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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047598
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】透明液晶表示装置の実装構造
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20240401BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153179
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岩井 洋平
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
【Fターム(参考)】
2H088EA22
2H088GA10
2H088HA05
2H088HA08
2H088HA28
2H189AA04
2H189AA52
2H189AA57
2H189AA60
2H189AA64
2H189AA65
2H189AA67
2H189AA70
2H189AA72
2H189AA78
2H189AA83
2H189AA85
2H189HA03
2H189HA06
2H189LA02
2H189LA10
2H189LA20
2H189LA33
2H189MA15
(57)【要約】
【課題】ガラス窓に透明液晶表示装置を配置するための実装構造を実現する。
【解決手段】第1ガラス板5の周辺が第1枠体4に収容されて保持されているガラス窓に透明液晶表示装置が配置した構成の、透明液晶表示装置の実装構造であって、前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板5に透明接着シート70によって貼り付けられ、前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、前記端子領域は前記第1枠体4内に収容され、前記端子領域には、LEDを有する光源40とドライバIC50が配置し、前記光源40と前記ドライバIC50と前記第1枠体4の間には、熱伝導シート90が配置し、前記熱伝導シート90は前記光源40及びドライバIC50に押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス板の周辺が第1枠体に収容されて保持されているガラス窓に透明液晶表示装置が配置した構成の、透明液晶表示装置の実装構造であって、
前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、
前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、
前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、
前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、
前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、
前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項2】
前記第1枠体と前記端子領域の間には第2枠体が配置し、
前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項3】
前記第2枠体はゴムで形成され、前記第2枠体のスプリングバック力によって、前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする請求項2に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項4】
前記第1枠体は金属で形成され、前記第1枠体のスプリングバック力によって、前記第2枠体及び前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする請求項2に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項5】
前記光源と前記ドライバICの間には、前記光源に電流を供給するための第1フレキシブル配線基板が配置し、前記第1フレキシブル配線基板は、前記熱伝導シートと、前記光源及び前記ドライバICの間に存在することを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項6】
前記ドライバICと前記第1フレキシブル配線基板の間には熱伝導効果を有するスペーサが配置していることを特徴とする請求項5に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項7】
前記端子領域は第2フレキシブル配線基板を介してプリント配線基板に接続し、前記プリント配線基板は前記第1ガラス板に接着していることを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項8】
前記端子領域は第2フレキシブル配線基板によってプリント配線基板と接続し、
プリント配線基板は前記第2枠体に配置し、
前記第2フレキシブル配線基板は、前記端子領域から、前記第2枠体に形成された孔を通過して、前記プリント配線基板に接続することを特徴とする請求項2に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項9】
