(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047622
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】被着体加工方法および被着体加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240401BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240401BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240401BHJP
B24B 7/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 631
H01L21/304 621C
B24B41/06 L
B24B7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153215
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB73
3C034BB75
3C034DD08
3C034DD10
3C043BA03
3C043BA07
3C043BA09
3C043BA16
3C043CC04
3C043DD02
3C043DD04
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5F057BA11
5F057CA15
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5F057DA22
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5F131EC72
5F131EC77
5F131HA44
(57)【要約】
【課題】補強部の大きさを変更することなく、研削後の被着体の強度を大きくすることができる被着体加工方法および被着体加工装置を提供すること。
【解決手段】被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体WKの外縁部に補強部WKSを形成する研削手段60を備えた被着体加工装置EAにおいて、被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付する接着シート貼付手段40をさらに備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体の中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体の外縁部に補強部を形成する研削工程を実施する被着体加工方法において、
前記被着体の中央部を避けて当該被着体の外縁部に接着シートを貼付する接着シート貼付工程をさらに実施することを特徴とする被着体加工方法。
【請求項2】
前記接着シート貼付工程では、前記被着体の外周面から接着シートがはみ出したはみ出し領域が形成されるように、当該接着シートを前記外周面に貼付する第1貼付工程と、前記はみ出し領域を折り曲げ、折り曲げた前記はみ出し領域を前記被着体の一方の面および他方の面の少なくとも一方に貼付する第2貼付工程とを実施することを特徴とする請求項1に記載の被着体加工方法。
【請求項3】
前記接着シートは、硬化エネルギーによって硬化可能に設けられ、
前記被着体に貼付された前記接着シートに前記硬化エネルギーを付与し、当該接着シートを硬化させる硬化エネルギー付与工程を実施することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被着体加工方法。
【請求項4】
被着体の中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体の外縁部に補強部を形成する研削手段を備えた被着体加工装置において、
前記被着体の中央部を避けて当該被着体の外縁部に接着シートを貼付する接着シート貼付手段をさらに備えていることを特徴とする被着体加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体加工方法および被着体加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体を加工する被着体加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたウエーハの加工方法(被着体加工方法)では、研削後の半導体ウエーハ10(被着体)の強度を補うために、当該被着体の余剰領域105を研削しないことで補強部を形成する研削方法が採用されているため、研削後の被着体の強度が足りない場合、補強部を大きくするように研削方法を変更しなければならないという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、補強部の大きさを変更することなく、研削後の被着体の強度を大きくすることができる被着体加工方法および被着体加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、被着体の外縁部に接着シートを貼付するので、補強部の大きさを変更することなく、研削後の被着体の強度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)~(H)は、本発明の一実施形態に係る被着体加工装置の説明図。(I)~(M)は、本発明の被着体加工装置に係る変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、
図1(D)は、
図1(A)のAA矢視図。
図1(E)は、
図1(A)のBB矢視図。
【0010】
本発明の被着体加工方法を実施する被着体加工装置EAは、保護シートPS(
図1(B)参照)を供給する保護シート供給工程を実施する保護シート供給手段10と、被着体WKの他方の面WK2に保護シートPSを貼付する保護シート貼付工程を実施する保護シート貼付手段20と、接着シートASを供給する接着シート供給工程を実施する接着シート供給手段30と、被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付する接着シート貼付工程を実施する接着シート貼付手段40と、被着体WKに貼付された接着シートASに硬化エネルギーとしての紫外線UVを付与し、当該接着シートASを硬化させる硬化エネルギー付与工程を実施する硬化エネルギー付与手段50と、被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体WKの外縁部に補強部WKS(
