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  • 特開-管理装置、管理方法およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047545
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240329BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121184
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2022152058の分割
【原出願日】2022-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】倉持 俊克
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的に小型の航空機が知られ、オーナーの依頼に応じて不定期にフライトを行うビジネスジェットのような小型の航空機を含めた航空機の利用の普及に資する管理装置、管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】管理システム10において、管理装置300は、航空機の利用希望者が希望する運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得する希望運行経路情報取得部310と、複数の希望運行経路情報に基づいて航空機の運行計画を策定する運行計画策定部312と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の利用希望者が希望する運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得する希望運行経路情報取得部と、
複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定する運行計画策定部と、
を備え、
前記運行計画には、前記航空機の出発地と、終着地とを示す情報が含まれ、
前記希望運行経路情報取得部は、前記出発地と前記終着地とが未定である状態で、複数の前記希望運行経路情報を取得し、
前記運行計画策定部は、前記出発地と前記終着地とが未定である状態で、前記出発地と、前記終着地と、前記出発地と前記終着地とを結ぶ経路とを、複数の前記希望運行経路情報に基づいて選定する、管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記運行計画に基づいて運行される前記航空機の利用予定者を複数の前記利用希望者のうちから選択する利用予定者選択部をさらに備える、管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の管理装置であって、
前記利用予定者選択部は、予め決められた移動体を前記航空機の利用後に利用するための予約を行っている前記利用希望者を優先的に選択する、管理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の管理装置であって、
前記利用予定者選択部による選択結果を前記利用予定者に通知する処理を行う選択結果通知処理部をさらに備える、管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記運行計画策定部により策定された前記運行計画を前記航空機の管理者に通知する処理を行う運行計画通知処理部をさらに備える、管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記運行計画に基づいて運行される前記航空機を利用する利用予定者が、前記航空機を利用した後に前記利用予定者の目的地から前記利用予定者の出発地に戻るための復路を提案する復路提案部をさらに備える、管理装置。
【請求項7】
航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を希望運行経路情報取得部が取得するステップと、
複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を運行計画策定部が策定するステップと、
を有する、管理方法。
【請求項8】
航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得するステップと、
複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、航空機が航行する航空路線の最適化に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6183970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビジネスジェットとも称される比較的に小型の航空機が知られている。ビジネスジェットは、オーナーの依頼に応じて不定期にフライトを行う。近時では、ビジネスジェットのような小型の航空機を含めた航空機の利用の普及に資する技術が待望されている。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、航空機の利用希望者が希望する運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得する希望運行経路情報取得部と、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定する運行計画策定部と、を備える、管理装置である。
