(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047577
(43)【公開日】2024-04-05
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるユーザ機器(UE)によって実行される方法及びそのためのユーザ機器(UE)
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240329BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240329BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240329BHJP
H04W 72/121 20230101ALI20240329BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W72/232
H04W72/0446
H04W72/121
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023160514
(22)【出願日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】63/410,037
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/365,018
(32)【優先日】2023-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 亮
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ サルトーリ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE72
5K067GG02
(57)【要約】
【課題】無線通信システムにおけるユーザ機器(UE)によって実行される方法及びそのためのユーザ機器(UE)を提供する。
【解決手段】本発明の無線通信システムにおける少なくとも1つのユーザ機器(UE)によって実行される方法は、基地局から、不連続受信(DRX)パターン又は不連続送信(DTX)パターンを示すグループダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップを有する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける少なくとも1つのユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
基地局から、不連続受信(DRX)パターン又は不連続送信(DTX)パターンを示すグループダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記DRXパターン又はDTXパターンは、前記グループDCIがタイムスロット毎のオン/オフステータスを示す動的な動作手順に従って示されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グループDCIは、タイムスロット毎に1つ以上のシンボルのためのオン/オフステータスを更に示すことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記DRXパターン又はDTXパターンを示す前記グループDCIは、セル毎のオン/オフステータスを示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グループDCIは、前記少なくとも1つのUEを含むUEの第1のセットに対する第1のDRXパターン又はDTXパターンを示し、
前記グループDCIは、前記少なくとも1つのUEを含むUEの第2のセットに対する第2のDRXパターン又はDTXパターンを示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グループDCIは、処理すべき1つ以上のDCIを識別する無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記グループDCIを受信するステップは、前記グループDCIを受信するUEの能力を示す前記UEにより提供される支援情報に基づいて、前記基地局から前記グループDCIを受信することを更に含むステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記DRXパターン又はDTXパターンが準静的な構成であるか動的な構成であるかを示す1ビットのフラグは、前記グループDCIと共に受信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記DRXパターン又はDTXパターンは、前記少なくとも1つのUEによって、事前に定義された間隔で周期的に受信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのユーザ機器(UE)であって
メモリ装置と、
前記メモリ装置に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備え、 前記命令は、前記プロッセサに、
基地局から、不連続受信(DRX)パターン又は不連続送信(DTX)パターンを示すグループダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップを実行させることを特徴とするユーザ機器(UE)。
【請求項11】
前記DRXパターン又はDTXパターンは、前記グループDCIがタイムスロット毎のオン/オフステータスを示す動的な動作手順に従って示されることを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項12】
前記グループDCIは、タイムスロット毎に1つ以上のシンボルのオン/オフステータスを更に示すことを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項13】
前記DRXパターン又はDTXパターンを示す前記グループDCIは、セル毎のオン/オフステータスを示すことを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項14】
前記グループDCIは、前記少なくとも1つのUEを含むUEの第1のセットに対する第1のDRXパターン又はDTXパターンを示し、
前記グループDCIは、前記少なくとも1つのUEを含むUEの第2のセットに対する第2のDRXパターン又はDTXパターンを示すことを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項15】
前記グループDCIは、処理すべき1つ以上のDCIを識別する無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を含むことを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項16】
前記グループDCIは、前記グループDCIを受信するUEの能力を示す前記UEにより提供される支援情報に基づいて、前記基地局から受信されることを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項17】
前記DRXパターン又はDTXパターンが準静的な構成であるか動的な構成であるかを示す1ビットのフラグは、前記グループDCIと共に受信されることを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項18】
前記DRXパターン又はDTXパターンは、前記少なくとも1つのUEによって、事前に定義された間隔で周期的に受信されることを特徴とする請求項10に記載のUE。
【請求項19】
無線通信システムにおける少なくとも1つのユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
基地局に、予め構成されたタイマーに基づいてアクティブ状態を開始するための準静的な動作手順に従って、ウェイクアップシグナル(WUS)を送信するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記準静的な動作手順は、前記予め構成されたタイマーに対応する継続時間の間、前記WUSが前記基地局によって受信されない非アクティブ状態を開始するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラーシステムにおけるネットワークの省エネルギーに関し、より詳細には、省エネルギーネットワークのための基地局の不連続受信及び不連続送信設計に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーシステムが導入されて以来、ネットワークの高密度化、動作帯域幅の拡大、多数のアンテナの利用という一貫した傾向が続いている。その結果、セルラーネットワークの消費電力は着実に増加し、現在では事業者の運営経費(OPEX)のかなりの部分を占めている。ユーザ機器(UE)の消費電力の削減は、しばらく前から標準化されてきたが、ネットワークレベルでの消費電力の削減への取り組みは最近まで殆ど行われていなかった。この問題に対処するため、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)は、リリース18(Rel-18)で、特にネットワークレベルでの消費電力の削減に関する研究を開始した。
【0003】
ネットワークレベルで消費電力を削減する1つのアプローチとして、次世代の基地局(gNB)で不連続送信(DTX)/不連続受信(DRX)モードを有効にし、UEのDTX/DRXモードを使用してUEの非アクティブ期間をgNBと同期させることがある。この同期は、準静的及び動的の2つの方法で達成される。
【0004】
準静的なアプローチで、gNBは予測可能なサイクルでオン/オフされ、これはUEのために当初定義されたDTX/DRXサイクルと同様である。この方法は、トラフィックが比較的安定していて予測可能な場合に適している。
【0005】
