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特開2024-47487車載装置、車載装置の動作方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047487
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】車載装置、車載装置の動作方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240329BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G08G1/00 D
H04N7/18 J
H04N7/18 K
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153135
(22)【出願日】2022-09-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-10
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 翔太
(72)【発明者】
【氏名】三野 敦
(72)【発明者】
【氏名】村角 周樹
(72)【発明者】
【氏名】河野 貴
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕生
(72)【発明者】
【氏名】西島 康崇
【テーマコード(参考)】
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CD00
5C054FC12
5C054FE28
5C054GB02
5C054HA30
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC04
5H181DD07
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB02
5H181MC12
(57)【要約】
【課題】信号無視の誤検出を抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る車載装置は、制御部を備える。制御部は、画像に基づいて車両の信号無視を検出する。制御部は、画像から信号機を検出し、画像から、車両に対する信号機の相対位置の変化を算出し、相対位置の変化の算出結果と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する車両の信号無視の確度を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に基づいて車両の信号無視を検出する制御部を備え、
前記制御部は、
前記画像から信号機を検出し、
前記画像から、前記車両に対する前記信号機の相対位置の変化を算出し、
前記相対位置の変化の算出結果と、前記信号機の発光状態とに基づいて前記信号機に対する前記車両の信号無視の確度を判定する、車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、同じ高さの仮想平面上における前記信号機の相対位置の変化を算出する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記制御部は、
検出される前記信号機のアスペクト比を算出し、
前記相対位置の変化の算出結果と、前記信号機の発光状態と、前記アスペクト比とに基づいて前記確度を判定する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項4】
前記アスペクト比は、前記信号機の平均アスペクト比、前記信号機の最大アスペクト比、および、前記信号機の最小アスペクト比を含む、請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記車両の幅方向における加速度に基づいて前記車両の右左折を判定し、
前記車両の右左折中、前記信号無視を検出しない、請求項1に記載の車載装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記車両の右左折が終了した後、第1マスク時間の間、前記信号無視を検出しない、請求項5に記載の車載装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記車両の速度に応じて前記信号無視を検出しない、請求項1に記載の車載装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記車両の右左折が終了し、かつ、前記車両の速度が所定速度以上となった後、第2マスク時間の間、前記信号無視を検出しない、請求項5または6に記載の車載装置。
【請求項9】
画像に基づいて車両の信号無視を検出する車載装置の制御方法であって、
前記画像から信号機を検出する工程と、
前記画像から、前記車両に対する前記信号機の相対位置の変化を算出する工程と、
前記相対位置の変化の算出結果と、前記信号機の発光状態とに基づいて前記信号機に対する前記車両の信号無視の確度を算出する工程と
を有する車載装置の制御方法。
【請求項10】
画像に基づいて車両の信号無視を検出するプログラムであって、
前記画像から信号機を検出する手順と、
前記画像から、前記車両に対する前記信号機の相対位置の変化を算出する手順と、
前記相対位置の変化の算出結果と、前記信号機の発光状態とに基づいて前記信号機に対する前記車両の信号無視の確度を算出する手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、車載装置、車載装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば光ビーコンによる受信情報やカメラの撮像画像から検知される信号機の青や、黄、赤などの発光状態と、ブレーキなどの車両の操作状況とに基づいて、自車両が信号無視をしたか否かを判定する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-069051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術は、自車両が遵守する必要がない信号機、たとえば、自車両の進行方向に交差する方向の進行許可、および、停止指示を示す信号機を信号無視の対象となる信号機として認識するおそれがある。すなわち、従来の技術は、信号無視を誤検出するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、信号無視の誤検出を抑制する車載装置、車載装置の制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る車載装置は、制御部を備える。制御部は、画像に基づいて車両の信号無視を検出する。制御部は、画像から信号機を検出し、画像から、車両に対する信号機の相対位置の変化を算出し、相対位置の変化の算出結果と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する車両の信号無視の確度を判定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、信号無視の誤検出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る車載装置の制御方法を説明する図である。
図2図2は、実施形態に係るドライブレコーダの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、相対位置の変化の算出方法を説明する図である。
図4図4は、横型の信号機のBboxの一例を示す図である。
図5図5は、縦型の信号機のBboxの一例を示す図である。
