(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047509
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】増設・ロータリーエンジン
(51)【国際特許分類】
F02B 53/00 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
F02B53/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022167210
(22)【出願日】2022-09-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】594072627
【氏名又は名称】林谷 馨
(72)【発明者】
【氏名】林谷 馨
(57)【要約】 (修正有)
【課題】爆発行程で発生した運動エネルギーのさらなる回転エネルギーへの変換効率化を図り爆音を軽減した内燃機関を提供する。
【解決手段】軸芯回転のローターの1回転で、4工程が同時に連続稼働しながら、複数の回転機能の追加により、運動エネルギーの効率的な採取により燃費の向上を図り、爆発の騒音軽減を実現した。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の内周壁を有する筒状体の内半径の一部を大きくしたスペースのハウジングを設け、別設したローターの回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝にハウジングの内周壁に向かって前進後退してハウジング内を区分けする羽根を装着したローターをそのハウジング内に挿嵌して、ローターの回転方向のそのスペースの始端部に点火素子を設け、前進した羽根の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が、点火素子の点火により爆発して該羽根の先端を押してローターを回転させ、そのスペースの終端部に排気口を設定し、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した筒状体と、
円筒形の内周壁を有する他の筒状体の内半径の一か所を大きくしたスペースの始端部に導入口と終端部に排出口のある爆発延長スペースとしたハウジングを設け、前記様の羽根溝のローターをそのハウジング内に挿嵌して、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体において、
それらローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化し、排気口または排出口と導入口が連通したロータリーエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
母筒状体内のローターの回転軸と子筒状体のローターの回転軸を一直線状にして筒状体を重ねて一体化し、燃焼ガスの排気口または排出口と導入口を連通させて燃焼エネルギーの効率化により燃費の向上を図るロータリーエンジンに関する。
また、燃焼用気体を加圧して筒状体内に送り込む場合は、吸入を注入と呼び変える場合もある。
燃焼用気体の爆発は、燃焼であり膨張でもある
【背景技術】
【0002】
ロータリーエンジンの、特公平7-30706や、特願2022-8978は燃焼行程で発生した運動エネルギーの未利用部分はそのまま爆音と共に排出されていた
【0003】
それは、前記内燃機関の燃焼行程で発生した運動エネルギーの未利用部分と爆音が構造的仕組みにより、そのまま排出せざるを得なかったためである。
【0004】
先願のロータリーエンジンの、特公平7-30706はローターの回転時に該羽根の先端とロータリー内燃機関の内周壁曲面が乖離するのを防ぐために設けた羽根底のばねや燃焼圧取入孔に燃焼圧を導入して羽根の基端から羽根を押し上げる構成であり、特願2022-8978の羽根は、該羽根の先端部から内周曲面方向への縦方向、あるいは両側の側壁方向への横方向の突出部がロータリーエンジン内に周回掘削したガイド溝と周回自在に密接嵌合させることにより、ロータリーエンジン内は内周曲面と該羽根先端が常に密接周回するものであった
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いずれも単一の筒状体形状の燃焼行程で発生したエネルギーを燃焼爆発時に回転エネルギーに一部変換する以外、未利用の運動エネルギーはそのまま外部に廃棄され、またエンジン内で爆音が軽減されることはなかったが、内燃機関の爆発行程で発生した運動エネルギーのさらなる回転エネルギーへの変換効率化を図ることにより、爆音も軽減されるべきであった
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
円筒形の内周壁を有する筒状体の内半径の一部を大きくしたスペースのハウジングを設け、別設したローターの回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝にハウジングの内周壁に向かって前進後退してハウジング内を区分けする羽根を装着したローターをそのハウジング内に挿嵌して、ローターの回転方向のそのスペースの始端部に点火素子を設けて前進した羽根の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が、点火素子の点火により爆発して該羽根の先端を押してローターを回転させ、そのスペースの終端部に排気口を設定して爆発排気スペースとして、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した筒状体を母筒状体と称し、
円筒形の内周壁を有する他の筒状体の内半径の一部を一か所大きくしたスペースを、その始端部に導入口と終端部に排出口のある爆発延長スペースとしたハウジングを設け、前記様の羽根溝のローターをそのハウジング内に挿嵌して、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体を子筒状体と称し、それらローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化し、排気口または排出口と導入口が連通したロータリーエンジンとする。
【0007】
前記爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体とは、特公平7-30706や、特願2022-8978にもいう筒状体内において、ハウジング内の注入、圧縮、爆発、排気、の各工程のうち、注入工程で注入口から爆発用の気体として注入され、圧縮行程で加圧圧縮されて爆発室に移送されて連続して補給されて爆発用となる加圧気体を言い、