準静的なDTX/DRXは事前に構成されたメカニズムであり、この場合gNBが所定の時間スリープモードになる。UEもこのスケジュールを認識しており、同じ時間の間、スリープモードに入る。このタイプのDTX/DRXは低トラフィックのエリアで使用され、ここでgNBはユーザエクスペリエンスに影響を与えることなくエネルギーを節約することができる。
【0006】
一方、動的なアプローチは、トラフィックの変化が激しい場合に適している。この場合、gNBは、トラフィック需要に基づいていつアクティブ化するか又は非アクティブ化するかを決定し、その決定をUEに通知する。
【0007】
動的なDTX/DRXは、より柔軟なメカニズムであり、現在のトラフィック状態に基づいてgNBがスリープモードに移行する。UEは、gNBのスリープスケジュールを認識し、それに応じて自身の動作を調整する。このタイプのDTX/DRXは、高トラフィックのエリアで使用され、ここでgNBはユーザエクスペリエンスに影響を与えることなくエネルギーを節約することができる。
【0008】
どちらの方法も、gNBのDTX/DRXパターンのシグナルをUEに伝達する必要がある。しかし、このシグナリングのメカニズムには欠点がある。どちらの方法も無線リソース制御(RRC)シグナリングに依存するため、速度が遅くなる可能性があり、これが迅速な再構成の妨げとなる。更に、UE毎に専用のシグナリングが必要になる場合があり、多数のUEに対応する場合には大きなオーバーヘッドにつながる。
【0009】
このように、UEのDTX/DRXサイクルを再構成するための既存のRRCメカニズムは、ネットワーク電力を大幅に削減するのには適していない。従って、gNBのDTX/DRXパターンのシグナルをUEに伝達し、UEのDTX/DRX構成を変更するためのより高速で効率的な手順が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、省エネルギーネットワークのための無線通信システムにおけるユーザ機器(UE)によって実行される方法及びそのためのユーザ機器(UE)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による無線通信システムにおける少なくとも1つのユーザ機器(UE)によって実行される方法は、基地局から、不連続受信(DRX)パターン又は不連続送信(DTX)パターンを示すグループダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップを有する。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による少なくとも1つのユーザ機器(UE)は、メモリ装置と、前記メモリ装置に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサと、を備え、前記命令は、前記プロセッサに、基地局から、不連続受信(DRX)パターン又は不連続送信(DTX)パターンを示すグループダウンリンク制御情報(DCI)を受信するステップを実行させる。
【0014】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による無線通信システムにおける少なくとも1つのユーザ機器(UE)によって実行される方法は、基地局に、予め構成されたタイマーに基づいてアクティブ状態を開始するための準静的な動作手順に従って、ウェイクアップシグナル(WUS)を送信するステップを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、gNBのDTX/DRXを実装することで、gNBがスリープモードに移行することができ、その結果、省エネルギーを実現することができる。またUEは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を継続的に監視する必要がなくなるため、gNBがスリープ状態のときにスリープモードに移行することができる。
更に、ショートDRXサイクル及びロングDRXサイクルの両方が利用できるため、UEにおける省電力とULデータ又はDLデータが利用可能になったときのULデータ又はDLデータの受け渡しに関連する遅延とのバランスをとることができる。
このように、gNBは、UEの性能を損なうことなく省エネルギーを最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態による通信システムにおける送信装置又は受信装置を示す図である。
【
図2A】一実施形態による準静的及び動的なgNBのDTX/DRXシグナリングのためのフローチャートである。
【
図2B】一実施形態による好ましいDTXパターン又はDRXパターンを送信するためのフローチャートである。
【
図3】一実施形態による準静的構成のためのgNBのDTXパターンを示す図である。
【
図4】一実施形態による動的構成のためのgNBのDTXパターンを示す図である。
【
図5】一実施形態によるDTXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンを示す図である。
【
図6】一実施形態によるDRXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンを示す図である。
【
図7】一実施形態によるDRXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンを示す図である。
【
図8】一実施形態によるネットワーク環境における電子機器のブロック図である。
【
図9】一実施形態による互いに通信するUE及びgNBを含むシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、ネットワーク省電力化を可能にするいくつかの時間領域のソリューションを提案する。特に、UE接続の不連続送信/不連続受信(C-DTX/DRX)の概念はgNBと共に使用されるように適合され、シグナリングはUEがgNBのDTX/DRXの存在下で動作するように定義される。
【0018】
より詳細には、ネットワークの省エネルギーを達成することを目的としたgNBのDTX/DRXメカニズムのための設計を提供する。gNBのDTX/DRXを実装する利点は、gNBがスリープモードに移行することができることであり、その結果、省エネルギーを実現することができる。UEもまたこの方式の恩恵を受けることができる。何故なら、UEは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を継続的に監視する必要がなくなり、gNBがスリープ状態のときにスリープモードに移行することができるためである。
【0019】
本発明は、準静的なDTX/DRX及び動的なDTX/DRXの2種類のgNBのDTX/DRX設計を提案する。これらの設計はいくつかの特性において異なる場合があるが、gNBとUEとの間のシグナリングフォーマットは両設計で類似しており、通常はレイヤ1(L1)グループ共通のダウンリンク制御情報(DCI)を介して実現される。
【0020】
具体的に、本発明は、UEグループの方法又はセル固有の方法でgNBのDTXメカニズム及びDRXメカニズムのための設計を提示する。
【0021】
準静的なDTX/DRXソリューションのための設計が提案されており、これは長いデューティサイクル、短いデューティサイクル、ウェイクアップシグナル(WUS)のオケージョンを含む。これらの値やパラメータは、RRC又はシステム情報ブロック(SIB)によって事前に構成される。
【0022】
動的なDTX/DRXソリューションに対して、オン/オフ継続時間を含むgNBのDTX/DRXパターンがグループ共通DCIを通じて動的に示される設計が提供される。
【0023】
新しい設計には、グループ共通DCIインデックス2フォーマット7(2_7)用の3つの新しいオプションも含む。これらのオプションにより、gNBは、UEに対してどのDTX/DRXパターンをgNBが使用しているかを動的に示す。新しい設計には、gNBがUEに対してgNBがどちらのDTX/DRXパターンをRRCアイドル/非アクティブUEのために使用しているかを示すことを可能にする新しいSIBタイプ1(SIB 1)情報要素(IE)も含まれる。
【0024】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細な構成を記載する。しかし、当業者であれば、開示する態様はこれらの具体的な詳細な構成がなくても実施できることが理解されよう。その他の例において、よく知られた方法、手順、コンポーネント、及び回路は、本明細書に開示する主題を不明瞭にしないために詳細には説明していない。
【0026】
本明細書全体を通じて「1つの実施形態」(one embodiment)又は「一実施形態」(an embodiment)という言い方は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が本明細書に開示する少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な箇所で「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」又は「1つの実施形態によると」という表現(又は同様の重要性を有する他の表現)が現れるが、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。この点に関して、本明細書で使用する「例示的」という語は、「実施例、実例、説明として役立つ」という意味である。本明細書において「例示的」として記載する実施形態は、他の実施形態よりも必ずしも好ましいか又は有利であると解釈されるものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0027】
