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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047467
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153105
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA02
(57)【要約】
【課題】遊技の興趣を向上する。
【解決手段】遊技制御手段(遊技制御装置100)は、リミッタ回数を設定可能であり、所定条件が成立した場合に特別遊技状態の終了後に特定遊技状態を発生可能であり、所定条件の連続成立回数がリミッタ回数に到達した場合に通常遊技状態を発生可能であり、第1記憶手段に記憶されているリミッタ回数到達までの残り回数を所定条件の成立に基づき更新可能であり、設定可能なリミッタ回数は複数種類ある。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を制御する遊技制御手段と、遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
リミッタ回数を設定可能な設定手段と、
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な第1発生手段と、
所定条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了後に、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態を発生可能な第2発生手段と、
前記所定条件が連続して成立した回数が、前記設定手段によって設定されているリミッタ回数に到達した場合に、前記通常遊技状態を発生可能な第3発生手段と、
前記設定手段によって設定されているリミッタ回数に到達するまでの残り回数を記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている残り回数を、前記所定条件の成立に基づき更新可能な第1更新手段と、を備え、
前記設定手段が設定可能なリミッタ回数は、複数種類あることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技(ゲーム等)を実行可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、演出制御手段は、停電が発生した場合に、当該停電の復旧に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成される遊技機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-066613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技の興趣が低下するおそれがある。
本発明の目的は、遊技の興趣を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技を制御する遊技制御手段と、遊技の演出を制御する演出制御手段と、を備える遊技機において、
前記遊技制御手段は、
リミッタ回数を設定可能な設定手段と、
始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な第1発生手段と、
所定条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了後に、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態を発生可能な第2発生手段と、
前記所定条件が連続して成立した回数が、前記設定手段によって設定されているリミッタ回数に到達した場合に、前記通常遊技状態を発生可能な第3発生手段と、
前記設定手段によって設定されているリミッタ回数に到達するまでの残り回数を記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている残り回数を、前記所定条件の成立に基づき更新可能な第1更新手段と、を備え、
前記設定手段が設定可能なリミッタ回数は、複数種類あることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】遊技機を前面側から見た斜視図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。
図4】遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
図5】振分率の一例を示す図である。
図6】大入賞口の開放態様の一例を示す図である。
図7】遊技状態の遷移の一例を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。
図8】メイン処理を説明するフローチャートである。
図9】メイン処理を説明するフローチャートである。
図10】メイン処理を説明するフローチャートである。
図11】遊技用マイコンのRAMの構成の一例を示す図である。
図12】停電復旧コマンド送信処理を説明するフローチャートである。
図13】安全装置情報初期化処理を説明するフローチャートである。
図14】性能表示編集処理を説明するフローチャートである。
図15】タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
図16】出力処理を説明するフローチャートである。
図17】入賞口スイッチ/状態監視処理を説明するフローチャートである。
図18】不正&入賞監視処理を説明するフローチャートである。
図19】入賞数カウンタ更新処理を説明するフローチャートである。
図20】始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図21】ハード乱数取得処理を説明するフローチャートである。
図22】特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。
図23】特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。
図24】特図1ゲーム処理を説明するフローチャートである。
図25】特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。
図26】大入賞口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図27】特定領域スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図28】特図1普段処理を説明するフローチャートである。
図29】特図2普段処理を説明するフローチャートである。
図30】(a)は特図1変動開始処理を説明するフローチャートであり、(b)は特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。
図31】変動開始情報設定処理を説明するフローチャートである。
図32】高確率変動回数更新処理を説明するフローチャートである。
図33】特図1変動中処理を説明するフローチャートである。
図34】特図2変動中処理を説明するフローチャートである。
図35】特図1表示中処理を説明するフローチャートである。
図36】特図1表示中処理を説明するフローチャートである。
図37】特図2表示中処理を説明するフローチャートである。
図38】特図2表示中処理を説明するフローチャートである。
図39】ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。
図40】ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。
図41】大当り終了処理を説明するフローチャートである。
図42】(a)は大当り終了設定処理1を説明するフローチャートであり、(b)は大当り終了設定処理2を説明するフローチャートである。
図43】外部情報編集処理を説明するフローチャートである。
図44】外部情報編集処理を説明するフローチャートである。
図45】安全装置関連処理を説明するフローチャートである。
図46】領域外統合処理を説明するフローチャートである。
図47】試験信号出力処理を説明するフローチャートである。
図48】性能表示装置制御処理を説明するフローチャートである。
図49】差玉確認処理を説明するフローチャートである。
図50】安全装置作動監視処理を説明するフローチャートである。
図51】安全装置の状態に応じた演出系の装置の態様等を示すテーブルである。
図52】当り図柄と、飾り特別図柄の停止結果態様と、の関係の一例を示す図である。
図53】残り大当り回数領域と、遊技モード領域及び遊技モード移行情報領域と、に記憶される情報の変化の一例を示す図である。
図54】遊技モード情報及び遊技モード移行情報の一例を示す図である。
図55】遊技モードの移行の一例を示す遊技モード遷移図である。
図56】遊技モード情報と、遊技モードコマンド及び残り大当り回数コマンドと、の関係の一例を示す図である。
図57】表示装置の変形例を説明する図である。
図58】メイン変動とイレギュラー変動に関する表示の一例を説明するタイミングチャートである。
図59】メイン変動とイレギュラー変動に関する表示の一例を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔遊技機全体図〕
まず、図1を用いて遊技機10の一例について説明する。図1は、本実施形態の遊技機
10の正面斜視図である。
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(
支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠1
2の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)1
2には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明
板保持枠)15が取り付けられている。
【0009】
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また
、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声
で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報
知用のランプを設けるようにしてもよい。
【0010】
また、ガラス枠15の下部には、図示しない球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留
皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22等が設けられている。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23、球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、前面枠
12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入す
るための鍵穴26が設けられている。
【0011】
上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイ
ッチ25a(図4参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。
また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付ける
ためのタッチパネル29が設けられている。なお、本実施形態ではタッチパネル29を演
出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であって
もよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示
面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源が内蔵されていて
もよい。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定
の報知を行うバイブレーション機能を備えていてもよい。また、演出ボタン25は、通常
状態(図1に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よ
りも上側にある状態)に変換可能に構成されていてもよい。
【0012】
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に
操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカー
ドを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残
高を表示する残高表示器(図示省略)等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ハンドル24を回動操作することに
よって、球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に
向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することに
よって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)
において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0013】
また、図1では図示を省略するが、演出ボタン25の近傍には、十字キースイッチ28
図4参照)を内蔵した十字キーや、音量調整用ボタンスイッチ27e,27f(図4
照)を内蔵した音量調整用ボタン等が設けられている。
音量調整用ボタンスイッチ27e,27fは、上スピーカ19aや下スピーカ19bの
音量を増減(+-)して調整する。
十字キースイッチ28は、例えば、演出用LEDの輝度を調整する。十字キースイッチ
28は、方向キースイッチとも呼ばれてよく、前後左右などに配置された複数(例えば4
つ)のスイッチからなる一般的なものでよい。
【0014】
例えば、客待ち中及び/又は遊技中(ゲーム中)などの所定の状態で、音量調整用ボタ
ンスイッチ27e,27fが操作されてスピーカ19a,19bの音量が調整可能であっ
てよく、十字キースイッチ28の前又は後のスイッチが操作されて演出用LED等の光量
(明るさ、輝度)が調整可能であってよい。なお、音量調整用ボタンスイッチ27e,2
7fを設けずに、十字キースイッチ28の左又は右のスイッチが操作されてスピーカ19
a,19bの音量が調整可能であってよい。
【0015】
〔遊技盤〕
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤
30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体を
備える。遊技盤本体は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体の前面には、遊技盤
30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31
で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領
域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域
32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射
された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
【0016】
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部
の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示
装置41が配置されている。
表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備えて構成されており、センターケース
40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される
。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のデ
ィスプレイを備えるものであってもよい。
【0017】
表示装置41の表示画面(表示部)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であ
り、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや
演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面
においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)され
て、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面
には遊技の進行に基づく演出のための画像(大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、
エンディング表示画像等)が表示される。
また、遊技盤30(センターケース40を含む)には、動作することによって遊技の演
出を行う盤演出装置44等や、発光することによって遊技の演出を行う盤装飾装置46等
が設けられている。
【0018】
遊技領域32のうちセンターケース40の右方には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲ
ート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34
を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている
。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表
示ゲームが実行される。
【0019】
遊技領域32のうちセンターケース40の下方左側には、2つの一般入賞口35が配置
されており、遊技領域32のうちセンターケース40の下方右側には、1つの一般入賞口
35が配置されており、遊技領域32のうちセンターケース40の右方には、1つの一般
入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口3
5に備えられた入賞口スイッチ35a(図3参照)によって検出される。
【0020】
遊技領域32のうちセンターケース40の下方には、特図1変動表示ゲーム(第1特図
変動表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(始動口1、第1始動口、第1始動
入賞口、第1始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始
動口1スイッチ36a(図3参照)によって検出される。
【0021】
遊技領域32のうち普図始動ゲート34の下方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図
変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(始動口2、第2始動口、第
2始動入賞口、第2始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した
遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材(可動片)37bを備えている。可動部材37bは
、常時は普通変動入賞装置37に遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不
利な状態)を保持しており、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合に、駆動
装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)を介して動作して、普通変動入賞装置3
7に遊技球が流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化する。
なお、普通変動入賞装置37は、可動部材37bが閉状態でも遊技球の入賞を可能とし
、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
【0022】
遊技領域32のうち普図始動ゲート34の上方には、特図変動表示ゲームの結果によっ
て遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置
(上大入賞口)38が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材38cを
有しており、開閉部材38cの開放によって上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換
する。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を
閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)から開状態(遊技者にとって有利な状態)に
変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値
(例えば賞球)を付与するようになっている。上大入賞口内には、当該上大入賞口に入っ
た遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図
3参照)が配設されている。
【0023】
遊技領域32のうち普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によ
って遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な第2特別変動入賞装
置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、開閉部材39c
(図示省略)を有しており、開閉部材39cの開放によって下大入賞口を遊技球が流入可
能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって
、下大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)から開状態(遊技者にとって
有利な状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に
所定の遊技価値(例えば賞球)を付与するようになっている。下大入賞口内には、当該下
大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ(カウントスイッ
チ)39a(図3参照)が配設されている。
【0024】
第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39の内部には、遊技球が流入可能な特定領域(
いわゆるV入賞口)が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変
化させるようにレバーソレノイド72b(図3参照)により動作するレバー部材が設けら
れている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ72a(図3参照)
が設けられており、当該特定領域スイッチ72aで遊技球を検出したことに基づいて、遊
技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、高確率状態が発生する)ようにな
っている。特定領域に流入した遊技球は第2特別変動入賞装置39の外部へ排出される。
【0025】
遊技領域32のうち始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回
収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体
の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)
及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
【0026】
一括表示装置50は、特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)
51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、特図1
変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器53及び特図2変動表示ゲームの
始動記憶数報知用の特図2保留表示器54とを備える。
また、一括表示装置50は、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開
閉回数)を表示するラウンド表示部55と、遊技機10の遊技状態を表示する遊技状態表
示部とを備えている。この遊技状態表示部には、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技
者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、時
短状態(変動時間短縮機能作動時)であることを報知する第2遊技状態表示部57、遊技
機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知する第3遊
技状態表示部58が設けられている。
さらに、一括表示装置50は、普図変動表示ゲーム用の普図表示器(普図変動表示部)
59と、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器60とを備えている。
【0027】
また、センターケース40には、ランプ表示装置48が設けられている。
ランプ表示装置48は、図柄(第四特別図柄、第4図柄)として点灯表示と消灯表示を
繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1,2(LED)と、各特図変動表示
ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3~6(LED)を有する。なお、ラ
ンプ表示装置48は、演出制御装置300で制御される。
【0028】
ランプ表示部1,2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200m秒)で点滅す
る。すなわち、ランプ表示部1,2の消灯と点灯の切り替えは、点滅周期の2分の1(例
えば、100m秒)の期間で行われる。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2
示器52、普図表示器59における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測され
るのに対して、ランプ表示装置48のランプ表示部1,2の変動時間は演出制御装置30
0で計測される。
【0029】
ランプ表示部3,4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯
状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に
、ランプ表示部5,6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯
状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ
表示部3~6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合
(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
【0030】
〔遊技制御装置〕
次に、図3を用いて、遊技制御装置100(主基板)の構成の一例について説明する。
図3は、本実施形態の遊技機10の遊技制御系のブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備えている。遊技制御装置100は、遊技を統括的
に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用
マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120
と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120
と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0031】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0032】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0033】
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、
バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御
装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び
遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、電源装置400若しくは主
基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることに
より、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0034】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し遊技機1
0への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視し
てそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとと
もに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時
点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0035】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM
初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技
用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されてい
る情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイ
ッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメ
インプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み
信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0036】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
【0037】
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの
作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊
技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段
となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換
え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0038】
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
【0039】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0040】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表
示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態
、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示
領域を変動表示するようにしてもよい。
【0041】
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導
出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマル
リーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP
2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。
なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ
<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっ
ている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され
る場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわ
ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場
合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は
、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0042】
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
当りの図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種
リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定する
ための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成
するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づい
てCPU111aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成
回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0043】
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111b
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当
り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通
常確率状態(低確率状態)又は高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パ
ターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここ
で、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶さ
れた複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する
変動振り分け情報取得手段をなす。
【0044】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0045】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口35内の入賞
口スイッチ35a、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37
内の始動口2スイッチ37a、特別変動入賞装置38,39内の大入賞口スイッチ38a
,39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベル
が7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフ
ェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲
が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされ
たり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティン
グになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成
されている。
【0046】
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72a、残
存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ7
2aは、第2特別変動入賞装置39内に設けられる特定領域(V入賞口)への遊技球の通
過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置38,39か
らの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ
74は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(入賞口又はアウト口30
aを通過した全ての遊技球)を検出する。
【0047】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は第4
入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込ま
れる。
なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a
、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ38a,39a
の検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイ
ッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される

また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72a、残存球排出口スイッ
チ73、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
【0048】
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検
出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開
放検出スイッチ64の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号
が入力される。
【0049】
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ152からの設定キースイッチ信号
を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
すなわち、第2入力ポート123には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイ
ッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え
、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設
定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置
に回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である
場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
【0050】
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
【0051】
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
【0052】
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であればよい。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でもよいし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであってもよい。
【0053】
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ74の検出信号は除く)は、遊技制御装置1
00から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている
。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ3
7aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるよう
に構成されている。
【0054】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
【0055】
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポー
ト124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポ
ート123や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0056】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出前の遊
技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上
貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチス
イッチ信号(操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)、RA
M初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコ
ン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0057】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
【0058】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
【0059】
また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成
するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122
,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技
用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動
作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力
部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン1
11のリセットによって廃棄されるためである。
【0060】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0061】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッ
ファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御
装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始
動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中
継基板70を介して試射試験装置に供給される。
【0062】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
に供給される。
【0063】
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
【0064】
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、普通変動入賞装置37を開放させる普電ソレノイ
ド37c、第1特別変動入賞装置38を開放させる上大入賞口ソレノイド38b(大入賞
口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置39を開放させる下大入賞口ソレノイド39b
(大入賞口ソレノイド2)、第2特別変動入賞装置39内のレバー部材を動作させ特定領
域を開放させるレバーソレノイド72bの動作データを出力するためのポートである。
【0065】
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0066】
また、出力部130には、性能表示装置153に表示する内容に応じてLEDのアノー
ド端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第6出力ポー
ト141、性能表示装置153のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオ
ン/オフデータを出力するための第7出力ポート142が設けられている。
【0067】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0068】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37
cや大入賞口ソレノイド38b,39bやレバーソレノイド72bなどの動作データ信号
を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3
出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/
オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一
括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドラ
イバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号
を外部情報端子板71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0069】
さらに、出力部130には、第6出力ポート141から出力される性能表示装置153
の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する性能表示用セグメントドラ
イバ150a、第7出力ポート142から出力される性能表示装置153の電流引き込み
側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する性能表示用デジットドライバ150bが
設けられている。
【0070】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
また、性能表示装置153のセグメント線を駆動する性能表示用セグメントドライバ1
50aには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する性能表示用デジットドライ
バ150bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、
電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0071】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りデジット線を介して電流を引き抜くことで、一括表示装置50においてダイナミック駆
動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
12Vを出力する性能表示用セグメントドライバ150aによりセグメント線を介して
LEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する性能表示用デジットドライ
バ150bによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、性能表示
装置153においてダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点
灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにし
てもよい。
【0072】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
【0073】
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ
35a、特別変動入賞装置38,39内の大入賞口スイッチ38a,39a、普図始動ゲ
ート34内のゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近
接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以
下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設
けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開
放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる
【0074】
また、本実施形態では、性能表示装置153は、複数(4つ)の7セグメント型(ドッ
トDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、性能表示用ドラ
イバ150a,150bはLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
【0075】
性能表示装置153は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、
他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置153は、表示用確率設定値や役物
比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
【0076】
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)
であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30aを通過した遊技球の数
との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)
することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口
36(第1始動口)、普通変動入賞装置37(第2始動口)、及び特別変動入賞装置38
,39(大入賞口)が含まれる。
【0077】
出玉率は、排出球数(あるいは遊技領域32に導入された発射球数)に対する賞球数の
合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。すな
わち、出玉率は、排出球数100個あたりの獲得球数(賞球数の合計)となる。
【0078】
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞
口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口
に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物
比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた
賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、あるいは
、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球
数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
【0079】
さらに、遊技制御装置100は、安全装置の機能も有する。安全装置とは、セーフ球数
と排出球数に基づく作動条件(所定条件)の成立によって、遊技として特図変動表示ゲー
ム、普図変動表示ゲーム、及びラウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)等が実行で
きない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)を発生可能な遊技停止手段(打ち止
め手段)である。遊技停止状態では、新たな特図変動表示ゲームと新たな普図変動表示ゲ
ームは開始できない。安全装置によって、不正によってセーフ球数が異常に多いなどの場
合に適切に不正対策をすることができ、また、遊技者の遊技に対するのめり込みも抑制で
きる可能性がある。
【0080】
本実施形態において、安全装置は、遊技制御装置100でソフトウェア(プログラム)
によって実現される機能であり、コンプリート機能(又はエンディング機能、打ち止め機
能)とも呼ばれる。もちろん、安全装置は、電気回路や回路基板などのハードウェアとし
て設けられてもよい。
【0081】
また、本実施形態において、安全装置の作動条件は、(1)セーフ球数と排出球数との
差を示す差玉数が差玉基準値(所定値)に達しており、且つ、(2)大当り中でも小当り
中でもないことである。差玉数は、セーフ球数から排出球数を減算したものである(差玉
数=セーフ球数-排出球数)。このように、安全装置の作動条件は、2段階の条件(1)
(2)からなる。作動条件は他のものでもよく、例えば、条件(1)は、セーフ球数が所
定値に達することとする構成も可能である。また、条件(2)は、特別変動入賞装置が作
動していないこと、あるいは、大入賞口が開放状態でないこととする構成も可能である。
【0082】
本実施形態において、セーフ球数は、所定期間に払い出されることが決定された賞球の
合計数(獲得球数、出玉)である。賞球(遊技球)の払い出しのエラーがあると、払い出
されることが決定された賞球の合計数は、払出装置を介して上皿21に実際に払い出され
た賞球の合計数に等しくならないが、実際に払い出された賞球の合計数を検出スイッチ等
で計測してセーフ球数としてもよい。また、排出球数(アウト球数)は、遊技領域32か
ら排出された遊技球の数で、アウト球検出スイッチ74からの信号をカウントして計数可
能である。
【0083】
なお、排出球数の代わりに遊技領域32に発射され導入された発射球の数である発射球
数を用いてもよく、差玉数は、セーフ球数-発射球数としてよい。遊技球の発射球数と排
出球数を総称して使用数と呼んでよい(差玉数=セーフ球数-使用数)。発射球数からは
、球発射装置で発射されたが遊技領域32に届かなかったファール球は除かれ、差玉数は
球発射装置で遊技球が1個発射されると-1減算され、ファール球が1個生じると+1加
算されることになる。発射球数を計数するための検出スイッチ(検出センサ)を、遊技領
域32への遊技球の入口、すなわち、遊技盤30における発射された遊技球の案内通路の
上端近傍に設けてもよい。
【0084】
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成の一例について説明する
図4は、本実施形態の遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
【0085】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
【0086】
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接
続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析
し、表示内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314