あるいはその筒状体内においての注入口を無くして注入、圧縮の行程を省略し、筒状体外部の爆発用の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させ、その爆発室側の連通口に設置した噴出弁がその加圧気体を爆発室内にローターの回転と同期して一定量噴出させては停止し、その一定量噴出分を点火素子が点火爆発させる、などして連続補給される爆発用の加圧気体をいうのである。
【0008】
そうして、
爆発行程での爆発エネルギーをローターの羽根の前記先端部分が受けて回転する母筒状体のローターの回転軸と、子筒状体のローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化するにおいて、母筒状体内でローターを回転させるエネルギーとなり得なかった残余の爆発エネルギーは排気口に連通する子筒状体の導入口から子筒状体内の爆発延長スペースに導入されてそのスペースのローターの羽根の前進した先端部分が受けて子筒状体のローターを回転させるもので、母筒状体に連通する子筒状体と、さらに追加の子筒状体を同様に排出口と導入口を連結増設すれば、さらなる回転エネルギー採取の効率化が図られ、また、
消音マフラーの如く爆発延長スペースの延長増加による消音効果で、それら問題解決に寄与するのである。
【0009】
本発明は、爆発延長スペースのある子筒状体を付加することにより爆発行程を延長する効果を生み、爆発行程で発生した運動エネルギーを、排気口や排出口と導入口が連通して隣接の爆発延長スペースにおいても爆発膨張ガス、すなわち運動エネルギーを導入してローターを回転させるので、母筒状体の爆発排気スペース部分の回転範囲に限られることなく、爆発行程で発生した運動エネルギーの利用採取範囲を拡大させて燃費の向上を図り、前記増設付加態様次第では母筒状体のローターの1回転以上の利用採取範囲も可能となり、例えば後記図面の3枚羽の母筒状体に、子筒状体を三個付加した場合、ハウジング円周の凡そ3分の4、1回転以上の利用採取範囲となり、
また、2枚羽の母筒状体の場合には筒状体外部の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させて爆発室内に爆発用の加圧気体を連続して補給して爆発させ、慣性によりローターを回転させ、以上、爆発行程で発生した運動エネルギーの有効的存在が消滅するか、取り付け外形の収納容量の許す限り、増設付加を検討できる。
【0010】
加えて、燃焼室で発生する爆発膨張音は排気口や排出口と導入口が連通して延長する各燃焼室工程が消音の効果をもたらし、各筒状体内で爆発膨張音を閉じ込めることにより、回転エネルギーとなって爆発膨張の音を弱化させ、一方、自動車の消音マフラーや銃のサイレンサー装置においては運動エネルギー効率に寄与することはないのである。
【発明の効果】
【0011】
先願の、燃焼室における燃料の爆発による膨張圧を単体のローターの羽根の前進先端部分のみが受け、ローターを回転させて回転エネルギーとしていたが、単体ゆえに排気口から多くの未利用エネルギーが廃棄されていた。この事象はレシプロエンジン等、従来の内燃機関にも惹起しており、その解決のため、数多の提案がなされていた。
また、騒音となる燃焼による爆発音を軽減すべく従来既存の消音マフラーが付随される場合、運動エネルギーに対する抵抗要素としてその効率を低下させていた
【0012】
従来のピストン運動型のレシプロエンジンは注入、圧縮、爆発、排気の4工程を1サイクルとして同一のシリンダーを共用し、クランクロッドの進退運動により該工程が順次稼働するため、各4分の1が稼働工程となり、残り4分の3の工程は稼働待機態勢としての非効率性があるため、シリンダー数を増加して駆動力を強化する場合があり、また同一のシリンダーで燃料の注入工程と爆発工程を行えば、噴霧状燃料や水素等の燃焼用気体状の引火性の強い素材に対し安全上の脆弱性が常に危惧されるに対し、本発明のロータリーエンジンは前記各工程室を独立遮断して安全性を高めてその4工程は同時に稼働するため、3枚羽を装着したローターの場合、ローターの3分の1回転が1サイクルとなり、4枚羽を装着したローターの場合よりも膨張行程の円周距離は長く、1回転ではその羽根の数と同数の各サイクルが実現し、いずれの枚数でも待機態勢のない効率的な駆動力により、エンジンの小型化と軽量化が実現する。
【0013】
従来、バンケル型ロータリーエンジンと呼称する内部の三角状ローターの偏心運動により駆動力を発生させる内燃機関はその偏心駆動態様により、クランクレスレシプロエンジンと称されるべきであり、一方、本発明のロータリーエンジンは偏心ロスのない有効性を実現するのである。
【0014】
本発明の実施の一例の形態を
図1、
図2、
図3、
図4に基づいて説明する。なお、図面において、連通形状の一方が長径となるのは、筒状体のローターの回転軸方向に長く平行の開口部とすることにより、排気口や排出口や導入口、等開口部を筒状体の形状に合わせて大きくして工程気体の速やかな通過を可能とするためである。
また、本実施例においては母筒状体と子筒状体のローターや外周を同径サイズとしているが、異径サイズとすることによりローターの回転軸方向の筒状体の母筒状体と子筒状体の輪切り形状の幅を調整し本発明のロータリーエンジンの設置環境に合わせた荷姿とする場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ロータリーエンジン1の母筒状体2の内半径の一部を二か所で大きくして爆発排気スペース221と吸入圧縮スペース223として、母筒状体ハウジング24内に挿嵌された母筒状体ローター21の回転軸Aに届かない深さで穿設された各羽根溝23に装着された母筒状体ハウジング24の内周壁に向かい3枚の前進後退する各羽根5の場合、母筒状体ハウジング24内は三つに区分けされ、その内周の3分の一に区分けされた爆発排気スペース221内の羽根5の先端部51が分割した点火素子8のある爆発室2211において、圧縮された燃焼用気体をその点火素子8が点火し爆発膨張させて先端部51を回転方向後面側から押してそのスペースの終端部の排気口26までBの方向に母筒状体ローター21を回転させる爆発工程と、先端部51の回転方向前面側にある燃焼気体が回転により押されて終端部の排気口26からCの方向に排気される排気工程があり吸入圧縮スペース223内では、母筒状体ローター21の回転により先端部51が吸入口27を過ぎて燃焼用気体を始端部の吸入口27からDの方向に吸入して、ローター回転方向後位の先端部51が吸入口27を通過して吸入圧縮スペース223内に燃焼用気体を封鎖状態とする吸入行程と、前記先端部51の回転方向前面側がその封鎖状態の燃焼用気体を回転方向に押しやって母筒状体ローター21と母筒状体ハウジング24内周の狭い間隙を通過させて燃焼用気体の体積を加圧して圧縮縮小し、点火素子8に移送する圧縮行程があるとした状況の母筒状体2の断面概略図。