【0007】
本発明の第2の態様は、航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を希望運行経路情報取得部が取得するステップと、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を運行計画策定部が策定するステップと、を有する、管理方法である。
【0008】
本発明の第3の態様は、航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得するステップと、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定するステップと、をコンピュータに実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、航空機の利用の普及に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る管理システムを示すブロック図である。
図2図2は、一実施形態に係る管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[一実施形態]
図1は、本実施形態に係る管理システム10を示すブロック図である。
【0012】
管理システム10は、不定期に運行される航空機の運行管理を行うためのシステムである。航空機は、例えば定員数が4人~6人である小型ジェット機であるが、これに限定されない。管理システム10は、ユーザ端末100と管理者端末200と管理装置300とを含む。ユーザ端末100の数は特に限定されない。したがって、複数のユーザ端末100が管理システム10に含まれてもよい。
【0013】
ユーザ端末100は、管理システム10を利用するユーザ(利用希望者、利用予定者)により使用される端末である。ユーザ端末100は、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)等である。ユーザ端末100は、操作部102と表示部104と通信部106と記憶部108と演算部(制御部)110とを備える。
【0014】
操作部102は、ユーザがユーザ端末100に対して行う入力操作を受け付ける。表示部104は不図示の表示素子を備える。表示素子は、例えば液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等である。このような表示素子が備えられた不図示のタッチパネルによって操作部102と表示部104とのうちの少なくとも一部が構成されてもよい。
【0015】
通信部106には、例えば、不図示の通信モジュールが備えられている。通信部106はネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネットである。
【0016】
記憶部108には、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとが備えられ得る。揮発性メモリとしては例えばRAM(Random Access Memory)等が挙げられる。不揮発性メモリとしては例えばROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。
【0017】
演算部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって構成され得る。すなわち、演算部110は処理回路(processing circuitry)によって構成され得る。演算部110は、記憶部108により記憶されたプログラムに基づいて、ユーザ端末100全体を制御することができる。演算部110は、ユーザが操作部102を用いて行った操作に応じて、ユーザ端末100を制御することができる。例えば、上述した表示部104と通信部106とが、演算部110により制御される。演算部110が表示部104を制御することで、例えば記憶部108に記憶されたデータが表示部104に適宜表示される。演算部110が通信部106を制御することで、ユーザ端末100は、ネットワークNWを介して管理装置300と通信することができる。
【0018】
管理者端末200は、航空機の運行を管理する管理者により使用される端末である。管理者は、例えば航空機の運行を管理する運行管理事業者に属する者である。管理者端末200は、例えばPCである。ただし、管理者端末200は、スマートフォン、タブレット端末等でもよい。管理者端末200は、操作部202と表示部204と通信部206と記憶部208と演算部(制御部)210とを備える。
【0019】