への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理
などの処理を実行する。
【0087】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
【0088】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
【0089】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0090】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
【0091】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
【0092】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信す
るインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F3
31を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数
コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号
(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5
Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するた
め、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0093】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置4
8が含まれてよい。
【0094】
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は
、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお
、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた
枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても
よい。
【0095】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネ
ル29、ガラス枠15に設けられた十字キースイッチ28や音量調整用ボタンスイッチ2
7e,27f等、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ4
7(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信
号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を
検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路3
36が設けられている。
【0096】
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。
【0097】
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で
動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを
生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-
DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0098】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
【0099】
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合
は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2
動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り
(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)
と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づ
く特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称
する。
【0100】
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りとは
条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表
示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置
が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置3
8,39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が
作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した
場合のように前述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」
は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であ
ってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよ
い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置とし
て、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書にお
いても同様の意味を有する用語として使用している。
【0101】
本実施形態の遊技機10では、球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ
球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32
内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技
領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入
賞装置37又は特別変動入賞装置38,39に入賞又は入球するか、遊技領域32の最下
部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞
口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38,39に遊技
球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によっ
て制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
なお、本実施形態においては、始動入賞口36は1個賞球、普通変動入賞装置37は1
個賞球、左側遊技領域に設けられた一般入賞口35は8個賞球、右側遊技領域に設けられ
た一般入賞口35は5個賞球、第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38は15個賞球、
第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39は1個賞球とするが、これに限られるものでは
ない。
【0102】
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、左側遊技領域に設けられた一般
入賞口35(始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35)への入賞を狙うことが
できるようになっている。また、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)するこ
とで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,39、右側遊
技領域に設けられた一般入賞口35(第1特別変動入賞装置38の上方に設けられた一般
入賞口35、第2特別変動入賞装置39の右方に設けられた一般入賞口35)への入賞を
狙うことができるようになっている。
【0103】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図
始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づ
き、普図始動記憶数が上限数(例えば4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)し
てRAM111cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動記憶の記憶数は、一括表
示装置50の普図保留表示器60に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッ
チ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を
決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
【0104】
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値をROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
【0105】
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示器59に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示器59を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成してもよい。
【0106】
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器59に特定の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材37bを所定時間開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100
が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図
変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器59にはずれの結果態様となる点灯
パターンを表示する制御を行う。
【0107】
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aによって検出される
。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、始動入賞口36に備
えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば4個)を限度に記憶するとともに
、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の
入力に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば4個
)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞ
れ始動記憶情報として大当り乱数値や特図図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出さ
れるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM
111cに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1
留表示器53や特図2保留表示器54に表示されるとともに、センターケース40の表示
装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0108】
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、第1始動記憶に基づ
き、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されて
いる判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当りはずれを判定する。また、遊技制御装
置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、第2始動記憶に基づき、特図2
動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と
比較し、特図2変動表示ゲームの当りはずれを判定する。
【0109】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動
表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出
力する。また、遊技制御装置100のCPU111aは、第1始動記憶に基づいて特図1
表示器51(第1変動表示装置)で、識別図柄を所定時間変動表示した後に停止表示する
図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動表示
装置)で、識別図柄を所定時間変動表示した後に停止表示する特図2変動表示ゲームを行
う。
【0110】
図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、本実施形態
では、特図1変動表示ゲームの実行中に、特図2変動表示ゲームが第1特別結果(大当り
)となった場合には、特図1変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ)として終了
させるようにしている。
また、特図1変動表示ゲームの実行中に、特図2変動表示ゲームが第2特別結果(小当
り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで特図1変動表示ゲー
ムを中断するようにしている。
また、特図2変動表示ゲームの実行中に、特図1変動表示ゲームが第1特別結果(大当
り)又は第2特別結果(小当り)となった場合には、特図2変動表示ゲームを特別結果以
外の結果(はずれ)として終了させるようにしている。
【0111】
すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始
動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行
う遊技制御手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領域)
への遊技球の入賞に応じて記憶される第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(第
1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行うとともに、普通変動入賞装置37(第2始動入
賞領域)への遊技球の入賞に応じて記憶される第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲ
ーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う実行制御手段をなす。
【0112】
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で
特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、飾り特図変
動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置48のランプ
表示部1,2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(
第4図柄)が変動する。ランプ表示部1,2の変動表示は、開始から所定時間後に、はず
れの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態
の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等
を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制
御する演出制御手段をなす。
【0113】
これにより、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装
置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる
飾り特図変動表示ゲームが実行されることとなる。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがある。そして、対応する特図変動表示
ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出
に伴い結果に対応した表示が行われる。
【0114】
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
もよいし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしてもよい。また、遊技機1
0に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表
示ゲームを実行するようにしてもよい。
【0115】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの
場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別
遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、
例えば、大入賞口ソレノイド38b,39bにより特別変動入賞装置38,39の開閉扉
38c,39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0116】
具体的には、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若し
くは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態
様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特
図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器
52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当
りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器5
1が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲ
ーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通変動入賞
装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示
可能な第2変動表示手段をなす。
【0117】
大当り状態(第1特別遊技状態)では、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技
球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25000ミリ秒)
が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(
R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、8回又は3回)継続する(繰り返す)制御
(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態
様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、
特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52には
ずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0118】
また、遊技制御装置100は、大当り状態(第1特別遊技状態)の終了後に、通常遊技
状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること
)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能であ
る。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
本実施形態では、大当り状態(第1特別遊技状態)の終了後に、特定遊技状態として高
確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結
果となる確率が、通常確率状態(低確率状態)と比較して高い状態である。また、特図1
変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基
づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高
確率状態となる。
【0119】
〔振分率〕
図5に、本実施形態における振分率の一例を示す。
図5(a)は、特図変動表示ゲームの結果の振分率の一例である。特図変動表示ゲーム
の結果には、大当り、小当り及びはずれの3種類がある。
本実施形態における大当りの振分率(大当り確率)は、特図1と特図2で共通となって
いるが、特図1と特図2で異なっていてもよい。また、図5(a)に示すように、本実施
形態における大当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異なって
いてもよい。
【0120】
また、本実施形態における小当りの振分率(小当り確率)は、特図1と特図2で共通と
なっているが、特図1と特図2で異なっていてもよい。また、図5(a)に示すように、
本実施形態における小当りの振分率は、確率設定値にかかわらず同一となっているが、異
なっていてもよい。また、図5(a)に示すように、本実施形態における小当りの振分率
は、低確率状態と高確率状態で共通となっているが、低確率状態と高確率状態で異なって
いてもよい。
また、図5(a)に示すように、本実施形態では、高確率状態において特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれとならないが、これに限られるものではなく、高確率状態において特
図変動表示ゲームの結果がはずれとなってもよい。
【0121】
図5(b)は、大当り図柄の振分率の一例である。
図5(b)に示すように、本実施形態における特図1変動表示ゲームの大当り(第1特
別結果)には、大当り図柄(大当りの結果態様、大当り停止図柄)として、8R確変図柄
Aが停止表示される8R確変大当りAと、3R確変図柄Aが停止表示される3R確変大当
りAと、3R確変図柄Bが停止表示される3R確変大当りBと、3R確変図柄Cが停止表
示される3R確変大当りCと、3R通常図柄が停止表示される3R通常大当りと、の5種
類がある。
また、本実施形態における特図2変動表示ゲームの大当り(第1特別結果)には、大当
り図柄(大当りの結果態様、大当り停止図柄)として、8R確変図柄Bが停止表示される
8R確変大当りBと、3R確変図柄Dが停止表示される3R確変大当りDと、の2種類が
ある。
【0122】
8R確変大当りA,Bは、特別遊技状態のラウンド数が8ラウンドであり、3R確変大
当りA,B,C,Dと3R通常大当りは、特別遊技状態のラウンド数が3ラウンドである

図5(b)において、大当り図柄(大当り種類)の振分率は特図1と特図2で異なって
いる。なお、特図変動表示ゲームが実行された遊技状態が通常遊技状態であるか特定遊技
状態であるかによって異なるようにしてもよい。
【0123】
本実施形態の遊技機10は、高確率状態で実行する特図変動表示ゲームの回数を制限す
るST機能を備えている。なお、本実施形態では、高確率状態で実行可能な特図変動表示
ゲームの回数であるST回数を2000回とするが、これに限られるものではない。
また、本実施形態の遊技機10は、通常遊技状態T1に移行することなく大当り(V入
賞あり)が連続して発生する回数、すなわち連チャン回数を制限するリミッタ機能を備え
ている。図5(b)に示すように、リミッタ機能による条件装置の作動回数(以下「リミ
ッタ回数」という)は大当り図柄の種類に応じて異なっている。
【0124】
具体的には、図5(b)に示すように、連続して発生可能な大当り(V入賞あり)の回
数であるリミッタ回数が設定されていない状態において、特図変動表示ゲームの結果が8
R確変図柄A,Bや3R確変図柄A,Bが停止表示される結果(大当り)となり、当該大
当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合には、遊技制御装置100は、リミッタ
回数として第1リミッタ回数(7回)を設定する。なお、本実施形態では、第1リミッタ
回数を7回とするが、これに限られるものではない。
また、リミッタ回数が設定されていない状態において、特図変動表示ゲームの結果が3
R確変図柄C,Dや3R通常図柄が停止表示される結果(大当り)となり、当該大当りに
基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合には、遊技制御装置100は、リミッタ回数と
して第2リミッタ回数(3回)を設定する。なお、本実施形態では、第2リミッタ回数を
3回とするが、第1リミッタ回数と異なる回数であれば、これに限られるものではない。
【0125】
また、本実施形態では、特図1変動表示ゲームにおいて、第1リミッタ回数(7回)が
出現する割合は30%(=10.0%+7.0%+13.0%)となっており、第2リミ
ッタ回数(3回)が出現する割合は70%(=34.0%+36.0%)となっている。
また、特図2変動表示ゲームにおいても、第1リミッタ回数(7回)が出現する割合は3
0%となっており、第2リミッタ回数(3回)が出現する割合は70%となっている。す
なわち、第1リミッタ回数及び第2リミッタ回数の出現割合は、特図1と特図2で共通と
なっている。
なお、第1リミッタ回数の出現割合は30%に限られるものではなく、10%以上90
%以下であればよい。また、第2リミッタ回数の出現割合は70%に限られるものではな
く、10%以上90%以下であればよい。
【0126】
〔大入賞口開放態様〕
図6に、本実施形態における上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)及び下大入賞口
(第2特別変動入賞装置39)の開放態様の一例を示す。
図6(a)~(c)に示すように、大当り図柄として確変図柄(8R確変図柄A,B、
3R確変図柄A,B,C,D)が停止表示される確変大当りの場合と、大当り図柄として
通常図柄(3R通常図柄)が停止表示される通常大当りの場合と、のいずれの場合も、第
1特別遊技状態の1ラウンド目は下大入賞口が開放して、2ラウンド目以降は上大入賞口
が開放する。
【0127】
具体的には、図6(a),(b)に示すように、確変大当りと通常大当りのいずれの場
合も、1ラウンド目では、下大入賞口が開放され、25000m秒の開放可能時間が経過
するか所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立すると下
大入賞口が閉鎖されて1ラウンド目が終了する。
また、図6(a),(b)に示すように、確変大当りと通常大当りのいずれの場合も、
1ラウンド目に、レバーソレノイド72bが動作する(ON状態になる)とともに、特定
領域スイッチ72aでの遊技球の検出を有効なものとして扱うV有効期間が設定される。
すなわち、本実施形態では、確変大当りと通常大当りのいずれの場合も、第1特別遊技
状態においてV入賞(特定領域(V入賞口)に遊技球が流入)可能となっている。ただし
、確変大当りの場合の方が通常大当りの場合よりも、レバーソレノイド72bのON期間
が長く、V有効期間も長いので、確変大当りの方が通常大当りよりもV入賞しやすくなっ
ている。
【0128】
また、本実施形態では、第1特別遊技状態でV入賞した場合、すなわちV有効期間に特
定領域スイッチ72aが遊技球を検出した場合には、当該第1特別遊技状態の終了後にお
ける特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変状態)になる。一方、第1特別遊
技状態でV入賞しなかった場合、すなわちV有効期間に特定領域スイッチ72aが遊技球
を検出しなかった場合には、当該第1特別遊技状態の終了後における特図変動表示ゲーム
の確率状態が低確率状態(通常確率状態)になる。
したがって、本実施形態では、確変大当りの場合だけでなく通常大当りの場合も、第1
特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する可能性がある。すなわち、大当り時の確変
突入確率が100%となっている。また、転落確率は0%である。
【0129】
1ラウンド目が終了すると残存球処理時間が開始し、残存球処理時間が終了するとイン
ターバル時間が開始し、インターバル時間が終了すると2ラウンド目が開始する。
残存球処理時間(892m秒)の終了時点で残存球が残っていたら、全ての残存球が排
出されるまでインターバル時間を開始せずに残存球処理時間の終了時点で待機する。当該
待機している間も、レバーソレノイド72bの動作は継続し、V有効期間も継続する。し
たがって、確変大当りの場合は、残存球処理時間(892m秒)の終了時点で残存球が残
っていたら、全ての残存球が排出されるまで待機した時間の分だけ、レバーソレノイド7
2bのON期間(レバーソレノイド72bがON状態である期間)及びV有効期間が延長
される。
【0130】
そして、図6(c)に示すように、確変大当りと通常大当りのいずれの場合も、2ラウ
ンド目以降は、ラウンド開始に伴い上大入賞口が開放され、25000m秒の開放可能時
間が経過するか所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立
すると上大入賞口が閉鎖されてラウンドが終了する。その後、残存球処理時間が開始し、
残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始し、インターバル時間が終了すると
次ラウンドが開始する。なお、最終ラウンドである場合は、ラウンド終了に伴い残存球処
理時間が設定され、その後エンディング時間が設定され、エンディング時間が終了すると
第1特別遊技状態が終了する。
【0131】
また、図6(d)に示すように、特図1変動表示ゲームの結果が小当りとなって第2特
別遊技状態が発生した場合には、下大入賞口が開放され、52m秒の開放可能時間が経過
するか所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立すると下
大入賞口が閉鎖される。その後、残存球処理時間が開始し、残存球処理時間が終了すると
エンディング時間が開始し、エンディング時間が終了すると第2特別遊技状態が終了する

また、図6(e)に示すように、特図2変動表示ゲームの結果が小当りとなって第2特
別遊技状態が発生した場合には、上大入賞口が開放され、700m秒の開放可能時間が経
過するか所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立すると
上大入賞口が閉鎖される。その後、残存球処理時間が開始し、残存球処理時間が終了する
とエンディング時間が開始し、エンディング時間が終了すると第2特別遊技状態が終了す
る。
【0132】
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する
図7は、本実施形態における遊技状態の遷移の一例を示す遊技状態遷移図(ゲームフロ
ー)である。
遊技状態には、通常遊技状態T1と特定遊技状態T2がある。なお、この他に、遊技状
態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態や、第2特別結果(小当り
)に基づく第2特別遊技状態などがあるが、ここでは省略する。
各遊技状態では、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード
、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき
特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
【0133】
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、本明細書では、各遊技状
態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表
示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
【0134】
通常遊技状態T1は、特図変動表示ゲームの確率状態(特図確率)が低確率状態であり
、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短がない状態である
。また、演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動
表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36(第1始動口)であって、この始動入賞
口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、通常遊技状態T1では、特
図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とする
ように設計されている。
【0135】
通常遊技状態T1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定され
る。これにより、通常遊技状態T1では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率と
なり、通常遊技状態T1において特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないよう
にしている。このようにして、本実施形態では、攻略を防止、すなわち通常遊技状態T1
において右打ち(推奨しない打ち方)がされることを防止している。
【0136】
特定遊技状態T2は、特図変動表示ゲームの確率状態(特図確率)が高確率状態であり
、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短がある状態である。また、演出態様を規
定する演出モードは小当りRUSHモードとされる。主変動特図は特図2変動表示ゲーム
であり、主始動領域は普通変動入賞装置37(普電)であって、この普通変動入賞装置3
7を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特定遊技状態T2では、特図2
変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするよう
に設計されている。
【0137】
本実施形態においては、図5(a)に示すように小当り確率が高いので、時短がある状
態となる特定遊技状態T2では小当りが高頻度で発生する。また、特定遊技状態T2のメ
イン変動は特図2変動表示ゲームであり、特図2変動表示ゲームの結果が小当りとなった
ことに基づく特別遊技状態では、図6(e)に示すように、上大入賞口(第1特別変動入
賞装置38)が開放する。前述したように、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)は
1個賞球であるのに対し、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)は15個賞球である
ので、特定遊技状態T2では小当りによって遊技者の遊技球を増加させることが容易であ
る。したがって、特定遊技状態T2では小当りが頻発して遊技者の持球が増加することか
ら、演出モードは小当りRUSHと称するモードとされている。すなわち、特定遊技状態
T2は、高確率状態であり、さらに、小当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加しや
すい状態であるので、通常遊技状態T1よりも遊技者にとって有利な状態である。
【0138】
また、特定遊技状態T2のイレギュラー変動は特図1変動表示ゲームであり、特図1
動表示ゲームの結果が小当りとなったことに基づく特別遊技状態では、図6(d)に示す
ように、15個賞球の上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)は開放せず、1個賞球の
下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)のみが開放する。これにより、特定遊技状態T
2では特図1変動表示ゲームの実行が賞球数的に非効率となり、特定遊技状態T2におい
て特図1変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。このようにして、
本実施形態では、攻略を防止、すなわち特定遊技状態T2において左打ち(推奨しない打
ち方)がされることを防止している。
【0139】
通常遊技状態T1において大当り(確変大当り、通常大当り)となると第1特別遊技状
態に移行し、当該第1特別遊技状態でV入賞した場合は、当該第1特別遊技状態の終了後
に特定遊技状態T2に移行する。一方、当該第1特別遊技状態でV入賞しなかった場合は
、特定遊技状態T2に移行せず、当該第1特別遊技状態の終了後に通常遊技状態T1に移
行する。
特定遊技状態T2において大当り(確変大当り、通常大当り)となると第1特別遊技状
態に移行し、当該第1特別遊技状態でV入賞した場合は、当該第1特別遊技状態の終了後
に特定遊技状態T2に移行する。一方、当該第1特別遊技状態でV入賞しなかった場合は
、特定遊技状態T2に移行せず、当該第1特別遊技状態の終了後に通常遊技状態T1に移
行する。
また、特定遊技状態T2において高確率状態の終了条件が成立した場合も、通常遊技状
態T1に移行する。ここで、高確率状態の終了条件が成立した場合とは、特定遊技状態T
2に移行してから実行した特図変動表示ゲームの回数がST回数に到達した場合や、特定
遊技状態T2に移行してから大当り(V入賞あり)した回数がリミッタ回数に到達した場
合である。
【0140】
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機10の制御について説明する。まず、遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図8図10に示すメ
イン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図15に示すタイマ割込み処理と
からなる。
【0141】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図8図10は、遊技制御装置100によるメイ
ン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始
される。
【0142】
図8に示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを
禁止する処理を実行する(ステップX1)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退
避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理
を実行する(ステップX2)。
【0143】
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(ステップX3)、
所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする
(ステップX4)。本実施形態におけるRAMのアドレスは0000h~01FFhの範
囲であるので、上位としては00hか01hをとる。ステップX4では先頭の00hをセ
ットする。
【0144】
次に、遊技制御装置100は、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設
定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少
なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、球発射装置か
らの遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定
キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(ステップX6)。
すなわち、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む
【0145】
さらに、遊技制御装置100は、電源投入ディレイタイマを設定する(ステップX7)
。電源投入ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技
制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置2
00や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間
(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先
に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上
がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすこと
を回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制
御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出
制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0146】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
【0147】
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の状
態を読み込むことで、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の操作を確
実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ152とRAM初期化
スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キース
イッチ152とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過
まで設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要が
ある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行
わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112
の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0148】
電源投入ディレイタイマを設定すると(ステップX7)、遊技制御装置100は、待機
時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(ステップX
8~X10)。
【0149】
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力
されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生
しているか否か判定する(ステップX8)。停電が発生している場合に(ステップX8;
Y)、遊技機10の電源が遮断されるまで待機する。
【0150】
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(ステップX8;N)、電源投
入ディレイタイマを-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか否かを判定す
る(ステップX10)。タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、
待機時間が終了していない場合には、ステップX8の処理に戻る。
【0151】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電
が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができ
る。
【0152】
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(ステップX10;Y)、す
なわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なR
WM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(ステップX11)、全出力ポートにオ
フデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX12)。
【0153】
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載され
ているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に
使用)を設定する(ステップX13)。
【0154】
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタ
イマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer C
ircuit)回路を起動する(ステップX14)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン11
1内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路11
3からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいて
CPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成
回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えてい
る。
【0155】
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRA
M異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所
定のレジスタにセットしておく。
【0156】
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータ1(5Ah)であるか否かを判定する(ステップX16)。そして、正常で
あれば(ステップX16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータ2(A5h)であるか否かを判定する(ステップX17)。
【0157】
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX17
;Y)、RWM内の所定領域(例えば領域内ワーク領域)のチェックサムを算出するチェ
ックサム算出処理を実行し(ステップX18)、算出されたチェックサムと電源断時のチ
ェックサムが一致するか否かを判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場
合には(ステップX19;Y)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フ
ラグをクリアする(ステップX20)。その後、ステップX21へ移行する。
【0158】
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと
判定された場合(ステップX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一
致しない場合には(ステップX19;N)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ス
テップX21へ移行する。
【0159】
次に、遊技制御装置100は、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する
(ステップX21)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(ステップ
X21;Y)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップX30~X40の確
率設定変更中の処理を実行する。
【0160】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ112の少
なくとも一方がオフである場合に(ステップX21;N)、RAM(ここではRAM11
1c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(ステップX2
2)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(ステップX22;N)、確率設定
変更中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップX23)。確率設定変更中
フラグがセットされていない場合に(ステップX23;N)、ステップX34~X40の
確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップX44~X47
のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又はステップX44及びステップX48~X
51の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
【0161】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(ステップX
23;Y)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知する
メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップX24)。
メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100
の異常があったことを表示装置41などにおいて報知する。
【0162】
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表
示のデータ)を性能表示装置153で表示するために性能表示装置153のドライバ15
0a,150bに出力する(ステップX25)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置
(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号
のオンデータを外部情報端子板71に出力する(ステップX26)。なお、ここで、大当
りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子板
71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップX25とステップX26の
処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ152及びRAM初
期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステッ
プX25とステップX26の処理を繰り返して待機している間、割込みは禁止されたまま
であり(ステップX1)、特図ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処
理(図15)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラ
ウンド遊技等)は実行できない。
【0163】
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ11
2の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている
場合に異常があったとして、ステップX24~X26の処理を実行する。例えば、確率設
定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の
操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
なお、ステップA25やステップA26の出力する処理は、タイマ割込み処理内で行う
ようにしてもよい。
【0164】
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(ステップ
X22;Y)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン
異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(ステップX24)、遊技停止
時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置153のドライ
バ150a,150bに出力し(ステップX25)、外部装置にRAM異常を知らせるた
めに、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71に出力する(ステップX26
)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、
大当り信号など外部情報端子板71への他の信号はオフ状態に維持される。
【0165】
その後、停電が発生しているか否かを判定し(ステップX27)、停電が発生していな
い場合に(ステップX27;N)、ステップX25とステップX26の処理を繰り返して
待機する。一方、停電が発生していると判定した際に(ステップX27;Y)、全出力ポ
ートにオフデータを出力し(ステップX28)、RAMやEEPROM等の読出し書込み
可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを禁止する(ステップX29)。その後
、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0166】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ112の両
スイッチがオンである場合に(ステップX21;Y)、確率設定変更中(設定可変状態中
)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(ス
テップX30)。RAM異常フラグがセットされている場合に(ステップX30;Y)、
確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記
憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(ステ
ップX31)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(ス
テップX32)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(ステップX30;N)
、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX32)。
次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(ステ
ップX33)、ステップX37へ移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した
演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する
【0167】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ112の少
なくとも一方がオフであり(ステップX21;N)、RAM異常フラグがセットされてお