前記熱伝導シートはヒートパイプであることを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項10】
前記熱伝導シートは前記第2枠体と接触していることを特徴とする請求項2に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項11】
前記第1枠体の第1側面には第1孔が形成され、前記枠体の内部において、前記第1孔に対応する部分には、第1小型マイクが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項12】
前記第1側面は、前記第1枠体の屋外側の面であることを特徴とする請求項11に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項13】
前記第1枠体の第2側面には第2孔が形成され、前記第1枠体の内部において、前記第2孔に対応する部分には、第2小型マイクが配置されていることを特徴とする請求項11に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項14】
前記第1ガラス板と第1封止材を挟んで第2ガラス板が配置し、内部に第1空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項15】
前記第2ガラス板と第2封止材を挟んで第3ガラス板が配置し、内部に第2空間が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項16】
第1ガラス板と第2ガラス板が封止材によって接着し、内部に空間が形成されたペアガラスの内部に透明液晶表示装置が配置し、前記ペアガラスの周辺が第1枠体に収容されて保持されている透明液晶表示装置の実装構造であって、
前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、
前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、
前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、
前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、
前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、
前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項17】
前記熱伝導シートは、前記光源及びドライバICに、前記第1ガラス板と前記第2ガラス板によって、押し付け圧力を受けていることを特徴とする請求項16に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項18】
前記第1枠体と前記ペアガラスの間には第2枠体が配置し、
前記第2枠体によって、前記ペアガラスは、両側から押し圧力と受けていることを特徴とする請求項17に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項19】
前記第1枠体は金属で形成され、前記第2枠体はゴムで形成され、
前記ペアガラスは、前記第1枠体と前記第2枠体によって、両側から押し圧力を受けていることを特徴とする請求項18に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【請求項20】
第1ガラス板と第2ガラス板が第1封止材によって接着し、内部に第1空間が形成され、前記第2ガラス板と第3ガラス板が第2封止材によって接着し、内部に第2空間が形成されたトリプルガラスの第1空間に透明液晶表示装置が配置し、前記トリプルガラス周辺が第1枠体に収容されて保持されている透明液晶表示装置の実装構造であって、
前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、
前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、
前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、
前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、
前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、
前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係り、特に液晶表示装置を透明媒体に実装する実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスのように、背景が見える透明表示装置に対する需要が存在する。透明表示装置では、透明表示装置では、画像を表示する場合、表側と裏側とでそれぞれの背景に画面を重ねて表示することが出来る。このような透明表示装置は例えば、液晶表示装置を用いて実現することが出来る。
【0003】
特許文献1乃至3には、いわゆる高分子分散型液晶を用いて透明液晶表示装置を実現する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-92748号公報
【特許文献2】特開2021-92702号公報
【特許文献3】特開2021-184052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
