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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047605
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】医療用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20240401BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A61M1/28 120
A61M39/10 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153188
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】梅垣 彦希
【テーマコード(参考)】
4C066
4C077
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066CC01
4C066JJ05
4C077AA06
4C077BB01
4C077DD23
4C077EE03
4C077KK17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタの接続状態で、流体が外部に漏れるのを防止した医療用コネクタを提供する。
【解決手段】医療用コネクタは、第1コネクタ14及び第2コネクタ20を備える。パッキン40は、環状シール部68を含む。環状シール部68は、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態で、第1接続筒部50の軸線方向から第1接続筒部の第1端部51と第2接続筒部92の第2端部93とによって挟持されて圧縮変形する。第2コネクタは、接続状態で、環状シール部68の径方向外方に位置する変形抑制部102を含む。環状シール部の連通孔72に流体が流通した状態で環状シール部の第2外周面80が変形抑制部に当接する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続筒部を有する第1コネクタと第2接続筒部を有する第2コネクタとを備え、前記第1接続筒部の軸線方向に沿って前記第2接続筒部が延在するように前記第1コネクタと前記第2コネクタを互いに接続した接続状態で、前記第1接続筒部内の第1流体流路と前記第2接続筒部内の第2流体流路とが互いに連通する医療用コネクタであって、
前記第1コネクタ又は前記第2コネクタには、弾性変形するパッキンが設けられ、
前記パッキンは、前記第1流体流路と前記第2流体流路とを互いに連通させるための連通孔を有する環状シール部を含み、
前記環状シール部は、前記接続状態で、前記第1接続筒部の前記軸線方向から当該第1接続筒部の第1端部と前記第2接続筒部の第2端部とによって挟持されて圧縮変形し、
前記第2コネクタは、前記接続状態で、前記環状シール部の径方向外方に位置する変形抑制部を含み、
前記連通孔に流体が流通している状態で前記環状シール部の外周面が前記変形抑制部に当接する、医療用コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の医療用コネクタであって、
前記変形抑制部は、環状に延在している、医療用コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載の医療用コネクタであって、
前記第2コネクタは、
ベース部と、
前記ベース部から前記第2接続筒部の軸線方向に沿って突出した外筒部と、を備え、
前記第2接続筒部は、前記外筒部の内腔に位置すると共に前記ベース部から前記外筒部の突出方向に突出し、
前記外筒部の突出端部は、前記第2接続筒部の突出端部よりも前記ベース部とは反対方向に位置し、
前記変形抑制部は、前記外筒部の前記突出端部に設けられている、医療用コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の医療用コネクタであって、
前記外筒部の内周面と前記第2接続筒部の外周面との間には、隙間が形成され、
前記接続状態で、前記第2接続筒部の前記第2端部が前記環状シール部にめり込むことにより当該環状シール部の一部が前記隙間に入り込んでいる、医療用コネクタ。
【請求項5】
請求項3記載の医療用コネクタであって、
前記第1コネクタは、前記接続状態で、前記外筒部が挿入される内腔を有する環状接続部を備え、
前記環状接続部の内周面には、第1ねじ部が形成され、
前記外筒部の外周面には、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成されている、医療用コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載の医療用コネクタであって、
前記外筒部の外周面と前記環状接続部の内周面との間をシールするシール部材を備える、医療用コネクタ。
【請求項7】
請求項1記載の医療用コネクタであって、
前記パッキンは、前記第1コネクタに設けられる、医療用コネクタ。
【請求項8】
請求項7記載の医療用コネクタであって、
