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特開2024-47626モータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法
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  • 特開-モータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047626
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】モータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/08 20160101AFI20240401BHJP
【FI】
H02P6/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153220
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大堀 竜
(72)【発明者】
【氏名】天笠 俊之
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】望田 淳史
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 保
【テーマコード(参考)】
5H560
【Fターム(参考)】
5H560AA10
5H560BB04
5H560BB08
5H560BB12
5H560DA02
5H560DA19
5H560DC07
5H560EB01
5H560EC02
5H560EC05
5H560EC07
5H560GG04
5H560HA02
5H560JJ04
5H560SS02
5H560TT15
5H560UA05
5H560XA12
(57)【要約】
【課題】モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行う。
【解決手段】モータ制御装置は、出力軸を有するモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータが搭載される車両の走行速度である車速を検出する車速検出部と、前記車速検出部が検出した前記車速に基づいて、前記モータを駆動する第1の駆動モードと、前記出力軸の回転数及び前記モータの出力が前記第1の駆動モードよりも高い第2の駆動モードとを切り替える制御を行う駆動制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸を有するモータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータが搭載される車両の走行速度である車速を検出する車速検出部と、
前記車速検出部が検出した前記車速に基づいて、前記モータを駆動する第1の駆動モードと、前記出力軸の回転数及び前記モータの出力が前記第1の駆動モードよりも高い第2の駆動モードとを切り替える制御を行う駆動制御部と
を備えるモータ制御装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、
前記車速が、予め定められた第1閾値以上になった場合に、前記第1の駆動モードから前記第2の駆動モードに切り替え、
前記車速が、前記第1閾値よりも低い第2閾値以下になった場合に、前記第2の駆動モードから前記第1の駆動モードに切り替える
請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記第2閾値に対して、前記第1閾値は、1.1倍から6.6倍の範囲内の値である
請求項2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記第2の駆動モードが、矩形波駆動方式の駆動モードであり、
前記第1の駆動モードが、前記モータを駆動する複数相の駆動信号線のうち、通電していない相の開放期間に対して、PWM(Pulse Width Modulation)制御により中間電力の駆動信号を出力するフリーレス駆動方式の駆動モードであり、
前記駆動制御部は、
前記車速が、前記第1閾値以上になった場合に、前記フリーレス駆動方式の駆動モードから前記矩形波駆動方式の駆動モードに切り替え、
前記車速が、前記第2閾値以下になった場合に、前記矩形波駆動方式の駆動モードから前記フリーレス駆動方式の駆動モードに切り替える
請求項2に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記中間電力の駆動信号は、最大デューティ比のPWM信号と最小デューティ比のPWM信号との中間のデューティ比のPWM信号、又は外部から入力された指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号である
請求項4に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記モータは、3相の巻線を有するブラシレスモータであり、
前記駆動制御部は、3相の駆動信号を生成するインバータが有する複数のスイッチング素子の導通を、前記第1の駆動モードと、前記第2の駆動モードとで切り替えて制御する
請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
前記駆動制御部は、
前記車速が、予め定められた閾値以上である場合に、前記第2の駆動モードに切り替え、
前記車速が、前記閾値未満である場合に、前記第1の駆動モードに切り替える
請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項8】
前記モータと、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータ制御装置と
を備えるモータ装置。
【請求項9】
前記モータと、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータ制御装置と
を備え、
前記モータ制御装置が、前記モータを用いて、ワイパー部材にウィンド面での払拭動作を行わせる
ワイパー装置。
【請求項10】
出力軸を有するモータを制御するモータ制御方法であって、
車速検出部が、前記モータが搭載される車両の走行速度である車速を検出する車速検出ステップと、
駆動制御部が、前記車速検出ステップによって検出された前記車速に基づいて、前記モータを駆動する第1の駆動モードと、前記出力軸の回転数及び前記モータの出力が前記第1の駆動モードよりも高い第2の駆動モードとを切り替える制御を行う駆動制御ステップと