透明表示装置は、単独で表示装置として用いる場合もあるが、窓ガラス等の透明媒体に透明表示装置を貼り付けることによって、ディスプレイの表示が不要な時には、通常の窓ガラスとして使用し、必要な時はディスプレイとして用いる方式が開発されている。透明表示装置としては、有機EL表示装置あるいは液晶表示装置等を用いることが出来る。透明液晶表示装置は透過率が高いので、このような用途には、より適している。
【0006】
透明液晶表示装置は、光源としてLEDを用いるが、LEDは発熱が大きい。また、透明液晶表示装置はフィールドシークエンシャルで駆動されるが、この場合、ドライバICの発熱が大きい。透明液晶表示装置を窓に配置する場合も、この発熱の問題を解決する必要がある。
【0007】
窓の種類も種々存在し、窓の種類に適応して透明液晶表示装置の構造を変化させる必要もある。一方、窓側の構成も、透明液晶表示装置の取り付けに対応して構造を変える必要がある場合が存在する。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決し、ガラス等の透明媒体に、透明表示装置を配置する場合において、ドライバICやLEDからの発熱を対策し、かつ、透明媒体としての意匠性を害さないように、透明媒体に透明表示装置を配置する構成を実現するものである。そして、信頼性の高い、高品質な透明表示装置システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであり、代表的な手段は次のとおりである。
【0010】
(1)第1ガラス板の周辺が第1枠体に収容されて保持されているガラス窓に透明液晶表示装置が配置した構成の、透明液晶表示装置の実装構造であって、前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、
前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【0011】
(2)前記第1枠体と前記端子領域の間には第2枠体が配置し、
前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする(1)に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【0012】
(3)前記第1枠体の第1側面には第1孔が形成され、前記第1枠体の内部において、前記第1孔に対応する部分には、第1小型マイクが配置されていることを特徴とする(1)に記載の透明液晶表示装置の実装構造。
【0013】
(4)第1ガラス板と第2ガラス板が封止材によって接着し、内部に空間が形成されたペアガラスの内部に透明液晶表示装置が配置し、前記ペアガラスの周辺が第1枠体に収容されて保持されている透明液晶表示装置の実装構造であって、前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【0014】
(5)第1ガラス板と第2ガラス板が第1封止材によって接着し、内部に第1空間が形成され、前記第2ガラス板と第3ガラス板が第2封止材によって接着し、内部に第2空間が形成されたトリプルガラスの第1空間に透明液晶表示装置が配置し、前記トリプルガラス周辺が第1枠体に収容されて保持されている透明液晶表示装置の実装構造であって、前記透明液晶表示装置は前記第1ガラス板に透明接着シートによって貼り付けられ、前記透明液晶表示装置は表示領域と端子領域を有し、前記端子領域は前記第1枠体内に収容され、前記端子領域には、LEDを有する光源とドライバICが配置し、前記光源と前記ドライバICと前記第1枠体の間には、熱伝導シートが配置し、前記熱伝導シートは前記光源及びドライバICに押し付けられる圧力を受けていることを特徴とする透明液晶表示装置の実装構造。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】透明液晶表示装置の正面図である。
図2】透明液晶表示装置の側面図である。
図3】透明液晶表示装置の動作を示す断面図である。
図4】光源の斜視図である。
図5】透明液晶表示装置の平面図である。
図6図5のA-A断面図である。
図7図5にLED用フレキシブル配線基板を配置した状態の平面図である。
図8図7のB-B断面図である。
図9】ガラス窓の名称を定義する正面図である。
図10】ガラス窓に透明液晶表示装置が貼り付けられた状態を示す正面図である。
図11】透明液晶表示装置に電源を供給する例を示す正面図である。
図12図10のC-C断面図である。
図13】実施例1の第1の形態を示す断面図である。
図14】実施例1の第2の形態を示す断面図である。
図15】実施例2の第1の形態を示す断面図である。
図16】実施例2の第2の形態を示す断面図である。
図17】実施例3の第1の形態を示す断面図である。
図18】実施例3の第2の形態を示す断面図である。
図19】実施例4の第1の形態を示す断面図である。
図20】実施例4の第2の形態を示す断面図である。
図21】実施例4の第3の形態を示す断面図である。
図22】実施例4の第4の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は単独で使用される透明液晶表示装置1の正面図であり、図2は側面図である。図1及び2は、一般的な透明液晶表示装置の例を説明するためのものである。図1及び図2において、表示領域の背面には、バックライトは存在しておらず、基板は、透明なガラスで出来ているので、通常は光が透過し、透明液晶表示装置1の背面を視ることが出来る。
【0017】
