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▶ 植田 眞弘の特許一覧

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  • 特開-計量カップ付き肥料袋 図1
  • 特開-計量カップ付き肥料袋 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047505
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】計量カップ付き肥料袋
(51)【国際特許分類】
   A01C 15/02 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A01C15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022165050
(22)【出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000189958
【氏名又は名称】植田 眞弘
(72)【発明者】
【氏名】植田 眞弘
【テーマコード(参考)】
2B052
【Fターム(参考)】
2B052EA04
2B052EA12
(57)【要約】
【課題】市販の肥料袋に入っている粒状肥料を野菜畑に施肥する場合、規定量を量るための秤が手近にないのでどのようにして必要量を得ればよいのかとまどう。キッチンスケールを利用して計量すればよいが、食品を量る秤で肥料を量るのは衛生上好ましくなくやりたくない。手づかみでごく大雑把に量ることもできるが、あまりにも誤差が大きくなりやすくこれも納得しがたい。これらに代わる良いアイデアはないものかを検討してみたい。
【解決手段】四辺形の肥料袋の1辺の延長上に連接して目盛付きの計量カップを印刷し、施肥にあたり計量カップを切り離して肥料計量カップとして使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏2面からなる粒状肥料を入れる四辺形の肥料袋の1辺の延長上に連接して目盛付きの計量カップを1個または複数個印刷し、当該1辺および複数個の計量カップごとの境界線で切り離すことにより計量カップを必要個数得ることができる特徴を有する計量カップ付き肥料袋。
【請求項2】
肥料袋に連接する計量カップの材質は透明または半透明、あるいは脱色により透明または半透明にすることが可能な素材を用いることを特徴とする請求項1記載の計量カップ付き肥料袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状肥料入りの肥料袋に付属する計量カップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販されている粒状肥料が入っている袋には、袋の表面に肥料の特徴を表わす名称が、裏面には当該肥料の使用方法や野菜や草花ごとに異なる施肥量が単位面積当たりの重量として表示されているのが一般的である。しかし、野菜などの栽培に不慣れな人にとってはそこに示されている重量がどのくらいの量なのか、どうしたら指定重量を得ることができるのかがわからない。もちろん、秤を持ってきて量れば可能であるが、一般の家庭では10グラムくらいの小単位で量ることができる秤は、あったとしてもキッチンスケールくらいしかない。かといって肥料を量るのに食品を量るキッチンスケールを利用するのは衛生的な観点から気が引ける。仕方がないから手づかみでごく大雑把な量り方で済ませてしまうことが普通である。
【0003】
ところが、上記のように大雑把な量り方では人によって、あるいは時と場所によって量る量はまちまちとなり、たとえその人のやり方で概算量を施肥できたとしても、植物にとって最適の施肥量になっているかどうかはわからない。野菜は与える肥料の量が少なすぎれば生長に結び付かないし、多すぎれば枯れるなどの弊害が生ずるといわれ、専業農家の人たちが経験上適量をわかって施肥するのと、野菜栽培の素人である人たちが趣味・実益を兼ねて勘で施肥するのとでは自ずと大きな違いが出てしまうので、正しい施肥量を守ることには大きな意味がある。
【先行技術文献】
【特許文献1】特開2007-326748号公報
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施肥量の基準は肥料袋などに表示されてはいるものの、その基準をしっかり守っている人は皆無といってもよく、多くの人は勘に頼って施肥しているのが通常である。本発明は、農作業を専門にやっている人でも、趣味で農業を楽しんでいる人でも、人を選ばずにいつだれがやっても同じ基準で肥料の適量を農作物に施肥できるようになることを目指したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために請求項1に記載のアイデアは、表裏2面からなる粒状肥料を入れる四辺形の肥料袋の1辺の延長上に連接して目盛付きの計量カップを1個または複数個印刷し、当該1辺および複数個の計量カップごとの境界線で切り離すことにより計量カップを必要個数得ることができるものである。
【0007】
本発明が目指すところは、肥料を施肥するために菜園に行く場合、購入した肥料袋を持って行きさえすれば肥料の重量を量る手段を心配しなくてもよく、肥料袋に付属した計量カップでいつでも適量の肥料を量ることができる点にある。肥料袋は、例えば5kg入りのA社が販売している粒状肥料袋を例にとってみると、肥料部分のサイズは縦約38cm、横約28cmであるが、ここに肥料袋の縦方向に計量カップの幅約10cmの計量カップを連接させて周囲を接着すれば、表裏2面を有する縦28cm、横10cmの細長い密封の袋が形成される。これを中央で2個にカットすることにより、縦14cm、横10cmの200g入り計量カップ2個を作ることができる。
【0008】
