(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047606
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】エアゾール組成物及びエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20240401BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20240401BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240401BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240401BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20240401BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/891
A61K8/81
A61K8/86
A61K8/33
A61K8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153190
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高▲瀬▼(休場) 万里那
(72)【発明者】
【氏名】西片 百合
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC012
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC542
4C083AC902
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD171
4C083AD172
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD532
4C083BB04
4C083BB49
4C083DD08
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】良好な冷感及びクラッキング感が得られるなど使用感がよく、高いクレンジング力を有し、さらに安定性の高いエアゾール組成物。
【解決手段】水、増粘剤、シリコーンオイル、及び界面活性剤を含有する原液組成物、並びにジメチルエーテルを含有し、該増粘剤が、(メタ)アクリル酸系高分子を含有し、該界面活性剤のHLB値が、8.5~14.0であり、該ジメチルエーテルの含有割合が、該原液組成物100質量部に対し、8~35質量部である、エアゾール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、増粘剤、シリコーンオイル、及び界面活性剤を含有する原液組成物、並びに
ジメチルエーテルを含有し、
該増粘剤が、(メタ)アクリル酸系高分子を含有し、
該界面活性剤のHLB値が、8.5~14.0であり、
該ジメチルエーテルの含有割合が、該原液組成物100質量部に対し、8~35質量部である、エアゾール組成物。
【請求項2】
前記(メタ)アクリル酸系高分子が、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも一を含有する、請求項1に記載のエアゾール組成物。
【請求項3】
前記原液組成物が、ポリオールを含有する請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項4】
前記ポリオールが、ジオールからなる群から選択される少なくとも一を含む請求項3に記載のエアゾール組成物。
【請求項5】
前記シリコーンオイルが、ストレートシリコーンオイル及び環状シロキサンからなる群から選択される少なくとも一の化合物を含む請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤が、PEG-40水添ヒマシ油を含む請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、2種以上の界面活性剤を含む請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項9】
クラッキング性の組成物である請求項1又は2に記載のエアゾール組成物。
【請求項10】
エアゾール組成物が充填された容器、及び
該容器に備えられ、該エアゾール組成物を吐出させる吐出機構
を有するエアゾール製品であって、
該エアゾール組成物が、請求項1又は2に記載のエアゾール組成物であるエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアゾール組成物及びエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォームが形成されたのちにパチパチと破裂音を発しながら破泡し、良好な使用感を付与するクラッキング製剤について様々な検討がされている。
例えば特許文献1では、低級アルコールを水性原液中に1~30重量%含有し、沸点-5℃以下の液化ガスを38重量%以上含有するエアゾール組成物が開示されている。
また、特許文献2では、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子で増粘させたジェルにジメチルエーテル(DME)を10~40質量%含有するエアゾール組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-335629号公報
【特許文献2】特開2013-018725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では多量の液化ガスを含有しているため、顔など敏感な部位に使用する場合には刺激が強すぎる。また、液化ガスが多いため、組成物としての安定性も低下しやすいことがわかってきた。