を含むモータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータ制御において、負荷の大きさに応じて、例えば、フリーレス駆動モードと、矩形波駆動モードのように、異なる駆動モードに切り替えるモータ制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。ここで、フリーレス駆動モードとは、3相のうちOFF相(相開放期間に対応する。以下、フリー相と呼ぶことがある)にDuty(デューティ)の1/2を出力する駆動モードであり、同一の電力で駆動した場合に、矩形波駆動モードよりも回転数が低下する低出力の駆動モードである。
特許文献1では、負荷に応じて決定される値であって、負荷を積算した負荷積算値に基づいて、駆動モードの切り替え制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-48401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワイパー装置などの車両に搭載されるモータ駆動では、例えば、車両走行時など、駆動の初期時から高負荷が発生することがある。しかしながら、上述したようなモータ制御装置では、駆動の初期時から高負荷が発生している場合に、負荷がまだ積算されていないため、例えば、フリーレス駆動モードのような低出力の駆動モードに切り替えられ、モータ駆動が途中で停止する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができるモータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、出力軸を有するモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータが搭載される車両の走行速度である車速を検出する車速検出部と、前記車速検出部が検出した前記車速に基づいて、前記モータを駆動する第1の駆動モードと、前記出力軸の回転数及び前記モータの出力が前記第1の駆動モードよりも高い第2の駆動モードとを切り替える制御を行う駆動制御部とを備えるモータ制御装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、出力軸を有するモータを制御するモータ制御方法であって、車速検出部が、前記モータが搭載される車両の走行速度である車速を検出する車速検出ステップと、駆動制御部が、前記車速検出ステップによって検出された前記車速に基づいて、前記モータを駆動する第1の駆動モードと、前記出力軸の回転数及び前記モータの出力が前記第1の駆動モードよりも高い第2の駆動モードとを切り替える制御を行う駆動制御ステップとを含むモータ制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態によるモータ装置の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態における矩形波駆動パターンの一例を示す図である。
図3】本実施形態における矩形波駆動パターンの一例をテーブルにまとめた図である。
図4】本実施形態におけるフリーレス駆動パターンの第1の例を示す図である。
図5】本実施形態におけるフリーレス駆動パターンの第1の例をテーブルにまとめた図である。
図6】本実施形態におけるフリーレス駆動パターンの第2の例を示す図である。
図7】本実施形態におけるフリーレス駆動パターンの第2の例をテーブルにまとめた図である。
図8】本実施形態によるモータ制御装置の駆動モードの切り替え動作の一例を示す図である。
図9】本実施形態によるモータ制御装置の駆動モードの切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態によるモータ制御装置の駆動モードの切り替え動作の別の一例を示すフローチャートである。
図11】本実施形態によるモータ制御装置の駆動モードの切り替え動作の変形例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態によるワイパー装置の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態によるモータ制御装置、モータ装置、ワイパー装置、及びモータ制御方法について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態によるモータ装置100の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、モータ装置100は、モータ2と、制御部40と、インバータ50とを備える。
本実施形態によるモータ装置100は、例えば、車両のウィンドウガラスを払拭するワイパー装置に利用される。
【0012】
なお、本実施形態において、制御部40と、インバータ50とは、モータ制御装置150に対応する。また、モータ制御装置150には、バッテリ3と、ECU4(Engine Control Unit)とが接続されている。
【0013】
モータ2は、例えば、3相4極形のブラシレスモータである。モータ2は、後述する駆動信号に基づいて、インバータ50が出力する出力信号(印加電圧)により回転駆動する。
また、モータ2は、ステータ21と、ロータ22とを備える。
【0014】
ステータ21は、モータ2のケースの内周に固定されている。ステータ21は、3相の巻線(21u、21v、21w)を備える。ステータ21は、巻線(21u、21v、21w)が巻装されている。例えば、3相の巻線(21u、21v、21w)は、デルタ結線により接続される。
【0015】
デルタ結線において、巻線21uと、巻線21wとが、接続点21aにより接続され、巻線21vと、巻線21wとが、接続点21cにより接続され、巻線21uと、巻線21vとが、接続点21bにより接続されている。
【0016】
ロータ22は、ステータ21の内側に設けられている。ロータ22は、例えば、ロータ軸22aと、ロータ軸22aに取り付けた4極の永久磁石22bとを備える。モータ2のケース内には、複数の軸受(不図示)が設けられており、ロータ軸22aは、複数の軸受により回転可能に支持されている。
【0017】
位置検出部30は、ロータ22の回転に応じた信号を検出する。位置検出部30は、例えば、3つのホール素子(30u、30v、30w)を備える。これらの3つのホール素子(30u、30v、30w)は、ロータ22が回転すると、それぞれ互いに120度位相のずれたパルス信号を制御部40に対して出力する。すなわち、位置検出部30は、ロータ22の回転にともない、ロータ軸22aに配置されたセンサマグネット(不図示)の磁極の変化に基づいたパルス信号を発生し、制御部40に出力する。各ホール素子(30u、30v、30w)は、それぞれ電気角で120度毎ずれた位置を検出する。
【0018】
