048EB11
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC01
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA17
3F343JD09
3F343JD28
3F343KB03
3F343KB05
3F343LA02
3F343LA03
3F343MA03
3F343MA14
3F343MA55
3F343MC13
(57)【要約】
【課題】媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる媒体供給装置を得る。
【解決手段】媒体供給装置は、媒体が上下方向に積載可能な積載部と、積載部に積載された複数の媒体に空気を供給して複数の媒体を浮揚及び分離させる供給部と、供給部によって浮揚及び分離された媒体を順次送り出す送出部と、供給部によって媒体が浮揚及び分離されている状態を検出する検出部と、をそれぞれ有する複数の搬送部と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、プロセッサは、搬送中の搬送部が有する検出部によって媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、定められたタイミングで他の搬送部からの媒体の供給に切り替え、検出部によって媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の搬送部が有する供給部による空気の供給量を変更する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が上下方向に積載可能な積載部と、前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す送出部と、前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を検出する検出部と、をそれぞれ有する複数の搬送部と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
搬送中の前記搬送部が有する前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、定められたタイミングで他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替え、
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の前記搬送部が有する前記供給部による空気の供給量を変更する、媒体供給装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がある場合、前記タイミングで他の前記搬送部に切り替える、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、前記タイミングに間に合うときに前記準備が完了した後に他の前記搬送部に切り替え、
前記タイミングに間に合わないときは、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部からの前記媒体の供給を継続する、請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、準備完了までは切り替え前の前記搬送部からの前記媒体の供給を停止させ、準備完了後に切り替え先の他の前記搬送部からの前記媒体の供給を開始する、請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項5】
前記タイミングは、
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された後であって切り替え前の前記搬送部の前記供給部による空気の供給量を変更し、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された後である、請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部から前記媒体を供給する、請求項5に記載の媒体供給装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された場合は、ユーザーに報知するための報知部に、前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある情報を出力する、請求項5に記載の媒体供給装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替えた後、
元の前記搬送部において、前記供給部による空気の供給を継続し、元の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、元の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替える、請求項2に記載の媒体供給装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を撮影する撮影部を備える、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を投光部からの光を受光部で検出する光電センサを備える、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項11】
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以下の前記媒体が浮揚している場合である、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項12】
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以上の前記媒体が分離されていない束状態となっている場合である、請求項1に記載の媒体供給装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の媒体供給装置と、
前記媒体供給装置により供給された前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体供給装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、給紙部を備える画像形成装置を有する印刷管理システムであって、給紙エラーを引き起こした領域が特定の給紙部か否かを判別する判別手段と、給紙エラーを引き起こした領域が前記特定の給紙部の場合、当該特定の給紙部の設定の確認を求める情報を表示部に表示する表示手段と、給紙エラーを引き起こした領域が前記特定の給紙部でない場合、自動リカバリ処理を実行する自動リカバリ手段と、を設けた印刷管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-042951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、給紙部を備える画像形成装置では、給紙エラーが発生した場合に、リカバリ処理を実行する場合がある。リカバリ処理とは、例えば、給紙エラーが発生した場合、ユーザーが滞留した用紙等の媒体を撤去した後に、自動で印刷処理を再開する処理のことをいう。
【0005】
本発明は、媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる媒体供給装置、及び画像形成装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る媒体供給装置は、媒体が上下方向に積載可能な積載部と、前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す送出部と、前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を検出する検出部と、をそれぞれ有する複数の搬送部と、少なくとも1つのプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、搬送中の前記搬送部が有する前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、定められたタイミングで他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替え、前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の前記搬送部が有する前記供給部による空気の供給量を変更する。
【0007】
第2態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がある場合、前記タイミングで他の前記搬送部に切り替える。
【0008】