一方、特許文献2はクラッキング性が十分ではなく、多量のオイル成分の配合が難しいため、高いクレンジング力を付加することができないという問題がある。
本開示は、良好な冷感及びクラッキング感が得られるなど使用感がよく、高いクレンジング力を有し、さらに安定性の高いエアゾール組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、水、増粘剤、シリコーンオイル、及び界面活性剤を含有する原液組成物、並びに
ジメチルエーテルを含有し、
該増粘剤が、(メタ)アクリル酸系高分子を含有し、
該界面活性剤のHLB値が、8.5~14.0であり、
該ジメチルエーテルの含有割合が、該原液組成物100質量部に対し、8~35質量部である、エアゾール組成物に関する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、良好な冷感及びクラッキング感が得られるなど使用感がよく、高いクレンジング力を有し、さらに安定性の高いエアゾール組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0008】
エアゾール組成物は、原液組成物及びジメチルエーテルを含有する。原液組成物は、増粘剤を含有する。増粘剤は、(メタ)アクリル酸系高分子を含有する。
(メタ)アクリル酸系高分子としては、(メタ)アクリル酸(好ましくはアクリル酸)を含むモノマー(又はモノマー混合物)の重合体(共重合体)が挙げられる。(メタ)アクリル酸系高分子は、(メタ)アクリル酸に由来するカルボキシ基を有する。
【0009】
(メタ)アクリル酸系高分子は、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーからなる群から選択される少なくとも一の高分子を含有することが好ましい。アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、例えば、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸系高分子は、より好ましくはカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有する。カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーの質量基準の比率(カルボキシビニルポリマー:アルキル変性カルボキシビニルポリマー)は、1:2~2:1が好ましく、2:3~3:2がより好ましく、4:5~5:4がさらに好ましい。
【0010】
増粘剤として、(メタ)アクリル酸系高分子を用いることで、良好なクラッキング感が得られる。これは、(メタ)アクリル酸系高分子を添加することでエアゾール組成物の粘度を上げることができるためと本発明者らは考えている。(メタ)アクリル酸系高分子は、他の増粘剤と比較して、粘度を上げる効果が高く、少量でもエアゾール組成物を増粘させやすい。
また、増粘剤として、(メタ)アクリル酸系高分子を用いることで、高いクレンジング力を得ることができる。これは、(メタ)アクリル酸系高分子が、エアゾール組成物の泡立ちを押さえ、塗布対象に密着するためと本発明者らは考えている。
【0011】
(メタ)アクリル酸系高分子は、構成モノマーの好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上を(メタ)アクリル酸が占める。
(メタ)アクリル酸系高分子は市販のものを用いてもよい。カルボキシビニルポリマーとしては、Carbopol Ultrez 10(ルーブリゾール社)などが挙げられる。(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーとしては、PEMULEN TR-1、PEMULEN TR-2(ルーブリゾール社)などが挙げられる。
【0012】
増粘剤の含有割合は、特に制限されず、所望のクラッキング感やエアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。
原液組成物中の増粘剤の含有割合は、好ましくは0.05~1.00質量%であり、より好ましくは0.10~0.80質量%であり、さらに好ましくは0.20~0.50質量%である。
原液組成物中の(メタ)アクリル酸系高分子の含有割合は、好ましくは0.05~1.00質量%であり、より好ましくは0.10~0.80質量%であり、さらに好ましくは0.20~0.50質量%である。
【0013】
増粘剤は、上記効果を損なわない程度に(メタ)アクリル酸系高分子に加え、(メタ)アクリル酸系高分子とは異なる他の増粘剤を含有してもよい。他の増粘剤は、例えば、以下のものが挙げられる。
セルロースガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、セルロース末などのセルロース系増粘剤;
アラビアガム、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、グルコマンナン、キサ
ンタンガム、ペクチン、寒天などの植物系増粘剤;
デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン類;
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどのアルギン酸系ポリマー;
ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコールなどの合成高分子;
高重合ポリエチレングリコール(高重合PEG、好ましくは平均重合度2000~150000)、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ポリウレタンなどの重合系ポリマー。
【0014】