本実施形態では、ホール素子30uが、U相に対応するデジタル信号(位置検出信号Hu)を出力し、ホール素子30vが、V相に対応するデジタル信号(位置検出信号Hv)を出力する。また、ホール素子30wが、W相に対応するデジタル信号(位置検出信号Hw)を出力する。本実施形態の3つのホール素子(30u、30v、30w)は、3つのホール素子(30u、30v、30w)の出力信号のレベルが変化する各位置すなわち出力信号にエッジが発生する各位置で直ちにインバータ50の出力を変化させた場合に電気角で30度の進角となるようにロータ22に対して設置されている。
【0019】
インバータ50は、後述する駆動制御部43が生成した駆動信号に基づいて、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御され、モータ2の3相の巻線(21u、21v、21w)に電圧を印加する。すなわち、インバータ50は、駆動制御部43が生成した駆動信号に基づいて、スイッチング素子(51a~51f)をスイッチング動作(導通/非導通)させて、モータ2への印加電圧の出力の大きさ(デューティ比)、通電期間(通電角)、通電タイミング(進角)を変更する。ここで、デューティ比は、PWM周期における対応するスイッチング素子の導通期間の比率を表す。
【0020】
なお、インバータ50は、バッテリ3から供給される直流電力により、印加電圧を生成する。 バッテリ3は、例えば、鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの直流電源であり、モータ2を駆動する電力を供給する。
【0021】
インバータ50は、3相ブリッジ接続された6個のスイッチング素子51a~51fと、ダイオード52a~52fとを備える。
スイッチング素子51a~51fは、例えば、NチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、3相のブリッジ回路を構成している。
【0022】
スイッチング素子51aとスイッチング素子51dとは、バッテリ3の正極端子と負極端子との間に、直列に説明されて、U相のブリッジ回路を構成している。スイッチング素子51aは、ドレイン端子がバッテリ3の正極端子に、ソース端子がノードN1に、ゲート端子がU相の上側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子51dは、ドレイン端子がノードN1に、ソース端子がバッテリ3の負極端子に、ゲート端子がU相の下側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、ノードN1は、モータ2の接続点21aに接続されている。
【0023】
スイッチング素子51bとスイッチング素子51eとは、バッテリ3の正極端子と負極端子との間に、直列に説明されて、V相のブリッジ回路を構成している。スイッチング素子51bは、ドレイン端子がバッテリ3の正極端子に、ソース端子がノードN2に、ゲート端子がV相の上側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子51eは、ドレイン端子がノードN2に、ソース端子がバッテリ3の負極端子に、ゲート端子がV相の下側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、ノードN2は、モータ2の接続点21bに接続されている。
【0024】
スイッチング素子51cとスイッチング素子51fとは、バッテリ3の正極端子と負極端子との間に、直列に説明されて、W相のブリッジ回路を構成している。スイッチング素子51cは、ドレイン端子がバッテリ3の正極端子に、ソース端子がノードN3に、ゲート端子がW相の上側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子51fは、ドレイン端子がノードN3に、ソース端子がバッテリ3の負極端子に、ゲート端子がW相の下側の駆動信号の信号線に、それぞれ接続されている。また、ノードN3は、モータ2の接続点21cに接続されている。
【0025】
また、ダイオード52aは、アノード端子がノードN1に、カソード端子がバッテリ3の正極端子に、それぞれ接続されている。また、ダイオード52dは、アノード端子がバッテリ3の負極端子に、カソード端子がノードN1に、それぞれ接続されている。
【0026】
また、ダイオード52bは、アノード端子がノードN2に、カソード端子がバッテリ3の正極端子に、それぞれ接続されている。また、ダイオード52eは、アノード端子がバッテリ3の負極端子に、カソード端子がノードN2に、それぞれ接続されている。
【0027】
また、ダイオード52cは、アノード端子がノードN3に、カソード端子がバッテリ3の正極端子に、それぞれ接続されている。また、ダイオード52fは、アノード端子がバッテリ3の負極端子に、カソード端子がノードN3に、それぞれ接続されている。
【0028】
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、モータ装置100を統括的に制御する。制御部40は、目標のロータ22の回転出力(例えば、目標回転数TRPM)に応じた駆動信号を生成して、生成した駆動信号をインバータ50に出力する。制御部40は、ECU4及びモータ2との間で所定の情報を送受信する。
また、制御部40は、負荷積算値生成部41と、車速検出部42と、駆動制御部43とを備える。
【0029】
負荷積算値生成部41は、設定されたロータ22の回転速度(回転数)とデューティ比に基づいてロータ22の高負荷検出処理を実行する。負荷積算値生成部41は、モータ速度(ロータ22の回転速度)とデューティ比から負荷ポイント値を算出、累積し、累積ポイント値(負荷積算値)を生成する。なお、ロータ22の回転速度は、3つのホール素子(30u、30v、30w)の出力信号に基づいて検出される。
【0030】
負荷積算値生成部41は、例えば、モータ速度、デューティ比、及び電源電圧と、負荷ポイント値とを対応付けた負荷ポイントマップ(不図示)を参照して、モータ速度、デューティ比、及び電源電圧に対応する負荷ポイント値を取得する。負荷積算値生成部41は、取得した負荷ポイント値を積算して、累積ポイント値を負荷積算値として生成する。
【0031】
累積ポイント値(負荷積算値)は、高負荷状態が続くと+(正)の負荷ポイント値が連続するため、正の大きな値となる。一方、通常負荷や軽負荷の状態が続くと、“0”や-(負)の負荷ポイント値が連続するため、“0”以下となる。なお、ここでは累積ポイント値は、“0”以下の場合は全て“0”としており、モータ2が通常に作動しているときには累積ポイント値は“0”を示す。また、一旦高負荷状態にあったが、その後、制御可能な領域まで負荷が軽減した場合には、累積負荷ポイント値は徐々に減算され、やがて“0”又は正の小さな値に収束する。従って、累積ポイント値を見れば、現在、モータ2がどのような状況にあるかが分かり、その値が一定以上となった場合には高負荷と判断することができる。このように、累積ポイント値(負荷積算値)は、モータ2に対する負荷の指標値であり、制御部40は、累積ポイント値(負荷積算値)を、モータ駆動の制御に用いる。