【
図2】ロータリーエンジン1の子筒状体3の内半径の一部を大きくした部分を、始端部に導入口37と終端部に排出口36のある爆発延長スペース324として、子筒状体ハウジング32内に挿嵌された子筒状体ローター31の回転軸Aに届かない深さで穿設された各子筒状体羽根溝33に装着された各羽根5により、子筒状体ハウジング32内は区分けされ、先端部53で区分けされた爆発延長スペース324の始端部の導入口37は当図では視認不可の前記排気口26と連通してCの方向からの燃焼気体を先端部53が受け、Bの方向に子筒状体ローター31を回転させ、終端部の排出口36に膨張エネルギーをCの方向に排出している状況の子筒状体3の断面概略図。
【
図3】ロータリーエンジン1の、同径サイズで重ねられた状態により視別認識不能の筒状体の母筒状体2と子筒状体3と子筒状体4の各筒状体ローター21,31,41が回転軸Aを一直線状として連結されて、母筒状体2の母筒状体ローター21の爆発排気スペース221と、子筒状体3の子筒状体ローター31の爆発延長スペース324、と子筒状体4の子筒状体ローター41の爆発延長スペース423、が各ハウジング内周を透視的な点線71の位置で各3分割してその合計でそれらハウジング内周の一周に及ぶとして、排気口26と導入口37、排出口36と導入口47が各連通し、点火素子8と、表見同位置の、後図で判別される排出口46の位置から排気ガスがCの方向に排出した状態のロータリーエンジン1の前記断面概略図側からの概略外観図である。
【
図4】ロータリーエンジン1の、母筒状体2の点線で概略図示の吸入口27にCの方向から燃焼用気体が吸入され点火素子8のある母筒状体2の回転軸Aと子筒状体3と子筒状体4の点線で示した各回転軸Aが1直線状に連結されてそれら筒状体が重ねられて一体化し、母筒状体2での燃焼気体は、連通した排気口26と導入口37をEの方向に通過して子筒状体3内に移動し、さらに、対側位置にあり視認不可の、点線で概略図示の排出口36と導入口47が連通して子筒状体3内から子筒状体4内へFの方向に燃焼気体が移動し、点線で概略図示の排出口46ではCの方向に燃焼気体たる膨張エネルギーを連通することなく放出している様子のロータリーエンジン1の回転軸Aと平行側からの外観概略図。
【符号の説明】
【0016】
1ロータリーエンジン
2母筒状体
3子筒状体
4子筒状体
5羽根
8点火素子
21母筒状体ローター
23羽根溝
24母筒状体ハウジング
26排気口
27吸入口
31子筒状体ローター
32子筒状体ハウジング
33子筒状体羽根溝
36排出口
37導入口
41子筒状体ローター
46排出口
47導入口
51先端部
53先端部
71点線
221爆発排気スペース
223吸入圧縮スペース
324爆発延長スペース
423爆発延長スペース
2211爆発室
A回転軸
B方向
C方向
D方向
E方向
F方向
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の内周壁を有する筒状体の内半径の一部を大きくしたスペースのハウジングを設け、別設したローターの回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝にハウジングの内周壁に向かって前進後退してハウジング内を区分けする羽根を装着したローターをそのハウジング内に挿嵌して、ローターの回転方向のそのスペースの始端部に点火素子を設け、前進した羽根の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が、点火素子の点火により爆発して該羽根の先端を押してローターを回転させ、そのスペースの終端部に排気口を設定し、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した筒状体としたロータリーエンジン。
【請求項2】
円筒形の内周壁を有する他の筒状体の内半径の一か所を大きくしたスペースの始端部に導入口と終端部に排出口のある爆発延長スペースとしたハウジングを設け、前記様の羽根溝のローターをそのハウジング内に挿嵌して、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体において、
それらローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化し、排気口または排出口と導入口が連通した請求項1記載のロータリーエンジン。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
円筒形の内周壁を有する筒状体の内半径の一部を大きくしたスペースのハウジングを設け、別設したローターの回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝にハウジングの内周壁に向かって前進後退してハウジング内を区分けする羽根を装着したローターをそのハウジング内に挿嵌して、
ローターの回転方向のそのスペースの始端部に点火素子を設けて前進した羽根の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が、点火素子の点火により爆発して該羽根の先端を押してローターを回転させ、そのスペースの終端部に排気口を設定して爆発排気スペースとして、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した筒状体を母筒状体と称し、
円筒形の内周壁を有する他の筒状体の内半径の一部を一か所大きくしたスペースを、その始端部に導入口と終端部に排出口のある爆発延長スペースとしたハウジングを設け、前記様の羽根溝のローターをそのハウジング内に挿嵌して、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体を子筒状体と称し、
それらローターの回転軸を一直線状に連決して隣り合うローターの連結部分以外、側壁により閉鎖された各筒状体を重ねて一体化し、
排気口または排出口と導入口が連通したロータリーエンジンとする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、爆発延長スペースのある子筒状体を付加することにより爆発行程を延長する効果を生み、爆発行程で発生した運動エネルギーを、排気口や排出口と導入口が連通して隣接の爆発延長スペースにおいても爆発膨張ガス、すなわち運動エネルギーを導入してローターを回転させるので、母筒状体の爆発排気スペース部分の回転範囲に限られることなく、爆発行程で発生した運動エネルギーの利用採取範囲を拡大させて燃費の向上を図り、前記増設付加態様次第では母筒状体のローターの1回転以上の利用採取範囲も可能となり、例えば後記図面の3枚羽の母筒状体に、子筒状体を三個付加した場合、ハウジング円周の凡そ3分の4、1回転以上の利用採取範囲となり、