図1において、サイドライトとしての光源40やドライバIC50等は、下側の台座5000内に配置されている。透明液晶表示装置1は、透明なので、ガラス窓のように、透明液晶表示装置1の対面側を視ることが出来る。また、透明液晶表示装置1に表示された画像は、裏側、表側のいずれからも視認することが出来る。したがって、透明液晶表示装置1に表示された画像は、背景の中に浮かび上がったような印象を与えることが出来る。
【0018】
図1及び図2は、透明液晶表示装置の使用例を示すものであり、透明液晶表示装置はこの他に種々の用途に使用することが出来る。例えば、窓ガラスに貼り付けることによって、通常は窓ガラスとして使用し、必要な場合に窓に画像を表示するような使い方もある。また、同様な構成を、ショウウィンドウの一部として使用する場合もある。あるいは、自動車の表示装置として使用する場合、通常は外が見える窓として使用し、必要に応じて透明媒体内に画像を表示させる、というような使用方法もある。
【0019】
図3は、透明液晶表示装置の動作を示す断面図である。図3において、画素電極、信号線、TFT(Thin Film Transistor)等が配置したTFT基板100と、コモン電極、ブラックマトリクス等が形成された対向基板200との間に液晶300が挟持されている。対向基板200の上には、カバーガラス400が配置している。カバーガラス400の表面には、指で触った場合に、指紋等が付着することを防止するための表面処理がなされていることもある。この表面処理はAF(Anti-finger)処理ということもある。
【0020】
対向基板200とカバーガラス400とはOCA(Optical Clear Adhesive)70によって接着している。OCA70は透明な粘着シートであり、ガラスに近い屈折率を有している。したがって、OCA70と対向基板200あるいはカバーガラス400との界面反射は最小限に抑えることが出来る。OCA70の厚さは、例えば0.1mmである。
【0021】
図3の液晶表示装置は、いわゆるフィールドシークエンシャル(Field Sequential)で駆動されるので、カラーフィルタは存在していない。カラーフィルタを使用していないので、表示領域の光透過率を上げることが出来る。TFT基板100と対向基板200が重なっている部分に表示領域が形成され、TFT基板100において、対向基板200と重なっていない部分に端子領域30が形成されている。
【0022】
図3において、TFT基板100と対向基板200は透明シール材60で接着し、内部に液晶300が封入されている。図3の液晶300はいわゆる高分子分散型液晶と呼ばれるものである。液晶層300を構成する液晶は、通常は光を透過するが、TFT基板100に形成された画素電極と対向基板200に形成されたコモン電極との間に電圧が印加されると、液晶分子301の配向が変化し、光を散乱する。画素毎に液晶分子301の散乱作用を制御することによって、画像を形成することが出来る。この画像は、液晶表示パネルの表面からも背面からも視認することが出来る。
【0023】
図3において、TFT基板100は対向基板200よりも大きく形成されており、TFT基板100と対向基板200が重複していない部分は端子領域30となっている。端子領域30には、対向基板200の側面と対向して光源40が配置している。光源40は、図4に示すように、LED41とレンズ42で構成されている。
【0024】
図4で示すように、光源40は、レンズ41の側面に複数のLED42が配置した構成となっている。LED42から出射した光は、レンズ41によって、収束あるいは発散の作用を受け、図3に示すように、対向基板200あるいはカバーガラス400の側面から透明液晶表示装置の表示領域に入射する。
【0025】
LED41には、パッケージ毎に赤、緑、青の光を発生する3個のLEDチップが配置している。図3の液晶表示装置はフィールドシークエンシャルで駆動される。つまり、時分割で赤画像、緑画像、青画像を表示してカラー画像を表示する。以下の図面では、光源40は、LED41とレンズ42が一体化したものとして表示する。
【0026】
図3に戻り、光源40からの光は対向基板200及びカバーガラス400の側面、あるいは、シール材60を通して液晶表示パネルの内部に入射する。入射した光は全反射を繰り返しながら液晶層300中の、液晶分子301に衝突する。光が、画素電極とコモン電極との間に電圧が印加されている画素内の液晶分子301に衝突すると、図3に示すように散乱する。一方、画素電極とコモン電極との間に電圧が印加されていない画素内では、光は直進する。これによって、液晶層300内に入射した光は、画素毎に散乱を制御されるので、画像が形成される。
【0027】
図3において、光源40と、液晶層300、対向基板200、カバーガラス400を挟んで対向した側の、TFT基板100、対向基板200及びカバーガラス400の側面には、反射体350が貼り付けられており、端部に到着した光を表示領域側に反射する。なお、図5以下では、反射体350の記載は省略されている。図3において、端子領域30には、光源40と並んでドライバIC50が配置している。図3における液晶表示装置はフィールドシークエンシャルで駆動されるために、通常の駆動方法の3倍のスピードでデータ処理がおこなわれるので、ドライバIC50の発熱も大きくなる。
【0028】
図5は、本発明で使用される透明液晶表示装置の平面図であり、図6図5のA-A断面図である。なお、以後の明細書では、フレキシブル配線基板等が接続されていない状態の透明液晶表示装置を透明液晶表示パネルと呼ぶことがある。図5において、透明液晶表示装置の表示領域10の端部にLEDとレンズを含む光源40が配置され、端子領域30には、ドライバIC50が配置している。プリント配線基板(PCB、Printed Circit Board)55と端子領域30とは、フレキシブル配線基板51によって接続している。フレキシブル配線基板51は、ドライバIC50毎に配置している。プリント配線基板55には外部から電源や信号を得るための電源配線56が接続している。