前記第1接続筒部に前記パッキンが装着されており、
前記パッキンは、前記環状シール部から突出して前記第1接続筒部を囲む保持部を有する、医療用コネクタ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の医療用コネクタであって、
前記第1端部又は前記第2端部には、前記第1接続筒部又は前記第2接続筒部の軸線方向に突出する凸部が設けられ、
前記凸部は、前記接続状態で前記環状シール部にめり込む、医療用コネクタ。
【請求項10】
請求項9記載の医療用コネクタであって、
前記凸部は、前記第1端部に設けられる、医療用コネクタ。
【請求項11】
請求項9記載の医療用コネクタであって、
前記凸部は、環状に延在している、医療用コネクタ。
【請求項12】
請求項11記載の医療用コネクタであって、
前記凸部は、前記第1接続筒部又は前記第2接続筒部の径方向に沿った幅が、前記凸部の突端に向かって小さくなるように形成されている、医療用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1接続筒部を有する第1コネクタと、第2接続筒部を有する第2コネクタとを備えた医療用コネクタが開示されている。医療用コネクタでは、第1接続筒部の軸線方向に沿って第2接続筒部が延在するように第1コネクタと第2コネクタとを互いに接続した接続状態で、第1接続筒部内の第1流体流路と第2接続筒部内の第2流体流路とが互いに連通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-166628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した医療用コネクタは、第1接続筒部及び第2接続筒部の間の流体の漏れを防止するためのパッキン等を有していないため、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態で当該流体が外部に漏れ易い。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の第1の態様は、第1接続筒部を有する第1コネクタと第2接続筒部を有する第2コネクタとを備え、前記第1接続筒部の軸線方向に沿って前記第2接続筒部が延在するように前記第1コネクタと前記第2コネクタを互いに接続した接続状態で、前記第1接続筒部内の第1流体流路と前記第2接続筒部内の第2流体流路とが互いに連通する医療用コネクタであって、前記第1コネクタ又は前記第2コネクタには、弾性変形するパッキンが設けられ、前記パッキンは、前記第1流体流路と前記第2流体流路とを互いに連通させるための連通孔を有する環状シール部を含み、前記環状シール部は、前記接続状態で、前記第1接続筒部の前記軸線方向から当該第1接続筒部の第1端部と前記第2接続筒部の第2端部とによって挟持されて圧縮変形し、前記第2コネクタは、前記接続状態で、前記環状シール部の径方向外方に位置する変形抑制部を含み、前記連通孔に流体が流通している状態で前記環状シール部の外周面が前記変形抑制部に当接する、医療用コネクタである。
【0007】
このような構成によれば、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態で、環状シール部が第1接続筒部の軸線方向から第1接続筒部の第1端部と第2接続筒部の第2端部とによって挟持されて圧縮変形する。そのため、環状シール部から第1端部に第1シール面圧を作用させると共に環状シール部から第2端部に第2シール面圧を作用させることができる。
【0008】
また、連通孔を流れる流体によって環状シール部が径方向外方に押されている状態で環状シール部の外周面が変形抑制部に当接する。そのため、連通孔を流れる流体の圧力によって環状シール部が径方向外方に変形することを抑制できる。これにより、環状シール部のうち第1端部と第2端部とによって挟持された部分(挟持部分)の第1接続筒部の軸線方向に沿った長さ(厚さ)が薄くなることを抑制できる。換言すれば、挟持部分の厚さを第1シール面圧及び第2シール面圧を作用させるのに必要な厚さに維持できる。従って、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態で流体の外部への漏れを効果的に抑えることができる。
【0009】
(2)上記項目(1)記載の医療用コネクタであって、前記変形抑制部は、環状に延在してもよい。
【0010】
このような構成によれば、挟持部分の径方向外方への変形を効率良く抑制できる。
【0011】
(3)上記項目(2)記載の医療用コネクタであって、前記第2コネクタは、ベース部と、前記ベース部から前記第2接続筒部の軸線方向に沿って突出した外筒部と、を備え、前記第2接続筒部は、前記外筒部の内腔に位置すると共に前記ベース部から前記外筒部の突出方向に突出し、前記外筒部の突出端部は、前記第2接続筒部の突出端部よりも前記ベース部とは反対方向に位置し、前記変形抑制部は、前記外筒部の前記突出端部に設けられてもよい。
【0012】
このような構成によれば、第2接続筒部が外筒部で囲まれるため、ユーザの手指が第2接続筒部に触れることを抑制できる。また、変形抑制部が外筒部の突出端部に設けられているため、簡便な構成により、接続状態で変形抑制部を環状シール部の径方向外方に位置させることができる。