また、本明細書における議論の文脈によっては、単数形の用語は対応する複数形を含み、複数形の用語は対応する単数形を含む場合がある。同様に、ハイフンで区切られた用語(例えば、「二次元の」(two-dimensional)、「所定の」(pre-determined)、「ピクセル固有の」(pixel-specific)など)は、対応するハイフンで区切られていない用語(例えば、「二次元の」(two dimensional)、「所定の」(predetermined)、「ピクセル固有の」(pixel specific)など)と場合に応じて互換的に使用されることがあり、大文字を使用した記載(例えば、「カウンタクロック」(Counter Clock)、「行選択」(Row Select)、「ピクスアウト」(PIXOUT)など)は、対応する非大文字の記載(例えば、「カウンタクロック」(counter clock)、「行選択」(row select)、「ピクスアウト」(pixout)など)と互換的に使用されることがある。このようなたまに生じる互いに代替できる用法は、互いに矛盾するものとはみなされない。
【0028】
また、本明細書における議論の文脈によっては、単数形の用語は対応する複数形を含み、複数形の用語は対応する単数形を含む場合がある。更に、本明細書で図示し、議論する様々な図(コンポーネント図を含む)は、例示のみを目的としたものであり、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、わかりやすくするために、他の要素に対して誇張される場合がある。更に、適切と考えられる場合には、参照符号が、対応する要素及び/又は類似する要素を示すために、図面の間で繰り返される。
【0029】
本明細書で使用する用語は、いくつかの例示的な実施形態を説明するためのみのものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書において、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことを意図している。用語「含む」(comprises)及び/又は「含んで」(comprising)は、本明細書中で使用する場合、記載する特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解されるであろう。
【0030】
ある要素又はレイヤが他の要素又はレイヤ上にある、又は他の要素又はレイヤに「接続されている」(connected to)若しくは「結合されている」(coupled to)と言及する場合、ある要素又はレイヤは、直接に他の要素又はレイヤの上にある、又は他の要素又はレイヤに接続されている若しくは結合されている可能性があり、又は介在する要素若しくはレイヤが存在する可能性があることが理解されるであろう。対照的に、ある要素が他の要素又はレイヤに「直接上に」(directly on)、又は「直接に接続された」(directly connected to)、又は「直接に結合された」(directly coupled to)と言及する場合、介在する要素又はレイヤは存在しない。同じ符号は、全体を通して同じ要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」(and/or)には、関連する列挙された項目の1つ以上のあらゆる組み合わせが含まれる。
【0031】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの用語は、それらに先行する名詞のラベルとして使用され、そのように明示的に定義されない限り、いかなる種類の順序(例えば、空間的、時間的、論理的など)も意味しない。更に、同一又は類似の機能を有する部品、コンポーネント、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールに言及するために、2つ以上の図面に亘って同じ参照符号が使用される場合がある。しかし、このような用法は、説明の簡略化及び議論の容易さのためのみであり、このようなコンポーネント又はユニットの構造又はアーキテクチャの詳細が全ての実施形態に亘って同じであること、又はこのような一般的に言及する部品/モジュールが本明細書に開示する例示的な実施形態のいくつかを実施するための唯一の方法であることを意味するものではない。
【0032】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本主題が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。更に、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈すべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されることはないことが理解されよう。
【0033】
本明細書で使用する場合、「モジュール」という用語は、モジュールに関連して本明細書に記載する機能を提供するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの任意の組み合わせを指す。例えば、ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コー、ド及び/又は命令セット又は命令として具現化され、本明細書に記載する任意の実装において使用する「ハードウェア」という用語は、例えば単独で又は任意の組み合わせでアセンブリ、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路、ステートマシン回路、及び/又はプログラマブル回路によって実行される命令を格納するファームウェアを含む。モジュールは、集合的に又は個々に、例えばこれに限定されるわけではないが、集積回路(IC)、システムオンチップ(SoC)、アセンブリなどのより大きなシステムの一部を形成する回路として具現化される。
【0034】
本明細書において、「DTX/DRX」という表現は、「DTX又はDRX」を指すために使用される。また、「DTX」と「DRX」の順序は入れ替え可能である。例えば、「DTX/DRX」は、「DRX/DTX」、「DTX又はDRX」、又は「DRX又はDTX」を意味する。
【0035】
図1は、一実施形態による通信システムにおける送信装置又は受信装置を示す図である。
【0036】
図1を参照すると、装置100は、UE(例えば、クライアント装置)又は基地局(例えば、gNB)であり、コントローラモジュール101(例えば、プロセッサ)、ストレージモジュール102、及びアンテナモジュール103を含む。
【0037】
コントローラモジュール101、ストレージモジュール102、及びアンテナモジュール103は、無線シグナルの効率的で正確な送信又は受信を容易にするための構造用コンポーネントである。
【0038】
コントローラモジュール101は、少なくとも1つのプロセッサを含み、ストレージモジュール102に格納された命令を実行する。例えば、コントローラモジュール101は、本明細書で説明するシグナリング技術を実行するための命令を実行する。更に、コントローラモジュール101は、シグナルに対してシグナル処理を実行するためのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含む。DSPは、同期、等化、復調などの機能のための1つ以上の処理モジュールを含む。処理モジュールは、高速フーリエ変換(FFT)、逆FFT(IFFT)、デジタルフィルタリングなどの1つ以上のDSP技術を使用して実装される。更に又は代替的に、コントローラモジュール101は、ウェブブラウザ、ビデオプレーヤ、他のソフトウェアアプリケーションなどのユーザアプリケーションを装置100上で実行するためのアプリケーションプロセッサを含む。アプリケーションプロセッサは、1つ以上のプロセッシングユニット、メモリ装置、及び入出力インターフェースを含む。
【0039】
ストレージモジュール102は、実行される場合に、コントローラモジュール101に本明細書に記載のシグナリング技術を実行するためのステップを実行させる命令を記憶する一時的メモリ又は非一時的メモリを含む。更に、ストレージモジュール102は、通信プロトコルを実装するためのプロトコルスタックを含む。プロトコルスタックは、物理レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、無線リンク制御(RLC)レイヤ、パケットデータ収束プロトコル(PDCP)レイヤなどの1つ以上のレイヤを含む。
【0040】
アンテナモジュール103は、基地局、UE、又は他の装置と無線でシグナルを送受信するための1つ以上のアンテナを含む。例えば、アンテナモジュール103は、基地局によって送信されたシグナルを受信し、そのシグナルを電気シグナルに変換する。
【0041】
装置100は、ダウンリンクにおける無線通信システム(例えば、5G NRシステムにおけるUE)の受信機である。即ち、UEは、gNBによって送信されたデータを受信し、復調する。更に、装置100は、アンテナモジュール103を介してシグナルを送信する。従って、装置100は、送信機又はgNBである。
【0042】
新無線(NR)UE DRX(例えば、3GPP(登録商標)技術仕様(TS)38.321に記載)は、ロングタームエボリューション(LTE)の初期段階で導入され、NRに引き継がれたメカニズムであり、消費電力を低減することでUEのバッテリ寿命を延ばすことができる。DRXがない場合、UEはダウンリンク(DL)割り当て又はアップリンク(UL)割り当てのためにPDCCHを常に監視する必要があり、これはバッテリを急速に消耗する。しかし、DRXをRRC CONNECTEDモードで構成した場合、ネットワークは、UEにUEがいつPDCCHを監視すべきかを指示するため、省電力につながる。
【0043】
DRX構成には、DRXショートサイクル及びDRXロングサイクル(総称してDRXサイクルと呼ぶ)などのパラメータが含まれる。各DRXサイクル内には「オン継続時間」が存在し、この期間の間UEの媒体アクセス制御(MAC)エンティティがPDCCHを監視する。オン期間の継続時間はdrx-onDurationTimerにより決定され、drx-SlotOffsetはdrx-onDurationTimerを開始する前に、DRXサイクルの開始からの遅延を特定する。新しいDRXサイクルの開始は、PDCCHが新しい送信を示す度に再スタートするdrx-InactivityTimerにより定義された特定の時間内に、UEが新しいDL割り当て又はUL grantを受信したか否かに依存する。
【0044】