【0029】
図6図5のA-A断面図である。図6において、TFT基板100の上に対向基板200が配置し、その上にカバーガラス400が配置している。TFT基板100、対向基板200、カバーガラス400の厚さは、例えば、各々0.5mmである。対向基板200とTFT基板100が重複している部分に表示領域10が形成され、TFT基板100が1枚になっている部分に端子領域30が形成されている。端子領域30には光源40及びドライバIC50が配置している。光源40、ドライバIC50とも高温になるので、放熱が必要である。
【0030】
図7は、図6の構造に対し、LEDを含む光源40に電源を供給するためのLED用フレキシブル配線基板52や接続用導電部材65、及び、ドライバIC50やフレキシブル配線基板51から放熱するためのスペーサを兼ねた熱伝導シート61、62等が配置された平面図である。図8図7のB-B断面図である。図7のハッチングで示すように、LED用フレキシブル配線基板52は、端子領域30全面を覆っている。なお、ドライバIC50には、ドライバIC用フレキシブル配線基板51を介して電流や信号が供給される。
【0031】
図7及び図8に示すように、ドライバIC50とLED用フレキシブル配線基板52の間には、熱伝導シート61が配置し、フレキシブル配線基板51とLEDフレキシブル配線基板52の間には熱伝導シート62が配置している。後で説明するようにドライバIC50からの熱及び光源40からの熱を、窓ガラスの障子枠に放散させやすくするためである。図7に示すように、熱伝導シート61は、y方向に長い一枚の短冊状シートであって、複数のドライバIC50を共通に覆っている。また、熱伝導シート62は、y方向に長い一枚の短冊状シートであって、複数のフレキシブル配線基板51を共通に覆っている。ドライバIC50とフレキシブル配線基板51の厚さに大きな差が無ければ、熱伝導シート61と62は共通のシートにしても良い。
【0032】
図7及び図8において、LED用フレキシブル配線基板52とプリント配線基板55は、導電接続部材65で接続している。導電接続部材65は、例えば、異方性導電フィルム(ACF Anisotropic Conductive Film)を使用することが出来る。LED用電流、ドライバIC用電源、信号等は、プリント配線基板55に接続した電源配線56から供給される。
【0033】
図9は、透明液晶表示装置が取り付けられる窓及びガラス障子の名称を説明するための窓の正面図である。図7において、壁7の内側に、窓額縁2が形成されている。窓額縁2の内側にいわゆるサッシが取り付けられている。サッシはサッシ枠3と2個のガラス障子で構成されている。2個のガラス障子は引き戸の関係になっている。ガラス障子は、障子枠4と窓ガラス5で構成されている、障子枠4の外側には、鍵6と取っ手75が形成されている。なお、サッシ枠3は固定であり、サッシ枠3の内側を、障子枠4とガラス板5で構成されるガラス障子が移動する。
【0034】
図10は、図9に示すガラス障子に透明液晶表示装置1を配置した状態を示す正面図である。図10において、透明液晶表示装置1が例えば、OCAによって窓ガラス5に貼り付けられている。窓ガラス5の周辺は、障子枠4内に配置され、障子枠4によって保持されている。光源、ドライバIC、フレキシブル配線基板等が配置した透明液晶表示装置1の端子領域30は障子枠4内に配置され、通常は外部からは見えない。
【0035】
図11は、透明液晶表示装置付近の拡大断面図である。図11は分かりやすくするためにガラス障子が空いた状態になっている。図11において、透明液晶表示装置の表示領域10が窓ガラスに貼り付けられ、障子枠4内に透明液晶表示装置の端子領域が配置している。端子領域はLED用フレキシブル配線基板52、プリント配線基板55及び電源配線56で代表させている。プリント配線基板55には電源配線56が接続し、障子側電源端子700と接続する。
【0036】
壁7の内側の窓額縁2内にサッシ枠3が取り付けられている。障子を閉めるときは、障子枠4の先端はサッシ枠3の縁31の間に配置される状態で収容されることになる。サッシ枠3には、サッシ枠側電源端子710が取り付けられ、ガラス障子が閉まったときには、透明液晶表示装置に電源が供給され、表示可能になる。サッシ枠側電源端子710と接続したケーブル720は窓額縁2に形成された切り欠きを通って電源コンセント730に接続する。
【0037】
図12は、本発明の実施例で使用されるガラス障子の障子枠4及びサッシ枠3の詳細を示す断面図である。図12図10のC-C断面図に相当する断面図である。図12において、窓ガラス5には、ペアガラスが使用されている。ペアガラスは、断熱効果、あるいは、防音効果等に優れている。図12において、2枚のガラスは封止材500によって密閉され、内部に水滴等の発生を防止するために、乾燥材510が配置されている。
【0038】
図12において、ペアガラスの周辺は、パッキン8内に収容されている。パッキン8は、それ自体がスプリング力を有して、ペアガラスを保持できるように、例えば、ゴムパッキン8で構成される。本発明では、さらに、透明液晶表示装置におけるドライバIC50やLEDで発生する熱を効率よく逃がすために、熱伝導性ゴムが使用される。
【0039】
ゴムパッキンは8、障子枠4内に収容される。障子枠4はアルミニウムで形成されているが、ゴムパッキン8は、障子枠4のスプリングバックによって、圧力を受けている。したがって、ペアガラス5は、ゴムパッキン8のスプリングパックに加え、障子枠4のスプリングバックによっても圧力を受けるので、窓ガラスを確実に固定することが出来る。