【0013】
(4)上記項目(3)記載の医療用コネクタであって、前記外筒部の内周面と前記第2接続筒部の外周面との間には、隙間が形成され、前記接続状態で、前記第2接続筒部の前記第2端部が前記環状シール部にめり込むことにより当該環状シール部の一部が前記隙間に入り込んでもよい。
【0014】
このような構成によれば、第2接続筒部に第2シール面圧を効果的に作用させることができる。
【0015】
(5)上記項目(3)又は(4)に記載の医療用コネクタであって、前記第1コネクタは、前記接続状態で、前記外筒部が挿入される内腔を有する環状接続部を備え、前記環状接続部の内周面には、第1ねじ部が形成され、前記外筒部の外周面には、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成されてもよい。
【0016】
このような構成によれば、第1ねじ部を第2ねじ部に締め付けることにより、第2接続筒部を環状シール部に対して効率よく押し付けることができる。
【0017】
(6)上記項目(5)記載の医療用コネクタであって、前記外筒部の外周面と前記環状接続部の内周面との間をシールするシール部材を備えてもよい。
【0018】
このような構成によれば、仮に、パッキンの外側に流体が漏れた場合であっても、当該流体が医療用コネクタの外部に漏れることをシール部材によって抑制できる。
【0019】
(7)上記項目(1)~(6)のいずれか1項に記載の医療用コネクタであって、前記パッキンは、前記第1コネクタに設けられてもよい。
【0020】
(8)上記項目(7)記載の医療用コネクタであって、前記第1接続筒部に前記パッキンが装着されており、前記パッキンは、前記環状シール部から突出して前記第1接続筒部を囲む保持部を有してもよい。
【0021】
このような構成によれば、パッキンを第1接続筒部に簡単に保持できる。
【0022】
(9)上記項目(1)~(8)のいずれか1項に記載の医療用コネクタであって、前記第1端部又は前記第2端部には、前記第1接続筒部又は前記第2接続筒部の軸線方向に突出する凸部が設けられ、前記凸部は、前記接続状態で前記環状シール部にめり込んでもよい。
【0023】
このような構成によれば、連通孔を流通する流体によって環状シール部が径方向外方に押圧された時に、環状シール部の内周面が第1接続筒部及び第2接続筒部に対して径方向外方にずれることを凸部によって抑制できる。よって、環状シール部の位置ずれによる流体の漏れを抑制できる。また、第1コネクタが第2コネクタに完全に接続されていない状態(緩い接続状態)であっても、凸部に第1シール面圧又は第2シール面圧を作用させることができるため、流体の漏れを抑制できる。
【0024】
(10)上記項目(9)記載の医療用コネクタであって、前記凸部は、前記第1端部に設けられる。
【0025】
(11)上記項目(9)記載の医療用コネクタであって、前記凸部は、環状に延在してもよい。
【0026】
このような構成によれば、環状シール部の内周面が第1接続筒部及び第2接続筒部に対して径方向外方にずれることを凸部によって一層抑制できる。また、流体の漏れを一層抑制できる。
【0027】
(12)上記項目(11)記載の医療用コネクタであって、前記凸部は、前記第1接続筒部又は前記第2接続筒部の径方向に沿った幅が、前記凸部の突端に向かって小さくなるように形成されてもよい。
【0028】
このような構成によれば、第1コネクタ及び第2コネクタの緩い接続状態であっても、凸部に第1シール面圧又は第2シール面圧を効率よく作用させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態で流体の外部への漏れを効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る医療用コネクタを備えた腹膜透析装置の構成説明図である。
図2図2は、図1の医療用コネクタの分解斜視図である。
図3図3は、図2の第1コネクタの縦断面図である。
図4図4は、図2の第2コネクタの縦断面図である。
図5図5は、第1コネクタ及び第2コネクタの接続状態を示す縦断面図である。
図6図6は、第1コネクタ及び第2コネクタの接続が緩い状態(緩い接続状態)を示す断面説明図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿った横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る医療用コネクタ10は、例えば、腹膜透析装置12に組み込まれる。そのため、医療用コネクタ10内には、液体(透析液)が流通する。ただし、医療用コネクタ10は、腹膜透析装置12以外の医療機器に組み込まれてもよい。また、医療用コネクタ10内には、気体が流通してもよい。
【0032】
腹膜透析装置12は、例えば、患者500の腹腔502内の使用済みの透析液を新しい透析液に交換する場合に使用される。腹膜透析装置12は、第1コネクタ14を有する腹膜透析デバイス16と、第2コネクタ20を有するカテーテル部材17とを備える。
【0033】