DRXに関連するタイマーに加えてハイブリッド自動再送要求(HARQ)とその再送信に関連するタイマーがある。各HARQプロセスに固有のこれらのタイマーは、UEのPDCCH監視動作や省電力機会にも影響する。例えば、MACプロトコルデータ単位(PDU)が、構成されたDL割り当てで受信されると、対応するHARQプロセスに対してdrx-HARQ-RTTTimerDLがアクティブにされる。drx-InactivityTimerもdrx-onDurationTimerも動作していない場合、UEはPDCCHを監視することを回避することができる。但し、drx-HARQ-RTTTimerDLが終了し、対応するHARQプロセスのデータが正常に復号されなかった場合、drx-RetransmissionTimerDLが開始され、UEはPDCCHを監視しなければならない。
【0045】
更に、UEは、DRXコマンドMAC制御要素(CE)又はロングDRXコマンドMAC CEを受信することができる。これらのMAC CEのいずれかを受信すると、UEは、受信したMAC CE及びショートDRXがそのUEのために構成されているか否かに応じて、ショートDRXサイクルの使用又はロングDRXサイクルの使用に切り替える。UEにショートDRXサイクルが構成されておらずにDRXコマンドMAC CEを受信する場合、UEはロングDRXサイクルを開始する。ショートDRXサイクル及びロングDRXサイクルの両方が利用できるため、UEにおける省電力とULデータ又はDLデータが利用可能になったときのULデータ又はDLデータの受け渡しに関連する遅延とのバランスをとることができる。
【0046】
消費電力を更に最適化するために、ネットワークは、DRXのオン継続時間中のみチャネル状態情報(CSI)の報告を制限するようにUEを構成さする。しかし、PDCCH監視に関係なく、MACエンティティは、予想されるときにHARQフィードバック及び非周期的なサウンディング参照シグナル(SRS)を送信することができる。
【0047】
従って、UE C-DRX構成はUE固有のRRC構成である。UEのための多数のC-DRX構成がある場合、既存のRRCシグナリングは、多くのオーバーヘッドを生成し、gNBが各サービングUEを別々に構成する必要があるために遅くなる。更に、gNBが各UEに対してC-DRXパターンを順次構成している間、gNBはスリープモードに入ることができない。
【0048】
図2Aは、一実施形態による準静的及び動的なgNBのDTX/DRXシグナリングのためのフローチャートである。
【0049】
図2Aを参照すると、ステップ201で、1つ以上のサービングUEは、例えばgNBへのRRCメッセージとして伝達されるUE支援情報を介して、好ましいUE固有のDRX構成又はDTX構成をgNB(gNodeB)に伝達する。支援情報は、UEがDRXパターン又はDTXパターンを受信することができることを示すために、UEにより提供される。例えば、支援情報は、DRXパターン又はDTXパターンを受信するための事前に定義されたタイムスロットを示す。従って、gNBは、gNBがサーブ(収容)するUEの既存のDRXパターンに関する情報を収集することができる。UEは、ステップ202で、gNBのDTX/DRXパターンを受信する。全てのサービングUEの好ましいDRXパターンを考慮することで、gNBはセル固有のgNBのDTXパターン及びDRXパターンに関して決定することができる。従って、gNBは、UEの性能を損なうことなく省エネルギーを最適化することができる。ステップ203で、UEはグループ情報を受信する。
【0050】
ステップ204で、UEはグループDCIを受信したか否かを判断する。即ち、gNBは省エネ動作が必要であると判断した場合、RRC接続中又はRRC非アクティブ状態若しくはアイドル状態の全てのUEに対して、gNBはセル固有のDTXパターン及びDRXパターンをブロードキャストする。このブロードキャストにより、全てのUEは、個々のUE固有のDRXパターンを使用するのではなく、gNBのDTXパターン及びDRXパターンをUEの共通のパターンとして採用する。この場合(ステップ204でイエス)、ステップ205で、グループDCI毎に指示された新しいUE DTX/DRXパターンが使用され、プロセスはステップ207に進む。ブロードキャストシグナリングは、RRC接続UE、非アクティブUE、及びアイドルUEのためのRRCシステム情報を介して達成される。更に、RRC接続されたUEのために物理レイヤグループ共通DCIが利用される。UEがグループDCIを受信しない場合(ステップ204でノー)、UEは、ステップ206で、同じUE DTX/DRXパターンを引き続き使用する。
【0051】
更に、gNBが省エネ動作中であるか否かに応じて、gNBは、サービングUEをUE固有のDRXパターン(ネットワークの省エネモードが非アクティブ化されている場合)とセル固有のDRXパターン(ネットワークの省エネモードが有効になっている場合)との間で動的にスイッチする機能を有する。
【0052】
ステップ207で、UEはデータを送信する必要があるか否かを判断する。UEはデータを送信する必要があると判断した場合(ステップ207で「イエス」)、ステップ208で、gNBがリッスンしているとUEが知っている指定されたリソース上に、UEはWUSを送信する。一方、UEがデータを送信する必要がない場合(ステップ207でノー)、UEはステップ209で現在のUE DTX/DRXパラメータに従って動作する。
【0053】
一実施形態によると、UEは好ましいDRXパターンを示す。
【0054】
UEは、好ましいDRXパターン又はDTXパターンを示すか、又は好ましいパターンを示さずに動作するかのオプションを有する。例えば、UEが超高信頼低遅延通信(URLLC)トラフィックを必要とする場合、低遅延を保証するために常にアクティブな状態を維持する必要がある。このような場合、UEは事前にgNBにスリープモードを無効にするように通知することができる。
【0055】
しかし、好ましいDRXパターンを示すことは必ずしも必要ではない。UEを介さずにgNB間のみでDRXパターンを交換することができる場合もある。或いは、UEのDTX/DRXパターンの決定は、gNBのみによって判断される。DRXパターンを交換する場合、UEは、RRCシグナリングやMAC CEなどの方法を使用して、gNBからの要求に応答して(応答型 solicited)、又は特に要求することなく(非応答型 unsolicited)DRXパターンを送信することができる。これらのパターンは、ランダムアクセスチャネル(RACH)の手順中又はその直後、或いはUEの通信要件が変更される度に送信される。
【0056】
UEはgNBのDTX情報(パターン)を受信することができる。gNBのDTXパターン及びDRXパターンは、準静的又は動的のいずれかになる。準静的なパターンでは、「gNB Txアクティブ状態」及び「gNB Tx非アクティブ状態」の継続時間は固定されており、gNBパターンの周期性は一定を維持する。このパターンはRRCシグナリングによって示される。動的なgNBパターンの場合、「gNB Tx非アクティブ状態」は、ネットワークによって、通常はDCIによって動的にトリガされる。動的なgNB DTXパターンの利点は、ネットワークがDLトラフィックのアクティビティに迅速に対応することができるため、gNBのスリープ状態がより多く発生することである。その結果、動的なgNB DTXパターンは、一定のシナリオにおいて、ネットワークのより高い省エネルギーにつながる。但し、動的なDTXパターンであっても、特に、UEにその使用状況を通知したり、潜在的なWUSを送信するためのリソースを伝達したりするために、いくつかのRRCシグナリングが必要になる場合がある。
【0057】
準静的及び動的なgNBのDTXパターンは、いずれもgNBによって開始され、gNBは、自セル及び隣接セル内の接続UE数と、確立された無線ベアラの遅延要件に関する知識とを有している。この情報に基づいて、gNBは、半静的なgNBのDTXパターンを開始するか、又は特定の継続時間中、動的に「gNB Tx非アクティブ状態」をトリガする。
【0058】
リリース17に準拠したUEが影響を受けないようにするため、「gNB Tx非アクティブ状態」の継続時間は、同期シグナルブロック(SSB)の期間からSSBを送信するために必要な時間を差し引いた期間を超えてはならない。この制約により、リリース17のUEは、DTXパターンが準静的であるか動的であるかに関係なく、中断することなくSSBをリッスンすることができる。同様に、アイドルモードのUEは、無線リソース管理(RRM)測定の影響を受けない。
【0059】
但し、リリース17UEが存在しないグリーンフィールド展開では、上記の継続時間制約が適用されない場合がある。
【0060】
図2Bは、一実施形態による好ましいDTXパターン又はDRXパターンを送信するためのフローチャートである。
【0061】
図2Bを参照すると、ステップ210で、基地局(例えば、あるgNB)は好ましいDTXパターン又はDRXパターンを決定する。上述したように、好ましいDTXパターン又はDRXパターンは、少なくとも1つのUEとのデータ通信を調整するために使用される。好ましいDTXパターン又はDRXパターンは、準静的又は動的に通信を構成し、UEの好みに基づく。
【0062】
ステップ211で、基地局は、事前に定義された動作手順に従って、好ましいDTXパターン又はDRXパターンをUEに送信する。事前に定義された操作手順は、準静的構成又は動的構成に基づく。更に、事前に定義された動作手順は、UEのセットに対してDTXパターン又はDRXパターンを割り当てる。即ち、UEの第1のセットには第1のDTXパターン又はDRXパターンが割り当てられ、UEの第2のセットには第2のDTXパターン又はDRXパターンが割り当てられる。
【0063】
図3は、一実施形態による準静的構成のためのgNBのDTXパターンを示す図である。
【0064】