図1(H)参照)を形成する研削工程を実施する研削手段60とを備え、被着体WKを搬送する被着体搬送工程を実施する被着体搬送手段70の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
【0011】
保護シート供給手段10は、
図1(B)に示すように、当該保護シート供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、保護シートPSが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから保護シートPSを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、被着体加工装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、被着体WKに貼付される保護シートPSに張力を付与する張力付与手段17とを備えている。
張力付与手段17は、トルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ17Aと、その図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ17Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ17Cとを備えている。
【0012】
保護シート貼付手段20は、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての押圧ローラ21を備えている。
【0013】
接着シート供給手段30は、保護シート供給手段10と同等の構成であり、当該保護シート供給手段10の構成説明における付番の十の位の1を3に置き換え、さらに、保護シートPSを接着シートASに、剥離シートRLを第2剥離シートRL2に、原反RSを第2原反RS2に読み替えればよいので、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態の接着シートASは、変形エネルギーとしての熱によって変形可能、且つ、硬化エネルギーとしての紫外線UVによって硬化可能なものが採用されている。具体的には、接着シートASは、熱によって変形する基材BS(
図1(A)中CCを付した図参照)と、紫外線UVによって硬化する接着剤層ALとを備えている。
【0014】
接着シート貼付手段40は、被着体WKの外周面WK3から接着シートASがはみ出したはみ出し領域ASH(
図1(C)参照)が形成されるように、当該接着シートASを外周面WK3に貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段41と、はみ出し領域ASHを折り曲げ、折り曲げたはみ出し領域ASHを被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2の両方に貼付する第2貼付工程を実施する第2貼付手段42とを備えている。
第1貼付手段41は、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第1押圧ローラ41Aを備え、ストレート形状の接着シートASを、接着面(接着剤層ALの表出面)が内側となって相互に対向する筒環状にしつつ、当該接着シートASを被着体WKの外縁部に貼付するようになっている。
第2貼付手段42は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の図示しない加熱機器で加熱した変形エネルギーとしての熱である熱風HAをはみ出し領域ASHに吹き付け、当該はみ出し領域ASHを折り曲げる変形エネルギー付与工程を実施する変形エネルギー付与手段としての熱風送風機42Aと、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第2押圧ローラ42B、第3押圧ローラ42Cとを備えている。
なお、第1押圧ローラ41Aは、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、接着シート供給手段30から供給された接着シートASを当該被着体WKの外周面WK3に押圧可能な位置に配置されている。
また、熱風送風機42Aは、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKの外周面WK3に貼付されている接着シートASのはみ出し領域ASHに、熱風HAを吹き付け可能な位置に配置されている。
さらに、第2、第3押圧ローラ42B、42Cは、
図1(E)、(F)に示すように、それぞれ上下一対とされ、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKの外周面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHを、それぞれ一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折り曲げ可能な位置に配設されている。本実施形態では、第2、第3押圧ローラ42B、42Cは、XY平面に対し、それぞれ45度(135度)、180度(0度)の角度で基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっている。
【0015】
硬化エネルギー付与手段50は、発光ダイオードや紫外線発光ランプ等の図示しない紫外線発光機器で発光した紫外線を照射する紫外線照射機51を備えている。
なお、紫外線照射機51は、
図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、当該被着体WKに貼付された接着シートASに紫外線UVを照射可能な位置に配置されている。
【0016】