また、2枚羽の母筒状体の場合には筒状体外部の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させて爆発室内に爆発用の加圧気体を連続して補給して爆発させ、慣性によりローターを回転させ、以上、爆発行程で発生した運動エネルギーの有効的存在が消滅するか、取り付け外形の収納容量の許す限り、子筒状体の増設付加を検討できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
従来のピストン運動型のレシプロエンジンは注入、圧縮、爆発、排気の4工程を1サイクルとして同一のシリンダーを共用し、クランクロッドの進退運動により該工程が順次稼働するため、各4分の1が稼働工程となり、残り4分の3の工程は稼働待機態勢としての非効率性があるため、シリンダー数を増加して駆動力を強化する場合があり、また同一のシリンダーで燃料の注入工程と爆発工程を行えば、噴霧状燃料や水素等の燃焼用気体状の引火性の強い素材に対し安全上の脆弱性が常に危惧されるに対し、本発明のロータリーエンジンは該当行程において、各工程室を独立遮断して安全性を高めてその工程は同時に稼働するため、3枚羽を装着したローターの場合、ローターの3分の1回転が1サイクルとなり、4枚羽を装着したローターの場合よりも膨張行程の円周距離は長く、1回転ではその羽根の数と同数の各サイクルが実現し、いずれの枚数でも待機態勢のない効率的な駆動力により、エンジンの小型化と軽量化が実現する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の実施の一例の形態を
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、に基づいて説明する。
なお、図面において、連通口形状の一方が長径となるのは、筒状体のローターの回転軸方向に長く平行の開口部とすることにより、排気口や排出口や導入口、等開口部を筒状体の形状に合わせて大きくして工程気体の速やかな通過を可能とするためである。
また、本実施例においては母筒状体と子筒状体のローターや外周を同径サイズとしているが、異径サイズとすることによりローターの回転軸方向の筒状体の母筒状体と子筒状体の輪切り形状の幅を調整し本発明のロータリーエンジンの設置環境に合わせた荷姿とする場合もある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
【
図1】ロータリーエンジン1の母筒状体2の内半径の一部を二か所で大きくして爆発排気スペース221と吸入圧縮スペース223として、母筒状体ハウジング24内に挿嵌された母筒状体ローター21の回転軸Aに届かない深さで穿設された各羽根溝23に装着された母筒状体ハウジング24の内周壁に向かい3枚の前進後退する各羽根5の場合、母筒状体ハウジング24内は三つに区分けされ、その内周の3分の一に区分けされた爆発排気スペース221内の羽根5の先端部51が分割した点火素子8のある爆発室2211において、圧縮された燃焼用気体をその点火素子8が点火し爆発膨張させて先端部51を回転方向後面側から押してそのスペースの終端部の排気口26までBの方向に母筒状体ローター21を回転させる爆発工程と、先端部51の回転方向前面側にある燃焼気体が回転により押されて終端部の排気口26からCの方向に排気される排気工程があり吸入圧縮スペース223内では、母筒状体ローター21の回転により先端部51が吸入口27を過ぎて燃焼用気体を始端部の吸入口27からDの方向に吸入して、ローター回転方向後位の先端部51が吸入口27を通過して吸入圧縮スペース223内に燃焼用気体を封鎖状態とする吸入行程と、前記先端部51の回転方向前面側がその封鎖状態の燃焼用気体を回転方向に押しやって母筒状体ローター21と母筒状体ハウジング24内周の狭い間隙を通過させて燃焼用気体の体積を加圧して圧縮縮小し、点火素子8に移送する圧縮行程があるとした状況の母筒状体2の断面概略図。
【
図2】ロータリーエンジン1の子筒状体3の内半径の一部を大きくした部分を、始端部に導入口37と終端部に排出口36のある爆発延長スペース324として、子筒状体ハウジング32内に挿嵌された子筒状体ローター31の回転軸Aに届かない深さで穿設された各子筒状体羽根溝33に装着された各羽根5により、子筒状体ハウジング32内は区分けされ、先端部53で区分けされた爆発延長スペース324の始端部の導入口37は当図では視認不可の前記排気口26と連通してCの方向からの燃焼気体を先端部53が受け、Bの方向に子筒状体ローター31を回転させ、終端部の排出口36に膨張エネルギーをCの方向に排出している状況の子筒状体3の断面概略図。
【
図3】ロータリーエンジン1の、同径サイズで重ねられた状態により視別認識不能の筒状体の母筒状体2と子筒状体3と子筒状体4の各筒状体ローター21,31,41が回転軸Aを一直線状として連結されて、母筒状体2の母筒状体ローター21の爆発排気スペース221と、子筒状体3の子筒状体ローター31の爆発延長スペース324、と子筒状体4の子筒状体ローター41の爆発延長スペース423、が各ハウジング内周を透視的な点線71の位置で各3分割してその合計でそれらハウジング内周の一周に及ぶとして、排気口26と導入口37、排出口36と導入口47が各連通し、点火素子8と、表見同位置の、後図で判別される排出口46の位置から燃焼気体がCの方向に排出した状態のロータリーエンジン1の前記断面概略図側からの概略外観図である。
【
図4】ロータリーエンジン1の、母筒状体2の点線で概略図示の吸入口27にCの方向から燃焼用気体が吸入され点火素子8のある母筒状体2の回転軸Aと子筒状体3と子筒状体4の点線で示した各回転軸Aが1直線状に連結されてそれら筒状体が重ねられて一体化し、母筒状体2での燃焼気体は、連通した排気口26と導入口37をEの方向に通過して子筒状体3内に移動し、さらに、対側位置にあり視認不可の、点線で概略図示の排出口36と導入口47が連通して子筒状体3内から子筒状体4内へFの方向に燃焼気体が移動し、点線で概略図示の排出口46ではCの方向に燃焼気体たる膨張エネルギーを連通することなく放出している様子のロータリーエンジン1の回転軸Aと平行側からの外観概略図。
【