図3を参照すると、比較的長いDRXサイクル及びDTXサイクルを構成することにより、gNBは、そのアクティブ状態の間だけ、DL制御シグナリング及び物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を送信するか、又はULスケジューリング要求(UL SR)、チャネル品質インジケータ(CQI)グループPUSCH、及び物理RACH(PRACH)送信を受信することが可能になり、残りの時間はスリープ状態になることができる。このアプローチによると、サイクルが長ければ長いほどエネルギー使用量が少なくなるため、エネルギー消費量を大幅に削減することができる。更に、DRXサイクルとDTXサイクルのパラメータとは異なることがある。例えば、受信は送信に比べて電力消費が少ないため、gNBのDTXサイクルはgNBのDRXサイクルよりも長くなる。従って、gNBは比較的低コストでより頻繁にリッスンすることができ、gNBがスリープ状態からアクティブ状態に移行する必要がある場合に、より迅速な対応が可能になる。
【0065】
gNBでDTX/DRXパターンを使用することにより、UEはDRXサイクル及びDTXサイクルに従ってアクティブな状態の間のみ通信可能になるため、スケジューラにとって意味がある。場合によっては、gNBがDL送信又はUL送信をスケジューリングし、アクティブにデータを受信又は送信している場合、gNBは近い将来に追加のDL送信又はUL送信をスケジューリングする可能性が高い。これは、1回のスケジューリングでバッファ内の全データを送信することができないため、追加のスケジューリングオケージョンが必要になるためと考えられる。DTXサイクル及びDRXのサイクルに基づいて、次のアクティビティ期間まで待つことは可能であるが、更なる遅延が生じる。これらの遅延を最小化するために、gNBはアクティブなDL送信又はUL送信の後、構成可能な時間のためにアクティブ状態を維持する。これは、gNBが、DL送信又はUL送信をスケジュールする度毎に非アクティブタイマーを開始又はリセットし、このタイマーが終了するまで目覚めていることで達成される。
【0066】
殆どのシナリオでは、長いDTX/DRXサイクルと、スケジューリング後にgNBが一定期間目覚めた状態のままであることとを組み合わせると、遅延を最小化するのに十分である。しかし、一定のサービス、特にボイスオーバーインターネットプロトコル(IP)には、定期的な送信期間の後にアクティビティが殆ど無いか又は全く無い期間がある。これらのサービスに対応するため、ロングサイクルに加えて、オプションでショートDTX/DRXサイクルを採用する。従って、gNBは長いDTX/DRX周期に従うが、gNBがDL送信又はUL送信を最近スケジューリングした場合、事前に定義された継続時間の間、gNBは短いDTX/DRX周期にスイッチする可能性がある。
【0067】
更に、スリープ状態に戻る前の事前に定義された時間の間、DL制御シグナリングを送信するか又はUL制御シグナリング若しくはデータを監視するために定期的にウェイクアップするのではなく、ULトラフィックが予想されない場合に、UEがgNBに別の長いDTXサイクル及びDRXサイクルの間スリープモードになるように通知することができる場合、DTXメカニズム及びDRXメカニズムは更に強化される。これは、gNBのWUSオケージョンを使用するコンセプトと考えることができ、この場合、gNBが長いDTX/DRXサイクルの開始前に、(長いDTX/DRXサイクルのオン継続時間よりもかなり短い)構成可能な時間の間ウェイクアップする。一般に、UEのトラフィックパターン又はUEタイプの情報を把握しておくことは、gNBがDTX/DRXサイクルを適宜調整する上で有益である。
【0068】
準静的なソリューションにおけるgNBのDTX/DRXパターンのシグナリングに関する詳細は以下に述べる。
【0069】
「準静的な」DTX/DRX構成の場合、gNBのDTX/DRXサイクルは、以下のパラメータ構成(A)~(E)の1つ又は全てを使用して記述される。
【0070】
(A)WUSの「オン」継続時間及び周期性。これは、gNBがUEからの潜在的なWUSを受信するために目覚めた状態を維持する継続時間及び頻度を指す。WUSを有効にすることで、gNBは長短のDTX/DRXサイクル全体の代わりにWUSを監視するのみで十分である。WUSシグナルが事前に定義された継続時間中に検出されない場合、gNBは、次のWUSのオケージョンまで非アクティブの状態を維持し、DRXサイクル及びDTXサイクルをスキップすることができる。しかし、WUSシグナルが受信されると、
図3に示すように、gNBはアクティブになり、短いDRXサイクル及びDTXサイクルに従う。
(B)gNBの「オン」継続時間。このパラメータは、DTX/DRXサイクルのアクティブ状態の間、gNBがアクティブ状態を維持する継続時間を特定する。
(C)短いDTXサイクルの周期性。これは、gNBがアクティブ状態の間、短いDTXサイクルにスイッチする頻度を意味する。
(D)gNBの非アクティブタイマー。gNBの非アクティブタイマーは、アクティブ状態の完了後、gNBが非アクティブ状態を維持する継続時間を決定し、サイクル間の非アクティブ状態の期間を許容する。
(E)長いDTXサイクルのgNBの周期性。このパラメータは、gNBがその非アクティブ状態の間、長いDTXサイクルに従う頻度を定義する。
【0071】
可能なgNBのDTXパターン及びDRXパターンのセットは、事前に定義することができ、以下の表1の情報要素(IE)に従って、RRCシグナリングを介してサービングUEにシグナルが伝達される。
【0072】
【0073】
gNB DRXパターンは、gNBのDTXパターンと同様の(又は異なる)方法で定義される。場合によって、gNBのDRXパターンは、gNBのDTXパターンと同じ(又は異なる)場合がある。
【0074】
図4は、一実施形態による動的構成のためのgNBのDTXパターンを示す図である。
【0075】
図4を参照すると、DCIは、サービングUEに対して、タイムスロットの次の番号(N)に対するgNBのオン/オフステータス(継続時間)を示す。新たに指示されたオン/オフ継続時間が前に指示されたオン/オフ継続時間と矛盾する場合、前の指示は失効し、もはや適用されない。動的なソリューションのためのDCIの具体的なフォーマットは以下の通りである。
【0076】
「動的な」DTX/DRXにおけるgNBのDTX/DRXでは、可能なgNBのDTXパターン及びDRXパターンのセットを事前に定義し、以下の表2の情報要素(IE)に従って、RRCシグナリングを介してサービングUEに通知することができる。
【0077】
【0078】
一実施形態によると、gNBは、サービングUEにDTX/DRXフレームワークの可能なパターンのセットを提供する(例えば、1つ以上のUEが、複数のUEに共通のgNBのDTX/DRXから情報を受信する)。これらのパターンには、準静的なソリューション及び動的なソリューションの両方が含まれる。UEがグループDCIを処理することができるようにするには、構成が必須となる。gNBはグループ構成をUEにシグナリングすることができ、このグループ構成には以下の情報のうちの1つ以上が含まれる。UEは処理すべきDCIをUEが識別できるようにするグループ無線ネットワーク一時識別子(RNTI)(NW_ES_RNTIと呼ばれる)、グループコマンドが各UEベースで異なる可能性がある場合のグループ内の順序、及びインデックスのリストを含む。ここで各インデックスは、上述のように特定のDTX/DRXパターン構成を表し、パターンインデックスの1つは「DTX/DRXなし」を示す。
【0079】
従って、gNBは、RRCブロードキャストを使用してサービングUE及びアイドル/非アクティブUEの両方に1つ以上のDRXパターンを送信することができる。これには新しいSIBシグナリングを導入することが含まれ、ここでは新しい情報要素(IE)が追加される。各DRXパターン内には、関連するインデックスが存在し、各パターンに対して上述のパラメータが情報要素(IE)内で定義される。
【0080】
gNBがグループDCIをブロードキャストした後、グループDCIは1つ以上のUEにより受信される。割り当てられたPDCCHサーチスペースはUEによって監視され、UEはグループDCIの復号を試みる。以下の説明では、セル固有のgNBのDTXパターン及びDRXパターンを示すため、グループ共通DCIのフォーマットがどのように設計されているかを説明する。
【0081】
グループ共通DCIは、サービスを受ける各UEのための特定のDRXパターンをアクティブにすることができる動的なシグナルとして機能する。単純なgNBのDTXパターン及びDRXパターンの場合(表1~2に示すパラメータとは対照的に)、グループ共通DCIは、タイムスロット毎のgNBのオン/オフパターンを示すのみであり、ここでスロットの各シンボルは、gNB「オン」又はgNB「オフ」のいずれかとして指定される。このような場合、このDCIのフォーマットはDCIフォーマット2_0に類似する可能性があり、これは通常タイムスロット毎のシンボル毎にgNBのオン/オフステータスをサービングUEに通知するために使用される。
【0082】
従って、各スロットの各シンボルについてgNBのDTX及びDRXをサービングUEに通知するために、DCI 2_7と呼ばれる新しいDCIフォーマットが導入されている。更に、DCI 2_7は、RNTIによってスクランブルされる。
【0083】
スロットフォーマットインジケータパラメータ(slotFormat_gNB_on-off_ToAddModList)は、以下の表3に従って、上位レイヤのシグナリングによって構成される。
【0084】
【0085】
例えば、gNBのスロットフォーマットインジケータパラメータは、オン/オフスロットフォーマットインジケータ1、オン/オフスロットフォーマットインジケータ2、…、オン/オフインジケータNを示すビット列に従って、1つ以上のUEのオン/オフを示す。
【0086】
上記表3に示されたオン/オフのスロットフォーマットインジケータは、特定のグループ内の1つ以上の個々のUEに対応して、gNBのDTX/DRXパターンに関連するUEのステータスを反映する。これらのインジケータは、NRスロットフォーマットと同様のフォーマットに従い、RRC構成によって定義される各UEのオン/オフ状態を表す。これらのインジケータの1つをUEのグループに伝えるために、DCIフォーマット2_7が使用される。
【0087】
更に、複数の送信受信ポイント(M-TRP)を有するgNBの場合、以下の表4に示すフォーマットが使用される。ここで、スロット毎のオン/オフ状態は、送信構成インジケータ(TCI)状態毎(又はビーム毎)である。
【0088】