研削手段60は、複数の駆動機器によって構成され、その作業範囲内において、作業部であるスライダ61Aで支持したものをXY平面内の任意の位置に移動可能な駆動機器としての所謂XYテーブル61と、スライダ61Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面62Aを有する研削テーブル62と、駆動機器としてのリニアモータ63と、そのスライダ63Aにアーム64を介して支持された駆動機器としての回動モータ65と、その出力軸65Aに支持され、被着体WKを研削可能な砥石やブレード等の研削部材66とを備えている。
【0017】
被着体搬送手段70は、駆動機器としてのリニアモータ71と、そのスライダ71Aに支持された駆動機器としての回動モータ72と、その出力軸72Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面73Aを有する支持テーブル73と、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム74Aで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット74と、先端アーム74Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段で吸着保持が可能な保持面75Aを有する保持手段としての搬送アーム75とを備えている。
なお、本実施形態の支持テーブル73は、回動モータ72によってテーブル中心73Cを中心に回転する構成となっている。
【0018】
以上の被着体加工装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)、(B)中実線で示す初期位置に各部材が配置された被着体加工装置EAに対し、当該被着体加工装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSおよび第2原反RS2をセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、保護シート供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、原反RSを繰り出して
図1(B)に示すように、剥離板14の剥離縁14Aによって折り返された剥離シートRLの折返し部で、先頭の保護シートPSの供給方向先端部が当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。また、接着シート供給手段30が回動モータ35A、37Aを駆動し、第2原反RS2を繰り出し、
図1(A)に示すように、剥離板34の剥離縁34Aによって折り返された第2剥離シートRL2の折返し部で、先頭の接着シートASの供給方向先端部が当該第2剥離シートRL2から所定長さ剥離されると、回動モータ35A、37Aの駆動を停止する。
【0019】
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心73Cと重なるように、一方の面WK1を支持面73A側にして被着体WKを当該支持面73A上に載置すると、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段を駆動し、支持面73Aでの吸着保持を開始する。その後、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、支持テーブル73を左方へ移動させ、被着体WKが保護シート供給手段10に対する所定の位置に到達すると、当該保護シート供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、被着体WKの移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、保護シートPSは、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから剥離され、
図1(B)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ21によって被着体WKの他方の面WK2に押圧されて貼付される。次に、先頭の保護シートPS全体が被着体WKに貼付され、当該先頭の保護シートPSに続く次の保護シートPSの供給方向先端部が、剥離シートRLの折返し部で当該剥離シートRLから所定長さ剥離されると、保護シート供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。そして、
図1(A)中二点鎖線で示すように、テーブル中心73C(被着体中心WKC)が基準位置RPと一致すると、被着体搬送手段70がリニアモータ71の駆動を停止する。
【0020】
次いで、接着シート供給手段30および被着体搬送手段70が回動モータ35A、37A、72を駆動し、上方から見下ろした上面視で被着体WKを反時計回転方向RDに回転させつつ接着シートASを供給する。これにより、接着シートASは、第2剥離シートRL2の折返し部で当該第2剥離シートRL2から剥離され、
図1(A)中二点鎖線および
図1(C)に示すように、第1押圧ローラ41Aによって被着体WKの外周面WK3に押圧され、当該外周面WK3からはみ出したはみ出し領域ASHが形成された状態で被着体WKに貼付される。その後、外周面WK3に貼付された接着シートASの供給方向先端部が熱風送風機42Aの熱風吹付領域手前に差し掛かると、接着シート貼付手段40が熱風送風機42Aを駆動し、被着体WKに向けて熱風HAを吹き付ける。次に、外周面WK3に貼付された接着シートASが熱風送風機42Aの熱風吹付領域を通過すると、はみ出し領域ASHの基材BSが熱風HAによって変形し、
図1(D)に示すように、当該はみ出し領域ASHが一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折れ曲がっていく。
【0021】
その後も回動モータ35A、37A、72の駆動が続行されると、接着シートASは、
図1(E)、(F)に示すように、第2、第3押圧ローラ42B、42Cによってはみ出し領域ASHが段階的に折り曲げられ、折り曲げられたはみ出し領域ASHが被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付された一体物UPが形成されていく。そして、外周面WK3に貼付された接着シートASの供給方向先端部が紫外線照射機51の紫外線照射領域手前に差し掛かると、硬化エネルギー付与手段50が紫外線照射機51を駆動し、被着体WKに向けて紫外線UVを照射する。次いで、外周面WK3に貼付された接着シートASが紫外線照射機51の紫外線照射領域を通過すると、はみ出し領域ASHの接着剤層ALが紫外線UVによって硬化していく。その後、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの供給方向先端部が、第2剥離シートRL2の折返し部で当該第2剥離シートRL2から所定長さ剥離されると、接着シート供給手段30が回動モータ35A、37Aの駆動を停止し、接着シートASの供給を停止する。
