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特開2024-47537方向性圧密化が増強された熱間静水圧プレス容器
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  • 特開-方向性圧密化が増強された熱間静水圧プレス容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047537
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】方向性圧密化が増強された熱間静水圧プレス容器
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/15 20060101AFI20240329BHJP
   B22F 1/07 20220101ALI20240329BHJP
【FI】
B22F3/15 G
B22F1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023106091
(22)【出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】17/935,208
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ ジェイ.ブレシュ
(72)【発明者】
【氏名】シェンヤン ファン
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018BB06
4K018EA15
4K018EA16
(57)【要約】
【解決すべき課題】熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造する際の高温高圧時の容器の変形を制御して、得られる金属ビレットの機械加工の必要性を低減する。
【解決手段】熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末(15)から金属ビレット(35)を製造するのに用いられる容器(100)を提供する。容器(100)は、上面(25)と、底面(30)と、上面(25)と底面(30)との間に延在する壁(20)と、壁(20)内の増強方向性圧密化要素(110)と、増強方向性圧密化要素(110)の周りに配置されたスリーブ(170)とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末(15)から金属ビレット(35)を製造するのに用いられる容器(100)であって、
上面(25)と、
底面(30)と、
上面(25)と底面(30)の間に延在する壁(20)であって、増強方向性圧密化要素(110)を備える壁(20)と、
増強方向性圧密化要素(110)の周りに配置されたスリーブ(170)と
を備える容器(100)。
【請求項2】
前記増強方向性圧密化要素(110)がベローズ(120)を含む、請求項1に記載の容器(100)。
【請求項3】
前記ベローズ(120)が、腹部(150)で隔てられた複数の山部(130)と複数の谷部(140)とを備える、請求項2に記載の容器(100)。
【請求項4】
前記スリーブ(170)が、前記ベローズ(120)の周りに位置する1以上のスリーブ(170)を含む、請求項2に記載の容器(100)。
【請求項5】
前記1以上のスリーブ(170)が、1以上の内側スリーブ(200)を含む、請求項4に記載の容器(100)。
【請求項6】
前記1以上の内側スリーブ(200)が、上方内側スリーブ(210)及び下方内側スリーブ(220)を含む、請求項5に記載の容器(100)。
【請求項7】
前記上方内側スリーブ(210)と前記下方内側スリーブ(220)とが重なり合う、請求項6に記載の容器(100)。
【請求項8】
前記ベローズ(120)が、前記壁(20)の上方壁部(180)と下方壁部(190)との間に配置される、請求項2に記載の容器(100)。
【請求項9】
前記ベローズ(120)が、前記下方壁部(190)の中央壁部(230)で前記壁(20)に取り付けられる、請求項8に記載の容器(100)。
【請求項10】
前記スリーブ(120)が、前記ベローズの周りに位置する内側スリーブ(200)を含む、請求項8に記載の容器(100)。
【請求項11】
前記内側スリーブ(200)が下方壁部(190)と重なり合う、請求項10に記載の容器(100)。
【請求項12】
前記1以上のスリーブ(170)が1以上の外側スリーブ(240)を含む、請求項4に記載の容器(100)。
【請求項13】
前記1以上の外側スリーブ(240)が、上方外側スリーブ(260)及び下方外側スリーブ(250)を含む、請求項12に記載の容器(100)。
【請求項14】
前記上方外側スリーブ(260)と前記下方外側スリーブ(250)とが重なり合う、請求項13に記載の容器(100)。