操作部202は、管理者が管理者端末200に対して行う入力操作を受け付ける。操作部202は、例えばキーボード、マウス等であるが、これらに限定されない。表示部204は不図示の表示素子を備える。表示素子は、例えば液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等である。このような表示素子が備えられた不図示のタッチパネルによって操作部202と表示部204とのうちの少なくとも一部が構成されてもよい。
【0020】
通信部206には、例えば、不図示の通信モジュールが備えられている。通信部206はネットワークNWに接続される。
【0021】
記憶部208には、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとが備えられ得る。揮発性メモリとしては例えばRAM等が挙げられ得る。不揮発性メモリとしては例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられ得る。
【0022】
演算部210は、例えばCPU、GPU等のプロセッサによって構成され得る。すなわち、演算部210は処理回路によって構成され得る。演算部210は、記憶部208により記憶されたプログラムに基づいて、管理者端末200全体を制御することができる。演算部210は、管理者が操作部202を用いて行った操作に応じて、管理者端末200を制御することができる。例えば、上述した表示部204と通信部206とが、演算部210により制御される。演算部210が表示部204を制御することで、例えば記憶部208に記憶されたデータが表示部204に適宜表示される。演算部210が通信部206を制御することで、管理者端末200は、ネットワークNWを介して管理装置300と通信することができる。
【0023】
管理装置300は、航空機の運行管理を行うためのサーバ装置(コンピュータ)である。管理装置300は、例えばデータセンタに備えられる。管理装置300は、通信部302と記憶部304と演算部306とを備える。
【0024】
通信部302には、例えば、不図示の通信モジュールが備えられている。通信部302はネットワークNWに接続される。
【0025】
記憶部304には、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとが備えられ得る。揮発性メモリとしては例えばRAM等が挙げられ得る。不揮発性メモリとしては例えばROM、フラッシュメモリ等が挙げられ得る。データ等が、例えば揮発性メモリに記憶され得る。プログラム、テーブル、マップ等が、例えば不揮発性メモリに記憶され得る。記憶部304の少なくとも一部が、後述するようなプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。また、記憶部304には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等がさらに備えられ得る。
【0026】
記憶部304には、上述した複数のユーザに関する情報が記憶されてもよい。また、記憶部304には、後述する運行計画を示す情報が記憶されてもよい。記憶部304には、後述する予約手続に関する情報が記憶されてもよい。
【0027】
演算部306は、例えばCPU、GPU等のプロセッサによって構成され得る。すなわち、演算部306は処理回路によって構成され得る。演算部306には、通信制御部308と、希望運行経路情報取得部310と、運行計画策定部312と、運行計画通知処理部314と、利用予定者選択部316と、選択結果通知処理部318と、復路提案部320とが備えられる。
【0028】
通信制御部308と、希望運行経路情報取得部310と、運行計画策定部312と、利用予定者選択部316と、選択結果通知処理部318と、運行計画通知処理部314と、復路提案部320とは、記憶部304に記憶されているプログラムを演算部306が実行することによって実現され得る。なお、通信制御部308と、希望運行経路情報取得部310と、運行計画策定部312と、利用予定者選択部316と、選択結果通知処理部318と、運行計画通知処理部314と、復路提案部320との少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。また、通信制御部308と、希望運行経路情報取得部310と、運行計画策定部312と、利用予定者選択部316と、選択結果通知処理部318と、運行計画通知処理部314と、復路提案部320との少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されてもよい。
【0029】
通信制御部308は、通信部302を制御する。これにより、管理装置300は、ネットワークNWを介してユーザ端末100と通信を行うことができる。また、通信制御部308が通信部302を制御することにより、管理装置300は、ネットワークNWを介して管理者端末200と通信を行うことができる。
【0030】
希望運行経路情報取得部310は、希望運行経路に関する希望運行経路情報を取得する。希望運行経路は、航空機の利用希望者(ユーザ)が希望する運行経路である。利用希望者は、ユーザ端末100を用いて、管理装置300に希望運行経路情報を送信することができる。希望運行経路情報取得部310は、複数のユーザ端末100の各々から供給される希望運行経路情報を取得することができる。したがって、希望運行経路情報取得部310は、複数の希望運行経路情報を取得することができる。希望運行経路情報取得部310により取得された希望運行経路情報は、記憶部304により記憶される。