【0089】
更に或いは代替的に、DCIフォーマット2_7を使用してDTXインジケータ情報を提供することができる。
【0090】
図5は、一実施形態によるDTXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンを示す図である。
【0091】
図5を参照すると、DCIフォーマット2_6と同様のDCIフォーマット2_7の一種(例えばオプション1)が適用される。DCIは、1つ以上のUEのためにgNBのDTX/DRXパターンを通知するために使用される。DCIはNW_ES-RNTIによってスクランブルされる。
【0092】
DCIフォーマット2_7の構造は、「ブロック1」、「ブロック2」、…、「ブロックN」を含む。
【0093】
準静的なDTX/DRXの実施形態の場合、各ブロックの構造は、以下の表5に示すDCIフィールドの1つ以上を含む。
【0094】
【0095】
動的なDTX/DRXの実施形態の場合、各ブロックの構造は、以下の表6に示すDCIフィールドの1つ以上を含む。
【0096】
【0097】
グループ共通DCIフォーマット2_7は、準静的なgNBのDTX/DRXソリューションと動的なgNBのDTX/DRXソリューションとを区別するシングルビットのフラグを含む。このフラグにより、UEは上記の表5(準静的なソリューション)又は表6(動的なソリューション)のいずれかに基づいて、対応するDCIフィールドを解釈することができる。更に或いは別の方法として、2つの異なるタイプのDCIを定義することも可能である。1つは動的な表示専用、もう1つは準静的な表示専用である。UEは、所望のモードに応じて特定のDCIフォーマットを監視するように構成される。また、グループDCIの解釈方法はRRCシグナリングにより構成される。
【0098】
上記の表6に関して、動的なソリューションの場合、フィールド「Dtx/DRx -StartOffset」は、DTX/DRXが開始するオフセットタイムスロット(及び/又はシンボル)からUEがグループ共通DCIを受信するスロットまでを示す。フィールド「Dtx/Drx -StartOffset」は、DTX/DRXが終了するオフセットタイムスロット(及び/又はシンボル)から、UEがこのグループ共通DCIを受信するスロットまでを示す。フィールド「Dtx/Drx -onDuration」は、gNBがアクティブ(又は非アクティブ)である連続するタイムスロット(及び/又はシンボル)の数を示す。或いは、フィールド「Dtx/Drx -onDuration」は、各タイムスロット(及び/又はシンボル)においてgNBがアクティブか非アクティブかを各ビットが示すビットマップとすることもできる。フィールド「Dtx/Drx-InactivityTimer」は、準静的なソリューションと同じ定義を有する。
【0099】
図6は、一実施形態によるDRXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンの一例を示す図である。
【0100】
図6を参照すると、DCIフォーマット2_7の一種(例えばオプション2)が示されている。互いに異なるUEは、通信システム内の様々な目的のために予め定められ、標準化された特定の値又はコードに対応する予め定められたコードポイントで、互いに異なる構成を有する互いに異なるDRXパターン(例えば、DRX1、DRX2など)をgNBから受信する。従って、UEのグループ(又はセット)を様々なDTX/DRXパターンで構成することができる。
【0101】
より具体的には、DTX/DRXパターン全体を送信するのではなく、各ブロックをDTX/DRXパターンの事前に定義されたセットへのインデックスとして表すことが可能である。このアプローチで、gNBは所定のDTX/DRXパターンを複数(例えば8個)確立し、各パターンは特定のインデックスに割り当てられる。DCIフォーマット2_7にブロック全体を含める代わりに、対応するインデックス(例えば3ビット)のみを送信する必要がある。
【0102】
図7は、一実施形態によるDRXインジケータ情報を提供するためのDCIフォーマットパターンの他の例を示す図である。
【0103】
図7を参照すると、DCIフォーマット2_7の一種(例えばオプション3)が示されている。この場合、グループ共通DCIフォーマットは、
図7に示すように、gNBのDTX/DRXパターンを示すためにブロック毎に追加のフィールドを追加することによってDCIフォーマット2_6の機能拡張版とすることもできる。これらの追加フィールドは、表5、6に示したフィールドと同じか又は類似する。
【0104】
上述の実施形態の一部又は全てについて、あるセル内のUEは、システム情報(SI)ブロードキャスト又は専用RRCシグナリングを介して準静的なDTXパターンに関する情報を受信することができる。RRCアイドル/非アクティブUEの場合、別のSIB 1 IEを使用してgNBのオン/オフDTXパターン及びDRXパターンを示すことができ、これらは接続されたUEのパターンとは異なる。SIBメッセージは、gNBによってブロードキャストされ、上記の表5、6に概説するようにgNBのDRX構成及びDTX構成を特定する情報要素(IE)を含む。
【0105】
動的なソリューションに関しては、gNBが「gNB Tx Inactive State」に入るとき、グループ共通DCIは、この状態の開始をトリガし、DCIフォーマット2_7を使用してその継続時間を動的に示すことができる。同様の原理が、動的なgNBのDRXのためにgNBが受信を一時停止する場合にも適用される。
【0106】
更に、各UEのためのDRX構成は、基地局のトラフィック負荷に基づいて動的に調整可能である。例えば、基地局のリソース使用率が約30%又はそれ以下であり、省電力を目的としている場合、基地局は、サービングUEを構成するか、又はDCIフォーマット2_7を使用してセル固有のgNBのDTX/DRXパターンを有するUEのグループを構成するか、を選択することができる。UE間のC-DRX構成を揃えることで、基地局は潜在的にスリープ時間を延長することができ、これによりエネルギーを節約することができる。従って、トラフィック状況に基づいてUE固有のC-DRX構成とUEグループ固有のC-DRX構成とを動的にスイッチするメカニズムは有益である。この種の動的スイッチングは、上述のオプション1,オプション2、又はオプション3を使用したDCIフォーマット2_7の様々なオプションによって達成することができる。或いは、毎回完全なDCIフォーマット2_7を構成する代わりに、特定のUE又はUEのグループにセル固有のDTX/DRXパターンから元のUE固有のDRXパターンに戻るように指示する1ビットのフラグをDCIフォーマット2_7に含めることもできる。
【0107】
グループDCIが受信されると(又は受信されないと)、UEは提供された情報に基づいて適宜DTX/DRXパラメータを調整する。
【0108】
一実施形態によると、UEは送信の必要性を確立する。このような場合、UEはgNBにgNBがスリープモードを終了するように通知する必要がある。この手順には、UEがWUSを送信することができる次の位置を決定し、その位置をgNBに送信することが含まれる。WUSを送信すべき位置の決定は、DTX/DRXパターン構成において、gNBによって送信される情報に基づく。
【0109】
一実施形態によると、周期的シグナルに対するDCIベースのグループ共通適応に基づいて、ネットワークのエネルギー使用を更に削減することができる。レガシーNRでは、CSI参照シグナル(CSI-RS)、グループ共通又はUE固有のPDCCH、半持続的スケジューリング(SPS)PDSCH、SRを伝送する物理UL制御チャネル(PUCCH)、CSIレポートを伝送するPUCCH/PUSCH、SPSのHARQ-ACKを伝送するPUCCH、コントロールグラント(CG)-PUSCH、SRS、ポジショニングRS(PRS)などを含む、多数の定期的及び半持続的シグナル並びにチャネルが各UEに割り当てられる。ネットワークの省エネルギーを達成するためには、レガシーNRで使用されている準静的なUE固有のアプローチではなく、セルレベルでこれらのシグナル及びチャネルを動的に再構成する必要がある。これにより、各サービングUEに対する再構成を実行することで、変化するネットワークトラフィック状況によりよく適応することができ、シグナリングのオーバーヘッドを削減することができ、gNBのアクティブ時間を最小限にすることができる。
【0110】
これらのシグナル及びチャンネルをセルレベルで動的に再構成するために、2つのソリューションを適用することができる。先ず、受信したDCIフォーマット2_7は、gNBがUL及びDLで非アクティブである期間において、既に構成されている半持続的且つ周期的シグナルの送信をUEがスキップするトリガとして使用することができる。このアプローチは、不必要な送信を排除してエネルギー使用を最適化する。第2に、新しいグループ共通DCIは、gNBのDTXパターン及びDRXパターンに合わせて周期的且つ半持続的なシグナル及びチャネルの特定の構成をアクティブ化又は非アクティブ化するように設計することができる。これにより、リソースの効率的な利用が促進され、ネットワークにおける効果的なエネルギー管理が保証される。
【0111】
一実施形態によると、ページングはネットワークの省エネルギーのために最適化される。通常、UEのためのページングオケージョンは、システム容量を最大化するために経時的に均等に分散される。しかし、この方法ではネットワーク内のページングにかかるエネルギー消費が大きくなる。この問題に対処するためには、ページングメカニズムを強化し、特にページング負荷が低いときにgNBにより良いスリープモードの機会を提供することが有利である。
【0112】
可能性のあるソリューションの1つは、推定負荷に基づく適応的なページングオケージョンの設計を実装することである。これは、SIB1を通じて互いに異なるパターン設計を有するページングオケージョンのセットを構成することにより達成することができる。次に、gNBは、セルのトラフィック負荷に応じて、全てのサービングUEに送信されるグループ共通DCIメッセージを使用してこれらのページングオケージョンの1つをアクティブ化する。
【0113】