第3態様に係る媒体供給装置は、第2態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、前記タイミングに間に合うときに前記準備が完了した後に他の前記搬送部に切り替え、前記タイミングに間に合わないときは、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部からの前記媒体の供給を継続する。
【0009】
第4態様に係る媒体供給装置は、第2態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、準備完了までは切り替え前の前記搬送部からの前記媒体の供給を停止させ、準備完了後に切り替え先の他の前記搬送部からの前記媒体の供給を開始する。
【0010】
第5態様に係る媒体供給装置は、第2態様に記載の媒体供給装置において、前記タイミングは、前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された後であって切り替え前の前記搬送部の前記供給部による空気の供給量を変更し、切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された後である。
【0011】
第6態様に係る媒体供給装置は、第5態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部から前記媒体を供給する。
【0012】
第7態様に係る媒体供給装置は、第5態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された場合は、ユーザーに報知するための報知部に、前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある情報を出力する。
【0013】
第8態様に係る媒体供給装置は、第2態様に記載の媒体供給装置において、前記プロセッサは、他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替えた後、元の前記搬送部において、前記供給部による空気の供給を継続し、元の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、元の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替える。
【0014】
第9態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を撮影する撮影部を備える。
【0015】
第10態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を投光部からの光を受光部で検出する光電センサを備える。
【0016】
第11態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以下の前記媒体が浮揚している場合である。
【0017】
第12態様に係る媒体供給装置は、第1態様に記載の媒体供給装置において、前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以上の前記媒体が分離されていない束状態となっている場合である。
【0018】
第13態様に係る画像形成装置は、第1態様から第12態様までのいずれか1つに記載の媒体供給装置と、前記媒体供給装置により供給された前記媒体に画像を形成する画像形成部と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
第1態様に係る媒体供給装置によれば、媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる。
【0020】
第2態様に係る媒体供給装置によれば、媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出されてから、他の搬送部による媒体の供給の準備を開始する場合と比較して、迅速に他の搬送部に切り替えることができる。
【0021】
第3態様に係る媒体供給装置によれば、他の搬送部が媒体を供給可能な状態となるための準備が完了するまで待機する場合と比較して、装置の停止を抑制することができる。
【0022】
第4態様に係る媒体供給装置によれば、他の搬送部が媒体を供給可能な状態となるための準備が完了するまで切り替え前の搬送部から媒体を供給する場合と比較して、媒体の詰まり又は重送の発生を抑制することができる。
【0023】
第5態様に係る媒体供給装置によれば、切り替え前の搬送部での検出部による再度の検出結果を待たずに他の搬送部に切り替える場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、切り替え前の搬送部からの媒体の供給を継続することができる。
【0024】
第6態様に係る媒体供給装置によれば、他の搬送部に切り替える場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、元の搬送部からの媒体の供給を継続することができる。
【0025】
第7態様に係る媒体供給装置によれば、ユーザーに元の搬送部の不具合の改善を促すことができる。
【0026】
第8態様に係る媒体供給装置によれば、他の搬送部からの媒体の供給を継続する場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、元の搬送部からの媒体の供給に切り替え可能である。
【0027】
第9態様に係る媒体供給装置によれば、光電センサによって媒体の端部を検出する場合と比較して、媒体の端部の検出が容易である。
【0028】
第10態様に係る媒体供給装置によれば、撮影部で撮影された画像によって媒体の端部を検出する場合と比較して、装置本体への取付けが容易である。
【0029】
第11態様に係る媒体供給装置によれば、媒体が浮揚している枚数によって、媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0030】
第12態様に係る媒体供給装置によれば、浮揚している媒体が束状態となっている枚数によって、媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0031】
第13態様に係る画像形成装置によれば、媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態に係る媒体供給装置を備えた画像形成装置の一例を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る媒体供給装置の媒体供給部の一部を示す正面図である。
図3】第1実施形態に係る媒体供給装置の媒体供給部の一部を示す平面図である。
図4】第1実施形態に係る媒体供給装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る媒体供給装置の制御装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図6】(A)は、用紙の浮揚及び分離が良好な状態の一例を示す図であり、(B)は、用紙の浮揚及び分離が十分でない状態の一例を示す図であり、(C)は、用紙の浮揚及び分離が十分でない状態の他の例を示す図である。
図7】使用中の媒体供給部の媒体の詰まり又は重送の懸念がある場合に、他の媒体供給部に切り替える動作の第1状態を示す構成図である。
図8】使用中の媒体供給部の媒体の詰まり又は重送の懸念がある場合に、他の媒体供給部に切り替えた後の動作の第2状態を示す構成図である。
図9】第1実施形態に係る媒体供給装置の処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態に係る媒体供給装置の処理の流れの他の部分を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る媒体供給装置に用いられる光線センサを示す構成図である。
図12】比較例の媒体供給装置において、使用中の媒体供給部に媒体の詰まり又は重送が発生した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面に矢印Xで示す方向を装置幅方向、矢印Yで示す方向を装置高さ方向とする。また、装置幅方向及び装置高さ方向のそれぞれに直交する方向(矢印Z方向)を装置奥行方向とする。
【0034】
〔第1実施形態〕
図1には、第1実施形態に係る媒体供給装置10を備えた画像形成装置100の一例が示されている。
【0035】
<画像形成装置の構成>
図1に示されるように、画像形成装置100は、媒体供給装置10と、画像形成装置本体101と、を備えている。画像形成装置本体101は、媒体の一例としての用紙Pに画像を形成する画像形成部102と、用紙Pを収容する複数の給紙トレイ104と、を備えている。さらに、画像形成装置100は、画像形成装置100の各部の動作を制御する制御装置106を備えている。給紙トレイ104は、一例として、3つ設けられており、それぞれ異なる種類又はサイズの用紙Pが収容されている。図示を省略するが、画像形成装置本体101の内部には、給紙トレイ104内の用紙Pを一枚ずつ送り出して画像形成部102の画像形成位置に搬送する搬送手段が設けられている。画像形成部102と搬送手段の構成及び配置は特に限定されない。