【請求項15】
熱間静水圧プレスプロセスでナノ組織フェライト合金粉末(15)から金属ビレット(35)を製造する方法であって、
容器(100)の壁(20)に増強方向性圧密化要素(110)を設けるステップと、
前記容器(100)にナノ組織フェライト合金粉末(15)を充填するステップと、
前記容器(100)を熱間静水圧プレスプロセスに付して金属ビレット(35)を形成するステップと、
前記増強方向性圧密化要素(110)に沿って容器(100)を変形させるステップと、
前記容器(10)から金属ビレット(35)を取り出すステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及びその成果として特許は、一般に、熱間静水圧プレスを用いて金属粉末からビレットを形成するための改良容器及び方法に関し、具体的には、かかる熱間静水圧プレスで起こる高温高圧時の容器の変形を制御して、全体的な材料廃棄を減少させる形状特徴を有する容器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ鋳造又はアトマイズ等によって所定の粒径に作られた金属粉末から金属ビレットその他のタイプの物体を製造する冶金技術が開発されている。これらの粉末は、通常、Ni、Cr、Co、Fe等と高度に合金化され、100%理論密度に近い稠密塊に圧密化し得る。得られたビレットは一般に均質な組成及び緻密なミクロ組織を有しており、良好な靭性、強度、耐破壊性及び熱膨張係数を有する部品を製造することができる。こうした改善された特性は、例えば高温及び/又は高応力条件が一般に存在するタービンの回転部品の製造に特に有益である。
【0003】
こうした金属粉末から高密度塊への圧密化は、通例、熱間静水圧プレス(「HIP」)と呼ばれるプロセスで高圧及び高温下で行われる。通例、粉末を容器に入れて封止し、その内容物を真空に引く。容器は高温に付され、化学反応を避けるためアルゴン等の不活性ガスを用いて外側から加圧される。例えば、金属粉末を圧密化するため、約480℃~1315℃の高温及び約51MPa~310MPa又はさらに高い圧力が印加される。粉末を囲む容器の加圧によって、所定の流体媒体(例えば不活性ガス)によってあらゆる面及び方向から粉体に圧力が加わる。
【0004】
ビレットが形成されると、ビレットは熱間静水圧プレスプロセスで起きた変形の性状及び所望の最終形状に応じて機械加工される。ビレットの製造に使用される粉末は、高い清浄度(すなわち、粉末製造のガスアトマイズ)を必要とし、通例非常に高価であることに鑑みると、ビレットの大規模な除去は望ましくない。さらに、機械的に合金化した粉末は球形でないと、十分に充填されず、圧密化の際にかなりの収縮を生じかねない。そこで、ビレットからの後段での材料除去を抑制しつつ、圧縮時の形状制御ができるプロセスが望まる。
【0005】
図1及び図2は、熱間静水圧プレスプロセスに従来の容器を用いたときに起こり得る問題を例示したものである。図1は、熱間静水圧プレスプロセスの高温及び高圧に付される前の容器10の一部の概略を示す。容器10は、低炭素鋼、304SSのようなオーステナイト系ステンレス鋼等から製造できる。容器10は、圧縮すべき粉末混合物15を封入するとともに、熱間静水圧プレスプロセスの際の加圧用流体(例えばアルゴンガス)の侵入を防ぐためのシールを提供する。図に示すように、容器10の1以上の壁20が上面25と底面30の間に延在している。加圧前は、容器10の壁20、上面25、底面30は、基本的に真っ直ぐで及び/又は変形していない。
【0006】
図2は、熱間静水圧プレスプロセスに付した後の容器10の同じ部分を示す。熱間静水圧プレスプロセスの条件によって、粉末15は金属ビレット35へと変換されている。ただし、粉体から中実金属への密度変化は、体積のかなり劇的な変化ももたらす。体積が減少すると、粉末15からビレット35への変化に伴って容器10も変形している。かかる体積収縮は均等ではない。通常、容器10の中央部は、上面及び底面の存在によって熱間静水圧プレス時の缶の変形が抑制される上面及び底面領域よりも大きく収縮する。図2は、壁20が弧形又は砂時計状の形状になっていることを示す。容器10の上面25及び底面30も変形することがある。
【0007】
ビレット35の所望の形状(又はビレット35から製造される最終部品の形状)によっては、図2に示す変形は、得られるビレット35の形状のためその表面から貴重な材料を除去する必要があるので望ましくない場合がある。例えば、ビレット35の壁20に沿って円筒形の外表面が必要とされると仮定すると、所望の外表面を得るため、容器10及びビレット35は、例えばライン40に沿って機械加工しなければならないことがある。しかし、容器10の破壊だけでなく、ライン40の外側の部分並びに容器10の上面25及び底面30に沿ってビレット35のかなりの量が失われる。原料粉末のかなりのコストのために、この損失は望ましくない。