図5】ロータリーエンジン1の母筒状体25に装着する羽根5を2枚とした場合、母筒状体ハウジング255内は二つに区分けされ、爆発用の加圧気体は筒状体外部のその収容装置6から連通部9を通過して点火素子8のある爆発室22115に連続して補給されるべく、連通部9の爆発室22115側で母状体ローター215の外周面212と軸方向に長径に摺接する噴出弁7が、外周面212の面位からなだらかに離隔する離隔面715と母筒状体ハウジング255との間隙にローターの回転と同期して一定量の加圧気体を注入して、点火素子8が点火爆発させ、その爆発燃焼気体が排気口265から排気されている状況の母筒状体25の断面概略図。
【
図6】羽根5を2枚装着した場合の回転同状となる母筒状体ローター215の外周面212の面位からなだらかに離隔する離隔面715の概略説明図。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
1ロータリーエンジン
2母筒状体
3子筒状体
4子筒状体
5羽根
6収容装置
7噴出弁
8点火素子
9連通部
21母筒状体ローター
23羽根溝
24母筒状体ハウジング
25母筒状体
26排気口
27吸入口
31子筒状体ローター
32子筒状体ハウジング
33子筒状体羽根溝
36排出口
37導入口
41子筒状体ローター
46排出口
47導入口
51先端部
53先端部
71点線
212外周面
215母筒状体ローター
221爆発排気スペース
223吸入圧縮スペース
255母筒状体ハウジング
265排気口
324爆発延長スペース
423爆発延長スペース
715離隔面
2211爆発室
22115爆発室
A回転軸
B方向
C方向
D方向
E方向
F方向
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】追加
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
【
図1】ロータリーエンジン1の母筒状体2の内半径の一部を二か所で大きくして爆発排気スペース221と吸入圧縮スペース223として、母筒状体ハウジング24内に挿嵌された母筒状体ローター21の回転軸Aに届かない深さで穿設された各羽根溝23に装着された母筒状体ハウジング24の内周壁に向かい3枚の前進後退する各羽根5の場合、母筒状体ハウジング24内は三つに区分けされ、その内周の3分の一に区分けされた爆発排気スペース221内の羽根5の先端部51が分割した点火素子8のある爆発室2211において、圧縮された燃焼用気体をその点火素子8が点火し爆発膨張させて先端部51を回転方向後面側から押してそのスペースの終端部の排気口26までBの方向に母筒状体ローター21を回転させる爆発工程と、先端部51の回転方向前面側にある燃焼気体が回転により押されて終端部の排気口26からCの方向に排気される排気工程があり吸入圧縮スペース223内では、母筒状体ローター21の回転により先端部51が吸入口27を過ぎて燃焼用気体を始端部の吸入口27からDの方向に吸入して、ローター回転方向後位の先端部51が吸入口27を通過して吸入圧縮スペース223内に燃焼用気体を封鎖状態とする吸入行程と、前記先端部51の回転方向前面側がその封鎖状態の燃焼用気体を回転方向に押しやって母筒状体ローター21と母筒状体ハウジング24内周の狭い間隙を通過させて燃焼用気体の体積を加圧して圧縮縮小し、点火素子8に移送する圧縮行程があるとした状況の母筒状体2の断面概略図。
【
図2】ロータリーエンジン1の子筒状体3の内半径の一部を大きくした部分を、始端部に導入口37と終端部に排出口36のある爆発延長スペース324として、子筒状体ハウジング32内に挿嵌された子筒状体ローター31の回転軸Aに届かない深さで穿設された各子筒状体羽根溝33に装着された各羽根5により、子筒状体ハウジング32内は区分けされ、先端部53で区分けされた爆発延長スペース324の始端部の導入口37は当図では視認不可の前記排気口26と連通してCの方向からの燃焼気体を先端部53が受け、Bの方向に子筒状体ローター31を回転させ、終端部の排出口36に膨張エネルギーをCの方向に排出している状況の子筒状体3の断面概略図。
【
図3】ロータリーエンジン1の、同径サイズで重ねられた状態により視別認識不能の筒状体の母筒状体2と子筒状体3と子筒状体4の各筒状体ローター21,31,41が回転軸Aを一直線状として連結されて、母筒状体2の母筒状体ローター21の爆発排気スペース221と、子筒状体3の子筒状体ローター31の爆発延長スペース324、と子筒状体4の子筒状体ローター41の爆発延長スペース423、が各ハウジング内周を透視的な点線71の位置で各3分割してその合計でそれらハウジング内周の一周に及ぶとして、排気口26と導入口37、排出口36と導入口47が各連通し、点火素子8と、表見同位置の、後図で判別される排出口46の位置から燃焼気体がCの方向に排出した状態のロータリーエンジン1の前記断面概略図側からの概略外観図である。
【
図4】ロータリーエンジン1の、母筒状体2の点線で概略図示の吸入口27にCの方向から燃焼用気体が吸入され点火素子8のある母筒状体2の回転軸Aと子筒状体3と子筒状体4の点線で示した各回転軸Aが1直線状に連結されてそれら筒状体が重ねられて一体化し、母筒状体2での燃焼気体は、連通した排気口26と導入口37をEの方向に通過して子筒状体3内に移動し、さらに、対側位置にあり視認不可の、点線で概略図示の排出口36と導入口47が連通して子筒状体3内から子筒状体4内へFの方向に燃焼気体が移動し、点線で概略図示の排出口46ではCの方向に燃焼気体たる膨張エネルギーを連通することなく放出している様子のロータリーエンジン1の回転軸Aと平行側からの外観概略図。
【
図5】本件出願文中、行程は工程の場合でもある。ロータリーエンジン1の母筒状体25に装着する羽根5を2枚とした場合、母筒状体ハウジング255内は二つに区分けされ、爆発用の加圧気体は筒状体外部のその収容装置6から連通部9を通過して点火素子8のある爆発室22115に連続して補給されるべく、連通部9の爆発室22115側で母筒状体ローター215の外周面212と摺接する軸方向に長径状の噴出弁7が外周面212の面位からなだらかに離隔して爆発室22115の一部として離隔面715が形成する容積にローターの回転と同期して一定量の加圧気体を注入し、ローターの回転により前記一部と合致して最大容積となった爆発室22115で点火素子8により点火爆発し、その爆発燃焼気体が排気口265から排気される状況での母筒状体ローター215は、吸入、圧縮工程のある3枚羽根や4枚羽根の場合、その工程は爆発行程の前工程であり、次々と回転力を生み出す前段であり、吸入圧縮爆発排気の4工程は連携するが、2枚羽根の場合、その工程が存在しないので、点火素子8の点火爆発寸前までは慣性により回転するとした断面概略図。
【
図6】羽根5を2枚装着した場合の回転同状となる母筒状体ローター215の外周面212の面位からなだらかに離隔する離隔面715の概略説明図。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
