(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047530
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/825 20140101AFI20240329BHJP
A63F 13/212 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240329BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240329BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/212
A63F13/53
A63F13/58
A63F13/65
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079570
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2022152736の分割
【原出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹田 光太郎
(57)【要約】
【課題】ユーザを自発的な運動に好適に誘導する。
【解決手段】キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、ユーザの活動状態を示す活動情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された活動情報に基づいて、育成対象である対象キャラクタのパラメータを変更することにより、当該対象キャラクタを育成する育成手段と、ゲーム装置に設定されているモードに応じて、育成手段における対象キャラクタの育成方法を制御する制御手段と、を備え、育成手段における対象キャラクタの育成方法には、少なくとも第1種別のゲームに係るパラメータを変更する第1の育成方法と、第1種別のゲームと異なる第2種別のゲームに係るパラメータを変更する第2の育成方法と、を含み、制御手段は、第1のモードが設定されている場合に、活動情報に基づいて第1の育成方法で対象キャラクタを育成させ、第2のモードが設定されている場合に、活動情報に基づいて第2の育成方法で対象キャラクタを育成させるよう育成手段を制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、
ユーザの活動状態を示す活動情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記活動情報に基づいて、育成対象である対象キャラクタのパラメータを変更することにより、当該対象キャラクタを育成する育成手段と、
前記ゲーム装置に設定されているモードに応じて、前記育成手段における前記対象キャラクタの育成方法を制御する制御手段と、
を備え、
前記育成手段における前記対象キャラクタの育成方法には、少なくとも前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更する第1の育成方法と、前記第1種別のゲームと異なる第2種別のゲームに係るパラメータを変更する第2の育成方法と、を含み、
前記制御手段は、
第1のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記第1の育成方法で前記対象キャラクタを育成させ、
第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記第2の育成方法で前記対象キャラクタを育成させる
よう前記育成手段を制御するゲーム装置。
【請求項2】
前記第2種別のゲームに係るパラメータは、基礎パラメータと付加パラメータとで構成され、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記付加パラメータを変更する
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第2のモードは、予め定められた複数種類の運動種目について前記取得手段に前記活動情報を取得させるものであり、
前記第2種別のゲームに係るパラメータは、複数種類のパラメータが含まれ、各種類について前記基礎パラメータと前記付加パラメータを有し、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報の取得が行われた運動種目に対応する種類の前記付加パラメータを変更する
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記第2のモードが設定されている場合に、前記複数種類の運動種目のうちから前記活動情報を取得する1つの運動種目の選択を受け付ける選択手段をさらに備え、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記選択手段により選択が受け付けられた前記1つの運動種目に対応する種類の前記付加パラメータを、前記活動情報に基づいて変更する
請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報の評価結果に基づく値を加算することで前記付加パラメータを変更する請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記第1種別のゲームは、複数の育成段階を経てキャラクタが成長するゲームであり、
前記第1の育成方法は、前記活動情報に基づいて、前記第1種別のゲームに係るパラメータに加えて前記第2種別のゲームに係る前記基礎パラメータを変更する一方で、前記第2の育成方法は、前記活動情報に基づいて、前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更せずに、前記第2種別のゲームに係る付加パラメータを変更するものであり、
前記育成手段は、前記対象キャラクタの育成段階を変化させる場合に、前記対象キャラクタの前記基礎パラメータを、当該変化後の育成段階について予め定められた固定値に変更する
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記育成手段は、前記対象キャラクタの育成段階を変化させる場合に、前記基礎パラメータを直前の育成段階の値から変更する一方で、前記付加パラメータを前記直前の育成段階の値で維持する請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記対象キャラクタについて、前記第2種別のゲームに係るパラメータを表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータを、前記基礎パラメータと前記付加パラメータを識別可能に表示する
請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記第2種別のゲームは、キャラクタの育成段階が所定の育成段階よりも後の段階である場合にのみ実行可能になるゲームであり、
