(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047438
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240329BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G06F3/12 308
G06F3/12 304
G06F3/12 353
G06F3/12 356
B41J2/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153052
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 将之
【テーマコード(参考)】
2C262
【Fターム(参考)】
2C262AA24
2C262BA14
2C262EA10
2C262GA59
(57)【要約】
【課題】印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減する。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、
取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する
情報処理装置。
【請求項2】
印刷ジョブは、属性値を含み、
前記属性値毎に、特定色と置換色とが紐付けられており、
前記プロセッサは、
前記印刷ジョブから、前記属性値を取得し、
取得した前記属性値における特定色と置換色との紐付けに従い、前記特定色を前記置換色に置換する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記属性値は、ユーザー名及びファイル名の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記ユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定色と前記置換色との紐付けは、外部の記憶装置に記憶されている、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記画像ファイルを表示した画面から、前記画像ファイルの色情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記画像ファイルを表示した画面の中の前記特定色を紐づけられている置換色に置き換えてプレビュー表示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、
取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する
ことを実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アプリケーションソフトが表示する文書の印刷を画像形成装置に要求する情報処理装置であって、特定の色で印刷されるオブジェクトを印刷対象の文書における第一のエリアの指定により受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が受け付けた前記第一のエリアに関する情報を第一の印刷データに変換する第一の印刷データ生成部と、前記印刷対象の文書を第二の印刷データに変換する第二の印刷データ生成部と、前記第一の印刷データと前記第二の印刷データを画像形成装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する。
【0006】
本開示の第2態様の情報処理装置は、第1態様の情報処理装置において、印刷ジョブは、属性値を含み、前記属性値毎に、特定色と置換色とが紐付けられており、前記プロセッサは、前記印刷ジョブから、前記属性値を取得し、取得した前記属性値における特定色と置換色との紐付けに従い、前記特定色を前記置換色に置換する。
【0007】
本開示の第3態様の情報処理装置は、第2態様の情報処理装置において、前記属性値は、ユーザー名及びファイル名の少なくとも一方を含む。
【0008】
本開示の第4態様の情報処理装置は、第3態様の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記ユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先する。
【0009】
本開示の第5態様の情報処理装置は、第1態様の情報処理装置において、前記特定色と前記置換色との紐付けは、外部の記憶装置に記憶されている。
【0010】
本開示の第6態様の情報処理装置は、第1態様の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像ファイルを表示した画面から、前記画像ファイルの色情報を取得する。
【0011】
本開示の第7態様の情報処理装置は、第6態様の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像ファイルを表示した画面の中の前記特定色を紐づけられている置換色に置き換えてプレビュー表示する。
【0012】
本開示の第8態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力することを実行させる。
【発明の効果】
【0013】
第1態様の情報処理装置では、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0014】
第2態様の情報処理装置では、属性値毎に特定色と置換色とが紐付けられていない場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0015】
第3態様の情報処理装置では、ユーザー毎又はファイル毎に、特定色及び置換色の紐付けができる。
【0016】
第4態様の情報処理装置では、ユーザー名における特定色と置換色との紐付けを優先する場合と比べて、印刷時におけるユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0017】