母筒状体内のローターの回転軸と子筒状体のローターの回転軸を一直線状にして筒状体を重ねて一体化し、燃焼ガスの排気口または排出口と導入口を連通させて燃焼エネルギーの効率化により燃費の向上を図るロータリーエンジンに関する。
また、燃焼用気体を加圧して筒状体内に送り込む場合は、吸入を注入と呼び変える場合もある。
燃焼用気体の爆発は、燃焼であり膨張でもあり、文中、燃焼用気体とは空気と燃料の混合気をいい、加圧気体とはその燃焼用気体の加圧状態をいう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
前記爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体とは、特公平7-30706や、特願2022-8978にもいう筒状体内において、ハウジング内の注入、圧縮、爆発、排気、の各工程のうち、注入工程で注入口から爆発用の気体として注入され、圧縮行程で加圧圧縮されて爆発室に移送されて連続して補給されて爆発用となる加圧気体をいい、
同時に筒状体外部の爆発用の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させれば、その爆発室側の連通口に設置した噴出弁が収容装置の加圧気体を爆発室内にローターの回転と同期して一定量噴出させる爆発用の加圧気体もいい、
或いはその筒状体内においての注入口を無くして注入、圧縮の行程を省略し、筒状体外部の爆発用の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させ、その爆発室側の連通口に設置した噴出弁がその加圧気体を爆発室内にローターの回転と同期して一定量噴出させては停止し、その一定量噴出分を点火素子が点火爆発させる、などして前記連続補給される爆発用の加圧気体をいうのである。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、爆発延長スペースのある子筒状体を付加することにより爆発行程を延長する効果を生み、爆発行程で発生した運動エネルギーを、排気口や排出口と導入口が連通して隣接の爆発延長スペースにおいても爆発膨張ガス、すなわち運動エネルギーを導入してローターを回転させるので、母筒状体の爆発排気スペース部分の回転範囲に限られることなく、爆発行程で発生した運動エネルギーの利用採取範囲を拡大させて燃費の向上を図り、前記増設付加態様次第では母筒状体のローターの1回転以上の利用採取範囲も可能となり、例えば後記図面の3枚羽の母筒状体に、子筒状体を三個付加した場合、ハウジング円周の凡そ3分の4、1回転以上の利用採取範囲となり、
また、2枚羽の母筒状体の場合には筒状体外部の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させて爆発室内に爆発用の加圧気体を連続して補給して爆発させ、慣性によりローターを回転させ、以上、爆発行程で発生した運動エネルギーの有効的存在が消滅するか、取り付け外形の収納容量の許す限り、子筒状体の増設付加を検討できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
そうして、
爆発行程での爆発エネルギーをローターの羽根の前記先端部分が受けて回転する母筒状体のローターの回転軸と、子筒状体のローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化するにおいて、母筒状体内でローターを回転させるエネルギーとなり得なかった残余の爆発エネルギーは排気口に連通する子筒状体の導入口から子筒状体内の爆発延長スペースに導入されてそのスペースのローターの羽根の前進した先端部分が受けて子筒状体のローターを回転させるもので、母筒状体に連通する子筒状体と、さらに追加の子筒状体を同様に排出口と導入口を連結増設すれば、さらなる回転エネルギー採取の効率化が図られ、この態様は例えば床に置いた静止状態の重い荷物を移動する場合、最初は比較強大な力を必要としても、一旦動き始めた荷物は比較弱小の力でも移動継続できるように、母筒状体内の爆発エネルギーはローターを回転させ始める力として働き、子筒状体内の爆発延長スペースに導入された残余の爆発エネルギーは比較弱小のエネルギーであっても回転し始めたローターを回転推進する力として働くために回転エネルギー採取の効率化が図られるのであり、また、消音マフラーの如く爆発延長スペースの延長増加による消音効果で、それら問題解決に寄与するのである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の内周壁を有する母筒状体2の内半径の一部を大きくし、爆発排気スペース221を形成した母筒状体ハウジング24を設け、別設した母筒状体ローター21の回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝に母筒状体ハウジング24の内周壁に向かって前進後退して母筒状体ハウジング24内を区分けする羽根5を装着した母筒状体ローター21をその母筒状体ハウジング24内に挿嵌して、
母筒状体ローター21の回転方向のその爆発排気スペース221の始端部に点火素子8を設け、
前進した羽根5の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が爆発して、該羽根の先端を押して母筒状体ローター21を回転させ、
その爆発排気スペース221の終端部に排気口26を設定し、該母筒状体ハウジング24の両側を側壁により閉鎖した筒状体とし、
円筒形の内周壁を有する他の子筒状体3の内半径の一か所を大きくした爆発延長スペース324の、始端部に爆発排気スペース221からの爆発気体の導入口37と、終端部に爆発気体の排出口36を設けた子筒状体ハウジング32を設け、
前記と同様の回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝に子筒状体ハウジング32の内周壁に向かって前進後退して子筒状体ハウジング32内を区分けする羽根5を装着した子筒状体ローター31を、その子筒状体ハウジング32内に挿嵌して、該子筒状体ハウジング32の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体を設け、
それら母筒状体ローター21の回転軸と、前記一つ以上の子筒状体ローター31の回転軸とを一直線状に連結し、
母筒状体ハウジング24の中心軸と、子筒状体ハウジング32の中心軸とを一直線状に連結して、筒状体を重ねて一体化し、
母筒状体ハウジング24への燃燃焼用気体の導入口27から、子筒状体ハウジング32からの一つ以上の子筒状体の排出口までを、連通されるようにしたロータリーエンジン1。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