【0008】
別のシナリオでは、熱間静水圧プレスによる環状円筒ビレットが、後続の管の押出成形プロセスの投入素材として望ましい形状である。環状形であれば中実円筒ビレットの中央を中空にするための機械加工が不要となり、粉末廃棄物を低減できるからである。ただし、砂時計状変形は外径及び内径の両方で起こるおそれがある。さらに、背の高い環状ビレットは、熱間静水圧プレス時に座屈その他の非軸方向変形を受けるおそれがあり、中心性に欠け、管への押出成形が難しくなる。
【発明の概要】
【0009】
本出願及びその成果として特許は、熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造するのに用いられる容器を提供する。容器は、上面と、底面と、上面と底面との間に延在する壁と、壁内の増強方向性圧密化要素と、増強方向性圧密化要素の周りに配置されるスリーブとを含むことができる。
【0010】
本出願及びその成果として特許は、熱間静水圧プレスプロセスでナノ組織フェライト合金粉末から金属ビレットを製造する方法も提供する。本方法は、容器の壁に増強方向性圧密化要素を設けるステップと、容器にナノ組織フェライト合金粉末を充填するステップと、容器を熱間静水圧プレスプロセスに付して金属ビレットを形成するステップと、増強方向性圧密化要素に沿って容器を変形させるステップと、容器から金属ビレットを取り出すステップとを含むことができる。
【0011】
本出願及びその成果として特許は、さらに、熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造するのに用いられる容器を提供する。本容器は、上面と、底面と、上面と底面との間に延在する壁と、壁内のベローズと、ベローズの周りに配置される1以上のスリーブとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】熱間静水圧プレスプロセスに付される前の容器の概略断面図。
図2】熱間静水圧プレスプロセスに付した後の図1の容器の概略断面図。
図3】熱間静水圧プレスプロセスに付す前の本願記載の増強方向性圧密化要素を有する容器の平面図。
図4】熱間静水圧プレスプロセスに付した後の図3の増強方向性圧密化要素を有する容器の平面図。
図5】増強方向性圧密化要素を備える容器の一部の代替的実施形態の概略断面図。
図6】増強方向性圧密化要素を備える容器の一部の代替的実施形態の概略断面図。
図7】増強方向性圧密化要素を備える容器の一部の代替的実施形態の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を再び参照すると、図面を通して、同様の部材には同様の符号を付したが、図3及び図4は、本願に記載の例示的な容器100の平面図を示す。図1及び図2と同様に、容器100は、上面25と底面30との間に延在する1以上の壁20を含む。容器100は粉末混合物15で充填し得る。上述の通り、容器100は、低炭素鋼、304SSのようなオーステナイト系ステンレス鋼等から製造し得る。他の種類の材料を使用してもよい。容器100は、適切な寸法、形状及び構成を有し得る。同様に、多種多様な粉末及びそれらの混合物を使用してもよい。
【0014】
容器100は、容器に形成された増強方向性圧密化要素110を含むことができる。増強方向性圧密化要素110は、容器100を優先的様式及び方向で変形させることができる。増強方向性圧密化要素110は、一般に、そのような実質的に軸方向の変形及び収縮を可能にする構造であればよい。本例では、増強方向性圧密化要素110は、容器10の1以上の壁20に設けられたベローズ120の形態とし得る。公知の通り、ベローズ120は、略正弦波のように腹部150で隔てられた任意の数の山部130と谷部140を交互に含むことができる。山部130間の距離はピッチ160と表現できる。山部130と谷部140の交互配列によって、ベローズ120は機械的に拡張及び/又は収縮できる。ベローズ120は、任意の適切な寸法、形状又は構成を有し得る。ベローズ120は、容器100と同一又は異なる材料で製造し得る。ベローズ120は、容器100の壁20内に形成してもよいし、或いはベローズ120は、容器の壁に取り付けられる別個の構造であってもよい。ベローズ120は、一方向に優先的に変形する(すなわち実質的に軸方向に変形及び収縮する)概して弱構造である形状特徴の一例である。容器100は、様々な設計の真空排気及び/又は封止のための特徴を含んでいてもよい。
【0015】
図3は熱間静水圧プレスプロセスに付す前の容器100を示し、図4は熱間静水圧プレスプロセスを経た後の容器100を示す。図1及び図2の容器10と比較すると、容器10,100の外径の減少は同様であるが、図3及び図4の容器100の高さの減少は図1及び図2の容器10の略2倍である。実質的に一様な直径で容器100の長さに沿った収縮度を大きくすると、容器100の機械加工後の全体的材料廃棄を大幅に低減することができる。