【0040】
図12において、パッキン8の底面と障子枠4の底面との間に第1の空間を形成するために、スペーサ550が配置される。第1の空間には、例えば、透明液晶表示装置のプリント配線基板等が配置される場合もありうる。図12において、スペーサ550は、空間610の隅に配置されているが、隅にのみ限定する必要は無い。中央部付近に1個のみスペーサを配置してもよい。
【0041】
障子枠4は段部を有し、段部内に第2の空間が形成されている。この第2の空間には、例えば、透明液晶表示装置に電源や信号を供給するための電源配線を延在させる場合もある。また、実施例4に示すように、場合によっては、内蔵マイクを配置させることも出来る。障子枠4の一部はガラス障子を閉めるときは、サッシ枠3内に配置される。
【実施例0042】
図13は実施例1の第1の形態による透明液晶表示装置付ガラス窓の構成を示す障子枠4内の断面図である。図13図10のD-D断面に該当する断面図である。図13において、紙面上側は屋内であり、紙面下側は屋外である。図13において、窓ガラス5はペアガラス構成となっている。ペアガラスの構造については図12で説明したとおりである。図13において、屋内側の窓ガラス5に透明液晶表示装置が配置している。透明液晶表示装置は窓ガラスにOCA70によって貼り付けられている。すなわち、TFT基板100とプリント配線基板55が窓ガラス5にOCA70を介して貼り付けられている。また、フレキシブル配線基板51もOCA70によって窓ガラス5に貼り付けられているものであっても良い。
【0043】
TFT基板100に対向基板200とカバーガラス400が貼り付けられた領域が透明液晶表示装置の表示領域であり、TFT基板100が1枚になっている部分が端子領域である。端子領域には熱源であるLEDを有する光源40とドライバIC50が配置している。ドライバIC50に近接して配置するフレキシブル配線基板51も高温になる。LEDが高温になると発光効率が低下し、ドライバIC50が高温になると誤動作を引き起こす。
【0044】
図13の透明液晶表示装置の特徴は、図8で説明したとおりである。図13において、LED用フレキシブル配線基板52とドライバIC50の間に熱伝導シート61が、フレキシブル配線基板51との間に熱伝導シート62が配置し、LED用フレキシブル配線基板52の上にヒートパイプ90が配置している。このヒートパイプ90を覆って熱伝導性ゴムパッキン8で圧力を加えている。ゴムパッキン8は、それ自体でヒートパイプ90に上から圧力がかかるようになっている。
【0045】
なお、ヒートパイプ90は、銅などの金属シート内に微細なパイプを形成し、この微細なパイプ内に流体を循環させ、熱を移動させるものである。近年はスマートフォンにも使用され、厚さが1mm以下のものも開発されている。なお、ヒートパイプ90の代わりに、銅等の熱伝導の優れた金属シートを使用してもよい。さらには、熱伝導に優れた樹脂シートを用いてもよい。熱伝導樹脂シートの材料としては、例えば、炭素繊維を用いたもの、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が存在する。
【0046】
ゴムパッキン8はアルミニウムで形成された障子枠4内に配置するが、障子枠4のスプリングバックも、ゴムパッキン8をヒートパイプ90側に押し付けるような圧力を生じている。図13において、障子枠4がゴムパッキン8に食い込んでいる部分がこの現象を示している。つまり、図13において、ヒートパイプ90は、ゴムパッキン8のスプリング力と障子枠4のスプリングバックの両方によって、光源40及び、熱伝導シート62、61を介してドライバIC50とフレキシブル配線基板51に押し付けられる構成となっている。
【0047】
したがって、LED及びドライバIC50で発生した熱は極めて効率的にヒートパイプ90を通して、熱伝導性ゴムパッキン8、さらには、アルミで形成された障子枠4に移動することが出来る。障子枠4はアルミニウムで形成されているので、高い熱伝導性を有し、優れたヒートシンクとして作用する。このように、実施例1は、透明液晶表示装置に対し、きわめて放熱効果の優れた構成であり、信頼性の高い透明液晶表示装置を実現することが出来る。
【0048】
図13において、ゴムパッキン8及び障子4枠に孔をあけて、電源配線56を通過させ、第2空間620において、下方に延在させ、障子側端子700と接続する。以下の図面も同様である。また、透明液晶表示装置は、屋内側の窓ガラス5に取り付けられているので、外気の厳しい環境にさらされることはない。また、図13の構成では、透明液晶表示装置の端子領域はゴムパッキン8で囲まれているが、密閉されているわけではないので、内部に水分が溜まって信頼性を劣化させるということもない。
【0049】
図14は実施例1の第2の形態による透明液晶表示装置付ガラス窓の構成を示す、障子枠4内の断面図である。図14図10のD-D断面に該当する断面図である。図14の紙面上側は屋内であり、紙面下側は屋外である。図14のその他の構成も図13と同じである。図14図13と異なる点は、プリント配線基板55が、ゴムパッキン8の底面と障子枠4の底面で区画される第1空間610に配置している点である。
【0050】
図14において、フレキシブル配線基板51は長く形成され、第1空間610に配置したプリント配線基板55に接続されている。また、LED用フレキシブル配線基板52は、長く形成され、第1空間610に配置されたプリント配線基板55に配置した接続導電部材65と接続する。また、障子枠4の第2空間620に電源配線56を延在させるために、プリント配線基板55にソケット57が取り付けられている。