【0036】
媒体供給装置10は、一例として、オプションで画像形成装置本体101に取付けられる構成とされている。媒体供給装置10は、筐体111と、筐体111内に配置されると共に用紙Pを一枚ずつ画像形成装置本体101の画像形成部102に供給する複数の給紙部112と、を備えている。複数の給紙部112は、複数の搬送部の一例である。さらに、媒体供給装置10は、媒体供給装置10の各部の動作を制御する制御装置50を備えている。制御装置50は、画像形成装置本体101の制御装置106と電気的に接続されており、制御装置50と制御装置106との間で通信が可能とされている。なお、この構成に代えて、媒体供給装置10の各部の動作を画像形成装置本体101の制御装置106で制御するようにしてもよい。
【0037】
一例として、筐体111は、第1筐体111Aと、第2筐体111Bと、を備えており、複数の給紙部112は4つである。一例として、媒体供給装置10は、第1筐体111A内に第1給紙部112A及び第2給紙部112Bを備えており、第2筐体111B内に第3給紙部112C及び第4給紙部112Dを備えている。
【0038】
第1筐体111A及び第2筐体111B内には、第1給紙部112Aの用紙Pを画像形成装置本体101に搬送するための搬送路114Aと、第2給紙部112Bの用紙Pを画像形成装置本体101に搬送するための搬送路114Bと、が設けられている。また、第2筐体111B内には、第3給紙部112Cの用紙Pを画像形成装置本体101に搬送するための搬送路114Cと、第4給紙部112Dの用紙Pを画像形成装置本体101に搬送するための搬送路114Dとが設けられている。搬送路114A、搬送路114B、搬送路114C、及び搬送路114Dの一部は共通化されている。図示を省略するが、搬送路114A、搬送路114B、搬送路114C、及び搬送路114Dには、搬送ロールなどの搬送手段が設けられている。
【0039】
<媒体供給装置の構成>
媒体供給装置10は、上記のように、第1給紙部112A、第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第4給紙部112Dを備えている。第1給紙部112A、第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第4給紙部112Dは、同様の構成とされており、これらの4つを区別する必要がない場合は、給紙部112と記載して説明する。
【0040】
(給紙部の構成)
図1及び図2に示されるように、給紙部112は、用紙Pが上下方向に積載可能な積載部12と、積載部12に積載された複数の用紙Pに空気を供給して用紙Pを浮揚及び分離させる供給部14(図2参照)と、を備えている。また、給紙部112は、供給部14によって浮揚及び分離された用紙Pを順次送り出す送出部16(図2参照)と、供給部14によって用紙Pが浮揚及び分離されている状態を検出する検出部の一例としてのカメラ18と、を備えている。
【0041】
(積載部)
図1に示されるように、積載部12は、複数の用紙Pが積載可能な板状体12Aを備えている。図示を省略するが、媒体供給装置10には、の板状体12Aを上下方向に昇降させる昇降装置を備えている。昇降装置は、板状体12Aの上側に積載された用紙Pの最上部の用紙Pの位置が定められた高さとなるように、板状体12Aを上昇させる。
【0042】
図3に示されるように、給紙部112には、積載部12に積載された用紙Pの幅方向(本例では矢印Z方向)の側部の位置を規制するサイドガイド20が設けられている。サイドガイド20は、積載部12の上側に設けられている。サイドガイド20は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側に設けられている。一例として、サイドガイド20は、積載部12に装置奥行方向(矢印Z方向)にスライド可能に取付けられている。用紙Pのサイズに合わせて、サイドガイド20を装置奥行方向(矢印Z方向)にスライドさせることができる。サイドガイド20は送出部16に干渉しないように移動範囲が図示しないストッパ(ガイドスリットの長さ)などで制限されている。
【0043】
(供給部)
図2及び図3に示されるように、供給部14は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の方向から積載部12の上方側に空気を吹き出す吹出口30を備えている。吹出口30は、板状体12Aの上側に積載された複数の用紙Pの上部と対向する位置に配置されている。供給部14は、吹出口30からの空気を複数の用紙Pの間に吹き込むことで、積載部12の板状体12Aに積載された複数の用紙Pを浮揚及び分離させる。
【0044】
供給部14は、吹出口30に繋がれるダクト32と、ダクト32における空気の流れ方向の上流側に設けられたファン34と、を備えている(図3参照)。供給部14では、ファン34の回転により空気がダクト32を通って吹出口30に供給され、吹出口30から空気が積載部12の上方側に吹き出される。吹出口30及びダクト32は、サイドガイド20に設けられている。
【0045】
図示を省略するが、吹出口30は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側に設けられている。一例として、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側のサイドガイド20に吹出口30が設けられている。ダクト32は、ファン34よりも空気の流れ方向の下流側で2つに分岐されており、ダクト32の分岐された部分の下流側端部にそれぞれ吹出口30が設けられている。
【0046】
(送出部)
図2に示されるように、送出部16は、積載部12の板状体12Aの上側に積載された用紙Pを一枚ずつ矢印A方向、すなわち装置幅方向の右側(矢印X方向の右側)に搬送する。送出部16は、積載部12の上側の最上部の用紙Pを一枚ずつ送り出す送出ロール(給送ロール)36と、送出ロール36よりも装置幅方向の内側(矢印X方向の左側)に配置される吸着部40と、を備えている。吸着部40は、最上部の用紙Pを吸着する。さらに、送出部16は、送出ロール36によって送り出された用紙Pを搬送する一対の搬送ロール38を備えている。
【0047】
一例として、送出部16では、吸着部40によって吸着された用紙Pが送出ロール36に接触することで、用紙Pが送出ロール36より矢印A方向に送り出され、搬送ロール38によって矢印A方向に搬送される。
【0048】
(カメラ)
カメラ18は、撮影部の一例であり、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を撮影する。図2及び図3に示されるように、カメラ18は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の側に設けられている。カメラ18は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の端部を撮影することで、用紙Pを浮揚及び分離されている状態を用紙Pの幅方向の外側から検出する。一例として、カメラ18は、用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部の両側にそれぞれ設けられている。
【0049】
一例として、カメラ18は、サイドガイド20の上部側に配置されており、サイドガイド20における用紙Pの送り出し方向(矢印A方向)の下流側の端部付近に配置されている。
【0050】
図3に示されるように、カメラ18は、板状体12Aに積載された用紙Pの幅方向(矢印Z方向)の側部と対向する位置に配置されている。カメラ18の検出範囲には、板状体12Aに積載された用紙Pの幅方向の端部付近が入っている。これにより、カメラ18は、用紙Pの幅方向の端部を検出することが可能である。
【0051】
(媒体供給装置のハードウェア構成)
図4は、媒体供給装置10に搭載される機器のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示されるように、媒体供給装置10は、上述した制御装置50と、複数の給紙部112の他、報知部44を含んでいる。給紙部112は、それぞれ供給部14と、カメラ18と、を含んでいる。図4では、構成を分かりやすくするため、複数の給紙部112を構成する第1給紙部112A、第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第4給紙部112Dの図示を省略している。
【0052】
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、及び入出力インタフェース55の各構成を有する。各構成は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0053】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU51は、プロセッサの一例である。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52又はストレージ54に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM52又はストレージ54には、供給処理プログラムが格納されている。