腹膜透析デバイス16は、一度の使用によって廃棄される使い捨て品(ディスポーザブル品)である。腹膜透析デバイス16は、透析バッグ22、排液バッグ24、透析チューブ26、排液チューブ28、分岐部30、接続チューブ32、第1コネクタ14を備える。
【0034】
透析バッグ22には、透析液の交換を行う前の状態で、使用前の透析液が収容されている。排液バッグ24は、腹腔502内の使用済みの透析液である排液を回収するためのバッグである。そのため、透析液の交換を行う前の状態で、排液バッグ24内は空である。透析バッグ22及び排液バッグ24の各々は、例えば、軟質な樹脂シートを互いに重ねて周縁部をシールすることにより袋状に構成される。
【0035】
透析チューブ26は、透析バッグ22と分岐部30とを互いに接続する。透析チューブ26には、透析チューブ26の内腔を閉塞するための第1クランプ34が設けられている。排液チューブ28は、分岐部30と排液バッグ24とを互いに接続する。排液チューブ28には、排液チューブ28の内腔を閉塞するための第2クランプ36が設けられている。分岐部30には、接続チューブ32の一端が接続されている。接続チューブ32の他端には、第1コネクタ14が接続されている。透析液の交換を行う前において、第1コネクタ14には、図示しない第1保護キャップが装着される。
【0036】
カテーテル部材17は、カテーテルシャフト18と、カテーテルシャフト18に接続された第2コネクタ20とを有する。カテーテルシャフト18は、患者500の腹腔502内に留置されている。カテーテル部材17は、複数回利用できるリユース品である。透析液の交換を行う前において、第2コネクタ20には、図示しない第2保護キャップが装着される。
【0037】
このような腹膜透析装置12では、透析バッグ22を腹腔502よりも上方に配置すると共に排液バッグ24を腹腔502よりも下方に配置した状態で第1コネクタ14と第2コネクタ20とを互いに接続する。そして、落差(重力)によって腹腔502内の使用済みの透析液を排液バッグ24に移動した後で、落差(重力)によって透析バッグ22内の新しい透析液を腹腔502に導入する。この時、医療用コネクタ10内には液体(透析液)
が流通する。そのため、第1コネクタ14は、第2コネクタ20に対して液密(流通流体が気体の場合は気密)に接続される。
【0038】
図2図5に示すように、医療用コネクタ10は、第1コネクタ14、パッキン40、第2コネクタ20及びシール部材42を備える。図2及び図3に示すように、第1コネクタ14は、硬質な樹脂材料によって一体成形されている。第1コネクタ14の構成材料としては、例えば、ポリカーボネートが挙げられる。第1コネクタ14は、第1ベース部44、一対の第1張出部46、第1チューブ接続部48、第1接続筒部50、環状接続部52を有する。
【0039】
図3において、第1ベース部44は、ベース筒部54と中間壁部56とを含む。ベース筒部54は、円筒状に形成されると共に矢印X方向に延在している。中間壁部56は、ベース筒部54の延在方向の中間部から径方向内方に突出すると共に環状に延在している。第1ベース部44は、ベース筒部54の一端面(矢印X1方向の端面)に開口する第1内腔58と、ベース筒部54の他端面(矢印X2方向の端面)に開口する第2内腔60とを有する。
【0040】
図2及び図3に示すように、第1張出部46は、ベース筒部54の外周面から径方向外方に突出すると共にベース筒部54の軸線方向に沿って延在した板状部である。第1張出部46は、第1コネクタ14を操作する時にユーザが手指を掛けることができるように形成されている。一対の第1張出部46は、ベース筒部54の周方向に互いに180°ずれて位置している。
【0041】
図3において、第1チューブ接続部48は、中間壁部56の内端部から第1内腔58(矢印X1方向)に突出している。第1チューブ接続部48は、円筒状に形成されている。第1チューブ接続部48は、ベース筒部54と同軸になるように配置されている。第1チューブ接続部48の外径は、ベース筒部54の内径よりも小さい。第1チューブ接続部48は、接続チューブ32の端部に液密に挿入された状態で固定されている。
【0042】
第1接続筒部50は、中間壁部56の内端部から第2内腔60(矢印X2方向)に突出している。第1接続筒部50は、円筒状に形成されている。第1接続筒部50は、ベース筒部54と同軸になるように配置されている。第1接続筒部50の外径は、ベース筒部54の内径よりも小さい。
【0043】
第1接続筒部50の第1突出端面62は、ベース筒部54から露出することなくベース筒部54の第2内腔60に位置している。第1接続筒部50の内周面は、第1チューブ接続部48の内周面に段差なく繋がっている。
【0044】
第1接続筒部50の第1突出端面62には、矢印X2方向に向かって突出した凸部64が設けられている。凸部64は、パッキン40に接触している。凸部64は、円環状に形成されている。凸部64は、第1接続筒部50の径方向に沿った幅が凸部64の突端(矢印X2方向)に向かって小さくなるように形成されている。換言すれば、凸部64は、第1接続筒部50の軸線方向に沿った縦断面(図3に示す断面)が三角形状に形成されている。凸部64の突端(頂部)は、円弧状に形成されている。ただし、凸部64は、第1接続筒部50の軸線方向に沿った縦断面(図3に示す断面)が台形状に形成されてもよい。
【0045】