母筒状体内のローターの回転軸と子筒状体のローターの回転軸を一直線状にして筒状体を重ねて一体化し、燃焼ガスの排気口または排出口と導入口を連通させて燃焼エネルギーの効率化により燃費の向上を図るロータリーエンジンに関する。
また、燃焼用気体を加圧して筒状体内に送り込む場合は、吸入を注入と呼び変える場合もある。
燃焼用気体の爆発は、燃焼であり膨張でもある
【背景技術】
【0002】
ロータリーエンジンの、特公平7-30706や、特願2022-8978は燃焼行程で発生した運動エネルギーの未利用部分はそのまま爆音と共に排出されていた
【0003】
それは、前記内燃機関の燃焼行程で発生した運動エネルギーの未利用部分と爆音が構造的仕組みにより、そのまま排出せざるを得なかったためである。
【0004】
先願のロータリーエンジンの、特公平7-30706はローターの回転時に該羽根の先端とロータリー内燃機関の内周壁曲面が乖離するのを防ぐために設けた羽根底のばねや燃焼圧取入孔に燃焼圧を導入して羽根の基端から羽根を押し上げる構成であり、特願2022-8978の羽根は、該羽根の先端部から内周曲面方向への縦方向、あるいは両側の側壁方向への横方向の突出部がロータリーエンジン内に周回掘削したガイド溝と周回自在に密接嵌合させることにより、ロータリーエンジン内は内周曲面と該羽根先端が常に密接周回するものであった
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いずれも単一の筒状体形状の燃焼行程で発生したエネルギーを燃焼爆発時に回転エネルギーに一部変換する以外、未利用の運動エネルギーはそのまま外部に廃棄され、またエンジン内で爆音が軽減されることはなかったが、内燃機関の爆発行程で発生した運動エネルギーのさらなる回転エネルギーへの変換効率化を
図ることにより、爆音も軽減されるべきであった
【課題を解決するための手段】
【0006】
円筒形の内周壁を有する筒状体の内半径の一部を大きくしたスペースのハウジングを設け、別設したローターの回転軸からの放射状方向に穿設した数本の羽根溝にハウジングの内周壁に向かって前進後退してハウジング内を区分けする羽根を装着したローターをそのハウジング内に挿嵌して、ローターの回転方向のそのスペースの始端部に点火素子を設けて前進した羽根の先端で区分けされた爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体が、点火素子の点火により爆発して該羽根の先端を押してローターを回転させ、そのスペースの終端部に排気口を設定して爆発排気スペースとして、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した筒状体を母筒状体と称し、
円筒形の内周壁を有する他の筒状体の内半径の一部を一か所大きくしたスペースを、その始端部に導入口と終端部に排出口のある爆発延長スペースとしたハウジングを設け、前記様の羽根溝のローターをそのハウジング内に挿嵌して、該筒状体の両側を側壁により閉鎖した一つ以上の筒状体を子筒状体と称し、
それらローターの回転軸を一直線状に連結して筒状体を重ねて一体化し、排気口または排出口と導入口が連通したロータリーエンジンとする。
【0007】
前記爆発室内に連続して補給される爆発用の加圧気体とは、特公平7-30706や、特願2022-8978にもいう筒状体内において、ハウジング内の注入、圧縮、爆発、排気、の各工程のうち、注入工程で注入口から爆発用の気体として注入され、圧縮行程で加圧圧縮されて爆発室に移送されて連続して補給されて爆発用となる加圧気体を言い、
あるいはその筒状体内においての注入口を無くして注入、圧縮の行程を省略し、筒状体外部の爆発用の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させ、その爆発室側の連通口に設置した噴出弁がその加圧気体を爆発室内にローターの回転と同期して一定量噴出させては停止し、その一定量噴出分を点火素子が点火爆発させる、などして連続補給される爆発用の加圧気体をいうのである。
【0008】
そうして、
爆発行程での爆発エネルギーをローターの羽根の前記先端部分が受けて回転する母筒状体のローターの回転軸と、子筒状体のローターの回転軸を一直線状
に連結して筒状体を重ねて一体化するにおいて、母筒状体内でローターを回転させるエネルギーとなり得なかった残余の爆発エネルギーは排気口に連通する子筒状体の導入口から子筒状体内の爆発延長スペースに導入されてそのスペースのローターの羽根の前進した先端部分が受けて子筒状体のローターを回転させるもので、母筒状体に連通する子筒状体と、さらに追加の子筒状体を同様に排出口と導入口を連結増設すれば、さらなる回転エネルギー採取の効率化が図られ、また、
消音マフラーの如く爆発延長スペースの延長増加による消音効果で、それら問題解決に寄与するのである。
【0009】
本発明は、爆発延長スペースのある子筒状体を付加することにより爆発行程を延長する効果を生み、爆発行程で発生した運動エネルギーを、排気口や排出口と導入口が連通して隣接の爆発延長スペースにおいても爆発膨張ガス、すなわち運動エネルギーを導入してローターを回転させるので、母筒状体の爆発排気スペース部分の回転範囲に限られることなく、爆発行程で発生した運動エネルギーの利用採取範囲を拡大させて燃費の向上を図り、前記増設付加態様次第では母筒状体のローターの1回転以上の利用採取範囲も可能となり、例えば後記図面の3枚羽の母筒状体に、子筒状体を三個付加した場合、ハウジング円周の凡そ3分の4、1回転以上の利用採取範囲となり、
また、2枚羽の母筒状体の場合には筒状体外部の加圧気体の収容装置と爆発室を連通させて爆発室内に爆発用の加圧気体を連続して補給して爆発させ、慣性によりローターを回転させ、以上、爆発行程で発生した運動エネルギーの有効的存在が消滅するか、取り付け外形の収納容量の許す限り、増設付加を検討できる。
【0010】
加えて、燃焼室で発生する爆発膨張音は排気口や排出口と導入口が連通して延長する各燃焼室工程が消音の効果をもたらし、各筒状体内で爆発膨張音を閉じ込めることにより、回転エネルギーとなって爆発膨張の音を弱化させ、一方、自動車の消音マフラーや銃のサイレンサー装置においては運動エネルギー効率に寄与することはないのである。
【発明の効果】
【0011】
先願の、燃焼室における燃料の爆発による膨張圧を単体のローターの羽根
の前進先端部分のみが受け、ローターを回転させて回転エネルギーとしていたが、単体ゆえに排気口から多くの未利用エネルギーが廃棄されていた。この
事象はレシプロエンジン等、従来の内燃機関にも惹起しており、その解決のため、数多の提案がなされていた。