【0016】
図5図7は、容器100の幾つかの代替的実施形態を示す。これらの実施形態では、増強方向性圧密化要素110は、ベローズ120及び1以上のスリーブ170を含むことができる。スリーブ170は、容器100及びベローズ120と同一又は類似の材料から製造し得る。例えば、図5は、外壁20にベローズ120を取り付けた容器100を示す。具体的には、ベローズ120は、溶接その他のタイプの接合手段によって、壁20の上方部分180及び下方部分190に取り付けてもよい。増強方向性圧密化要素110は、複数の内側スリーブ200を含んでいてもよい。具体的には、上方内側スリーブ210及び下方内側スリーブ220を、ベローズ120に隣接して互いに重なり合うように容器100の内側に配置してもよい。変形及び収縮時に、真っ直ぐにするために或いは非軸方向変形(すなわち座屈)を防ぐため、内側スリーブ210,220は互いに重なり合う。スリーブ210,220は、粉末混合物15がベローズ120の山部130に流れ込むのを防いで、その後の機械加工の必要性をさらに低減し、最終ビレット35での全体的材料廃棄を減少させる。金属メッシュ等も使用できる。その他の部品及びその他の構成を本発明で使用してもよい。
【0017】
図6は、内側スリーブ200を有する容器100のさらに別の実施形態を示す。本実施形態では、ベローズ120は、壁20の上方部分180だけでなく、壁20の下方部分190の中央部230にも取り付けてもよい。単一の内側スリーブ200は、ベローズ120の周りで容器100の内側に配置してもよい。この場合、内側スリーブ200は、真っ直ぐにするために或いは非軸方向変形(すなわち座屈)を防ぐため、下方壁部190と重なり合う。内側スリーブ200及び中央部230は、非軸方向変形に耐えるために、肉厚で剛性であってもよいし、或いはHIP温度で強い材料で作られていてもよい。その他の部品及びその他の構成を本発明で使用してもよい。
【0018】
図7は、容器100のさらに別の実施形態を示し、この場合は外側スリーブ240を有する。具体的には、互いに重なり合う上方外側スリーブ260と下方外側スリーブ250を、ベローズ120の周りで容器100の外側に配置してもよい。外側スリーブ240の使用は、容器100全体の長さに沿ってベローズ120及び/又は1以上の壁20の外側への膨張を低減して、ベローズ120の均等な変形及び収縮をもたらすことができる。外側スリーブ240は、熱間静水圧プレスプロセスの標準的特徴とすることができる。したがって、外側スリーブ240は、再利用可能な部品とすることができる。具体的には、外側スリーブ240は、取外し可能/別個の構造(固定具)であってもよい。外側スリーブ240と共に1以上の内側スリーブ200を使用してもよい。その他の部品及びその他の構成を本発明で使用してもよい。
【0019】
増強方向性圧密化要素110を有する容器100は、熱間静水圧プレス加工時に優先方向に顕著な変形をもたらすために、ベローズ120等の構造的特徴を用いる。具体的には、ベローズ120等の構造的特徴は、特定の様式/方向で変形するように設計される。ベローズ120の柔軟性によって、低い応力での変形が可能になる。ベローズ120は、容器100が半径方向に比して軸方向で簡単に潰れるようにする。このような制御された変形は、粉末の無駄を低減し、コストを削減し、全体的な形状制御に資する。さらに、このような増強方向性圧密化要素110を有する容器100は、初期密度均一性及び最終形状をさらに改善するため、熱間静水圧プレスの前に軸方向に熱間又は冷間予備圧縮してもよい。他の用途では、充填性の乏しい材料(セラミック又は複合材タイプの材料)を使用できることがある。
【0020】
粉末材料15の性状は、変更し得る。この例では、粉末材料15は、ナノ組織フェライト合金粉末等であってもよい。具体的には、低充填密度粉体(機械的合金化したもの又はそうでないもの)又は通常の充填密度を有する高価な粉体である。かかる材料は、全体的部品寿命を長くするため、優れた耐クリープ性及び繰返し疲労耐性をもたらすことができる。鋼粉末にナノスケール酸化物を導入するための機械的合金化プロセスのため、かかる材料のコストは典型的なガスアトマイズ粉末よりも格段に高くなるおそれがある。本発明で使用される粉末は、約40~約70%の装入/充填密度を有し得る。密度は、熱間静水圧プレスプロセス後に約97~約100%まで増加し得る。得られるビレット35は、管状の形状であってもよく、例えば、廃熱回収ボイラー及び/又は他のタイプのタービン設備のような高温用途での異種金属溶接部として役立てることができる。その他多数の用途を提供し得る。
【0021】
本発明のその他の態様を、以下の実施態様に示す。
[実施態様1]
熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造するのに用いられる容器であって、上面と、底面と、上面と底面の間に延在する壁であって、増強方向性圧密化要素を含む壁と、増強方向性圧密化要素の周りに配置されたスリーブとを備える容器。
[実施態様2]
増強方向性圧密化要素がベローズを含む、実施態様1に記載の容器。
[実施態様3]
ベローズが、腹部で隔てられた複数の山部と複数の谷部とを含む、実施態様1又は実施態様2に記載の容器。
[実施態様4]
スリーブが、ベローズの周りに配置された1以上のスリーブを含む、実施態様1乃至実施態様3のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様5]
1以上のスリーブが1以上の内側スリーブを含む、実施態様1乃至実施態様4のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様6]
1以上の内側スリーブが、上方内側スリーブ及び下方内側スリーブを含む、実施態様1乃至実施態様5のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様7]
上方内側スリーブと下方内側スリーブとが重なり合う、実施態様1乃至実施態様6のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様8]
ベローズが、壁の上面壁部と下方壁部との間に配置される、実施態様1乃至実施態様7のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様9]
ベローズが下方壁部の中央壁部分で壁に取り付けられる、実施態様1乃至実施態様8のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様10]
スリーブが、ベローズの周りに配置された内側スリーブを含む、実施態様1乃至実施態様9のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様11]
内側スリーブが下方壁部と重なり合う、実施態様1乃至実施態様10のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様12]
1以上のスリーブが1以上の外側スリーブを含む、実施態様1乃至実施態様11のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様13]
1以上の外側スリーブが上方外側スリーブ及び下方外側スリーブを含む、実施態様1乃至実施態様12のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様14]
上方外側スリーブと下方外側スリーブとが重なり合う、実施態様1乃至実施態様13のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様15]
熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造する方法であって、容器の壁に増強方向性圧密化要素を設けるステップと、容器に金属粉末を充填するステップと、容器を熱間静水圧プレスプロセスに付して金属ビレットを形成するステップと、増強方向性圧密化要素に沿って容器を変形させるステップと、容器から金属ビレットを取り出すステップとを含む方法。
[実施態様16]
熱間静水圧プレスプロセスで金属粉末から金属ビレットを製造するのに用いられる容器であって、上面と、底面と、上面と底面の間に延在する壁であって、ベローズを含む壁と、ベローズの周りに配置された1以上のスリーブとを備える容器。
容器。
[実施態様17]
ベローズが、壁の上面壁部と下方壁部との間に配置される、実施態様16に記載の容器。
[実施態様18]
1以上のスリーブが1以上の内側スリーブを含む、実施態様16又は実施態様17に記載の容器。
[実施態様19]
1以上のスリーブが1以上の外側スリーブを含む、実施態様16乃至実施態様18のいずれか1項に記載の容器。
[実施態様20]
1以上のスリーブが重なり合う、実施態様16乃至実施態様19のいずれか1項に記載の容器。
【0022】
以上は、本出願及びその成果として特許の特定の実施形態だけに関連するものであることは明らかである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想及び技術的範囲並びにその均等の範囲から逸脱せずに、数多くの変更及び修正をなすことができる。
【符号の説明】
【0023】
15 金属粉末
20 壁
25 上面
30 底面
35 金属ビレット
100 容器
110 増強方向性圧密化要素
120 ベローズ
130 山部
140 谷部
150 腹部
160 ピッチ
170 スリーブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】