らず(ステップX22;N)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に
(ステップX23;N)、設定キースイッチ152がオンであるか否かを判定する(ステ
ップX34)。設定キースイッチ152がオンである場合に(ステップX34;Y)、R
AM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)
の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする
(ステップX35)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制
御基板)に送信し(ステップX36)、ステップX37へ移行する。なお、確率設定確認
中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置4
1などにおいて報知する。
【0168】
ステップX33又はステップX36の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と
確率設定確認中の共通の処理として、ステップX37~X43の処理を実行する。
【0169】
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ
信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128m秒(所定時間)をセ
ーブする(ステップX37)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリ
ティ信号の出力は、確率設定変更/確認処理(ステップX105)において実行されるが
、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制
御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(ステップX120
)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50m秒は、セ
キュリティ信号は出力される。
【0170】
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(ステップX38)。これにより、タ
イマ割込み処理(図15)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ152がオフで
あるか否かを判定する(ステップX39)。設定キースイッチ152がオンである場合に
(ステップX39;N)、停電が発生しているか否かを判定する(ステップX40)。停
電が発生していない場合に(ステップX40;N)、ステップX39の処理に戻る。一方
、停電が発生している場合に(ステップX40;Y)、ステップX63~X69の停電発
生時の処理を実行する。
【0171】
このように、設定キースイッチ152がオンであり、停電が発生していない限り、確率
設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は確率設定値を
確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
【0172】
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ152がオフである場合に(ステップ
X39;Y)、割込みを禁止し(ステップX41)、報知終了のコマンドを演出制御装置
300(演出制御基板)に送信する(ステップX42)。なお、報知終了のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であ
ることの報知を終了する。
【0173】
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、すな
わち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(ステップX43)。確率設定
変更中フラグがセットされている場合に(ステップX43;Y)、すなわち、これまで確
率設定変更中であった場合に、ステップX45~X47のRAM初期化処理(後述)を実
行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(ステップX43;N
)、すなわち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップX48以降の電源投入
時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
【0174】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ152がオフである場合に(ステップX34
;N)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(ステップX44)
。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(ステップX44;Y)、RAM11
1cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリア
する(ステップX45)。すなわち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除い
て、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。ここで、前述の確率設定変
更中フラグもクリアされる。また、所定時間周期内(ここではタイマ割込みの1割込み内
)において獲得した賞球の数(合計)である獲得遊技球数を格納する獲得遊技球数領域も
0クリアされる。そして、安全装置(前述)が作動中であるか否かを示す安全装置作動中
フラグを格納する安全装置作動中フラグ領域も0クリアされ(安全装置作動中フラグ=0
)、安全装置の作動が解除される。なお、ステップX45において、設定変更を伴うRA
Mクリア(ステップX43;Y)と、設定変更を伴わないRAMクリア(ステップX44
;Y)のいずれでも、安全装置作動中フラグ領域を0クリアすることによって安全装置の
作動が解除されるが、片方に限定してもよい。
【0175】
また、ここでは、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構
成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域(領域外ワーク
領域の一部)とスタック領域(領域外スタック領域)をクリアしない構成も可能である。
なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出
玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
【0176】
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブす
る(ステップX46)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出
制御基板)に送信し(ステップX47)、ステップX52へ移行する。
【0177】
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(ステ
ップX44;N)、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112が両方ともオ
フであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理として初
期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする(ステップX48)。また
、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。なお、RAM初期化時とは異なり
、通常の電源投入時には、安全装置作動中フラグ領域はクリアされない。また、ここで、
確変状態以外の状態で特図変動表示ゲームが実行された回数を示す天井カウンタ値が格納
される天井カウンタ領域も、遊技者に不利益にならないようにクリアされなくてよい。次
に、停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する停電復旧コ
マンド送信処理を実行して(ステップX49)、ステップX50へ移行する。
【0178】
なお、ステップX47の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップX4
9の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド
、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、
確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所
定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電
源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
【0179】
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率
設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率
設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一
度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御
装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
【0180】
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマ
ンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、
表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカ19a,19
bの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマ
ンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。な
お、画面指定のコマンドは、特図1,2について共に普段処理中では(変動中でも当り中
でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドでよい。
すなわち、ステップX47の処理は、停電復旧コマンド送信処理(ステップX49)と
最後のコマンドの部分が異なる。
【0181】
次に、安全装置が作動中であるか否か判定する(ステップX50)。例えば、安全装置
作動中フラグとして、安全装置が作動中であることを示す「1」が、安全装置作動中フラ
グ領域にセーブされている場合に安全装置が作動中であると判定できる(安全装置作動中
フラグ=1)。そして、安全装置が作動中である場合に(ステップX50;Y)、安全装
置が作動中であることを示す安全装置作動中のコマンドを演出制御装置300(演出制御
基板)に送信し(ステップX51)、ステップX52へ移行する。安全装置が作動中でな
い場合に(ステップX50;N)、そのままステップX52へ移行する。
安全装置が作動した状態からの停電復旧では作動が解除されないので、再び作動中の状
態で復旧することとなり、ステップX50で作動中であると判定される。
【0182】
そして、フラグレジスタの情報(値)を領域内スタック領域に退避(PUSH)し(ス
テップX52)、安全装置に関連する安全装置情報(後述の安全装置カウンタ値、安全装
置作動情報、旧作動情報など)を初期化する安全装置情報初期化処理を実行する(ステッ
プX53)。その後、フラグレジスタの情報を復帰(POP)する(ステップX54)。
なお、RAM異常による遊技停止時(ステップX25~X29)を除いて、電源投入する
と無条件に安全装置情報(安全装置カウンタ値など)を初期化(クリア)するようにした
が、カウント継続スイッチを設けて、カウント継続スイッチを押しながら電源投入すると
安全装置情報を初期化(クリア)しなくてよい。
【0183】
なお、後述のように、安全装置情報初期化処理に移行する際に、スタックポインタを遊
技制御に関連する領域内スタック領域から安全装置情報や性能情報や性能表示(性能情報
の表示)に関連する領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用のスタックポ
インタをRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグレジスタのフ
ラグ(特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX52において事前にフ
ラグレジスタの情報を退避しておく。フラグレジスタは、8ビットの各ビットが0又は1
の値をとるフラグになっている。なお、フラグレジスタについては、特開2013-23
3299号公報や特開2018-94101号公報等に開示されたものが使用できる。
【0184】
次に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(ステップX55)。具体
的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を
起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また
、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数のビット転置パターンの設定も行
われる。なお、本実施形態において、乱数生成回路は、ハードウェアのみで更新される乱
数として、大当り乱数、特図図柄乱数、普図の当り乱数、及び変動パターン乱数1~3を
生成する。これら乱数は、動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新され
る所謂「高速カウンタ」でよい。
【0185】
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を
、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として
格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
【0186】
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の
規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット
転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパ
ターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても
よい。
【0187】
次に、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(ステップX56)、遊技停止中である
か否かを判定する(ステップX57)。安全装置が作動した場合や、遊技(特図変動表示
ゲームや普図変動表示ゲームやラウンド遊技等)を停止する必要のある強エラー2(後述
)が発生している場合に、遊技停止中であると判定できる。
【0188】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX57;N)、フラグレジ
スタの情報(値)を領域内スタック領域に退避(PUSH)して(ステップX58)、ベ
ース値(出玉率)などの性能情報を計算する性能表示編集処理を実行する(ステップX5
9)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、性能情報やそ
の表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域(領域外ワーク領域の一部)に異常
がある場合に、これをクリアしてもよい。その後、フラグレジスタの情報を復帰(POP
)して(ステップX60)、割込みを許可する(ステップX61)。エラーが全く発生し
ていない場合の他に、強エラー2以外のエラーである弱エラー(後述)又は強エラー1(
後述)が発生している場合も、遊技停止中でなく、性能表示編集処理等を含めてステップ
X58~X60の処理が実行される。なお、弱エラー又は強エラー1が発生している場合
に、ステップX58~X60の処理を実行しない構成も可能である。
【0189】
なお、後述のように、性能表示編集処理に移行する際に、スタックポインタを遊技制御
に関連する領域内スタック領域から安全装置情報や性能情報や性能表示(性能情報の表示
)に関連する領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用のスタックポインタ
をRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグレジスタのフラグ(
特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX58において事前にフラグレ
ジスタの情報を退避しておく。領域外プログラムにジャンプした後で退避すると、領域外
プログラムが遊技制御用(領域内)RAMに書き込まれることになってしまうので、ジャ
ンプ前に退避するようにしている。
【0190】
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX57;Y)、性能
表示編集処理等を実行することなく、割込みを許可する(ステップX61)。すなわち、
安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合に、性能表示編集処理(特に、
性能表示編集処理中のベース値算出処理)が実行されないため、ベース値などの性能情報
が新たに計算されず変化しない。なお、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、性能
表示編集処理等を実行する構成も可能である。また、割込みの許可により、タイマ割込み
処理(図15)が実行可能となる。
【0191】
本実施形態において、エラーは、弱エラー、強エラー1、強エラー2の3つに区分けさ
れる。なお、エラー/不正系のコマンドを受信した演出制御装置300は、弱エラー、強
エラー1、強エラー2に対応した異なる強さのエラー報知を設定して実行できる。
【0192】
例えば、演出制御装置300は、スピーカ19a,19bからのエラーの報知音の音量
、又はエラー報知のために発光するLED(盤装飾装置46又は枠装飾装置18の演出用
LED)の輝度(明るさ)を、弱エラー<強エラー1≦強エラー2の順に大きくしてもよ
い。なお、強エラー1と強エラー2のスピーカの音量又はLEDの輝度を同じにしてもよ
い。また、演出制御装置300は、弱エラーの発生した場合に、報知音の音量をホール・
遊技者設定モード処理(ステップS11)で調整した音量(最大の音量以下)にし、強エ
ラー1と強エラー2の発生した場合に、報知音の音量を最大の音量にしてよい。
【0193】
弱エラーは、払出前の遊技球の不足に対応してシュート球切れスイッチ信号が発生する
ようなシュート球切れエラーと、下皿23が満杯になったことに対応してオーバーフロー
スイッチ信号が発生するようなオーバーフローエラーを含む。弱エラーでは、外部情報信
号は外部情報端子板71に出力されない(図43参照)。また、弱エラーに、スイッチ異
常エラーや、払出異常を示すステータス信号が発生する払出異常エラーを含めてもよい。
【0194】
強エラー1は、枠開放に関する枠開放エラーであり、ガラス枠開放エラーと本体枠開放
エラー(前面枠開放エラー)を含む。強エラー1では、外部情報信号として扉・枠開放信
号(ステップX504)が外部情報端子板71に出力される(図43参照)。
【0195】
強エラー2は、不正に関係する不正系エラーであり遊技停止とすることが好ましく、磁
石不正、盤電波不正、枠電波不正、振動不正、異常排出エラー、V通過エラー、大入賞口
不正、普電不正を含む。強エラー2では、外部情報信号としてセキュリティ信号(ステッ
プX521)が外部情報端子板71に出力される(図43参照)。また、強エラー2に残
存球エラーを含めてもよい。強エラー2が発生している場合に、遊技(特図変動表示ゲー
ム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技等)は停止され、遊技停止中であると判定できる
(ステップX57)。また、強エラー2が発生している場合に、安全装置が作動した場合
と同じく、遊技として特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラウンド遊技(大当り
中や小当り中での遊技)等が実行できない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)
を発生可能である。
【0196】
遊技制御装置100は、ステップX61の後に、停電が発生しているか否かを判定する
(ステップX62)。停電が発生していない場合に(ステップX62;N)、ステップX
56の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップX56~X62のループ
処理が繰り返される。そして、停電が発生するまでは、遊技停止にならない限り、すなわ
ち、安全装置が作動したり強エラー2が発生したりしない限り、性能表示編集処理(ステ
ップX59)においてベース値などの性能情報が繰り返し計算できる。
【0197】
なお、ループ処理の繰り返しの周期は、タイマ割込みの割込み周期(所定時間周期、例
えば4m秒)よりもかなり短いため、割込み周期の間に何度も性能表示編集処理が実行さ
れる。したがって、遊技球の入賞や排出球数の変化(アウト口30aに対する遊技球の入
球)等があると、すぐにベース値などの性能情報が変化可能である。
【0198】
停電が発生した場合に(ステップX62;Y)、遊技制御装置100は、停電発生時の
処理を開始して、割込みを禁止し(ステップX63)、全出力ポートにオフデータを出力
する(ステップX64)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセ
ーブし(ステップX65)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブす
る(ステップX66)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェック
サム算出処理を実行し(ステップX67)、さらに、算出したチェックサムをセーブする
(ステップX68)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(ステップX
69)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0199】
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェ
ックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバッ
クアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0200】
以上のように、メイン処理について説明したが、例えばステップX56~X62の処理
中に設定キースイッチとRAM初期化スイッチがオンにされた場合に、ステップX21と
同様の判定処理を行って、ステップX32と同様に確率設定変更中フラグをセットするこ
とで、遊技機10が起動している間に何度でも設定可変状態(設定変更モード)に切り替
え可能にしてもよい。
【0201】
〔RAM領域の構成例〕
図11は、遊技用マイコン111のRAM111cの構成の一例を示す図である。図1
1のように、RAM111cの先頭アドレスから領域内ワーク領域、未使用領域、領域内
スタック領域、未使用領域、領域外ワーク領域、未使用領域、領域外スタック領域が配置
される。領域内ワーク領域と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域、領域内用ス
タック領域)の間の未使用領域と、領域外ワーク領域と領域外スタック領域(領域外用ス
タック領域)の間の未使用領域はなくてもよい。
【0202】
RAMの領域内ワーク領域(遊技制御用ワーク領域)は、領域内プログラムで読み書き
され、領域外プログラムで読まれる遊技制御用の作業領域である。領域内ワーク領域は、
確率設定値領域、試験信号出力データ領域、乱数領域、スイッチ制御領域、セグメント領
域、停電検査領域1、停電検査領域2、チェックサム領域などの他に、安全装置が作動中
であるか否かを示す安全装置作動中フラグ領域や、タイマ割込みの1割込み(例えば4m
秒)内で賞球として獲得した獲得遊技球数を格納する獲得遊技球数領域などを含む。
【0203】
RAMの領域外ワーク領域は、領域外プログラムで読み書きされ、領域内プログラムで
読まれる領域である。領域外ワーク領域は、差玉数に対応する安全装置カウンタ値(差玉
数+初期値)を格納する安全装置カウンタ領域、安全装置の状態に対応する安全装置作動
情報を格納する安全装置作動情報領域、旧作動情報を格納する旧作動情報領域を含み、安
全装置に関連する安全装置情報を記憶可能である。安全装置カウンタ領域(3バイトサイ
ズ)は、基本的には領域内プログラムでは読まれないが、安全装置カウンタ値又は差玉数
の情報を差玉コマンドで演出制御装置300に送信する場合には、領域内プログラムで読
まれて参照されることもある。本実施形態において、安全装置カウンタ値は、差玉数に比
例して、差玉数に所定の初期値(10万)を加えた値である(安全装置カウンタ値=差玉
数+10万)。しかし、安全装置カウンタ値は、差玉数に対応付けられ差玉数を示唆する
ものであればこれに限られない。
【0204】
さらに、領域外ワーク領域は、性能情報や性能表示に関連する性能表示用ワーク領域を
含み、性能情報や性能表示に関連する情報などを記憶可能である。その他、領域外ワーク
領域は、試験信号に関連する情報や、エラー監視に関連する情報を記憶してよい。なお、
領域外ワーク領域において、安全装置情報に関連する安全装置関連ワーク領域(安全装置
カウンタ領域、安全装置作動情報領域、旧作動情報領域を含む)と、性能情報や性能表示
に関連する性能表示用ワーク領域を、明確に区分けして配置してもよいし、混在させても
よい。
【0205】
そして、領域外スタック領域は、性能情報や性能表示に関する処理を行う時と、安全装
置に関する処理を行う時とで共用される。また、領域外スタック領域は、試験信号に関す
る処理、エラー監視に関する処理を行う時にも使用される。
【0206】
なお、領域内プログラム(領域内処理のプログラム)と領域外プログラム(領域外処理
のプログラム)は、ROM111b内で未使用領域を挟んで配置されて区別される。RO
Mの領域内プログラムは、遊技制御用プログラムや遊技制御用データ等からなり、メイン
処理(図8図10)に対応するメインプログラムと、後述のタイマ割込み処理(図15
)に対応する割込み処理プログラムを含む。メインプログラム又は割込み処理プログラム
のサブルーチンは、領域外プログラムとなることもある。ROMの領域外プログラムは、
安全装置情報初期化処理に対応する安全装置情報初期化プログラム、性能表示編集処理に
相当する性能表示編集処理プログラム、後述の領域外統合処理に対応する領域外統合処理
プログラムを含む。
【0207】
〔停電復旧コマンド送信処理〕
次に、メイン処理における停電復旧コマンド送信処理(ステップX49)の詳細につい
て説明する。図12は、停電復旧コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、遊技機の種類を示す機種指定コマンドを準備して(ステ
ップX49a)、当該機種指定コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定
処理を実行する(ステップX49b)。
次いで、遊技制御装置100は、遊技モードに対応する遊技モードコマンドを準備して
(ステップX49c)、当該遊技モードコマンドを演出コマンドとして設定する演出コマ
ンド設定処理を実行する(ステップX49d)。この遊技モードコマンドには、確率状態
(高確率状態又は低確率状態)や演出モード(通常モード又は小当りRUSHモード)の
情報が含まれる。
【0208】
次いで、遊技制御装置100は、特図1保留数(第1始動記憶の記憶数)に対応する特
図1保留数コマンドを準備して(ステップX49e)、当該特図1保留数コマンドを演出
コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(ステップX49f)。
次いで、遊技制御装置100は、特図2保留数(第2始動記憶の記憶数)に対応する特
図2保留数コマンドを準備して(ステップX49g)、当該特図2保留数コマンドを演出
コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(ステップX49h)。
【0209】
次いで、遊技制御装置100は、遊技状態に対応する発射位置指定コマンドを準備して
(ステップX49i)、当該発射位置指定コマンドを演出コマンドとして設定する演出コ
マンド設定処理を実行する(ステップX49j)。ステップX49iでは、左打ちする遊
技状態(例えば通常遊技状態T1)である場合には、発射位置指定コマンドとして左打ち
を指定するコマンドが準備され、右打ちする遊技状態(例えば特定遊技状態T2や特別遊
技状態)である場合には、発射位置指定コマンドとして右打ちを指定するコマンドが準備
される。
【0210】
次いで、遊技制御装置100は、残り大当り回数に対応する残り大当り回数コマンドを
準備して(ステップX49k)、当該残り大当り回数コマンドを演出コマンドとして設定
する演出コマンド設定処理を実行する(ステップX49l)。
次いで、遊技制御装置100は、特図ステータスに対応する画面指定のコマンドを準備
し(ステップX49m)、当該画面指定のコマンドを演出コマンドとして設定する演出コ
マンド設定処理を実行して(ステップX49n)、停電復旧コマンド送信処理を終了する
【0211】
特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、例えば0~5のい
ずれかがセットされる。
特図ステータス0は遊技中でない状態(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム
のいずれも実行されていない状態)を示し、特図ステータス領域に0がセットされている
場合には、ステップX49mで、画面指定のコマンドとして客待ちデモ画面を指定するコ
マンドが準備される。
特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステ
ータス領域に1がセットされている場合には、ステップX49mで、画面指定のコマンド
として復旧画面1を指定するコマンドが準備される。
特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステ
ータス領域に2がセットされている場合には、ステップX49mで、画面指定のコマンド
として復旧画面2を指定するコマンドが準備される。
特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されて
いる状態を示し、特図ステータス領域に3がセットされている場合には、ステップX49
mで、画面指定のコマンドとして復旧画面3を指定するコマンドが準備される。
特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを
示し、特図ステータス領域に4がセットされている場合には、ステップX49mで、画面
指定のコマンドとして復旧画面4を指定するコマンドが準備される。
特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを
示し、特図ステータス領域に5がセットされている場合には、ステップX49mで、画面
指定のコマンドとして復旧画面5を指定するコマンドが準備される。
【0212】
このように、画面指定のコマンドが状態毎に異なるので、第4図柄LED(ランプ表示
装置48のランプ表示部1,2)もある程度復旧できる。具体的には、例えば、演出制御
装置300は、遊技制御装置100からの画面指定のコマンドに基づいて、ランプ表示部
1(特図1変動表示ゲーム用の第4図柄LED)の変動表示を行うか否かや、ランプ表示
部2(特図2変動表示ゲーム用の第4図柄LED)の変動表示を行うか否かを判断するこ
とができる。画面指定のコマンドには、停止図柄に関する情報は含まれないので、停止図
柄は全てはずれ図柄の状態で復旧する。
【0213】
〔安全装置情報初期化処理〕
次に、メイン処理における安全装置情報初期化処理(ステップX53)の詳細について
説明する。図13は、安全装置情報初期化処理の手順を示すフローチャートである。
安全装置情報初期化処理では、安全装置カウンタ領域、安全装置作動情報領域、旧作動
情報領域を初期化又はクリアし、安全装置カウンタ値、安全装置作動情報、旧作動情報な
どの安全装置情報を初期値(初期情報)にする。なお、安全装置作動情報は、現在の状態
を示す情報であり、旧作動情報は前回(主に1割込み前)の状態を示す。
【0214】
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX71)、スタックポインタに領域外スタック領域(領
域外用スタック領域)の値として、領域外スタック領域の先頭を示すアドレス値を設定す
る(ステップX72)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領域内
スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
【0215】
次に、遊技制御装置100は、レジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(P
USH)する(ステップX73)。退避するレジスタは、保護すべきレジスタ(安全装置
情報初期化処理内で使用されるレジスタ)のみでよいし、領域外統合処理(図46)のよ
うに全ての汎用レジスタを退避してもよい。全ての汎用レジスタを退避するには、レジス
タバンク0とレジスタバンク1の両方に対して退避(PUSH)する。
【0216】
続いて、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ領域に初期値(10万)をセーブし
、安全装置カウンタ値が初期値となる(ステップX74)。大当りが発生しない場合など
差玉数が0から減少する場合に、安全装置カウンタ値(=差玉数+初期値)は初期値より
小さくなることもあるため、初期値は0より大きく設定されているが10万以外の数値で
もよい。なお、このように、停電復旧時(電源投入時)に、安全装置カウンタ値は遊技者
に不利益にならないように初期化(クリア)されるが、特図変動表示ゲームが確変状態以
外で実行された回数を示す天井カウンタ値は、RAM初期化スイッチ112がオンでない
限り、停電復旧時に初期化(クリア)されなくてよい。
そして、安全装置作動情報領域に安全装置の未作動状態(通常状態)に対応する安全装
置未作動情報(値0)を安全装置作動情報としてセーブする(ステップX75)。さらに
、旧作動情報領域に安全装置未作動情報(値0)を旧作動情報としてセーブする(ステッ
プX76)。すなわち、安全装置カウンタの初期化に伴って作動情報もクリア(未作動状
態)される。
【0217】
次に、遊技制御装置100は、退避したレジスタを復帰し(ステップX77)、スタッ
クポインタ保存領域からロードしてスタックポインタを設定し(ステップX78)、安全
装置情報初期化処理を終了する。設定したスタックポインタは、領域内スタック領域のア
ドレスを示すことになる。
【0218】
上記の安全装置情報初期化処理において、レジスタを使用せずRAMに直接情報を書き
込む場合には、レジスタを退避/復帰しない。この場合に、レジスタのRAMへの退避も
行わないので、スタックポインタ関連の処理(ステップX71,X72,X73,X77
,X78)も不要となる。また、安全装置情報初期化処理前後のフラグレジスタの退避/
復帰(ステップX52,X54)も不要になる。
【0219】
なお、本実施形態において、安全装置カウンタ値が0~189999(安全装置カウン
タ=0~189999)の場合に、安全装置作動情報は、安全装置が未作動(通常)であ
る未作動状態(作動予告状態や作動警告状態や作動状態でない通常状態)に対応する安全
装置未作動情報(値0)となる。安全装置カウンタ値が190000~194999(安
全装置カウンタ=190000~194999)の場合に、安全装置作動情報は、安全装
置の作動を予告する作動予告状態に対応する安全装置作動予告情報(値1)となる。
【0220】
また、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値である195000(安全装置カウンタ=
195000)に到達しても遊技停止できる状態になっていない場合に、安全装置作動情
報は、安全装置の作動を警告する作動警告状態に対応する安全装置作動警告情報(値2)
となる。この場合は、差玉数(=セーフ球数-排出球数)が差玉基準値95000に達し
ても、大当り中又は小当り中であるため、前述の条件(1)は成立したが条件(2)が不
成立で安全装置の作動条件が成立していない場合に相当する。
【0221】
さらに、安全装置カウンタ値が195000(安全装置カウンタ=195000)に到
達して遊技停止中である場合に、安全装置作動情報は、安全装置が作動中である作動状態
(作動中状態)に対応する安全装置作動中情報(値3)となる。この場合は、差玉数が差
玉基準値95000に達して、且つ、大当り中でも小当り中でもないため前述の条件(1
)(2)の両方が成立することによって、安全装置の作動条件が成立した場合に相当する
【0222】
なお、遊技用マイコン111のRAM111c等に安全装置専用のRAM(安全装置専
用の領域)を設けてもよい。安全装置専用のRAMの領域内ワーク領域(領域内プログラ
ムで読み書きされ、領域外プログラムで読まれる領域)は、RAM初期化スイッチONで
の0クリア時にクリアされる安全装置作動中フラグ領域や、RAM初期化スイッチONで
の0クリア時にクリアされる獲得遊技球数領域を含む。また、安全装置専用のRAMの領
域外ワーク領域(領域外プログラムで読み書きされ、領域内プログラムで読まれる領域)
は、領域内プログラムでは読まれないが、差玉数をコマンドで送信する際に参照される安
全装置カウンタ領域(3バイトサイズ)や、現在の状況を記憶する安全装置作動情報領域
や、前回(主に1割込み前)の状況を記憶する旧作動情報領域を含む。
【0223】
〔性能表示編集処理〕
次に、メイン処理における性能表示編集処理(ステップX59)の詳細について説明す
る。図14は、性能表示編集処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX81)、スタックポインタに領域外スタック領域(領
域外用スタック領域)の値として、領域外スタック領域の先頭を示すアドレス値を設定す
る(ステップX82)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領域内
スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
【0224】
次に、遊技制御装置100は、レジスタバンク0とレジスタバンク1の両方に対してレ
ジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(PUSH)する(ステップX83)。
ここで、汎用レジスタ全部を退避することが好適である。そして、領域外ワーク領域のう
ち性能表示用ワーク領域の正当性を判定する正当性判定を実行し、正当でなく異常である
場合に、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)を実行する(ステップX8
4)。
【0225】
正当性判定では、性能表示用ワーク領域に格納される値が設計上あり得ない値であった
り設計値から外れる場合(所定範囲外の場合)に、正当でないと判定できる。例えば、性
能表示用ワーク領域の初期化が済んだことを示す性能表示用RAM初期化済みフラグに特
定の値(例えば5Ah)が格納されているか否かを判定し、ベース値算出等に用いる除算
処理の進行を管理する番号が所定範囲内であるかを判定し、スイッチカウンタの値が監視
されるスイッチの数以下の範囲内であるかを判定し、現在の表示期間を示す表示期間管理
番号が期間数の範囲内(0~3)であるかを判定し、現在の集計区間を示す集計区間番号
が区間数の範囲内(0~4)であるかを判定する。このように、正当性判定では、データ
テーブルに対してポインタとして使用する領域の値に対して所定範囲内にあるかの判定を
行うのが好適である。これにより、範囲外の値を取得することによってプログラムが暴走
するのを事前に防ぐことができる。また、性能表示編集処理毎に、正当性判定を行ってい
るので効果的である。
【0226】
なお、性能表示編集処理が実行される度に正当性判定が実行されるため、性能表示用ワ
ーク領域が正当でない場合に、すぐにその初期化が実行でき、異常な性能表示(異常なベ
ース値等の表示)が極力防止できる。
【0227】
また、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)は、スタックポインタ保存
領域を保護するよう、スタックポインタ保存領域以外を初期化の対象とする。なお、本実
施形態において領域外スタック領域は初期化しないが、初期化するようにしてもよい。領
域外スタック領域を初期化する場合でも、領域外スタック領域に退避したレジスタの値は
保護して初期化しない。性能表示用ワーク領域の初期化は、領域内ワーク領域(遊技制御
用ワーク領域)と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域)の初期化とは区別され
て実行されるため、領域内ワーク領域と領域内スタック領域には影響を与えない。
【0228】
続いて、遊技制御装置100は、ベース値(出玉率)の計算の元になるデータ(通常ア
ウト球数や通常賞球数など)を集計する集計区間の切替えタイミングであるか否かを判定
する(ステップX85)。電源投入からの総アウト球数(総排出球数、総アウト数)に対
して集計区間が設けられ、総アウト球数が複数の所定個数に達するごとに(例えば600
00増えるごとに)集計区間が切り替えられる。
【0229】
例えば、集計区間の切替えタイミングは、電源投入からの総アウト球数が所定個数とし
ての300個、60300個、120300個、180300個・・・になるタイミング
である。すなわち、集計区間の幅は最初の第1集計区間を除いて基本的に60000であ
り、第1集計区間=0~300個、第2集計区間=300~60300個、第3集計区間
=60300~120300個、第4集計区間=120300~180300個、第5集
計区間=180300~240300個・・・となる。第1~5集計区間を示す集計区間
番号はそれぞれ0~4であり、第6集計区間以降に対して集計区間番号は4に維持される
。なお、現在の集計区間番号は、性能表示用ワーク領域に記憶される。
【0230】
遊技制御装置100は、集計区間の切替えタイミングである場合に(ステップX85;
Y)、集計区間の切替え設定を行って(ステップX86)、監視対象の入力ポートにスイ
ッチの入力があるか否かを判定する(ステップX87)。集計区間の切替え設定では、総
アウト球数(総アウト数)をカウントする総アウトカウンタ、各集計区間内におけるアウ
ト球数(排出球数)である通常アウト球数(通常アウト数)をカウントする通常アウトカ
ウンタ、及び各集計区間内における全賞球数(獲得球数)である通常賞球数をカウントす
る通常賞球数カウンタをクリアしたり、各集計区間の最終ベース値(又は最新ベース値)
を隣の集計区間のベース値格納領域にシフト(移動)したりする。
【0231】
また、遊技制御装置100は、集計区間の切替えタイミングでない場合に(ステップX
85;N)、監視対象の入力ポートにスイッチの入力があるか否かを判定する(ステップ
X87)。本実施形態において、監視対象の入力ポートは、第3入力ポート124と第4
入力ポート126である(図3参照)。
【0232】
ここでは、監視対象の入力ポートごとに性能表示用ワーク領域にコピーしたスイッチ立
ち上がりエッジの情報(図48のステップX713でコピーされる)をチェックする。監
視対象の入力ポートごとに、コピーしたスイッチ立ち上がりエッジの情報を記憶する8ビ
ットの領域がある。全ての監視対象の入力ポートに関してスイッチ立ち上がりエッジの情
報が全て0である場合に入力がないと判定でき、それ以外の場合に入力があると判定でき
る。なお、スイッチ立ち上がりエッジの情報として、コピー時にマスクされない限り、入
力処理(ステップX103)において新たな入力(検出)があったスイッチに対応するビ
ットが1に設定され、新たな入力のないスイッチに対応するビットが0に設定されている
【0233】
遊技制御装置100は、監視対象の入力ポートにスイッチの入力がある場合に(ステッ
プX87;Y)、スイッチカウンタに対応するスイッチ(対象スイッチ)の入力をチェッ
クして入力情報を取得する(ステップX88)。ここでの対象スイッチは、第1特別変動
入賞装置38の上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイ
ッチ39a、始動入賞口36の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37の始動口
2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a(左入賞口スイッチ、右入賞
口スイッチ)、アウト球検出スイッチ74など、遊技球の検出によってベース値(又は出
玉率)を変化させ得るものである。
【0234】
続いて、遊技制御装置100は、対象スイッチの有効期間であるか否かを判定する(ス
テップX89)。なお、大入賞口不正や普電不正が発生して、大入賞口や第2始動入賞口
37への入賞が無効な場合、すなわち大入賞口スイッチ38a,39aや始動口2スイッ
チ37aが有効でない場合がある。また、始動口1スイッチ36aやアウト球検出スイッ
チ74など常時有効なスイッチもある。
【0235】
遊技制御装置100は、対象スイッチの有効期間である場合に(ステップX89;Y)
、スイッチカウンタに対応する対象スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップX
90)。対象スイッチの有効期間でない場合に(ステップX89;N)又は対象スイッチ
に入力がない場合に(ステップX90;N)、ステップX98へ移行する。
【0236】
遊技制御装置100は、対象スイッチに入力がある場合に(ステップX90;Y)、対
象スイッチに対応するビットの入力情報(1ビット)をクリアし(ステップX91)、通
常ベース状態中であるか否かを判定する(ステップX92)。通常ベース状態(低ベース
状態)は、ベース値を算出且つ更新できる期間であり、本実施形態において通常遊技状態
である。
【0237】
遊技制御装置100は、通常ベース状態中(通常遊技状態中)である場合に(ステップ
X92;Y)、対象スイッチが賞球の付与されるスイッチであれば、対象スイッチに対応
する賞球数を加算することによって、集計区間内における全賞球数である通常賞球数を更
新する(ステップX93)。続いて、対象スイッチがアウト球検出スイッチ74である場
合に1を加算することによって、集計区間内におけるアウト球数である通常アウト球数(
通常アウト数、通常排出球数)を更新する(ステップX94)。次に、対象スイッチがア
ウト球検出スイッチ74である場合に1を加算することによって、総アウト球数(総アウ
ト数、総排出球数)を更新する(ステップX95)。
【0238】
なお、本実施形態において、アウト球検出スイッチ74は、遊技領域32から排出され
た全ての遊技球(すなわち、入賞口又はアウト口30aを通過した全ての遊技球)を検出
する。アウト口30aに入球した遊技球だけでなく、入賞口(始動口(始動入賞口36、
普通変動入賞装置37)、大入賞口(特別変動入賞装置38,39)、又は一般入賞口3
5)に入球した遊技球は、図示しない通路等を介してアウト球検出スイッチ74に導かれ
て検出される。
【0239】
遊技制御装置100は、通常遊技状態である通常ベース状態中でない場合に(ステップ
X92;N)、通常賞球数も通常アウト球数も更新することなく、総アウト球数だけを更
新する(ステップX95)。したがって、通常ベース状態でない高ベース状態(第2の遊
技状態、時短状態、確変状態又は特別遊技状態)において、通常賞球数も通常アウト球数
も更新されず、通常賞球数と通常アウト球数から算出されるベース値(通常賞球数÷通常
アウト球数)は、更新されず変化がない。なお、ステップX92の通常ベース状態に関す
る判定処理をなくして、ベース値を全ての遊技状態における出玉率として更新可能(変化
可能)とする構成も可能である。
【0240】
次に、遊技制御装置100は、次回の性能表示編集処理で対象スイッチを次のものに変
更するために、スイッチカウンタを+1更新する(ステップX96)。なお、メイン処理
におけるループ処理によって性能表示編集処理は、タイマ割込みの割込み周期(所定時間
周期、例えば4m秒)よりもかなり短い時間間隔で実行される(例えば、数μ秒)。この
ため、割込み周期の間に、性能表示編集処理は繰り返し実行され、スイッチカウンタ(例
えば0から7)は、監視対象の入力ポートごとに全スイッチのビット(例えばビット0か
らビット7)を網羅する。また、スイッチカウンタは最終の値(例えば7)の後に0に更
新されて、次の監視対象の入力ポートに関してスイッチの入力がチェック開始される。例
えば、最初に第3入力ポート124に関してスイッチの入力がチェックされた後に、次に
第4入力ポート126に関してスイッチの入力がチェックされる。
【0241】
一方、遊技制御装置100は、全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力がない場
合に(ステップX87;N)、ベース値を算出するためのベース値算出処理(所定処理)
を実行する(ステップX97)。なお、監視対象の入力ポートにスイッチの入力が最初か
らない場合がある。他方、一部又は全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力が最初
にあったとしても、全ての監視対象の入力ポートに関してスイッチの入力がチェックされ
た後は、入力があった対象スイッチの入力情報はクリアされている(ステップX91)の
で、全ての監視対象の入力ポートにスイッチの入力がない状態となる。
【0242】
ベース値算出処理において、ベース値は、通常アウト球数に対する通常賞球数の比率で
あり、通常賞球数÷通常アウト球数で算出される。したがって、入賞口(始動口(始動入
賞口36、普通変動入賞装置37)、大入賞口(特別変動入賞装置38,39)、又は一
般入賞口35)に入球があった場合に、第1段階として、賞球が付与される入賞口のスイ
ッチ35a,36a,37a,38a,39aの入力(検出)によって通常賞球数が更新
され変化してベース値が変化し、且つ、第2段階としてアウト球検出スイッチ74の入力
(検出)によって通常アウト球数が更新され変化してベース値が変化する。すなわち、入
賞口へ1個の遊技球が入球すると、2段階でベース値が変化することになる(影響を受け
ることになる)。遊技盤30に開口するアウト口30aに入球があった場合に、アウト球
検出スイッチ74の入力(検出)によって通常アウト球数が更新され変化して、ベース値
も変化する。一方で、普図始動ゲート34に入球があった場合には、通常賞球数も通常ア
ウト球数もその入球自体によっては更新されず変化しないため、ベース値も変化せずに維
持される。普図始動ゲート34に入球があっても、賞球が付与されないため通常賞球数は
更新されない。
【0243】
ベース値は、変化の有無にかかわらず、出力処理のステップX219~X225の処理
によって、性能表示装置153に性能表示として出力されることになる。ただし、安全装
置が作動して遊技停止中である場合や、強エラー2が発生して遊技停止中である場合に、
性能表示装置153は、オフデータが出力されて消灯する。
【0244】
なお、特殊な例として、ベース値のリアルタイム値(BL.)を表示するリアルタイム
値表示期間でのみ、ベース値の算出を実行してよく、この特殊な例では、リアルタイム値
表示期間が到来するまで通常賞球数と通常アウト球数は更新されるが、ベース値は算出さ
れず変化しない。
すなわち、ベース値算出処理では、BL(今回60000個に達するまでのリアルタイ
ム値)→B1(前回60000個遊技区間)→B2(前々回60000個遊技区間)→B
3(前々々回60000個遊技区間)→BL→・・・の表示期間(後述)に対応させて表
示するためのデータ設定を行い、BL表示期間にベース値(=通常賞球数÷通常アウト数
)の算出を行って、B1,B2,B3表示期間では対象区間の最終算出結果を設定するだ
けとしてもよい。
【0245】
遊技制御装置100は、ステップX96又はステップX97の後、退避したレジスタを
復帰し(ステップX98)、スタックポインタ保存領域からロードしてスタックポインタ
を設定し(ステップX99)、性能表示編集処理を終了する。設定したスタックポインタ
は、領域内スタック領域のアドレスを示すことになる。
【0246】
なお、図14において、ステップX97の処理を、ステップX94の直後に実施して、
監視対象の入力ポートの全てのスイッチの入力チェックを待たずに、通常賞球数又は通常
アウト球数が更新された直後にベース値算出処理を行うような構成も可能である。
【0247】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図15は、タイマ割込み処理(割込み処理
プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネ
レータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力さ
れることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイ
マ割込み処理が開始される。
【0248】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバ
ンクとしてレジスタバンク1を指定し(ステップX101)、所定のレジスタ(例えばD
レジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。タ
イマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1
に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお
、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。ステップX102
では、メイン処理のステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。
【0249】
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップX103)。次
に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率
設定確認中であるか否かを判定する(ステップX104)。確率設定変更中又は確率設定
確認中である場合に(ステップX104;Y)、確率設定値を変更又は確認するための確
率設定変更/確認処理を実行する(ステップX105)。
【0250】
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(ステップ
X104;N)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入
賞口ソレノイド38b,39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発
光制御)などを行うための出力処理を実行する(ステップX106)。なお、メイン処理
におけるステップX5の処理で発射停止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われ
ることで発射許可の信号が出力でき、発射許可信号を許可状態に設定可能である。
【0251】
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンド(払出
コマンドなど)を払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行する(ステ
ップX107)。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口ス
イッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監
視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッ
チ/状態監視処理を実行する(ステップX108)。
【0252】
次に、遊技制御装置100は、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX109
)。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場
合に、遊技停止中であると判定できる。なお、強エラー2(磁石不正、盤電波不正、枠電
波不正、振動不正、異常排出エラー、V通過エラー、大入賞口不正、普電不正等)のうち
のいずれか(例えば異常排出エラー)が発生した場合にのみ遊技停止状態を発生してもよ