【0054】
ROM52は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。ストレージ54には、プリンタドライバのプログラムが格納されている。CPU51は、ストレージ54からプリンタドライバのプログラムを読み出し、プログラムを実行することで、プリンタドライバとして機能する。
【0055】
入出力インタフェース55は、媒体供給装置10に搭載される各装置及び画像形成装置100に搭載される制御装置106と通信するためのインタフェースである。制御装置50は、入出力インタフェース55を介して複数の給紙部112、報知部44及び画像形成装置本体101に接続されている。なお、複数の給紙部112、報知部44は、バス59を介して直接接続されていてもよい。
【0056】
報知部44は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報、又は給紙部112に用紙Pが無いという情報をユーザーに報知する装置である。例えば、制御装置50は、カメラ18で撮影された用紙Pの端部の浮揚及び分離状態の撮影画像に基づき、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があることが検出された場合は、報知部44に用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報を出力する。一例として、報知部44は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報を文字情報として表示する表示部である。なお、報知部44は、表示部に代えて、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報を音声で出力する音声出力部であってもよし、また、表示部と音声出力部の両方であってもよい。また、報知部44は、媒体供給装置10に設けられているが、画像形成装置100の外部装置に設けてもよい。
【0057】
(制御装置の機能構成)
図5は、制御装置50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0058】
図5に示すように、制御装置50は、機能構成として、用紙状態検出部71、給紙部情報取得部72、切替制御部73、空気供給量変更部74、及び報知情報出力部75を有する。CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された供給処理プログラムを読み出して、RAM53に展開して実行することにより実現される。
【0059】
用紙状態検出部71は、搬送中の給紙部112が有するカメラ18によって撮影された用紙Pの端部の浮揚及び分離状態の撮影画像に基づき、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるか否かを検出する。用紙Pの詰まり又は重送の懸念があると検出される条件は、予め、ストレージ54に記憶されている。用紙状態検出部71は、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態の撮影画像に基づき、上記条件に対応させて用紙Pの詰まり又は重送の懸念があるかを検出する。上記条件については、後述する。例えば、用紙状態検出部71は、図7に示されるように、第1給紙部112Aから用紙Pが供給(すなわち、搬送)されている場合、搬送中の第1給紙部112Aが有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態を検出する。
【0060】
給紙部情報取得部72は、複数の給紙部112において用紙Pの供給が可能であるか否かの情報を取得する。これにより、搬送中の給紙部112以外の複数の給紙部112のうち、用紙Pを供給可能な他の給紙部112があるか、又は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がないかなどの情報が取得される。
【0061】
切替制御部73は、一の給紙部112から用紙Pを供給している場合に、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える制御、又は他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えずに元の給紙部112からの用紙Pを継続する制御を行う。
【0062】
上記のように搬送中の給紙部112が有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切替制御部73は、後述する定められたタイミングで他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える。例えば、図7に示されるように、搬送中の第1給紙部112Aが有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合が該当する。切替制御部73は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がある場合、定められたタイミングで他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える。用紙Pを供給可能な他の給紙部112がある場合とは、他の給紙部112のうちのいずれか1つ以上が用紙Pを供給可能な状態となっている場合をいう。図7では、第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第3給紙部112Dから用紙Pを供給可能である。図8に示されるように、切替制御部73は、例えば、第3給紙部112Cからの用紙Pの供給に切り替える制御を行う。
【0063】
一例として、切替制御部73は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がない場合、他の給紙部112が用紙Pを供給可能な状態となるように準備を行い、定められたタイミングに間に合うときに、上記準備が完了した後に他の給紙部112に切り替えるようにしてもよい。用紙Pを供給可能な他の給紙部112がない場合とは、他の給紙部112のすべてが用紙Pを供給可能な状態となっていない場合をいう。切替制御部73は、定められたタイミングに間に合わないときは、他の給紙部112に切り替えずに、元の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)からの用紙Pの供給を継続するようにしてもよい。上記の定められたタイミングについては、後に説明する。
【0064】
また他の例として、切替制御部73は、例えば、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がない場合、他の給紙部112が用紙P体を供給可能な状態となるように準備を行い、上記準備の完了までは切り替え前の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)からの用紙Pの供給を停止させるようにしてもよい。そして、切替制御部73は、上記準備の完了後に他の給紙部112からの用紙Pの供給を開始するようにしてもよい。
【0065】
空気供給量変更部74は、搬送中の給紙部112のカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の給紙部112が有する供給部14による空気の供給量を変更する。例えば、図7及び図8に示されるように、搬送中の第1給紙部112Aが有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出され、他の給紙部112(例えば、第2給紙部112C)に切り替えられた場合が該当する。この場合、空気供給量変更部74は、切り替え前の第1給紙部112Aが有する供給部14による空気の供給量を変更する。
【0066】
例えば、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態の撮影画像に基づき、用紙Pの浮揚及び分離状態が不十分である(浮揚及び分離している用紙Pの枚数が少ない)場合は、空気供給量変更部74は、供給部14による空気の供給量を増加させる。また例えば、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態の撮影画像に基づき、用紙Pの浮揚枚数が多すぎ、複数枚の用紙Pが束となって十分に分離さていない場合は、空気供給量変更部74は、供給部14による空気の供給量を減少させる。例えば、供給部14による空気の供給量を変更は、ファン34の回転速度を変更することよって実行する。
【0067】
上記の定められたタイミングは、例えば、カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された後であって切り替え前の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)の供給部14による空気の供給量を変更し、切り替え前の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された後に設定されている。