【0022】
次に、先頭の接着シートASの供給方向後端部が熱風吹付領域を通過すると、接着シート貼付手段40が熱風送風機42Aの駆動を停止し、同供給方向後端部が紫外線照射領域を通過すると、硬化エネルギー付与手段50が紫外線照射機51の駆動を停止するとともに、被着体搬送手段70が回動モータ72の駆動を停止する。そして、被着体搬送手段70がリニアモータ71を駆動し、支持テーブル73を右方に移動させて初期位置に復帰させると、被着体搬送手段70が多関節ロボット74を駆動し、
図1(B)中二点鎖線で示すように、保持面75Aを一体物UPの下面に当接させた後、図示しない減圧手段を駆動し、当該保持面75Aでの吸着保持を開始する。次いで、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面73Aでの吸着保持を解除した後、多関節ロボット74を駆動し、
図1(G)に示すように、他方の面WK2を支持面62A側にして一体物UPを当該支持面62A上に載置する。その後、研削手段60が図示しない減圧手段を駆動し、支持面62Aでの吸着保持を開始すると、被着体搬送手段70が図示しない減圧手段の駆動を停止し、保持面75Aでの吸着保持を解除した後、多関節ロボット74を駆動し、搬送アーム75を初期位置に復帰させる。
【0023】
次に、研削手段60がXYテーブル61、リニアモータ63および回動モータ65を駆動し、研削部材66を回転させるとともに、回転する研削部材66に対して一体物UPを移動させ、
図1(H)に示すように、被着体WKの一方の面WK1の中央部を研削し、当該被着体WKの外縁部に補強部WKSを形成する。そして、被着体WKの中央部が所定の厚みになり、所定の大きさの補強部WKSが形成されると、研削手段60が回動モータ65の駆動を停止した後、XYテーブル61およびリニアモータ63を駆動し、研削テーブル62および研削部材66を初期位置に復帰させる。次いで、研削手段60が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面62Aでの吸着保持を解除すると、使用者または図示しない搬送手段が、一方の面WK1の外縁部に補強部WKSが形成された一体物UPを支持面62A上から取り去り、当該一体物UPを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0024】
以上のような実施形態によれば、被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付するので、補強部WKSの大きさを変更することなく、研削後の被着体WKの強度を大きくすることができる。
【0025】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、研削手段は、被着体の中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体の外縁部に補強部を形成可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0026】
保護シート供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の保護シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が保護シートPSとされた原反RSから当該保護シートPSを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の保護シート基材が仮着された帯状保護シート原反を採用し、当該帯状保護シート原反を繰り出す途中で、保護シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が保護シートPSとされた原反RSから当該保護シートPSを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の保護シートPSが仮着された原反RSから当該帯状の保護シートPSを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから保護シートPSを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない保護シートPSを繰り出して供給してもよいし、被着体WKに貼付した保護シートPSを所定の長さに切断する切断手段を備えていてもよいし、接着シート供給手段30と同等の構成であってもよいし、異なる構成であってもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明の被着体加工装置EAに備わっていない場合、例えば、他の装置や使用者が保護シートPSを供給してもよい。
【0027】
保護シート貼付手段20は、押圧ローラ21に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルト、エアの吹付け、チャックシリンダや多関節ロボット等の駆動機器等を採用し、被着体WKの他方の面WK2に保護シートPSを貼付してもよいし、被着体搬送手段70による被着体WKとの相対移動ではなく、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等による被着体WKとの相対移動によって、被着体WKの他方の面WK2に保護シートPSを貼付してもよいし、押圧ローラ21の代わりに、例えば、駆動機器であって押圧手段としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持部材を採用し、当該保持部材で保持した保護シートPSを被着体WKの他方の面WK2に押圧して貼付してもよいし、
図1(K)に示すように、接着面が1つの平面内に位置する平環状の保護シートPSまたは、ストレート形状から平環状にした(ストレート形状から平環状にしつつ)保護シートPSを他方の面WK2に貼付してもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