く、その場合には、安全装置が作動した場合や、当該いずれかのエラーが発生している場
合に遊技停止中であると判定する。
【0253】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX109;N)、始動口ス
イッチ監視処理(ステップX110)、特図1ゲーム処理(ステップX111)、特図2
ゲーム処理(ステップX112)、普図ゲーム処理(ステップX113)、セグメントL
ED編集処理(ステップX114)を実行する。その後、ステップX115以降の処理を
実行する。
【0254】
セグメントLED編集処理では、一括表示装置50を構成する複数のセグメントLED
の一部(例えば記憶表示部(保留表示器53,54,60)とラウンド表示部55と第1
遊技状態表示部56と第2遊技状態表示部57)の駆動に関する設定等が実行される。な
お、一括表示装置50の他の一部(例えば変動表示部51,52,59)の駆動に関する
設定等は、図柄変動制御処理(ステップA122,A154)で実行される。一括表示装
置50の別の他の一部(例えば確率状態表示部(第3遊技状態表示部58))の駆動に関
する設定等は、停電復旧処理(ステップX48)などで実行される。
【0255】
遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX109;Y)、始動口ス
イッチ監視処理(ステップX110)、特図1ゲーム処理(ステップX111)、特図2
ゲーム処理(ステップX112)、普図ゲーム処理(ステップX113)、セグメントL
ED編集処理(ステップX114)を実行することなく、ステップX115以降の処理を
実行する。このように安全装置が作動した場合や、強エラー2が発生して遊技停止中であ
る場合に、特図1ゲーム処理(ステップX111)と特図2ゲーム処理(ステップX11
2)と普図ゲーム処理(ステップX113)が実行されないため、特図保留数と普図保留
数は変化しない。一方、弱エラーや強エラー1が発生した場合は、遊技停止中でなく、特
図1ゲーム処理(ステップX111)と特図2ゲーム処理(ステップX112)と普図ゲ
ーム処理(ステップX113)が実行されるため、特図保留数と普図保留数は+1更新(
保留発生時)や-1更新(保留消化時)によって変化可能である。
【0256】
なお、弱エラーと強エラー1と強エラー2などのエラーの種類に応じて、始動口スイッ
チ監視処理(ステップX110)、特図1ゲーム処理(ステップX111)、特図2ゲー
ム処理(ステップX112)、普図ゲーム処理(ステップX113)、セグメントLED
編集処理(ステップX114)のうちいずれか一部を実行してその他を実行しない構成も
可能である。例えば、強エラー2が発生した場合に、セグメントLED編集処理だけは実
行するなどしてよい。
【0257】
さらに、遊技制御装置100は、安全装置の状態に対応する安全装置作動情報を演出コ
マンドとして演出制御装置300に送信したり、安全装置作動中フラグを設定できる安全
装置関連処理を実行する(ステップX115)。そして、磁気センサ61からの検出信号
をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(ステップX1
16)。さらに、遊技盤30の盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がな
いか否かを判定する盤電波不正監視処理を実行する(ステップX117)。
【0258】
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正
を監視する振動不正監視処理を実行する(ステップX118)。次に、大入賞口からの異
常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(ステップX119)。異常排出監視処理
では、特別変動入賞装置38,39における大入賞口スイッチ38a,39a、特定領域
スイッチ72a(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて
、特別変動入賞装置38,39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出
発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置38,39の大入賞口スイッチ38
a,39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72a(V入賞口スイッチ)又は残存
球排出口スイッチ73を通過して排出される。
【0259】
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットす
る外部情報編集処理を実行する(ステップX120)。そして、ステップX109等と同
じく、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX121)。
【0260】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX121;N)、フラグレ
ジスタを領域内スタック領域に退避し(ステップX122)、安全装置カウンタ値の更新
(差玉数の算出)や性能表示装置153の表示制御などを行う領域外統合処理を実行する
(ステップX123)。その後、フラグレジスタを復帰して(ステップX124)、タイ
マ割込み処理を終了する。安全装置が作動しておらず且つ強エラー2が発生していない場
合に、遊技停止中でなく、領域外統合処理等を含めてステップX122~X124の処理
が実行される。
【0261】
なお、領域外統合処理に移行する際に、スタックポインタを遊技制御に関連する領域内
スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。その際、遊技制御用のスタックポイ
ンタをRAM111cのスタックポインタ保存領域に保存する時にフラグレジスタのフラ
グ(特にゼロフラグ)が変化する可能性があるため、ステップX122において事前にフ
ラグレジスタを退避しておく。
【0262】
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX121;Y)、領
域外統合処理等を実行することなく、タイマ割込み処理を終了する。すなわち、安全装置
が作動した場合や強エラー2が発生している場合に、領域外統合処理が実行されないため
、安全装置カウンタ値は更新されないしベース値などの性能表示の表示内容は更新されな
い。これにより、遊技停止中の不要な制御を省略できる。
【0263】
なお、上記と異なり、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、始動口スイッチ監視
処理(ステップX110)、特図1ゲーム処理(ステップX111)、特図2ゲーム処理
(ステップX112)、普図ゲーム処理(ステップX113)、セグメントLED編集処
理(ステップX114)を実行する構成も可能である。また、強エラー2が発生しても、
領域外統合処理等を実行する構成も可能である。
【0264】
また、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指
定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集
処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処
理を行ってもよい。
【0265】
〔出力処理〕
次に、タイマ割込み処理における出力処理(ステップX106)の詳細について説明す
る。図16は、出力処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出
力するセグメント出力ポート(第3出力ポート135)にオフデータを出力してセグメン
ト出力ポート(第3出力ポート135)をリセットする(ステップX201)。続いて、
全ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド72b、普電ソレ
ノイド37c)に対するオフの出力データをセットする(ステップX202)。そして、
ステップX109等と同じく、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX203)
。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場合
に、遊技停止中であると判定できる。
【0266】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX203;N)、大入賞口
ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド72b、普電ソレノイド37cのデータを
出力するソレノイド出力ポート(第2出力ポート134)に出力するデータを合成する(
ステップX204)。そして、ソレノイド出力ポート(第2出力ポート134)にデータ
を出力する(ステップX205)。遊技停止中である場合に(ステップX203;Y)、
何もせず、ステップX205へ移行して、ソレノイド出力ポート(第2出力ポート134
)にオフデータ(ステップX202)を出力する。これにより、遊技停止状態である場合
に、全ソレノイドの動作が停止し、大入賞口、特定領域、普通変動入賞装置37等が閉鎖
して閉状態となる。このように遊技停止状態において大入賞口が閉鎖されてラウンド遊技
(大当り中や小当り中での遊技)が実行できない。
【0267】
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキ
ャンするためのデジットカウンタの値を0~3の範囲で+1更新する(1だけ加算するが
3の次は0に更新される)(ステップX206)。さらに、デジットカウンタの値に対応
するLEDのデジット線へのデジット出力データを取得する(ステップX207)。そし
て、取得したデジット出力データと外部情報データを合成し(ステップX208)、合成
したデータをデジット・外部情報出力ポート(第4出力ポート136)に出力する(ステ
ップX209)。ステップX208で合成する外部情報は、例えば、扉・枠開放信号とセ
キュリティ信号である。
【0268】
次に、遊技制御装置100は、セグメント線へのセグメント出力データとしてオフデー
タをセットする(ステップX210)。そして、発射禁止の出力データをセットする(ス
テップX211)。さらに、ステップX203等と同じく、遊技停止中であるか否かを判
定する(ステップX212)。
【0269】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX212;N)、デジット
カウンタの値に対応するRAM111c内のセグメント領域からセグメント線へのセグメ
ント出力データをロードし(ステップX213)、発射許可の出力データをセットし(ス
テップX214)、ロードしたセグメント出力データをセグメント出力ポート(第3出力
ポート135)に出力する(ステップX215)。なお、このセグメント領域は、領域内
ワーク領域(遊技制御用ワーク領域)に含まれてよい。
【0270】
このように、遊技停止中でない場合に、デジットカウンタの値が0~3の範囲で+1更
新される度に、新たなデジット線が選択されて、このデジット線が接続する桁の8本のセ
グメント線にセグメント出力データが出力される。桁0~桁3(デジット0~3)が順次
選択されて、一括表示装置50(特別図柄表示装置(特図1表示器51、特図2表示器5
2)、特図保留表示装置(特図1保留表示器53、特図2保留表示器54)、ラウンド表
示部55、第1遊技状態表示部56、第2遊技状態表示部57、第3遊技状態表示部58
、普通図柄表示装置(普図表示器59)、普図保留表示装置(普図保留表示器60))に
対するダイナミック駆動方式(ダイナミック点灯制御)が実現される。
【0271】
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX212;Y)、ス
テップX213とステップX214の処理をすることなく、オフデータ(ステップX21
0)をセグメント出力ポート(第3出力ポート135)に出力する(ステップX215)
。これにより、安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合の遊技停止状態
において、一括表示装置50は消灯する。これにより、遊技停止状態において特図変動表
示ゲームと普図変動表示ゲームが実行できない。そして、一括表示装置50を見た遊技者
は、遊技停止中であることや、安全装置が作動したこと又は強エラー2(不正系エラー)
が発生したことを認識できる。
【0272】
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子板71に出力する外部情報の各種出力デ
ータをロードして合成する(ステップX216)。ステップX216で合成する外部情報
は、例えば、大当り信号1と大当り信号2と大当り信号3と大当り信号4と図柄確定回数
信号と始動口信号とメイン賞球信号である。
さらに、遊技制御装置100は、合成したデータと発射許可または発射禁止の出力デー
タを合成し(ステップX217)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出
力ポート(第5出力ポート137)に出力する(ステップX218)。なお、ここで、遊
技停止中でない場合に発射許可の出力データになり(ステップX214)、遊技停止中で
ある場合に発射禁止(発射停止)の出力データになる(ステップX211)。これにより
、安全装置が作動した場合や強エラー2が発生している場合の遊技停止状態において、球
発射装置からの遊技球の発射が禁止されるようになっている一方で、遊技停止状態でなけ
れば、球発射装置からの遊技球の発射が許可されるようになっている。なお、遊技停止状
態でも、球発射装置からの遊技球の発射を許可して、発射禁止(発射停止)しない構成も
可能である。
【0273】
次に、遊技制御装置100は、性能表示装置(LED)153のセグメントのデータを
出力するセグメント出力ポート2(第6出力ポート141)にオフデータを出力してセグ
メント出力ポート2(第6出力ポート141)をリセットする(ステップX219)。次
に、性能表示装置153のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタ2の値
を0~3の範囲で+1更新する(1だけ加算するが3の次は0に更新される)(ステップ
X220)。さらに、デジットカウンタ2の値に対応するLEDのデジット線へのデジッ
ト出力データを取得する(ステップX221)。そして、取得したデジット出力データを
デジット出力ポート2(第7出力ポート142)に出力する(ステップX222)。
【0274】
次に、遊技制御装置100は、ステップX203等と同じく、遊技停止中であるか否か
を判定する(ステップX223)。遊技停止中でない場合に(ステップX223;N)、
デジットカウンタ2の値に対応するRAM111c内の性能表示装置セグメント領域から
セグメント出力データをロードする(ステップX224)。性能表示装置セグメント領域
は、性能情報やその表示(性能表示)に関連する性能表示用ワーク領域に含まれる。そし
て、ロードしたセグメント出力データをセグメント出力ポート2(第6出力ポート141
)に出力し(ステップX225)、その後、出力処理を終了する。
【0275】
一方、遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX223;Y)、ス
テップX224とステップX225の処理を実行することなく、出力処理を終了する。し
たがって、安全装置が作動して遊技停止中である場合や強エラー2が発生して遊技停止中
である場合に、性能表示装置セグメント領域のセグメント出力データを性能表示装置15
3用の出力ポート(第6出力ポート141)に出力できないため、ステップX219のオ
フデータがそのまま性能表示装置153用の出力ポート(第6出力ポート141)に出力
される。そして、この場合に、デジットカウンタ2の値が0~3の範囲で一巡すると、性
能表示装置153は、全LEDが強制的に消灯して非表示になり、性能表示装置153を
見た遊技場の責任者や係員は、遊技停止中であることや安全装置が作動したこと又は強エ
ラー2(不正系エラー)が発生したことを認識できる。
なお、強エラー2が発生しても、遊技停止とせず、ステップX224とステップX22
5の処理等を実行する構成も可能である。
【0276】
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)
の詳細について説明する。図17は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフロー
チャートである。
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる獲得遊技球数領域を0クリ
アする(ステップX301)。これにより、獲得遊技球数領域は、1割込み内(所定時間
周期内)に獲得した賞球の数(合計)である獲得遊技球数を格納する領域となる。なお、
獲得遊技球数領域は、安全装置関連の領域であり、獲得遊技球数は、1割込み内でのセー
フ球数の増加に等しい。そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の上大入賞
口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備する(ステップX302)。そ
して、上大入賞口が開いていないにもかかわらず上大入賞口に不正な入賞がないかを監視
するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップX303)
【0277】
その後、遊技制御装置100は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の下大入
賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル2を準備する(ステップX304)。
そして、下大入賞口が開いていないにもかかわらず下大入賞口に不正な入賞がないかを監
視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップX305
)。
【0278】
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに
対応する入賞口監視テーブルを準備する(ステップX306)。そして、不正入賞を監視
するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップX307)
。続いて、常時入賞可能で不正監視が不要な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備
する(ステップX308)。常時入賞可能な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36a
や一般入賞口35等である。
【0279】
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(
ステップX309)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれ
のスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカ
ウンタを更新する(ステップX310)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新
される。
【0280】
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を
設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX311)。そして、エ
ラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(ステッ
プX312)。
【0281】
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異
常検知信号に基づく状態(スイッチ異常エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウン
タの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく
状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2であ
る場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設
定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状
態(払出異常エラー)の監視が設定される。このように、遊技機状態監視テーブル1では
、弱エラーが監視される。
【0282】
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設
定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX313)。そして、エラ
ーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(ステップ
X314)。
【0283】
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基
づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1であ
る場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラ
ー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2であ
る場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカ
ウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
【0284】
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する
(ステップX315)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(ステ
ップX315;N)、ステップX317へ移行する。
【0285】
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(ステ
ップX315;Y)、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジ
ー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信
号チェック処理を実行し(ステップX316)、ステップX317へ移行する。
【0286】
なお、ステップX316の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタ
の値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されること
となる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップX
316の処理が行われることとなる。
【0287】
次に、遊技制御装置100は、不適切なタイミングで特定領域スイッチ72aを遊技球
が通過したか否かを監視するV通過タイミング監視処理を実行する(ステップX317)
。V通過タイミング監視処理では、不適切なタイミングで特定領域スイッチ72aの検出
信号が発生した場合にV通過エラーとする。
【0288】
続いて、遊技制御装置100は、特定領域スイッチ72aに遊技球が残っていないかを
監視する残存球監視処理を実行し(ステップX318)、入賞口スイッチ/状態監視処理
を終了する。
なお、入賞口スイッチ/状態監視処理におけるV通過タイミング監視処理と残存球監視
処理は、いわゆる1種2種混合機(1+2種機)に必要であり、通常の1種パチンコ機で
は不要となることもある。
【0289】
〔不正&入賞監視処理〕
次に、入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップX303
,X305,X307)の詳細について説明する。図18は、不正&入賞監視処理の手順
を示すフローチャートである。
不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38内の上大入賞口スイッチ38a、第
2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、普通変動入賞装置37内の入賞口
スイッチ(始動口2スイッチ37a)に対して行われる処理である。第2始動入賞口(普
通変動入賞装置37)や大入賞口(特別変動入賞装置38,39)については、無理やり
開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出
の他に不正の監視をする。
【0290】
遊技制御装置100は、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグ
をチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるか否かを判定する(ステップ
X322)。例えば、不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが本来遊技球
を検出しない期間であり、例えば入賞口スイッチが上大入賞口スイッチ38aである場合
に第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
【0291】
そして、遊技制御装置100は、不正監視期間である場合には(ステップX322;Y
)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップX323)。対象の
入賞口スイッチに入力がない場合には(ステップX323;N)、対象の報知タイマ更新
情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合
には(ステップX323;Y)、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、
加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)以上であるか否かを判
定する(ステップX325)。
【0292】
判定個数を5個としている理由は、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した
際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過
ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合などを不正と判断しないようにするためで
あり、不正でないにもかかわらず容易にエラーと判定しないようにするためである。
なお、判定個数は、スイッチ毎に違う値に定義できるが、本実施形態では全て5個とし
ている。
【0293】
そして、遊技制御装置100は、判定個数以上でない場合には(ステップX325;N
)、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また
、判定個数以上の場合には(ステップX325;Y)、不正入賞数を不正発生判定個数に
留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000
m秒)をセーブする(ステップX327)。
【0294】
次に、遊技制御装置100は、対象の不正発生コマンドを演出コマンドとして準備し(
ステップX328)、さらに、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(ステッ
プX329)。そして、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ス
テップX340)。
【0295】
一方、遊技制御装置100は、不正監視期間でない場合には(ステップX322;N)
、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設
定を行う入賞数カウンタ更新処理を実行する(ステップX331)。入賞口スイッチ/状
態監視処理(図17)にて準備された不正監視テーブル(入賞口監視テーブル)に定義さ
れている情報は、例えば、入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)と、不
正監視情報の下位アドレスと、不正入賞数領域の下位アドレスと、不正入賞エラー報知コ
マンドと、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)と、入賞口スイッチテーブルのアドレ
スと、報知タイマ更新情報(許可/更新)等である。
【0296】
そして、遊技制御装置100は、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX3
32)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。報知タイマの更
新が許可されない場合には(ステップX333;N)、不正&入賞監視処理を終了する。
一方、報知タイマの更新が許可される場合には(ステップX333;Y)、対象の報知タ
イマが0でなければ-1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0
に設定されている。
【0297】
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが普通変動入賞装置37内の入
賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)である場合は許可される。また、一つの特別変
動入賞装置(大入賞口)内に2つ大入賞口スイッチがある場合に、報知タイマの更新は、
エラー監視対象の大入賞口スイッチが一方である場合は許可され、エラー監視対象の大入
賞口スイッチが他方の場合は許可されない。これにより、一つの特別変動入賞装置につい
ての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例え
ば60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
【0298】
その後、遊技制御装置100は、報知タイマの値が0であるか否かを判定し(ステップ
X335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわち、タイムアップして
いない場合には、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの値が0である場合
(ステップX335;Y)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた
場合は、対象の不正解除コマンドを演出コマンドとして準備し(ステップX336)、不
正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイ
マの値が0になった瞬間であるか否かを判定する(ステップX338)。
【0299】
遊技制御装置100は、報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX33
8;Y)、すなわち、今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には
、対象の不正入賞数をクリアする(ステップX339)。
【0300】
また、遊技制御装置100は、ステップX339の処理が終了後、又は報知タイマの値
が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち、前回以前の不正&入
賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合には、準備した不正フラグを対象の不正フ
ラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
【0301】
そして、遊技制御装置100は、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一
致した場合には(ステップX340;Y)、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備
した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合には(ステップX340;
N)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演
出コマンド設定処理を実行する(ステップX342)。その後、不正&入賞監視処理を終
了する。
【0302】
以上の処理により、不正の発生に伴い不正発生コマンドが演出制御装置300に送信さ
れ、不正の解除に伴い不正解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、不正の報知
の開始、終了が設定されることとなる。
【0303】
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、入賞口スイッチ/状態監視処理や不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更
新処理(ステップX309,X331)の詳細について説明する。図19は、入賞数カウ
ンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、遊技停止中であるか否かを判定する(ステップX351
)。安全装置が作動した場合や、遊技を停止する必要のある強エラー2が発生している場
合に、遊技停止中であると判定できる。
【0304】
遊技制御装置100は、遊技停止中でない場合に(ステップX351;N)、入賞口監
視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX352)、対象の入
賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップX353)。入賞口スイッチ/状
態監視処理(図17)にて準備された入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、繰
り返し回数と、入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)等が定義されてお
り、さらに、監視する入賞口スイッチ毎に、賞球数と、入賞数カウンタ領域1の下位アド
レスと、入賞数カウンタ領域2の下位アドレス等が定義されている。対象の入賞口スイッ
チに入力がない場合には(ステップX353;N)、テーブルアドレスを次レコードのア
ドレスに更新し(ステップX365)、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(
ステップX366)。
【0305】
一方、遊技制御装置100は、対象の入賞口スイッチに入力がある場合には(ステップ
X353;Y)、獲得遊技球数領域から獲得遊技球数をロードし(ステップX354)、
対象の入賞口スイッチに対応する賞球数を獲得遊技球数に加算し(ステップX355)、
加算後の値を獲得遊技球数領域にセーブする(ステップX356)。これにより、獲得遊
技球数領域に記憶される獲得遊技球数が入賞口スイッチごとに更新されていき、獲得遊技
球数は、最終的に1割込み内に獲得した賞球の数(合計)になる。
【0306】
なお、獲得遊技球数領域は、領域内ワーク領域にあり、入賞数カウンタ更新処理のプロ
グラム(領域内プログラムの一部)で書き込まれ、差玉確認処理(図49)のプログラム
(領域外プログラムの一部)では読み出すだけとなる。なお、全ての入賞口スイッチに同
時に入力したとしても賞球の合計値は255(1バイト)に満たないため、獲得遊技球数
に対して上限のチェックは行わない。
【0307】
次に、遊技制御装置100は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップ
X357)、ロードした値を+1更新する(ステップX358)。さらに、更新された値
によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(ステップX359)。入賞数カウ
ンタ領域1は、2バイト(0~65535)のサイズである。
【0308】
遊技制御装置100は、オーバーフローが発生していない場合には(ステップX359
;N)、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(ステップX360)。ステッ
プX360の処理の終了後、又はオーバーフローが発生した場合には(ステップX359
;Y)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX361)。
【0309】
その後、遊技制御装置100は、ロードした値を+1更新し(ステップX362)、更
新した値によってオーバーフローが発生するか否かを判定する(ステップX363)。オ
ーバーフローが発生しない場合には(ステップX363;N)、更新後の値を入賞数カウ
ンタ領域2にセーブする(ステップX364)。入賞数カウンタ領域2は、1バイト(0
~255)のサイズである。
【0310】
遊技制御装置100は、ステップX364の処理の終了後、又はオーバーフローが発生
した場合には(ステップX363;Y)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更
新する(ステップX365)。そして、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(
ステップX366)。
【0311】
遊技制御装置100は、全スイッチの監視が終了していない場合には(ステップX36
6;N)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定するステップX353の処理
に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合には(ステップX366;Y)、入賞数
カウンタ更新処理を終了する。これにより、全スイッチの監視が終了するまで、ステップ
X353~X366の処理が繰り返されて、1割込み内で獲得した賞球の数(合計)であ
る獲得遊技球数が得られるとともに、1割込み内での各入賞口(各入賞領域)への入賞に
基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
【0312】
遊技制御装置100は、遊技停止中である場合に(ステップX351;Y)、何もせず
、入賞数カウンタ更新処理を終了する。これにより、遊技停止状態において、入賞口スイ
ッチでの遊技球の検出が無効になり、獲得遊技球数は更新されず、入賞数カウンタ領域1
及び2が更新されないため、入賞の情報が記憶されず賞球も得られない(払い出されない
)。なお、遊技停止状態になる前に(すなわち、入賞口スイッチでの遊技球の検出が有効
であるときに)記憶された入賞の情報に基づく賞球の払い出しは、遊技停止状態でも継続
する。
【0313】
なお、入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示す
るための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンド
を未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウ
ンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
【0314】
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定
数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用
いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデー
タが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記
憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。
【0315】
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例
えば、1個賞球、5個賞球、8個賞球、15個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられて
おり、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算される
ようになっている。つまり、入賞口への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能
とされている。なお、入賞数カウンタ領域1(2バイト)は入賞数カウンタ領域2(1バ
イト)よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされ
ている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し、
払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり
、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
【0316】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、タイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX110)の詳細
について説明する。図20は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートであ
る。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36に対する入賞監視テーブルである始動口
1入賞監視テーブルを準備し(ステップA1)、ハード乱数取得処理を実行し(ステップ
A2)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(ステップA3)。始動入賞口
36への入賞がない場合(ステップA3;N)には、ステップA8以降の処理を実行する
。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(ステップA3;Y)には、右打ち指示報知
コマンドを準備して(ステップA4)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップA5
)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出
コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。演出制御装置300は、右打ち
指示報知コマンドを受信した場合であって、現在の遊技状態が右打ちする遊技状態である
場合には、遊技者に右打ちするよう指示する演出を実行する。
【0317】
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定す
るテーブルを準備した後(ステップA6)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ス
テップA7)。
そして、普通変動入賞装置37に対する入賞監視テーブルである始動口2入賞監視テー
ブルを準備し(ステップA8)、ハード乱数取得処理を実行し(ステップA9)、普通変
動入賞装置37への入賞があるか否かを判定する(ステップA10)。普通変動入賞装置
37への入賞がない場合(ステップA10;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了す
る。
【0318】
一方、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞がある場合(ステップA
10;Y)には、普通変動入賞装置37(普通電動役物)が作動中であるか否か、すなわ
ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを
判定する(ステップA11)。普通変動入賞装置37が作動中である場合(ステップA1
1;Y)、ステップA13へ移行する。
【0319】
一方、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37が作動中でない場合(ステップA
11;N)、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA12)。普通変動入賞装置
37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中
であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開
状態でのみ遊技球が入賞可能である。したがって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何ら
かの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合
はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定
の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0320】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(ステップA12;N)、普通変動
入賞装置37(始動口2)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップ
A13)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(ステップA14)、始動口スイッチ監
視処理を終了する。また、ステップA12にて、普電不正発生中である(ステップA12
;Y)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記
憶をそれ以上発生させないようにする。
【0321】
〔ハード乱数取得処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA2,A9)の
詳細について説明する。図21は、ハード乱数取得処理の手順を示すフローチャートであ
る。
遊技制御装置100は、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変
動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA21
)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイ
ッチに入力があるか否かを判定する(ステップA22)。そして、監視対象の始動口スイ
ッチに入力がない場合(ステップA22;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方
、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA22;Y)は、乱数ラッチレ
ジスタステータスを読み込み(ステップA23)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデ
ータがあるか否かを判定する(ステップA24)。
【0322】
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA24;N)、すなわ
ち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラ
ッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA24;Y)は、監視対象のハード乱
数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(ステップA25)、監視
対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された特図図柄乱数をロードして準備する(ステ
ップA26)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装
置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA27)、ハー
ド乱数取得処理を終了する。
【0323】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA7,
ステップA14)の詳細について説明する。図22は、特図始動口スイッチ共通処理の手
順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36
aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われ
る処理である。
【0324】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理
装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA31)、ロ
ードした値を+1更新して(ステップA32)、出力回数がオーバーフローするか否かを
判定する(ステップA33)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA33;
N)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA34)、
ステップA35へ移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA33
;Y)、ステップA35へ移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」
から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」で
ある場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローす
ると判定するよう構成されている。
【0325】
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限
値(ここでは4)未満か否かを判定する(ステップA35)。更新対象の特図保留数が上
限値未満でない場合(ステップA35;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する
。また、更新対象の特図保留数が上限値未満(ここでは4)である場合(ステップA35
;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ス
テップA36)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA37)。
【0326】
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱
数格納領域のアドレスを算出して(ステップA38)、ハード乱数取得処理にて準備した
大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブし(ステップA39)、ハード乱数取
得処理にて準備した特図図柄乱数をRWMの特図図柄乱数格納領域にセーブする(ステッ
プA40)。
【0327】
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図
変動表示ゲームの変動パターン乱数(変動パターン乱数1~3)を抽出し、対応するRW
Mの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA41)、変動表示ゲームの結果
(遊技結果)を事前に判定可能な特図保留情報判定処理(事前判定処理、先読み処理)を
実行する(ステップA42)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や特図
図柄乱数などに基づく停止図柄情報(大当り停止図柄、小当り停止図柄、はずれ停止図柄
)に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1~3に基づく前
半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する
先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口
スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し
(ステップA43)、演出コマンド設定処理(ステップA44)を実行して、特図始動口
スイッチ共通処理を終了する。このように、遊技制御装置100は、始動記憶に基づく変
動表示ゲームが実行されるよりも前に当該変動表示ゲームの結果を事前に判定可能な事前
判定手段を構成する。
【0328】
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの
実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動
記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始
動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、
所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0329】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA42)の詳
細について説明する。図23は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートであ
る。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイ
ミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0330】
遊技制御装置100は、まず、大当り中(第1特別遊技状態中)であるか否か判定し(
ステップA51)、大当り中である場合(ステップA51;Y)には、特図保留情報判定
処理を終了する。一方、大当り中でない場合(ステップA51;N)には、特図低確率中
であるか否か判定する(ステップA52)。
特図低確率中でない場合(ステップA52;N)には、特図始動口スイッチ共通処理の
ステップA37にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、特図2保留(第2始動
記憶)の判定であるか否か判定する(ステップA53)。一方、特図低確率中である場合
(ステップA52;Y)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップA37にてセーブ
した始動口入賞フラグをチェックして、特図1保留(第1始動記憶)の判定であるか否か
判定する(ステップA54)。
【0331】
図2保留の判定でない場合(ステップA53;N)や特図1保留の判定でない場合(
ステップA54;N)には、特図保留情報判定処理を終了する。
また、特図2保留の判定である場合(ステップA53;Y)や特図1保留の判定である
場合(ステップA54;Y)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより
大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理(ステップA55)を行う。すなわち、
ステップA52~A54の処理を実行することによって、イレギュラー変動に対する先読
みは行わずに、メイン変動に対する先読みのみを行うことが可能となる。
【0332】
判定結果が大当りである場合(ステップA56;Y)には、対象の始動口スイッチに対
応する大当り図柄チェックテーブルを設定し(ステップA57)、ハード乱数取得処理に
て準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA58)、ステッ
プA63へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA56;N)には、
大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるかを判定する先読み小
当り判定処理(ステップA59)を行う。
判定結果が小当りである場合(ステップA60;Y)には、対象の始動口スイッチに対
応する小当り図柄チェックテーブルを設定し(ステップA61)、ハード乱数取得処理に
て準備した特図図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA58)、ステッ
プA63へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップA60;N)には、
はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA62)、ステップA63へ移行する。