もう1つのアプローチは、ページングオケージョンを、マスター情報ブロック(MIB)、SIB、二次同期シグナルブロック(SSB)などの他のDLシグナルと時間的に同位置に配置することである。そうすることで、gNBは、特にページングオケージョンのために付加的なエネルギーを必要とせずに、ページングメッセージを送信することができる。このように既存のDLシグナルにページングをピギーバックさせることで、全体的なエネルギー消費を削減することができる。
【0114】
このような強化されたページングメカニズムを実装することで、ネットワークは、ページング負荷が低い間のエネルギー使用を最適化することができ、gNBのための改善されたスリープモード機会を提供することができる。これにより、エネルギー効率が向上し、不要なエネルギー消費が削減され、システム容量を最大化しながら効果的なページングシステムを維持することができる。
【0115】
一実施形態によると、別の省エネルギー方式では、SIB1送信及びPRACH受信のために、総合放射電力(TRP)毎にセル共通シグナルを構成することを含む。通常、SIB1は同じ周期で全てのTRPから全方向に送信される。但し、トラフィック負荷が低いシナリオでは、UEの数が少ない場合、特定のTRPからの、又は特定のビーム方向からのSIB1の送信頻度を減らすことが可能であり、これはSSBシグナリング又はRRCシグナリングのいずれかを介してUEに伝えることができる。
【0116】
具体的に、SIB1の送信周期は、TCIの状態に基づいて構成される。同様に、RACH送信のためのパラメータを含むRACH構成は、各方向のトラフィック負荷に応じて、様々なビーム方向又はTRPに対して互いに異なるように調整することができる。これは、時間リソース、オフセット、TCI状態毎のRACH送信の周期性などのパラメータを調整することを必要とする。
【0117】
ビーム方向毎又はTRP毎の負荷レベルに基づいてSIB1及びRACHの送信パターンをカスタマイズすることにより、ネットワークは、UEとの効果的な通信を維持しながらエネルギー使用量を最適化することができる。このアプローチにより、シグナリング及びアクセス手順がトラフィック状況に適応し、セルラーネットワークの全体的なエネルギー効率が向上する。
【0118】
図8は、一実施形態によるネットワーク環境における電子機器のブロック図である。
【0119】
図8を参照すると、ネットワーク環境800内の電子装置801(例えば、基地局又はUE)は、第1のネットワーク898(例えば、短距離無線通信ネットワーク)を介して電子装置802(例えば、基地局又はUE)と通信するか、又は第2のネットワーク899(例えば、長距離無線通信ネットワーク)を介して電子装置804(例えば、基地局又はUE)又はサーバ808(例えば、基地局又はUE)と通信する。電子装置801は、サーバ808を介して電子装置804と通信する。電子装置801は、プロセッサ820、メモリ830、入力装置850、音響出力装置855、表示装置860、オーディオモジュール870、センサモジュール876、インターフェース877、触覚モジュール879、カメラモジュール880、電力管理モジュール888、バッテリ889、通信モジュール890、加入者識別モジュール(SIMカード)896、及びアンテナモジュール897を含む。一実施形態では、コンポーネントの少なくとも1つ(例えば、表示装置860又はカメラモジュール880)を電子装置801から省略してもよく、或いは1つ以上の他のコンポーネントを電子装置801に追加してもよい。コンポーネントの中には、単一のICとして実装されるものもある。例えば、センサモジュール876(例えば、指紋センサ、虹彩センサ、又は照度センサ)は、表示装置860(例えば、ディスプレイ)に組み込まれる。
【0120】
プロセッサ820は、プロセッサ820に結合された電子装置801の少なくとも1つの他のコンポーネント(例えば、ハードウェアコンポーネント又はソフトウェアコンポーネント)を制御するためのソフトウェア(例えば、プログラム840)を実行するか、或いは様々なデータ処理又は計算を実行する。
【0121】
データ処理又は計算の少なくとも一部として、プロセッサ820は、他のコンポーネント(例えば、センサモジュール876又は通信モジュール890)から受信したコマンド又はデータを揮発性メモリ832にロードし、コマンド又は揮発性メモリ832に格納されたデータを処理し、その結果得られたデータを不揮発性メモリ834に格納する。プロセッサ820は、メインプロセッサ821(例えば、中央処理装置(CPU)又はアプリケーションプロセッサ(AP))と、メインプロセッサ821から独立して又はメインプロセッサ821と連携して動作可能な補助プロセッサ823(例えば、グラフィック処理装置(GPU)、画像シグナルプロセッサ(ISP)、センサハブプロセッサ、又は通信プロセッサ(CP))とを含む。更に又は代替的に、補助プロセッサ823は、メインプロセッサ821よりも消費電力が少なくなるように、又は特定の機能を実行するように適合される。補助プロセッサ823は、メインプロセッサ821とは別個のものとして実装されてもよいし、メインプロセッサ821の一部として実装されてもよい。
【0122】
補助プロセッサ823は、電子装置801のコンポーネントのうちの少なくとも1つのコンポーネント(例えば、表示装置860、センサモジュール876、又は通信モジュール890)に関連する機能又は状態の少なくとも一部を、メインプロセッサ821が非アクティブ(例えば、スリープモード)状態にある間、メインプロセッサ821の代わりに、或いはメインプロセッサ821がアクティブ状態(例えば、アプリケーションの実行中)にある間、メインプロセッサ821と共に制御する。補助プロセッサ823(例えば、画像シグナルプロセッサ又は通信プロセッサ)は、補助プロセッサ823に機能的に関連する別のコンポーネント(例えば、カメラモジュール880又は通信モジュール890)の一部として実装される。
【0123】
メモリ830は、電子装置801の少なくとも1つのコンポーネント(例えば、プロセッサ820又はセンサモジュール876)によって使用される様々なデータを格納する。様々なデータには、例えばソフトウェア(例えば、プログラム840)やそれに関連するコマンドの入力データ又は出力データが含まれる。メモリ830は、揮発性メモリ832又は不揮発性メモリ834を含む。不揮発性メモリ834は、内部メモリ836及び/又は外部メモリ838を含む。
【0124】
プログラム840は、ソフトウェアとしてメモリ830に格納され、例えばオペレーティングシステム(OS)842、ミドルウェア844、及びアプリケーション846を含む。
【0125】
入力装置850は、電子装置801の外部(例えば、ユーザ)から、電子装置801の別のコンポーネント(例えば、プロセッサ820)によって使用されるコマンド又はデータを受信する。入力装置850には、例えばマイクロホン、マウス、キーボードなどが含まれる。
【0126】
音響出力装置855は、電子装置801の外部に音響シグナルを出力する。音響出力装置855は、例えばスピーカ又はレシーバを含む。スピーカはマルチメディア或いはレコードの再生などの一般的な用途に使用され、レシーバは着信の受信に使用される。レシーバは、スピーカとは別個のものとして実装されることもあれば、スピーカの一部として実装されることもある。
【0127】
表示装置860は、電子装置801の外部(例えば、ユーザ)に視覚的に情報を提供する。表示装置860は、例えばディスプレイ、ホログラム装置、又はプロジェクタと、ディスプレイ、ホログラム装置、及びプロジェクタのうちの対応する1つを制御する制御回路とを含む。表示装置860は、タッチを検出するように適合されたタッチ回路、又はタッチによって生じた力の強さを測定するように適合されたセンサ回路(例えば、圧力センサー)を含む。
【0128】
オーディオモジュール870は、音を電気シグナルに変換するか又はその逆を行なう。オーディオモジュール870は、入力装置850を介して音を取得するか、或いは音響出力装置855又は電子装置801と直接(例えば、有線)又は無線で結合された外部の電子装置802のヘッドホンを介して音を出力する。
【0129】
センサモジュール876は、電子装置801の動作状態(例えば、電力又は温度)又は電子装置801の外部の環境状態(例えば、ユーザの状態)を検出し、検出された状態に対応する電気シグナル又はデータ値を生成する。センサモジュール876は、例えばジェスチャセンサ、ジャイロセンサ、大気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、色センサ、赤外線(IR)センサ、生体認証センサ、温度センサ、湿度センサ、又は照度センサを含む。
【0130】
インターフェース877は、電子装置801が外部の電子装置802と直接(例えば、有線)又は無線で結合されるために使用される1つ以上の指定されたプロトコルをサポートする。インターフェース877は、例えば高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース、又はオーディオインターフェースを含む。
【0131】
接続端子878は、電子装置801が外部の電子装置802と物理的に接続されるコネクタを含む。接続端子878は、例えばHDMI(登録商標)コネクタ、USBコネクタ、SDカード(登録商標)コネクタ、又はオーディオコネクタ(例えば、ヘッドフォンコネクタ)を含む。
【0132】
触覚モジュール879は、電気シグナルを機械的刺激(例えば、振動又は動き)、又は触覚若しくは筋運動感覚を介してユーザによって認識される電気刺激に変換する。触覚モジュール879は、例えばモータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含む。
【0133】
カメラモジュール880は静止画像又は動画像を撮影する。カメラモジュール880は、1つ以上のレンズ、画像センサ、画像シグナルプロセッサ、又はフラッシュを含む。電力管理モジュール888は、電子装置801に供給される電力を管理する。電力管理モジュール888は、例えば電力管理集積回路(PMIC)の少なくとも一部として実装される。
【0134】
バッテリ889は、電子装置801の少なくとも1つのコンポーネントに電力を供給する。バッテリ889は、例えば充電不可能な一次電池、充電可能な二次電池、又は燃料電池を含む。