図6図6は、車両が右折した場合の加速度の変化と、信号無視の判定のキャンセル期間との関係を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る信号無視検知処理の手順を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る信号無視判定処理を説明するフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る信号無視フラグの第1キャンセル処理を説明するフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る信号無視フラグの第2キャンセル処理を説明するフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る信号無視フラグの第3キャンセル処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る車載装置、車載装置の制御方法、およびプログラムについて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1を参照し、実施形態に係る車載装置1の制御方法について説明する。図1は、実施形態に係る車載装置1の制御方法を説明する図である。
【0011】
車載装置1は、車両Cに搭載されて車両Cの信号無視を判定し、信号無視を検出する装置である。車載装置1は、たとえば、ドライブレコーダである。以下では、ドライブレコーダ1が車載装置1の一例として説明される。なお、信号無視を検出する車載装置1は、ドライブレコーダ1に限られるものではない。信号無視を検出する車載装置1は、ドライブレコーダ1とは別の装置であってもよい。
【0012】
ドライブレコーダ1は、カメラ2(図2参照)によって撮影した画像から車両C(以下、「自車両C」と称する場合がある。)の信号無視を検出する。
【0013】
カメラ2によって撮影される信号機は、車両Cの信号無視の対象となる信号機(以下、「対象信号機」と称する。)と、車両Cの信号無視の対象とはならない信号機(以下、「非対象信号機」と称する。)とを含む。
【0014】
対象信号機は、自車両Cが遵守すべき信号機であり、自車両Cの進行方向の進行許可、および、停止指示を示す信号機である。非対象信号機は、自車両Cが遵守しなくてもよい信号機であり、自車両Cの進行方向の進行許可、および、停止指示を示さない信号機である。
【0015】
たとえば、対象信号機は、車両Cの正面側を向いた信号機であり、車両Cが直進している場合に自車両Cが通過する信号機である。対象信号機は、交差点を自車両Cが直進する場合に、自車両Cの正面側に設けられた信号機である。なお、自車両Cが信号機を通過するとは、自車両Cが信号機の下方を通過することを意味し、自車両Cが信号機の前方を通過することを含まない。
【0016】
たとえば、非対象信号機は、車両Cの側方側を向いた信号機であり、自車両Cが直進している場合に自車両Cが通過しない信号機を含む。非対象信号機は、交差点を自車両Cが直進する場合、自車両Cの側方側、すなわち、自車両Cの左右方向(幅方向)側に設けられた信号機である。非対象信号機は、自車両Cの進行方向に交差する方向に進行する他車両の進行許可、および、停止指示を示す信号機である。また、非対象信号機は、自車両Cが右折、または、左折する場合に自車両Cが通過する信号機を含む。すなわち、非対象信号機は、車両Cが右折、または、左折する場合に、右折、または、左折直後に、車両Cの正面側に位置する信号機を含む。以下において、右折、または、左折することを、「右左折」と称することがある。
【0017】
ドライブレコーダ1は、カメラ2によって撮影された画像から信号機を検出する(S1)。ドライブレコーダ1は、カメラ2によって撮影された画像から、車両Cに対する信号機の相対位置の変化(以下、これを「軌跡」という。)を算出する(S2)。
【0018】
信号機の軌跡は、車両Cに対し、信号機の相対的な位置の変化を示す軌跡である。信号機の軌跡は、同じ高さの仮想的な平面(以下、仮想平面)上における信号機の軌跡である。信号機の軌跡の算出方法は、後述する。
【0019】
ドライブレコーダ1は、信号機の軌跡の算出結果と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する信号無視の確度(信頼度)を判定する(S3)。信号無視の確度は、信号無視の可能性が高い「高」と、信号無視の可能性が低い「低」とを含む。なお、信号無視の確度は、これらに限られることはなく、数値(たとえば、0~100%)などで判定されてもよい。
【0020】
たとえば、車両Cが交差点を直進する場合(図1中、実線)、対象信号機は、車両Cの正面に位置する。そのため、信号機の軌跡が車両Cの正面側から車両Cに近づくような軌跡であり、かつ、赤信号の信号機を通過した場合、ドライブレコーダ1は、車両Cの正面側から車両Cに近づく信号機に対する信号無視の確度を「高」と判定する。
【0021】
車両Cが交差点を直進する場合(図1中、実線)、車両Cの側方側に位置する信号機は、非対象信号機である。そのため、信号機の軌跡が車両Cの側方側から車両Cに近づくような軌跡である場合、ドライブレコーダ1は、車両Cの側方側から車両Cに近づく信号機に対する信号無視の確度を「低」と判定する。
【0022】
車両Cが交差点を右左折する場合(図1中、破線)、車両Cの側方側から正面側に変化する信号機は、非対象信号機である。そのため、信号機の軌跡が、車両Cの側方側から正面側に変化する軌跡である場合、ドライブレコーダ1は、信号無視ではないと判定する。
【0023】
ドライブレコーダ1は、信号機の軌跡の算出結果と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する信号無視の確度を判定することで、信号機が対象信号機であるか、非対象信号機であるかを加味して信号無視を検出することができる。そのため、ドライブレコーダ1は、信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0024】
実施形態に係るドライブレコーダ1は、図2を参照し説明される。図2は、実施形態に係るドライブレコーダ1の構成例を示すブロック図である。
【0025】
ドライブレコーダ1は、カメラ2と、通信部3と、入力部4と、出力部5と、記憶部6と、制御部7とを備える。
【0026】
カメラ2は、車両Cの周囲を撮影する。カメラ2は、車両Cの前方を撮影する。カメラ2は、主撮像素子と、魚眼レンズなどのレンズを含む。
【0027】
通信部3は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。たとえば、通信部3はNIC(Network Interface Card)である。通信部3は、たとえば、データセンターとの間でデータ通信を行う。
【0028】
入力部4は、データの入力を受け付けるためのインタフェースである。たとえば、入力部4はボタン及びタッチパネル等の入力装置と接続される。
【0029】
また、入力部4はカメラ2と接続される。入力部4は、カメラ2によって撮影された画像(静止画像及び動画像)の入力を受け付ける。入力部4は、Gセンサ20と接続される。入力部4は、Gセンサ20から車両Cにかかる加速度のデータを受け付ける。
【0030】
加速度は、鉛直方向の軸を含む互いに直交する3つの軸で表される座標系における加速度を含む。Gセンサ20は、車両Cが水平面に置かれた場合に、鉛直方向とZ軸方向とが一致するように設けられる。座標系において、Y軸は、車両Cの前後方向に一致する。X軸は、車両Cの左右方向(幅方向)に一致する。
【0031】
また、入力部4は、車両Cの車速のデータを受け付ける。入力部4は、たとえば、車速センサ21から車速のデータを受け付ける。なお、車速は、GPS(Global Positioning System)からの信号に基づいて算出されてもよい。
【0032】