【0333】
本実施形態では、図5(a)に示すように、特図変動表示ゲームの結果は、特図低確率
中においてははずれ結果となる可能性があるが、特図高確率中においてははずれ結果とな
らない。また、特図低確率中(ステップA52;Y)は特図1の先読みのみを行い、特図
高確率中(ステップA52;N)は特図2の先読みのみを行うので、先読みで特図2がは
ずれの結果となることはない。すなわち、特図2保留の判定である場合(ステップA53
;Y)であって、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りではない場合(ステップA5
6;N)には、先読み小当り判定処理の判定結果は必ず小当りとなる(ステップA60;
Y)。
【0334】
その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを
準備して(ステップA63)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA64)。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設
定処理を行って(ステップA65)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パタ
ーン設定処理を行う(ステップA66)。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号
及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備
し(ステップA67)、演出コマンド設定処理を行って(ステップA68)、特図保留情
報判定処理を終了する。
【0335】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先
読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの
情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。
これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の
判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミ
ングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示
される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイ
ミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0336】
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記
憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(
例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して
記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけでは
なく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0337】
〔特図1ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX111)の詳細につい
て説明する。図24は、特図1ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図1
ーム処理では、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行
う。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセットさ
れる特図1中断フラグがセットされているか判定する(ステップA101)。特図1変動
表示ゲームは、当該特図1変動表示ゲームの実行中に特図2変動表示ゲームの結果が第2
特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される場合に、当該第2特別遊技状
態の実行中において中断される。
【0338】
図1中断フラグがセットされていない場合(ステップA101;N)、すなわち特図
1変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップA102へ移行して、以降
の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。
一方、特図1中断フラグがセットされている場合(ステップA101;Y)、すなわち
図1変動表示ゲームが中断されている場合には、ステップA102~A120の特図1
変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップA121へ移行する。これにより、特図
1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマ
の更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
【0339】
図1変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、
すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される
特別遊技状態中であるか判定する(ステップA102)。そして、特図2の大当り/小当
り中である場合(ステップA102;Y)には、ステップA105へ移行する。一方、特
図2の大当り/小当り中でない場合(ステップA102;N)には、大入賞口スイッチ監
視処理(ステップA103)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップA104)を
行う。
【0340】
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口
スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39a
での遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する
大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大
入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結
果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイ
ッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りに
なることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において
大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置39内に設けられた特定領域ス
イッチ72aでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に
基づいて特定領域通過情報をセットする処理を行う。本実施形態では、この特定領域通過
情報がセットされていることに基づき高確率状態を発生させる処理が行われることとなる
【0341】
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップA105)、特
図1ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップA106)。そして、特図1
ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA106;N)、すなわちタイムアップ
していない場合には、ステップA121へ移行する。また、特図1ゲーム処理タイマの値
が0である場合(ステップA106;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイム
アップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照
する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA107)。
そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを
取得し(ステップA108)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(
ステップA109)。
【0342】
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップA110)
を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時
間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理
(ステップA111)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(
ステップA112)を行う。
【0343】
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップA113)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエン
ディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定
等を行う大入賞口開放中処理(ステップA114)を行う。
【0344】
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA
115)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ス
テップA110)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA1
16)を行う。
【0345】
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA1
17)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマン
ドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステ
ップ118)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA119)を行う。
ステップA109にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を
行うために必要な情報の設定を行う特図1小当り終了処理(ステップA120)を行う。
【0346】
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(
ステップA121)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA122)を
行い、レバーソレノイド72bの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA
123)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示
ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
【0347】
〔特図2ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)の詳細につい
て説明する。図25は、特図2ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図2
ーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行
う。特図2ゲーム処理は、基本的には前述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2につ
いて行うものである。
遊技制御装置100は、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち特図1
動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中で
あるか判定する(ステップA131)。そして、特図1の大当り/小当り中である場合(
ステップA131;Y)には、ステップA134へ移行する。また、特図1の大当り/小
当り中でない場合(ステップA131;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップ
A132)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップA133)を行う。
【0348】
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口
スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39a
での遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する
大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大
入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結
果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイ
ッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りに
なることに基づき実行される特別遊技状態については前述した特図1ゲーム処理において
大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置39内に設けられた特定領域ス
イッチ72aでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に
基づいて特定領域通過情報をセットする処理を行う。本実施形態では、この特定領域通過
情報がセットされていることに基づき高確率状態を発生させる処理が行われることとなる
【0349】
次いで、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップA134)、特
図2ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップA135)。そして、特図2
ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA135;N)、すなわちタイムアップ
していない場合には、ステップA153へ移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの値
が0である場合(ステップA135;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイム
アップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか判定する
(ステップA136)。
【0350】
図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップA136;N)には
、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を-1更新し(ステップA137)、特図2
ーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000m秒)をセーブして(ステッ
プA138)、ステップA153へ移行する。
図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため
に、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば1
0分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られて
いるため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難
である。そこで、規定時間(例えば60000m秒)の計時を行う回数である繰り返し回
数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
【0351】
図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップA136;Y)には
、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケ
ンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA139)。そして、当該テーブルを
用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップA14
0)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップA141)。
【0352】
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップA142)
を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時
間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理
(ステップA143)を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(
ステップA144)を行う。
【0353】
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップA145)を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエン
ディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定
等を行う大入賞口開放中処理(ステップA146)を行う。
【0354】
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA
147)を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ス
テップA148)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA1
48)を行う。
【0355】
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA1
49)を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマン
ドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステ
ップA150)を行う。
【0356】
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA151)を行う。
ステップA141にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップA152)を行う
【0357】
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(
ステップA153)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA154)を
行い、レバーソレノイド72bの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA
155)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示
ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図
2ゲーム処理は、基本的には前述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行う
ものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並
行して説明する。
【0358】
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ス
テップA103,A132)の詳細について説明する。図26は、大入賞口スイッチ監視
処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入賞カウンタに0をセットして(ステップA161)、
上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)への入賞有効中であるか否か判定する(ステッ
プA162)。上大入賞口の開放中(第1特別遊技状態での開放中、第2特別遊技状態で
の開放中)である場合や、上大入賞口の残存球処理中(大入賞口残存球処理中、小当り残
存球処理中)である場合に、上大入賞口への入賞有効中であると判定する。
【0359】
上大入賞口への入賞有効中である場合(ステップA162;Y)には、大入賞口スイッ
チ1(上大入賞口スイッチ38a)に入力があるか否か判定する(ステップA163)。
大入賞口スイッチ1(上大入賞口スイッチ38a)に入力がない場合(ステップA163
;N)には、入賞カウンタの値が0であるか否か判定する(ステップA172)。また、
大入賞口スイッチ1(上大入賞口スイッチ38a)に入力がある場合(ステップA163
;Y)には、上大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA164)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップA165)。すなわち、上大入賞口の開放中だけでなく、残
存球処理中でも、上大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300へ送信する。そして
、入賞カウンタを+1更新して(ステップA166)、入賞カウンタの値が0であるか否
か判定する(ステップA172)。
【0360】
一方、上大入賞口への入賞有効中でない場合(ステップA162;N)には、下大入賞
口(第2特別変動入賞装置39)への入賞有効中であるか否か判定する(ステップA16
7)。下大入賞口の開放中(第1特別遊技状態での開放中、第2特別遊技状態での開放中
)である場合や、下大入賞口の残存球処理中(大入賞口残存球処理中、小当り残存球処理
中)である場合に、下大入賞口への入賞有効中であると判定する。
【0361】
下大入賞口への入賞有効中でない場合(ステップA167;N)には、大入賞口スイッ
チ監視処理を終了する。
一方、下大入賞口への入賞有効中である場合(ステップA167;Y)には、大入賞口
スイッチ2(下大入賞口スイッチ39a)に入力があるか否か判定する(ステップA16
8)。大入賞口スイッチ2(下大入賞口スイッチ39a)に入力がない場合(ステップA
169;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口スイッチ2(
下大入賞口スイッチ39a)に入力がある場合(ステップA168;Y)には、下大入賞
口カウントコマンドを準備して(ステップA169)、演出コマンド設定処理を行う(ス
テップA170)。すなわち、下大入賞口の開放中だけでなく、残存球処理中でも、下大
入賞口カウントコマンドを演出制御装置300へ送信する。そして、入賞カウンタを+1
更新して(ステップA171)、入賞カウンタの値が0であるか否か判定する(ステップ
A172)。
【0362】
入賞カウンタの値が0である場合(ステップA172;Y)には、大入賞口スイッチ監
視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でない場合(ステップA172;N)に
は、大入賞口残存球処理中であるか否か判定する(ステップA173)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA173;Y)には、大入賞口スイッチ監
視処理を終了する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA173;N)に
は、小当り残存球処理中であるか否か判定する(ステップA174)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA174;Y)には、大入賞口スイッチ監視
処理を終了する。また、小当り残存球処理中でない場合(ステップA174;N)には、
入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップA175)、大入賞口カウン
ト数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上であるか否か判
定する(ステップA176)。
【0363】
大入賞口カウント数が上限値以上でない場合(ステップA176;N)には、大入賞口
スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上である場合(ステ
ップA177;Y)には、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA177)、対
象の特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA178)、大当り(第1特別
遊技状態)での開放中であるか否か判定する(ステップA179)。
【0364】
大当りでの開放中でない場合(ステップA179;N)には、大入賞口スイッチ監視処
理を終了する。また、大当りでの開放中である場合(ステップA179;Y)には、大入
賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA180)、大
入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終
了することとなる。
【0365】
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ス
テップA104,A133)の詳細について説明する。図26は、特定領域スイッチ監視
処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特定領域(V入賞口)が有効中であるか否か、すなわち
特定領域スイッチ72aでの遊技球の検出を有効なものとして扱うV有効期間中であるか
否か判定する(ステップA191)。特定領域が有効中でない場合(ステップA191;
N)には、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定領域が有効中である場合(
ステップA191;Y)、すなわちV入賞期間中である場合には、特定領域スイッチ72
aに入力があるか否か判定する(ステップA192)。
【0366】
特定領域スイッチ72aに入力がない場合(ステップA192;N)には、特定領域ス
イッチ監視処理を終了する。また、特定領域スイッチ72aに入力がある場合(ステップ
A192;Y)には、連続して発生した大当り(V入賞あり)の回数である大当り連続回
数は残り1であるか否か、すなわち残り大当り回数領域の値が1であるか否か判定する(
ステップA193)。
【0367】
大当り連続回数が残り1でない場合(ステップA193;N)、すなわち残り大当り回
数領域の値が1でない場合には、特定領域通過コマンドを準備して(ステップA194)
、演出コマンド設定処理を行う(ステップA195)。これにより、特定領域通過コマン
ドが演出制御装置300へ送信され、演出制御装置300は、特定領域通過コマンドを受
信したことに対応してV入賞したことを報知する演出を行う。
次いで、大当り図柄はV容易図柄であるか否か判定する(ステップA196)。本実施
形態では、図6(a),(b)に示すように、大当り図柄が通常図柄である場合よりも、
大当り図柄が確変図柄である場合の方がV入賞しやすい。よって、本実施形態のV容易図
柄は、確変図柄である。
【0368】
大当り図柄がV容易図柄である場合(ステップA196;Y)、すなわち大当り図柄が
確変図柄である場合には、特定領域正常通過情報を設定し(ステップA197)、設定し
た特定領域正常通過情報を確率変動機能作動情報領域にセーブして(ステップA199)
、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
また、大当り図柄がV容易図柄でない場合(ステップA196;N)、すなわち大当り
図柄が通常図柄である場合には、特定領域イレギュラー通過情報を設定し(ステップA1
98)、設定した特定領域イレギュラー通過情報を確率変動機能作動情報領域にセーブし
て(ステップA199)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、レバーソレ
ノイド72bのON期間もV有効期間も短く、V入賞するのが困難な開放でV入賞した場
合には、確率変動機能作動情報領域に特定領域イレギュラー通過情報がセーブされる。
【0369】
特定領域通過情報(特定領域正常通過情報、特定領域イレギュラー通過情報)は、第1
特別遊技状態終了後の遊技状態を、通常遊技状態T1と特定遊技状態T2のどちらにする
のか選択するための情報である。
すなわち、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報がセーブされている場合(ス
テップA704;Y)には、特定遊技状態T2へ移行するための処理(ステップA705
)や、特定遊技状態T2へ移行することを演出制御装置300に通知するための処理(ス
テップA706~A709、ステップA714~A717)が行われる。
また、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報がセーブされていない場合(ステ
ップA704;N)には、通常遊技状態T1へ移行するための処理(ステップA710)
や、通常遊技状態T1へ移行することを演出制御装置300に通知するための処理(ステ
ップA711~A717)が行われる。
【0370】
一方、大当り連続回数が残り1である場合(ステップA193;Y)、すなわち残り大
当り回数領域の値が1である場合には、ステップA194~A199の処理を行うことな
く、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
リミッタ機能の作動時は確率変動機能が無効となる。すなわち、今回の大当りでリミッ
タ回数に到達する場合には、今回の大当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞があるか否
かにかかわらず、当該第1特別遊技状態が終了すると通常遊技状態T1(低確率状態)に
移行する。
よって、今回の大当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合であっても、今回の
大当りでリミッタ回数に到達する場合には、特定領域通過コマンドを演出制御装置300
に送信するための処理(ステップA194~A195)を行わない。これにより、V入賞
を報知する演出が行われることを回避できるので、遊技者が落胆感や不信感を抱いてしま
うことがない。
また、今回の大当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合であっても、今回の大
当りでリミッタ回数に到達する場合には、特定領域通過情報をセーブするための処理(ス
テップA196~A199)を行わない。これにより、通常遊技状態T1へ移行するため
の処理(ステップA710)や、通常遊技状態T1へ移行することを演出制御装置300
に通知するための処理(ステップA711~A717)が行われることを回避できる。
【0371】
〔特図1普段処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップA110)の詳細について
説明する。図28は、特図1普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1が変動開始可能であるか否か判定する(ステップ
A201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当り
となる特図2変動表示ゲームの変動終了(表示中処理)から特別遊技状態の終了までの間
でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づ
く特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行
されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくてもよい。
【0372】
図1が変動開始可能でない場合(ステップA201;N)には、処理番号として「0
」を設定し(ステップA212)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブし
て(ステップA213)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能であ
る場合(ステップA201;Y)には、特図1保留数が0であるか否か判定する(ステッ
プA202)。
図1保留数が0である場合(ステップA202;Y)には、ステップA212へ移行
する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップA202;N)には、特図1保留数
に対応する飾り特図保留数コマンドである飾り特図1保留数コマンドを準備して(ステッ
プA203)、演出コマンド設定処理(ステップA204)を行う。なお、飾り特図1
留数コマンドを準備する処理(ステップA203)を行う時点では特図1変動表示ゲーム
の開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から-1した
図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
【0373】
次いで、遊技制御装置100は、高確率変動の最終回であるか否か判定する(ステップ
A205)。具体的には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理する
ための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)が1であるか否か判定する。
高確率変動の最終回である場合(ステップA205;Y)、すなわち高確率変動回数領
域の値が1である場合には、高確率変動最終回コマンドを準備し(ステップA206)、
演出コマンド設定処理(ステップA207)を行って、ステップA208へ移行する。ま
た、高確率変動の最終回でない場合(ステップA205;N)、すなわち高確率変動回数
領域の値が1以外である場合には、ステップA206,A207の処理を行わずに、ステ
ップA208へ移行する。
その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理(ステ
ップY208)を行って、高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率
変動回数更新処理(ステップA209)を行う。
【0374】
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップA20
1)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0~5
の何れかがセットされる。
特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのいずれも実行され
ていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状
態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。
また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行さ
れている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊
技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特
別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ス
テータスとして1又は3がセットされる。
その後、特図1変動中処理移行設定処理(ステップA211)を行って、特図1普段処
理を終了する。
【0375】
〔特図2普段処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップA142)の詳細について
説明する。図29は、特図2普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2が変動開始可能であるか否か判定する(ステップ
A221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当り
となる特図1変動表示ゲームの変動終了(表示中処理)から特別遊技状態の終了までの間
でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づ
く特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行
されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくてもよい。
【0376】
図2が変動開始可能でない場合(ステップA221;N)には、処理番号として「0
」を設定し(ステップA238)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブし
て(ステップA239)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能であ
る場合(ステップA221;Y)には、特図2保留数が0であるか否か判定する(ステッ
プA222)。
図2保留数が0でない場合(ステップA222;N)には、特図2保留数に対応する
飾り特図保留数コマンドである飾り特図2保留数コマンドを準備して(ステップA223
)、演出コマンド設定処理(ステップA224)を行う。なお、飾り特図2保留数コマン
ドを準備する処理(ステップA223)を行う時点では特図2変動表示ゲームの開始に基
づく特図2保留数の減算は行われておらず、現在の特図2保留数から-1した特図2保留
数に対応する保留数コマンドを準備している。
【0377】
次いで、遊技制御装置100は、高確率変動の最終回であるか否か判定する(ステップ
A225)。具体的には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理する
ための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)が1であるか否か判定する。
高確率変動の最終回である場合(ステップA225;Y)、すなわち高確率変動回数領
域の値が1である場合には、高確率変動最終回コマンドを準備し(ステップA226)、
演出コマンド設定処理(ステップA227)を行って、ステップA228へ移行する。ま
た、高確率変動の最終回でない場合(ステップA225;N)、すなわち高確率変動回数
領域の値が1以外である場合には、ステップA226,A227の処理を行わずに、ステ
ップA228へ移行する。
【0378】
その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理(ステ
ップY228)を行って、高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率
変動回数更新処理(ステップA229)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップA23
0)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3
がセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理(ステップA231)を行って
、特図2普段処理を終了する。
【0379】
一方、特図2保留数が0である場合(ステップA222;Y)には、特図1保留数が0
であるか判定する(ステップA232)。そして、特図1保留数が0である場合(ステッ
プA232;Y)には、特図1が変動中であるか判定する(ステップA233)。そして
、特図1が変動中でない場合(ステップA233;N)には、客待ちデモが開始済みであ
るか判定し(ステップA234)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA234
;N)には、客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合
(ステップA232;N)、特図1が変動中である場合(ステップA233;Y)又は客
待ちデモが開始済みである場合(ステップA234;Y)には、ステップY238へ移行
する。
【0380】
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラ
グをセットし(ステップA235)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準
備して(ステップA236)、演出コマンド設定処理(ステップA237)を行い、ステ
ップY238へ移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとするこ
とで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
【0381】
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を
備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行う
ことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものと
することで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状
態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演
出に復帰できるようになる。
【0382】
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップA208)の詳細につい
て説明する。図30(a)は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分け
に用いる特図1情報設定フラグをセットする(ステップA241)。次いで、特図1変動
表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフ
ラグ1設定処理(ステップA242)を行い、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る
図1停止図柄設定処理(ステップA243)を行う。そして、変動パターンを設定する
ためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップA244)を
行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための
情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステ
ップA245)。
【0383】
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1
変動パターン設定処理(ステップA246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA247)を行う。次いで、処理番号と
して「1」を設定し(ステップA248)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号を
セーブする(ステップA249)。
【0384】
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA250)、特図1の変動開始に関
する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップA251)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし
(ステップA252)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51
の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)をセーブし(ステップA253)
、特図1変動中図柄番号領域に初期値(例えばブランク図柄を示す「0」)をセーブして
(ステップA254)、特図1変動開始処理を終了する。
【0385】
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップA228)の詳細につい
て説明する。図30(b)は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分け
に用いる特図2情報設定フラグをセットする(ステップA261)。次いで、特図2変動
表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフ
ラグ2設定処理(ステップA262)を行い、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る
図2停止図柄設定処理(ステップA263)を行う。そして、変動パターンを設定する
ためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップA264)を
行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための
情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステ
ップA265)。
【0386】
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2
変動パターン設定処理(ステップA266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA267)を行う。次いで、処理番号と
して「1」を設定し(ステップA268)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号を
セーブする(ステップY269)。
【0387】
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA270)、特図2の変動開始に関
する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップA271)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし
(ステップA272)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52
の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)をセーブし(ステップA273)
、特図2変動中図柄番号領域に初期値(例えばブランク図柄を示す「0」)をセーブして
(ステップA274)、特図2変動開始処理を終了する。
【0388】
なお、前述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの
変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても
よい。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応
じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実
行可能となる。
【0389】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ス
テップA247,A267)の詳細について説明する。図31は、変動開始情報設定処理
の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域(保留数
1用)をクリアする(ステップA281)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ス
テップA282)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA28
3)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA284)、後半変動番号に
対応する後半変動時間値を取得する(ステップA285)。そして、前半変動時間値と後
半変動時間値を加算し(ステップA286)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域
にセーブする(ステップA287)。
【0390】
なお、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームでは変動時間が非常に長い長変動が
設定される。この場合における上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000m
秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(
60000m秒未満の時間)が加算値として算出されるようになっている。
【0391】
その後、特図1の情報設定中であるか判定し(ステップA288)、特図1の情報設定
中である場合(ステップA288;Y)には、ステップA292へ移行する。また、特図
1の情報設定中でない場合(ステップA288;N)、すなわち特図2の情報設定中であ
る場合には、特図2の長変動の開始であるか判定する(ステップA289)。長変動とは
、特図2変動表示ゲームについて通常遊技状態である場合に設定される変動パターンであ
り、設定された変動パターンの番号により判定する。
【0392】
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップA289;N)には、0を特図2
ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブして(ステップA290)、ステップA2
92へ移行する。また、特図2の長変動の開始である場合(ステップA289;Y)には
、9を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブして(ステップA291)、
ステップA292へ移行する。
【0393】
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA292)
、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA293)、演
出コマンド設定処理(ステップA294)を行う。次に、対象の保留数を-1更新し(ス
テップA295)、対象の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップA296)、シフト
後の空き領域をクリアして(ステップA297)、変動開始情報設定処理を終了する。
【0394】
本実施形態では、2バイトのタイマでは足らない時間を変動させるために、特図2の長
変動には繰り返し回数が設定される。変動開始情報設定処理では、加算結果として600
00m秒のタイマ、9の繰り返し回数をセーブし、タイマ割込み処理でタイマを減算して
いき、タイムアップした時に繰り返し回数を1減算してゲーム処理タイマに60000m
秒をセットする。これにより、特図2の長変動の変動時間は10分(=60000m秒×
10)になる。タイマ割込みの周期は4m秒であるため、2バイトでは約262秒まで設
定できるが、理解しやすさのために60秒の掛け算で表せる形としている。
【0395】
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図1普段処理及び特図2普段処理における高確率変動回数更新処理(ステップ
A209,A229)の詳細について説明する。図32は、高確率変動回数更新処理の手
順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、低確率中(特図低確率中)であるか判定し(ステップA
301)、低確率中である場合(ステップA301;Y)には、高確率変動回数更新処理
を終了する。また、低確率中でない場合(ステップA301;N)には、高確率変動回数
領域の値(高確率変動回数)を-1更新して(ステップA302)、高確率変動回数領域
の値が0であるか判定する(ステップA303)。
【0396】
高確率変動回数領域の値が0でない場合(ステップA303;N)には、高確率変動回
数更新処理を終了する。また、高確率変動回数領域の値が0である場合(ステップA30
3;Y)には、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出
力データ領域にセーブして(ステップA304)、高確率の終了に関する信号(例えば、
特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変
動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、発射位置指定
信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA305)。なお、
本実施形態では、低確率状態中と高確率状態中で普図や普電の動作は変化しないので、高
確率変動回数更新処理には普図に関する処理(普図に関するフラグを設定する処理等)が
含まれていない。
【0397】
次いで、遊技制御装置100は、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なし
フラグをセーブし(ステップA306)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの
回数を管理するための高確率変動回数領域を0クリアして(ステップA307)、連続し
て発生可能な大当り(V入賞あり)の回数を管理するための残り大当り回数領域を0クリ
アする(ステップA308)。次いで、通常モード(低確率)を遊技モード領域にセーブ
して(ステップA309)、遊技モード移行情報領域をクリアする(ステップA310)
。次いで、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップA311)、
遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA312)。
【0398】
次いで、左打ち指示コマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理
を行う(ステップA314)。
次いで、遊技モードに対応する遊技モードコマンドを準備して(ステップA315)、
演出コマンド設定処理を行う(ステップA316)。遊技モード領域には通常モード(低
確率)が記憶されているので、ステップA315では「通常モード」に対応する遊技モー
ドコマンドが準備される。
次いで、残り大当り回数に対応する大当り連続回数コマンドを準備し(ステップA31
7)、演出コマンド設定処理を行って(ステップA318)、高確率変動回数更新処理を
終了する。残り大当り回数領域の値は0であるので、ステップA317では「0」に対応
する大当り連続回数コマンドが準備される。これにより、演出制御装置300に、大当り
セットの残り回数がないことを通知する。
【0399】
〔特図1変動中処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップA111)の詳細につい
て説明する。図33は、特図1変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(ステップA40
1)。そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA4
02)、演出コマンド設定処理(ステップA403)を行う。
【0400】
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップA404)、演出コマンド設定処
理(ステップA405)を行う。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時
間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演
出制御装置300に送信するようにしている。
そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップA406)。本実