【0135】
通信モジュール890は、電子装置801と外部の電子装置(例えば、電子装置802、電子装置804、又はサーバ808)との間に直接(例えば、有線)通信チャネル又は無線通信チャネルを確立することと、確立された通信チャネルを介して通信を行なうこととをサポートする。通信モジュール890は、プロセッサ820(例えば、AP)から独立して動作可能であり、直接(例えば、有線)通信又は無線通信をサポートする1つ以上の通信プロセッサを含む。通信モジュール890は、無線通信モジュール892(例えば、セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、全地球航法衛星システム(GNSS)通信モジュール)、又は有線通信モジュール894(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)通信モジュール又は電力線通信(PLC)モジュール)を含む。これらの通信モジュールの対応する1つは、第1のネットワーク898(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)ダイレクト、又は赤外線データ協会(IrDA)の規格などの短距離通信ネットワーク)、或いは第2のネットワーク899(例えば、セルラーネットワーク、インターネット、又はコンピュータネットワーク(例えば、LAN又はワイドエリアネットワーク(WAN))などの長距離通信ネットワーク)を介して外部の電子装置と通信することができる。これらの様々なタイプの通信モジュールは、単一のコンポーネント(例えば、単一のIC)として実装される場合もあれば、互いに分離した複数のコンポーネント(例えば、複数のIC)として実装される場合もある。無線通信モジュール892は、加入者識別モジュール896に格納された加入者情報(例えば、国際移動電話加入者識別番号(IMSI))を使用して、第1のネットワーク898又は第2のネットワーク899などの通信ネットワークにおいて電子装置801を識別及び認証する。
【0136】
アンテナモジュール897は、電子装置801の外部(例えば、外部の電子装置)との間でシグナル又は電力を送信又は受信する。アンテナモジュール897は1つ以上のアンテナを含み、そこから第1のネットワーク898又は第2のネットワーク899などの通信ネットワークで使用される通信方式に適切な少なくとも1つのアンテナが、例えば通信モジュール890(例えば、無線通信モジュール892)によって選択される。その後、シグナル又は電力は、選択された少なくとも1つのアンテナを介して通信モジュール890と外部の電子装置との間で送信又は受信される。
【0137】
コマンド又はデータは、第2のネットワーク899に結合されたサーバ808を介して、電子装置801と外部の電子装置804との間で送受信される。電子装置802及び電子装置804のそれぞれは、電子装置801と同じタイプの装置であってもよいし、異なるタイプの装置であってもよい。電子装置801で実行される操作の全て又は一部は、外部の電子装置(802、804)又はサーバ808のうちの1つ又は複数で実行される。例えば、電子装置801が機能又はサービスを自動的に、或いはユーザ又は他の装置からの要求に応答して実行すべき場合、電子装置801は、その機能又はそのサービスを実行する代わりに、或いはその機能又はそのサービスの実行に加えて、その機能又はそのサービスの少なくとも一部を実行するように1つ以上の外部の電子装置に要求する。その要求を受信した1つ以上の外部の電子装置は、要求された機能若しくはサービスの少なくとも一部、又は要求に関連する追加機能若しくは追加サービスを実行し、実行の結果を電子装置801に転送する。電子装置801は、要求に対する応答の少なくとも一部として、その結果の更なる処理をしたかしないかに拘らず結果を提供する。そのために、例えばクラウドコンピューティング、分散コンピューティング、クライアントサーバーコンピューティング技術を使用する。
【0138】
図9は、互いに通信するUE905及びgNB910を含むシステムを示す図である。
【0139】
UE905は、無線機915及び処理回路(又は処理手段)920を含み、本明細書に開示する様々な方法を実行する。例えば、処理回路920は無線機915を介してネットワークノード(gNB)910からの送信シグナルを受信し、処理回路920は無線機915を介してgNB910にシグナルを送信する。
【0140】
本明細書に記載した主題の実施形態及び動作は、デジタル電子回路、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア(本明細書に開示した構造及びそれらの構造的等価物を含む)、又はそれらの1つ以上の組み合わせで実施される。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラムとして、即ちデータ処理装置による実行のため、又はデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化された、コンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施される。
【0141】
更に又は代替的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播シグナル、例えば機械的に生成された電気シグナル、光シグナル、又は電磁シグナルに符号化され、このシグナルは、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶装置、コンピュータ読み取り可能な記憶基板、ランダムアクセス又はシリアルアクセスのメモリアレイ又は装置、又はそれらの組み合わせとすることができ、又はそれらに含めることができる。更に、コンピュータ記憶媒体は伝播シグナルではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝播シグナルで符号化されたコンピュータプログラム命令の供給源又は宛先となる。コンピュータ記憶媒体は、また1つ以上の別個の物理的コンポーネント又は媒体(例えば、複数のCD、ディスク、又は他の記憶装置)であるか、或いはそれらに含めることもできる。更に、本明細書で説明した動作は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶装置に格納されたデータ、又は他の送信元から受信したデータに対して、データ処理装置によって実行される動作として実施される。
【0142】
本明細書には多くの具体的な実施上の詳細な構成が含まれる可能性があるが、実施上の詳細な構成は、特許請求の範囲に対する制限として解釈すべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈すべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載した一定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明した様々な特徴も、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切な下位の組み合わせで実施することができる。更に、特徴は一定の組み合わせで作用するものとして上記で記載され、当初はそのように特許請求されることすらあるが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によってはその組み合わせから削除されることがあり、特許請求された組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションのバリエーションに関することがある。
【0143】
同様に、操作は特定の順序で図面に描かれているが、これは好ましい結果を達成するためにそのような操作が図示した特定の順序で、又は連続した順序で実行されるべきこと、或いは図示した全ての操作が実行されるべきことを要求するものとして理解すべきではない。状況によっては、マルチタスクや並列処理が有利な場合もある。更に、上述した実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてそのような分離が必要であると理解すべきではなく、記載したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に単一のソフトウェア製品において一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0144】
このように、主題の特定の実施形態を本明細書で説明した。その他の実施形態は、特許請求の範囲に含まれる。場合によっては、特許請求の範囲に記載した動作を異なる順序で実行しても好ましい結果を得ることができる。更に、図面に描かれた工程は、好ましい結果を得るために必ずしも図示した特定の順序、又は連続した順序を必要としない。一定の実装では、マルチタスクや並列処理が有利に働くことがある。
【0145】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0146】
100 装置
101 コントローラモジュール
102 ストレージモジュール
103 アンテナモジュール
800 ネットワーク環境
801、802、804 電子装置
808 サーバ
820 プロセッサ
821 メインプロセッサ
823 補助プロセッサ
830 メモリ
832 揮発性メモリ
834 不揮発性メモリ
836 内部メモリ
838 外部メモリ
840 プログラム
842 オペレーティングシステム(OS)
844 ミドルウェア
846 アプリケーション
850 入力装置
855 音響出力装置
860 表示装置
870 オーディオモジュール
876 センサモジュール
877 インターフェース
878 接続端子
879 触覚モジュール
880 カメラモジュール
888 電力管理モジュール
889 バッテリ
890 通信モジュール
892 無線通信モジュール
894 有線通信モジュール
896 加入者識別モジュール
897 アンテナモジュール
898 第1のネットワーク
899 第2のネットワーク
905 UE
910 gNB
915 無線機
920 処理回路