第5態様の情報処理装置では、特定色と置換色との紐付けが自装置のみに記憶されている場合と比べて、複数のユーザーが特定色と前記置換色との紐付けを利用することができる。
【0018】
第6態様の情報処理装置では、画像ファイルを表示せずに色情報を取得する場合と比べて、ユーザーが目視して印刷する画像を選択することができる。
【0019】
第7態様の情報処理装置では、画像ファイルを表示した画面の中の前記特定色を変更せずにプレビュー表示する場合比べて、ユーザーが目視にて色変換を確認することができる。
【0020】
第8態様の情報処理プログラムでは、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成システムの各部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る情報処理装置で行われる印刷処理の流れの一例を示す説明図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理装置で行われる特定色を置換色へ置き変える処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る情報処理装置で行われる特定色を置換色へ置き変えた画像をプレビュー表示する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0023】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。本実施形態では、画像形成システム10を情報処理システムの一例として説明する。
【0024】
本実施形態に係る画像形成システム10は、
図1に示すように、画像形成装置12と、情報処理装置16とを備えている。なお、本実施形態では、画像形成装置12及び情報処理装置16をそれぞれ1つのみ示すがそれぞれ複数備えてもよい。また、情報処理装置16としては、パーソナルコンピュータを適用してもよいし、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末を適用してもよい。
【0025】
画像形成装置12及び情報処理装置16は、LAN(Local Area Network)、イントラネット等の通信回線17に各々接続されている。
【0026】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0028】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置
12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、及び操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施の形態に係る画像形成装置12では、HDD26を備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を備えてもよい。
【0029】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部46による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、情報処理装置16を含む他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線インタフェース(通信回線I/F)部36、及び各種画像処理を行う画像処理部44を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線インタフェース部36、ファクシミリインタフェース部38、及び画像処理部44がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本開示の画像形成装置は、上記構成に限定されない。
【0030】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部46及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線インタフェース部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。なお、以下では、用紙に画像を形成することを印刷と称する場合がある。
【0031】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置16の電気系の要部構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置16の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、情報処理装置16は基本的には一般的なコンピュータの構成とされている。
【0032】
本実施の形態に係る情報処理装置16は、
図3に示すように、CPU16A、ROM16B、RAM16C、HDD16D、キーボード16E、ディスプレイ16F、及び通
信回線インタフェース(I/F)部16Gを備えている。CPU16Aは、情報処理装置16の全体の動作を司る。ROM16Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM16Cは、CPU16Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD16Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。キーボード16Eは各種の情報を入力するために用いられる。ディスプレイ16Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線インタフェース部16Gは、通信回線17に接続され、この通信回線17に接続された画像形成装置12を含む他の装置と各種データの送受信を行う。以上の情報処理装置16の各部はシステムバス16Hにより電気的に相互に接続されている。本実施形態に係る情報処理装置16では、HDD16Dを備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を備えてもよい。
【0033】