【0031】
希望運行経路情報は、例えば(1)希望出発地情報と、(2)希望到着地情報とを含む。希望出発地情報は、航空機の出発地として利用希望者が希望する場所を示す。希望到着地情報は、航空機の到着地として利用希望者が希望する場所を示す。
【0032】
(3)希望時期情報と、(4)希望価格情報とが、希望運行経路情報に含まれてもよい。希望時期情報は、航空機が運行される時期として利用希望者が希望する時期を示す。利用希望者は、具体的な日付、時刻等を希望時期情報により指定してもよいし、ある程度の大まかな期間を希望時期情報により指定してもよい。希望価格情報は、航空機の運行の対価に関して利用希望者が希望する価格帯を示す。換言すれば、希望価格情報は、航空機の運行に関して利用希望者が負担可能なコストを表す。以下において、航空機の運行に関して利用希望者(ユーザ)が負担するコストはユーザコストとも称される。
【0033】
なお、希望運行経路情報の内容は、上述した(1)~(4)に限定されない。希望運行経路情報には、必要に応じて(1)~(4)以外の情報が含まれてもよい。
【0034】
運行計画策定部312は、航空機の運行計画を策定する。運行計画策定部312は、できるだけ多くの利用希望者の希望に適うように、複数の希望運行経路情報に基づいて運行計画を策定する。例えば運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報に基づいて、できるだけ多くの利用希望者の希望に適う出発地、到着地を選定する。
【0035】
運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報に基づいて、3以上の場所を巡る運行経路を立案してもよい。例えば運行計画策定部312は、A地点からB地点に向かって航空機を航空させた後に、B地点からC地点に向かって航空機をさらに航空させるような運行経路を立案してもよい。A地点とB地点との間において航空機を利用する利用者と、B地点とC地点との間において航空機を利用する利用者とは、異なってもよい。このようにすれば、運行計画策定部312は、より多くの利用希望者の希望に適う運行経路を立案することができる。
【0036】
また、運行計画策定部312は、複数の希望時期情報に基づいて航空機の運行日程を立案してもよい。運行計画策定部312は、数日間に亘って複数の場所を巡るような運行日程を立案してもよい。例えば運行計画策定部312は、A地点からB地点に向かって航空機を航空させた日の翌日に、B地点からC地点に向かって航空機を航空させるような運行日程を立案してもよい。このようにすれば、運行計画策定部312は、より多くの利用希望者の希望に適う運行日程を立案することができる。
【0037】
また、運行経路が長いほど、航空機を運行させるためのコストは大きくなる。例えば運行経路が長いほど、航空機はより多くの燃料を必要とする。航空機を運行させるためのコストは、上述したユーザコストに影響する。これを踏まえ、運行計画策定部312は、複数の希望価格情報に基づいて運行経路の長さを決定してもよい。これにより、運行計画策定部312は、できるだけ多くの利用希望者の希望に適うユーザコスト(価格帯)を実現することができる。
【0038】
運行計画通知処理部314は、運行計画通知処理を行う。運行計画通知処理は、運行計画策定部312により策定された運行計画を通知するための処理である。これにより、運行計画通知処理部314は、運行計画策定部312により策定された運行計画を示す情報を、管理者端末200に送信することができる。また、運行計画通知処理部314は、運行計画策定部312により策定された運行計画を示す情報を、複数のユーザ端末100に送信することができる。なお、運行計画を示す情報には、上述した運行経路、運行日程、下限人数等に関する内容が含まれる。運行計画策定部312により策定された運行計画を示す情報は、ネットワークNWを介して、管理装置300から複数のユーザ端末100と管理者端末200とに適宜送信される。
【0039】
運行計画を示す情報が管理者端末200に送信されることで、航空機の運行を管理する管理者は、運行計画策定部312により策定された運行計画を把握することができる。これにより、管理者は、運行計画を実現するために必要な準備を必要に応じて行うことができる。
【0040】
運行計画を示す情報がユーザ端末100に送信されることで、利用希望者は、運行計画の内容を踏まえて、航空機を利用するか否かを検討することができる。航空機を利用することを希望する利用希望者は、予約手続を行うことができる。予約手続は、利用希望者が航空機の利用予約を行うための手続である。利用希望者は、ユーザ端末100を用いて予約手続を行うことができる。
【0041】
利用予定者選択部316は、運行計画に基づいて運行される航空機の利用予定者を、複数の利用希望者のうちから選択する。例えば定員オーバーが予想される等の事情により、上述した予約手続を行った利用希望者の全員を航空機に乗せることが難しい場合があり得る。このような場合に、利用予定者選択部316は、航空機の定員数に収まるように複数の利用希望者のうちから利用予定者を選択する。なお、予約手続を行った利用希望者の数が航空機の定員以下である場合、利用予定者選択部316は、予約手続を行った利用希望者の全員を利用予定者として選択する。