計量カップを中央で2個にカットした場合、2個出来上がる計量カップは上部が口を開いた肥料投入口になるので、両計量カップに印刷する文字は肥料袋投入口に向かって文字が読めるよう、お互いに逆方向に印刷する必要がある。例えば計量カップを4個同時に印刷する場合にも同じことが言える。
【0009】
請求項2に記載するアイデアは、肥料袋に連接する計量カップの材質は透明または半透明、あるいは脱色により透明または半透明にすることが可能な素材を用いるようにしたものである。
【0010】
計量カップには50gから200gまで50gごとに目盛を刻んでおき、それを使って粒状肥料の目方を量るのであるが、肥料袋から粒状肥料をすくって計量カップに入れても、上から見ただけだと正確に何グラム入っているかがわかりにくい。そこで横から見てすぐに量がわかるように計量カップの材質を透明または半透明の素材にする必要がある。何らかの事情で透明や半透明の素材を使用することができない場合には、脱色することにより最低でも計量カップの目盛部分だけでも透明または半透明にしたい。
【0011】
本発明を説明するにあたっては、国内のA社が販売している有機化成肥料5kg入の肥料袋を見本例として取り上げた。その施肥説明によれば野菜および草花に与える元肥および追肥の施肥量はmあたり40g~260gの範囲に及んでいることから、計量カップの目盛は共通して使える50g~200gまでの50g刻みの4段階とした。この4段階からずれる施肥量の場合には適宜目分量で増減することで対応する。
【発明の効果】
【0012】
菜園に野菜を植える準備として土に元肥を準備したり植え付け後に追肥したりする場合に、粒状肥料の適量を量る計量カップが常に肥料袋に付属しているので計量具を探す必要はなく、しかも肥料袋に表示されている適正な施肥量を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】 本発明の平面図である。
図2】 本発明の計量カップに粒状肥料を入れた場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、図1に示すごとく、粒状肥料5を入れた肥料袋1とそれに連接する計量カップ2部分とからなる構造で、肥料を1袋購入すれば必ず計量カップが付いてくる仕組みである。一口に粒状肥料といっても生産メーカーによって粒の色や形状、肥料成分などが微妙に異なるため、単位体積当たりの重量はおのずと違ってくる。例えば、同じ200ccのカップ1杯の肥料であっても、A社の肥料とB社の肥料とでは差が出てくる。したがって、A社の肥料袋に付属させる計量カップは、異なる種類の肥料には使うことができないため、銘柄ごとに独自の計量基準によるカップを付属させることが基本となる。
【0015】
図1に示す計量カップ2を利用する方法であるが、肥料袋1と計量カップ2との境は接着面6で接着されており、そのままの状態では分離することができないので、切り取り線3に沿ってはさみで切るかナイフで切るなどの方法で切り離す必要がある。計量カップ2の容量として200gまで量りたい場合には、前述したように中央にはさみを入れて2個の計量カップ2を作ることができる。2個の計量カップが取れれば同時に2人で使用できるので、たいていの場合は施肥が間に合う。なお、切り取り線の代わりにミシンで切り取り線を入れておけば手でカップを切り取ることもでき、はさみも要らず便利かもしれない。
【0016】
本発明の計量器付き肥料袋1は、図1で示すごとく肥料袋1、計量カップ2ともに袋材を裏面中央部で接着しているため、肥料袋1の両側辺および計量カップ2の両底辺には袋材の折面だけで接着面はない。なお、肥料袋1と計量カップ2との境はカップ切り離しの際に接着部分を両側に残しておきたいため、他の接着面の倍ほどの幅で接着している。
【0017】
図2は肥料袋1に入っている粒状肥料5を計量カップ2に入れた図であるが、この計量カップ2を上から見た場合、肥料は200g入っているのか、150gなのか、それとも150gと200gの中間に位置しているのかわかりにくい。そこで、計量カップ2を横から見て内容物の量がわかるように、カップの素材は透明あるいは半透明であることが望ましい。
【0018】
野菜づくりは土づくりからとよくいわれるが、具体的な肥料袋1を例にとって粒状肥料5の計量カップ2を使った実際の施肥方法をたどってみることとする。便宜上、A社の有機化成肥料を使ったトマト栽培を例にとって説明してみたい。まず、トマト植え付け前の土づくりとしてmあたり160g(トマトの元肥用に用意する粒状肥料の量として肥料袋に記されている)の粒状肥料5を土とよく混ぜる作業が必要となるが、このやり方を次に述べる。
【0019】
トマトの苗を植える前に土づくりに使う肥料のことを元肥と呼んでいるが、元肥を作る作業は次のやり方で行なう。まず160gの粒状肥料5をどのようにして量るかであるが、肥料袋1から切り離した計量カップ2には50gから200gまで50gの間隔をあけて目盛り4が刻まれているので、まず1個の計量カップ2に150gの目盛4まで粒状肥料5を入れる。残り10g分は目分量で量って追加することにより、ほぼ160gの粒状肥料を計量カップにとることができるので、これを土とよく混ぜて元肥とする。
【0020】
土づくりが済むと、いよいよトマト苗の植え付けである。苗を種からまいて育てる楽しさもあるが、市販されている苗を買い求めるのが手軽でよい。地元の農家が作った苗はその土地の風土に合って育ちがいいといわれるので、農協や大型量販店の園芸コーナーなどで買うのもお勧めである。
【0021】
苗が手に入ったらいよいよ植え付けに入る。ビニールポットから苗を取り出し、日当たりの良いところを選んで十分な間隔をあけて植え付ける。トマトは成長すると実がついて重みが増すので、苗植え付けの段階から支柱を立てておくのが好都合である。さらに、苗植え付け後にはわき芽摘みや追肥の施肥その他の管理が待っているが、ここでは苗植え付けまでの説明にとどめ、その後の説明は省略することとしたい。
【符号の説明】
【0022】
1・・・肥料袋
2・・・計量カップ
3・・・切り取り線
4・・・計量目盛
5・・・粒状肥料
6・・・接着面
図1
図2