以上の構成により、本実施の形態に係る情報処理装置16は、CPU16Aにより、ROM16B、RAM16C、及びHDD16Dに対するアクセス、キーボード16Eを介した各種データの取得、ディスプレイ16Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、情報処理装置16は、CPU16Aにより、通信回線インタフェース部16Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。なお、CPU16Aはプロセッサの一例に対応する。
【0034】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成システム10の各部の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成システム10の各部の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0035】
(情報処理装置16)
情報処理装置16は、CPU16Aがプログラムを実行することにより、印刷アプリケーション50、プリンタドライバ52、及び置換色指定アプリケーション54の機能を有する。
【0036】
印刷アプリケーション50は、情報処理装置16上で動作する印刷機能を有するアプリケーションである。一例としては、印刷アプリケーション50は、印刷機能を有する汎用のアプリケーションである。
【0037】
プリンタドライバ52は、印刷アプリケーション50の指示により画像データ(言い換えると、印刷対象の画像ファイルのデータ)としての印刷データを作成する。プリンタドライバ52で作成された印刷データは、スプール56に一時保存される。スプール56で一時保存された印刷データ(スプールファイル)は、画像形成装置12に渡される。画像形成装置12では印刷データに基づいて印刷処理(言い換えると、画像形成処理)が実行される。
【0038】
置換色指定アプリケーション54は、プリンタドライバ52から印刷データの色情報を取得する。そして、置換色指定アプリケーション54は、取得した色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力するようプリンタドライバ52に指示する。なお、本実施形態の置換色指定アプリケーション54は、常駐アプリケーションであるが、本開示はこれに限定されない。
【0039】
また、置換色指定アプリケーション54は、画像取得部54A、色情報取得部54B、記憶部54C、判断部54D及びプレビュー表示部54Eの機能を有する。
【0040】
画像取得部54Aは、印刷データの画像を取り込む。具体的には、印刷アプリケーション50において印刷データを描画して表示した画面をキャプチャする(取り込む)。例えば、画面のキャプチャは、印刷アプリケーション50の印刷設定画面に表示される「キャプチャ」ボタンを押すことにより、印刷データを描画して表示された画面がキャプチャされる(取り込まれる)。
【0041】
色情報取得部54Bは、印刷データの色情報を取得する。本実施形態では、画像取得部54Aにおいて取得された画面から色情報が取得される。
【0042】
記憶部54Cは、特定色を置換色に置き換えるための色変更値を記憶する。この色変更値では、印刷属性値毎に、特定色と、置換色とが紐づけられている。なお、ここでいう印刷属性値には、少なくとも、印刷対象の画像ファイルのファイル名及び印刷アプリケーション50を起動しているユーザー名が含まれる。
また、特定色と置換色との紐付けは、情報処理装置16のHDD16Dと別の記憶装置に記憶されていてもよい。例えば、情報処理装置16に対して外付けの記憶装置に記憶されてもよいし、外部サーバに記憶されてもよい。
【0043】
判断部54Dは、キャプチャした画面の色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、特定色を置換色に置き換えるよう判断する。具体的には、判断部54Dでは、ユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先するように判断する。置換色指定アプリケーション54は、判断部54Dの判断に基づいてプリンタドライバ52に特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力するよう指示をする。
【0044】
プレビュー表示部54Eは、キャプチャした画面の色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合に、判断部54Dの判断に基づいて、特定色を紐づけられている置換色に置き換えてプレビュー表示する。具体的には、プレビュー表示部54Eでは、特定色を紐づけられている置換色に置き換えた印刷データを生成する。そして生成した印刷データから、描画プログラム51(GDI(Graphics Device Interface))で、プレビュー表示するためのデータを生成し、プレビュー表示する。
【0045】
なお、置換色がクリア、金及び銀などの特色の場合、RGBやCMYKで管理できないため、プレビュー表示においては、代替色に置き換えて出力する。一方、印刷指示の場合は、特定色を置換色である特色に置き換えて印刷する。
【0046】
画像形成装置12は、CPU20Aがプログラムを実行することにより、装置アプリケーション64、及び画像形成プラットフォーム66の機能を有する。
【0047】
装置アプリケーション64は、ユーザインタフェース22に処理一覧等の画面を表示するための処理、及び情報処理装置16や、印刷アプリケーション50から取得した印刷データを画像形成プラットフォーム66に渡す機能を有する。
【0048】
画像形成プラットフォーム66は、ユーザインタフェース22への表示や印刷データに基づく画像形成等の画像形成装置12としての基本的な機能を提供する。例えば、画像形成プラットフォームは、API(Application Programming Interface)で構成する。
【0049】
次に、本実施形態に係る画像形成システム10において、画像形成装置12で印刷する場合の印刷処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成システム10において、画像形成装置12で印刷する場合の印刷処理の一例を説明するための図である。