【0042】
利用予定者を選択する場合、利用予定者選択部316は、航空機の利用後に所定の予定がある利用希望者を優先的に選択すると好ましい。例えば利用予定者選択部316は、予め決められた移動体を利用するための予約を行っている利用希望者を優先的に選択する。予め決められた移動体は、例えば、ビジネスジェットの利用者向けに運行されている車両である。当該車両は、具体的には、飛行場において航空機から降りた乗客が速やかに利用できるように配車されるタクシー、リムジン、ハイヤー等であるが、これらに限定されない。このような移動体の利用を予約している利用希望者があえて優先的に選択されることで、一般的な旅客機を利用する場合には得ることが難しい満足感を、当該利用希望者に体感させやすくなる。
【0043】
なお、利用予定者選択部316は、利用希望者の予定を示す情報に基づいて、当該利用希望者に所定の予定があるか否かを判別する。利用希望者の予定を示す情報は、例えば利用希望者が予約手続を行った際に、当該予約手続に関する情報とともに管理装置300に送信される。ただし、利用希望者の予定を示す情報は、例えば上述した希望運行経路情報の一部として管理装置300に送信されてもよい。その場合、上述した運行計画策定部312は、予め決められた移動体を利用するための予約を行っている利用希望者の希望内容を優先的に運行計画に反映させてもよい。
【0044】
選択結果通知処理部318は、選択結果通知処理を行う。選択結果通知処理は、利用予定者選択部316による選択結果を利用予定者に通知する処理である。これにより、利用予定者は、自身が行った予約が成立したことを把握することができる。選択結果通知処理は、利用予定者選択部316による選択結果を、利用予定者以外のユーザに通知してもよい。すなわち、選択結果通知処理は、利用予定者として選択されなかった利用希望者に、予約が不成立になったことを通知してもよい。
【0045】
復路提案部320は、運行計画に基づいて運行される航空機を利用する利用予定者の復路を提案する。復路提案部320は、運行計画に基づく出発地と到着地とに基づいて、復路を提案する。復路提案部320は、航空機が運行される復路(空路)を提案してもよいし、航空機以外の交通機関が運行される復路(陸路等)を提案してもよい。復路提案部320は、複数の復路を提案してもよい。
【0046】
復路提案部320により提案された復路を示す情報は、ネットワークNWを介して管理装置300からユーザ端末100に送信される。このユーザ端末100は、利用予定者により使用されている端末である。利用予定者に復路が提案されることで、当該利用予定者の便宜が図られる。
【0047】
図2は、本実施形態に係る管理方法を示すフローチャートである。
【0048】
本実施形態に係る管理方法は、例えば管理装置300に備えられた演算部306が記憶部304に記憶されたプログラムを実行することにより、行われる。まず、ステップS1において、希望運行経路情報取得部310が希望運行経路情報を取得する。希望運行経路情報は、ユーザ端末100を使用する複数の利用希望者から提供される。したがって、希望運行経路情報取得部310は、複数の希望運行経路情報を取得することができる。
【0049】
次にステップS2に移り、運行計画策定部312が航空機の運行計画を策定する。運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報に基づいて運行計画を策定する。
【0050】
次にステップS3(S31、S32)に移り、運行計画通知処理部314が運行計画を通知する。運行計画通知処理部314は、航空機の運行を管理する管理者に運行計画を通知する(ステップS31)。また、運行計画通知処理部314は、複数の利用希望者に運行計画を通知する(ステップS32)。運行計画を通知された利用希望者は、航空機の予約手続を行うことができる。
【0051】
次にステップS4に移り、利用予定者選択部316が利用予定者を選択する。利用予定者選択部316は、予め決められた移動体を航空機の利用後に利用するための予約を行っている利用希望者を優先的に利用予定者として選択すると好ましい。
【0052】
次にステップS5に移り、選択結果通知処理部318が選択結果通知処理を行う。これにより、ステップS4において選択された利用予定者に、利用予定者選択部316による選択の結果が通知される。
【0053】
次にステップS6に移り、復路提案部320が利用予定者に復路を提案する。なお、復路提案部320は、利用希望者が希望している場合にのみ、当該利用希望者に復路を提案してもよい。復路提案部320が復路を提案することを利用希望者が希望していない場合、ステップS6はスキップされてもよい。以上により、図2に示される管理方法は終了する。
【0054】
本実施形態によれば、できるだけ多くのユーザが航空機を利用できる運行計画を管理装置300が策定する。これにより、管理装置300は、航空機の利用の普及に資することができる。しかも、管理装置300は、航空機の運行経路、運行日程をユーザの要望に応じて決める。この点において、本実施形態に係る運行管理事業者は、運行経路、運行日程が予め決められている一般的な旅客機よりも利便性が高い航空サービスをユーザに提供することができる。このように、本実施形態に係る管理システム10は、航空機の利用の普及に資することができる。