保護シート貼付手段20が張力付与手段17を備えていてもよい。このような場合、駆動ローラ17Cを介して保護シートPSから加わるトルクを検知し、当該トルクが常に所定の値となるようにしながら回動モータ17Aを駆動して、保護シートPSに所定の張力を付与しながら供給したり、保護シートPSに張力が付与されないようにしながら供給したりしてもよいし、このような張力付与手段17としては、原反RSや保護シートPSを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される保護シートPSに張力を付与したり、保護シートPSの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して保護シートPSに付与する張力を使用者が任意に決定したり、トルク制御ができない回動モータ17Aを採用し、常に一定のトルクが保護シートPSに加わるようにしたりしてもよい。
【0028】
接着シート供給手段30は、保護シート供給手段10と同等であり、当該保護シート供給手段10の他の例における保護シートPSを接着シートASに、剥離シートRLを第2剥離シートRL2に、原反RSを第2原反RS2に読み替えた態様とすることができるし、接着シート供給手段10と同等の構成であってもよいし、異なる構成であってもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明の被着体加工装置EAに備わっていない場合、例えば、他の装置や使用者が接着シートASを供給してもよい。
【0029】
接着シート貼付手段40は、被着体WKの外周面WK3から接着シートASが一方の面WK1方向のみにはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、当該接着シートASを外周面WK3に貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段41と、はみ出し領域ASHを折り曲げ、折り曲げたはみ出し領域ASHを被着体WKの一方の面WK1に貼付する第2貼付工程を実施する第2貼付手段42とを備えていてもよいし、被着体WKの外周面WK3から接着シートASが他方の面WK2方向のみにはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、当該接着シートASを外周面WK3に貼付する第1貼付工程を実施する第1貼付手段41と、はみ出し領域ASHを折り曲げ、折り曲げたはみ出し領域ASHを被着体WKの他方の面WK2に貼付する第2貼付工程を実施する第2貼付手段42とを備えていてもよいし、他方の面WK2に保護シートPSを貼付する前に、被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付し、
図1(I)に示すような一体物UPを形成してもよいし、第1貼付手段41および第2貼付手段42のうち少なくとも1つに代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルト、エアの吹付け、チャックシリンダや多関節ロボット等を採用し、被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付するようにしてもよいし、被着体WKに接着シートASを貼付する際、当該被着体WKを支持テーブル73とで挟み込む押え手段を備えていてもよいし、被着体搬送手段70による被着体WKとの相対移動ではなく、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等による被着体WKとの相対移動によって、被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付してもよいし、予め筒環状に形成された接着シートASを着体WKの外縁部に貼付してもよいし、第1貼付手段41および第2貼付手段42の代わりに、駆動機器であって押圧手段としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持部材を採用し、平環状の接着シートASまたは、ストレート形状から平環状にした(ストレート形状から平環状にしつつ)接着シートASを保持部材で保持し、当該保持部材で保持した接着シートASを被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に押圧して貼付してもよいし、平環状の接着シートASまたは、ストレート形状から平環状にした(ストレート形状から平環状にしつつ)接着シートASを被着体WKの外縁部に貼付して、
図1(J)、(K)に示すような一体物UPを形成してもよいし、ストレート形状から筒環状または平環状にした(ストレート形状から筒環状または平環状にしつつ)接着シートASを被着体WKの外縁部に貼付する場合、ストレートの延出方向端部同士が重なり合っていたり、ストレートの延出方向端縁同士が接触していたり、ストレートの延出方向端縁間に隙間が形成されていたりしてもよい。
接着シート貼付手段40が張力付与手段37を備えていてもよい。このような場合、接着シートASとして弾性変形が可能なものを採用し、駆動ローラ37Cを介して接着シートASから加わるトルクを検知し、当該トルクが常に所定の値となるようにしながら回動モータ37Aを駆動して接着シートASを供給する。これにより、内在する弾性復元力によってはみ出し領域ASHが一方の面WK1方向や他方の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢となり、当該はみ出し領域ASHが押圧部材および変形エネルギー付与手段のうち少なくとも一方を介して、一方の面WK1方向や他方の面WK2方向に折り曲げられ、折り曲げられたはみ出し領域ASHが被着体WKの一方の面WK1や他方の面WK2に貼付するようにしたり、押圧部材および変形エネルギー付与手段の両方を介さずに、折り曲げられたはみ出し領域ASHが被着体WKの一方の面WK1や他方の面WK2に貼付するようにしたりすることができる。このような張力付与手段37としては、第2原反RS2や接着シートASを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与したり、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する張力を使用者が任意に決定したり、トルク制御ができない回動モータ37Aを採用し、常に一定のトルクが接着シートASに加わるようにしたりしてもよい。