出力部5は、データを出力するためのインタフェースである。出力部5は、たとえば、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置と接続される。
【0033】
記憶部6は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。記憶部6は、制御部7によって実行される各種のプログラムを記憶する。記憶部6は、カメラ2によって取得された画像のデータを記憶する。記憶部6は、画像認識AIと、カメラパラメータとを記憶する。
【0034】
画像認識AIは、画像認識用のAI(Artificial Intelligence)モデルである。具体的には、画像認識AIは、機械学習のアルゴリズムを用いて学習されたDNN(Deep Neural Network)モデル等である。画像認識AIは、後述する画像認識部10にDNNモデルとして読み込まれた後、画像認識部10にカメラ2の撮像画像が入力された場合に、入力された画像に含まれる信号機を判別可能に設けられる。また、画像認識AIはさらに、信号機の発光状態を判別可能に設けられる。カメラパラメータの詳細については、後述する。
【0035】
制御部7は、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部6に記憶されている実施形態に係るプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部7は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0036】
制御部7は、画像認識部10と、軌跡算出部11と、アスペクト比算出部12と、信号無視判定部13とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、画像認識部10、軌跡算出部11、アスペクト比算出部12、および、信号無視判定部13の少なくとも2つは、統合されてもよい。画像認識部10、軌跡算出部11、アスペクト比算出部12、および、信号無視判定部13は、分割されてもよい。
【0037】
画像認識部10は、カメラ2によって撮像された画像を取得する。画像認識部10は、取得した画像を読み込んだ画像認識AIへ入力する。画像認識部10は、画像認識AIによって、信号機を検出する。また、画像認識部10は、画像認識AIによって、バウンディングボックス(以下、「Bbox」と称する。)を抽出する。Bboxは、信号機を含む矩形領域である。Bboxは、画像中の信号機の座標、および、信号機であることを示す確信度の情報を含む。
【0038】
なお、カメラ2は、動画像を撮像する。これに応じ、画像認識部10は、動画像の各フレームからBboxを抽出する。
【0039】
画像認識部10は、抽出されたBboxにIDを付与する。IDは、Bboxを区別するための識別子である。画像認識部10は、新たにBboxが抽出された場合、新たに抽出されたBboxにIDを付与する。画像認識部10は、前回フレームから抽出された信号機の座標から、予め設定された所定範囲内の座標の信号機のBboxに、前回フレームから抽出された信号機のBboxと同じIDを付与する。
【0040】
画像認識部10は、抽出されたBboxの画像における位置を補正する。また、画像認識部10は、確信度が予め設定された所定値よりも低いBboxを、信号無視の判定を行う信号機に関するBboxから除外する。
【0041】
画像認識部10は、Bboxのフレーム補間を行う。前回フレームによって抽出されたBboxが、今回フレームにおいて抽出されない場合、画像認識部10は、前々回フレームにおける信号機の座標、および、前回フレームにおける信号機の座標に基づいて、今回フレームにおける信号機の座標を補間する。
【0042】
画像認識部10は、信号機の発光状態を検出する。画像認識部10は、信号機の発光状態として、「青」、「黄」、「矢印」、または、「赤」を検出する。
【0043】
軌跡算出部11は、空間における高さが一定の仮想的な平面における信号機の軌跡を算出する。信号機の軌跡は、車両Cに対する相対的な位置の変化の軌跡である。
【0044】
軌跡算出部11による軌跡算出方法について、図3を参照し説明する。図3は、相対位置の変化(軌跡)の算出方法を説明する図である。
【0045】
軌跡算出部11は、車両Cから撮影した画像における信号機の位置を示す矩形領域211を基に、空間における高さが一定の仮想平面に車両Cの位置を投影した位置を示す仮想車両位置を算出する。軌跡算出部11は、仮想車両位置に対する、仮想平面における信号機の位置を算出し、信号機の位置の変化を、車両Cに対する信号機の軌跡情報として算出する。
【0046】
軌跡算出部11は、鉛直方向の軸を含む互いに直交する3つの軸で表される座標系において、鉛直方向の軸の座標値を固定することで得られる仮想平面における信号機の座標を、ワールド座標として算出する。
【0047】
図3に示すように、空間における位置は、x軸、y軸、z軸の座標値によって表される。x軸、y軸、z軸は互いに直交する。z軸は、鉛直方向の軸である。y軸は、図3における車両Cの進行方向と平行である。x軸は、z軸及びy軸と直交する。
【0048】
ここで、矩形領域の中心を距離算出点221とする。軌跡算出部11は、カメラパラメータを用いて画像201における距離算出点221の2次元の座標(カメラ座標)を、3次元のワールド座標に変換する。
【0049】
カメラパラメータは、カメラ内部パラメータ、および、カメラ外部パラメータを含む。カメラ内部パラメータは、ドットピッチ、焦点距離、ディストーション(仰角像高TBL)等を含む。カメラ外部パラメータは、カメラ2の撮影位置のx軸、y軸、z軸の座標値、および、カメラ2の姿勢を表す値(PAN,ROLL,TILT)を含む。
【0050】
また、カメラパラメータとは別のパラメータとして、軌跡算出部11は、あらかじめ指定された信号機の路面からの高さを参照する。信号機の高さは、たとえば5mから5.5mの範囲において指定される。
【0051】
ここで、あらかじめ指定された信号機の高さが5mであるものとする。この場合、仮想平面は、z軸の座標値を5mに固定した場合のxy平面である。
【0052】
これより、仮想平面は、鉛直方向の軸を含む互いに直交する3つの軸で表される座標系において、鉛直方向の軸の座標値を固定することで得られる仮想的な平面ということができる。
【0053】
軌跡算出部11は、仮想車両位置に対する信号機の位置を、時刻と対応付けて軌跡情報として記憶部6に格納する。仮想車両位置に対する信号機の位置は、xy平面上の座標、又はxyz空間上の座標(ただしz軸の座標値は固定値)によって表される。
【0054】
図2に戻り、アスペクト比算出部12は、信号機のアスペクト比を算出する。具体的には、アスペクト比算出部12は、画像認識部10によって抽出されたBboxのアスペクト比を算出する。アスペクト比は、Bboxの縦横の長さの比率である。アスペクト比は、Bboxの横方向(左右方向)の長さを、Bboxの縦方向(上下方向)の長さを除算することで算出される。アスペクト比算出部12は、同一IDのBboxのアスペクト比の平均値を算出する。アスペクト比算出部12は、同一IDのBboxの最大アスペクト比、および、最小アスペクト比を算出してもよい。
【0055】
信号無視判定部13は、軌跡情報と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する信号無視の確度を判定する。信号無視判定部13は、軌跡情報と、信号機の発光状態と、アスペクト比とに基づいて信号機に対する信号無視の確度を判定する。
【0056】
信号無視判定部13は、軌跡情報に基づいて、車両Cに対して信号機が、直進で近づいているか否かを判定する。信号無視判定部13は、車両Cが、予め設定された一定距離を移動する毎に軌跡情報に基づいて、車両Cの進行方向に対する信号機の角度を算出する。角度は、仮想平面においてz軸の正の方向から見たy軸に対する正負方向への角度である。