【0032】
車速検出部42は、モータ2が搭載される車両の走行速度である車速を検出する。車速検出部42は、ECU4から出力される車速信号に基づいて、車速を検出する。
【0033】
駆動制御部43は、目標のロータ22の回転出力(例えば、目標回転数TRPM)に応じた駆動信号を生成して、生成した駆動信号をインバータ50に出力する。駆動制御部43は、例えば、矩形波駆動モード(第2の駆動モードの一例)と、フリーレス駆動モード(第1の駆動モードの一例)とを切り替えてモータ2の駆動を制御する。矩形波駆動モードは、入力された電力によってロータ軸22aを回転駆動可能な最低回転速度がフリーレス駆動モードよりも高い高出力の駆動モードである。
ここで、図2図7を参照して、矩形波駆動モード、及びフリーレス駆動モードの詳細について説明する。
【0034】
図2図4、及び図6は、ホール素子(30u、30v、30w)が出力した位置検出信号(Hu、Hv、Hw)と、インバータ50の通電制御における進角及び通電角の一例を説明するための説明図である。
図2図4、及び図6は、位置検出信号(Hu、Hv、Hw)とスイッチング素子51a~51fがオンされる角度領域との対応関係を示す。横軸は、モータ2のロータ22の磁極の回転位置を電気角で表す。
【0035】
位置検出信号(Hu、Hv、Hw)は、電気角360度を1周期として、互いに120度の位相差を有し、180度毎にH状態(High状態)又はL状態(Low状態)に変化する。本実施形態では、位置検出信号HuのL状態からH状態への変化をホールエッジHE1と称し、H状態からL状態への変化をホールエッジHE4と称する。また、位置検出信号HvのL状態からH状態への変化をホールエッジHE3と称し、H状態からL状態への変化をホールエッジHE6と称する。また、位置検出信号HwのL状態からH状態への変化をホールエッジHE5と称し、H状態からL状態への変化をホールエッジHE2と称する。
【0036】
ホール素子(30u、30v、30w)が出力した位置検出信号(Hu、Hv、Hw)が誤差を含んでいないとすると、各ホールエッジ間の電気角は60度である。また、ホールエッジHE1とホールエッジHE2との間をホールステージ1(以下、単にステージ1という(以下、同様))と称し、ホールエッジHE2とホールエッジHE3との間をステージ2と称し、ホールエッジHE3とホールエッジHE4との間をステージ3と称する。また、ホールエッジHE4とホールエッジHE5との間をステージ4と称し、ホールエッジHE5とホールエッジHE6との間をステージ5と称し、ホールエッジHE6とホールエッジHE1の間とをステージ6と称する。
【0037】
図2は、本実施形態における矩形波駆動パターンの一例を示す図である。
図2は、横軸を電気角とし、位置検出信号(Hu、Hv、Hw)と、各スイッチング素子51a~51fの通電パターンとの対応関係を示す図である。図2に示す通電制御の一例は、進角20度で通電角130度とする場合である。
【0038】
通電パターンは、各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオンされた状態(「ON」)もしくは継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」又は「PWM」以外の期間であって、フリー相の期間とも言う)又は一定の周期でオン又はオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)のいずれかの組み合わせである。各ステージ1~6は、さらに3つの区間A’、区間B’及び区間C’にそれぞれ区分されている。区間A’、区間B’及び区間C’に対しては個別に通電パターンが設定されている。区間A’、区間B’及び区間C’の期間(電気角)は、進角の値と通電角の値によって変化する。
【0039】
例えば、ホールエッジHE1とホールエッジHE2とで囲まれたステージ1では、区間A’の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「ON」、「OFF」、「PWM」、「PWM」、「OFF」、及び「OFF」の組み合わせである。また、区間B’の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「ON」、「OFF」、「PWM」、「PWM」、「ON」、及び「OFF」の組み合わせである。また、区間C’の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「OFF」、「OFF」、「PWM」、「PWM」、「ON」、及び「OFF」の組み合わせである。
【0040】
また、図3は、図2に示す本実施形態における矩形波通電パターンの一例をテーブルとしてまとめたものである。制御部40におけるROM(不図示)は、例えば、図3に示すような形式で矩形波通電パターンを記憶する。なお、図3において、「1」はオン、「0」はオフ、「P」はPWMを表す。
【0041】
矩形波通電パターンを構成する組み合わせは、上述したように、下記(1)~(3)の3つの状態がある。
(1)第1状態:各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオンされた状態(「ON」)にある。
(2)第2状態:各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」又は「PWM」以外の期間)にある。
(3)第3状態:各スイッチング素子51a~51fが、一定の周期でオン又はオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)にある。
【0042】
このように、駆動制御部43は、矩形波駆動モードにおいて、上述した矩形波通電パターンにより、スイッチング素子51a~51fの導通(通電)を制御する。
【0043】
次に、図4図7を参照して、フリーレス駆動モードについて説明する。
フリーレス駆動モードに使用されるフリーレス通電パターンの制御方法としては、以下の2つの方法がある。
【0044】
フリーレス通電の第1の方法では、3相のうちの1相のコイルに接続されたスイッチング素子に対するPWM信号のデューティ比を、他の2相のコイルに接続されたスイッチング素子に対するそれぞれのPWM信号のデューティ比の中間の値に設定する。
【0045】
また、フリーレス通電の第2の方法では、3相のうちの1相のコイルに接続されたスイッチング素子に対するPWM信号のデューティ比を、外部から入力される指示デューティ比の1/2とし、他の2相のコイルに接続されたスイッチング素子に対するそれぞれのPWM信号のデューティ比を、それぞれ指示デューティ比と同じ値と、100%とに設定する。
【0046】
<フリーレス通電の第1の方法>
第1の方法を用いたフリーレス通電パターンによる駆動・通電では、上記(1)~(3)各状態を、それぞれ下記(4)~(6)の3つの状態に変更する。