凸部64の第1突出端面62からの突出長(高さ)は、0.1mm以上0.5mm以下に設定され、例えば、0.3mm程度に設定される。凸部64の高さが0.1mm以上であると、第1接続筒部50とパッキン40との間を効率よくシールすることができる。凸部64が0.5mm以下であると、第1コネクタ14及び第2コネクタ20の接続時(ねじ接続時)に凸部64からパッキン40に作用するねじれ力(第1接続筒部50の周方向に沿った力)を適度に抑えることができる。
【0046】
第1コネクタ14は、第1チューブ接続部48の突出端面から第1接続筒部50の第1突出端面62まで延在した第1流体流路66を有する。第1流体流路66は、接続チューブ32の内腔に連通する。
【0047】
環状接続部52は、ベース筒部54の他端部から矢印X2方向に突出している。環状接続部52は、円環状に形成されている。環状接続部52の内周面は、ベース筒部54の内周面よりも径方向外方に位置する。環状接続部52の内周面は、第1ねじ部67が設けられている。第1ねじ部67は、雌ねじ部である。第1ねじ部67は、環状接続部52の内周面のうちベース筒部54に近い端部(矢印X1方向の端部)から環状接続部52の軸線方向の中央部分まで延在している。環状接続部52の内周面のうち矢印X2方向の端部には、第1ねじ部67が設けられていない。
【0048】
パッキン40は、弾性変形する。パッキン40は、エラストマー等の熱可塑性軟質材料によって構成されている。第1コネクタ14とパッキン40とは、射出成形(二色成形)により形成される。これにより、パッキン40をシリコーンによって構成して第1コネクタ14に装着する場合と比較して、医療用コネクタ10の製造コストを削減できる。
【0049】
パッキン40は、環状シール部68と保持部70とを有する。環状シール部68は、円環状に延在している。環状シール部68は、第1接続筒部50の第1突出端面62に設けられている。環状シール部68は、第1接続筒部50の凸部64に接触する。
【0050】
環状シール部68の外径は、第1接続筒部50の外径よりも大きく且つベース筒部54の内径よりも小さい。第1接続筒部50の軸線方向に沿った環状シール部68の厚さ(矢印X方向の長さ)は、第1コネクタ14を第2コネクタ20に接続する前の状態で、例えば、2.0mm以上に設定される。
【0051】
環状シール部68は、第1流体流路66に連通する連通孔72を有する。環状シール部68は、第1シール面74、第2シール面76、第1外周面78及び第2外周面80を有する。第1シール面74は、第1接続筒部50(矢印X1方向)を向いている。第2シール面76は、第1シール面74とは反対方向(矢印X2方向)を向いている。第1外周面78は、第2シール面76から矢印X1方向に向かって環状シール部68の径方向外方に傾斜している。第2外周面80は、第1外周面78の矢印X1方向の端から矢印X1方向に向かって第1接続筒部50の軸線方向に沿って延びている。
【0052】
保持部70は、環状シール部68の外周部から矢印X1方向に突出すると共に環状に延在している。保持部70は、第1接続筒部50の外周面を囲むように延在している。換言すれば、第1接続筒部50は、環状の保持部70の内部に挿入されている。
【0053】
図2及び図4に示すように、第2コネクタ20は、第1部材82及び第2部材84を備える。第1部材82及び第2部材84の各々は、上述した第1コネクタ14と同様の材料による一体成形品である。第1部材82は、第2ベース部86、環状突出部88、第2チューブ接続部90、第2接続筒部92及び外筒部94を有する。
【0054】
図4において、第2ベース部86は、円環状に形成されている。第2ベース部86の外周面には、シール部材42が配設される環状溝96が形成されている。環状溝96は、第2ベース部86の軸線方向の一端部(矢印X1方向の端部)に位置している。環状突出部88は、第2ベース部86の軸線方向の他端部(矢印X2方向の端部)から径方向外方に突出すると共に環状に延在している。
【0055】
第2チューブ接続部90は、第2ベース部86の内端部から矢印X2方向に突出している。第2チューブ接続部90は、円筒状に形成されている。第2チューブ接続部90は、カテーテルシャフト18の端部に液密に挿入された状態で固定されている。
【0056】
第2接続筒部92は、第2ベース部86の内端部から矢印X1方向に突出している。第2接続筒部92は、円筒状に形成されている。第2接続筒部92は、第2チューブ接続部90と同軸になるように配置されている。第2接続筒部92の第2突出端面98は、第2接続筒部92の軸線と直交する方向に延在している。
【0057】
外筒部94は、第2ベース部86から矢印X1方向に突出している。外筒部94の内腔には、第2接続筒部92が位置している。外筒部94は、第2接続筒部92と同軸になるように配置されている。外筒部94の突出端部は、第2接続筒部92の第2突出端面98よりも第2ベース部86とは反対方向(矢印X1方向)に位置している。換言すれば、外筒部94は、第2接続筒部92の第2突出端面98よりも矢印X1方向に突出している。
【0058】
外筒部94の外周面には、第1コネクタ14の第1ねじ部67に螺合する第2ねじ部100が設けられている。第2ねじ部100は、雄ねじである。
【0059】