【0051】
図14の構成の特徴は、透明液晶表示装置のTFT基板100の端子領域側の辺が窓ガラス5の辺と一致していることである。あるいは、TFT基板100の端子領域側の辺がゴムパッキン8の底面と接触していることである。このような構成によって、透明液晶表示装置と窓ガラス5との位置合わせが容易になる。また、TFT基板100の端部がゴムパッキン8の底部と接触しているので、窓への振動等による寸法のくるいを軽減することが出来る。
【0052】
図14の構成においても、LEDやドライバIC50に対する放熱効果は、図13の構成と同様である。また、その他の、図13で述べた構造の特徴は、図14の構成についても、同様である。
【0053】
以上で説明した、実施例1の構成は、ペアガラスのいずれかのガラス板5に取り付けられた構成である。ところで、実施例1の構成は、窓ガラス5がペアガラスではなく、通常の1枚のガラス板5の場合であっても適用することが出来る。そして、ペアガラスについて説明した実施例1の放熱効果等は、窓ガラス5が1枚の場合でも同様の効果を発揮することが出来る。
【実施例0054】
図15は実施例2の第1の形態による透明液晶表示装置付ガラス窓の構成を示す障子枠4内の断面図である。図15図10のD-D断面に該当する断面図である。図15において、窓ガラス5はペアガラスを用いているが、本実施例の特徴は、2枚のペアガラス5の間に透明液晶表示装置を配置していることである。ペアガラスの間にはもともと空間が存在しているので、この空間を利用して透明液晶表示装置を配置することによって、ガラス窓全体として厚さの増大を抑制することが出来る。
【0055】
図15において、ペアガラス5のうちの1枚に透明液晶表示装置がOCA70によって貼り付けられている。透明液晶表示装置は、図8において、あるいは、実施例1の図13において説明したのと同じである。2枚のガラス板5を貼り付けるための封止材500及び乾燥材510は、図15に示す断面においても存在している。但し、この部分の封止材500及び乾燥材510は透明液晶表示装置が存在しない他の領域におけるよりも厚さ、あるいは量は少なくなっている。
【0056】
図15の構成においても、図12に説明したように、ペアガラス5は、ゴムパッキン8及び障子枠4によって、押し圧力を受けていることは同じである。その結果、ペアガラス5の間に配置した透明液晶表示装置は、ペアガラス5によって押し圧力を受けている。したがって、図15では、LED用フレキシブル配線基板52の上に配置したヒートパイプ90は、封止材500と乾燥材510と十分な押し圧力をもって接触している。ヒートパイプ90は、熱の移動に優れた効果を示すので、LED用フレキシブル配線基板52からの熱を速やかに、封止材500、あるいは、熱伝導性ゴムパッキン8側に移動させることが出来る。
【0057】
封止材500にエポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂で形成された熱導電性の封止材を用いることによって、熱は、熱伝導性のゴムパッキン8に流れ、ゴムパッキン8を介してアルミニウムで形成された障子枠4に吸収されることになる。アルミニウムは高い熱導電性を有しているので、障子枠4はヒートシンクとして優れた性能を有している。
【0058】
図15において、プリント配線基板55に接続した電源配線56が障子枠4の第1空間610を突っ切って、第2空間620に延在している。その他の構成も実施例1の図13と同じである。図15においても、透明液晶表示装置及びヒートパイプ90はゴムパッキン8及び障子枠4によって押し圧力を受けているので、熱伝導効果は優れている。また、封止材500等を介して、導電性ゴムパッキン8、さらに、アルミニウムで形成されたヒートシンクとしての障子枠4への熱伝導によって、ドライバIC50及びLEDの温度上昇を抑制し、透明液晶表示装置の表示性能と信頼性を確保することが出来る。
【0059】
図16は、実施例2の第2の形態を示す断面図である。図16において、透明液晶表示装置がペアガラス5の間に配置されている他は実施例1の第2の形態である図14と同じである。すなわち、図16において、TFT基板100の端部はゴムパッキン8の底部に接触しており、プリント配線基板55は障子枠4の第1空間610に存在している。この効果は図14において説明したのと同じである。
【0060】
図16の端子領域における上下方向(z方向)の断面図構造は、図15と同じである。したがって、図16においても、優れた熱接触効果と熱伝導効果によって、LED及びドライバIC50からの熱を効率的に、伝熱性ゴムパッキン8、ひいては、ヒートシンクとしての障子枠4に逃がすことが出来る。
【実施例0061】
図17は実施例3の第1の形態による透明液晶表示装置付ガラス窓の構成を示す障子枠4内の断面図である。図17図10のD-D断面に該当する断面図である。図17において、窓ガラス5はトリプルガラスを用いている。トリプルガラスは、ペアガラスよりもさらに断熱効果と防音効果が優れている。図7において、図面の上側(z方向で)が屋外側で、図面の下側(z方向で)が屋内側である。
【0062】
図17において、透明液晶表示装置は3枚の窓ガラス5のうち、屋内側の2枚の窓ガラス5の間に配置している。これによって、日光等からの紫外線による透明液晶表示装置の劣化を軽減することが出来る。図17において、2枚のガラス板5の間に挟まれている透明液晶表示装置の構成は図15と同様である。そして、LEDやドライバIC50からの放熱の原理も図15で説明したのと同一である。
【0063】