【0047】
(4)第4状態:第1状態を、第3状態でのPWM制御よりも大きな最大デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第4状態(以下、「PL」状態と言う)へと変更する。
(5)第5状態:第3状態を、第3状態でのPWM制御よりも小さな最小デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第5状態(以下、「PS」状態と言う)へと変更する。
(6)第6状態:第2状態を、最大デューティ比と最小デューティ比と間の中間のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第6状態(以下、「PM」状態と言う)へと変更する。
【0048】
つまり、フリーレス通電パターンにおいてU相、V相及びW相の巻線(21u、21v、21w)がそれぞれPM状態(第6状態)となるタイミングは、矩形波通電パターンにおいてU相、V相及びW相の巻線(21u、21v、21w)がそれぞれOFF相のコイル(第2状態)となるタイミングと同じである。
【0049】
これにより、通電パターンが第1状態から第2状態へ切り替わる際に、モータ2の入力端子に負電圧が発生したときに、スイッチング素子51a~51fを駆動する制御回路(駆動制御部43)が誤動作するという問題に対応できる。また、120度の矩形波通電ではフリーとなるタイミング(相開放期間:第2状態にある期間)においても、第6状態のようにPWM制御することにより、結果的に180度通電となり、転流時の電流波形が滑らかになることで駆動音が静かになる(モータ作動音を低減する)効果が期待できる。
【0050】
ここで、本実施形態において、中間のデューティ比は50%である。また、最大デューティ比は、中間のデューティ比に、外部から入力される指示デューティ比の半分のデューティ比を加算したデューティ比である。また、最小デューティ比は、中間のデューティ比から、指示デューティ比の半分のデューティ比を減算したデューティ比である。
【0051】
例えば、指示デューティ比が80%の場合、中間のデューティ比は予め50%に設定されているため、最大デューティ比は、(50+80÷2)により90%となり、最小デューティ比は、(50-80÷2)により10%となる。
なお、指示デューティ比は、予めユーザーにより制御部40が有するROM(不図示)に記憶されているものとする。
【0052】
ここで、負極側のスイッチング素子51d~51fは、正極側のスイッチング素子51a~51cに入力されるPWM信号とは逆相のPWM信号が入力される。そこで、対をなすスイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比は、正極側と負極側とでは異なるが、本実施形態においては、正極側のスイッチング素子51a~51cを駆動するPWM信号のデューティ比を、対をなすスイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比という。
【0053】
図4は、第1の方式のフリーレス通電パターンの一例を示す図である。
図4は、横軸を電気角とし、位置検出信号(Hu、Hv、Hw)と、各スイッチング素子51a~51fの通電パターンとの対応関係を示す図である。
【0054】
図4に示す通電制御の例は、進角20度で通電角130度とする場合である。通電パターンは、各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオンされた状態(「ON」)、すなわち「ON」(第1状態)から「PL」(第4状態)へ変更した状態と、継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」又は「PWM」以外の期間)、すなわち、「OFF」(第2状態)から「PM」(第6状態)へ変更した状態と、一定の周期でオン又はオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)、すなわち、「PWM」(第3状態)から「PS」(第5状態)へ変更した状態と、のいずれかの組み合わせである。
【0055】
各ステージ1~6は、さらに3つの区間A、区間B、及び区間Cにそれぞれ区分されている。区間A、区間B、及び区間Cに対しては個別に通電パターンが設定されている。区間A、区間B、及び区間Cの期間(電気角)は、進角の値と通電角の値によって変化する。
【0056】
なお、PWM制御された状態において各スイッチング素子51a~51fはそれぞれONとOFFとを繰り返すため、正確には波形は複数の凹凸を有する矩形波状となるが、図4及び後述の図6では便宜上、各スイッチング素子51a~51fのON/OFFを明記せず、「PWM相」と表記した。ここで、図4において、「PL」状態を「PWM相(MAX Duty)」、「PS」状態を「PWM相(MIN Duty)」、「PM」状態を「PWM相(Duty=50)」と表記する。
【0057】
例えば、ホールエッジHE1とホールエッジHE2とで囲まれたステージ1では、区間Aの通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「PL」、「PL」、「PS」、「PS」、「PM」、及び「PM」の組み合わせである。また、区間Bの通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「PL」、「PL」、「PS」、「PS」、「PL」、及び「PL」の組み合わせである。また、区間Cの通電パターンが、スイッチング素子51a~51fがそれぞれ「PM」、「PM」、「PS」、「PS」、「PL」、及び「PL」の組み合わせである。
【0058】
また、図5は、図4に示す第1の方式のフリーレス通電パターンの一例をテーブルとしてまとめたものである。制御部40におけるROM(不図示)は、例えば、図5に示すような形式でフリーレス通電パターンを記憶する。
なお、図5において、「PL」は最大デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第4状態、「PS」は最小デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第5状態、「PM」は最大デューティ比と最小デューティ比と間の中間のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第6状態を、それぞれ表す。
このように、駆動制御部43は、フリーレス駆動モード(第1の方式)において、上述したフリーレス通電パターンにより、スイッチング素子51a~51fの導通(通電)を制御する。
【0059】
<フリーレス通電の第2の方法>
第2の方法を用いたフリーレス通電パターンによる駆動・通電では、上記(1)~(3)各状態を、それぞれ下記(4)~(6)の3つの状態に変更する。