前記表示手段は、前記対象キャラクタの育成段階に依らず、当該対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータを表示する
請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記付加パラメータに基づいて、前記ユーザの前記第2のモードに係る活動履歴を評価して表示する評価手段をさらに備える請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記評価手段は、キャラクタの育成段階ごとに、前記ユーザの前記第2のモードに係る活動履歴の評価基準を異ならせる請求項10に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記第2種別のゲームは、対戦ゲームであり、
前記第2種別のゲームの実行時に参照される前記対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータは、前記基礎パラメータと前記付加パラメータの合算値である
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記活動情報は、第1の活動情報と、前記第1の活動情報とは異なる第2の活動情報を含み、
前記育成手段は、
前記第1のモードが設定されている場合に、前記活動情報のうちの前記第1の活動情報に基づいて前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更し、
前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報のうちの前記第2の活動情報に基づいて前記第2種別のゲームに係るパラメータを変更する
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記第1の活動情報と前記第2の活動情報とは、ユーザの活動状態の計測項目が異なる請求項13に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記ゲーム装置を前記第2のモードに設定する設定操作を受け付ける設定手段をさらに備え、
前記ゲーム装置は、
通常状態において前記第1のモードに設定されており、
前記設定手段に前記設定操作が受け付けられた場合に、前記第2のモードに設定され、
前記第2のモードに係る所定の前記活動情報の取得がなされたことを条件として、前記第1のモードに再設定される
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項16】
前記第2種別のゲームの実行手段をさらに備える請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関し、特にキャラクタの育成機能を有する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの活動状態に応じてキャラクタを育成する機能を有する電子ゲームを実行するゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、育成したキャラクタを対戦させる対戦ゲームの機能と、ユーザの自発的な運動を促すためのミッションの機能とが設けられている。しかしながら、ミッションの達成結果が対戦ゲームにおけるキャラクタのパラメータに関与しないため、ユーザの自発的な運動が好適に促されない可能性があった。
【0005】
本発明の一態様は、ユーザを自発的な運動に好適に誘導するゲーム装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、ユーザの活動状態を示す活動情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された活動情報に基づいて、育成対象である対象キャラクタのパラメータを変更することにより、当該対象キャラクタを育成する育成手段と、ゲーム装置に設定されているモードに応じて、育成手段における対象キャラクタの育成方法を制御する制御手段と、を備え、育成手段における対象キャラクタの育成方法には、少なくとも第1種別のゲームに係るパラメータを変更する第1の育成方法と、第1種別のゲームと異なる第2種別のゲームに係るパラメータを変更する第2の育成方法と、を含み、制御手段は、第1のモードが設定されている場合に、活動情報に基づいて第1の育成方法で対象キャラクタを育成させ、第2のモードが設定されている場合に、活動情報に基づいて第2の育成方法で対象キャラクタを育成させるよう育成手段を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザを自発的な運動に好適に誘導することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観構成を例示した図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示した図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るトレーニングモードに係る表示画面を例示した図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で管理される各種情報のデータ構成を例示した図
【
図5】本発明の実施形態に係る育成中のキャラクタの対戦パラメータを提示するステータス画面を例示した図
【
図6】本発明の実施形態に係るゲーム装置100において実行される更新処理を例示したフローチャート
【
図7】本発明の変形例1に係る、トレーニングモードの活動履歴の評価を提示する画面を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ユーザが身体に装着して使用する、キャラクタを育成する電子ゲームを実行可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、キャラクタを育成する電子ゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置の構成》
以下、本実施形態のゲーム装置100の構成について、
図1及び2を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のゲーム装置100の外観を例示した図である。ゲーム装置100は、例えばユーザの手首に装着可能なブレスレット状に構成されている。ゲーム装置100は、着用状態においてユーザの活動状態を検出及び計測可能な各種センサを備え、種々の項目を計測可能である。本実施形態では、ユーザによるゲーム装置100が備える後述の表示部120の表示内容の確認を容易ならしめるべく、ゲーム装置100の装着箇所が手首であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、ゲーム装置100の装着部位は、指、上腕、腰、脚部等、ユーザの身体のいずれであってもよい。
【0013】