【0068】
また、切替制御部73は、切り替え前の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、他の給紙部112に切り替えずに元の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)から用紙Pを供給するようにしてもよい。
【0069】
また、例えば、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えた後、元の給紙部112(例えば、第1給紙部112A)において、供給部14による空気の供給を継続してもよい。切替制御部73は、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えた後、元の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、元の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えるようにしてもよい。
【0070】
報知情報出力部75は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報、又は給紙部112に用紙Pが無いという情報を報知部44に出力する。例えば、報知情報出力部75は、切り替え前の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された場合は、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報を報知部44に出力する。
【0071】
(用紙Pの状態を検出する条件)
次に、カメラ18による用紙Pの状態を検出する条件について説明する。
【0072】
カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数である第1閾値(例えば、4枚)以下の用紙Pが浮揚している場合である。また、カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数である第2閾値(例えば、3枚)以上の用紙Pが分離されていない束状態となっている場合である。上記のような場合は、用紙状態検出部71により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があることが検出される。上記の第1閾値及び第2閾値については、変更が可能である。
【0073】
図6(A)~(C)には、積載部12の板状体12Aに積載された用紙Pに供給部14の吹出口30から空気が吹き出されたときに、カメラ18により検出される用紙Pの状態の一例が模式的に示されている。図6(A)に示す第1例では、上部側の用紙Pが10枚前後バラバラに分離されて浮揚しており、用紙Pの浮揚及び分離状態が良好である。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送しても、用紙Pの重送などは発生しにくい。このような場合は、上記条件に基づき、用紙状態検出部71により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がないことが検出される。
【0074】
図6(B)に示す第2例では、用紙Pの浮揚枚数が1枚程度しかなく、用紙Pの浮揚及び分離状態が十分ではない。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送する際に、用紙Pがスムーズに供給されない供給不良(すなわち、ミスフィード)が発生する懸念がある。このような場合は、上記条件に基づき、用紙状態検出部71により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があることが検出される。
【0075】
図6(C)に示す第3例では、吹出口30から空気を強く吹き出しすぎることで、上部側の用紙Pが束になって浮揚しており、用紙Pの浮揚及び分離状態が十分ではない。この状態では、送出部16により用紙Pを順次搬送する際に、用紙Pの重送が発生する懸念がある。このような場合は、上記条件に基づき、用紙状態検出部71により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念があることが検出される。
【0076】
<作用及び効果>
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0077】
図9及び図10は、制御装置50が担当する用紙の供給処理の流れを示すフローチャートである。CPU51がROM52又はストレージ54から供給処理プログラムを読み出して、RAM53に展開して実行することにより、供給処理が行なわれる。
【0078】
図9に示す供給処理が実行される前に、ユーザーは、予め画像形成装置100の画像形成装置本体101で印刷に用いる用紙Pを指定して画像データの印刷指示を行う。画像形成装置100が印刷指示を受付けると、媒体供給装置10において指定された用紙Pが収容された給紙部112から用紙Pの供給処理が実行され、画像形成装置本体101において用紙Pへの画像形成動作が実行される。以下に、媒体供給装置10による用紙Pの供給処理について説明する。
【0079】
CPU51は、一の給紙部112からの用紙Pの供給を開始する(ステップS201)。一の給紙部112は、印刷指示で指定された用紙Pが収容された給紙部112である。例えば、指定された用紙Pが第1給紙部112Aに収容されている場合、CPU51は、第1給紙部112Aからの用紙Pの供給を開始する。
【0080】
CPU51は、一の給紙部112において積載部12に積載された用紙Pの浮揚及び分離状態を検出する(ステップS201)。例えば、第1給紙部112Aからの用紙Pの供給を開始した場合、第1給紙部112Aのカメラ18により、積載部12に積載された用紙Pの浮揚及び分離状態を撮影する。カメラ18で撮影した撮影画像は制御装置50に送信され、CPU51は、この撮影画像に基づき、用紙Pの浮揚及び分離状態を検出する。
【0081】
CPU51は、一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する(ステップS203)。例えば、CPU51は、上記検出の条件に基づき、供給中(すなわち、搬送中)の第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する。
【0082】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合(ステップS203:NO)、CPU51は、一の給紙部112からの用紙Pの供給動作を継続する(ステップS204)。例えば、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合、CPU51は、第1給紙部112Aからの用紙Pの供給動作を継続する。
【0083】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合(ステップS203:YES)、CPU51は、他の給紙部112の情報を取得する(ステップS205)。他の給紙部112の情報には、他の給紙部112から用紙Pが供給可能な状態となっているかどうかの情報が含まれる。例えば、図7に示されるように、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合、CPU51は、第1給紙部112A以外の第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第4給紙部112Dの情報を取得する。
【0084】
CPU51は、他の給紙部112への切り替えが不可であるか否か判断する(ステップS206)。例えば、図7に示されるように、用紙Pが供給可能な他の給紙部112(第2給紙部112B、第3給紙部112C、又は第4給紙部112D)がある場合は、CPU51は、他の給紙部112に切り替え可能と判断する。用紙Pが供給可能な他の給紙部112がある場合は、予め他の給紙部112に供給部14から空気を供給し、用紙Pを浮揚及び分離していることが前提とされている場合である。用紙Pが供給可能な他の給紙部112が無い場合は、CPU51は、他の給紙部112に切り替え不可であると判断する。また、例えば、他の給紙部112の用紙Pが無い場合も、CPU51は、他の給紙部112に切り替え不可であると判断する。
【0085】
他の給紙部112への切り替えが可能である場合(ステップS206:NO)、CPU51は、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える(ステップS207)。例えば、図7に示されるように、用紙Pを供給可能な第2給紙部112B、第3給紙部112C、及び第4給紙部112Dがある場合、CPU11は、いずれか1つの給紙部112(例えば、第3給紙部112C)を選択し、選択した給紙部112(例えば、第3給紙部112C)からの用紙Pの供給に切り替える。