それぞれ下記(7)~(9)の3つの状態に変更する。なお、(1)の状態と(7)の状態とにおいて、各スイッチング素子に対する制御は同じであるため、実際には状態は変化していない。
【0060】
(7)第7状態:第1状態を維持し、各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオンされた状態(「ON」)とする。
(8)第8状態:第3状態を、外部から入力される指示デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第8状態(以下、「P1 」状態と言う)へと変更する。
(9)第9状態:第2状態を、外部から入力される指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第9状態(以下、「P2」状態と言う)へと変更する。
【0061】
つまり、フリーレス通電パターンにおいてU相、V相、及びW相の巻線(21u、21v、21w)がそれぞれP2状態(第9状態)となるタイミングは、矩形波通電パターンにおいてU相、V相、及びW相の巻線(21u、21v、21w)がそれぞれOFF相の巻線(第2状態)となるタイミングと同じである。
【0062】
これにより、通電パターンが第1状態から第2状態へ切り替わる際に、モータ2の入力端子に負電圧が発生したときに、スイッチング素子を駆動する制御回路(制御部40)が誤動作するという問題に対応できる。また、120度の矩形波通電ではフリーとなるタイミング(相開放期間:第2状態にある期間)においても、第9状態のようにPWM制御することにより、結果的に180度通電となり、転流時の電流波形が滑らかになることで駆動音が静かになる(モータ作動音を低減する)効果が期待できる。
すなわち、第1の方式及び第2の方式のどちらのフリーレス通電パターンによる駆動・通電方法を用いても、同様の効果が期待できる。
【0063】
ここで、本実施形態において、第7状態におけるデューティ比は100%である。例えば、指示デューティ比が80%の場合、第8状態におけるデューティ比は80%となり、第9状態におけるデューティ比は80÷2により40%となる。
なお、指示デューティ比は、予めユーザーにより制御部40が有するROM(不図示)に記憶されるものとする。
【0064】
図6は、第2の方式のフリーレス通電パターンの一例を示す図である。
図6は、横軸を電気角とし、位置検出信号(Hu、Hv、Hw)と、各スイッチング素子51a~51fの通電パターンとの対応関係を示す図である。
【0065】
図6に示す通電制御の例は、進角20度で通電角130度とする場合である。通電パターンは、各スイッチング素子51a~51fが、継続的にオンされた状態(「ON」)、すなわち「ON」(第1状態)を維持している状態(第7状態)と、継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」又は「PWM」以外の期間)、すなわち、「OFF」(第2状態)から「P2」(第9状態)へ変更した状態と、一定の周期でオン又はオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)、すなわち、「PWM」(第3状態)から「P1」(第8状態)へ変更した状態と、のいずれかの組み合わせである。各ステージ1~6は、さらに3つの区間A”、区間B”、及び区間C”にそれぞれ区分されている。区間A”、区間B”、及び区間C”に対しては個別に通電パターンが設定されている。区間A”、区間B”、及び区間C”の期間(電気角)は、進角の値と通電角の値によって変化する。ここで、図6において、「P1」状態を「PWM相(指示Duty)」、「P2」状態を「PWM相(1/2 Duty)」と表記する。
【0066】
例えば、ホールエッジHE1とホールエッジHE2とで囲まれたステージ1では、区間A”の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fが、それぞれ「1」、「0」、「P1」、「P1」、「P2」、及び「P2」の組み合わせである。また、区間B”の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fが、それぞれ「1」、「0」、「P1」、「P1」、「1」、及び「0」の組み合わせである。また、区間C”の通電パターンが、スイッチング素子51a~51fが、それぞれ「P2」、「P2」、「P1」、「P1」、「1」、及び「0」の組み合わせである。
【0067】
また、図7は、図6に示す第2の方式のフリーレス通電パターンの一例をテーブルとしてまとめたものである。制御部40におけるROM(不図示)は、例えば、図7に示すような形式でフリーレス通電パターンを記憶する。
なお、図7において、「P1」は外部から入力される指示デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第8状態、「P2」は指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第9状態、「1」はオン、「0」はオフを、それぞれ表す。
このように、駆動制御部43は、フリーレス駆動モード(第2の方式)において、上述したフリーレス通電パターンにより、スイッチング素子51a~51fの導通(通電)を制御する。
【0068】
上述したように、矩形波駆動モードは、矩形波駆動方式の駆動モードであり、フリーレス駆動モードよりも高出力の駆動モードである。
また、フリーレス駆動モードは、モータ2を駆動する複数相の駆動信号線のうち、通電していない相の開放期間に対して、PWM制御により中間電力の駆動信号を出力するフリーレス駆動方式の駆動モードであり、矩形波駆動モードよりも低出力の駆動モードである。ここで、中間電力の駆動信号は、最大デューティ比のPWM信号と最小デューティ比のPWM信号との中間のデューティ比のPWM信号(第1の方式)、又は外部から入力された指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号(第2の方式)である。
【0069】
図1の説明に戻り、駆動制御部43は、車速検出部42が検出した車速に基づいて、フリーレス駆動モードと、矩形波駆動モードとを切り替える制御を行う。駆動制御部43は、車速が、予め定められた矩形波閾値Vth1以上(第1閾値以上)になった場合に、フリーレス駆動モードから矩形波駆動モードに切り替える。また、駆動制御部43は、車速が、矩形波閾値Vth1(第1閾値)よりも低いフリーレス閾値Vth2以下(第2閾値以下)になった場合に、矩形波駆動モードからフリーレス駆動モードに切り替える。ここで、図8を参照して、矩形波閾値Vth1、及びフリーレス閾値Vth2について説明する。
【0070】
図8は、本実施形態によるモータ制御装置150の駆動モードの切り替え動作の一例を示す図である。