ゲーム装置100は、本発明に係る第1種別のゲームとしての、キャラクタの育成に係る電子ゲーム(育成ゲーム)と、第2種別のゲームとしての、育成したキャラクタと他のキャラクタとを対戦させる電子ゲーム(対戦ゲーム)とを実行可能に構成されている。ゲーム装置100は、その起動中において、活動状態の計測結果に応じて育成ゲームの進行制御を行う。育成ゲームの詳細は後述するが、本発明の実施においてキャラクタを育成するための入力が活動状態の計測結果に限定されるものではないことは言うまでもない。本実施形態に示すゲーム装置100の形態、育成ゲームを進行させるための要素はあくまでも例示である。
【0014】
〈ゲーム装置の機能構成〉
図2は、本実施形態のゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図である。
【0015】
制御部101は、例えばマイクロコンピュータであり、ゲーム装置100の各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、記憶装置102に記録された各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0016】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリ等の、恒久的にデータを保持可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等を記憶する。また記憶装置102には、現在育成ゲームにおいて育成中のキャラクタや、ゲーム装置100において育成可能なキャラクタの各種情報が保持される領域も含まれる。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0017】
検出部104は、センサ110を用いてユーザの活動状態を示す各種情報を検出し、検出結果を出力する。センサ110は、例えば加速度センサや心拍センサであってよく、ゲーム装置100に生じた移動、ユーザの心拍の情報を、活動状態の情報として検出する。センサ110は、予め定められた時間間隔で検出結果を出力するよう構成され、各出力タイミングにおいて、直近の出力後に検出された歩数及び心拍数等の情報を出力するものであってよい。
【0018】
取得部105は、ゲーム装置100に装着された不図示のメモリカードから、育成ゲームに係る種々の情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100では、複数種類のキャラクタを育成することが可能に構成される。ゲーム装置100には、予め一部の種類のキャラクタの情報が記憶装置102に記憶され、育成対象として選択可能、あるいは条件を満たすことで育成対象として選択して育成ゲームを開始することができる。一方で、残りの種類のキャラクタの情報については、興趣要素の拡張のために、メモリカードを装着させることで取得部105を介して取得可能に構成される。
【0019】
表示制御部106は、ゲーム装置100における情報表示の制御を司る。表示制御部106は、育成中のキャラクタについて記憶装置102に記録されている表示用情報を用いて、例えばLCD等であってよい表示部120に表示させる育成ゲームに係る各種画面を構成する。
【0020】
操作入力部107は、物理的な操作部材(ボタン)等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部107は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0021】
通信部108は、ゲーム装置100が備える外部装置との情報通信を行うための通信インタフェースである。通信部108は、常時通信接続を行う状態にある必要はなく、育成ゲームの過程で移行される、あるいはユーザによるメニュー選択等を契機として移行される一部のモードにおいて通信接続を行う状態に遷移するよう構成されていればよい。通信部108の通信方式は、例えば近距離無線通信や近接無線通信を含むことができる。
【0022】
《育成ゲームの概要》
以下、このような構成を有する本実施形態のゲーム装置100において実行される育成ゲームについて、概要を説明する。
【0023】
ゲーム装置100では、複数種類のキャラクタが育成対象として選択可能に構成されている。ユーザは、このうちの1体のキャラクタを育成対象として設定し、当該キャラクタの育成を行うことができる。即ち、ゲーム装置100において実行される育成ゲームは、一時に1体のキャラクタを育成対象として設定することが可能に構成されている。
【0024】
育成対象とするキャラクタは、例えば、選択可能なキャラクタのうちから抽選処理によって、または、ゲーム装置100の利用中に満たされた条件に基づいて選択されるものであってよい。あるいは、育成対象とするキャラクタは、ユーザによる操作入力や、取得部105がメモリカードから該当の情報を取得したことに応じて選択されるものであってもよい。
【0025】
キャラクタの育成は、基本的にはゲーム装置100を着用したユーザの活動状態に応じて行われる。本実施形態の育成ゲームでは、キャラクタの成長を表現するために、キャラクタにはそれぞれ複数の育成段階が設けられており、所定の成長条件が満たされることでキャラクタの育成段階が順次進行する。つまり、1体のキャラクタの育成ゲームは、複数の育成段階を経て進行し、各育成段階において所定の成長条件が満たされた場合に次の育成段階に進行するよう構成されている。
【0026】
各キャラクタには、少なくとも一部の育成段階において複数種類の外観(形態)が定義されており、それ以前の育成段階におけるユーザの活動状態の遷移に応じて、このうちのいずれの外観となるかが決定される。即ち、育成段階の進行によってキャラクタの外観が異なることにより、育成ゲームは「キャラクタの進化」の表現をユーザに提示する。このように育成ゲームは、複数の育成段階が進行する中で、ゲーム装置100を着用したユーザがどのような活動を行ったかに応じてキャラクタの進化の態様を変化させることにより、固定的ではないキャラクタ育成の興趣体験を提供することができる。
【0027】
育成段階に定義される複数種類の形態は、単に外観の違いだけでなく、後述の対戦ゲームに参加させた際に用いられるパラメータ(対戦パラメータ)が異なって設定されている。ここで、対戦パラメータとは、例えば、体力、攻撃力、防御力(または敏捷性等の回避に関する能力)等であってよく、対戦ゲームの進行を決定する際に参照される。従って、対戦ゲームを有利に進めることを所望するユーザは、より有利な対戦パラメータが定められた形態にキャラクタを成長させるよう、ゲーム装置100を着用して計画的に活動を行えばよい。
【0028】
キャラクタがその育成段階の進行の中でいずれの形態に進化するかは、ユーザがゲーム装置100を着用して日常的に行った活動の遷移に基づいて決定される。本実施形態のゲーム装置100では、検出部104によってユーザの歩数及び心拍数の情報が取得されるため、進化先の形態は、例えば、これを所定の期間について計測した結果を点数(スコア)評価して蓄積し、その蓄積量に応じて決定される。ここで、スコア評価の手法や、各形態に進化するために必要なスコアは、育成中のキャラクタや当該キャラクタの現在の形態ごとに定められるものであってもよい。