第1貼付手段41は、予め筒環状とされた接着シートASを、被着体WKの外周面WK3から当該接着シートASがはみ出したはみ出し領域ASHが形成されるように、当該接着シートASを外周面WK3に貼付してもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
第2貼付手段42は、第2、第3押圧ローラ42B、42Cが上下一対でなく、被着体WKの一方の面WK1側のみ、または、被着体WKの他方の面WK2側のみに設けられていてもよいし、第2、第3押圧ローラ42B、42CがXY平面に対し、それぞれ30度(150度)、179度(1度)といった角度で基準位置RP方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっていてもよいし、前記実施形態では、第2、第3押圧ローラ42B、42Cの2体の押圧部材を採用し、はみ出し領域ASHを2段階で一方の面WK1および他方の面WK2に貼付したが、3体以上の押圧部材を採用し、はみ出し領域ASHを3段階以上で一方の面WK1や他方の面WK2に貼付したり、1体の押圧部材を採用し、はみ出し領域ASHを1段階で一方の面WK1や他方の面WK2に貼付したりしてもよいし、はみ出し領域ASHを一括で一方の面WK1方向や他方の面WK2方向に折り曲げ、折り曲げたはみだし領域ASHを一方の面WK1や他方の面WK2に貼付してもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
変形エネルギー付与手段は、変形エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートASを変形させることができるものであればどのような変形エネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の位置に設けられていてもよく、外周面WK3に貼付された保護シートPSのはみ出し領域ASHに変形エネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよいし、はみ出し領域ASHに一括で変形エネルギーを付与することで、当該はみ出し領域ASHを一括で一方の面WK1や他方の面WK2方向に折り曲げてもよいし、第2、第3押圧ローラ42B、42Cや他の押圧部材等を介さずに、はみ出し領域ASHを一方の面WK1や他方の面WK2方向に折り曲げ、折り曲げたはみ出し領域ASHを被着体WKの一方の面WK1や他方の面WK2に貼付してもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
硬化エネルギー付与手段50は、硬化エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートASを硬化させることができるものであればどのような硬化エネルギーを付与するものであってもよいし、前記実施形態で示した位置以外の位置に設けられていてもよく、例えば、シート貼付手段40で接着シートASを一方の面WK1に貼付する前に、当該接着シートASに硬化エネルギーを付与してもよく、被着体WKに貼付された接着シートASに硬化エネルギーを付与可能な位置であれば、どこに設けられていてもよいし、被着体WKに貼付された接着シートASに一括で硬化エネルギーを付与し、当該接着シートASを一括で硬化させてもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0031】
研削手段60は、レーザ光、電磁波、振動、熱、薬品、化学物質等を付与したり、研磨剤で研磨したり、カッター刃等の切断手段で切断したりして、被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体WKの外縁部に補強部WKSを形成してもよいし、回転する研削部材66を移動させずに研削テーブル62を移動させたり、研削テーブル62を移動させずに回転する研削部材66を移動させたり、回転する研削部材66と研削テーブル62との両方を移動させたりして、被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体WKの外縁部に補強部WKSを形成してもよいし、支持面62Aでの吸着保持ができない研削テーブル62が採用されてもよいし、XYテーブル61や研削テーブル62に代えて、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、被着体WKを保持したり移動させたりしてもよいし、被着体搬送手段70の支持テーブル73上で被着体WKを支持した状態で、当該被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体WKの外縁部に補強部WKSを形成してもよいし、被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2のうち少なくとも一方を研削し、当該被着体WKの中央部の厚みを外縁部の厚みよりも小さくすることで、当該被着体の外縁部に補強部WKSを形成してもよいし、被着体WKの外縁部を全く研削せずに補強部WKSを形成してもよいし、被着体WKの外縁部を所定の厚みになるまで研削して補強部WKSを形成してもよい。
【0032】
被着体搬送手段70は、支持面73Aでの吸着保持ができない支持テーブル73が採用されてもよいし、リニアモータ71、回動モータ72および支持テーブル73に代えて多関節ロボット74および搬送アーム75によって、保護シート貼付手段20や接着シート貼付手段40に対して被着体WKを移動させ、保護シートPSや接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、リニアモータ71、回動モータ72、支持テーブル73、多関節ロボット74および搬送アーム75に代えてまたは併用して、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、被着体WKを搬送してもよいし、本発明の被着体加工装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0033】