図8において、横軸は、時間を示し、縦軸は、車速を示している。また、波形W1は、時間に対する車速の変化の一例を示している。また、期間TR1及び期間TR3は、フリーレス駆動モードの期間を示し、期間TR2は、矩形波駆動モードの期間を示している。
【0071】
図8に示すように、車速が増加して、矩形波閾値Vth1以上になると、駆動制御部43は、フリーレス駆動モードから矩形波駆動モードに切り替える。また、車速が低下して、フリーレス閾値Vth2以下になると、駆動制御部43は、矩形波駆動モードからフリーレス駆動モードに切り替える。
ここで、矩形波閾値Vth1は、フリーレス閾値Vth2に対して、1.1倍から6.6倍の範囲内の値である。
【0072】
次に、図面を参照して、本実施形態によるモータ制御装置150の動作について説明する。
図9は、本実施形態によるモータ制御装置150の駆動モードの切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
図9に示すように、モータ制御装置150の制御部40は、まず、車速を検出する(ステップS101)。制御部40の車速検出部42は、ECU4から出力される車速信号に基づいて、車速を検出する。
【0074】
次に、制御部40の駆動制御部43は、モータ2の駆動モードが、フリーレス駆動モードであるか否かを判定する(ステップS102)。駆動制御部43は、駆動モードが、フリーレス駆動モードである場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、駆動制御部43は駆動モードが、フリーレス駆動モードでない場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS107に進める。
【0075】
ステップS103において、駆動制御部43は、車速が矩形波閾値Vth1以上(車速≧矩形波閾値Vth1)であるか否かを判定する。駆動制御部43は、車速が矩形波閾値Vth1以上である場合(ステップS103:YES)に、処理をステップS104に進める。また、駆動制御部43は、車速が矩形波閾値Vth1未満である場合(ステップS103:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0076】
ステップS104において、駆動制御部43は、フリーレス駆動モードから矩形波駆動モードに切り替える。
次に、駆動制御部43は、累積ポイント値(負荷積算値)を初期化する(ステップS105)。駆動制御部43は、負荷積算値生成部41が生成している負荷積算値を初期化する(“0”に戻す)。
【0077】
次に、駆動制御部43は、エナジーモードを解除する(ステップS106)。ここで、エナジーモードとは、負荷積算値が非常に大きくなった場合(負荷が大きくなった場合)に、出力を制限する保護モードである。ステップS106の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS101に戻す。
【0078】
また、ステップS107において、駆動制御部43は、車速がフリーレス閾値Vth2以下(車速≦フリーレス閾値Vth2)であるか否かを判定する。駆動制御部43は、車速がフリーレス閾値Vth2以下である場合(ステップS107:YES)に、処理をステップS108に進める。また、駆動制御部43は、車速がフリーレス閾値Vth2より大きい場合(ステップS107:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0079】
ステップS108において、駆動制御部43は、フリーレス駆動モードから矩形波駆動モードに切り替える。
次に、駆動制御部43は、累積ポイント値(負荷積算値)を初期化する(ステップS109)。駆動制御部43は、負荷積算値生成部41が生成している負荷積算値を初期化する(“0”に戻す)。
【0080】
次に、駆動制御部43は、エナジーモードを解除する(ステップS110)。ステップS110の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS101に戻す。
【0081】
また、図10を参照して、車速信号を検出できない場合の駆動モードの切り替え動作について説明する。
図10は、本実施形態によるモータ制御装置150の駆動モードの切り替え動作の別の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図10に示すように、モータ制御装置150の駆動制御部43は、まず、車速信号の異常を確認する(ステップS201)。
次に、駆動制御部43は、車速信号の異常があるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、駆動制御部43は、車速が正常に検出できるか否かを判定する。駆動制御部43は、車速信号の異常がある(車速が検出できない)場合(ステップS202:YES)に、処理をステップS203に進める。また、駆動制御部43は、車速信号の異常がない場合(ステップS202:NO)に、処理をステップS203に進める。
【0083】
ステップS203において、駆動制御部43は、緊急動作として、矩形波駆動モードに変更する。ステップS203の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS201に戻す。
【0084】
また、ステップS204において、駆動制御部43は、緊急動作を解除する。ステップS204の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS201に戻す。
【0085】
次に、図11を参照して、本実施形態によるモータ制御装置150の駆動モードの切り替え動作の変形例について説明する。
図11は、本実施形態によるモータ制御装置の駆動モードの切り替え動作の変形例を示すフローチャートである。ここでは、上述した車速の閾値が、矩形波閾値Vth1とフリーレス閾値Vth2とが等しい値である場合の変形例について説明する。
【0086】
図11に示すように、モータ制御装置150の制御部40は、まず、車速を検出する(ステップS301)。制御部40の車速検出部42は、ECU4から出力される車速信号に基づいて、車速を検出する。
【0087】
次に、制御部40の駆動制御部43は、車速が閾値Vth3以上(車速≧閾値Vth3)であるか否かを判定する(ステップS302)。駆動制御部43は、車速が閾値Vth3以上である場合(ステップS302:YES)に、処理をステップS303に進める。また、駆動制御部43は、車速が閾値Vth3未満である場合(ステップS302:NO)に、処理をステップS304に進める。
【0088】
ステップS303において、駆動制御部43は、矩形波駆動モードに変更する。ステップS303の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS305に進める。