また、騒音となる燃焼による爆発音を軽減すべく従来既存の消音マフラーが付
随される場合、運動エネルギーに対する抵抗要素としてその効率を低下させていた
【0012】
従来のピストン運動型のレシプロエンジンは注入、圧縮、爆発、排気の4工程を1サイクルとして同一のシリンダーを共用し、クランクロッドの進退運動により該工程が順次稼働するため、各4分の1が稼働工程となり、残り4分の3の工程は稼働待機態勢としての非効率性があるため、シリンダー数を増加して駆動力を強化する場合があり、また同一のシリンダーで燃料の注入工程と爆発工程を行えば、噴霧状燃料や水素等の燃焼用気体状の引火性の強い素材に対し安全上の脆弱性が常に危惧されるに対し、本発明のロータリーエンジンは前記各工程室を独立遮断して安全性を高めてその4工程は同時に稼働するため、3枚羽を装着したローターの場合、ローターの3分の1回転が1サイクルとなり、4枚羽を装着したローターの場合よりも膨張行程の円周距離は長く、1 回転ではその羽根の数と同数の各サイクルが実現し、いずれの枚数でも待機態勢のない効率的な駆動力により、エンジンの小型化と軽量化が実現する。
【0013】
従来、バンケル型ロータリーエンジンと呼称する内部の三角状ローターの偏心運動により駆動力を発生させる内燃機関はその偏心駆動態様により、クランクレスレシプロエンジンと称されるべきであり、一方、本発明のロータリーエンジンは偏心ロスのない有効性を実現するのである。
【0014】
本発明の実施の一例の形態を
図1、
図2、
図3、
図4に基づいて説明する。
なお、図面において、排気口や排出口や導入口の連通形状の一方が長径となるのは、筒状体のローターの回転軸方向に長く平行の開口部とすることにより、排気口や排出口や導入口、等開口部を筒状体の形状に合わせて大きくして工程気体の速やかな通過を可能とするためである。
また、本実施例においては母筒状体と子筒状体のローターや外周を同径サイズとしているが、異径サイズとすることによりローターの回転軸方向の筒状体の母筒状体と子筒状体の輪切り形状の幅を調整し本発明のロータリーエンジンの設置環境に合わせた荷姿とする場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ロータリーエンジン1の母筒状体2の内半径の一部を二か所で大きくして爆発排気スペース221と吸入圧縮スペース223として、母筒状体ハウジング24内に挿嵌された母筒状体ローター21の回転軸Aに届かない深さで穿設された各羽根溝23に装着された母筒状体ハウジング24の内周壁に向かい3枚の前進後退する各羽根5の場合、母筒状体ハウジング24内は三つに区分けされ、その内周の3分の一に区分けされた爆発排気スペース221内の羽根5の先端部51が分割した点火素子8のある爆発室2211において、圧縮された燃焼用気体をその点火素子8が点火し爆発膨張させて先端部51を回転方向後面側から押してそのスペースの終端部の排気口26までBの方向に母筒状体ローター21を回転させる爆発工程と、先端部51の回転方向前面側にある燃焼気体が回転により押されて終端部の排気口26からCの方向に排気される排気工程があり吸入圧縮スペース223内では、母筒状体ローター21の回転により先端部51が導入口27を過ぎて燃焼用気体を始端部の導入口27からDの方向に吸入して、ローター回転方向後位の先端部51が導入口27を通過して吸入圧縮スペース223内に燃焼用気体を封鎖状態とする吸入行程と、前記先端部51の回転方向前面側がその封鎖状態の燃焼用気体を回転方向に押しやって母筒状体ローター21と母筒状体ハウジング24内周の狭い間隙を通過させて燃焼用気体の体積を加圧して圧縮縮小し、点火素子8に移送する圧縮行程があるとした状況の母筒状体2の断面概略図。
【
図2】ロータリーエンジン1の子筒状体3の内半径の一部を大きくした部分を、始端部に導入口37と終端部に排出口36のある爆発延長スペース324として、子筒状体ハウジング32内に挿嵌された子筒状体ローター31の回転軸Aに届かない深さで穿設された各子筒状体羽根溝33に装着された各羽根5により、子筒状体ハウジング32内は区分けされ、先端部53で区分けされた爆発延長スペース324の始端部の導入口37は当図では視認不可の前記排気口26と連通してCの方向からの燃焼気体を先端部53が受け、Bの方向に子筒状体ローター31を回転させ、終端部の排出口36に膨張エネルギーをCの方向に排出している状況の子筒状体3の断面概略図。
【
図3】ロータリーエンジン1の、同径サイズで重ねられた状態により視別認識不能の筒状体の母筒状体2と子筒状体3と子筒状体4の各筒状体ローター21,31,41が回転軸Aを一直線状として連結されて、母筒状体2の母筒状体ローター21の爆発排気スペース221と、子筒状体3の子筒状体ローター31の爆発延長スペース324、と子筒状体4の子筒状体ローター41の爆発延長スペース423、が各ハウジング内周を透視的な点線71の位置で各3分割してその合計でそれらハウジング内周の一周に及ぶとして、排気口26と導入口37、排出口36と導入口47が各連通し、点火素子8と、表見同位置の、後図で判別される排出口46の位置から排気ガスがCの方向に排出した状態のロータリーエンジン1の前記断面概略図側からの概略外観図である。
【
図4】ロータリーエンジン1の、母筒状体2の点線で概略図示の導入口27にCの方向から燃焼用気体が吸入され点火素子8のある母筒状体2の回転軸Aと子筒状体3と子筒状体4の点線で示した各回転軸Aが1直線状に連結されてそれら筒状体が重ねられて一体化し、母筒状体2での燃焼気体は、連通した排気口26と導入口37をEの方向に通過して子筒状体3内に移動し、さらに、対側位置にあり視認不可の、点線で概略図示の排出口36と導入口47が連通して子筒状体3内から子筒状体4内へFの方向に燃焼気体が移動し、点線で概略図示の排出口46ではCの方向に燃焼気体たる膨張エネルギーを連通することなく放出している様子のロータリーエンジン1の回転軸Aと平行側からの外観概略図。
【符号の説明】
【0016】
1ロータリーエンジン
2母筒状体
3子筒状体
4子筒状体
5羽根
8点火素子
21母筒状体ローター
23羽根溝
24母筒状体ハウジング
26排気口
27導入口
31子筒状体ローター
32子筒状体ハウジング
33子筒状体羽根溝
36排出口
37導入口
41子筒状体ローター
46排出口
47導入口
51先端部
53先端部
71点線
221爆発排気スペース
223吸入圧縮スペース
324爆発延長スペース
423爆発延長スペース
2211爆発室
A回転軸
B方向
C方向
D方向
E方向
F方向
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】削除
【補正の内容】