図5に示すように、第1ねじ部67が第2ねじ部100に完全に締め付けられた第1コネクタ14及び第2コネクタ20の接続状態(以下、単に「接続状態」ということがある)で、外筒部94の突出端部は、環状シール部68の第2外周面80とベース筒部54の内周面との間の隙間に挿入される。外筒部94の突出端部には、環状シール部68の連通孔72に流体(透析液)が流通した時に環状シール部68の径方向外方への変形を抑制するための変形抑制部102が設けられている。
【0060】
変形抑制部102は、環状(円環状)に延在している。変形抑制部102は、円環状の内周面(当接面103)を有する。変形抑制部102の当接面103は、接続状態で、連通孔72に流体が流通していない時に第2外周面80に対して当接している。ただし、変形抑制部102の当接面103は、接続状態で連通孔72に流体が流通していな時に第2外周面80に対して当接せずに離間していてもよい。
【0061】
図4において、第2コネクタ20(第1部材82)は、第2接続筒部92の第2突出端面98から第2チューブ接続部90の突出端面まで延在した第2流体流路104を有する。接続状態で、第2流体流路104は、連通孔72を介して第1流体流路66に連通する(図5参照)。
【0062】
図2及び図4に示すように、第2部材84は、第1部材82に取り付けられている。第2部材84は、支持筒部106及び一対の第2張出部108を有する。支持筒部106は、第2チューブ接続部90を囲むように延在している。換言すれば、支持筒部106の内腔には、第2チューブ接続部90が位置する。支持筒部106は、第2チューブ接続部90と同軸になるように配置されている。
【0063】
支持筒部106の内周面の矢印X1方向の端部には、第2チューブ接続部90に設けられた第1装着爪110に係止する第2装着爪112が設けられている。支持筒部106の矢印X1方向の端部には、径方向外方に突出したフランジ部114が設けられている。
【0064】
第2張出部108は、支持筒部106の外周面から径方向外方に突出すると共に支持筒部106の軸線方向に沿って延在した板状部である。第2張出部108は、第2コネクタ20を操作する時にユーザが手指を掛けることができるように形成されている。一対の第2張出部108は、支持筒部106の周方向に互いに180°ずれて位置している。
【0065】
図5に示すように、第1コネクタ14は、第1ベース部44の第2内腔60に第2コネクタ20の外筒部94を挿入した状態で第1ねじ部67を第2ねじ部100に螺合することにより第2コネクタ20に対して接続される。この時、第2接続筒部92は、第1接続筒部50の軸線方向に沿って延在する。
【0066】
第1コネクタ14を第2コネクタ20に接続する時、第2接続筒部92の第2突出端面98が環状シール部68の第2シール面76を矢印X1方向に押圧する。そのため、凸部64が第1シール面74にめり込むと共に環状シール部68の第1シール面74が第1接続筒部50の第1突出端面62に押し付けられる。これにより、環状シール部68は、矢印X方向から第1接続筒部50の第1端部51(矢印X2方向の端部)と第2接続筒部92の第2端部93(矢印X1方向の端部)によって挟持されることにより圧縮変形する。この時、第2接続筒部92の第2端部93は、環状シール部68の第2シール面76にめり込むため、圧縮変形した環状シール部68の一部が第2接続筒部92と外筒部94との間の隙間に入り込む。環状シール部68の圧縮量L1(第2接続筒部92が第2シール面76にめり込んだ深さ)は、例えば、0.5mm程度である。
【0067】
また、第1コネクタ14を第2コネクタ20に接続する時、第2コネクタ20の外筒部94の突出端部(変形抑制部102)が環状シール部68の外周面とベース筒部54の内周面との間の隙間に挿入される。換言すれば、環状シール部68が外筒部94の内腔に挿入される。この時、環状シール部68と外筒部94とが同軸に位置していない(位置ずれしていた)場合、変形抑制部102が環状シール部68の第1外周面78(傾斜した面)に接触する。そのため、変形抑制部102は、第1外周面78によって環状シール部68とベース筒部54との間の隙間に円滑に案内される。
【0068】
接続状態では、圧縮変形した環状シール部68の弾性力(復元力)が第1シール面圧として第1接続筒部50の第1端部51に作用する。これにより、第1端部51と環状シール部68との間が液密にシールされる。また、圧縮変形した環状シール部68の弾性力(復元力)が第2シール面圧として第2接続筒部92の第2端部93に作用する。これにより、第2端部93と環状シール部68との間が液密にシールされる。
【0069】
また、接続状態では、外筒部94の突出端部に設けられた変形抑制部102の当接面103(外筒部94の内周面)は、環状シール部68の第2外周面80に接触している。さらに、接続状態では、シール部材42が環状接続部52の内周面に液密に接触する。シール部材42は、環状接続部52の突出端面(矢印X2方向の端面)よりも所定長さだけ矢印X1方向にずれて位置している。
【0070】
第1ねじ部67を第2ねじ部100に完全に締め付けた接続状態で、第1ベース部44の周方向において、一対の第1張出部46と一対の第2張出部108との位置は互いに一致する。これにより、ユーザは、第1ねじ部67が第2ねじ部100に対して完全に締め付けられた状態で第1コネクタ14が第2コネクタ20に接続されたことを容易に知ることができる。