【0050】
図5に示されるように、印刷アプリケーション50で印刷が開始されると、印刷アプリケーション50が描画プログラム51を呼び出す。この描画プログラム51によって、印刷データから、画像形成装置12に描画するための描画属性に関する情報を含むデータが生成される。そして、プリンタドライバ52のDDI関数が呼ばれ、プリンタドライバ52はプリンタ言語を生成し、スプール56にプリンタ言語を渡す。このスプール56では、生成されたプリンタ言語をスプールファイルにスプールしつつ、画像形成装置12に出力する。出力されたプリンタ言語に基づいて、画像形成装置12で画像が印刷される。
【0051】
ここで、置換色指定アプリケーション54では、印刷対象の画像ファイル、すなわち、印刷データから色情報を取得し、取得した色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて印刷するようプリンタドライバ52に指示を出す。なお、置換色指定アプリケーション54では、ユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先し、優先した紐付けに基づいて特定色を置換色に置き換えて印刷するようプリンタドライバ52に指示を出す。
【0052】
次に、本実施形態に係る画像形成システム10における特定色を置換色に置き換えるフローを説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理装置で行われる特定色を置換色へ置き変える処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0053】
印刷アプリケーション50において印刷が開始されると、描画プログラム51によって印刷データから、画像形成装置12に描画するためのデータが生成される。このとき、印刷データに特定色が含まれているか否かを判定する(ステップS102)。
【0054】
印刷データに特定色が含まれている場合、プリンタドライバ52は、特定色に紐づけられている置換色があるか否かを置換色指定アプリケーション54に問い合わせる(ステップS104)。このとき、印刷対象の画像ファイルの属性値を付加して問い合わせる。
【0055】
問い合わせを受けた置換色指定アプリケーション54は、色変更値を参照し、特定色に紐づけられている置換色があるか否かを判断する(ステップS106)。判断した結果、特定色を置換色に変更する場合は、置換色をプリンタドライバ52に通知(指示)する。一方、特定色を置換色に変更しない場合は、変更しないことをプリンタドライバ52に通知(指示)する。
【0056】
プリンタドライバ52は置換色指定アプリケーション54から通知された情報を元に、特定色を置換色に変更する、又は変更しないかを判断する(ステップS108)。
【0057】
特定色を置換色に変更する必要がある場合は、特定色を置換色に変更する(ステップS110)。
【0058】
その後、特定色を置換色に変更したプリンタ言語を生成(ステップS112)し、スプール56に出力することで特定色を置換色に置き換えた印刷データが画像形成装置12に送られる。
【0059】
次に、本実施形態の置換色指定アプリケーション54におけるキャプチャ機能及びプレビュー表示機能について説明する。
図7は、置換色指定アプリケーション54のキャプチャ機能からプレビュー表示機能までを説明するためのフローチャートである。
【0060】
印刷アプリケーション50を起動し、印刷データを選択すると、描画プログラム51が印刷データを受信する(ステップS122)。
【0061】
描画プログラム51は、受信した印刷データから描画用データを生成する(ステップS124)。
【0062】
生成された描画データは、情報処理装置16のディスプレイで表示される(ステップS126)。
【0063】
次に、印刷アプリケーション50の設定画面の「プレビュー」ボタンを押すと、ディスプレイに表示された画面がキャプチャされる(ステップS128)。
【0064】
次にキャプチャされた画面から色情報が取得され、特定色の有無が判定される(ステップS130)。
【0065】
特定色がある場合は、印刷データを、特定色を紐づけられた置換色に置き換えたデータに修正する(ステップS132)。
【0066】
次に修正した印刷データを描画プログラム51に送り、描画プログラム51が修正印刷データから描画用データを生成し、生成された描画データを情報処理装置16のディスプレイで表示する(ステップS134)。
【0067】
上記のようにして、特定色を紐づけられた置換色に置き換えた画像がディスプレイにプレビュー表示される。
【0068】
次に本実施形態の作用について説明する。
情報処理装置16では、置換色指定アプリケーション54が印刷データから色情報を取得し、取得した色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力するプリンタドライバ52に指示を出す。このため、情報処理装置16では、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0069】
また、情報処理装置16では、印刷ジョブが属性値を含んでおり、属性値毎に、特定色と置換色とが紐付けられた状態で記憶部54Cに記憶されている。ここで、置換色指定アプリケーション54は、印刷ジョブを受けたプリンタドライバ52から属性値を取得し、取得した属性値における特定色と置換色との紐付けに従い、特定色を置換色に置換するよう指示を出す。このため、情報処理装置16では、属性値毎に特定色と置換色とが紐付けられていない場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0070】
また、属性値は、ユーザー名及びファイル名の少なくとも一方を含んでいるため、情報処理装置16では、ユーザー毎又はファイル毎に、特定色及び置換色の紐付けができる。
【0071】
また、情報処理装置16では、置換色指定アプリケーション54がユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先して、特定色を置換色に置き換えるようプリンタドライバ52に指示を出す。このため情報処理装置16では、ユーザー名における特定色と置換色との紐付けを優先する場合と比べて、印刷時におけるユーザーの作業負担を軽減することができる。