【0055】
[変形実施形態]
運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報に基づいて、複数の希望運行経路情報のうちのいずれにも示されていない出発地を選定してもよい。例えば、あるユーザから提供された希望運行経路情報(希望出発地情報)にU地点が示され、別のあるユーザから提供された希望運行経路情報(希望出発地情報)にV地点が示される。U地点とV地点とがある程度近い場合、U地点とV地点との間のW地点が出発地となれば、上記した2ユーザはいずれもW地点から航空機に搭乗できる可能性がある。これを踏まえ、運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報(希望出発地情報)により示される複数の出発地の候補が互いに所定距離内である場合、複数の出発地の候補の間にある場所を出発地として選定してもよい。
【0056】
運行計画策定部312は、複数の希望運行経路情報(希望到着地情報)により示される複数の到着地の候補が互いに所定距離内である場合、複数の到着地の候補の間にある場所を到着地として選定してもよい。例えば、あるユーザから提供された希望運行経路情報(希望到着地情報)にX地点が示され、別のあるユーザから提供された希望運行経路情報(希望到着地情報)にY地点が示される。X地点とY地点とがある程度近い場合、X地点とY地点との間のZ地点が到着地として選定されてもよい。
【0057】
ユーザは、自身が搭乗するのみならず、物資輸送のために航空機を利用してもよい。ユーザは、航空機に備えられた客室と荷室とのうちの荷室のみを利用することを希望する旨の情報を希望運行経路情報に含ませてもよい。
【0058】
[実施形態から把握し得る発明]
上述した実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0059】
<1>管理装置(300)は、航空機の利用希望者が希望する運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得する希望運行経路情報取得部(310)と、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定する運行計画策定部(312)と、を備える。これにより、航空機の利用の普及に資することができる。
【0060】
<2>上記の管理装置は、前記運行計画に基づいて運行される前記航空機の利用予定者を複数の前記利用希望者のうちから選択する利用予定者選択部(316)をさらに備えてもよい。これにより、定員オーバー等の事情によって航空機が運行不可能になることを回避することができる。
【0061】
<3>上記の管理装置において、前記利用予定者選択部は、予め決められた移動体を前記航空機の利用後に利用するための予約を行っている前記利用希望者を優先的に選択してもよい。これにより、ビジネスジェットを利用する場合に近い満足感を利用希望者に体感させることができる。その結果、ビジネスジェットの利用の普及が促進され得る。
【0062】
<4>上記の管理装置は、前記利用予定者選択部による選択結果を前記利用予定者に通知する処理を行う選択結果通知処理部(318)をさらに備えてもよい。
【0063】
<5>上記の管理装置は、前記運行計画策定部により策定された前記運行計画を前記航空機の管理者に通知する処理を行う運行計画通知処理部(314)をさらに備えてもよい。
【0064】
<6>上記の管理装置は、前記運行計画に基づいて運行される前記航空機を利用する利用予定者の復路を提案する復路提案部(320)をさらに備えてもよい。これにより、利用予定者の便宜が図られる。
【0065】
<7>管理方法は、航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を希望運行経路情報取得部(310)が取得するステップ(S1)と、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を運行計画策定部(312)が策定するステップ(S2)と、を有する。これにより、航空機の利用の普及に資することができる。
【0066】
<8>プログラムは、航空機の利用希望者が希望する前記航空機の運行経路である希望運行経路を示す希望運行経路情報を取得するステップ(S1)と、複数の前記希望運行経路情報に基づいて前記航空機の運行計画を策定するステップ(S2)と、をコンピュータに実行させる。これにより、航空機の利用の普及に資することができる。
【0067】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0068】
10…管理システム 100…ユーザ端末
102、202…操作部 104、204…表示部
106、206、302…通信部 108、208、304…記憶部
110、210、306…演算部 200…管理者端末
300…管理装置 308…通信制御部
310…希望運行経路情報取得部 312…運行計画策定部
314…運行計画通知処理部 316…利用予定者選択部
318…選択結果通知処理部 320…復路提案部
NW…ネットワーク
図1
図2