上記の中でも、他の増粘剤は、セルロース系増粘剤が好ましく、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、セルロース硫酸ナトリウムなどのセルロース誘導体が好ましい。より好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースである。
【0015】
原液組成物は、他の増粘剤を、0.00~0.10質量%含有することが好ましく、0.00~0.05質量%含有することがより好ましく、0.01~0.02質量%含有することがさらに好ましい。
【0016】
原液組成物の粘度は、所望のクラッキング感などに応じて適宜調製すればよく、特に制限されない。原液組成物の粘度は、1000~50000mPa・sであることが好ましく、3000~10000mPa・sであることがより好ましい。粘度は、例えば、増粘剤により上記範囲に調製しうる。
粘度の測定は、測定する液を20℃に設定し、TVB-10形粘度計(TVB-10M:東機産業株式会社)を用い、M4ロータ、60rpmで、測定開始後1分経過後の指示値を測定値とすることにより行った。
【0017】
原液組成物は、シリコーンオイルを含有する。
シリコーンオイルを用いることで、良好なクラッキング感が得られる。これは、シリコーンオイルが消泡効果を持つためと本発明者らは考えている。
また、シリコーンオイルを用いることで、高いクレンジング力を得ることができる。これは、シリコーンオイルがメイクとの馴染みがよいためと本発明者らは考えている。
【0018】
シリコーンオイルは、シロキサン構造を含み、室温で液状であれば特に制限されず、公知のものを用いることができる。
例えば、ジメチルシリコーンオイル(ジメチコン)、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル;ジメチルシリコーンオイルの側鎖や末端がカルビノール基、カルボキシ基、シラノール基などで変性された変性シリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状シロキサン;などが挙げられる。
【0019】
シリコーンオイルは、ストレートシリコーンオイル及び環状シロキサンからなる群から選択される少なくとも一の化合物を含むことが好ましい。シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル及びデカメチルシクロペンタシロキサンからなる群から選択される少なくとも一の化合物がより好ましい。
【0020】
原液組成物中のシリコーンオイルの含有割合は、好ましくは5.00~40.00質量%であり、より好ましくは10.00~30.00質量%であり、さらに好ましくは15.00~25.00質量%である。
【0021】
原液組成物はシリコーンオイルに加え、シリコーンオイル以外の公知の他の油性成分を含有してもよい。他の油性成分は室温で液状であることが好ましい。他の油性成分は、好ましくはミネラルオイル、水添ファルネセンなどが挙げられる。
原液組成物は、他の油性成分を、1.00~20.00質量%含有することが好ましく、2.00~15.00質量%含有することがより好ましく、3.00~10.00質量%含有することがさらに好ましい。
【0022】
エアゾール組成物における原液組成物は、水を含む。原液組成物中の水の含有割合は、特に制限されない。エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。
原液組成物中の水の含有割合は、好ましくは30.00質量%~70.00質量%であり、より好ましくは40.00質量%~60.00質量%であり、さらに好ましくは45.00質量%~55.00質量%である。
【0023】
原液組成物は、界面活性剤を含む。
界面活性剤のHLB値は、8.5~14.0であることが必要である。界面活性剤のHLB値が8.5未満であると、原液組成物の安定性が得られない。また、界面活性剤のHLB値が14.0を超えると、クラッキング感が得られない。これは、界面活性剤のHLB値が高いと、親水基が大きくなることにより活性剤同士が引き合い、安定な泡が形成されて消泡を抑制してしまうためと本発明者らは考えている。界面活性剤のHLB値は、好ましくは9.3~13.3であり、より好ましくは10.0~12.5であり、さらに好ましくは10.0~11.5である。
界面活性剤のHLB値に関し、界面活性剤が複数用いられている場合は、質量分率による加重平均値を採用するものとする。
【0024】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよく、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0025】
アニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸カリウム(例えばココイルグルタミン酸K)、ミリスチン酸カリウム、ラウリン酸カリウムなどの脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリルリン酸などのアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸などのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸・リン酸塩;アシルメチルタウリン酸、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどのアミノ酸系界面活性剤;ラウリルスルホ酢酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;などが挙げられる。
【0026】