【0029】
またこれら取得された活動状態の情報(活動情報)は、ゲーム装置100の表示部120に表示されるキャラクタの状態をリアルタイムに制御するためにも利用され得る。例えば、活動情報は、育成ゲームにおけるキャラクタのコンディション(調子)の決定にも用いられ、表示制御部106は表示部120に表示させるキャラクタの画像を、調子を反映した態様に制御する。
【0030】
〈対戦ゲーム〉
続いて、ゲーム装置100において実行される対戦ゲームについて説明する。
【0031】
上述したように対戦ゲームは、ユーザがゲーム装置100において育成したキャラクタ(以下、自キャラクタとして言及)を参加させて行われるゲームである。即ち、ユーザは、育成ゲームにて育成した自キャラクタを、育成ゲームにおいてその外観や自キャラクタの動作を観賞して楽しむだけでなく、当該キャラクタを対戦ゲームに参加させて、対戦相手のキャラクタ(以下、対戦キャラクタとして言及)と対戦させる遊戯を楽しむこともできる。対戦ゲームでは、自キャラクタと対戦キャラクタとが対戦行動を順次行い、先に相手キャラクタの体力を0にしたキャラクタが勝利する、あるいは、所定のターン数経過の後に残り体力の多い方のキャラクタが勝利する。なお、対戦ゲームの内容は、このようなターン制のゲームに限られるものではなく、対戦形式のその他のゲームに適宜変更することができる。
【0032】
対戦ゲームは、例えば、対戦ゲームの実行要求に係る操作入力が操作入力部107により取得されたことや、育成ゲームにおける所定の条件が達成されたこと、あるいは、対戦キャラクタの情報を取得したことを契機として実行されるものであってよい。ここで、対戦ゲームの対戦キャラクタに係る情報は、予め記憶装置102に記憶されているものであってもよいし、例えばメモリカードのゲーム装置100への装着や、外部の通信機器との通信がなされたこと等を契機として受信されるものであってもよい。
【0033】
本実施形態の育成ゲームでは、全てのキャラクタには6段階の育成段階が設けられており、対戦ゲームはそのうちの3番目の育成段階から利用可能に構成される。即ち、ユーザは、自キャラクタが2番目の育成段階までの期間には、対戦ゲームに当該キャラクタを参加させてゲームプレイを行うことができない。一方で、自キャラクタが3番目以降の育成段階に至った後は、当該キャラクタを対戦ゲームに参加させてのゲームプレイが可能となる。従って、対戦ゲームの実行に係る育成ゲーム内のイベントも、自キャラクタが2番目の育成段階よりも後の段階に至るまで発生しないよう制御される。
【0034】
〈対戦パラメータの変化要素〉
上述したように、本実施形態の育成ゲームでは、育成段階の進行によって自キャラクタの形態が変化することで、当該キャラクタの対戦パラメータが変化する。即ち、自キャラクタの対戦パラメータは、当該自キャラクタの形態が決定したことに応じて、ユーザの違いに依らずに定まる固定値分を含む。つまり、キャラクタの形態に応じた当該固定値分の対戦パラメータ(以下、基礎パラメータとして言及)は、当該キャラクタの特徴や特性に応じて予め定められており、当該キャラクタを使用した基本的な対戦ゲームのプレイ体験がいずれのユーザにも担保されている。従って、ユーザは、ゲーム装置100を着用して日常的な活動を行い、キャラクタの特定の形態への進化条件を満たすスコアを蓄積することで、育成ゲームにて自キャラクタを育成させ、当該形態に係る基礎パラメータを有した状態とすることができる。
【0035】
一方で、このようなキャラクタ(の形態)固有の基礎パラメータのみで対戦ゲームの進行が決定されるものとすると、対戦ゲームの結果が固定化され得る。即ち、対戦ゲームにおいて対戦するキャラクタが確定した段階で、いずれのキャラクタに有利な展開に当該対戦ゲームがなるかが参加キャラクタの基礎パラメータに基づいて決まり得るため、対戦ゲームの興趣性が失われ得る。また、別の観点では、ユーザは対戦ゲームの進行を有利にし得る基礎パラメータを有する形態にキャラクタを育成しさえすれば、対戦ゲームの結果を良好なものにできてしまうため、それ以上のキャラクタの育成を行う必要性が低くなり、結果、ゲーム装置100を着用した運動等を行うことに関心がなくなり得る。つまり、ユーザの運動意欲を惹起させるとのゲーム装置100の機能が、好適に作用しないことになり得る。
【0036】
このため、本実施形態の対戦ゲームでは、各キャラクタの対戦パラメータとして、基礎パラメータに加えて付加パラメータを含む。付加パラメータは、基礎パラメータと同様に、育成ゲームにおいて取得された活動情報に基づいてその値が変化するパラメータである。しかしながら、基礎パラメータと付加パラメータとは、その計測対象となるユーザの動作が異なっており、本実施形態のゲーム装置100ではそれらを明確に計測し分けるため、育成ゲームに係る動作モードとして以下の2種類のモードを、ユーザによる操作入力に応じて切り替え可能に設ける。
【0037】
1つ目は、上述したように、歩行等の日常的に計測される活動情報に基づいてスコアを蓄積し、当該スコアに基づいて育成段階を進行させることで自キャラクタの基礎パラメータを変更する通常のモード(以下、通常モードとして言及)である。通常モードでは、ユーザは、特定の動作を意識的に行う必要はなく、走行等を含む日常的に行われる動作を行うことで、ユーザの心拍の上昇態様や歩数、歩行スピード等が活動情報として取得され、自キャラクタの育成段階を進行させるための、またその進化先の形態を特定するためのスコアの蓄積に利用される。
【0038】
2つ目は、通常モードとは異なり、特定の運動種目に係る動作を意識的にユーザに行わせることで計測される活動情報を評価し、当該評価に基づいて自キャラクタの付加パラメータを変更するトレーニングモードである。より詳しくは、トレーニングモードでは、通常モードとは異なり計測時間が限られており、その時間内に該当の運動をどのくらいの頻度で行うことができたかが評価され、評価に応じた数値分、付加パラメータの該当項目の値が上昇する。
【0039】
ここで、本実施形態の対戦ゲームでは、発明の理解を容易にするために、対戦ゲームで参照される各キャラクタの対戦パラメータとして、体力、攻撃力及び防御力の3種類の項目が設けられているものとして説明する。トレーニングモードでは、これらの項目のそれぞれについて異なる運動種目が対応付けられており、ユーザにより計測の指定がなされた運動種目について活動情報の取得及び評価がなされる。
【0040】
例えば、トレーニングモードに移行した際、ゲーム装置100の表示部120には、
図3(a)に示されるように、計測(トレーニング)を行う運動種目を選択する画面が表示される。図の例では、計測対象の運動種目として、腹筋動作を行うクランチ(ボタン301)、拳を左右交互に突き出すパンチ(ボタン302)、及び走行を行うダッシュ(ボタン303)が示されており、ユーザはいずれか1つの運動種目に対応するボタンの選択操作を行うことで、当該運動種目に係る計測を開始することができる。それぞれの運動種目は、例えば付加パラメータの項目を直感的に想起するものが採用されるものであってよく、図の例ではクランチが体力に、パンチが攻撃力に、ダッシュが防御力(または回避性能)に対応している。