【0071】
本実施形態では、第1コネクタ14及び第2コネクタ20の接続状態で、第1流体流路66、連通孔72及び第2流体流路104に透析液(流体)が流通する。連通孔72に透析液が流通すると、環状シール部68は、透析液によって径方向外方に押圧される。なお、接続状態で透析液が流通する前に変形抑制部102の当接面103が環状シール部68の第2外周面80から離間していた場合には、透析液によって環状シール部68が径方向外方に押圧されることによって環状シール部68の第2外周面80が当接面103に当接する。本実施形態では、環状シール部68の第2外周面80は、連通孔72に透析液が流通する時に変形抑制部102の当接面103に液密に当接する。
【0072】
これにより、環状シール部68が透析液によって径方向外方に押圧された時に、環状シール部68のうち第1接続筒部50の第1端部51と第2接続筒部92の第2端部93とに挟持されている部分(挟持部分)が変形することを抑制できる。すなわち、挟持部分の厚さを第1シール面圧及び第2シール面圧を作用させるのに必要な厚さに維持できる。そのため、連通孔72に透析液が流通した時に第1シール面圧及び第2シール面圧が低下することを抑制できる。
【0073】
また、環状シール部68が透析液によって径方向外方に押圧された時に、環状シール部68の第2外周面80が変形抑制部102の当接面103に当接しているため、環状シール部68の内周面が第1接続筒部50及び第2接続筒部92に対して径方向外方にずれ難くなる。この場合、環状シール部68の内周面の径方向外方への位置ずれは、凸部64によっても抑制される。これにより、連通孔72に透析液が流通した時に環状シール部68が位置ずれして透析液(流体)が外部に漏れることを抑制できる。
【0074】
さらに、環状シール部68の第2外周面80が変形抑制部102の当接面103に液密に当接している。そのため、仮に、第2接続筒部92の第2端部93と第2シール面76との間から透析液が漏れたとしても、当該透析液が外筒部94の外周面とベース筒部54の内周面との間の隙間に流れることを抑制できる。
【0075】
ところで、第2コネクタ20の外筒部94の外面(第2ねじ部100)等は、第1コネクタ14を第2コネクタ20に接続していない状態で外部に露出しているため、手指に触れやすい。このような外筒部94の外面に透析液が付着すると不潔になり易い。また、第2コネクタ20は、複数回利用されるリユース品であるため、使用後も清潔に保っておく必要がある。
【0076】
本実施形態では、透析液が環状シール部68の外側に漏れることが効果的に抑制される。そのため、第2コネクタ20の外筒部94の外面(第2ねじ部100)が透析液で濡れることが抑制される。よって、第2コネクタ20を清潔な状態に保ち易くなる。
【0077】
ところで、医療用コネクタ10では、図6及び図7に示すように、第1ねじ部67を第2ねじ部100に完全に締め付けられていない状態で第1コネクタ14が第2コネクタ20に接続されることがある。図7に示すように、このような緩い接続状態では、一対の第1張出部46は、仮想線で示した第1張出部46に対して第1ねじ部67の締め付け方向とは反対方向に所定角度θだけずれて位置する。なお、図7において、仮想線で示した第1張出部46は、接続状態(第1ねじ部67が第2ねじ部100に完全に締め付けられた状態)の第1張出部46を示している。図7の例では、所定角度θは、22.5°である。
【0078】
図6に示すように、緩い接続状態では、環状シール部68の圧縮量L2(第2接続筒部92が第2シール面76にめり込んだ深さ)は、接続状態(完全接続状態)での圧縮量L1(図5参照)よりも小さくなる。しかしながら、第1接続筒部50の凸部64が第1シール面74にめり込んでいるため、第1シール面74を凸部64に押し付けることができる。そのため、凸部64を設けない場合と比較して第1シール面圧が低下し難い。これにより、緩い接続状態であっても、透析液の漏れを効果的に抑制できる。
【0079】
本実施形態は、以下の効果を奏する。
【0080】
本実施形態によれば、第1コネクタ14及び第2コネクタ20の接続状態で、環状シール部68が第1接続筒部50の軸線方向から第1接続筒部50の第1端部51と第2接続筒部92の第2端部93とによって挟持されて圧縮変形する。そのため、環状シール部68から第1端部51に第1シール面圧を作用させると共に環状シール部68から第2端部93に第2シール面圧を作用させることができる。
【0081】
また、連通孔72を流れる透析液によって環状シール部68が径方向外方に押されている状態で環状シール部68の第2外周面80が変形抑制部102に当接する。そのため、連通孔72を流れる透析液の圧力によって環状シール部68が径方向外方に変形することを抑制できる。これにより、環状シール部68のうち第1接続筒部50と第2接続筒部92とによって挟持された部分(挟持部分)の第1接続筒部50の軸線方向に沿った長さ(厚さ)が薄くなることを抑制できる。換言すれば、挟持部分の厚さを第1シール面圧及び第2シール面圧を作用させるのに必要な厚さに維持できる。従って、第1コネクタ14及び第2コネクタ20の接続状態で流体の外部への漏れを効果的に抑えることができる。