被着体加工装置EAは、保護シート貼付工程、接着シート貼付工程、研削工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、保護シート貼付工程、研削工程、接着シート貼付工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、接着シート貼付工程、保護シート貼付工程、研削工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、接着シート貼付工程、研削工程、保護シート貼付工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、研削工程、保護シート貼付工程、接着シート貼付工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、研削工程、接着シート貼付工程、保護シート貼付工程の順番で被着体WKを加工するように各手段を作動させてもよいし、保護シート貼付工程を実施することなく、接着シート貼付工程と研削工程とを実施するように各手段を作動させ、
図1(L)、(M)に示すような保護シートPSが貼付されていない一体物UPを形成してもよいし、被着体WKの外縁部を研削手段60で所定の厚みになるまで研削した補強部WKSを形成した後、接着シート貼付手段40で被着体WKの中央部を避けて当該被着体WKの外縁部に接着シートASを貼付してもよいし、1つまたは複数の被着体WKに1枚の保護シートPSや1枚の接着シートASを貼付したり、1つまたは複数の被着体WKに複数の保護シートPSや複数の接着シートASを貼付したりしてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の保護シート等の支持部材を配置したり貼付したりして、保護シートPSや接着シートASで当該被着体WKと支持部材とを一体化させてもよい。
次工程は、めっき工程、エッチング工程、浸漬工程、切断工程、研削工程、研磨工程、塗装工程、積層工程、シート接着工程、表面処理工程、穴あけ工程、曲げ工程、検査工程、検証工程、照射工程等、どのような工程でもよい。
【0034】
接着シートASは、基材BSおよび接着剤層ALのうち少なくとも一方が変形エネルギーによって変形するものであってもよいし、基材BSおよび接着剤層ALの両方が変形エネルギーによって変形しないものでもよいし、基材BSおよび接着剤層ALのうち少なくとも一方が変形エネルギーによって変形するものである場合、収縮を伴って変形したり、膨張を伴って変形したり、収縮も膨張も伴うことなく変形したりするものでもよい。
接着シートASは、基材BSおよび接着剤層ALのうち少なくとも一方が硬化エネルギーによって硬化するものであってもよいし、基材BSおよび接着剤層ALの両方が硬化エネルギーによって硬化しないものでもよいし、基材BSおよび接着剤層ALのうち少なくとも一方が硬化エネルギーによって硬化するものである場合、収縮を伴って硬化したり、膨張を伴って硬化したり、収縮も膨張も伴うことなく硬化したりするものでもよい。
接着シートASは、変形エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等によって変形するものでもよく、どのような変形エネルギーによって変形するものでもよいし、硬化エネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等によって硬化するものでもよく、どのような硬化エネルギーによって硬化するものでもよいし、変形エネルギーによって変形しないものでもよいし、硬化エネルギーによって硬化しないものでもよいし、変形エネルギーによって変形し、且つ、硬化エネルギーによって硬化しないものでもよいし、変形エネルギーによって変形せず、且つ、硬化エネルギーによって硬化するものでもよいし、変形エネルギーによって変形せず、且つ、硬化エネルギーによって硬化しないものでもよい。
接着剤層ALは、単体の層で構成されていたり、複数の層で形成されていたり、基材BS以外の全ての層で構成されていたり、基材BS以外の一部の層で構成されていたりしてもよい。
基材BSは、単体の層で構成されていたり、複数の層で形成されていたり、接着剤層AL以外の全ての層で構成されていたり、接着剤層AL以外の一部の層で構成されていたりしてもよい。
保護シートPSは、特性、特質、性質、材質、組成および構成等が接着シートASと全く同じものでもよいし、全く異なるものでもよいし、一部が同じでその他が異なるものでもよい。
被着体WKは、他方の面WK2側に、金属、硝子、樹脂、他の保護シート等の支持部材が取り付けられていてもよい。
【0035】
本発明における保護シートPS、接着シートAS、支持部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、保護シートPS、接着シートAS、支持部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、保護シートPSおよび接着シートAS、は、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の保護シートPSや接着シートASが採用された場合は、当該保護シートPSや接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような保護シートPSや接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、保護シートPS、接着シートASまたは他の接着シートは、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0036】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0037】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、被着体、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
EA…被着体加工装置
40…接着シート貼付手段
41…第1貼付手段
42…第2貼付手段
50…硬化エネルギー付与手段
60…研削手段
AS…接着シート
ASH…はみ出し領域
UV…紫外線(硬化エネルギー)
WK…被着体
WKS…補強部
WK1…一方の面
WK2…他方の面
WK3…外周面