【0041】
運動種目の選択がなされると、表示部120の画面は計測開始のカウントダウン表示の後、計測中画面に遷移する。そして計測期間が終了すると、計測期間中に取得された活動情報に基づいて行われた内容(回数)を評価し、例えば
図3(b)のように、その評価結果311及び今般の運動により上昇する付加パラメータの値312が結果画面に含められて表示される。付加パラメータの上昇分は、予め設けられた回数閾値と計測期間中に行われた該当の運動の回数とに基づいて、「±0」、「+1」及び「+2」の3段階で評価されるものとする。結果画面の表示の後、確認に係る操作入力がなされると、あるいは、所定の表示時間の経過すると、ゲーム装置100のモードは、トレーニングモードからデフォルトの通常モードに移行される。また表示部120の画面表示も、トレーニングモードのものではなく、通常モードの育成ゲームに係るキャラクタ表示の画面に遷移する。
【0042】
このように、通常モードにおいてキャラクタの形態が変化することで確定する基礎パラメータが固定値である一方で、トレーニングモードにおいてユーザが運動を行うことにより上昇する付加パラメータは、その運動の評価が良好であったかに応じて上昇する変動値である。また基礎パラメータが育成段階の進行によって形態ごとに変更される一方で、付加パラメータは、育成段階に依らず、ユーザがトレーニングモードに係る運動を行った回数によって順次蓄積され、形態の変化に依らず維持される。換言すれば、基礎パラメータは、育成ゲームにおいてキャラクタをどのように進化させたかに応じてユーザに依らず固定的に定められるベースのパラメータであり、付加パラメータは、トレーニングモードに係る運動を数多くこなしたユーザを優遇すべく設けられた、基礎パラメータに対して上乗せされるユーザ依存のパラメータである。つまり、自キャラクタを用いて対戦ゲームが実行される場合、当該キャラクタの対戦パラメータは
(対戦パラメータ)=(基礎パラメータ)+(付加パラメータ)
で導出される。
【0043】
このようにすることで、同一の形態の同一キャラクタであっても対戦パラメータが変化するため、対戦ゲームをより有利に進行させたいユーザの、トレーニングモードに係る運動に対する意欲を高めることができる。また付加パラメータは、自キャラクタの育成段階が進行しても維持されるため、当該キャラクタの育成中、(値が0以外である場合に)常に対戦パラメータを上昇させる効果を発生させる。
【0044】
対戦パラメータに関する情報は、例えば次の情報が記憶装置102やメモリ103に保持されることにより実現される。
【0045】
記憶装置102には、各キャラクタの形態ごとに、例えば
図4(a)に示されるような構成の情報(形態情報)が管理される。図の例では形態情報は、キャラクタを一意に特定するキャラクタID401に関連付けて、育成段階を示す段階情報402、形態を一意に特定する形態ID403、及び当該形態における基礎パラメータ404を管理する。また基礎パラメータ404には、当該形態に係る体力411、攻撃力412及び防御力413が含まれる。ここで、基礎パラメータ404に含まれる体力411、攻撃力412及び防御力413は、形態に対して不変に規定された固定値である。
【0046】
また、現在育成中の自キャラクタについては、例えばメモリ103に
図4(b)に示されるような構成で当該キャラクタの情報(育成情報)が管理される。育成情報は、ユーザが育成したキャラクタのうちの現在育成中の自キャラクタを識別する育成ID421に関連付けて、当該キャラクタ自身のキャラクタID422、育成段階を示す段階情報423、形態を一意に特定する形態ID424、活動情報の遷移に係る蓄積スコア425、自キャラクタに係る基礎パラメータ426、及び自キャラクタに係る付加パラメータ427が管理される。また基礎パラメータ426と付加パラメータ427には、それぞれ体力431、攻撃力432及び防御力433、または体力441、攻撃力442及び防御力443が含まれる。
【0047】
ここで、蓄積スコア425に格納される値は、通常モードにおいて取得された活動情報に基づいて導出されたスコアが順次加算されることにより更新される。より詳しくは、通常モードでは、ユーザにより日常的に行われる動作に係る運動量を評価すべく、順次取得される活動情報を所定の時間間隔で集計し、所定の演算式を適用することによりスコアの導出がなされる。導出されたスコアは、順次蓄積スコア425の値に加算する形で反映される。蓄積スコア425は、例えば、自キャラクタの育成段階を進行させることが可能であるかの判定や、次の育成段階において自キャラクタがいずれの形態に進化するかの判定に用いられる。蓄積スコア425は、基本的には次の育成段階における自キャラクタの形態を決定するために用いられるものであるため、育成段階の進行の後は、リセットされ、進行後の育成段階について、再度蓄積が開始されるよう構成されるものであってもよい。
【0048】
従って、通常モードにおいて取得された活動情報は、育成段階を進行させてキャラクタを進化させるために必要となる蓄積スコア425を更新し、当該蓄積スコア425が所定の条件を満たした場合に自キャラクタの形態変更(進化)を生じさせる成長についての育成要素を実現する。このとき、変更後の形態に係り記憶装置102に管理されている形態情報の体力411、攻撃力412及び防御力413が読み出され、育成情報の体力431、攻撃力432及び防御力433の値が読み出された値に置換される。また形態変更がなされた場合には、自キャラクタの基礎パラメータが、変更後の形態の基礎パラメータに置き換わるため、通常モードにおいて取得された活動情報は、間接的に自キャラクタの基礎パラメータを変化させる成長についての育成要素も実現する。
【0049】
一方、付加パラメータ427には、上述したトレーニングモードにおいて行われた各項目に対応する運動種目に係る活動情報に基づく、評価結果に対応した値が順次加算されることにより更新される。即ち、ユーザがトレーニングモードにおいてクランチを選択して計測を行った場合には、取得された活動情報を3段階で評価した後に、当該評価に対応する値(±0/+1/+2)が育成情報の体力441に加算される。同様に、パンチを選択して計測を行った場合には育成情報の攻撃力442が、ダッシュを選択して計測を行った場合には育成情報の防御力443が、評価結果に応じて更新される。従って、トレーニングモードにおいて取得された活動情報は、付加パラメータ427を直接的に更新し、自キャラクタの付加パラメータを変化させる成長についての育成要素を実現する。
【0050】
このようにして育成ゲームにおいて順次変化する対戦パラメータについては、例えば通常モードに設定されている場合にメニュー選択等の操作入力により遷移可能な、