したがって、窓ガラスが3枚である構成であっても、実施例2と同様に、効率よく放熱することが出来る。なお、図17において、外側の2枚のペアのガラス板の間隔も内側の2枚のガラス板の間隔と合わせて大きくなっているが、この間隔は任意であり、内側の2枚のガラス板の間隔に合わせる必要はない。
【0064】
図18は、実施例3の第2の形態を示す断面図である。図18は、窓ガラス5がトリプルガラス構成となっている他は、実施例2の第2の形態である図16と同じである。すなわち、図18において、透明液晶表示装置は、3枚のガラス板5のうち、内側の2枚のガラス板5の間に透明液晶表示装置が配置している。図18における内側の2枚のガラス板5を図16におけるペアガラスに置き換えれば、放熱効果は、同一である。したがって、実施例2の第2の形態において説明したように、本実施形態においても、LED及びドライバIC50からの熱を効率よく逃がすことが出来る。
【0065】
なお、図18において、外側の2枚のペアのガラス板5の間隔も内側の2枚のガラス板の間隔と合わせて大きくなっているが、この間隔は任意であり、内側の2枚のガラス板の間隔に合わせる必要はない。
【実施例0066】
室内から透明液晶表示装置によって、画像を屋外に表示した場合、窓が密閉されている場合は屋外との間で、音声での連絡が出来ない。このようなケースは、閉じられた窓ガラス越しに透明液晶表示装置と音声による対面コミュニケーションを行う場面を想定している。
【0067】
図19は、このような課題を対策した実装構造を示す断面図である。図19において、透明液晶表示装置の窓ガラス5への取り付け構造は、実施例2の図15と同じである。図19図15と異なる点は、障子枠4の第2空間に、パソコンなどで使用されると同様な、小型マイクロフォンモジュール(以後マイクモジュール)800を内蔵している点である。
【0068】
図19において、紙面上側(z方向で)が屋外であり、紙面下側(z方向で)が屋内である。障子枠4の第2空間の外側の枠にマイク用孔805を形成し、この付近にマイクモジュール800を配置する。マイクモジュール800はマイク本体801、マイク用回路基板802、クッション材803から構成されている。外部からの音声がマイク孔805を通ってマイク801に認識されると、電気信号に変換され、この信号が屋内のスピーカに取り込まれ、音声を出力する。
【0069】
図20は、図19と同じ構造のマイクモジュール800及びシステムを、実施例2の第2の形態の構造である、図16に適用した例である。図20において、透明液晶表示装置の実装構造は図16と同じである。マイクモジュール800の実装構造は図19と同じである。つまり、透明液晶表示装置の、ガラス窓への実装構造にかかわらず、マイクモジュール800構造を適用することが出来る。
【0070】
音声によるコミュニケーションは、屋外から屋内のみでなく、屋内から屋外に行う場合がある。例えば、屋外からの質問に答える場合等である。図21は、これに対応できるように障子枠4の屋内側の枠にもマイク用孔805を形成し、この孔の付近にマイクモジュール800を配置した構成を示す断面図である。図21図19に対応する構成である。図22は、図20に対して、マイクモジュール800を障子枠4の屋内側にも配置した例である。図21図22においては、パソコンに内蔵されているような小型スピーカをマイクモジュール付近の障子枠4内に配置することになる。マイクモジュールもスピーカモジュールも障子枠4内に配置しているので、意匠上の問題は生じない。
【0071】
実施例4は実施例2に適用する場合について説明した。しかし、実施例4は実施例1及び実施例3の構成についても同様に適用することが出来る。
【0072】
以上の説明では、ガラス板5と障子枠4の間、あるいは、透明液晶表示装置1の端子領域30と障子枠4の間にはゴムパッキン8が存在するとして説明したが、ゴムパッキン8はかならずしも必要ではない。例えば、障子枠4にヒートパイプ90等の熱伝導シートを透明液晶表示装置のドライバIC50や光源40に押し付ける機能が存在すればよい。
【0073】
以上は、引き戸タイプの窓に透明液晶表示装置を配置する場合について説明したが、本発明は、引き戸タイプではないタイプの窓、締め切りの窓等にも使用可能である。また、本発明はこの他に。ショウウィンドウの一部、ワインセラーや冷蔵庫のショウケース等にも使用することが出来る。
【符号の説明】
【0074】
1…透明液晶表示装置、 2…窓額縁、 3…サッシ枠、 4…障子枠、 5…窓ガラス、 6…鍵、 7…壁、 8…ゴムパッキン、 10…表示領域、 30…端子領域、 40…光源、 41…LED、 42…レンズ、 50…ドライバIC、 51…フレキシブル配線基板、 52…LED用フレキシブル配線基板、 55…プリント配線基板(PCB)、 56…電源配線、 57…ソケット、 61…IC用熱伝導シート、 62…フレキシブル配線基板用熱伝導シート、 65…導電接続部材、 70…OCA、 90…ヒートパイプ、 100…TFT基板、 200…対向基板、 300…液晶層、 301…液晶分子、 350…反射体、 400…カバーガラス、 500…封止材、 510…乾燥材、 610…障子枠の第1の空間、 620…障子枠の第2の空間、 700…障子側電源端子、 710…サッシ枠側電源端子、 720…ケーブル、 730…コンセント、 800…マイクモジュール、 801…マイク、 802…マイク用回路基板、 803…クッション材、 805…マイク孔、 5000…台座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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