施形態では、例えば、特図1変動表示ゲームの結果が、はずれの場合に1000m秒、大
当りの場合に2000m秒、小当りの場合に4m秒の表示時間が設定される。
【0401】
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれである
か判定する(ステップA407)。特図1はずれである場合(ステップA407;Y)に
は、ステップA423へ移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップA407;
N)、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りである場合には、特図2
変動表示ゲームも変動中であるか判定する(ステップA408)。なお、特図2変動表示
ゲームが変動中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
【0402】
そして、特図2変動表示ゲームが変動中でない場合(ステップA408;N)には、ス
テップA419へ移行する。また、特図2変動表示ゲームが変動中である場合(ステップ
A408;Y)には、特図2表示中処理中であるか判定する(ステップA409)。すな
わち、この場合は、特図1変動表示ゲームが大当り又は小当りになることに基づき、実行
中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特
図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止表示)が終了して
いない場合も強制停止の対象となる。
【0403】
図2表示中処理中である場合(ステップA409;Y)には、ステップA411へ移
行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップA409;N)には、図柄確定
回数出力回数を+1更新し(ステップA410)、ステップA411へ移行する。
その後、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4m秒の表示時間
を設定して(ステップA411)、特図2ゲーム処理タイマ領域に当該表示時間をセーブ
する(ステップA412)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4m秒の表示時
間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、す
でに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに
表示時間が開始されるようになる。この再設定によって、停止表示の時間は延長されるが
、場合によっては短くなる可能性もある。
【0404】
次に、飾り特図2はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップA413)。そし
て、飾り特図2コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップA414)、演出コ
マンド設定処理(ステップA415)を行う。そして、飾り特図2停止コマンドを準備し
(ステップA416)、演出コマンド設定処理(ステップA417)を行い、特図2表示
中処理移行設定処理2(ステップA418)を行って、ステップA419へ移行する。
【0405】
その後、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップA419)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの
結果が小当りであるか判定する(ステップA420)。特図1小当りである場合(ステッ
プA420;Y)には、ステップA423へ移行する。また、特図1小当りでない場合(
ステップA420;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合には
、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセ
ーブし(ステップA421)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞
口開放情報領域にセーブして(ステップA422)、ステップA423へ移行する。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし
(ステップA423)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA424)を行って
、特図1変動中処理を終了する。
【0406】
〔特図2変動中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップA143)の詳細につい
て説明する。図34は、特図2変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(ステップA43
1)。そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA4
32)、演出コマンド設定処理(ステップA433)を行う。
【0407】
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップA434)、演出コマンド設定処
理(ステップA435)を行う。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定す
る(ステップA436)。本実施形態では、例えば、特図2変動表示ゲームの結果が、は
ずれの場合に1000m秒、大当りの場合に2000m秒、小当りの場合に500m秒の
表示時間が設定される。
【0408】
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれである
か判定する(ステップA437)。特図2はずれである場合(ステップA437;Y)に
は、ステップA457へ移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップA437;
N)、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りである場合には、特図1
変動表示ゲームも変動中であるか判定する(ステップA438)。なお、特図1変動表示
ゲームが変動中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが変動中でない場合(ステップA438;N)には、ス
テップA453へ移行する。また、特図1変動表示ゲームが変動中である場合(ステップ
A438;Y)には、特図2大当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大
当りであるか判定する(ステップA439)。
【0409】
図2大当りでない場合(ステップA439;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの
結果が小当りである場合には、特図1ゲーム中断フラグをセットし(ステップA450)
、飾り特図1中断コマンドを準備して(ステップA451)、演出コマンド設定処理(ス
テップA452)を行い、ステップA453へ移行する。
すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の
図1変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすで
に変動表示を終了しているが表示時間(停止表示)が終了していない場合も中断の対象と
なる。中断された特図1変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態
(第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
【0410】
一方、特図2大当りである場合(ステップA439;Y)には、特図1表示中処理中で
あるか判定する(ステップA440)。すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが
大当りになることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止
させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが
表示時間(停止表示)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
【0411】
図1表示中処理中である場合(ステップA449;Y)には、ステップA442へ移
行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップA440;N)には、図柄確定
回数出力回数を+1更新し(ステップA441)、ステップA442へ移行する。
その後、特図1の表示時間として上記で設定した特図2の表示時間+4m秒の表示時間
を設定して(ステップA442)、特図1ゲーム処理タイマ領域に当該表示時間をセーブ
する(ステップA443)。特図1の表示時間として特図2の表示時間+4m秒の表示時
間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、す
でに特図1変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに
表示時間が開始されるようになる。この再設定によって、停止表示の時間は延長されるが
、場合によっては短くなる可能性もある。
【0412】
次に、飾り特図1はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップA444)。そし
て、飾り特図1コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップA445)、演出コ
マンド設定処理(ステップA446)を行う。そして、飾り特図1停止コマンドを準備し
(ステップA447)、演出コマンド設定処理(ステップA448)を行い、特図1表示
中処理移行設定処理2(ステップA449)を行って、ステップA453へ移行する。
【0413】
その後、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップA453)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの
結果が小当りであるか判定する(ステップA454)。特図2小当りである場合(ステッ
プA454;Y)には、ステップA457へ移行する。また、特図2小当りでない場合(
ステップA454;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合には
、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセ
ーブし(ステップA455)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞
口開放情報領域にセーブする(ステップA456)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし
(ステップA457)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA458)を行って
、特図2変動中処理を終了する。
【0414】
〔特図1表示中処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップA112)の詳細につい
て説明する。図35及び図36は、特図1表示中処理の手順を示すフローチャートである

遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理に
て小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA501)、
小当りフラグ1領域をクリアする(ステップA502)。
【0415】
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域
に設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA503)、大当りフラグ1領域を
クリアする(ステップA504)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大
当りフラグ1が大当り情報か判定し(ステップA505)、特図1が大当りである場合(
ステップA505;Y)には、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に
関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON、発射
位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA506)。
次いで、大当り開始に関する信号(例えば、大当り1~4信号をON)を外部情報出力デ
ータ領域にセーブする(ステップA507)。大当り中は、大当り1信号、大当り2信号
、大当り3信号及び大当り4信号がONであるが、高確率中は大当り2信号だけがONで
ある。
【0416】
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップA508)、演出コマンド設定処理(ステップA509)
を行う。次いで、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップA510)、演出コ
マンド設定処理(ステップA511)を行う。次いで、ファンファーレコマンドを準備し
て(ステップA512)、演出コマンド設定処理(ステップA513)を行う。次いで、
右打ち指示コマンドを準備して(ステップA514)、演出コマンド設定処理(ステップ
A515)を行う。
【0417】
次いで、遊技制御装置100は、低確率時の大当りであるか判定し(ステップA516
)、低確率時の大当りでない場合(ステップA516;N)には、ステップA519へ移
行する。また、低確率時の大当りである場合(ステップA516;Y)、すなわち初回大
当りである場合には、当り図柄に対応する残り大当り回数初期値(本実施形態の場合、7
回又は3回)を残り大当り回数領域にセーブし(ステップA517)、当り図柄に対応す
る遊技モード移行情報を遊技モード移行情報領域にセーブして(ステップA518)、ス
テップA519へ移行する。
【0418】
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タ
イマ領域にセーブする(ステップA519)。次に、処理番号として「3」を設定し(ス
テップA520)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA
521)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA52
2)を行って、特図1表示中処理を終了する。
【0419】
一方、特図1が大当りでない場合(ステップA505;N)には、ロードした小当りフ
ラグ1が小当り(小当り情報)か判定する(ステップA523)。そして、小当りフラグ
1が小当りである場合(ステップA523;Y)には、特図1変動表示ゲームの小当り(
図1小当り)の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON、発射位置指
定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。本実施
形態においては、小当り確率が高く、小当りが高頻度で発生するので、小当り開始に関す
る信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理を実行しないが、これに限られるもの
ではなく、小当り時に、小当り開始に関する信号として、何らかの信号(例えば、大当り
1信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブするようにしてもよい。
【0420】
次いで、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA525)
、演出コマンド設定処理(ステップA526)を行う。次いで、小当りファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA527)、演出コマンド設定処理(ステップA528)を
行う。次いで、右打ち指示コマンドを準備して(ステップA529)、演出コマンド設定
処理(ステップA530)を行う。
次いで、小当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA531)。次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップA532)、特図1
ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA533)。次いで、特図1
小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA534)を行って、特図1表示中
処理を終了する。
【0421】
一方、小当りフラグ1が小当りでない場合(ステップA523;N)には、特図ステー
タス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)する(ステップA535)。次いで、処理
番号として「0」を設定し(ステップA536)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理
番号をセーブして(ステップA537)、特図1表示中処理を終了する。
図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、ステップA535において特図
ステータス領域の特図1変動中がクリアされるが、特図1変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りである場合には、各移行設定処理(ステップA522,A534)において、特
図ステータス領域に第1特別遊技状態中や第2特別遊技状態中がセットされる。
【0422】
〔特図2表示中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップA144)の詳細につい
て説明する。図37及び図38は、特図2変動中処理の手順を示すフローチャートである
。なお、特図2表示中処理は、前述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象と
して行うものである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理に
て小当りフラグ2領域に設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA541)、
小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA542)。
【0423】
次いで、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域
に設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA543)、大当りフラグ2領域を
クリアする(ステップA544)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大
当りフラグ2が大当り情報か判定し(ステップA545)、特図2が大当りである場合(
ステップA545;Y)には、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に
関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON、発射
位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA546)。
【0424】
次いで、低確率時の大当りであるか判定し(ステップA547)、低確率時の大当りで
ない場合(ステップA547;N)には、大当り開始に関する信号(例えば、大当り1~
4信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA548)、ステップ
A549へ移行する。大当り中は、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当
り4信号がONであるが、高確率中は大当り2信号だけがONである。
【0425】
一方、低確率時の大当りである場合(ステップA547;Y)には、ステップA548
の処理を行わずに、ステップA549へ移行する。ここで、本実施形態では、特図変動表
示ゲームにおいて大当り(第1特別結果)が導出された後に遊技球が普図始動ゲート34
を通過することにより特別遊技状態が開始されるようになっている。また、本実施形態で
は、低確率状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10
分)とされているので、低確率状態である場合には、遊技者は、特図2変動表示ゲームの
結果が導出される前に遊技を終了する可能性がある。すなわち、低確率状態である場合に
は、特図2変動表示ゲームにおいて大当りが導出された後に遊技球が普図始動ゲート34
を通過する可能性が低い(特別遊技状態が開始される可能性が低い)。そのため、本実施
形態では、低確率時における特図2の大当りの場合(ステップA547;Y)には、ステ
ップA548の処理(大当り開始に関する信号を外部に出力するための処理)を行わずに
、遊技球が普図始動ゲート34に通過した時から大当り開始に関する信号を外部に出力す
るようにしている。
【0426】
その後、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域
からロードして準備し(ステップA549)、演出コマンド設定処理(ステップA550
)を行う。次いで、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップA551)、演出
コマンド設定処理(ステップA552)を行う。次いで、ファンファーレコマンドを準備
して(ステップA553)、演出コマンド設定処理(ステップA554)を行う。次いで
、右打ち指示コマンドを準備して(ステップA555)、演出コマンド設定処理(ステッ
プA556)を行う。
【0427】
次いで、遊技制御装置100は、低確率時の大当りであるか判定し(ステップA557
)、低確率時の大当りでない場合(ステップA557;N)には、ステップA560へ移
行する。また、低確率時の大当りである場合(ステップA557;Y)、すなわち初回大
当りである場合には、当り図柄に対応する残り大当り回数初期値(本実施形態の場合、7
回又は3回)を残り大当り回数領域にセーブし(ステップA578)、当り図柄に対応す
る遊技モード移行情報を遊技モード移行情報領域にセーブして(ステップA579)、ス
テップA560へ移行する。
【0428】
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タ
イマ領域にセーブする(ステップA560)。次に、処理番号として「3」を設定し(ス
テップA561)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA
562)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA56
3)を行って、特図2表示中処理を終了する。
【0429】
一方、特図2が大当りでない場合(ステップA545;N)には、ロードした小当りフ
ラグ2が小当り(小当り情報)か判定する(ステップA564)。そして、小当りフラグ
2が小当りである場合(ステップA564;Y)には、特図2変動表示ゲームの小当り(
図2小当り)の開始に関する信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON、発射位置指
定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA565)。本実施
形態においては、小当り確率が高く、小当りが高頻度で発生するので、小当り開始に関す
る信号を外部情報出力データ領域にセーブする処理を実行しないが、これに限られるもの
ではなく、小当り時に、小当り開始に関する信号として、何らかの信号(例えば、大当り
1信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブするようにしてもよい。
【0430】
次いで、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA566)
、演出コマンド設定処理(ステップA567)を行う。次いで、小当りファンファーレコ
マンドを準備して(ステップA568)、演出コマンド設定処理(ステップA569)を
行う。次いで、右打ち指示コマンドを準備して(ステップA570)、演出コマンド設定
処理(ステップA571)を行う。
次いで、小当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステ
ップA572)。次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップA573)、特図2
ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA574)。次いで、特図2
小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA575)を行って、特図2表示中
処理を終了する。
【0431】
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップA564;N)には、特図ステー
タス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)する(ステップA576)。次いで、処理
番号として「0」を設定し(ステップA577)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理
番号をセーブして(ステップA578)、特図2表示中処理を終了する。
図2変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、ステップA576において特図
ステータス領域の特図2変動中がクリアされるが、特図2変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りである場合には、各移行設定処理(ステップA563,A575)において、特
図ステータス領域に第1特別遊技状態中や第2特別遊技状態中がセットされる。
【0432】
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づ
き、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる
第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基
づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生さ
せる第2特別遊技発生手段をなす。
【0433】
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル
中処理(ステップA113,A145)の詳細について説明する。図39及び図40は、
ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、残存球カウンタが0であるか判定し(ステップA601
)、残存球カウンタが0でない場合(ステップA601;N)には、ファンファーレ/イ
ンターバル中処理を終了する。一方、残存球カウンタが0である場合(ステップA601
;Y)には、初回ラウンドであるか判定する(ステップA602)。
【0434】
初回ラウンドでない場合(ステップA602;N)には、ステップA608へ移行する
。一方、初回ラウンドである場合(ステップA602;Y)には、普図始動ゲート34へ
の遊技球の通過があったか判定する(ステップA603)。ここで、本実施形態では、特
図変動表示ゲームにおいて大当り(第1特別結果)が導出された後に遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過することにより特別遊技状態が開始されるようになっている。
【0435】
普図始動ゲート34への遊技球の通過がない場合(ステップA603;N)には、ファ
ンファーレ/インターバル中処理を終了する。一方、普図始動ゲート34への遊技球の通
過があった場合(ステップA603;Y)には、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ス
テップA604)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場
合、3又は8)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA605)。さ
らに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLE
Dポインタ領域にセーブする(ステップA606)。
【0436】
次いで、役物連続作動装置作動中信号のオン出力データを試験信号出力データ領域にセ
ーブして(ステップA607)、特別遊技状態のラウンド数を+1更新する(ステップA
608)。そして、ラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA60
9)、演出コマンド設定処理(ステップA610)を行う。
【0437】
次いで、初回ラウンドであるか判定し(ステップA611)、初回ラウンドである場合
(ステップA611;Y)には、レバーソレノイドの動作データを設定する(ステップA
612)。これにより、レバーソレノイド制御ポインタ領域にデータが設定されるととも
に、レバーソレノイド制御タイマがクリアされる。
次いで、下大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物2作動中信号をO
N)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA613)、第2特別変動入賞装
置39の開閉部材39cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞
口オンデータをセーブする(ステップA614)。次いで、下大入賞口不正入賞数領域を
クリアし(ステップA615)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フ
ラグをセーブして(ステップA616)、ステップA622へ移行する。
【0438】
一方、初回ラウンドでない場合(ステップA611;N)には、レバーソレノイドの停
止データを設定する(ステップA617)。
次いで、上大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をO
N)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA618)、第1特別変動入賞装
置38の開閉部材38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞
口オンデータをセーブする(ステップA619)。次いで、上大入賞口不正入賞数領域を
クリアし(ステップA620)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フ
ラグをセーブして(ステップA621)、ステップA622へ移行する。
【0439】
その後、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアする(ステップA
622)。次いで、処理番号として「4」を設定し(ステップA623)、特図1の大当
りであるか判定する(ステップA624)。そして、特図1の大当りである場合(ステッ
プA624;Y)には、ステップA623で設定した処理番号を特図1ゲーム処理番号領
域にセーブし(ステップA625)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域に
セーブして(ステップA626)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
一方、特図1の大当りでない場合(ステップA624;N)、すなわち特図2の大当り
である場合には、ステップA623で設定した処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセ
ーブし(ステップA627)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブ
して(ステップA628)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
なお、本実施形態では、図6(a)~(c)に示すように、大当りに基づく特別遊技状
態(第1特別遊技状態)における開放態様が、1ラウンド目は下大入賞口が開放し、2ラ
ウンド目以降は上大入賞口が開放する態様となっているが、これに限られるものではない
。例えば、複数のラウンドで下大入賞口が開放するような態様であってもよい。
【0440】
〔大当り終了処理〕
次に、特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA1
16,A148)の詳細について説明する。図41は、大当り終了処理の手順を示すフロ
ーチャートである。
遊技制御装置100は、まず、通常大当り(本実施形態の場合、3R通常大当り)に基
づく特別遊技状態における特定領域(確変作動領域)への遊技球の流入である特定領域イ
レギュラー通過であるか判定し(ステップA701)、特定領域イレギュラー通過でない
場合(ステップA701;N)には、ステップA704へ移行する。
【0441】
一方、特定領域イレギュラー通過である場合(ステップA701;Y)には、イレギュ
ラー確変報知コマンドを準備して(ステップA702)、演出コマンド設定処理(ステッ
プA703)を行って、ステップA704へ移行する。これにより、演出制御装置300
によって、イレギュラーV入賞(特定領域イレギュラー通過)があった旨の報知が、大当
りが終了したときから行われる。当該報知は、表示装置41(例えば、文字表示)、スピ
ーカ19a,19b(例えば、「役物エラーです」等の音声)、装飾装置18,46等の
ランプ(例えば、エラー関連ランプ以外は消灯してエラー関連ランプは赤点灯)を用いて
行うことができる。イレギュラーV入賞があった旨の報知中は、遊技が可能である。また
、本実施形態では、イレギュラーV入賞があった旨の報知を、電源再投入まで継続するが
、これに限られるものではなく、例えば、所定時間が経過するまで当該報知を継続するよ
うにして、所定時間が経過すると当該報知が自動的に解除されるようにしてもよい。また
、イレギュラーV入賞があった場合に、セキュリティ信号を出力するようにしてもよい。
【0442】
その後、特定領域通過情報があるか判定する(ステップA704)。ステップA704
では、特定領域正常通過情報(ステップA197)又は特定領域イレギュラー通過情報(
ステップA198)が確率変動機能作動情報領域にセーブされている場合に、特定領域通
過情報があると判定する。
特定領域通過情報がある場合(ステップA704;Y)には、特定遊技状態T2へ移行
するための大当り終了設定処理1を行う(ステップA705)。本実施形態では、イレギ
ュラーV入賞の場合、すなわち通常大当りに基づく特別遊技状態において特定領域(確変
作動領域)に遊技球が流入した場合でも、高確率状態(確変状態)が発生する。次いで、
残り大当り回数領域の値(残り大当り回数)を-1更新して(ステップA706)、遊技
モード移行情報に対応する遊技モード情報と次の遊技モード移行情報を設定する(ステッ
プA707)。次いで、ステップA707で設定した遊技モード情報を遊技モード領域に
セーブし(ステップA708)、ステップA707で設定した次の遊技モード移行情報を
遊技モード移行情報領域にセーブして(ステップA709)、ステップA714へ移行す
る。ステップA707~A709の処理によって、残り大当り回数が減少する度(大当り
連続回数が増加する度)に、遊技モードと更新していくこととなる。
【0443】
一方、特定領域通過情報がない場合(ステップA704;N)には、通常遊技状態T1
へ移行するための大当り終了設定処理2を行って(ステップA710)、残り大当り回数
領域を0クリアする(ステップA711)。次いで、通常モード(低確率)を遊技モード
領域にセーブし(ステップA712)、遊技モード移行情報領域をクリアして(ステップ
A713)、ステップA714へ移行する。
【0444】
その後、遊技モードに対応する遊技モードコマンドを準備して(ステップA714)、
演出コマンド設定処理(ステップ715)を行う。次いで、残り大当り回数に対応する残
り大当り回数コマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステッ
プA717)を行う。
次いで、処理番号として「0」を設定し(ステップA718)、特図1の大当りである
か判定する(ステップA719)。特図1の大当りである場合(ステップA719;Y)
には、ステップA718で設定した処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ス
テップA720)、特図2ゲームウェイト時間値(例えば8m秒)を特図2ゲーム処理タ
イマ領域にセーブして(ステップA721)、大当り終了処理を終了する。
【0445】
大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2のいずれについても特図変動表示ゲーム
を開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム
処理を行うため、特図1の大当りである場合(ステップA719;Y)、すなわち今回の
大当り終了処理が特図1ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA116)である
場合には、当該特図1ゲーム処理の直後に行われる特図2ゲーム処理において特図変動表
示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの
方が先に開始可能となってしまう。すなわち、現在の割込み内で特図2変動表示ゲームが
先にスタートしてしまう。そこで、ステップA721において特図2ゲームウェイト時間
値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての
開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにしている。また、特図1ゲーム処
理タイマは設定せずに「0」のままにすることで、次回のタイマ割込み処理で特図1変動
表示ゲームについての変動開始判定が行われるようにしている。これにより、特図1変動
表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されることとなる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行
制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示
ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としない
ようにするゲーム処理待機手段をなす。
【0446】
一方、特図1の大当りでない場合(ステップA719;N)、すなわち特図2の大当り
である場合には、ステップA718で設定した処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセ
ーブして(ステップA722)、大当り終了処理を終了する。このように、特図2が大当
りした場合は、特図1、特図2ともにタイマを設定しないので、自動的に次の(4m秒後
の)タイマ割込みで特図1普段処理と特図2普段処理が実行される。
【0447】
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA705)の詳細につ
いて説明する。図42(a)は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートであ
る。
遊技制御装置100は、まず、高確率移行に関する信号(例えば、大当り1,3,4信
号をOFF、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA
731)。高確率移行に関する信号(大当り2信号をON)は、大当り中から出力されて
いるので継続する形で外部情報出力データ領域にセーブされる。
【0448】
次いで、高確率移行に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図
柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時
間短縮状態信号をON、発射位置指定信号1をON、条件装置作動中信号をOFF、役物
連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号を
OFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA732)。
次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率及び時短ありフラグをセーブし(ス
テップA733)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための
高確率変動回数領域に初期値をセーブする(ステップA734)。本実施形態の場合、S
T回数が2000回であるため、ステップA734では初期値として2000がセーブさ
れる。
【0449】
次いで、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブして(ステップA735)、
第1遊技状態表示部56を点灯させるために、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の
番号をセーブする(ステップA737)。これにより、第1遊技状態表示部56の点灯状
態が継続されて、右打ちを指示する表示が継続される。
次いで、右打ち指示コマンドを準備して(ステップA737)、演出コマンド設定処理
(ステップA738)を行う。
次いで、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップA739)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA7
40)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステ
ップA741)。
次いで、特図ステータス領域をクリアし(ステップA742)、確率変動機能作動情報
領域をクリアして(ステップA743)、大当り終了設定処理1を終了する。なお、特図
ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも
実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。この大当り終了設定処理1により
、特定遊技状態T2となる。
【0450】
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA710)の詳細につ
いて説明する。図42(b)は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートであ
る。
遊技制御装置100は、まず、低確率移行に関する信号(例えば、大当り1~4信号を
OFF)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA751)。
【0451】
次いで、低確率移行に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別
図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2
変動時間短縮状態信号をOFF、発射位置指定信号1をOFF、条件装置作動中信号をO
FF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2
当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA752)。
次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率及び時短なしフラグをセーブし(ス
テップA753)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための
高確率変動回数領域を0クリアする(ステップA754)。
ーブされる。
【0452】
次いで、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップA755)、
第1遊技状態表示部56を消灯させるために、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の
番号をセーブする(ステップA757)。
次いで、左打ち指示コマンドを準備して(ステップA757)、演出コマンド設定処理
(ステップA758)を行う。
次いで、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップA759)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA7
60)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステ
ップA761)。
次いで、特図ステータス領域をクリアし(ステップA762)、確率変動機能作動情報
領域をクリアして(ステップA763)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、特図
ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも
実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。この大当り終了設定処理2により
、通常遊技状態T1となる。
【0453】
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX120)の詳細につい
て説明する。図43及び図44は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである
。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX107)、入賞口スイッチ
/状態監視処理(ステップX108)、安全装置関連処理(ステップX115)、磁石不
正監視処理(ステップX116)、盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動不正
監視処理(ステップX118)、異常排出監視処理(ステップX119)での監視結果に
基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や、試射試験装置に出力する
情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
【0454】
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(
ステップX501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(ステップX501;N)
には、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(ステッ
プX502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(ステップX502;N)には、扉
・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX503)、
セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップX50
6)。
【0455】
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(ステップX501;
Y)、又は本体枠開放エラーが発生中である場合(ステップX502;Y)には、扉・枠
開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX504)、遊技
機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX50
5)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップ
X506)。
【0456】
遊技制御装置100は、ステップX506の後、セキュリティ信号制御タイマが0でな
ければ-1更新し(ステップX507)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か
(タイムアップしたか否か)を判定する(ステップX508)。セキュリティ信号制御タ
イマの初期値は、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作等によりR
AMに記憶されたデータが初期化されたときなどに、所定時間(例えば256m秒)が設
定される(メイン処理のステップX46)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRA
M初期化時から計時されることになる。確率設定変更/確認処理が短時間で終了した場合
、残ったタイマをステップX507で更新する可能性がある。
【0457】
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(ステップX50
8;N)には、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ス
テップX509)、ステップX510へ移行する。すなわち、RAMに記憶されたデータ
の初期化が行われたことが外部情報として出力される。
【0458】
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(ステップX50
8;Y)には、ステップX510へ移行する。
そして、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(ステップ
X510)。なお、磁気センサ61からの検出信号があった場合に、磁石不正が発生中で
あると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(ステップX510;N)には、さらに
、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(ステップX511)。なお、盤電波セン
サ62から検出信号があった場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
【0459】
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(ステップX511;N)には
、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(ステップX512)。枠電波不
正信号があった場合に、枠電波不正が発生中であると判定できる。枠電波不正が発生中で
ない場合(ステップX512;N)には、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判
定する(ステップX513)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108
)によって大入賞口(上大入賞口、下大入賞口)に関しての不正入賞発生フラグが不正フ
ラグ領域にセーブされている場合に、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞
口不正が発生中でない場合(ステップX513;N)には、さらに、普電不正発生中であ
るか否かを判定する(ステップX514)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステ
ップX108)によって普通変動入賞装置37の第2始動入賞口に関しての不正入賞発生
フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合に、普電不正が発生中であると判定でき
る。
【0460】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(ステップX514;N)には、振
動不正が発生中であるか否か判定する(ステップX515)。なお、振動センサ65から
検出信号があった場合に、振動不正が発生中であると判定できる。振動不正が発生中でな
い場合(ステップX515;N)には、異常排出エラーが発生中であるか否か判定する(
ステップX516)。なお、異常排出監視処理(ステップX119)によって異常排出発
生中フラグが設定された場合に、異常排出エラーが発生中であると判定できる。
【0461】
遊技制御装置100は、異常排出エラーが発生中でない場合(ステップX516;N)
には、残存球に関するエラーである残存球エラーが発生中であるか否か判定する(ステッ
プX517)。残存球エラーが発生中でない場合(ステップX517;N)には、安全装
置作動中フラグに基づいて安全装置が作動中であるか否か判定する(ステップX518)
。安全装置が作動中でない場合(ステップX518;N)には、スイッチ異常エラーが発
生中であるか否かを判定する(ステップX519)。スイッチのコネクタ抜けなどの発生
により出力されるスイッチ異常1信号や、スイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力
されるスイッチ異常2信号があった場合に、スイッチ異常エラーが発生中であると判定で
きる。
【0462】
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーが発生中で
ない場合(ステップX519;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号
出力データ領域にセーブする(ステップX520)。スイッチ異常エラーが発生中である
場合(ステップX519;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップX522)。
【0463】
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(ステップX510;Y)
、盤電波不正が発生中である場合(ステップX511;Y)、枠電波不正が発生中である
場合(ステップX512;Y)、大入賞口不正が発生中である場合(ステップX513;
Y)、普電不正が発生中である場合(ステップX514;Y)、振動不正が発生中である
場合(ステップX515;Y)、異常排出エラーが発生中である場合(ステップX516
;Y)、残存球エラーが発生中である場合(ステップX517;Y)、安全装置が作動中
である場合(ステップX518;Y)には、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出
力データ領域にセーブして(ステップX521)、遊技機エラー状態信号のオンデータを
試験信号出力データ領域にセーブする(ステップX522)。セキュリティ信号のオンデ
ータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部情報端子板71を介して外
部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。なお、本実施形態では、安全装置作動
中フラグ=1の場合に安全装置が作動中である。
【0464】
このように、安全装置が作動中である場合に(ステップX518;Y)、セキュリティ
信号がオン状態になりホールコンピュータなどの外部装置に出力され(ステップX521
)、遊技場の責任者や係員などが安全装置が作動中であることを認識できる。なお、安全
装置が作動中に継続的にセキュリティ信号を外部装置に出力する構成の他に、安全装置が
作動した際に1パルス(例:256m秒)だけセキュリティ信号を外部装置に出力する構
成も可能である。また、セキュリティ信号の代わりに又はセキュリティ信号と併用して、
安全装置専用に外部情報を設けて、安全装置が作動中に専用の外部情報を外部装置に出力
してもよい。
【0465】
また、安全装置が作動中である場合に(ステップX518;Y)、遊技機エラー状態信
号のオンデータが試験信号出力データ領域にセーブされ、遊技機エラー状態信号が試験信
号として試射試験装置へ出力される。なお、安全装置が作動中であることに対応する試験
信号(遊技機エラー状態信号)を出力しない構成も可能である。また、遊技機エラー状態
信号とは別の試験信号を試射試験装置へ出力してもよい。
【0466】
遊技制御装置100は、ステップX520、ステップX522の後、始動口の入賞信号
を編集する始動口信号編集処理を実行する(ステップX523)。続いて、払出予定の賞