【0072】
また、情報処理装置16では、特定色と置換色との紐付けに関する情報が外部の記憶装置に記憶されている。この場合には、特定色と置換色との紐付けが自装置のみに記憶されている場合と比べて、複数のユーザーが特定色と置換色との紐付けを利用することができる。
【0073】
また、情報処理装置16では、置換色指定アプリケーション54が画像ファイルを表示した画面をキャプチャして、画像ファイルの色情報を取得する機能を有する。このため、画像ファイルを表示せずに色情報を取得する場合と比べて、ユーザーが目視して印刷する画像を選択することができる。
【0074】
さらに、情報処理装置16では、置換色指定アプリケーション54がキャプチャした画面の中に特定色がある場合に、特定色を置換色に置き換えてプレビュー表示をする機能を有するため、キャプチャした画面の中の特定色を変更せずにプレビュー表示する構成と比べて、ユーザーが目視にて特定色が置換色に置き換えられている(色変換されている)のを確認することができる。
【0075】
上記の実施形態では、置換色指定アプリケーション54がキャプチャ機能とプレビュー表示機能を備えているが、本開示はこの構成に限定されない。置換色指定アプリケーション54は、キャプチャ機能又はプレビュー表示機能を備えている構成でもよいし、双方を備えていない構成でもよい。
【0076】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプ
ロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0077】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0078】
また、上記の実施形態に係る画像形成システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0079】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0080】
本開示は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0081】
<付記>
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、
取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する、
情報処理装置。
(((2)))
印刷ジョブは、属性値を含み、
前記属性値毎に、特定色と置換色とが紐付けられており、
前記プロセッサは、
前記印刷ジョブから、前記属性値を取得し、
取得した前記属性値における特定色と置換色との紐付けに従い、前記特定色を前記置換色に置換する、(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記属性値は、ユーザー名及びファイル名の少なくとも一方を含む、(((2)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記ユーザー名における特定色と置換色との紐付けと、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けとが異なる場合、前記ファイル名における特定色と置換色との紐付けを優先する、(((3)))に記載の情報処理装置。
(((5)))
前記特定色と前記置換色との紐付けは、外部の記憶装置に記憶されている、(((1)))~(((4)))のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記画像ファイルを表示した画面から、前記画像ファイルの色情報を取得する、(((1)))~(((5)))のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記画像ファイルを表示した画面の中の前記特定色を紐づけられている置換色に置き換えてプレビュー表示する、
(((1)))~(((6)))のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(((8)))
コンピュータに、
印刷対象の画像ファイルの色情報を取得し、
取得した前記色情報が表す色の中に、置換色が紐づけられている特定色がある場合、当該特定色を紐づけられている置換色に置き換えて出力する
ことを実行させるための情報処理プログラム。
【0082】
(((1)))の情報処理装置では、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
(((2)))の情報処理装置では、属性値毎に特定色と置換色とが紐付けられていない場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
(((3)))の情報処理装置では、ユーザー毎又はファイル毎に、特定色及び置換色の紐付けができる。
(((4)))の情報処理装置では、ユーザー名における特定色と置換色との紐付けを優先する場合と比べて、印刷時におけるユーザーの作業負担を軽減することができる。
(((5)))の情報処理装置では、特定色と置換色との紐付けが自装置のみに記憶されている場合と比べて、複数のユーザーが特定色と前記置換色との紐付けを利用することができる。
(((6)))の情報処理装置では、画像ファイルを表示せずに色情報を取得する場合と比べて、ユーザーが目視して印刷する画像を選択することができる。
(((7)))の情報処理装置では、画像ファイルを表示した画面の中の前記特定色を変更せずにプレビュー表示する場合比べて、ユーザーが目視にて色変換を確認することができる。
(((8)))の情報処理プログラムでは、印刷毎に置換する色を指定する場合と比べて、ユーザーの作業負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0083】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
16 情報処理装置
16A CPU(プロセッサの一例)