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ステアルトリモニウムクロリド)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのアルキルアンモニウム塩;アルキルベンジルアンモニウム塩;ステアリルアミンアセテート;ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどのポリオキシエチレンアルキルアミン;ステアラミドプロピルジメチルアミン;ポリクオタニウム-10;などが挙げられる。
【0027】
ノニオン性界面活性剤としては、ペンタグリセリルモノラウレート、ペンタグリセリルモノミリステート、ペンタグリセリルモノオレエート、ペンタグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノミリステート、デカグリセリルモノオレエート、デカグリセリルジステアレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタンモノラウレート、POE(20)ソルビタンモノパルミテート、POE(20)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(20)ソルビタンモノイソステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、POE(25)モノステアレート、PEG-20ソルビタンココエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POE(60)ソルビットテトラステアレート、POE(60)ソルビットテトラオレエート、POE(6)ソルビットモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(15)グリセリルモノステアレート、POE(15)グリセリルモノオレエートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(40)ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油(PEG-40水添ヒマシ油)、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレンヒマシ油・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、POE(10)ラノリンアルコール、POE(20)ラノリンアルコール、POE(40)ラノリンアルコールなどのポリオキシエチレンラノリンアルコール、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノイソステアレートなどのジグリセリン脂肪酸エステル類、トリグリセリルモノラウレート、トリグリセリルモノミリステート、トリグリセリルモノオレエート、トリグリセリルモノステアレートなどのトリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリルモノステアレート、テトラグリセリルモノオレエートなどのテトラグリセリン脂肪酸エステル類、ペンタグリセリルトリミリステート、ペンタグリセリルトリオレエートなどのペンタグリセリン脂肪酸エステル類、ヘキサグリセリルモノオレエート、ヘキサグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルトリステアレートなどのヘキサグリセリン脂肪酸エステル類、およびデカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルジオレエート、デカグリセリルトリステアレート、デカグリセリルトリオレエートなどのデカグリセリン脂肪酸エステル類、などのポリグリセリン脂肪酸エステル類、POE(5)グリセリルモノステアレートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、POE(20)ソルビタントリステアレート、POE(20)ソルビタントリオレエート、POE(6)ソルビタンモノステアレート、POE(6)ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、POE(6)ソルビットテトラオレエート、POE(30)ソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、POE(10)モノラウレート、POE(10)モノステアレート、POE(40)モノステアレート、POE(55)モノステアレート、POE(10)モノオレエートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘ
ニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルグルコシドなどのアルキルグルコシド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルキロールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド液などのアルキルジメチルアミンオキシド液などが挙げられる。
また、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。酸化エチレンの付加モル数は、5~60が好ましく、10~30がより好ましい。
好ましくは、POE(40)硬化ヒマシ油(PEG-40水添ヒマシ油)、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルが挙げられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(ラウリルベタイン)、ステアリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどのアルキルベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタインなどのベタイン型;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール型;ラウリルジメチルアミンN-オキシド、オレイルジメチルアミンN-オキシド、ラウラミンオキシドなどのアミンオキシド型;などが挙げられる。