【0082】
変形抑制部102は、環状に延在している。
【0083】
このような構成によれば、挟持部分の径方向外方への変形を効率良く抑制できる。
【0084】
第2コネクタ20は、第2ベース部86と、第2ベース部86から第2接続筒部92の軸線方向に沿って突出した外筒部94と、を備える。第2接続筒部92は、外筒部94の内腔に位置すると共に第2ベース部86から外筒部94の突出方向に突出している。外筒部94の突出端部は、第2接続筒部92の突出端部よりも第2ベース部86とは反対方向に位置している。変形抑制部102は、外筒部94の突出端部に設けられている。
【0085】
このような構成によれば、第2接続筒部92が外筒部94で囲まれるため、ユーザの手指が第2接続筒部92に触れることを抑制できる。また、変形抑制部102が外筒部94の突出端部に設けられているため、簡便な構成により、接続状態で変形抑制部102を環状シール部68の径方向外方に位置させることができる。
【0086】
外筒部94の内周面と第2接続筒部92の外周面との間には、隙間が形成されている。接続状態で、第2接続筒部92の第2端部93が環状シール部68にめり込むことにより当該環状シール部68の一部が隙間に入り込んでいる。
【0087】
このような構成によれば、第2接続筒部92に第2シール面圧を効果的に作用させることができる。
【0088】
第1コネクタ14は、接続状態で、外筒部94が挿入される内腔を有する環状接続部52を備えている。環状接続部52の内周面には、第1ねじ部67が形成されている。外筒部94の外周面には、第1ねじ部67に螺合する第2ねじ部100が形成されている。
【0089】
このような構成によれば、第1ねじ部67を第2ねじ部100に締め付けることにより、第2接続筒部92を環状シール部68に対して効率よく押し付けることができる。
【0090】
医療用コネクタ10は、外筒部94の外周面と環状接続部52の内周面との間をシールするシール部材42を備える。
【0091】
このような構成によれば、仮に、パッキン40の外側に透析液が漏れた場合であっても、当該透析液が医療用コネクタ10の外部に漏れることをシール部材42によって抑制できる。
【0092】
パッキン40は、環状シール部68から突出して第1接続筒部50を囲む保持部70を有する。
【0093】
このような構成によれば、パッキン40を第1接続筒部50に簡単に保持できる。
【0094】
第1端部51には、第1接続筒部50の軸線方向に突出する凸部64が設けられている。凸部64は、接続状態で環状シール部68にめり込む。
【0095】
このような構成によれば、連通孔72を流通する透析液によって環状シール部68が径方向外方に押圧された時に、環状シール部68の内周面が第1接続筒部50及び第2接続筒部92に対して径方向外方にずれることを凸部64によって抑制できる。よって、環状シール部68の位置ずれによる透析液の漏れを抑制できる。また、第1コネクタ14が第2コネクタ20に完全に接続されていない状態(緩い接続状態)であっても、凸部64に第1シール面圧を作用させることができるため、透析液の漏れを抑制できる。
【0096】
凸部64は、環状に延在している。
【0097】
このような構成によれば、環状シール部68の内周面が第1接続筒部50及び第2接続筒部92に対して径方向外方にずれることを凸部64によって一層抑制できる。また、透析液の漏れを一層抑制できる。
【0098】
凸部64は、第1接続筒部50の径方向に沿った幅が、凸部64の突端に向かって小さくなるように形成されている。
【0099】
このような構成によれば、第1コネクタ14及び第2コネクタ20の緩い接続状態であっても、凸部64に第1シール面圧を効率よく作用させることができる。
【0100】
上述した実施形態において、凸部64は、第1突出端面62ではなく第2突出端面98に設けられてもよい。また、凸部64は、第1突出端面62と第2突出端面98の両方に設けられてもよい。パッキン40は、第1接続筒部50ではなく第2接続筒部92の第2端部93に装着されてもよい。変形抑制部102は、環状に延在していなくてもよい。変形抑制部102は、環状シール部68の周方向に360°未満の範囲だけ延在していてもよい。この場合、変形抑制部102は、環状シール部68の周方向に間隔を空けて複数配置されてもよい。
【0101】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0102】
10…医療用コネクタ 14…第1コネクタ
20…第2コネクタ 22…透析バッグ
40…パッキン 42…シール部材
44…第1ベース部 50…第1接続筒部
51…第1端部 52…環状接続部
62…第1突出端面 64…凸部
66…第1流体流路 67…第1ねじ部
68…環状シール部 72…連通孔
74…第1シール面 76…第2シール面
78…第1外周面 80…第2外周面
86…第2ベース部 92…第2接続筒部
93…第2端部 94…外筒部
98…第2突出端面 100…第2ねじ部
102…変形抑制部 104…第2流体流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7