【0086】
他の給紙部112への切り替えが不可である場合(ステップS206:YES)、CPU51は、他の給紙部112の切り替えを準備する(ステップS208)。例えば、CPU51は、切り替えの準備として、他の給紙部112の供給部14から空気を供給し、積載部12に積載された用紙Pを浮揚及び分離させる。
【0087】
CPU51は、一の給紙部112の空気供給量を変更する(ステップS209)。例えば、図7に示されるように、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合は、CPU11は、第1給紙部112Aの供給部14の空気供給量を変更する。なお、ステップS208とステップS209の順序は逆でもよい。
【0088】
CPU51は、一の給紙部112において積載部12に積載された用紙Pの浮揚及び分離状態を検出する(ステップS210)。すなわち、一の給紙部112において用紙Pの浮揚及び分離状態の再度の検出が行われる。
【0089】
CPU51は、一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する(ステップS211)。すなわち、一の給紙部112において用紙Pの浮揚及び分離状態の再度の検出により、用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否かが判断される。
【0090】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合(ステップS211:NO)、CPU51は、一の給紙部112からの用紙Pの供給動作を継続する(ステップS204)。
【0091】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合(ステップS211:YES)、CPU51は、他の給紙部112の切り替え準備から定められた時間が経過したか否か判断する(ステップS212)。定められた時間は、例えば、他の給紙部112の切り替え準備の時点から切り替え準備が完了するまでの必要最小限の時間が設定されている。
【0092】
他の給紙部112の切り替え準備から定められた時間が経過していない場合(ステップS212:NO)、CPU51は、ステップS209の処理に戻る。
【0093】
他の給紙部112の切り替え準備から定められた時間が経過した場合(ステップS212:YES)、CPU51は、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替え可能であるか否か判断する(ステップS213)。例えば、ステップS208で、他の給紙部112からの用紙Pの供給への切り替えを準備し、準備が完了している場合は、CPU51は、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替え可能であると判断する。
【0094】
他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替え可能である場合(ステップS213:YES)、CPU51は、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える(ステップS207)。
【0095】
他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替え可能でない場合(ステップS213:NO)、CPU51は、報知部44にアラートを表示する(ステップS214)。例えば、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合、報知部44に、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るというアラート(例えば、警告情報)が表示される。また、アラートは、第1給紙部112Aでユーザーがセットしている用紙Pや供給部14の設定などを直してくださいという情報でもよい。なお、第1給紙部112Aに用紙Pが無い場合は、報知部44に第1給紙部112Aに用紙Pが無いというアラートを表示してもよい。
【0096】
CPU51は、一の給紙部112からの用紙Pの供給を終了する(ステップS215)。
【0097】
また、ステップS207で他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えた後、図10に示すように、CPU51は、一の給紙部112の空気供給量を変更する(ステップS221)。例えば、図8に示されるように、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るときに、第3給紙部112Cからの用紙Pの供給に切り替えた後、CPU51は、元の第1給紙部112Aの空気供給量を変更する。
【0098】
CPU51は、一の給紙部112の用紙Pの浮揚及び分離状態を検出する(ステップS222)。例えば、CPU51は、元の第1給紙部112Aで用紙Pの浮揚及び分離状態を検出する。
【0099】
CPU51は、一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する(ステップS223)。例えば、CPU51は、元の第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有るか否か判断する。
【0100】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合(ステップS223:NO)、CPU51は、一の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える(ステップS224)。例えば、図8に示されるように、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念がない場合は、CPU51は、第1給紙部112Aからの用紙Pの供給に切り替える。
【0101】
一の給紙部112で用紙Pの詰まり又は重送の懸念が有る場合(ステップS223:YES)、CPU51は、他の給紙部112からの用紙Pの供給動作を継続する(ステップS225)。例えば、図8において、第1給紙部112Aで用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある場合、CPU51は、第3給紙部112Cからの用紙Pの供給動作を継続する。これにより、制御装置50が担当する供給処理プログラムに基づく処理を終了する。
【0102】
図9に示すフローチャートにおいて、ステップS208の処理に移行するときに、一の給紙部112からの用紙Pの供給を一旦停止してもよい。一の給紙部112からの用紙Pの供給を一旦停止する場合は、ステップS204の処理に移行したときに、一の給紙部112からの用紙Pの供給動作の継続を開始してもよい。一の給紙部112からの用紙Pの供給を一旦停止する場合は、ステップS207の処理に移行したときに、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える。
【0103】
図12には、比較例の画像形成装置300が示されている。図12に示されるように、画像形成装置300は、画像形成装置本体101と、媒体供給装置310と、画像形成装置本体101の内部の制御装置320と、を備えている。媒体供給装置310は、複数の給紙部312として、第1給紙部312A、第2給紙部312B、第3給紙部312C、及び第4給紙部312Dを備えている。制御装置320は、用紙Pの詰まり又は重送などの給紙エラーが発生した場合に、ユーザーが滞留した用紙Pを撤去した後に、自動で印刷処理を再開するリカバリ処理を実行する。例えば、第3給紙部312Cで用紙Pの詰まりが発生した場合に、制御装置320は、画像形成装置300の全体の動作を停止し、表示部(図示省略)に用紙Pの詰まりのクリア指示を促す。そして、ユーザーが第3給紙部312Cで滞留した用紙Pを撤去した後、制御装置320は、リカバリ処理により、自動で印刷処理を再開する。
【0104】
しかし、比較例の画像形成装置300では、第3給紙部312Cで滞留した用紙Pの撤去が完了するまでは、画像形成装置300の動作を開始することができず、画像形成装置300の停止時間が長くなる。
【0105】
これに対して、第1実施形態の媒体供給装置10では、CPU51は、搬送中の給紙部112が有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、定められたタイミングで他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える。また、CPU51は、搬送中の給紙部112が有するカメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の給紙部112が有する供給部14による空気の供給量を変更する。
【0106】
このため、媒体供給装置10では、用紙Pの詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、用紙Pの詰まりによる媒体供給装置10の停止を抑制することができる。