【0057】
そして、角度が、-10°以上、かつ、+10°以下である場合、信号無視判定部13は、信号機が車両Cに対して直進して近づいていると判定する。すなわち、信号無視判定部13は、車両Cが直進していると判定する。たとえば、角度が、-10°以上、かつ+10°以下である場合、信号無視判定部13は、直進接近に関する判定結果を示す変数の値を、直進を示す値(たとえば、「1」)に更新する。
【0058】
角度が、-100°以上、かつ、-10°未満である場合、または、角度が、+10°よりも大きく、かつ、+100°以下である場合、信号無視判定部13は、車両Cが右左折していると判定する。たとえば、角度が、-100°以上、かつ、-10°未満である場合、または、角度が、+10°よりも大きく、かつ、+100°以下である場合、信号無視判定部13は、変数の値を、右左折を示す値(たとえば、「0」)に更新する。
【0059】
角度が-100°未満、または、+100°よりも大きい場合、信号無視判定部13は、直進、および、右左折の判定を行わない。
【0060】
信号無視判定部13は、一定回数連続して同じ判定が続いた場合に変数を更新するようにしてもよい。たとえば、信号無視判定部13は、2回連続直進と判定した場合に変数の値を「1」に更新する。
【0061】
信号無視判定部13は、信号機の発光状態を判定する。信号無視判定部13は、車両Cの前方に設けられる検知範囲内の信号機について、発光状態を判定する。検知範囲は、予め設定される範囲である。検知範囲は、仮想平面上において、たとえば、矩形状に設定される。検知範囲は、y軸方向において、車両Cの前方の第1所定距離(たとえば、20m)以下の範囲を含む。検知範囲は、x軸方向において、車両Cの中心から正負方向にそれぞれ第2所定距離(たとえば、5.25m)以下までの範囲を含む。
【0062】
信号無視判定部13は、検知範囲内の信号機と、車両Cとの距離が、第3所定距離(たとえば、5m)未満となったか否かを判定する。信号機と車両Cとの距離は、仮想平面上における距離である。信号無視判定部13は、信号機の発光状態が「赤」であるか否かを判定する。
【0063】
信号無視判定部13は、検知範囲内の信号機と、車両Cとの距離が、第3所定距離となった場合の信号機の発光状態を、信号機の判定色として確定させる。たとえば、信号機と車両Cとの距離が第3所定距離未満となった時の信号機の色が「赤」である場合、信号無視判定部13は、信号機の判定色を「赤」として確定させる。信号機と車両Cとの距離が第3所定距離未満となった時の信号機の色が「青」である場合、信号無視判定部13は、信号機の判定色を「青」として確定させる。
【0064】
信号無視判定部13は、一定回数連続して、信号機の発光状態が同じ色である場合に最終的な信号機の発光状態の判定を確定させてもよい。たとえば、信号無視判定部13は、信号機と車両Cとの距離が第3所定距離未満となり、かつ、3回連続して「赤」と判定した場合に、信号機の判定色を「赤」に確定させる。
【0065】
信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比に基づいて車両Cに対する信号機の向きを判定する。Bboxのアスペクト比は、車両Cに対する信号機の向きに応じた傾向がある。
【0066】
たとえば、図4に示すように、横型の信号機のBboxは、横方向に長いBboxとして抽出される。そのため、アスペクト比は大きくなる。図4は、横型の信号機のBboxの一例を示す図である。図4において、車両Cの正面側を向いている横型の信号機のBbox(図4中、B1)を破線で示す。また、車両Cの側方側を向いている横型の信号機のBbox(図4中、B2)を一点鎖線で示す。
【0067】
横型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、横型の信号機のBboxは、横方向に長いBboxB1として抽出される。しかしながら、車両Cの側方側を向いている横型の信号機のBboxB2のアスペクト比は、車両Cの正面側を向いている横型の信号機のBboxB1のアスペクト比よりも小さい。
【0068】
たとえば、横型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、Bboxのアスペクト比は、第1所定アスペクト比以上となる。横型の信号機が車両Cの側方側を向いている場合、Bboxのアスペクト比は、第1所定アスペクト比未満となる。第1所定アスペクト比は、たとえば、シミュレーションなどによって算出される。
【0069】
シミュレーションなどでは、横型の信号機と車両Cとの前後方向の距離、および、横型の信号機と車両Cとの左右方向の距離が変更されて、横型の信号機のBboxのアスペクト比が算出される。そして、距離に対するBboxのアスペクト比の平均値が算出され、アスペクト比の平均値に基づいて第1所定アスペクト比が設定される。
【0070】
そのため、アスペクト比が第1所定アスペクト比以上であるBboxの信号機は、車両Cの正面側を向いた信号機であると判定することができる。
【0071】
また、図5に示すように、縦型の信号機のBboxは、縦方向に長いBboxとして抽出される。そのため、アスペクト比は小さくなる。図5は、縦型の信号機のBboxの一例を示す図である。図5において、車両Cの正面側を向いている縦型の信号機のBbox(図5中、B3)を破線で示す。また、車両Cの側方側を向いている縦型の信号機のBbox(図5中、B4)を一点鎖線で示す。
【0072】
縦型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、縦型の信号機のBboxは、縦方向に長いBboxB3として抽出される。しかしながら、車両Cの側方側を向いている縦型の信号機のBboxB4のアスペクト比は、車両Cの正面側を向いている縦型の信号機のBboxB3のアスペクト比よりも大きい。
【0073】
たとえば、縦型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、Bboxのアスペクト比は、第2所定アスペクト比以下となる。縦型の信号機が車両Cの側方側を向いている場合、Bboxのアスペクト比は、第2所定アスペクト比よりも大きくなる。第2所定アスペクト比は、たとえば、シミュレーションなどによって算出される。
【0074】
シミュレーションなどでは、縦型の信号機と車両Cとの前後方向の距離、および、縦型の信号機と車両Cとの左右方向の距離が変更されて、縦型の信号機のBboxのアスペクト比が算出される。そして、距離に対するBboxのアスペクト比の平均値が算出され、アスペクト比の平均値に基づいて第2所定アスペクト比が設定される。
【0075】
そのため、アスペクト比が第2所定アスペクト比以下であるBboxの信号機は、車両Cの正面側を向いた信号機であると判定することができる。
【0076】
信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比と、第1所定アスペクト比、および、第2所定アスペクト比とを比較する。なお、比較に用いられるBboxのアスペクト比は、アスペクト比算出部12によって算出された同一IDのBboxのアスペクト比の平均値である。信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比以上であるか否かを判定する。信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第2所定アスペクト比以下であるか否かを判定する。
【0077】
信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比以上である信号機を、車両Cの正面側を向いた信号機である可能性が高いと判定する。信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第2所定アスペクト比以下である信号機を、車両Cの正面側を向いた信号機である可能性が高いと判定する。すなわち、信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比以上である信号機、または、Bboxのアスペクト比が第2所定アスペクト比以下である信号機を、対象信号機であると判定する。