図5に示される自キャラクタのステータス画面において確認可能に構成される。図示されるように、ステータス画面には、自キャラクタの外観を示す画像501とともに、自キャラクタの形態に係る名称502と対戦パラメータ503が示されている。対戦パラメータ503では、項目(体力、攻撃力、防御力)ごとに基礎パラメータと付加パラメータが分離され、識別可能に表示されている。従って、ユーザはステータス画面を参照することで、自キャラクタの形態固有の基礎パラメータと、各項目について自身がトレーニングモードに係る運動を行ったことにより上昇した付加パラメータとを把握することができる。
【0051】
なお、本実施形態の育成ゲームでは、育成段階が3番目の段階に至らないと、自キャラクタを対戦ゲームに参加させることができない(対戦ゲームをプレイできない)ものとして説明するが、ステータス画面の表示は、いずれの育成段階においても表示可能に構成されるものとする。これは、対戦ゲームをまだプレイできない育成段階であっても、その後にプレイ可能となる対戦ゲームを有利に進行できるように、計画的に育成(トレーニング)を行う機会を全てのユーザに担保するためである。また、トレーニングモードを利用したことにより、自キャラクタのいずれの項目のパラメータがどの程度強化されているかを、ユーザに把握可能にせしめるためでもある。
【0052】
〈モード間の違い〉
まとめると、本実施形態のゲーム装置100は育成ゲームの実行中、通常モードとトレーニングモードとで、次のように処理内容を異ならせる。
【0053】
まず、各モードにおいて、自キャラクタの育成に係り検出部104が取得する活動情報が変化する。検出部104は、デフォルト(通常状態)で通常モードに設定されており、本発明に係る第1の活動情報としての、ユーザがゲーム装置100を着用して行った日常的な動作に係る活動情報を取得するよう制御される。また、モード設定に係る操作入力によりトレーニングモードが設定されると、日常的な動作に係る活動情報の取得が中止され、さらにトレーニングを行う運動種目の選択に係る操作入力がなされたことに応じて、検出部104は、本発明に係る第2の活動情報としての、選択された運動種目の動作に係る活動情報を取得するよう制御される。また検出部104は、選択された運動種目に係る計測が終了し、当該計測期間に係る活動情報の取得が完了すると、再び活動情報の取得を中止する。このとき、計測終了に応じてなされる結果表示等が完了すると、ゲーム装置100のモードは通常モードに再設定される。即ち、検出部104が、通常モードでは、センサ110により計測された情報のうちの日常的な動作に係る情報を活動情報として取得し、トレーニングモードでは、センサ110により計測された情報のうちの、日常的な動作に係る情報とは異なる、選択された運動種目に係る情報を活動情報として取得する点で、両モードは異なっている。
【0054】
また育成ゲームでは、各モードで取得された活動情報に応じて、自キャラクタは異なる観点(育成方法)で育成される。通常モードでは、取得された活動情報に基づいて、育成段階を進行させるためのパラメータである育成情報の蓄積スコア425が変更されることで、自キャラクタの育成が行われる。また本実施形態のゲーム装置100は、蓄積スコア425が所定の条件を満たした場合には、ユーザが自キャラクタの育成段階を進めるか否かを決定することが可能に構成されているものとし、進めると決定された場合には、蓄積スコア425によって進化先の形態が一意に特定され、育成情報の段階情報423、形態ID424及び基礎パラメータ426が変更される。対して、トレーニングモードでは、取得された活動情報について該当の運動種目の評価が行われ、育成情報の付加パラメータ427が変更されることで、自キャラクタの育成が行われる。即ち、トレーニングモードでは、自キャラクタについて育成ゲームに係るパラメータ(蓄積スコア425)を変更するのではなく、対戦ゲームに係るパラメータ(付加パラメータ427)が変更される。従って、通常モードとトレーニングモードでは、ゲーム装置100を着用したユーザの活動情報を取得するが、前者は育成ゲームと対戦ゲームの両方に関与するパラメータを変更し、後者は対戦ゲームに関与するパラメータのみ変更する点で異なっている。
【0055】
また育成段階の進行が生じる際には、通常モードでは、進行後の自キャラクタの形態に応じて育成情報の基礎パラメータ426が変更されるのに対し、トレーニングモードでは、自キャラクタの形態の変化に依らず、育成情報の付加パラメータ427が維持される点でも、両モードは異なっている。
【0056】
《更新処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100において育成ゲームが行われる際に実行される育成情報の更新処理について、
図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本更新処理は、例えばゲーム装置100の電源がONにされ、所定の初期化処理や設定処理が完了した際に育成ゲームの実行開始と共に開始されるものとし、育成ゲームが実行中、センサ110からの情報取得の度に繰り返し実行されるものとして説明する。
【0057】
S601で、制御部101は、現在ゲーム装置100に設定されているモードが通常モードであるか否かを判断する。制御部101は、現在設定されているモードが通常モードである場合には、処理をS602に移す。また制御部101は、現在設定されているモードが通常モードではない、即ち、モード変更に係る操作入力がなされたことによってトレーニングモードが設定されている場合には、処理をS607に移す。
【0058】
S602で、検出部104は制御部101の制御の下、センサ110により計測された情報のうち、日常的な動作に係る活動情報を取得する。日常的な動作に係る活動情報は、例えば、所定の長さの期間における歩数及び心拍数を含むものであってよい。
【0059】
S603で、制御部101は、S602において取得された活動情報に基づいて、蓄積スコアの追加分を導出する。そして制御部101は、導出した追加分を自キャラクタに係る育成情報の蓄積スコア425に加算することで育成情報を更新する。
【0060】
S604で、制御部101は、育成段階の進行条件が満たされたか否かを判断する。ここで、育成段階の進行条件は、現在の自キャラクタの形態に対して設定されているものであってもよいし、現在の自キャラクタの形態から進化可能な形態に対して設定されているものであってもよい。あるいは、進行条件は、キャラクタや形態によらず、進化段階について共通に定められるものであってもよい。制御部101は、育成段階の進行条件が満たされたと判断した場合は処理をS605に移し、満たされていないと判断した場合は本更新処理を完了する。
【0061】
S605で、制御部101は、ユーザによる育成段階の進行要求、即ち、自キャラクタの進化要求に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、育成段階の進行要求に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS606に移し、なされていないと判断した場合は本更新処理を完了する。
【0062】