【0107】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がある場合、定められたタイミングで他の給紙部112に切り替える。このため、媒体供給装置10では、用紙の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出されてから、他の給紙部による用紙の供給の準備を開始する場合と比較して、迅速に他の給紙部112に切り替えることができる。
【0108】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がない場合、他の給紙部112が用紙Pを供給可能な状態となるように準備を行い、定められたタイミングに間に合うときに準備が完了した後に他の給紙部112に切り替える。また、CPU51は、定められたタイミングに間に合わないときは、他の給紙部112に切り替えずに元の給紙部112からの用紙Pの供給を継続する。このため、媒体供給装置10では、他の給紙部が用紙を供給可能な状態となるための準備が完了するまで待機する場合と比較して、媒体供給装置10の停止を抑制することができる。
【0109】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、用紙Pを供給可能な他の給紙部112がない場合、他の給紙部112が用紙Pを供給可能な状態となるように準備を行い、準備完了までは切り替え前の給紙部112からの用紙Pの供給を停止させる。そして、CPU51は、準備完了後に切り替え先の他の給紙部112からの用紙Pの供給を開始する。このため、媒体供給装置10では、他の給紙部が用紙を供給可能な状態となるための準備が完了するまで切り替え前の給紙部から用紙を供給する場合と比較して、用紙Pの詰まり又は重送の発生を抑制することができる。
【0110】
また、媒体供給装置10では、上記タイミングは、カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された後であって切り替え前の給紙部112の供給部14による空気の供給量を変更し、切り替え前の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された後である。このため、媒体供給装置10では、切り替え前の給紙部でのカメラによる再度の検出結果を待たずに他の給紙部に切り替える場合と比較して、用紙Pの詰まりを抑制しながら、切り替え前の給紙部112からの用紙Pの供給を継続することができる。
【0111】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、切り替え前の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、他の給紙部112に切り替えずに元の給紙部112から用紙Pを供給する。このため、媒体供給装置10では、他の給紙部に切り替える場合と比較して、用紙Pの詰まりを抑制しながら、元の給紙部112からの用紙Pの供給を継続することができる。
【0112】
また、媒体供給装置10では、CPU51は、切り替え前の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された場合は、ユーザーに報知するための報知部44に、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある情報を出力する。このため、媒体供給装置10では、ユーザーに元の給紙部112の不具合の改善を促すことができる。
【0113】
また、媒体供給装置10では、他の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替えた後、元の給紙部112において、供給部14による空気の供給を継続し、元の給紙部112でカメラ18による再度の検出により用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、元の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替える。このため、媒体供給装置10では、他の給紙部からの用紙の供給を継続する場合と比較して、用紙Pの詰まりを抑制しながら、元の給紙部112からの用紙Pの供給に切り替え可能である。
【0114】
また、媒体供給装置10では、カメラ18は、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を撮影する。このため、媒体供給装置10では、光電センサによって用紙の端部を検出する場合と比較して、用紙Pの端部の検出が容易である。
【0115】
また、媒体供給装置10では、カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以下の用紙Pが浮揚している場合である。このため、媒体供給装置10では、用紙Pが浮揚している枚数によって、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0116】
また、媒体供給装置10では、カメラ18によって用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以上の用紙Pが分離されていない束状態となっている場合である。このため、媒体供給装置10では、浮揚している用紙Pが束状態となっている枚数によって、用紙Pの詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0117】
また、画像形成装置100は、媒体供給装置10と、媒体供給装置10により供給された用紙Pに画像を形成する画像形成部102と、を有する。このため、画像形成装置100では、用紙の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、用紙Pの詰まりによる画像形成装置100の停止を抑制することができる。
【0118】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の媒体供給装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0119】
図11に示されるように、第2実施形態の媒体供給装置は、第1実施形態の媒体供給装置10のカメラ18に代えて、検出部の一例としての光電センサ170を備えている。
【0120】
光電センサ170は、筐体172の端面172Aに、光を射出する投光部174と、光を受光部176と、を有している。光電センサ170では、投光部174からの光を受光部176で受光することで、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を検出する。光電センサ170以外の構成は、第1実施形態の媒体供給装置10と同様である。
【0121】
第2実施形態の媒体供給装置は、第1実施形態の媒体供給装置10と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果を有している。
【0122】
第2実施形態の媒体供給装置では、光電センサ170は、投光部174からの光を受光部176で受光することで、用紙Pの端部の浮揚及び分離状態を検出する。このため、第2実施形態の媒体供給装置では、撮影部で撮影された画像によって用紙Pの端部を検出する場合と比較して、装置本体(すなわち、複数の給紙部の本体部)への取付けが容易である。
【0123】
〔補足説明〕
第1及び第2実施形態の媒体供給装置では、カメラ18又は光電センサ170は、用紙Pの幅方向の両側にそれぞれ設けられていたが、本開示はこの構成に限定されるものではない。例えば、用紙Pの幅方向のどちらか一方に設けられている構成でもよい。
【0124】
上記の媒体供給装置10、画像形成装置100の処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合には、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0125】
また、媒体供給装置10、画像形成装置100を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、媒体供給装置10、画像形成装置100の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0126】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0127】
〔付記〕
(((1)))
媒体が上下方向に積載可能な積載部と、前記積載部に積載された複数の前記媒体に空気を供給して複数の前記媒体を浮揚及び分離させる供給部と、前記供給部によって浮揚及び分離された前記媒体を順次送り出す送出部と、前記供給部によって前記媒体が浮揚及び分離されている状態を検出する検出部と、をそれぞれ有する複数の搬送部と、
少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