【0078】
信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト未満であり、かつ、第2所定アスペクト比よりも大きい信号機を、車両Cの側方側を向いた信号機である可能性が高いと判定する。すなわち、信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト未満であり、かつ、第2所定アスペクト比よりも大きい信号機を、対象信号機ではなない可能性があり、非対象信号機の可能性があると判定する。
【0079】
信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいており、仮想平面上において第3所定距離未満となった時の信号機の色が「赤」であり、かつ、車両Cの正面側を向いた信号機である可能性が高い場合、信号無視を検出する。信号無視判定部13は、信号無視フラグを「1」とし、信号無視の確度を「高」と判定する。すなわち、信号無視判定部13は、車両Cに直進で近づき、車両Cの正面側を向いている信号機を対象信号機と判定する。そして、信号無視判定部13は、「赤」の状態の対象信号機を車両Cが通過したと判定し、信号無視である角度が高いと判定する。
【0080】
信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいており、仮想平面上において第3所定距離未満となった時の信号機の色が「赤」であり、かつ、車両Cの側方側を向いた信号機である可能性が高い場合、信号無視を検出する。信号無視判定部13は、信号無視フラグを「1」とし、信号無視の確度を「低」と判定する。すなわち、信号無視判定部13は、信号機を、車両Cに直進で近づき、対象信号機ではない可能性がある信号機であると判定する。信号無視判定部13は、「赤」の状態の信号機を車両Cが通過したと判定するが、信号無視の確度が低いと判定する。
【0081】
信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいており、仮想平面上において第3所定距離未満となった時の信号機の色が「赤」以外である場合、信号無視を検出しない。信号無視判定部13は、信号無視フラグを「0」とする。なお、信号機の発光状態は、車両Cの進行を許可する矢印の発光状態を含む。車両Cの進行を許可する矢印に車両Cが進む場合、信号無視判定部13は、信号無視を検出しない。
【0082】
信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいていない場合、たとえば、車両Cが右左折している場合、信号無視を検出しない。すなわち、信号無視判定部13は、信号機を、右左折の直後にある非対象信号機として、信号無視の対象から除外する。
【0083】
また、信号無視判定部13は、Gセンサ20から入力された加速度に基づいて、車両Cが右左折しているか否かを判定する。以下における加速度は、車両Cの幅方向(左右方向)における加速度である。加速度の絶対値が予め設定された第1所定加速度以上となる回数が、予め設定された第1所定時間内において所定回数以上である場合、信号無視判定部13は、車両Cが右左折していると判定する。すなわち、信号無視判定部13は、車両Cが右左折中であると判定する。第1所定加速度、第1所定時間、および、所定回数は、車両Cの右左折を判定可能な値であり、シミュレーション、および、実験結果などによって設定される。
【0084】
信号無視判定部13は、Gセンサ20から入力される加速度に基づいて、車両Cが右左折していると判定した場合、信号無視の判定をキャンセルする。信号無視判定部13は、Gセンサ20から入力される加速度に基づいて、車両Cが右左折中であると判定した場合、信号無視を検出しない。信号無視フラグが「1」である場合、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「0」にする。
【0085】
また、信号無視判定部13は、Gセンサ20から入力された加速度に基づいて、車両Cの右左折が終了したか否かを判定する。信号無視判定部13は、加速度の絶対値が予め設定された第2所定加速度以下になると、車両Cの右左折が終了したと判定する。信号無視判定部13は、加速度の絶対値が、第2所定加速度よりも大きい状態から第2所定加速度以下に変化した場合に、車両Cの右左折が終了したと判定する。第2所定加速度は、車両Cの右左折が終了したと判定可能な値であり、シミュレーション、および、実験結果などによって設定される。第2所定加速度は、第1所定加速度と異なる値であってもよく、同じ値であってもよい。
【0086】
信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したと判定した場合、第1経過時間を計測する。信号無視判定部13は、第1経過時間が、第1マスク時間を経過するまで、信号無視を検出しない。第1マスク時間は、予め設定された時間である。第1マスク時間は、車両Cが右左折した後に、右左折の直後にある非対象信号機を通過するまでの時間である。第1マスク時間は、たとえば、3秒である。信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了した後、第1マスク時間の間に判定された信号無視の判定をキャンセルする。
【0087】
たとえば、図6に示すように、加速度が変化し、時間t1において、加速度の絶対値が、第1所定加速度以上となる回数が、第1所定時間内において所定回数以上になると、信号無視判定部13は、車両Cが右左折していると判定する。そのため、信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする。図6は、車両Cが右折した場合の加速度の変化と、信号無視の判定のキャンセル期間との関係を示す図である。
【0088】
また、時間t2において、加速度の絶対値が第2所定加速度以下になると、信号無視判定部13は、右折が終了したと判定する。そして、第1経過時間が第1マスク時間となる時間t3まで、信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする。従って、信号無視判定部13は、時間t1~時間t3までの間、信号無視の判定をキャンセルする。
【0089】
信号無視判定部13は、車速に基づいて、信号無視の判定をキャンセルする。信号無視判定部13は、車速が、予め設定された所定車速(たとえば、30km/h)以下である場合、信号無視の判定をキャンセルする。
【0090】
また、信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了した後に、車速が所定車速以上となったか否かを判定する。信号無視判定部13は、車速が所定車速以上になると、第2経過時間を計測する。第2経過時間が、第2マスク時間を経過するまで、信号無視を検出しない。すなわち、信号無視判定部13は、車速が所定車速以上になると、第2マスク時間の間、信号無視を検出しない。具体的には、信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする。第2マスク時間は、予め設定された時間である。第2マスク時間は、車両Cの右左折した後に、非対象信号機を通過するまでの時間である。第2マスク時間は、第1マスク時間と同じ時間であってもよく、異なる時間であってもよい。
【0091】
車両Cの右左折の終了は、加速度に基づいて判定される。そのため、たとえば、車両Cが右折する場合に、対向車の通過待ち、および、歩行者の通過待ちを行うために、車両Cが停止すると、加速度が第2所定加速度以下になり、車両Cの右折が終了したと判定される。この場合、車両Cが動き出して、実際に右折が終了した直後にある非対象信号が、対象信号と判定されて、信号無視が誤判定されるおそれがある。