【0029】
界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも一を含むことが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも一がより好ましい。また、界面活性剤は、PEG-40水添ヒマシ油(HLB:12.5)を含むことが好ましい。
さらに好ましくは、界面活性剤は、PEG-40水添ヒマシ油(HLB:12.5)及びトリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB:8.0)を含有する。
なお、ノニオン界面活性剤に加えて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などのアニオン性界面活性剤を用いることも好ましい。
【0030】
界面活性剤は、2種以上の界面活性剤を含むことが好ましい。この場合、HLB値は、2種以上の加重平均値が上記範囲となるように調製すればよい。界面活性剤は、HLBが好ましくは11.0~15.0(より好ましくは12.0~14.0、さらに好ましくは12.0~13.0)のノニオン界面活性剤であるノニオン界面活性剤A、及びHLBが好ましくは6.0~10.0(より好ましくは7.0~9.0、さらに好ましくは7.5~8.5)のノニオン界面活性剤であるノニオン界面活性剤Bを含有する。
このような、複数の界面活性剤により、エアゾール組成物の乳化安定性をより向上できる。また、良好なクラッキング感が得られやすい傾向にある。その理由としては、HLB値の異なる2種類の特定の界面活性剤を組み合わせることにより、油-水界面膜に並ぶ界面活性剤密度が増すからと考えている。
【0031】
HLB値は、油-水系で界面活性剤の両液体に対する相対的親和力の比を表す指標であり、グリフィン(Griffin)の定義による、25℃におけるHLB値を意味する。
本開示におけるHLB値は、カタログ値が確認できる場合には、カタログ値を優先して採用する。
【0032】
界面活性剤の含有割合は、特に制限されず、エアゾール組成物の目的などを考慮して適宜選択することができる。水、増粘剤、シリコーンオイル及びジメチルエーテル並びに必要に応じて添加されるその他の添加物の関係から、エアゾール組成物を安定させうる量で含有されていればよい。
原液組成物中の界面活性剤の含有割合は、好ましくは0.50質量%~20.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~15.00質量%であり、さらに好ましくは1.50質量%~12.00質量%であり、さらにより好ましくは2.00質量%~6.00質量%である。
【0033】
複数の界面活性剤を含有させる場合、原液組成物中のノニオン界面活性剤Aの含有割合は、好ましくは0.50質量%~10.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~6.00質量%であり、さらに好ましくは1.50質量%~3.00質量%である。また、ノニオン界面活性剤Bの含有割合は、好ましくは0.50質量%~10.00質量%であり、より好ましくは1.00質量%~6.00質量%であり、さらに好ましくは1.50質量%~3.00質量%である。
【0034】
エアゾール組成物は、原液組成物及びジメチルエーテル(DME)を含有する。ジメチルエーテルは噴射剤として作用しうる。また、ジメチルエーテルにより良好な冷感を付与することができる。
さらにジメチルエーテルを用いることでエアゾール組成物の安定性が向上し、良好なクラッキング感を得ることができる。これは、原液組成物との相溶性が高いためと本発明者らは考えている。
【0035】
ジメチルエーテルの含有割合は、原液組成物100質量部に対し、8~35質量部である。ジメチルエーテルの含有割合が8質量部以上であることで良好な使用感及びクラッキング感が得られる。ジメチルエーテルの含有割合が35質量部を超えると、冷感が強くなりすぎ、またエアゾール組成物の安定性も低下しやすくなる。
ジメチルエーテルの含有割合は、原液組成物100質量部に対し、好ましくは10~31質量部であり、より好ましくは15~30質量部であり、さらに好ましくは18~27質量部である。
【0036】
エアゾール組成物は、上記範囲でジメチルエーテルを含んでいれば、さらにジメチルエーテル以外の他の噴射剤を含有してもよい。
他の噴射剤は特段限定されず、エアゾール製品に使用しうる公知のものを用いることができる。液化ガスを使用してもよく、圧縮ガスを使用してもよい。
【0037】
液化ガスとしては、例えば、プロパン、ブタン又はこれらを含む液化石油ガス(LPG)やLNGなどの炭化水素、ハイドロフルオロオレフィンなどの有機フッ素化合物が挙げられる。
圧縮ガスは、好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素ガス、アルゴン、ヘリウム及び圧縮空気などが挙げられる。
【0038】
他の噴射剤の含有割合は、原液組成物100質量部に対し、好ましくは0.1~3質量部であり、より好ましくは0.2~2質量部であり、さらに好ましくは0.5~1質量部である。
【0039】
原液組成物は、ポリオール(多価アルコール)を含有してもよい。ポリオールはメイクとの馴染みがよいため、クレンジング力がより向上すると本発明者らは考えている。
ポリオールは特に制限されず、所望のクラッキング感及びエアゾール組成物の目的など
を考慮して適宜選択することができる。ポリオールは、例えば、以下のものが挙げられる。
【0040】
プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3-ブチレングリコールなどのジオール;グリセリンなどの3価以上のアルコール。