搬送中の前記搬送部が有する前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、定められたタイミングで他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替え、
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された場合に、切り替え前の前記搬送部が有する前記供給部による空気の供給量を変更する、媒体供給装置。
【0128】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がある場合、前記タイミングで他の前記搬送部に切り替える、(((1)))に記載の媒体供給装置。
【0129】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、前記タイミングに間に合うときに前記準備が完了した後に他の前記搬送部に切り替え、
前記タイミングに間に合わないときは、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部からの前記媒体の供給を継続する、(((1)))又は(((2)))に記載の媒体供給装置。
【0130】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記媒体を供給可能な他の前記搬送部がない場合、他の前記搬送部が前記媒体を供給可能な状態となるように準備を行い、準備完了までは切り替え前の前記搬送部からの前記媒体の供給を停止させ、準備完了後に切り替え先の他の前記搬送部からの前記媒体の供給を開始する、(((1)))から(((3)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0131】
(((5)))
前記タイミングは、
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出された後であって切り替え前の前記搬送部の前記供給部による空気の供給量を変更し、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された後である、(((1)))から(((4)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0132】
(((6)))
前記プロセッサは、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、他の前記搬送部に切り替えずに元の前記搬送部から前記媒体を供給する、(((5)))に記載の媒体供給装置。
【0133】
(((7)))
前記プロセッサは、
切り替え前の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出された場合は、ユーザーに報知するための報知部に、前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある情報を出力する、(((5)))に記載の媒体供給装置。
【0134】
(((8)))
前記プロセッサは、
他の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替えた後、
元の前記搬送部において、前記供給部による空気の供給を継続し、元の前記搬送部で前記検出部による再度の検出により前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出されない場合は、元の前記搬送部からの前記媒体の供給に切り替える、(((1)))から(((5)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0135】
(((9)))
前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を撮影する撮影部を備える、(((1)))から(((8)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0136】
(((10)))
前記検出部は、前記媒体の端部の浮揚及び分離状態を投光部からの光を受光部で検出する光電センサを備える、(((1)))から(((8)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0137】
(((11)))
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以下の前記媒体が浮揚している場合である、(((1)))から(((10)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0138】
(((12)))
前記検出部によって前記媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態が検出される条件は、定められた枚数以上の前記媒体が分離されていない束状態となっている場合である、(((1)))から(((11)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置。
【0139】
(((13)))
(((1)))から(((12)))までのいずれか1つに記載の媒体供給装置と、
前記媒体供給装置により供給された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を有する画像形成装置。
【0140】
(((1)))に記載の媒体供給装置によれば、媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる。
【0141】
(((2)))に記載の媒体供給装置によれば、媒体の詰まり又は重送の懸念ある状態が検出されてから、他の搬送部による媒体の供給の準備を開始する場合と比較して、迅速に他の搬送部に切り替えることができる。
【0142】
(((3)))に記載の媒体供給装置によれば、他の搬送部が媒体を供給可能な状態となるための準備が完了するまで待機する場合と比較して、装置の停止を抑制することができる。
【0143】
(((4)))に記載の媒体供給装置によれば、他の搬送部が媒体を供給可能な状態となるための準備が完了するまで切り替え前の搬送部から媒体を供給する場合と比較して、媒体の詰まり又は重送の発生を抑制することができる。
【0144】
(((5)))に記載の媒体供給装置によれば、切り替え前の搬送部での検出部による再度の検出結果を待たずに他の搬送部に切り替える場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、切り替え前の搬送部からの媒体の供給を継続することができる。
【0145】
(((6)))に記載の媒体供給装置によれば、他の搬送部に切り替える場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、元の搬送部からの媒体の供給を継続することができる。
【0146】
(((7)))に記載の媒体供給装置によれば、ユーザーに報知することで、元の搬送部の不具合の改善を促すことができる。
【0147】
(((8)))に記載の媒体供給装置によれば、他の搬送部からの媒体の供給を継続する場合と比較して、媒体の詰まりを抑制しながら、元の搬送部からの媒体の供給に切り替え可能である。
【0148】
(((9)))に記載の媒体供給装置によれば、光電センサによって媒体の端部を検出する場合と比較して、媒体の端部の検出が容易である。
【0149】
(((10)))に記載の媒体供給装置によれば、撮影部で撮影された画像によって媒体の端部を検出する場合と比較して、装置本体への取付けが容易である。
【0150】
(((11)))に記載の媒体供給装置によれば、媒体が浮揚している枚数によって、媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0151】
(((12)))に記載の媒体供給装置によれば、浮揚している媒体が束状態となっている枚数によって、媒体の詰まり又は重送の懸念がある状態を検出することができる。
【0152】
(((13)))に記載の画像形成装置によれば、媒体の詰まりが発生してからリカバリ処理を実行する場合と比較して、媒体の詰まりによる装置の停止を抑制することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 媒体供給装置
12 積載部
14 供給部
16 搬送部
18 カメラ(検出部の一例、撮影部の一例)
44 報知部
50 制御装置
51 CPU(プロセッサの一例)
52 ROM
53 RAM
54 ストレージ
55 入出力インタフェース
59 バス
71 用紙状態検出部
72 給紙部情報取得部
73 切替制御部
74 空気供給量変更部
75 報知情報出力部
100 画像形成装置
102 画像形成部
112 給紙部(搬送部の一例)
112A 第1給紙部
112B 第2給紙部
112C 第3給紙部
112D 第4給紙部
170 光電センサ
174 投光部
176 受光部
P 用紙(媒体の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12