【0092】
また、たとえば、車両Cの右折に対する非対象信号が、交差点から離れた位置に設けられている場合、加速度が第2所定加速度以下になり、車両Cの右折が終了したと判定されて第1マスク時間の経過後に、車両Cが非対象信号を通過することがある。この場合、右折が終了した直後にある非対象信号が、対象信号と判定されて、信号無視が誤判定されるおそれがある。
【0093】
そこで、信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了した後に車両Cが加速し、車速が所定車速以上になると、第2経過時間を計測し、第2経過時間が第2マスク時間を経過するまで、信号無視の判定をキャンセルする。これにより、信号無視判定部13は、信号無視の誤判定を抑制することができる。
【0094】
信号無視フラグが「1」であり、かつ、信号無視の確度が「高」である場合、信号無視判定部13は、車両Cのドライバーに信号無視を行った可能性が高いことを、報知する。たとえば、信号無視判定部13は、出力部5に信号無視の可能性が高いことを報知するための信号を出力する。これによって、信号無視を行った可能性が高いことが、ドライバーに報知される。たとえば、スピーカによる音声出力、および、ディスプレイによる表示によって、信号無視を行った可能性が高いことが、ドライバーに報知される。
【0095】
また、信号無視判定部13は、通信部3を介して外部のデータセンターに、信号無視が行われた可能性が高いデータを送信する。たとえば、信号無視判定部13は、信号無視が行われた可能性が高い画像を送信する。
【0096】
信号無視フラグが「1」であり、かつ、信号無視の確度が「低」である場合、信号無視判定部13は、通信部3を介して外部のデータセンターに、信号無視が行われた可能性があるデータを送信する。信号無視フラグが「1」であり、かつ、信号無視の確度が「低」である場合、信号無視判定部13は、ドライバーへの報知を行わない。
【0097】
信号無視フラグが「0」である場合、信号無視判定部13は、データセンターへの送信、および、ドライバーへの報知を行わない。
【0098】
次に、実施形態に係る信号無視検知処理における処理手順について図7を参照し説明する。図7は、実施形態に係る信号無視検知処理の手順を示す図である。
【0099】
まず、ステップS10において、前処理が行われる。前処理では、抽出されたBboxに対し、画像における位置補正が行われる。前処理では、確信度が低いBboxが除外される。
【0100】
前処理が行われると、ステップS11において、フレーム補間処理が行われる。フレーム補間処理が行われると、ステップS12において、信号機の軌跡算出処理が行われる。また、ステップS13において、信号機の発光状態の判定処理が行われる。
【0101】
そして、ステップS14において、信号無視判定処理が行われる。信号無視判定処理によって、信号無視フラグ、および、信号無視の確度が出力される。なお、信号無視フラグは、上記するように、加速度、および、車速に基づいて、キャンセルされることがある。
【0102】
次に、実施形態に係る信号無視判定処理について、図8のフローチャートを参照し説明する。図8は、実施形態に係る信号無視判定処理を説明するフローチャートである。
【0103】
信号無視判定部13は、車両Cの進行方向に対する信号機の角度を算出する(S100)。信号無視判定部13は、仮想平面上において、車両Cの進行方向に対する信号機の角度を算出する。
【0104】
信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいているか否か判定する(S101)。信号無視判定部13は、角度が-10°以上、かつ、+10°以下であるか否かを判定する。角度が-10°以上、かつ、+10°以下である場合、信号無視判定部13は、車両Cに対して信号機が直進で近づいていると判定する。
【0105】
車両Cに対して信号機が直進で近づいている場合(S101:Yes)、信号無視判定部13は、信号機と車両Cとの距離が、第3所定距離未満になったか否かを判定する(S102)。信号機と車両Cとの距離が、第3所定距離未満ではない場合(S102:No)、信号無視判定部13は、今回の処理を終了する。
【0106】
信号機と車両Cとの距離が、第3所定距離未満になった場合(S102:Yes)、信号無視判定部13は、信号機の発光状態が「赤」であるか否かを判定する(S103)。
【0107】
信号機の発光状態が「赤」である場合(S103:Yes)、信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比以上であるか否かを判定する(S104)。
【0108】
信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比未満である場合(S104:No)、Bboxのアスペクト比が第2所定アスペクト比以下であるか否かを判定する(S105)。
【0109】
Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比以上である場合(S104:Yes)、または、第2所定アスペクト比以下である場合(S105:Yes)、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「1」にし、信号無視の確度が「高」であると判定する(S106)。
【0110】
Bboxのアスペクト比が第1所定アスペクト比未満であり(S104:No)、かつ、第2所定アスペクト比よりも大きい場合(S105:No)、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「1」とし、信号無視の確度が「低」であると判定する(S107)。
【0111】
車両Cに対して信号機が直進で近づいていない場合(S101:No)、信号無視判定部13は、車両Cが右左折しているか否かを判定する(S108)。信号無視判定部13は、角度が-100°以上、かつ、-10°未満であるか、または、+10°よりも大きく、かつ、+100°以下であるか否かを判定する。角度が-100°以上、かつ、-10°未満である場合、または、+10°よりも大きく、かつ、+100°以下である場合、信号無視判定部13は、車両Cが右左折していると判定する。
【0112】
車両Cが右左折していない場合(S108:No)、信号無視判定部13は、今回の処理を終了する。
【0113】
信号機の発光状態が「赤」ではない場合(S103:No)、または、車両Cが右左折している場合(S108:Yes)、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「0」にする(S109)。
【0114】
次に、実施形態に係る信号無視フラグの第1キャンセル処理について、図9のフローチャートを参照し説明する。図9は、実施形態に係る信号無視フラグの第1キャンセル処理を説明するフローチャートである。
【0115】
信号無視判定部13は、加速度に基づいて車両Cが右左折しているか否かを判定する(S200)。加速度の絶対値が予め設定された第1所定加速度以上となる回数が、第1所定時間内において所定回数以上である場合、信号無視判定部13は、車両Cが右左折していると判定する。
【0116】
車両Cが右左折している場合(S200:Yes)、信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする(S201)。信号無視フラグが「1」の場合、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「0」にする。
【0117】