ポリオールは、好ましくは、グリセリン、ジプロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一を含む。良好なクラッキング感の観点からジオールからなる群から選択される少なくとも一を含むことが好ましく、ジプロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一を含むことがさらに好ましい。
【0041】
原液組成物中のポリオールの含有割合は、特に制限されないが、好ましくは0.0~40.0質量%であり、より好ましくは5.0~30.0質量%であり、さらに好ましくは15.0~25.0質量%である。
【0042】
原液組成物には、上記効果を損なわない程度に、有効成分、香料、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、油脂類、シリコーン類、増粘剤、保湿剤、殺菌剤、皮膚保護剤、ビタミン類、各種抽出液、消臭・防臭剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、害虫忌避成分、殺虫成分、およびその他などの任意成分を含有させてもよい。任意成分の割合は、組成物の使用用途などに基づいて適宜に定められる。
【0043】
任意成分としては、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
清涼剤(メントール、カンフルなど);油性成分(例えば炭化水素化合物、油脂など);pH調整剤(例えばクエン酸、クエン酸Na、乳酸、トリエタノールアミン、KOH、NaOHなど);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウムなど);防腐剤(例えばパラベン類、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル;顔料;色素;EDTA-2Naなどのキレート剤など。
【0044】
次に、エアゾール製品について説明する。
エアゾール製品は、
エアゾール組成物が充填された容器、及び
該容器に備えられ、該エアゾール組成物を吐出させる吐出機構を有する。
吐出機構及び容器は特段限定されず、公知のものを採用しうる。容器は、噴射剤の圧力に耐えられるものであればよく、公知の樹脂製、金属製、ガラス製などの容器を用いることができる。吐出機構も特に制限されず、公知のものを使用しうる。吐出機構は、例えば、バルブ装置及びアクチュエータを含む。また、耐圧容器の種類に応じて、バルブ装置を装着するための構造を適宜選定することができる。
吐出機構におけるアクチュエータは、特に制限されず公知のものを使用しうる。例えば、スパウト形状などが挙げられる。
【0045】
エアゾール製品における容器内の圧力(ゲージ圧力)は特に制限されない。ジメチルエーテル及び必要に応じて他の噴射剤を、エアゾール容器内に充填されたときの容器内の圧力(ゲージ圧力)が、25℃で、例えば1MPa以下となるように充填すればよい。
【0046】
原液組成物、エアゾール組成物及びエアゾール製品の製造方法は特に制限されない。例えば、以下の方法が挙げられる。エアゾール組成物における原液組成物は、水、増粘剤、シリコーンオイル及び界面活性剤、並びに必要に応じてポリオールなどその他の成分を任意の割合で混合して得ることができる。
エアゾール組成物は、好ましくはエマルションを形成している。エアゾール組成物は、
油性成分を含む油相が水を含む水相に分散した水中油型(O/W)エマルションであってもよいし、水を含む水相が油性成分を含む油相に分散した油中水型(W/O)エマルションであってもよい。エアゾール組成物は、油性成分を含む油相が水を含む水相に分散した水中油型(O/W)エマルションであることがより好ましい。
【0047】
また、エアゾール組成物及びエアゾール製品は、以下のようにして製造しうる。まず、上記成分を任意の割合で混合して原液組成物を得る。得られた原液組成物、ジメチルエーテル及び必要に応じて他の噴射剤を耐圧容器に充填して、エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得る。
エアゾール組成物は、例えば、吐出されるとパチパチと破裂音を発しながら破泡してクラッキング感を付与するクラッキング性の組成物である。
【0048】
また、エアゾール組成物は、例えば人体用、家庭用、工業用などの様々な用途に用いることができる。
人体用としては、例えばボティーローション剤、スキンケア剤、育毛剤、クレンジング剤、マッサージング剤、ヘアスタイリング剤、ヘアトリートメント剤、シャンプー剤、コンディショナー剤、メークアップ化粧料、忌避剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などが挙げられる。
家庭用としては、例えば洗浄剤、消臭剤、芳香剤、除菌剤、殺虫剤、防虫剤、防水剤、撥水剤などが挙げられる。
工業用としては、例えば潤滑剤、コーティング剤、接着剤、塗料などが挙げられる。
これらの中でも特に人体用として好適に用いることができる。より好ましくはクレンジング用の組成物、マッサージ用の組成物である。
【実施例0049】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
【0050】
<実施例1~6、比較例1~5>
表1に示す処方(質量%)にて各原料を混合し、原液組成物Aを調製した。
【0051】
【0052】
さらに、表2の処方(質量部)にて、得られた原液組成物A及び噴射剤を、合計30g、それぞれ耐圧容器(エアゾール用ガラス試験瓶100mL)に充填して、エアゾール組成物が充填された各エアゾール製品を得た。エアゾール製品にはスパウト形状のボタンを用いた。
得られたエアゾール製品における、原液組成物及び噴射剤の質量部数を表2に示す。また、各エアゾール製品の評価結果を表2に示す。評価の方法については後述する。
なお、比較例3では、原液組成物と噴射剤が相溶せず分離してしまい、評価を実施できなかった。
