(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047503
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】着脱可能な袖を有する寝衣
(51)【国際特許分類】
A41D 13/12 20060101AFI20240329BHJP
A41D 13/08 20060101ALI20240329BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20240329BHJP
A41D 10/00 20060101ALI20240329BHJP
A41D 27/10 20060101ALI20240329BHJP
A41D 27/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A41D13/12 145
A41D13/08
A41D19/00 Z
A41D10/00 D
A41D10/00 H
A41D27/10 D
A41D27/10 F
A41D27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022165047
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】522401132
【氏名又は名称】滝野 嘉子
(72)【発明者】
【氏名】滝野 嘉子
【テーマコード(参考)】
3B011
3B033
3B035
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB08
3B011AC22
3B033AA11
3B033AB09
3B035AA05
3B035AA10
3B035AB07
3B035AB11
3B211AA01
3B211AB08
3B211AC22
(57)【要約】
【課題】点滴自己抜去予防を目的とする点滴部位が露出されない事に特化した着脱可能な袖を有する寝衣を提供する。
【解決手段】グローブ型手袋と寝衣の袖口が固定できるように、袖口の親指部分に穴加工と手首部分に固定用のファスナーを設け、また袖の肩部分には点滴ルートが出せるファスナー加工を設け、点滴実施の際は手袋を着用した上で点滴のルートを袖の中を通し肩部分のファスナーから出すことで、寝衣の袖口が捲り上がり、点滴の刺入部及び点滴ルートが露出してしまう事を防止することを特徴とする着脱可能な袖を有する寝衣。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローブ型手袋と寝衣の袖口が固定できるように、袖口の親指部分に穴加工と手首部分に固定用のファスナーを設け、また袖の肩部分には点滴ルートが出せるファスナー加工を設け、点滴実施の際は手袋を着用した上で点滴のルートを袖の中を通し肩部分のファスナーから出すことで、寝衣の袖口が捲り上がり、点滴の刺入部及び点滴ルートが露出してしまう事を防止することを特徴とする着脱可能な袖を有する寝衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点滴自己抜去予防を目的とする点滴部位が露出されない事に特化した着脱可能な袖を有する寝衣に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、認知症やせん妄症状がある患者に対する点滴自己抜去予防においては抑制ミトンや抑制帯が選択されることが多く、点滴自己抜去予防ではないが皮膚保護用ミトン型手袋一体の袖加工はあった。(特許文献1参照)
しかし、ミトン型の手袋は身体拘束に当たり、身体拘束はせん妄症状の助長に繋がる可能性がある点や介護保険制度においては身体拘束やその他行動を制限する行為は禁止されている為、点滴自己抜去予防に対する介入においては効果的でない。
また、点滴用の衣服に関しては着脱を容易にするためのもの(特許文献2参照)や点滴時に容易に捲り上げることができるもの(特許文献3参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第30055631号公報
【特許文献2】特開2021-179061号公報
【特許文献3】特開2006-219803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
(イ)行動を制限せずに点滴を安全に実施するための介入の選択肢が少ない。
(ロ)袖が捲り上がり、点滴部位が露出されることは自己抜去のリスク増強につながる。
(ハ)点滴刺入部及び点滴ルートが露出されない事に特化した、点滴自己抜去予防の製品がない。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
グローブ型手袋と寝衣の袖口が固定できるように、袖口の親指部分に穴加工と手首部分に固定用のファスナーを設け、袖の肩部分には点滴ルートが出せるファスナー加工を設ける。
点滴実施の際は手袋を着用した上で点滴のルートを袖の中を通し肩部分のファスナーから出すことで、寝衣の袖口が捲り上がり、点滴の刺入部及び点滴ルートが露出してしまう事を防止する。
本発明は、以上を特徴とする着脱可能な袖を有する寝衣である。
【発明の効果】
【0006】
点滴を実施する際に寝衣の袖口に重ねて手袋を着用し固定することで、寝衣の袖が捲り上がり点滴の刺入部が露出することを防ぐことができる。また、点滴ルートを袖の中に通し肩部分より出すことで、患者から刺入部及び点滴ルートの見える部分が最小限になり点滴自己抜去予防になる。
手袋部分はミトン型でなく、指先まで自由に使えるので患者の行動を制限することがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の袖口部分を切り欠いた正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
(イ)寝衣の袖(1)は手の甲まで被える長さにする。
(ロ)寝衣の袖口(2)に親指が出る指穴加工(3)を設け、手首部分には手袋を固定するファスナー(4)を設ける。
(ハ)寝衣とは別に指先がカットされたグローブ型の手袋(5)を設け、着用した際に固定できるように手袋の手首部分にファスナー(4)を設ける。手袋(5)は指先がカットされたグローブ型の手袋の為、患者の行動を制限することがない。
(ニ)点滴を実施する際は、袖口(2)に重ね手袋(5)を着用し手首部分のファスナー(4)で固定する事で袖口が捲り上がることを防ぐ。
(ホ)身ごろ(7)の首元から肩部にかけて袖方向にファスナー(6)を設け、点滴実施の際は点滴ルートを袖の中を通しファスナー(6)部分より出せるようにする。
本発明は以上のような構成である。
本発明を使用するときは、点滴開始後に袖口(2)の穴部分(3)に親指を引っ掛け、その上に重ねるように手袋(5)を着用し寝衣と手袋(5)を手首部分でファスナー(4)にて固定する。
図2に示すように、親指用指穴(3)に親指を引っ掛けてから手袋(5)を着用することで、手袋内で寝衣の袖口がずれてしまうのを防いでいる。また、
図3が示すように、点滴ルートは袖の中に通し肩部分のファスナー(6)より出すことで、患者から刺入部及び点滴ルートの見える部分が最小限になり点滴自己抜去予防になる。点滴を実施していない時は手袋部分(5)のみを外し通常の寝衣として使用できる。寝衣(7)に種類はパジャマでも、病衣でも、介護衣でも、介護用つなぎでも良い。寝衣やファスナーなどの素材も問わない。
【符号の説明】
【0009】
A 要部
1(1‘)袖全体部分
2(2‘)袖口
3(3‘)親指用指穴
4(4‘)手袋固定用ファスナー
5(5‘)指先カット手袋
6(6‘)点滴ルート出口用ファスナー
7 身ごろ