車両Cが右左折していない場合(S200:No)、信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したか否かを判定する(S202)。信号無視判定部13は、加速度の絶対値が第2所定加速度以下になったか否かを判定する。
【0118】
信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したと判定しない場合(S202:No)、すなわち、車両Cが直進している場合、今回の処理を終了する。
【0119】
信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したと判定した場合(S202:Yes)、第1経過時間を計測する(S203)。信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする(S204)。
【0120】
信号無視判定部13は、第1経過時間が第1マスク時間を経過したか否かを判定する(S205)。第1経過時間が第1マスク時間を経過していない場合(S205:No)、信号無視判定部13は、第1経過時間の計測を継続し(S203)、信号無視の判定をキャンセルする(S204)。すなわち、右左折の終了後、第1経過時間が経過するまで、信号無視フラグは「0」となり、信号無視は検出されない。
【0121】
第1経過時間が第1マスク時間を経過した場合(S205:Yes)、信号無視判定部13は、今回の処理を終了する。
【0122】
次に、実施形態に係る信号無視フラグの第2キャンセル処理について図10のフローチャートを参照し説明する。図10は、実施形態に係る信号無視フラグの第2キャンセル処理を説明するフローチャートである。
【0123】
信号無視判定部13は、車速が所定車速以下であるか否かを判定する(S300)。車速が所定車速以下である場合(S300:Yes)、信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする(S301)。信号無視フラグが「1」の場合、信号無視判定部13は、信号無視フラグを「0」にする。
【0124】
車速が所定車速よりも大きい場合(S300:No)、信号無視判定部13は、今回の処理を終了する。
【0125】
次に、実施形態に係る信号無視フラグの第3キャンセル処理について図11のフローチャートを参照し説明する。図11は、実施形態に係る信号無視フラグの第3キャンセル処理を説明するフローチャートである。
【0126】
信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したか否かを判定する(S400)。信号無視判定部13は、加速度に基づいて車両Cの右左折が終了したか否かを判定する。信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了していないと判定した場合(S400:No)、すなわち、車両Cが直進している場合、または、車両C右左折している場合、今回の処理を終了する。
【0127】
信号無視判定部13は、車両Cの右左折が終了したと判定した場合(S400:Yes)、車速が所定車速以上になったか否かを判定する(S401)。車速が所定車速未満である場合(S401:No)、信号無視判定部13は、車速が所定車速以上となるまで、ステップS401の処理を繰り返す。
【0128】
車速が所定車速以上になった場合(S401:Yes)、信号無視判定部13は、第2経過時間を計測する(S402)。信号無視判定部13は、信号無視の判定をキャンセルする(S403)。
【0129】
信号無視判定部13は、第2経過時間が第2マスク時間を経過したか否かを判定する(S404)。第2経過時間が第2マスク時間を経過していない場合(S404:No)、信号無視判定部13は、第2経過時間の計測を継続し(S402)、信号無視の判定をキャンセルする(S403)。
【0130】
第2経過時間が第2マスク時間を経過した場合(S404:Yes)、信号無視判定部13は、今回の処理を終了する。
【0131】
ドライブレコーダ1は、制御部7を備える。制御部7は、画像に基づいて車両Cの信号無視を検出する。制御部7は、画像から信号機を検出し、画像から、車両Cに対する信号機の軌跡を算出し、信号機の軌跡の算出結果と、信号機の発光状態とに基づいて信号機に対する車両の信号無視の確度を判定する。
【0132】
これにより、ドライブレコーダ1は、車両Cに対する信号機の軌跡を用いて、信号無視の確度を判定することによって、信号無視の誤検出を抑制することができる。たとえば、ドライブレコーダ1は、対象信号機ではない可能性がある信号機に対する信号無視の確度を低く判定することによって、信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0133】
制御部7は、同じ高さの仮想平面上における信号機の軌跡を算出する。これにより、ドライブレコーダ1は、車両Cに対する信号機の位置の検出精度を向上させることができる。そのため、ドライブレコーダ1は、信号無視の検出精度を向上させることができる。
【0134】
制御部7は、信号機のBboxのアスペクト比を算出し、信号機の軌跡の算出結果と、信号機の発光状態と、アスペクト比とに基づいて信号無視の確度を判定する。
【0135】
これにより、ドライブレコーダ1は、信号機の向きに応じて変化するBboxのアスペクト比に基づいて、信号無視の確度を判定することによって、対象信号機ではない可能性が高い信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0136】
制御部7は、車両Cの幅方向における加速度に基づいて車両Cの右左折を判定し、車両Cの右左折中、信号無視を検出しない。
【0137】
これにより、ドライブレコーダ1は、車両Cの右左折中に検出される非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。ドライブレコーダ1は、カメラ2によって撮影される画像以外のデータに基づいて車両Cの右左折を判定することによって、信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0138】
制御部7は、車両Cの右左折が終了した後、第1マスク時間の間、信号無視を検出しない。
【0139】
これにより、ドライブレコーダ1は、車両Cが右左折した直後に通過する非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。たとえば、ドライブレコーダ1は、車両Cが右左折する際の非対象信号機が、車両Cが右左折する交差点から離れた位置に設置されている場合に、非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0140】
制御部7は、車両Cの速度に応じて、信号無視を検出しない。たとえば、制御部7は、車両Cの速度が所定車速(30km/h)以下であり、かつ、信号無視フラグが「1」として判定された場合、信号無視フラグをキャンセルし、「0」にする。
【0141】
これにより、ドライブレコーダ1は、カメラ2によって撮影される画像以外のデータに基づいて信号無視を判定し、たとえば、信号無視フラグをキャンセルすることができる。
【0142】
制御部7は、車両Cの右左折の終了し、かつ、車両Cの速度が所定速度以上となった後、第2マスク時間の間、信号無視を検出しない。
【0143】
これにより、ドライブレコーダ1は、車両Cが右左折した直後に通過する非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。たとえば、ドライブレコーダ1は、車両Cが右左折する際の非対象信号機が、車両Cが右左折する交差点から離れた位置に設置されている場合に、非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。また、たとえば、車両Cが右左折時に、対向車の通過などによって停止した場合であっても、ドライブレコーダ1は、車両Cが右左折した直後に通過する非対象信号機に対する信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0144】