S606で、制御部101は、進化先の形態を決定して育成情報の更新を行う。より詳しくは、制御部101は、育成段階の進行条件が満たされた1つの形態を進化先の形態として特定し、当該進化先の形態に基づいて育成情報の形態ID424及び段階情報423を更新する。また制御部101は、進化先の形態に係る形態情報を参照し、当該携帯情報の基礎パラメータ404に基づいて、育成情報の基礎パラメータ426を更新して、本更新処理を完了する。
【0063】
一方、S601において、現在設定されているモードがトレーニングモードであると判断した場合は、制御部101はS607で、計測する運動種目の選択に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、運動種目の選択に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS608に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0064】
S608で、検出部104は制御部101の制御の下、センサ110により計測された情報のうち、選択された運動種目の動作に係る活動情報を取得する。本ステップにおける活動情報の取得は、運動種目について定められた計測期間について行われるものであってよい。制御部101は、計測期間に係る活動情報の取得が終了すると処理をS609に移す。
【0065】
S609で、制御部101は、S608において取得された活動情報を、選択された運動種目に係り設けられた評価基準に基づいて評価する。そして制御部101は、評価の結果導出された値を育成情報の付加パラメータ427に加算することで育成情報を更新する。
【0066】
S610で、制御部101は、ゲーム装置100のモードを通常モードに設定して本更新処理を完了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、トレーニングモードとして対戦パラメータを増大可能な機能を提供するため、特に対戦ゲームを有利に進めたいユーザを、自発的な運動に好適に誘導することができる。また、このような構成としたことで、対戦ゲームの進行がキャラクタ依存にならず、展開が豊富になり得るため、育成ゲームと対戦ゲーム双方の興趣性を増大することができる。また、ユーザは自キャラクタを好み外観をもつ形態としたまま、対戦パラメータを強化することも可能であるため、所望の形態の自キャラクタで、基礎パラメータが高い他のキャラクタとの間でも好適な対戦ゲームを実現することもできる。
【0068】
[変形例1]
上述した実施形態では、ユーザが行ったトレーニングモードにおける活動履歴を、
図5に示したステータス画面において各項目のパラメータを提示することによりユーザに知らしめる態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、
図7に示されるように、育成情報の付加パラメータ427に含まれる各項目の合算値(体力441、攻撃力442及び防御力443の和)に基づいて、自キャラクタの育成に係るトレーニングモードの活動履歴を評価し、得られた評価結果をキャラクタ育成の指標としてユーザに提示してもよい。トレーニングモードの活動履歴の評価は、例えばランクD、ランクC、ランクB、ランクA及びランクSの5段階の評価で行われるものであってよい。
【0069】
なお、付加パラメータ427は、育成段階の進行に依らずに蓄積して管理される情報であるため、各項目の合算値は育成期間が長いほど高くなりやすい。このため、合算値の評価基準は、より上位の育成段階になるほど各ランクに分類される合算値の上限が高くなるよう制御されるものであってもよい。即ち、同一のランクであっても、育成段階が進行するほど当該ランクに分類される上限が高く設定されるため、育成段階を進行させた直後は、進行前よりも低いランクで評価され得る。故に、評価の上昇を所望するユーザを、より自発的な運動に誘導することができる。
【0070】
[変形例2]
上述した実施形態の育成ゲームでは、1つのキャラクタに係る各育成段階に複数種類の形態が設けられ、蓄積スコアに応じてそのいずれかに進化可能であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、育成段階の進行によってキャラクタの成長を表現する育成ゲームでは、各育成段階において形態のバリエーションが設けられることは必須ではなく、キャラクタの進化の態様はユーザに依らず固定であってもよい。また育成段階の進行時のキャラクタの外観変化も必須のものではなく、外観を変化させずに基礎パラメータのみを変化させるものであってもよい。
【0071】
[変形例3]
上述した実施形態では、ゲーム装置100において対戦ゲームが実行されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームは、ゲーム装置100と通信可能に構成された携帯端末等の外部装置や、ゲーム装置100から取得された情報を携帯端末等から受信したサーバ等において実行されるものであってもよい。
【0072】
[変形例4]
上述した実施形態では、トレーニングモードが設定された際に、計測を行う運動種目をユーザが選択するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。トレーニングモードとして計測される運動種目は、センサ110により取得された情報に基づいて特定され、制御部101は、特定した運動種目の評価基準に基づいて、計測期間に係り取得された活動情報を評価してもよい。
【0073】
[変形例5]
上述した実施形態では、トレーニングモードにおいて選択可能な運動種目として対戦パラメータの各項目に対応した運動種目が設けられ、トレーニングモードにおいて計測された活動情報によって該当する項目の付加パラメータ427が更新されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。トレーニングモードにおいて選択可能な運動種目には、その評価結果が付加パラメータ427を変更しないものを含むこともできる。例えば、1つの態様では、育成段階の進行のために消費が必須となるポイントを付与する運動種目が設けられてもよい。このようにすることで、付加パラメータ427を増大させることを望むユーザに限らず、育成ゲームをプレイするユーザ全体を、トレーニングモードに係る運動を行うよう誘導することができる。
【0074】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のゲーム装置及びプログラムを少なくとも開示する。
【0075】
(1) キャラクタを育成する第1種別のゲームを実行するゲーム装置であって、
ユーザの活動状態を示す活動情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記活動情報に基づいて、育成対象である対象キャラクタのパラメータを変更することにより、当該対象キャラクタを育成する育成手段と、
前記ゲーム装置に設定されているモードに応じて、前記育成手段における前記対象キャラクタの育成方法を制御する制御手段と、
を備え、