球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行し(ステップX524)、特
図変動表示ゲームの停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出
力する図柄確定回数信号編集処理を実行して(ステップX525)、外部情報編集処理を
終了する。
【0467】
〔安全装置関連処理〕
次に、タイマ割込み処理における安全装置関連処理(ステップX115)の詳細につい
て説明する。図45は、安全装置関連処理の手順を示すフローチャートである。安全装置
関連処理は、領域内処理であり前述の領域内プログラムの一部として実行される。
【0468】
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる安全装置作動中フラグ領域
の安全装置作動中フラグに基づいて安全装置が作動中であるか否かを判定する(ステップ
X601)。安全装置作動中フラグ=1であれば安全装置が作動中であると判断できる。
安全装置が作動中である場合に(ステップX601;Y)、安全装置関連処理を終了する
【0469】
遊技制御装置100は、安全装置が作動中でない場合に(ステップX601;N)、領
域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域から安全装置作動情報をロードし(ステ
ップX602)、安全装置作動情報が旧作動情報領域の値であるか否かを判定する(ステ
ップX603)。安全装置作動情報が旧作動情報領域の値である場合に(ステップX60
3;Y)、安全装置作動情報に変化がないため、演出コマンドを設定(送信)せずに、ス
テップX609へ移行する。
【0470】
遊技制御装置100は、安全装置作動情報が旧作動情報領域の値でない場合に(ステッ
プX603;N)、安全装置作動情報に変化があるため、演出コマンドを設定(送信)で
きるよう、安全装置作動情報とコマンドを対応付けた安全装置作動関連コマンドテーブル
を設定し(ステップX604)、安全装置作動情報に対応するコマンド(ACTION部
)を取得する(ステップX605)。そして、コマンド定義なしであるか否かを判定する
(ステップX606)。安全装置作動関連コマンドテーブルにおいては、安全装置未作動
情報(値0)に対応するコマンドが定義されていないため(コマンドがないため)、安全
装置作動情報が安全装置未作動情報(値0)である場合に、コマンド定義なしと判定でき
る。コマンド定義なしの場合に(ステップX606;Y)、演出コマンドを設定(送信)
せずに、ステップX609へ移行する。安全装置作動情報が安全装置未作動情報(値0)
である場合に、コマンド定義なしと判定できる。
【0471】
遊技制御装置100は、コマンド定義ありの場合に(ステップX606;N)、安全装
置作動関連コマンド(MODE部)を演出コマンドとして準備する(ステップX607)
。安全装置作動情報が安全装置作動予告情報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、
安全装置作動中情報(値3)である場合に、コマンド定義ありと判定できる。そして、演
出コマンドを設定(送信)する演出コマンド設定処理を実行して(ステップX608)、
ステップX609へ移行する。なお、演出コマンドは、MODE部及びACTION部か
らなる。なお、安全装置作動関連コマンドテーブルにおいて、安全装置未作動情報(値0
)に対応するコマンドを定義して、ステップX606の判定を省略し、安全装置未作動情
報(値0)に対しても安全装置作動関連コマンドを設定(送信)できるようにしてよい。
【0472】
その後、遊技制御装置100は、安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値3)であ
るか否かを判定する(ステップX609)。安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値
3)でない場合に(ステップX609;N)、そのまま安全装置関連処理を終了する。一
方、安全装置作動情報が安全装置作動中情報(値3)である場合に(ステップX609;
Y)、領域内ワーク領域に含まれる安全装置作動中フラグ領域に安全装置が作動中である
ことを示す「1」を安全装置作動中フラグとしてセーブし(ステップX610)、安全装
置関連処理を終了する。なお、前回のタイマ割込み処理においてステップX744(後述
)にて安全装置作動中情報(値3)がセーブされた場合に、次回のタイマ割込み処理にお
いてステップX609の結果が「Y」となる。
【0473】
以上のようにして、安全装置作動情報が変化して安全装置作動予告情報(値1)、安全
装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)となった際に、安全装置作動関
連コマンドが安全装置作動情報を一部(ACTION部)に含んだ形で、演出制御装置3
00に送信される。安全装置作動関連コマンドは、ACTION部が安全装置作動予告情
報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)の場合に、そ
れぞれ、作動予告状態に対応する作動予告コマンド、作動警告状態に対応する作動警告コ
マンド、作動状態に対応する作動中コマンドになる。
【0474】
演出制御装置300が、作動予告コマンドを受信することによって、安全装置の作動予
告状態で作動予告表示(例えば「まもなく打ち止めです」の文字)を表示装置41に表示
できる。したがって、遊技者に遊技停止状態になる可能性があることを事前に報知して、
遊技者に遊技を終了させることを促し、遊技者が意図せず不利益を受けることを防止でき
る。また、不正を行っている者には驚きを与えて、不正を止めることを促すことができる
【0475】
演出制御装置300が、作動警告コマンドを受信することによって、安全装置の作動警
告状態で作動警告表示(例えば「当り終了後に打ち止めとなります」の文字)を表示装置
41に表示できる。したがって、遊技者に小当り又は大当りの終了後に遊技停止状態にな
ることを事前に報知して、連チャンが止まるなど不利益を受けることを遊技者に警告する
ことができる。なお、連チャンとは、例えば通常モード(又は通常遊技状態)を経ないで
、大当り状態と特定遊技状態が継続することである。また、作動警告状態によって、不正
を行っている者には驚きを与えて、不正を止めることを促すことができる。
【0476】
演出制御装置300が、作動中コマンドを受信することによって、安全装置の作動状態
(作動中状態)で、作動中表示(例えば「打止中」の文字)を表示装置41に表示できる
。したがって、新たな遊技者(客)が遊技機10を使用することを防止でき、不正を行っ
ている者がいれば不正行為を止めさせることもできる。
【0477】
なお、安全装置作動情報が変化せず0、1、2、3に維持される場合(0→0、1→1
、2→2、3→3の無変化の場合)に、安全装置作動関連コマンドは演出制御装置300
に送信されない。安全装置カウンタ値が190000~194999になった後に190
000未満となって安全装置作動情報が1から0に変化したとき(1→0の変化時)にも
、安全装置作動関連コマンドはコマンド定義なしで送信されない。なお、安全装置作動情
報が2から1にあるいは3から2に変化すること(2→1、3→2の変化)は、後述の差
玉確認処理や安全装置作動監視処理によって除かれている。
【0478】
安全装置作動情報が0から1に変化したとき(0→1の変化時)に、安全装置作動関連
コマンドのうち作動予告コマンドが演出制御装置300に送信される。安全装置作動情報
が1から2に変化したとき(1→2の変化時)に、安全装置作動関連コマンドのうち作動
警告コマンドが演出制御装置300に送信される。安全装置作動情報が2から3に変化し
たとき(2→3の変化時)に、安全装置作動関連コマンドのうち作動中コマンドが演出制
御装置300に送信される。なお、安全装置作動情報が2から3に変化した場合は、直後
の1回だけ、ステップX603の結果が「N」となりステップX604~X610を通り
作動中コマンドが送信され、安全装置作動中フラグ=1となるため安全装置が作動中にな
り(ステップX601;Y)、以降のタイマ割込み処理ではステップX604~X610
を通らず安全装置作動関連コマンドは送信されない。
【0479】
なお、安全装置作動情報が1から3に直接的に変化すること自体(1→3の変化自体)
は、後述の差玉確認処理や安全装置作動監視処理によって除かれているが、安全装置作動
情報が瞬時に1→2→3と変化することはある(2は瞬間値になり作動警告状態は発生し
ない)。この1→2→3の変化は、大当り中でも小当り中でもない場合に安全装置カウン
タ値が195000に達して作動予告状態から作動状態に移行したことに対応する。そし
て、安全装置の作動予告状態から作動状態に移行したことに対応して、作動中コマンドが
安全装置作動関連コマンドとして演出制御装置300に送信される(ステップX605,
X607)。
【0480】
〔領域外統合処理〕
次に、タイマ割込み処理における領域外統合処理(ステップX123)の詳細について
説明する。図46は、領域外統合処理の手順を示すフローチャートである。領域外統合処
理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。
遊技制御装置100は、まず、スタックポインタを領域外ワーク領域のスタックポイン
タ保存領域にセーブし(ステップX701)、スタックポインタに領域外スタック領域(
領域外用スタック領域)の値として、領域外スタック領域の先頭を示すアドレス値を設定
する(ステップX702)。これにより、使用するスタックを示すスタックポインタを領
域内スタック領域から領域外スタック領域に切り替える。
【0481】
次に、遊技制御装置100は、レジスタバンク0とレジスタバンク1の両方に対してレ
ジスタの情報(値)を領域外スタック領域に退避(PUSH)する(ステップX703)
。ここで、汎用レジスタ全部を退避することが好適である。そして、試験信号出力処理を
実行して(ステップX704)、性能表示装置153の表示制御等を行う性能表示装置制
御処理を実行する(ステップX705)。続いて、差玉数(安全装置カウンタ値)を更新
して差玉数(安全装置カウンタ値)に対応して安全装置作動情報を設定する差玉確認処理
(ステップX706)を実行する。次に、安全装置の作動を監視する安全装置作動監視処
理を実行する(ステップX707)。
【0482】
その後、遊技制御装置100は、退避したレジスタを復帰し(ステップX708)、ス
タックポインタ保存領域からロードしてスタックポインタを設定し(ステップX709)
、性能表示編集処理を終了する。設定したスタックポインタは、領域内スタック領域のア
ドレスを示すことになる。
【0483】
〔試験信号出力処理〕
次に、領域外統合処理における試験信号出力処理(ステップX704)の詳細について
説明する。図47は、試験信号出力処理の手順を示すフローチャートである。試験信号出
力処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。試験信号
出力処理では、領域内ワーク領域に含まれる領域からデータを読み出して合成する。
遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端
子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポ
ート1に合成したデータを出力する(ステップX751)。
次いで、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上
の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端
子出力ポート2に合成したデータを出力する(ステップX752)。
【0484】
次いで、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上
の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端
子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX753)。
次いで、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上
の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端
子出力ポート4に合成したデータを出力する(ステップX754)。
次いで、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上
の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端
子出力ポート5に合成したデータを出力して(ステップX755)、試験信号出力処理を
終了する。
【0485】
本実施形態では、スタックポインタ切替やレジスタ退避・復帰に要する処理時間を省略
するために、領域外統合処理(図46)から試験信号出力処理(図47)を読み出すよう
にしたが、これに限られるものではなく、例えば、出力処理(図16)から試験信号出力
処理(図47)を呼び出すように構成してもよい。その場合、出力処理でのフラグレジス
タの退避の処理や試験信号出力処理でのスタックポインタ切替やレジスタ退避・復帰の処
理を追加する。
【0486】
〔性能表示装置制御処理〕
次に、領域外統合処理における性能表示装置制御処理(ステップX705)の詳細につ
いて説明する。図48は、性能表示装置制御処理の手順を示すフローチャートである。性
能表示装置制御処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行され
る。
遊技制御装置100は、まず、性能表示用ワーク領域の正当性を判定する正当性判定を
実行し、正当でなく異常な場合に、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)
を実行する(ステップX711)。ステップX711の処理は、図14のステップX84
の処理と同様である。
【0487】
なお、性能表示装置制御処理が実行される度に正当性判定が実行されるため、性能表示
用ワーク領域が正当でない場合に、すぐにその初期化が実行でき、異常な性能表示(異常
なベース値等の表示)が極力防止できる。
また、性能表示用ワーク領域の初期化(初期値設定も含む)は、スタックポインタ保存
領域を保護するよう、スタックポインタ保存領域以外を初期化の対象とする。なお、本実
施形態において領域外スタック領域は初期化しないが、初期化するようにしてもよい。領
域外スタック領域を初期化する場合でも、領域外スタック領域に退避したレジスタの値は
保護して初期化しない。性能表示用ワーク領域の初期化は、領域内ワーク領域(遊技制御
用ワーク領域)と領域内スタック領域(遊技制御用スタック領域)の初期化とは区別され
て実行されるため、領域内ワーク領域と領域内スタック領域には影響を与えない。
【0488】
続いて、遊技制御装置100は、初期表示タイマ更新処理を実行する(ステップX71
2)。初期表示タイマ更新処理においては、性能表示開始時(電源投入後)に約5秒間だ
け性能表示装置153の各桁の表示器のLEDを全て点滅する全点滅制御(初期表示制御
)するためのタイマの更新を行う。
次に、遊技制御装置100は、ベース値の算出の対象となる入力ポートのスイッチ立ち
上がりエッジ情報を性能表示ワーク領域にコピーする(ステップX713)。スイッチ立
ち上がりエッジ情報は、入力処理(ステップX103)で取得されて領域内ワーク領域(
特にスイッチ制御領域)に記憶されている。本実施形態において、ベース値算出の対象と
なる入力ポート(監視対象の入力ポート)は、第3入力ポート124と第4入力ポート1
26である。コピーしたスイッチ立ち上がりエッジ情報は、性能表示編集処理(図14
で使用される。
【0489】
なお、遊技球を検出しても直接的に通常賞球数又は通常アウト球数を変化させず、ベー
ス値の算出の対象とならないスイッチの立ち上がりエッジ情報(ビット)はクリアした状
態でコピーする(マスクする)。例えば、ゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72
aや残存球排出口スイッチ73などの情報はクリアした状態でコピーする。これにより、
性能表示編集処理において、これらスイッチに関する処理(少なくともステップX91の
クリア処理)が省略できる。
【0490】
なお、通常アウト球数は、仮に、入賞口のスイッチ35a,36a,37a,38a,
39aやゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72aや残存球排出口スイッチ73で
の入力(遊技球検出)自体によって更新されてしまうと、遊技領域32から排出された全
ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ74と重複して余分に更新され、ベース値が
誤った値に算出されてしまう。また、通常賞球数は、仮に、入賞口のスイッチと重複して
遊技球が通過可能なゲートスイッチ34aや特定領域スイッチ72aや残存球排出口スイ
ッチ73での入力(遊技球検出)自体によって更新されてしまうと、入賞口のスイッチと
重複して余分に更新され、ベース値が誤った値に算出されてしまう。
【0491】
次に、遊技制御装置100は、性能表示装置表示処理を実行する(ステップX714)
。性能表示装置表示処理では、表示期間の種類や、その他各種条件に合わせ、性能表示装
置153に表示するベース値に対応するセグメント出力データ(ベース値に関する表示デ
ータや点灯パターンデータ)を設定する。例えば、表示期間として、リアルタイム値表示
期間BL、1回前表示期間B1、2回前表示期間B2、3回前表示期間B3を設けて、そ
れぞれの表示期間において、ベース値の計測中のリアルタイム値、1回前の集計区間、2
回前の集計区間、3回前の集計区間で計測したベース値に対応するセグメント出力データ
を設定してよい。また、性能表示装置表示処理では、表示期間切替えのためのタイマ更新
も行う。性能表示装置表示処理で設定等したデータの出力は出力処理(図16)で行う。
【0492】
次に、遊技制御装置100は、表示期間の期間切替えのためのタイマの更新を行うとと
もに、表示期間の切替えタイミングであるか否かを判定する(ステップX715)。表示
期間の切替えタイミングである場合に(ステップX715;Y)、表示期間の切替え設定
を実行し(ステップX716)、性能表示装置制御処理を終了する。遊技制御装置100
は、表示期間の切替えタイミングでない場合に(ステップX715;N)、表示期間の切
替え設定を実行せずに、性能表示装置制御処理を終了する。
表示期間の切替え設定では、BL→B1→B2→B3→BL→・・・のように、表示期
間の情報の切り替え設定を行う。また、期間切替えのためのタイマの初期値(例えば所定
期間5秒に相当する初期値)を設定する。
【0493】
〔差玉確認処理〕
次に、領域外統合処理(図46)における差玉確認処理(ステップX706)の詳細に
ついて説明する。図49は、差玉確認処理の手順を示すフローチャートである。差玉確認
処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行される。差玉確認処
理では、差玉数を示唆する安全装置カウンタ値(差玉数+10万)を更新し、安全装置の
状態を示唆する安全装置作動情報を更新する。
【0494】
遊技制御装置100は、まず、領域内ワーク領域に含まれる安全装置作動中フラグ領域
の安全装置作動中フラグに基づいて安全装置が作動中であるか否かを判定する(ステップ
X721)。安全装置が作動中である場合に(ステップX721;Y)、直ちに差玉確認
処理を終了して、安全装置カウンタ値と安全装置作動情報の更新は行われない。なお、本
実施形態では、領域外プログラムに含まれる領域外統合処理プログラム(安全装置に関す
るプログラム)が遊技停止中に実行されない構成を有し、安全装置が作動して遊技停止状
態になっている場合(ステップX121;Y)には、差玉確認処理を含む領域外統合処理
は実行されないため、ステップX721の処理は無くてもよい。なお、ステップX721
の処理が無い場合に、安全装置作動中フラグ領域は領域内プログラムで読み書きされ、領
域外プログラムで読まれない領域(アクセスされない領域)となる。
【0495】
遊技制御装置100は、安全装置が作動中でない場合に(ステップX721;N)、領
域外ワーク領域に含まれる旧作動情報領域の旧作動情報が2以上(旧作動情報領域≧2)
であるか否かを判定する(ステップX722)。旧作動情報が2以上である場合に(ステ
ップX722;Y)、差玉確認処理を終了して、安全装置カウンタ値と安全装置作動情報
の更新を行わない。
【0496】
遊技制御装置100は、旧作動情報が2未満である場合に(ステップX722;N)、
第4入力ポート126に関するスイッチ制御領域(領域内ワーク領域)のスイッチ立ち上
がりエッジ情報に基づいてアウト球検出スイッチ74に入力があるか否かを判定する(ス
テップX723)。アウト球検出スイッチ74に入力がある場合に(ステップX723;
Y)、安全装置カウンタ領域の値が0であるか否かを判定する(ステップX724)。安
全装置カウンタ領域の値が0でない場合に(ステップX724;N)、安全装置カウンタ
領域の値である安全装置カウンタ値を-1更新する(1だけ減少する)(ステップX72
5)。したがって、アウト球検出スイッチ74への入力で排出球数が1だけ増加すること
に対応して、差玉数(=セーフ球数-排出球数)ひいては安全装置カウンタ値(=差玉数
+10万)が1だけ減少して更新されることになる。次に、領域内ワーク領域に含まれる
獲得遊技球数領域から獲得遊技球数をロードする(ステップX726)。
【0497】
遊技制御装置100は、アウト球検出スイッチ74に入力がない場合に(ステップX7
23;N)、又は安全装置カウンタ領域の値が0である場合に(ステップX724;Y)
、安全装置カウンタ値を-1更新することなく維持して、獲得遊技球数をロードする(ス
テップX726)。
【0498】
次に、遊技制御装置100は、領域外ワーク領域に含まれる安全装置カウンタ領域の安
全装置カウンタ値をロードし(ステップX727)、安全装置カウンタ値に獲得遊技球数
を加算する(ステップX728)。獲得遊技球数は、1割込み内に獲得した賞球の数(合
計)、すなわち、1割込み内でのセーフ球数の増加であるため、ステップスX728にお
いて、差玉数(=セーフ球数-排出球数)ひいては安全装置カウンタ値(=差玉数+10
万)が獲得遊技球数の分だけ増加して更新されることになる。
【0499】
続いて、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000
)以上であるか否か(安全装置カウンタ≧195000であるか否か)を判定する(ステ
ップX729)。安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000)以上である場合
に(ステップX729;Y)、安全装置カウンタ値を上限値(195000のカウンタ基
準値)まで戻すように安全装置カウンタ値に上限値(195000)をセットし(ステッ
プX730)、加算後の値として上限値を安全装置カウンタ領域にセーブする(ステップ
X731)。なお、安全装置カウンタ値はステップX728において上限値を超えて19
5000+αになることもある。ここで、αは、獲得遊技球数(1割込み内で獲得)の最
大値未満であり、例えば、全ての入賞口スイッチに同時に入力があった場合の賞球の合計
値よりも小さい。
【0500】
一方、安全装置カウンタ値がカウンタ基準値(195000)未満である場合に(ステ
ップX729;N)、上限値に制限する必要がないため、ステップX728の加算処理に
よる加算後の値をそのまま安全装置カウンタ領域にセーブする(ステップX731)。こ
のようにして、安全装置カウンタ領域の安全装置カウンタ値が、加算後の値(上限値に制
限されたものも含む)に更新される。
なお、安全装置カウンタ値を上限値195000に制限することによって、安全装置カ
ウンタ領域の範囲(バイト数又はビット数)が明確になり、遊技制御用プログラムの開発
に都合がよい。
【0501】
次に、遊技制御装置100は、安全装置カウンタ値に対応する作動情報番号(ここでは
0~2)を設定する(ステップX732)。0~189999の安全装置カウンタ値、1
90000~194999の安全装置カウンタ値、195000の安全装置カウンタ値の
それぞれに対応して、作動情報番号は、安全装置の未作動状態(通常状態)を示す「0」
、作動予告状態を示す「1」、作動警告状態を示す「2」に設定される。なお、作動情報
番号は、安全装置が作動中である作動状態を示す「3」には設定されない。
【0502】
続いて、遊技制御装置100は、領域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域か
ら現在の安全装置作動情報をロードして、領域外ワーク領域に含まれる旧作動情報領域に
セーブする(ステップX733)。そして、旧作動情報が2で且つ作動情報番号が1(旧
作動情報=2且つ作動情報番号=1)であるか否かを判定する(ステップX734)。旧
作動情報=2且つ作動情報番号=1である場合(ステップX734;Y)、作動情報番号
を安全装置作動情報領域にセーブすることなく安全装置作動情報「2」(ロードした値)
を維持して、差玉確認処理を終了する。これにより、安全装置作動情報が「2」から「1
」に変化することが防止される(2→1の変化の防止)。そして、次回のタイマ割込み以
降の差玉確認処理は、旧作動情報が2であるため(ステップX722;Y)、すぐに終了
して、安全装置カウンタ値と安全装置作動情報の更新は行われず、安全装置作動情報「2
」が維持される。
【0503】
一方、遊技制御装置100は、旧作動情報が2でないか又は作動情報番号が1でない場
合に(ステップX734;N、旧作動情報≠2又は作動情報番号≠1の場合)、作動情報
番号を安全装置作動情報領域にセーブして、安全装置作動情報領域を更新する(ステップ
X735)。その後、差玉確認処理を終了する。なお、安全装置作動情報領域に作動警告
状態を示す「2」がセーブされても、大当り中でも小当り中でもない場合には、後の安全
装置作動監視処理において瞬時に安全装置の作動状態を示す「3」が安全装置作動情報領
域にセーブされて、作動警告状態は発生しない。
【0504】
このようにして、差玉確認処理において、0~189999の安全装置カウンタ値、1
90000~194999の安全装置カウンタ値、195000の安全装置カウンタ値の
それぞれに対応して、安全装置作動情報は、安全装置の未作動状態(通常状態)を示す「
0」(安全装置未作動情報)、作動予告状態を示す「1」(安全装置作動予告情報)、作
動警告状態を示す「2」(安全装置作動警告情報)に設定される。
【0505】
安全装置作動情報の旧情報(ステップX733の旧作動情報)から更新後の新情報(ス
テップX735)への変化パターン(維持パターン含む)は、0→0、0→1、1→0、
1→1、1→2、2→2のいずれかになる。前述のとおり、2→1の変化は防止されてい
るが、この状況となった場合は旧作動情報領域のみに2が上書きされ2→2の状態となる
【0506】
なお、遊技制御装置100は、更新された安全装置カウンタ値(ステップX731)を
示す差玉コマンド、あるいは、更新された差玉数(=安全装置カウンタ値-10万)を示
す差玉コマンドを、演出制御装置300(サブ基板)に送信し、演出制御装置300は表
示装置41等に安全装置カウンタ値あるいは差玉数を表示させてもよい。その場合、差玉
確認処理において、旧作動情報領域の旧作動情報が2(安全装置作動警告情報)でも(ス
テップX722)、安全装置カウンタ値の更新を行うようにするとともに、ステップX7
29とステップX730の処理を省略して、安全装置カウンタ値を上限値195000に
制限しないようにする。ただし、195000以上の安全装置カウンタ値に対応して、安
全装置作動情報は、作動警告状態を示す「2」(安全装置作動警告情報)に設定されるよ
うにする。
【0507】
以上、差玉確認処理について説明したが、差玉確認処理のステップX726は、払い出
された遊技媒体の数又は払い出されることが決定された遊技媒体の数である払出数を計数
可能な第1計数手段を構成する。差玉確認処理のステップX723~X725は、使用さ
れた遊技媒体の数である使用数(例えば発射球数又は排出球数)を計数可能な第2計数手
段を構成する。差玉確認処理のステップX728は、払出数と使用数とに基づいた演算値
(例えば安全装置カウンタ値又は差玉数)を演算可能な演算手段を構成する。
【0508】
〔安全装置作動監視処理〕
次に、領域外統合処理における安全装置作動監視処理(ステップX707)の詳細につ
いて説明する。図50は、安全装置作動監視処理の手順を示すフローチャートである。安
全装置作動監視処理は、領域外処理であり前述の領域外プログラムの一部として実行され
る。
【0509】
遊技制御装置100は、まず、領域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域の値
が2以上(安全装置作動情報≧2)であるか否かを判定する(ステップX741)。安全
装置作動情報が2以上である場合に(ステップX741;Y)、すなわち、安全装置作動
警告情報(値2)又は安全装置作動中情報(値3)が設定されている場合に、大当り中又
は小当り中であるか否かを判定する(ステップX742)。ここで、大当り中又は小当り
中であるか否かは、例えば、特図ゲーム処理番号(特図1ゲーム処理番号、特図2ゲーム
処理番号)に基づいて判定できる。特図ゲーム処理番号は、領域内ワーク領域の特図ゲー
ム処理番号領域に記憶される。
【0510】
例えば、大当りファンファーレのゲーム処理番号から大当りエンディングのゲーム処理
番号なら、大当り中と判定できる。本実施形態では、特図1ゲーム処理番号や特図2ゲー
ム処理番号が3から6なら大当り中と判定できる。また、例えば、小当りファンファーレ
のゲーム処理番号から小当りエンディングのゲーム処理番号なら、小当り中と判定できる
。本実施形態では、特図1ゲーム処理番号や特図2ゲーム処理番号が7から10なら小当
り中と判定できる。なお、小当り図柄が導出された時点から小当り中と判定してもよいし
、大当り図柄が導出された時点から大当り中と判定してもよい。
【0511】
遊技制御装置100は、小当り中でも大当り中でもない場合に(ステップX742;N
)、領域外ワーク領域に含まれる安全装置作動情報領域から現在の安全装置作動情報をロ
ードして、旧作動情報領域にセーブする(ステップX743)。そして、安全装置作動情
報領域に安全装置作動中情報(値3)をセーブして、領域外ワーク領域に含まれる安全装
置作動情報領域を更新する(ステップX744)。
一方、安全装置作動情報が2より小さい「0」又は「1」の場合に(ステップX741
;N)、あるいは、大当り中又は小当り中である場合に(ステップX742;Y)、安全
装置作動監視処理をすぐに終了して、実質的に安全装置作動監視処理では何もしない。
【0512】
以上のように、安全装置作動警告情報(値2)が設定されており安全装置の作動を警告
する作動警告状態(条件(1)が成立し、条件(2)は未成立)において、大当り又は小
当りが終了することによって小当り中でも大当り中でもなくなったら(条件(2)が成立
したら)、安全装置作動情報を安全装置作動中情報(値3)に設定する(安全装置作動情
報の2→3の変化)。これによって、安全装置作動中フラグを「1」にして(安全装置関
連処理のステップX610)、安全装置が作動した作動状態(打ち止め状態)、すなわち
、遊技として特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、及びラウンド遊技等が実行でき
ない遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)を発生できることになる。
安全装置が作動して遊技ができなくなることによって、差玉数やセーフ球数が大きい場
合などに不正対策を適切に行うことができ、また、差玉数やセーフ球数を抑制することに
よって遊技者の遊技に対するのめり込みも抑制できる可能性がある。
【0513】
なお、195000の安全装置カウンタ値に達して安全装置作動警告情報(値2)が設
定されていても(差玉確認処理のステップX732,X735)、大当り中でも小当り中
でもない場合には(ステップX742;N)、安全装置作動情報が瞬時に安全装置作動警
告情報(値2)から安全装置作動中情報(値3)に切り替わることになる(ステップX7
44)。すなわち、この場合には、作動警告コマンドが演出制御装置300に送信される
前に、安全装置作動情報領域の安全装置作動警告情報(値2)が安全装置作動中情報(値
3)で上書きされ消去されてしまう。したがって、大当り中でも小当り中でもない場合に
、安全装置カウンタ値が195000に達すると、安全装置の作動を警告する作動警告状
態は発生せず、直後から安全装置が作動して遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態
)が発生する。なお、これは前述のように安全装置作動情報が瞬時に1→2→3と変化す
ることに相当するが(2は瞬間値になり作動警告状態は発生しない)、安全装置の作動を
予告する作動予告状態から安全装置が作動中である作動状態に移行したことに対応して、
作動中コマンドが安全装置作動関連コマンドとして演出制御装置300に送信される(ス
テップX605,X607)。
【0514】
また、安全装置作動中情報(値3)が設定されており、安全装置が既に作動して遊技停
止状態になっている場合には、領域外統合処理は実行されないため(ステップX121;
Y)、安全装置作動情報を安全装置作動中情報(値3)に維持し、遊技停止状態を継続す
る(安全装置作動情報の3→3の変化)。
【0515】
[安全装置]
以下に、安全装置の状態又は安全装置カウンタ値(差玉数+初期値)に応じた演出系の
装置の態様(表示態様、発光態様、動作態様)等について説明する。演出系の装置は、演
出を実行可能な装置であり、例えば、表示装置41や、演出用LED等からなる装飾装置
(盤装飾装置46、枠装飾装置18等)、動作可能な可動役物(可動体、盤演出装置44
、枠演出装置等)がある。
【0516】
〔演出系の装置の態様〕
図51は、安全装置の状態に応じた演出系の装置の態様等を示すテーブルである。図5
1のように、安全装置の状態又は安全装置カウンタ値(ひいては差玉数)に応じて、演出
系の装置の態様が変化する。
【0517】
安全装置情報初期化処理(図13)等において説明したとおり、安全装置カウンタ値が
0~189999(差玉数が-100000~89999)の場合には、安全装置の状態
は未作動状態(作動予告状態や作動警告状態や作動状態でない通常状態)になる。また、
安全装置カウンタ値が190000~194999(差玉数が90000~94999)
の場合には、安全装置の状態は安全装置の作動を予告する作動予告状態になる。また、安
全装置カウンタ値が195000(差玉数が95000)の場合には、安全装置の状態は
安全装置の作動を警告する作動警告状態又は安全装置が作動中である作動状態(作動中状
態)になる。
【0518】
安全装置カウンタ値が195000の場合であって、大当り中又は小当り中である場合
に、安全装置は作動警告状態になり、安全装置カウンタ値が195000の場合であって
、大当り中でも小当り中でもない場合に、安全装置は作動状態になる。したがって、大当
り又は小当りが発生する前に、安全装置が作動状態になると、直後から遊技停止状態(遊
技不可状態、遊技禁止状態)が発生し、作動警告状態は発生しないことになる。
一方、作動警告状態は、大当り中又は小当り中に安全装置カウンタ値が195000に
達すると発生可能である。そして、大当り又は小当りが終了することによって大当り中で
も小当り中でもなくなると、安全装置は作動警告状態から作動状態(作動中状態)に移行
する。
【0519】
安全装置カウンタ値が0~194999(差玉数が-100000~94999)の場
合、すなわち安全装置の状態が未作動状態又は作動予告状態である場合には、遊技機の状
態(遊技状態)は、遊技中又は客待ち中(客待ち状態)である。また、安全装置カウンタ
値が195000(差玉数が95000)の場合であって、安全装置の状態が作動警告状
態である場合には、遊技機の状態は小当り中又は大当り中であり、安全装置カウンタ値が
195000(差玉数が95000)の場合であって、安全装置の状態が作動状態である
場合には、遊技機の状態は遊技停止状態(遊技不可状態、遊技禁止状態)である。なお、
強エラー2が発生している場合においても、同じ遊技停止状態を発生可能である。
【0520】
遊技停止状態においては、遊技として、特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム、ラ
ウンド遊技(大当り中や小当り中での遊技)等を実行できない。具体的には、入賞数カウ
ンタ更新処理(図19)において、遊技停止状態である場合(ステップX351;Y)に
は、入賞口スイッチでの遊技球の検出が無効となって入賞口(入賞)は無効になる。また
、出力処理(図16)において、遊技停止状態である場合(ステップX203;Y)には
、全ソレノイドの動作が停止し、大入賞口、特定領域、普通変動入賞装置37等が閉鎖し
て閉状態となり、遊技停止状態である場合(ステップX212;Y)には、球発射装置か
らの遊技球の発射が停止(禁止)され発射停止となるとともに、一括表示装置50が消灯
する。
また、遊技停止状態においては、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームを継続でき
ないだけでなく、新たな特図変動表示ゲームや新たな普図変動表示ゲームを開始すること
ができない。ただし、遊技停止状態においては、払出コマンド送信処理(ステップX10
7)は停止されないので、遊技停止状態となる前に発生した入賞による賞球の払い出しは
継続される。
なお、安全装置が作動した場合の遊技停止状態と、強エラー2が発生している場合の遊
技停止状態と、の少なくとも一方においては、遊技球の発射を停止しないように構成する
ことも可能である。
【0521】
また、外部情報編集処理(図43)において、安全装置が作動した場合の遊技停止状態
である場合(ステップX518;Y)には、ホールコンピュータ等の外部装置へ外部情報
信号としてセキュリティ信号が出力され(ステップX521)、試射試験装置へ試験信号
として遊技機エラー状態信号が出力される(ステップX522)。なお、安全装置が作動
した場合の遊技停止状態と、強エラー2が発生している場合の遊技停止状態と、の少なく
とも一方においては、試験信号(遊技機エラー状態信号)を発生しないように構成するこ
とも可能である。
【0522】
安全装置の未作動状態において、表示装置41は、安全装置に関連する安全装置関連表
示を表示しない。なお、例外的に、客待ち中等である場合には、特定機種表示(例えば「
コンプリート機能搭載」の文字)等によって、安全装置付きの機種であることを表示して
もよい。これにより、特定機種表示を見た遊技者は、遊技機10が安全装置(コンプリー
ト機能)を有することを認識できる。
【0523】
安全装置の作動予告状態において、表示装置41は、安全装置関連表示(又は安全装置
作動情報表示)として作動予告表示(例えば「まもなく打ち止めです」の文字)を表示す
る。作動予告表示を効果的に表示するために、作動予告表示の表示態様を、客待ち中や変
動表示中(特図変動表示ゲームの実行中)等の遊技状態に応じて変化させるようにしても
よい。演出制御装置300は、作動予告状態の開始時に、安全装置作動関連コマンドとし
て作動予告状態に対応する作動予告コマンドを受信するので、表示装置41に作動予告表
示を表示することが可能である。
【0524】
このように、作動予告表示を表示することで、遊技者に遊技できなくなる可能性を事前
に報知することができるので、遊技者に遊技を終了するよう促すことができ、遊技者が意
図せず不利益を受けることを防止できる。また、作動予告表示を表示することで、不正を
行っている者に驚きを与えることができるので、不正を止めるよう促すことができる。さ
らに、作動予告表示の表示態様を遊技状態(例えば客待ち中、変動表示中)に応じて異な
らせることも可能であり、これにより、効果的な予告表示を行うことが可能となる。
【0525】
安全装置の作動警告状態において、表示装置41は、安全装置関連表示(又は安全装置
作動情報表示)として作動警告表示(例えば「当り終了後に打ち止めとなります」の文字
)を表示する。演出制御装置300は、作動警告状態の開始時に、安全装置作動関連コマ
ンドとして作動警告状態に対応する作動警告コマンドを受信するので、表示装置41に作
動警告表示を表示することが可能である。
【0526】
安全装置の作動状態、すなわち遊技停止状態において、表示装置41は、安全装置関連
表示(又は安全装置作動情報表示)として作動中表示(例えば「打止中」の文字)を表示
する。演出制御装置300は、作動状態の開始時に、安全装置作動関連コマンドとして作
動状態に対応する作動中コマンドを受信するので、表示装置41に作動中表示を表示する
ことが可能である。
なお、演出制御装置300は、安全装置の作動を予告する作動予告表示、安全装置の作
動を警告する作動警告表示、安全装置の作動中であることを示す作動中表示を表示装置4
1等(表示手段)に表示可能な表示制御手段を構成する。
【0527】
また、表示装置41は、安全装置が作動した場合の遊技停止状態において、エラー表示
を表示可能である。例えば、遊技停止状態でも払い出しは継続されるので、遊技球(遊技
媒体)の払い出しに関する払い出しエラー(払出異常エラー)が発生することがあるが、
表示装置41は、エラー表示によって払い出しエラーの発生を報知可能である。また、強
エラー2が発生している場合の遊技停止状態においては、ホール関係者や遊技者に払い出
しエラーの発生を認識させるために表示装置41に払い出しエラーのエラー表示を表示可
能としてもよいし、強エラー2と混同しないように表示装置41に払い出しエラー(弱エ
ラー)のエラー表示を表示不可としてもよい。
【0528】
遊技停止状態の場合には、未作動状態や作動予告状態や作動警告状態の場合とは異なり
、一括表示装置50と性能表示装置153の発光部(LED)は全て消灯する(全消灯)
。なお、遊技停止状態において、一括表示装置50と性能表示装置153の発光部(LE
D)は全て点灯してもよい(全点灯)。
また、遊技停止状態において、球貸ボタン27aは有効のままであり、遊技球を借りる
ために遊技者が操作すると、払出装置から上皿21へ遊技球を払い出してもよい。
【0529】
また、遊技停止状態において、作動中コマンドを受信した演出制御装置300は、装飾
装置(枠装飾装置18、盤装飾装置46等)のLED等の遊技機10に設けられた演出用
LEDを、全て消灯するか(全消灯)又は全て点灯する(全点灯)。ただし、エラーの発
生中は、一部又は全ての演出用LEDが赤色で点灯してもよい。
また、遊技停止状態において、演出制御装置300は、スピーカ19a,19bからの
音声出力を停止して無音としてもよいし、演出用LEDや液晶(表示装置41等)の輝度
やスピーカ19a,19bの音量を調整不可にして既定(デフォルト)の輝度や音量にし
てもよい。また、演出制御装置300は、可動役物(可動体、盤演出装置44、枠演出装
置等)の動作中に遊技停止状態が開始した場合には、可動役物を初期位置に戻してもよい
【0530】
また、他の例として、遊技停止状態において、特図ゲーム処理タイマや普図ゲーム処理
タイマ等の各種ゲーム処理タイマは停止するが、一括表示装置50は消灯せずに、遊技停
止状態になったときの表示を継続してもよい。さらに、一括表示装置50は、遊技停止状
態の開始時において変動表示中であれば、この変動表示が終了してから消灯してもよい。
これにより、一括表示装置50における変動表示が、突然終了することを防止できる。ま
た、遊技停止状態において、性能表示装置153は、表示を継続してもよい。
【0531】
なお、遊技機10の電源が遮断(オフ)して再度電源投入(オン)した場合には、安全
装置情報初期化処理(図13)によって安全装置カウンタ領域や安全装置作動情報領域等
が初期化される(ステップX74~X76)。よって、この場合には、安全装置作動予告
情報(値1)、安全装置作動警告情報(値2)、安全装置作動中情報(値3)等の安全装
置作動情報が消去されるので、表示装置41における安全装置関連表示(作動予告表示、
作動警告表示、作動中表示等)は消去されて非表示になってもよい。
また、安全装置の作動中に遊技機10の電源が遮断(オフ)してRAM初期化スイッチ
112がオンの状態で再度電源投入(オン)した場合には、メイン処理(図9)において
確率設定値以外のRAM領域が0クリアされる(ステップX45)。よって、この場合に
は、安全装置作動中フラグ領域も0クリアされるので、遊技機10は遊技停止状態から遊
技できる状態に復帰する。
【0532】
[リミッタ回数と遊技モード]
図52は、当り図柄と、飾り特別図柄(飾り識別情報)の停止結果態様と、の関係の一
例を示す図である。
図5(b)に示すように、特図1変動表示ゲームの大当り図柄には、8R確変図柄Aと
3R確変図柄A,B,Cと3R通常図柄の5種類がある。図52(a)に示すように、3
R確変図柄Aには、3R確変図柄A1と3R確変図柄A2の2種類があり、3R確変図柄
Bには、3R確変図柄B1と3R確変図柄B2の2種類があり、3R確変図柄Cには、3
R確変図柄C1と3R確変図柄C2の2種類がある。したがって、細かく分けると、特図
1変動表示ゲームの大当り図柄は8種類ある。
【0533】
そして、図52(a)に示すように、演出モードが通常モードである場合(遊技状態が
通常遊技状態T1である場合)においては、当り図柄が8R確変図柄Aである場合、表示
装置41に奇数図柄のゾロ目からなる特別結果態様が停止表示され、当り図柄が3R確変
図柄A1,B1,C1である場合、表示装置41に「7」以外の奇数図柄のゾロ目からな
る特別結果態様が停止表示され、当り図柄が3R確変図柄A2,B2,C2や3R通常図
柄である場合、表示装置41に偶数図柄のゾロ目からなる停止結果態様が停止表示される

また、図52(b)に示すように、演出モードが小当りRUSHモードである場合(遊
技状態が特定遊技状態T2である場合)においては、当り図柄が8R確変図柄Aである場
合、表示装置41に一般図柄のゾロ目からなる特別結果態様が停止表示され、当り図柄が
3R確変図柄A1,B1,C1である場合、表示装置41に「7」以外の奇数図柄のゾロ
目からなる特別結果態様が停止表示され、当り図柄が3R確変図柄A2,B2,C2や3
R通常図柄である場合、表示装置41に偶数図柄のゾロ目からなる停止結果態様が停止表
示される。
【0534】
図5(b)に示すように、特図2変動表示ゲームの大当り図柄には、8R確変図柄Bと
3R確変図柄Dの2種類がある。
そして、図52(a)に示すように、演出モードが通常モードである場合(遊技状態が
通常遊技状態T1である場合)においては、当り図柄が8R確変図柄Bである場合、表示
装置41に奇数図柄のゾロ目からなる特別結果態様が停止表示され、当り図柄が3R確変
図柄Dである場合、表示装置41に「7」以外の一般図柄のゾロ目からなる特別結果態様
が停止表示される。
また、図52(b)に示すように、演出モードが小当りRUSHモードである場合(遊
技状態が特定遊技状態T2である場合)においては、当り図柄が8R確変図柄Bである場
合、表示装置41に一般図柄のゾロ目からなる特別結果態様が停止表示され、当り図柄が
3R確変図柄Dである場合、表示装置41に「7」以外の奇数図柄のゾロ目からなる特別
結果態様が停止表示される。
【0535】
なお、大当り図柄(大当りの結果態様)と飾り特別図柄の停止結果態様との関係は図5
2に示すものに限られず、適宜変更可能である。
例えば、演出モードが小当りRUSHモードである場合において、当り図柄が3R確変
図柄A2,B2,C2がである場合には、当り図柄が3R確変図柄A1,B1,C1であ
る場合と同様、表示装置41に「7」以外の奇数図柄のゾロ目からなる特別結果態様が停
止表示されるようにしてもよい。
また、演出モードが小当りRUSHモードである場合において、当り図柄が3R確変図
柄Dである場合には、表示装置41に「7」以外の一般図柄のゾロ目からなる特別結果態
様が停止表示されるようにしてもよい。
また、演出モードが通常モード及び/又は小当りRUSHモードである場合において、
当り図柄が8R確変図柄A,Bである場合には、表示装置41に「7」のゾロ目からなる
特別結果態様のみが停止表示されるようにしてもよい。
また、演出モードが通常モードである場合における、大当り図柄と飾り特別図柄の停止
結果態様との関係と、演出モードが小当りRUSHモードである場合における、大当り図
柄と飾り特別図柄の停止結果態様との関係と、は同一であってもよい。
【0536】
図53は、残り大当り回数領域と、遊技モード領域及び遊技モード移行情報領域と、に
記憶される情報の変化の一例を示す図である。また、図54は、遊技モード情報及び遊技
モード移行情報の一例を示す図である。また、図55は、遊技モードの移行の一例を示す
遊技モード遷移図である。
演出モード(図7参照)は、演出制御装置300が管理する遊技モードである。本実施
形態では、遊技制御装置100も遊技モードを管理しており、遊技制御装置100から演
出制御装置300へ遊技モードが通知されるようになっている(ステップX49c~X4
9d、ステップA315~A316、ステップA714~A715)。遊技モード(演出
モード)には、通常モードと小当りRUSHモードがあり、小当りRUSHモードには、
モードAとモードBがある。
また、本実施形態の遊技機10は、連続して発生可能な大当り(V入賞あり)の回数で
あるリミッタ回数を複数持った複数リミット機である。図5(b)や図54(a)に示す
ように、リミッタ回数には7回と3回の2種類があり、リミッタ回数として7回と3回の
いずれを設定するかは、大当りの種類(大当り図柄の種類)に応じて決定される。
【0537】
遊技制御装置100は、特図1表示中処理(図35)において初回大当りであると判定
した場合(ステップA516;Y)や、特図2表示中処理(図37)において初回大当り
であると判定した場合(ステップA557;Y)に、当り図柄に対応するリミッタ回数を
残り大当り回数領域にセーブするとともに(ステップA517,A558)、当り図柄に
対応する遊技モード移行情報を遊技モード移行情報領域にセーブする(ステップA518
,A559)。
図54(a)に示すように、8R確変図柄A,Bや3R確変図柄A1,A2,B1,B
2に対応するリミッタ回数は「7」であり、3R確変図柄C1,C2,Dや3R通常図柄
に対応するリミッタ回数は「3」である。
また、図54(a)に示すように、8R確変図柄A,Bに対応する遊技モード移行情報
は「No.6」であり、3R確変図柄A1,A2に対応する遊技モード移行情報は「No
.3」であり、3R確変図柄B1,B2に対応する遊技モード移行情報は「No.4」で
あり、3R確変図柄C1,C2,Dや3R通常図柄に対応する遊技モード移行情報は「N
o.1」である。
【0538】
図53に示す例では、初回大当りの当り図柄が3R確変図柄C1であるので、遊技制御
装置100は、特図1表示中処理(図35)において、3R確変図柄C1に対応するリミ
ッタ回数である「3」を残り大当り回数領域にセーブするとともに(ステップA517)
、3R確変図柄C1に対応する遊技モード移行情報である「No.1」を遊技モード移行
情報領域にセーブする(ステップA518)。
次いで、図53に示す例のように、初回大当り(1回目の大当り)に基づく第1特別遊
技状態でV入賞があった場合には、遊技制御装置100は、特定領域スイッチ監視処理(
図27)において、V入賞ありと判定するとともに(ステップA192;Y)、残り大当
り回数=1でないと判定して(ステップA193;N)、特定領域通過情報(ここでは特
定領域正常通過情報)を確率変動機能作動情報領域にセーブする(ステップA199)。
【0539】
そして、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報がセーブされている場合(ステ
ップA704;Y)には、遊技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において、
残り大当り回数領域の値を-1更新(減算)して(ステップA706)、遊技モード移行
情報に対応する遊技モード情報を遊技モード領域にセーブするとともに、遊技モード移行
情報に対応する次の遊技モード移行情報を遊技モード移行情報領域にセーブする(ステッ
プA707~A709)。
【0540】
図54(b)に示すように、遊技モード移行情報「No.1」に対応する遊技モード情
報は「No.1 モードA(残り2回)」であり、遊技モード移行情報「No.1」に対
応する次の遊技モード移行情報は「No.2」である。したがって、図53に示す例では
、遊技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において、残り大当り回数領域の値
を-1更新して(ステップA706)、遊技モード領域に「No.1 モードA(残り2
回)」をセーブするとともに(ステップA708)、遊技モード移行情報領域に「No.
2」をセーブする(ステップA709)。その後、遊技制御装置100は、遊技モード領
域に記憶されている遊技モード情報(ここでは「No.1 モードA(残り2回)」)に
対応する遊技モードコマンドを演出制御装置300に送信するための処理(ステップA7
14~A715)を行うとともに、残り大当り回数領域に記憶されている残り大当り回数
(ここでは「2」)に対応する残り大当り回数コマンドを演出制御装置300に送信する
ための処理(ステップA716~A717)を行う。そして、演出制御装置300は、当
該遊技モードコマンドを受信したことに対応して、演出モードを小当りRUHSのモード
Aに設定する。
【0541】
次いで、図53に示す例のように、2回目の大当りが発生し、当該2回目の大当りに基
づく第1特別遊技状態でV入賞があった場合には、遊技制御装置100は、特定領域スイ
ッチ監視処理(図27)において、V入賞ありと判定するとともに(ステップA192;
Y)、残り大当り回数=1でないと判定して(ステップA193;N)、特定領域通過情
報(特定領域正常通過情報又は特定領域イレギュラー通過情報)を確率変動機能作動情報
領域にセーブする(ステップA199)。
【0542】
そして、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報がセーブされている場合(ステ
ップA704;Y)には、遊技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において、
残り大当り回数領域の値を-1更新(減算)して(ステップA706)、遊技モード移行
情報に対応する遊技モード情報を遊技モード領域にセーブするとともに、遊技モード移行
情報に対応する次の遊技モード移行情報を遊技モード移行情報領域にセーブする(ステッ
プA707~A709)。
【0543】
図54(b)に示すように、遊技モード移行情報「No.2」に対応する遊技モード情
報は「No.2 モードA(残り1回)」であり、遊技モード移行情報「No.2」に対
応する次の遊技モード移行情報は「なし」である。したがって、図53に示す例では、遊
技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において、残り大当り回数領域の値を-
1更新して(ステップA706)、遊技モード領域に「No.2 モードA(残り1回)
」をセーブするとともに(ステップA708)、遊技モード移行情報領域に「なし」をセ
ーブする(ステップA709)。その後、遊技制御装置100は、遊技モード領域に記憶
されている遊技モード情報(ここでは「No.2 モードA(残り1回)」)に対応する
遊技モードコマンドを演出制御装置300に送信するための処理(ステップA714~A
715)を行うとともに、残り大当り回数領域に記憶されている残り大当り回数(ここで
は「1」)に対応する残り大当り回数コマンドを演出制御装置300に送信するための処
理(ステップA716~A717)を行う。そして、演出制御装置300は、当該遊技モ
ードコマンドを受信したことに対応して、演出モードを小当りRUHSのモードAに設定
する。
【0544】
次いで、図53に示す例のように、3回目の大当りが発生し、当該3回目の大当りに基
づく第1特別遊技状態でV入賞があった場合には、遊技制御装置100は、特定領域スイ
ッチ監視処理(図27)においてV入賞ありと判定する(ステップA192;Y)。しか
し、図53に示す例では、この時点で、残り大当り回数=1である(ステップA193;
Y)ので、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報をセーブする処理(ステップA
199)は行われない。
【0545】
そして、確率変動機能作動情報領域に特定領域通過情報がセーブされていない場合(ス
テップA704;N)には、遊技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において
、ステップA710~A713の処理を行う。すなわち、図53に示すように、残り大当
り回数領域を0クリアして(ステップA711)、遊技モード領域に通常モード(低確率
)をセーブして(ステップA712)、遊技モード移行情報領域をクリアする(ステップ
A713)。その後、遊技制御装置100は、遊技モード領域に記憶されている遊技モー
ド情報(ここでは「通常モード」)に対応する遊技モードコマンドを演出制御装置300
に送信するための処理(ステップA714~A715)を行うとともに、残り大当り回数
領域に記憶されている残り大当り回数(ここでは「0」)に対応する残り大当り回数コマ
ンドを演出制御装置300に送信するための処理(ステップA716~A717)を行う
。そして、演出制御装置300は、当該遊技モードコマンドを受信したことに対応して、
演出モードを通常モードに設定する。
【0546】
遊技モード領域に「通常モード」がセーブされている場合には、遊技モード(演出モー
ド)は通常モードとなる。
また、遊技モード領域に「No.1 モードA(残り2回)」「No.2 モードA(