変形例に係るドライブレコーダ1は、Bboxの最大アスペクト比、およびBboxの最小アスペクト比を用いて、信号機の向きを判定してもよい。Bboxの最大アスペクト比、およびBboxの最小アスペクト比を用いて、信号機の向きを判定することで、信号機の向きをより正確に判定することができる。たとえば、縦型の信号機では、Bboxの平均アスペクト比のみを用いて、信号機の向きが判定される場合、信号機の向きを正確に判定できない場合がある。
【0145】
縦型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、たとえば、縦型の信号機のBboxのアスペクト比は、所定最大アスペクト比以下である。また、縦型の信号機が車両Cの側方側を向いている場合、たとえば、縦型の信号機のBboxの最大アスペクト比は、所定最大アスペクト比よりも大きい。
【0146】
さらに、縦型の信号機が車両Cの正面側を向いている場合、たとえば、縦型の信号機のBboxの最小アスペクト比は、所定最小アスペクト比以下である。また、縦型の信号機が車両Cの側方側を向いている場合、縦型の信号機のBboxの最小アスペクト比は、所定最小アスペクト比よりも大きい。
【0147】
そのため、ドライブレコーダ1の信号無視判定部13は、Bboxのアスペクト比が第2所定アスペクト比以下であり、最大アスペクト比が所定最大アスペクト比以下であり、かつ、最小アスペクト比が所定最小アスペクト比以下である信号機を、車両Cの正面側を向いた信号機である可能性が高いと判定してもよい。
【0148】
信号無視の確度を判定する際に用いられるBboxのアスペクト比は、Bboxの平均アスペクト比、Bboxの最大アスペクト比、および、Bboxの最小アスペクト比を含む。
【0149】
これにより、変形例に係るドライブレコーダ1は、縦型の信号機の向きを正確に判定することができる。そのため、変形例に係るドライブレコーダ1は、信号無視の確度を正確に判定することができ、信号無視の誤検出を抑制することができる。
【0150】
なお、信号無視判定部13は、最大アスペクト比、および、最小アスペクト比のいずれか一方と、アスペクト比の平均値とを用いて、信号機の向きを判定してもよい。
【0151】
変形例に係るドライブレコーダ1は、発光状態が「青」の信号機を通過した後、予め設定された第2所定時間内に通過した発光状態が「赤」の信号機に対する信号無視の確度を「低」と判定する。これにより、発光状態が「青」の信号機を通過した後、第2所定時間内に通過した発光状態が「赤」の信号機に対する信号無視について、変形例に係るドライブレコーダ1は、ドライバーに報知せず、データセンターに送信する。
【0152】
上記信号無視の検出は、たとえば、サーバ装置などによって行われてもよい。たとえば、ドライブレコーダ1によって取得された画像が、通信部3を介してサーバ装置に送信されて、サーバ装置によって、上記信号無視の検出が行われてもよい。サーバ装置は、たとえば、信号無視などの検出を行うセンターに設けられる。
【0153】
ドライブレコーダ1に実行させるプログラムは、インストール可能な形式、または、実行可能なファイルデータによってCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、ドライブレコーダ1に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0154】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0155】
1 ドライブレコーダ(車載装置)
2 カメラ
6 記憶部
7 制御部
10 画像認識部
11 軌跡算出部
12 アスペクト比算出部
13 信号無視判定部
20 Gセンサ
21 車速センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外画像を構成し経時変化する複数画像のそれぞれについて、画像に映った信号機を検出し、前記信号機の自車両からの相対位置及び前記信号機のアスペクト比を算出し、
前記信号機について、前記相対位置と前記アスペクト比の経時変化と、前記信号機の発色状態に基づき、検出した前記信号機が自車両の対象信号機か否かを判定し、前記対象信号機について前記自車両の信号無視の確度を算出する
制御部を有する、車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、同じ高さの仮想平面上における前記信号機の相対位置の変化を算出する、請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記アスペクト比は、前記信号機の平均アスペクト比、前記信号機の最大アスペクト比、および、前記信号機の最小アスペクト比を含む、請求項に記載の車載装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記自車両の幅方向における加速度に基づいて前記自車両の右左折を判定し、
前記自車両の右左折中、前記信号無視を検出しない、請求項1に記載の車載装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記自車両の右左折が終了した後、第1マスク時間の間、前記信号無視を検出しない、請求項に記載の車載装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記自車両所定速度以下の場合、前記信号無視を検出しない、請求項1に記載の車載装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記自車両の右左折が終了し、かつ、前記自車両の速度が所定速度以上となった後、第2マスク時間の間、前記信号無視を検出しない、請求項またはに記載の車載装置。
【請求項8】
車外画像を構成し経時変化する複数画像のそれぞれについて、画像に映った信号機を検出し、前記信号機の自車両からの相対位置及び前記信号機のアスペクト比を算出し、
前記信号機について、前記相対位置と前記アスペクト比の経時変化と、前記信号機の発色状態に基づき、検出した前記信号機が自車両の対象信号機か否かを判定し、前記対象信号機について前記自車両の信号無視の確度を算出する、車載装置の動作方法。
【請求項9】
車外画像を構成し経時変化する複数画像のそれぞれについて、画像に映った信号機を検出し、前記信号機の自車両からの相対位置及び前記信号機のアスペクト比を算出する手順と、
前記信号機について、前記相対位置と前記アスペクト比の経時変化と、前記信号機の発色状態に基づき、検出した前記信号機が自車両の対象信号機か否かを判定し、前記対象信号機について前記自車両の信号無視の確度を算出する手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
開示の実施形態は、車載装置、車載装置の動作方法、およびプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、信号無視の誤検出を抑制する車載装置、車載装置の動作方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
図2に戻り、アスペクト比算出部12は、信号機のアスペクト比を算出する。具体的には、アスペクト比算出部12は、画像認識部10によって抽出されたBboxのアスペクト比を算出する。アスペクト比は、Bboxの縦横の長さの比率である。アスペクト比は、Bboxの横方向(左右方向)の長さを、Bboxの縦方向(上下方向)の長さ除算することで算出される。アスペクト比算出部12は、同一IDのBboxのアスペクト比の平均値を算出する。アスペクト比算出部12は、同一IDのBboxの最大アスペクト比、および、最小アスペクト比を算出してもよい。