前記育成手段における前記対象キャラクタの育成方法には、少なくとも前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更する第1の育成方法と、前記第1種別のゲームと異なる第2種別のゲームに係るパラメータを変更する第2の育成方法と、を含み、
前記制御手段は、
第1のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記第1の育成方法で前記対象キャラクタを育成させ、
第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記第2の育成方法で前記対象キャラクタを育成させる
よう前記育成手段を制御するゲーム装置。
【0076】
(2) 前記第2種別のゲームに係るパラメータは、基礎パラメータと付加パラメータとで構成され、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報に基づいて前記付加パラメータを変更する、(1)に記載のゲーム装置。
【0077】
(3) 前記第2のモードは、予め定められた複数種類の運動種目について前記取得手段に前記活動情報を取得させるものであり、
前記第2種別のゲームに係るパラメータは、複数種類のパラメータが含まれ、各種類について前記基礎パラメータと前記付加パラメータを有し、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報の取得が行われた運動種目に対応する種類の前記付加パラメータを変更する、(2)に記載のゲーム装置。
【0078】
(4) 前記第2のモードが設定されている場合に、前記複数種類の運動種目のうちから前記活動情報を取得する1つの運動種目の選択を受け付ける選択手段をさらに備え、
前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記選択手段により選択が受け付けられた前記1つの運動種目に対応する種類の前記付加パラメータを、前記活動情報に基づいて変更する、(3)に記載のゲーム装置。
【0079】
(5) 前記育成手段は、前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報の評価結果に基づく値を加算することで前記付加パラメータを変更する(2)乃至(4)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0080】
(6) 前記第1種別のゲームは、複数の育成段階を経てキャラクタが成長するゲームであり、
前記第1の育成方法は、前記活動情報に基づいて、前記第1種別のゲームに係るパラメータに加えて前記第2種別のゲームに係る前記基礎パラメータを変更する一方で、前記第2の育成方法は、前記活動情報に基づいて、前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更せずに、前記第2種別のゲームに係る付加パラメータを変更するものであり、
前記育成手段は、前記対象キャラクタの育成段階を変化させる場合に、前記対象キャラクタの前記基礎パラメータを、当該変化後の育成段階について予め定められた固定値に変更する、(2)乃至(5)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0081】
(7) 前記育成手段は、前記対象キャラクタの育成段階を変化させる場合に、前記基礎パラメータを直前の育成段階の値から変更する一方で、前記付加パラメータを前記直前の育成段階の値で維持する(6)に記載のゲーム装置。
【0082】
(8) 前記対象キャラクタについて、前記第2種別のゲームに係るパラメータを表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータを、前記基礎パラメータと前記付加パラメータを識別可能に表示する、(6)または(7)に記載のゲーム装置。
【0083】
(9) 前記第2種別のゲームは、キャラクタの育成段階が所定の育成段階よりも後の段階である場合にのみ実行可能になるゲームであり、
前記表示手段は、前記対象キャラクタの育成段階に依らず、当該対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータを表示する、(8)に記載のゲーム装置。
【0084】
(10) 前記付加パラメータに基づいて、前記ユーザの前記第2のモードに係る活動履歴を評価して表示する評価手段をさらに備える(6)乃至(9)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0085】
(11) 前記評価手段は、キャラクタの育成段階ごとに、前記ユーザの前記第2のモードに係る活動履歴の評価基準を異ならせる(10)に記載のゲーム装置。
【0086】
(12) 前記第2種別のゲームは、対戦ゲームであり、
前記第2種別のゲームの実行時に参照される前記対象キャラクタの前記第2種別のゲームに係るパラメータは、前記基礎パラメータと前記付加パラメータの合算値である、(2)乃至(11)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0087】
(13) 前記活動情報は、第1の活動情報と、前記第1の活動情報とは異なる第2の活動情報を含み、
前記育成手段は、
前記第1のモードが設定されている場合に、前記活動情報のうちの前記第1の活動情報に基づいて前記第1種別のゲームに係るパラメータを変更し、
前記第2のモードが設定されている場合に、前記活動情報のうちの前記第2の活動情報に基づいて前記第2種別のゲームに係るパラメータを変更する、(1)乃至(12)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0088】
(14) 前記第1の活動情報と前記第2の活動情報とは、ユーザの活動状態の計測項目が異なる(13)に記載のゲーム装置。
【0089】
(15) 前記ゲーム装置を前記第2のモードに設定する設定操作を受け付ける設定手段をさらに備え、
前記ゲーム装置は、
通常状態において前記第1のモードに設定されており、
前記設定手段に前記設定操作が受け付けられた場合に、前記第2のモードに設定され、
前記第2のモードに係る所定の前記活動情報の取得がなされたことを条件として、前記第1のモードに再設定される、(1)乃至(14)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0090】
(16) 前記第2種別のゲームの実行手段をさらに備える(1)乃至(15)のいずれか1つに記載のゲーム装置。
【0091】
(17) コンピュータを、(1)乃至(16)のいずれか1つに記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0092】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:検出部、105:取得部、106:表示制御部、107:操作入力部、108:通信部、110:センサ、120:表示部