【0053】
【0054】
以下の実施例・比較例も含め、使用した材料は以下の通り。
[増粘剤]
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー :ARISTOFLEX AVC(クラリアントジャパン株式会社)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:PEMULEN TR-2(ルーブリゾール社)
ヒドロキシエチルセルロース:HEC850(株式会社ダイセル)
キサンタンガム:エコーガムT(DSP五協フード&ケミカル株式会社)
カルボマー:Carbopol Ultrez 10(ルーブリゾール社)
[ポリオール]
DPG(ジプロピレングリコール):DPG-RF(株式会社ADEKA)
1,3-ブチレングリコール:1,3BG(KHネオケム株式会社)
グリセリン:グリセリン(阪本薬品工業株式会社)
[オイル]
ミネラルオイル:CARNATION(Sonneborn社)
シクロペンタシロキサン:KF-995(信越化学工業株式会社)
ジメチコン:96L-2CS(信越化学工業株式会社)
水添ファルネセン:NEOSSANCE HEMISQUALANE HF(日光ケミカルズ株式会社)
[界面活性剤]
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル:NIKKOL TGI-20(HLB8.0)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-10水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-10(HLB6.5)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-20水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-20(HLB10.5)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-30水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-30(HLB11.0)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-40水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-40(HLB12.5)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-80水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-80(HLB15.0)(日光ケミカルズ株式会社)
PEG-100水添ヒマシ油:NIKKOL HCO-100(HLB16.5)(日光ケミカルズ株式会社)
ジオレス-8リン酸ナトリウム:NIKKOL DOP-8NV(HLB12.5)(日光ケミカルズ株式会社)
[その他]
トリエタノールアミン:TEA(ダウ・東レ株式会社)
フェノキシエタノール:フェノキシエタノールSP(四日市合成株式会社)
[噴射剤]
DME:ジメチルエーテル
LPG:液化石油ガス(20℃時蒸気圧0.15MPa)
【0055】
<実施例7~21、比較例6~15>
実施例1と同様にして、表3~5に示す処方(質量%)にて噴射剤以外の各原料を混合し、原液組成物を調製した。
さらに、得られた原液組成物及び噴射剤を、原液組成物100部に対しジメチルエーテル20部を使用し、実施例1と同様に耐圧容器に充填して、エアゾール組成物が充填された各エアゾール製品を得た。
また、各エアゾール製品の評価結果を表3~5に示す。評価の方法については後述する。表4,5には使用した界面活性剤のHLB及び原液組成物の粘度も示す。HLB値に関しては複数種類の界面活性剤を用いた場合は、加重平均値を示す。
なお、比較例7では、原液組成物と噴射剤が相溶せず分離してしまい、評価を実施できなかった。また、比較例13は原液組成物が分離してしまった。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
得られたエアゾール製品に対する評価の手順は以下の通りである。
なおエアゾール製品の温度及び室温は、特に断りのない限り25℃に設定して評価をおこなった。
(1)使用感(冷感)
エアゾール製品からエアゾール組成物を手に一定量(1g)取り、手のひらで塗り広げたときの使用感(冷却感)を、以下の基準で官能的に評価した。
5:心地よい冷却感
4:ほんのり冷却感
3:冷却感弱い
2:冷却感なし
1:非常に冷たく痛みがある
【0060】
(2)安定性
エアゾール組成物(原液組成物及び噴射剤)が充填された透明な容器を10秒間振とう後、静置し分離を目視で確認した。
5:振とう後、30分経っても分離せず
4:振とう後、3分後に分離
3:振とう後、1分後に分離
2:振とう後は相溶するが直ぐに分離
1:振とうしても相溶せず
【0061】
(3)クラッキング感
エアゾール製品からエアゾール組成物を手に一定量(1g)取り、手のひらで塗り広げたときの破裂音を官能的に評価した。
5:大きな破裂音
4:そこそこの破裂音
3:破裂音は得られるが小さい
2:僅かに破裂音は得られるが小さい
1:破裂音なし
【0062】
(4)クレンジング力
人工皮膚(25mm×25mm)に口紅を0.006g塗り広げメイク汚れを作製した。エアゾール製品からエアゾール組成物を1.0g取り、メイク汚れに馴染ませた。コットンをあてて、メイク汚れを採取した(指で5回なぞった)。メイク馴染みについて以下の基準で評価した。
5:非常にメイク馴染みに優れ、クレンジング力が非常に高い
4:メイク馴染みに優れ、十分なクレンジング力有り
3:メイク馴染みに優れ、クレンジング力有り
2:そこそこメイクに馴染み、僅かにクレンジング力有り
1:メイク馴染みに劣り、クレンジング力が不十分