残り1回)」「No.3 モードA(残り6回)」「No.4 モードA(残り6回)」
「No.5 モードA(残り5回)」がセーブされている場合には、遊技モード(演出モ
ード)は小当りRUSHのモードAとなる。
また、遊技モード領域に「No.6 モードB(残り6回)」「No.7 モードB(
残り5回)」「No.8 モードB(残り4回)」「No.9 モードB(残り3回)」
「No.10 モードB(残り2回)」「No.11 モードB(残り1回)」がセーブ
されている場合には、遊技モード(演出モード)は小当りRUSHのモードBとなる。
【0547】
したがって、図53に示す例では、1回目及び2回目の大当りに基づく第1特別遊技状
態の終了後の遊技モード(演出モード)は小当りRUSHのモードAとなり、3回目の大
当りに基づく第1特別遊技状態の終了後の遊技モード(演出モード)は通常モードとなる

モードBは、リミッタ回数が7回である場合に出現するモードであり、モードAは、リ
ミッタ回数が3回又は7回である場合に出現するモードである。したがって、モードBが
出現した場合には、遊技者は最初からリミッタ回数が7回であると認識することができる
。一方、モードAが出現した場合には、リミッタ回数が7回に昇格する可能性があるとい
う期待感を遊技者に与えることができる。
【0548】
このように、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる毎に、大当り終了処理(図41
)において、残り大当り回数領域、遊技モード領域、及び遊技モード移行情報領域の情報
が更新されて(ステップA706~A709)、当該大当りに基づく第1特別遊技状態の
終了後の遊技モード(演出モード)が小当りRUSHのモードA又はモードBになる。
ただし、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなっても、特定領域通過情報がセーブさ
れない場合(ステップA704;N)には、残り大当り回数領域、遊技モード領域、及び
遊技モード移行情報領域はクリアされる(ステップA711~A713)。遊技制御装置
100は、特定領域スイッチ監視処理(図27)において、V入賞なしと判定した場合(
ステップA192;N)や、残り大当り回数=1であると判定した場合(ステップA19
3;Y)に、特定領域通過情報をセーブする処理(ステップA199)を行わない。した
がって、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなっても、当該大当りに基づく第1特別遊
技状態でV入賞がなかった場合や、当該大当りでリミッタ回数に到達する場合には、残り
大当り回数領域、遊技モード領域、及び遊技モード移行情報領域はクリアされて(ステッ
プA711~A713)、当該大当りに基づく第1特別遊技状態の終了後の遊技モード(
演出モード)が通常モードになる。
【0549】
これにより、本実施形態においては、図54(b)及び図55(a)に示すように、初
回大当りの当り図柄が8R確変図柄A,B(リミッタ回数7回に対応する8R確変図柄)
である場合には、初回大当り、すなわち1回目の大当りに基づく第1特別遊技状態(V入
賞あり)が終了すると、リミッタ回数が7回である場合に出現する小当りRUSHのモー
ドBが開始する。そして、大当り連続回数(連チャン回数)が7回に到達するまで当該モ
ードBが継続し、7回目の大当りに基づく第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開
始する。また、大当り連続回数が7回に到達するまでの間に第1特別遊技状態でV入賞し
なかった場合には、そのV入賞しなかった第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開
始する。
【0550】
演出制御装置300は、初回大当りの当り図柄が8R確変図柄A,Bである場合(すな
わち、通常モードにおいて受信した飾り特図コマンド(ステップA508~A509、ス
テップA549~A550)に基づき当り図柄が8R確変図柄A,Bであると判定した場
合)であって、特定領域通過コマンド(ステップA194~A195)を受信した場合に
は、小当りRUSHのモードBへ移行することを確定的に報知するモードBの確定演出を
第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして小当
りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置100から「モードB残
り2回以上」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該遊技モードコマンド
に基づいてモードBを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り2回以上)において
、特図変動表示ゲームの結果が大当り(2~6回目の大当り)となって特定領域通過コマ
ンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBが継続することを報知するモードB
の継続演出を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モー
ドとして小当りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置100から
「モードB残り2回以上」又は「モードB残り1回」の遊技モードコマンド(後述)が送
信されるので、当該遊技モードコマンドに基づいてモードBを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り1回)において、特
図変動表示ゲームの結果が大当り(7回目の大当り)となった場合には、小当りRUSH
モードが終了することを報知する小当りRUSHの終了演出を第1特別遊技状態中に実行
し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして通常モードを設定する。この場
合には、遊技制御装置100から「通常モード」の遊技モードコマンド(後述)が送信さ
れるので、当該遊技モードコマンドに基づいて通常モードを設定する。
【0551】
また、図54(b)及び図55(b)に示すように、初回大当りの当り図柄が3R確変
図柄A1,A2(リミッタ回数7回に対応する3R確変図柄)である場合には、初回大当
り、すなわち1回目の大当りに基づく第1特別遊技状態(V入賞あり)が終了すると、リ
ミッタ回数が3回又は7回である場合に出現する小当りRUSHのモードAが開始する。
そして、大当り連続回数が2回に到達するまで当該モードAが継続し、2回目の大当りに
基づく第1特別遊技状態(V入賞あり)が終了すると、リミッタ回数が7回である場合に
出現する小当りRUSHのモードBが開始する。そして、大当り連続回数が7回に到達す
るまで当該モードBが継続し、7回目の大当りに基づく第1特別遊技状態が終了すると通
常モードが開始する。すなわち、2回目の大当り(V入賞あり)が発生したことに対応し
て、遊技モード(演出モード)がモードAからモードBに昇格する。また、大当り連続回
数が7回に到達するまでの間に第1特別遊技状態でV入賞しなかった場合には、そのV入
賞しなかった第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開始する。
【0552】
演出制御装置300は、初回大当りの当り図柄が3R確変図柄A1,A2である場合(
すなわち、通常モードにおいて受信した飾り特図コマンド(ステップA508~A509
、ステップA549~A550)に基づき当り図柄が3R確変図柄A1,A2であると判
定した場合)であって、特定領域通過コマンド(ステップA194~A195)を受信し
た場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)を第1特別遊
技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして小当りRUSH
のモードAを設定する。この場合には、遊技制御装置100から「モードA残り2回以上
且つモードB昇格あり」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該遊技モー
ドコマンドに基づいてモードAを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードA(残り2回以上且つモード
B昇格あり)において、特図変動表示ゲームの結果が大当り(2回目の大当り)となって
特定領域通過コマンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇
格成功パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演
出モードとして小当りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置10
0から「モードB残り2回以上」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該
遊技モードコマンドに基づいてモードBを設定する。
【0553】
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り2回以上)において
、特図変動表示ゲームの結果が大当り(3~6回目の大当り)となって特定領域通過コマ
ンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBが継続することを報知するモードB
の継続演出を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モー
ドとして小当りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置100から
「モードB残り2回以上」又は「モードB残り1回」の遊技モードコマンド(後述)が送
信されるので、当該遊技モードコマンドに基づいてモードBを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り1回)において、特
図変動表示ゲームの結果が大当り(7回目の大当り)となった場合には、小当りRUSH
モードが終了することを報知する小当りRUSHの終了演出を第1特別遊技状態中に実行
し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして通常モードを設定する。この場
合には、遊技制御装置100から「通常モード」の遊技モードコマンド(後述)が送信さ
れるので、当該遊技モードコマンドに基づいて通常モードを設定する。
【0554】
また、図54(b)及び図55(c)に示すように、初回大当りの当り図柄が3R確変
図柄B1,B2(リミッタ回数7回に対応する3R確変図柄)である場合には、初回大当
り、すなわち1回目の大当りに基づく第1特別遊技状態(V入賞あり)が終了すると、リ
ミッタ回数が3回又は7回である場合に出現する小当りRUSHのモードAが開始する。
そして、大当り連続回数が3回に到達するまで当該モードAが継続し、3回目の大当りに
基づく第1特別遊技状態(V入賞あり)が終了すると、リミッタ回数が7回である場合に
出現する小当りRUSHのモードBが開始する。そして、大当り連続回数が7回に到達す
るまで当該モードBが継続し、7回目の大当りに基づく第1特別遊技状態が終了すると通
常モードが開始する。すなわち、3回目の大当り(V入賞あり)が発生したことに対応し
て、遊技モード(演出モード)がモードAからモードBに昇格する。また、大当り連続回
数が7回に到達するまでの間に第1特別遊技状態でV入賞しなかった場合には、そのV入
賞しなかった第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開始する。
【0555】
演出制御装置300は、初回大当りの当り図柄が3R確変図柄B1,B2である場合(
すなわち、通常モードにおいて受信した飾り特図コマンド(ステップA508~A509
、ステップA549~A550)に基づき当り図柄が3R確変図柄B1,B2であると判
定した場合)であって、特定領域通過コマンド(ステップA194~A195)を受信し
た場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)を第1特別遊
技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして小当りRUSH
のモードAを設定する。この場合には、遊技制御装置100から「モードA残り2回以上
且つモードB昇格なし」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該遊技モー
ドコマンドに基づいてモードAを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードA(残り2回以上且つモード
B昇格なし)において、特図変動表示ゲームの結果が大当り(2回目の大当り)となって
特定領域通過コマンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇
格失敗パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演
出モードとして小当りRUSHのモードAを設定する。この場合には、遊技制御装置10
0から「モードA残り2回以上且つモードB昇格あり」の遊技モードコマンド(後述)が
送信されるので、当該遊技モードコマンドに基づいてモードAを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードA(残り2回以上且つモード
B昇格あり)において、特図変動表示ゲームの結果が大当り(3回目の大当り)となって
特定領域通過コマンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇
格成功パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演
出モードとして小当りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置10
0から「モードB残り2回以上」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該
遊技モードコマンドに基づいてモードBを設定する。
【0556】
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り2回以上)において
、特図変動表示ゲームの結果が大当り(4~6回目の大当り)となって特定領域通過コマ
ンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBが継続することを報知するモードB
の継続演出を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モー
ドとして小当りRUSHのモードBを設定する。この場合には、遊技制御装置100から
「モードB残り2回以上」又は「モードB残り1回」の遊技モードコマンド(後述)が送
信されるので、当該遊技モードコマンドに基づいてモードBを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードB(残り1回)において、特
図変動表示ゲームの結果が大当り(7回目の大当り)となった場合には、小当りRUSH
モードが終了することを報知する小当りRUSHの終了演出を第1特別遊技状態中に実行
し、当該第1特別遊技状態が終了すると演出モードとして通常モードを設定する。この場
合には、遊技制御装置100から「通常モード」の遊技モードコマンド(後述)が送信さ
れるので、当該遊技モードコマンドに基づいて通常モードを設定する。
【0557】
また、図54(b)及び図55(d)に示すように、初回大当りの当り図柄がリミッタ
回数3回に対応する図柄(3R確変図柄C1,C2,Dや3R通常図柄)である場合には
、初回大当り、すなわち1回目の大当りに基づく第1特別遊技状態(V入賞あり)が終了
すると、リミッタ回数が3回又は7回である場合に出現する小当りRUSHのモードAが
開始する。そして、大当り連続回数が3回に到達するまで当該モードAが継続し、3回目
の大当りに基づく第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開始する。また、大当り連
続回数が3回に到達するまでの間に第1特別遊技状態でV入賞しなかった場合には、その
V入賞しなかった第1特別遊技状態が終了すると通常モードが開始する。
【0558】
演出制御装置300は、初回大当りの当り図柄が3R確変図柄C1,C2,Dや3R通
常図柄である場合(すなわち、通常モードにおいて受信した飾り特図コマンド(ステップ
A508~A509、ステップA549~A550)に基づき当り図柄が3R確変図柄C
1,C2,Dや3R通常図柄であると判定した場合)であって、特定領域通過コマンド(
ステップA194~A195)を受信した場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格
演出(昇格失敗パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了
すると演出モードとして小当りRUSHのモードAを設定する。この場合には、遊技制御
装置100から「モードA残り2回以上且つモードB昇格なし」の遊技モードコマンド(
後述)が送信されるので、当該遊技モードコマンドに基づいてモードAを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードA(残り2回以上且つモード
B昇格なし)において、特図変動表示ゲームの結果が大当り(2回目の大当り)となって
特定領域通過コマンドを受信した場合には、小当りRUSHのモードBへの昇格演出(昇
格失敗パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1特別遊技状態が終了すると演
出モードとして小当りRUSHのモードAを設定する。この場合には、遊技制御装置10
0から「モードA残り1回」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当該遊技
モードコマンドに基づいてモードAを設定する。
そして、演出制御装置300は、小当りRUSHのモードA(残り1回)において、特
図変動表示ゲームの結果が大当り(3回目の大当り)となった場合には、小当りRUSH
のモードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)を第1特別遊技状態中に実行し、当該第1
特別遊技状態が終了すると演出モードとして通常モードを設定する。この場合には、遊技
制御装置100から「通常モード」の遊技モードコマンド(後述)が送信されるので、当
該遊技モードコマンドに基づいて通常モードを設定する。
【0559】
すなわち、演出モードが小当りRUSHのモードAである場合において特図変動表示ゲ
ームの結果が大当りとなり、当該大当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合には
、演出制御装置300は、モードBへの昇格演出(昇格成功パターン又は昇格失敗パター
ン)を実行する。
また、演出モードが小当りRUSHのモードBである場合において特図変動表示ゲーム
の結果が大当りとなり、当該大当りに基づく第1特別遊技状態でV入賞した場合には、演
出制御装置300は、モードBの継続演出(当該大当りが7回目の大当りである場合には
、小当りRUSHの終了演出)を実行する。
【0560】
図56(a)は、遊技モード情報と、遊技モードコマンド及び残り大当り回数コマンド
と、の関係の一例を示す図である。
遊技制御装置100は、大当り終了処理(図41)において、残り大当り回数領域、遊
技モード領域、及び遊技モード移行情報領域を更新(ここではクリアを含む)する処理(
ステップA706~A709、ステップA711~A713)を行った後に、遊技モード
領域に記憶されている遊技モード情報に対応する遊技モードコマンドを演出制御装置30
0に送信するための処理(ステップA714~A715)と、残り大当り回数領域に記憶
されている残り大当り回数に対応する残り大当り回数コマンドを演出制御装置300に送
信するための処理(ステップA716~A717)を行う。
【0561】
また、遊技制御装置100は、高確率変動回数更新処理(図32)において、特定遊技
状態T2に移行してから実行した特図変動表示ゲームの回数がST回数に到達したと判定
した場合(ステップA303;Y)に、残り大当り回数領域、遊技モード領域、及び遊技
モード移行情報領域をクリアする処理(ステップA308~A310)を行い、その後、
遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報に対応する遊技モードコマンドを演出制
御装置300に送信するための処理(ステップA315~A316)と、残り大当り回数
領域に記憶されている残り大当り回数に対応する残り大当り回数コマンドを演出制御装置
300に送信するための処理(ステップA317~A318)を行う。
さらに、遊技制御装置100は、停電復旧コマンド送信処理(図12)においても、遊
技モード領域に記憶されている遊技モード情報に対応する遊技モードコマンドを演出制御
装置300に送信するための処理(ステップX49c~X49d)と、残り大当り回数領
域に記憶されている残り大当り回数に対応する残り大当り回数コマンドを演出制御装置3
00に送信するための処理(ステップX49k~X49l)を行う。
【0562】
ここで、遊技制御装置100は、例えば図56(a)に示すように、遊技モード領域に
記憶されている遊技モード情報が「No.1 モードA(残り2回)」や「No.4 モ
ードA(残り6回)」である場合には、ステップA714やステップA315やステップ
X49cにおいて、遊技モードコマンドとして「モードA残り2回以上且つモードB昇格
なし」を準備する。
また、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「No.2 モードA(残り
1回)」である場合には、ステップA714やステップA315やステップX49cにお
いて、遊技モードコマンドとして「モードA残り1回」を準備する。
また、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「No.3 モードA(残り
6回)」や「No.5 モードA(残り5回)」である場合には、ステップA714やス
テップA315やステップX49cにおいて、遊技モードコマンドとして「モードA残り
2回以上且つモードB昇格あり」を準備する。
【0563】
また、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「No.6 モードB(残り
6回)」「No.7 モードB(残り5回)」「No.8 モードB(残り4回)」「N
o.9 モードB(残り3回)」「No.10 モードB(残り2回)」である場合には
、ステップA714やステップA315やステップX49cにおいて、遊技モードコマン
ドとして「モードB残り2回以上」を準備する。
また、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「No.11 モードB(残
り1回)」である場合には、ステップA714やステップA315やステップX49cに
おいて、遊技モードコマンドとして「モードB残り1回」を準備する。
また、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「通常モード(低確率)」で
ある場合には、ステップA714やステップA315やステップX49cにおいて、遊技
モードコマンドとして「通常モード」を準備する。
【0564】
すなわち、本実施形態では、各モードの分岐ポイント(モードBへの昇格時か否か、小
当りRUSHモードの終了時か否か)ごとに、遊技モードコマンドを分けている。このよ
うに、各モードの分岐ポイントごとに遊技モードコマンドを用意することで、演出制御装
置300は、モードBへの昇格演出や、小当りRUSHモードの終了演出等の、演出モー
ドの切り替えに関連する演出を適切に行うことが可能となる。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出モードが、遊技モードコマンドとし
て「モードA残り2回以上且つモードB昇格あり」を受信したことに基づき設定された小
当りRUSHのモードAである場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過
コマンドを受信した場合には、特定領域(V入賞口)へ遊技球が通過可能なV開放ラウン
ドよりも後のラウンド(本実施形態の場合、2ラウンド目以降)でモードBへの昇格演出
(昇格成功パターン)を実行する。
また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが、遊技モードコマンドとして「モ
ードA残り2回以上且つモードB昇格なし」を受信したことに基づき設定された小当りR
USHのモードAである場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマン
ドを受信した場合には、V開放ラウンドよりも後のラウンドでモードBへの昇格演出(昇
格失敗パターン)を実行する。
【0565】
また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが、遊技モードコマンドとして「モ
ードB残り2回以上」を受信したことに基づき設定された小当りRUSHのモードBであ
る場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信した場合には
、V開放ラウンドよりも後のラウンドでモードBの継続演出を実行する。
また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが小当りRUSHのモードAやモー
ドBである場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信しな
かった場合には、V開放ラウンドよりも後のラウンドでモードBへの昇格演出(昇格失敗
パターン)又は小当りRUSHの終了演出を実行する。
【0566】
また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが通常モードである場合において、
第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信するとともに、当り図柄が8R
確変図柄である場合には、V開放ラウンドよりも後のラウンドでモードBの確定演出を実
行する。あるいは、この場合には、モードBへの昇格演出(昇格成功パターン)を実行し
てもよい。
また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが通常モードである場合において、
第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信するとともに、当り図柄が8R
確変図柄以外の大当り図柄(3R確変図柄、3R通常図柄)である場合には、V開放ラウ
ンドよりも後のラウンドでモードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)を実行する。ある
いは、この場合には、小当りRUSHモードへ移行することを確定的に報知する小当りR
USHの確定演出を実行してもよい。
【0567】
また、本実施形態の遊技機10においては、停電復旧時にも、遊技制御装置100から
演出制御装置300へと遊技モードや残り大当り回数が通知される(ステップX49c~
X49d、ステップX49k~X49l)。これにより、バックアップ機能を備えない演
出制御装置300を各状態に正しく復帰させることが可能となる。すなわち、バックアッ
プ機能を備えない演出制御装置300を電断前の状態と同じ状態で復帰させることが可能
となり、演出も問題なく行うことができる。したがって、本実施形態のように、演出制御
装置300がバックアップ機能を備えない場合や、残り大当り回数ごとに遊技モード(演
出モード)や演出状態が異なる場合であっても、正しく停電復旧でき、遊技の興趣が向上
する。
【0568】
なお、本実施形態では、初回大当り時にリミッタ回数をセットし、大当り毎に-1減算
して、残り大当り回数を演出制御装置300に送信する減算方式を採用しているが、これ
に限られるものではなく、例えば、大当り毎に回数を+1加算して大当り連続回数として
演出制御装置300に送信する加算方式を採用することも可能である。しかし、加算方式
の場合、例えば「モードA(残り5回)」と「モードA(残り1回)」はどちらも「モー
ドA(2回)」というコマンドデータとなるため、演出制御装置300は、モードBへの
昇格時であるのか、あるいは小当りRUSHモードの終了時であるのかを把握できず、正
しく演出できない可能性がある。これに対し、本実施形態では、減算方式を採用して、残
り5回である(モードBへの昇格時である)のか、残り1回である(小当りRUSHモー
ドの終了時である)のかを正しく区別できるようにしているので、演出制御装置300は
それぞれ状態別の演出を問題なく行うことができる。
【0569】
また、遊技モード情報と遊技モードコマンド及び残り大当り回数コマンドとの関係は図
56(a)に示すものに限られず、例えば図56(b)に示すものであってもよい。図5
6(b)は、遊技モード情報と、遊技モードコマンド及び残り大当り回数コマンドと、の
関係の他の一例を示す図である。
具体的には、例えば図56(b)に示すように、遊技モードコマンドは「モードA」「
モードA(昇格時)」「モードB」「通常モード」の4種類であってもよい。この場合、
演出制御装置300は、例えば、演出モードが、遊技モードコマンドとして「モードA(
昇格時)」を受信したことに基づき設定された小当りRUSHのモードAである場合にお
いて、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信した場合に、モードBへ
の昇格演出(昇格成功パターン)を実行し、演出モードが、遊技モードコマンドとして「
モードA」を受信したことに基づき設定された小当りRUSHのモードAである場合にお
いて、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信した場合に、モードBへ
の昇格演出(昇格失敗パターン)を実行することが可能となる。また、演出制御装置30
0は、例えば、演出モードが、遊技モードコマンドとして「モードB」を受信したことに
基づき設定された小当りRUSHのモードBである場合において、第1特別遊技状態が発
生して特定領域通過コマンドを受信した場合に、モードBの継続演出を実行することが可
能となる。また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが小当りRUSHのモード
AやモードBである場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを
受信しなかった場合には、モードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)又は小当りRUS
Hの終了演出を実行することが可能となる。
【0570】
あるいは、遊技モード領域に記憶されている遊技モード情報が「No.3 モードA(
残り6回)」「No.5 モードA(残り5回)」である場合にも、遊技モードコマンド
として「モードA」を送信するようにして、遊技モードコマンドを「モードA」「モード
B」「通常モード」の3種類としてもよい。この場合、演出制御装置300は、例えば、
演出モードが、遊技モードコマンドとして「モードA」を受信するとともに残り大当り回
数コマンドとして「5回」を受信したことに基づき設定された小当りRUSHのモードA
である場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信した場合
に、モードBへの昇格演出(昇格成功パターン)を実行し、演出モードが、遊技モードコ
マンドとして「モードA」を受信するとともに残り大当り回数コマンドとして「5回」以
外を受信したことに基づき設定された小当りRUSHのモードAである場合において、第
1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信した場合に、モードBへの昇格演
出(昇格曖昧パターン)を実行することが可能となる。また、演出制御装置300は、例
えば、演出モードが、遊技モードコマンドとして「モードB」を受信したことに基づき設
定された小当りRUSHのモードBである場合において、第1特別遊技状態が発生して特
定領域通過コマンドを受信した場合に、モードBの継続演出を実行することが可能となる
。また、演出制御装置300は、例えば、演出モードが小当りRUSHのモードAやモー
ドBである場合において、第1特別遊技状態が発生して特定領域通過コマンドを受信しな
かった場合には、モードBへの昇格演出(昇格失敗パターン)又は小当りRUSHの終了
演出を実行する。
【0571】
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御
装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え
る遊技機であって、遊技制御手段は、リミッタ回数を設定可能な設定手段と(ステップA
517,A558)、始動条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、
当該ゲームの結果に基づいて通常遊技状態T1よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生
可能な第1発生手段と、所定条件が成立した場合(第1特別遊技状態でV入賞した場合)
に、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態T1よりも遊技者に有利な特定遊技状態T2
を発生可能な第2発生手段と、所定条件が連続して成立した回数(大当り連続回数、連チ
ャン回数)が、設定手段によって設定されているリミッタ回数に到達した場合に、通常遊
技状態T1を発生可能な第3発生手段と、設定手段によって設定されているリミッタ回数
に到達するまでの残り回数を記憶する第1記憶手段(残り大当り回数領域)と、第1記憶
手段に記憶されている残り回数を、所定条件の成立に基づき更新可能な第1更新手段(ス
テップA706)と、遊技状態(遊技モード情報)を記憶する第2記憶手段(遊技モード
領域)と、第2記憶手段に記憶されている遊技状態を、所定条件の成立に基づき更新可能
な第2更新手段(ステップA707~A708)と、停電の復旧に基づいて、第1記憶手
段に記憶されている残り回数に対応する残り回数情報(残り大当り回数コマンド)と、第
2記憶手段に記憶されている遊技状態に対応する遊技状態情報(遊技モードコマンド)と
、を演出制御手段へ送信可能な送信手段(ステップX49c~X49d、ステップX49
k~X49l)と、を備え、第1記憶手段及び第2記憶手段は、電源遮断時に記憶内容を
保持可能であり、設定手段が設定可能なリミッタ回数は、複数種類(本実施形態の場合、
3回と7回の2種類)あり、演出制御手段は、複数の演出モード(本実施形態の場合、通
常モードと小当りRUSHのモードAと小当りRUSHのモードB)の中から、送信手段
によって送信された残り回数情報及び遊技状態情報に対応する演出モードを設定可能であ
る。
【0572】
したがって、電源遮断時に記憶内容を保持可能な第1記憶手段に記憶されている残り回
数(大当り残り回数)と、電源遮断時に記憶内容を保持可能な第2記憶手段に記憶されて
いる遊技状態(遊技モード情報)と、が停電復旧時に遊技制御手段から演出制御手段に通
知されるので、演出制御手段は、バックアップ機能を備えていなくても、停電前の状態と
同じ状態で復帰することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態では、第1特別遊技状態でV入賞した場合に、所定条件が成立したと
判定して、当該第1特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態T2を発生するようにしたが
、所定条件は、これに限られるものではない。例えば、特図変動表示ゲームの結果が所定
の大当り結果(例えば確変大当り)となった場合に、所定条件が成立したと判定して、当
該大当り結果に基づく第1特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態T2を発生するように
してもよい。
【0573】
[表示装置]
図57は、表示装置41の変形例を説明する図である。
表示装置41は、液晶ディスプレイを備えて構成される液晶タイプの表示装置に限られ
るものではなく、例えば図57(a)に示すように、非液晶タイプの表示装置であっても
よい。
また、非液晶タイプの表示装置は、図57(a)に示すドットマトリクスLED表示器
を備えて構成される表示装置(以下「ドット」という)に限られるものではなく、例えば
、7セグメント表示器を複数(例えば3つ)備えて構成される表示装置であってもよいし
、外周面に飾り特別図柄が描かれたドラム(リール)を複数(例えば3つ)備えて構成さ
れる表示装置であってもよい。
【0574】
表示装置41が非液晶タイプの表示装置である場合であって、本実施形態のように、特
図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合には、演出制御
装置300は、例えば、メイン変動に対応する飾り特図変動表示ゲームを、表示装置41
と、第4図柄LED(ランプ表示装置48のランプ表示部1,2)と、で実行して、イレ
ギュラー変動に対応する飾り特図変動表示ゲームを、表示装置41では実行せずに、第4
図柄LEDのみで実行する。
すなわち、本実施形態では、表示装置41が非液晶タイプの表示装置である場合等、表
示装置41に飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを同時に表示できな
い場合(同時に表示しない方が好ましい場合(例えば同時に表示すると見難い場合))に
は、表示装置41に表示する飾り特図変動表示ゲームは、メイン変動に対応する飾り特図
変動表示ゲームのみとする。
【0575】
ランプ表示装置48は、飾り特図1変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示する第1
ランプ表示部48a(ランプ表示部1)と、飾り特図2変動表示ゲームを実行する第4図
柄を表示する第2ランプ表示部48b(ランプ表示部2)と、を少なくとも有する。そし
て、本実施形態においては、図2図57(a)に示すように、特図1変動表示ゲームの
開始条件を与える始動入賞口36が、特図2変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動
入賞装置37よりも左側に配置されているので、例えば図57(a)に示すように、飾り
図1変動表示ゲームを表示する第1ランプ表示部48aを、飾り特図2変動表示ゲーム
を表示する第2ランプ表示部48bよりも左側に配置する。
このように、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の位置関係と、第4図
柄LED(ランプ表示部48a,48b)の位置関係と、を揃えることで、遊技者は、第
4図柄LEDで実行されている飾り特図変動表示ゲームが、飾り特図1変動表示ゲームと
飾り特図2変動表示ゲームのどちらであるのかを直感的に把握することが可能となる。
【0576】
図7に示すように、本実施形態において、特図確率が低確率状態である場合(遊技状態
が通常遊技状態T1である場合)は、主始動領域は始動入賞口36であり、メイン変動は
図1変動表示ゲームである。よって、例えば図57(b)に示すように、演出制御装置
300は、特図確率が低確率状態である場合には、飾り特図1変動表示ゲームを、表示装
置41(例えばドット)と、ランプ表示装置48(第1ランプ表示部48a)と、で行い
、飾り特図2変動表示ゲームを、表示装置41では行わずに、ランプ表示装置48(第2
ランプ表示部48b)のみで行う。
また、本実施形態において、特図確率が高確率状態である場合(遊技状態が特定遊技状
態T2である場合)は、主始動領域は普通変動入賞装置37であり、メイン変動は特図2
変動表示ゲームである。よって、例えば図57(b)に示すように、演出制御装置300
は、特図確率が高確率状態である場合には、飾り特図2変動表示ゲームを、表示装置41
(例えばドット)と、ランプ表示装置48(第2ランプ表示部48b)と、で行い、飾り
図1変動表示ゲームを、表示装置41では行わずに、ランプ表示装置48(第1ランプ
表示部48a)のみで行う。
【0577】
図58及び図59に、表示装置41が非液晶タイプの表示装置である場合における、メ
イン変動とイレギュラー変動に関する表示の一例を説明するタイミングチャートを示す。
例えば図58に示すように、特図確率が高確率状態である場合に特図2変動表示ゲーム
が開始すると(t11)、高確率状態では特図2変動表示ゲームがメイン変動であるので
、演出制御装置300は、表示装置41(ここではドット)で第1~第3図柄(左図柄、
中図柄、右図柄)による飾り特図2変動表示ゲームを実行するとともに、ランプ表示装置
48で第4図柄による飾り特図2変動表示ゲームを実行する。すなわち、メイン変動の開
始に対応して、第1~第3図柄(ドット)の変動表示を開始するとともに、第4図柄(ラ
ンプ表示装置48)の変動表示を開始する。
【0578】
次いで、当該特図2変動表示ゲームの終了タイミングになると(t12)、演出制御装
置300は、第1~第3図柄(ドット)の変動表示を終了するとともに、第4図柄(ラン
プ表示装置48)の変動表示を終了する。
次いで、特図1変動表示ゲームが開始すると(t13)、演出制御装置300は、飾り
図1変動表示ゲームを開始する。高確率状態では特図1変動表示ゲームはイレギュラー
変動である。よって、ここでは、演出制御装置300は、第1~第3図柄(ドット)の変
動表示を開始せずに、第4図柄(ランプ表示装置48)の変動表示を開始する。すなわち
、第4図柄のみで飾り特図1変動表示ゲームを実行する。
【0579】
本実施形態では、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数が
2000回である。よって、図58に示すように、t13で開始した特図1変動表示ゲー
ムが、高確率状態に移行してから2000回転目の特図変動表示ゲームである場合には、
遊技制御装置100は、特図1普段処理(図28)において、高確率変動最終回コマンド
を演出制御装置300に送信するための処理(ステップA206~A207)を行い、そ
の後、特図1変動開始処理(ステップA208)を行って、高確率変動回数更新処理(ス
テップA209)を行う。そして、この高確率変動回数更新処理(図32)において、高
確率状態を終了するための処理(ステップA304~A318)、すなわち低確率状態を
開始するための処理を行う。したがって、当該特図1変動表示ゲームの開始に対応して高
確率状態が終了する。また、高確率変動最終回コマンド(ステップA206)によって、
高確率状態の終了が演出制御装置300に通知されるので、演出制御装置300は、表示
装置41(ドット)に表示する飾り特図変動表示ゲームを飾り特図2変動表示ゲームから
飾り特図1変動表示ゲームへ切り替えるタイミングを把握できる。これにより、例えば2
000回転目の特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの開始後に、表示
装置41(ドット)に表示する飾り特図変動表示ゲームが飾り特図2変動表示ゲームから
飾り特図1変動表示ゲームに切り替わる。
【0580】
次いで、t13で開始した特図1変動表示ゲームの実行中に、特図2変動表示ゲームが
開始すると(t14)、演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームを継続したま
ま、飾り特図2変動表示ゲームを開始する。低確率状態では特図2変動表示ゲームはイレ
ギュラー変動である。よって、ここでは、演出制御装置300は、第1~第3図柄(ドッ
ト)の変動表示を開始せずに、第4図柄(ランプ表示装置48)の変動表示を開始する。
すなわち、第4図柄のみで飾り特図2変動表示ゲームを実行する。
図58に示す例において、t13で開始した特図1変動表示ゲームは高確率状態での変
動であり、t14で開始した特図2変動表示ゲームは低確率状態での変動であるので、両
方ともイレギュラー変動である。よって、演出制御装置300は、t13で開始した特図
1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームも、t14で開始した特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームも、第4図柄のみで実行して、第1~第3図
柄では実行しない。
【0581】
また、例えば図59に示すように、特図確率が高確率状態である場合に特図1変動表示
ゲームが開始すると(t21)、高確率状態では特図1変動表示ゲームがイレギュラー変
動であるので、演出制御装置300は、表示装置41(ここではドット)で第1~第3図
柄(左図柄、中図柄、右図柄)による飾り特図1変動表示ゲームを実行せずに、ランプ表
示装置48で第4図柄による飾り特図1変動表示ゲームを実行する。すなわち、イレギュ
ラー変動の開始に対応して、第1~第3図柄(ドット)の変動表示を開始せずに、第4図
柄(ランプ表示装置48)の変動表示のみを開始する。
【0582】
次いで、当該特図1変動表示ゲームの終了タイミングになると(t22)、演出制御装
置300は、第4図柄(ランプ表示装置48)の変動表示を終了する。
次いで、特図2変動表示ゲームが開始すると(t23)、演出制御装置300は、飾り
図2変動表示ゲームを開始する。高確率状態では特図2変動表示ゲームはメイン変動で
ある。よって、ここでは、演出制御装置300は、第1~第3図柄(ドット)の変動表示
を開始するとともに、第4図柄(ランプ表示装置48)の変動表示を開始する。すなわち
、第1~第3図柄と、第4図柄と、で飾り特図2変動表示ゲームを実行する。
【0583】
本実施形態では、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数が
2000回である。よって、図59に示すように、t23で開始した特図2変動表示ゲー
ムが、高確率状態に移行してから2000回転目の特図変動表示ゲームである場合には、
遊技制御装置100は、特図2普段処理(図29)において、高確率変動最終回コマンド
を演出制御装置300に送信するための処理(ステップA226~A227)を行い、そ
の後、特図2変動開始処理(ステップA228)を行って、高確率変動回数更新処理(ス
テップA229)を行う。そして、この高確率変動回数更新処理(図32)において、高
確率状態を終了するための処理(ステップA304~A318)、すなわち低確率状態を
開始するための処理を行う。したがって、当該特図2変動表示ゲームの開始に対応して高
確率状態が終了する。また、高確率変動最終回コマンド(ステップA226)によって、
高確率状態の終了が演出制御装置300に通知されるので、演出制御装置300は、表示
装置41(ドット)に表示する飾り特図変動表示ゲームを飾り特図2変動表示ゲームから
飾り特図1変動表示ゲームへ切り替えるタイミングを把握できる。これにより、例えば2
000回転目の特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの開始後に、表示
装置41(ドット)に表示する飾り特図変動表示ゲームが飾り特図2変動表示ゲームから
飾り特図1変動表示ゲームに切り替わる。
【0584】
次いで、t23で開始した特図2変動表示ゲームの実行中に、特図1変動表示ゲームが
開始すると(t24)、演出制御装置300は、飾り特図2変動表示ゲームを継続したま
ま、飾り特図1変動表示ゲームを開始する。低確率状態では特図1変動表示ゲームはメイ
ン変動であるので、第1~第3図柄と、第4図柄と、の双方で飾り特図変動表示ゲームを
実行するための条件(条件の一部)を満たしているが、第1~第3図柄は変動表示中(飾
り特図2変動表示ゲームを実行中)である。よって、ここでは、演出制御装置300は、
例外的に、第4図柄のみで飾り特図1変動表示ゲームを実行する。
【0585】
図59に示す例において、t23で開始した特図2変動表示ゲームは高確率状態での変
動であり、t24で開始した特図1変動表示ゲームは低確率状態での変動であるので、両
方ともメイン変動である。しかし、t24は、t23で開始した特図2変動表示ゲームの
実行期間中のタイミングであるので、t24で開始した特図1変動表示ゲームに対応する
飾り特図変動表示ゲームを第1~第3図柄で実行すると、t23で開始した特図2変動表
示ゲームの途中で、第1~第3図柄による飾り特図変動表示ゲームが、飾り特図2変動表
示ゲームから飾り特図1変動表示ゲームに切り替わることとなり、違和感が生じる。した
がって、第1~第3図柄による飾り特図2変動表示ゲームと、第4図柄による飾り特図2
変動表示ゲームは、t23で開始した特図2変動表示ゲームが終了するまで継続し、t2
4で開始した特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームは、第4図柄のみ
で実行して、第1~第3図柄では実行しないこととする。
【0586】
すなわち、演出制御装置300は、開始する特図変動表示ゲームがメイン変動であると
いう条件Aと、第1~第3図柄(非液晶タイプの表示装置41)が変動表示中でないとい
う条件Bと、の双方を満たす場合に、当該開始する特図変動表示ゲームに対応する飾り特
図変動表示ゲームを、第4図柄で実行するとともに、第1~第3図柄で実行する。また、
条件A及び条件Bのうち少なくとも一方を満たさない場合には、当該開始する特図変動表
示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを、第4図柄のみで実行して、第1~第3図
柄では実行しない。
【0587】
このように、本実施形態では、表示装置41が非液晶タイプの表示装置である場合には
、第1~第3図柄による変動表示演出(例えばドット表示演出)は、先に変動していた飾
り特図変動表示ゲームを優先するようにしている。第1~第3図柄による変動表示演出の
内容(演出態様)を、先に変動していた飾り特図変動表示ゲームの実行中に開始する飾り
特図変動表示ゲームで上書きすると、第1~第3図柄による変動表示演出を正しく表示で
きない等の不都合が生じる可能性がある。これに対し、本実施形態のように、先に実行し
ていた飾り特図変動表示ゲームを優先することで、このような不都合を回避できるので、
演出制御を簡易化することが可能となり、開発効率が向上する。
また、第1~第3図柄による変動表示演出の内容(演出態様)を、先に変動していた飾
り特図変動表示ゲームの実行中に開始する飾り特図変動表示ゲームで上書きすると、遊技
者が戸惑ったり不信感を抱いたりする等の不都合が生じる可能性がある。これに対し、本
実施形態のように、先に実行していた飾り特図変動表示ゲームを優先することで、このよ
うな不都合を回避できるので、遊技者は気掛りなく自然に遊技できる。
【0588】
なお、本実施形態では、高確率最終変動(高確率状態に移行してから2000回転目の
特図変動表示ゲーム)の開始時に高確率変動最終回コマンドを演出制御装置300へ送信
するようにしたが、これに限られるものではない。高確率変動最終回コマンドの送信タイ
ミングは、低確率初回変動(低確率状態に移行して最初(1回転目)の特図変動表示ゲー
ム)に対応する飾り特図変動表示ゲームを開始する前のタイミングであれば適宜変更可能
であり、例えば、高確率最終変動の終了時に高確率変動最終回コマンドを演出制御装置3
00へ送信するようにしてもよい。あるいは、高確率変動最終回コマンドに代えて、低確
率変動初回コマンドを低確率初回変動の開始時に演出制御装置300へ送信するようにし
てもよい。
【0589】
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、始動条件の成立に基づきゲーム(特図変
動表示ゲーム)を実行可能な遊技機であって、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出
制御装置300)と、演出制御手段に制御されて遊技に関する表示を行う表示手段(表示
装置41)と、を備え、ゲームには、始動条件のうちの第1始動条件の成立に基づき実行
される第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と、始動条件のうちの第2始動条件の成立に
基づき実行される第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)と、があり、遊技状態に応じて、
第1ゲーム及び第2ゲームのうちの一方を主となるゲーム(メイン変動)として定めるこ
とが可能であり、演出制御手段は、主となるゲームに対応して識別図柄を変動表示する飾
りゲームを表示手段に表示可能である。
【0590】
したがって、第1ゲーム及び第2ゲームのうち、表示手段に表示される飾りゲームに対
応するゲームが主となるゲームであるので、第1ゲームと第2ゲームのいずれが主となる
ゲームであるのか認識容易となり、遊技の興趣が向上する。
また、主ではないゲーム(イレギュラー変動)に対応する飾りゲームは、表示手段に表
示されないので、主ではないゲームの実行を遊技者が選択しないように促すことができる

なお、メイン変動に対応する飾り特図変動表示ゲームを表示して、イレギュラー変動に
対応する飾り特図変動表示ゲームを表示しない表示手段(表示装置41)は、非液晶タイ
プの表示装置に限られるものではなく、液晶タイプの表示装置であってもよい。
【0591】
また、遊技制御手段は、遊技状態が切り替わることに対応して、所定コマンド(本実施
形態の場合、高確率変動最終回コマンド)を演出制御手段へ送信可能であり、演出制御手
段は、当該所定コマンドを受信したことに対応して、表示手段に表示する飾りゲームを、
第1ゲームに対応する飾りゲームである第1飾りゲームと、第2ゲームに対応する飾りゲ
ームである第2飾りゲームとの間で切り替え可能である。
したがって、遊技状態が切り替わって、主となるゲームが第1ゲームと第2ゲームとの
間で切り替わると、遊技制御手段からの指令に基づいて、表示手段に表示される飾りゲー
ムが第1飾りゲームと第2飾りゲームとの間で切り替わる。すなわち、遊技状態の切り替
わり時における表示手段の表示(主となるゲームに対応する飾りゲームの表示)を的確に
制御することが可能であるので、遊技状態の切り替わり時であっても、主となるゲームに
対応する飾りゲームを表示手段に確実に表示することが可能となる。
【0592】
なお、遊技状態が切り替わることに対応して遊技制御手段から演出制御手段へ送信され
る所定コマンドは、特定遊技状態T2に移行してから実行した特図変動表示ゲームの回数
がST回数に到達した場合に送信される高確率変動最終回コマンドに限られるものではな
く、例えば、前述した低確率変動初回コマンドであってもよい。
また、遊技状態が切り替わることに対応して遊技制御手段から演出制御手段へ送信され
る所定コマンドは、大当り連続回数がリミッタ回数に到達した場合に送信されるコマンド
(例えば、残り大当り回数が「0」であることを通知する残り大当り回数コマンド(ステ
ップA711,A716~A717)や、遊技モード情報が「通常モード(低確率)」で
あることを通知する遊技モードコマンド(ステップA712,A714~A715))で
あってもよい。すなわち、演出制御装置300は、大当り連続回数がリミッタ回数に到達
した場合に送信されるコマンドを受信したことに対応して、表示装置41に表示する飾り
特図変動表示ゲームを飾り特図2変動表示ゲームから飾り特図1変動表示ゲームへ切り替
えることが可能である。
また、遊技状態が切り替わることに対応して遊技制御手段から演出制御手段へ送信され
る所定コマンドは、特定領域通過コマンド(ステップA194)であってもよい。すなわ
ち、演出制御装置300は、特定領域通過コマンドを受信したことに対応して、表示装置
41に表示する飾り特図変動表示ゲームを飾り特図1変動表示ゲームから飾り特図2変動
表示ゲームへ切り替えることが可能である。
【0593】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲
内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれること
が明白である。例えば、時短状態を確変状態に置き換えることも可能である。例えば、複
数の実施形態や複数の変形例を種々に組合せることも可能である。また、例えば、本発明
をパチンコ機だけでなく他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもでき
る。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内
容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0594】
例えば、前述の実施形態をスロットマシンに適用する場合において、遊技に使用する遊
技媒体は、遊技球に代えてメダル(コイン)になり、賞球数はメダルの払い出し枚数に代
えられる。遊技媒体の使用数は、スロットマシンに投入した投入メダルの枚数である投入
メダル数となる。そして、スロットマシンでは、性能情報としての出玉率(ベース)は、
スロットマシンへのメダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率(%)となり、役物比
率は、所定期間に払い出したメダルの枚数のうち、各種ボーナスにより払い出した枚数の
比率(%)となる。
【符号の説明】
【0595】
10 遊技機
100 遊技制御装置(遊技制御手段)
300 演出制御装置(演出制御手段)
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