また、ステップS304において、駆動制御部43は、フリーレス駆動モードに変更する。ステップS304の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS305に進める。
【0089】
ステップS305において、駆動制御部43は、駆動モードを変更したか否かを判定する。駆動制御部43は、駆動モードを変更した場合(ステップS305:YES)に、処理をステップS306に進める。また、駆動制御部43は、駆動モードを変更していない場合(ステップS305:NO)に、処理をステップS301に戻す。
【0090】
ステップS306において、駆動制御部43は、累積ポイント値(負荷積算値)を初期化する。駆動制御部43は、負荷積算値生成部41が生成している負荷積算値を初期化する(“0”に戻す)。
【0091】
次に、駆動制御部43は、エナジーモードを解除する(ステップS307)。ステップS110の処理後に、駆動制御部43は、処理をステップS301に戻す。
【0092】
上述したように、駆動制御部43は、車速が、予め定められた閾値Vth3以上である場合に、矩形波駆動モードに切り替え、車速が、閾値Vth3未満(予め定められた閾値未満)である場合に、フリーレス駆動モードに切り替えるようにしてもよい。
【0093】
次に、図12を参照して、上述したモータ装置100をワイパー装置に適用した場合の一例について説明する。
図12は、本実施形態によるワイパー装置200の一例を示す構成図である。
【0094】
図12に示すように、ワイパー装置200は、車両1のウィンドウガラス10のウィンド面に対して、払拭動作を行う。ワイパー装置200は、モータ装置100と、リンク機構11と、2本のワイパーアーム12と、各ワイパーアーム12の先端部に装着されたワイパーブレード13とを備える。
【0095】
図12に示すモータ装置は、上述した本実施形態のモータ装置100であり、ここではその詳細な説明を省略する。モータ装置100は、モータ2と、モータ制御装置150とを備える。
【0096】
ワイパーアーム12は、モータ装置100の回転駆動により、ウィンドウガラス10のウィンド面を動作し、先端部に装着されたワイパーブレード13により払拭動作を行う。
2つのワイパーアーム12は、リンク機構11により連結されている。
【0097】
ワイパーブレード13は、ワイパーアーム12によって、ウィンドウガラス10に押し付けられるようにして設けられている。
ワイパーブレード13は、ワイパーアーム12の先端部に装着されるブレードホルダに保持されるブレードラバー(不図示)を備えている。ワイパーブレード13は、モータ装置100によってワイパーアーム12が揺動されると、ウィンドウガラス10の外表面上の払拭範囲を往復動し、ブレードラバー(不図示)によってウィンドウガラス10を払拭する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態によるモータ制御装置150は、ロータ軸22a(出力軸)を有するモータ2を制御するモータ制御装置であって、車速検出部42と、駆動制御部43とを備える。車速検出部42は、モータ2が搭載される車両の走行速度である車速を検出する。駆動制御部43は、車速検出部42が検出した車速に基づいて、モータ2を駆動するフリーレス駆動モード(第1の駆動モード)と、入力された電力によって出力軸を回転駆動可能な最低回転速度がフリーレス駆動モード(第1の駆動モード)よりも高い高出力の駆動モードである矩形波駆動モード(第2の駆動モード)とを切り替える制御を行う。ここで、第2の駆動モードは、第1の駆動モードに対して、同一の負荷、電力、Dutyにおいて回転数及びモータ2の出力が高い高出力の駆動モードである。
【0099】
なお、本実施形態によるモータ制御装置150では、例えば、ワイパー装置200に適用した場合など、車速が速くなると、モータ2の負荷が大きくなる傾向にある。そのため、本実施形態によるモータ制御装置150は、例えば、駆動の初期時から高負荷が発生する場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができる。すなわち、本実施形態によるモータ制御装置150では、例えば、車両走行時のワイパー作動直後の最初の払拭であっても、停止せずに払拭動作を行うことができる。
【0100】
また、本実施形態によるモータ制御装置150は、車両が停止している場合に、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)に適切に切り替えることができるため、駆動音を静かにする(モータ作動音を低減する)ことができる。
【0101】
また、本実施形態では、駆動制御部43は、車速が、予め定められた矩形波閾値Vth1以上(第1閾値以上)になった場合に、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)から矩形波駆動モード(第2の駆動モード)に切り替える。また、駆動制御部43は、車速が、矩形波閾値Vth1よりも低いフリーレス閾値Vth2以下(第2閾値以下)になった場合に、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)からフリーレス駆動モード(第1の駆動モード)に切り替える。
【0102】
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、車速が速い(負荷が大きい)場合に、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)に切り替え、車速が遅い(負荷が小さい)場合に、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)に切り替えるため、負荷が小さい場合のモータ作動音の低減と、負荷が大きい場合の確実なモータ駆動と両方を実現することができる。また、本実施形態によるモータ制御装置150は、矩形波閾値Vth1とフリーレス閾値Vth2との2つの閾値を用いることで、例えば、ノイズ等で、駆動モードが頻繁に切り替わる誤動作を低減することができる。
【0103】
また、本実施形態では、フリーレス閾値Vth2に対して、矩形波閾値Vth1は、1.1倍から6.6倍の範囲内の値である。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、例えば、200km/h以上の高速で走行する自動車など車両に対しても、適切に対応することができる。
【0104】
また、本実施形態では、上述した第2の駆動モードが、矩形波駆動方式の駆動モード(矩形波駆動モード)であり、上述した第1の駆動モードが、フリーレス駆動方式の駆動モード(フリーレス駆動モード)である。フリーレス駆動方式の駆動モード(フリーレス駆動モード)は、モータ2を駆動する複数相の駆動信号線のうち、通電していない相の開放期間(フリー期間)に対して、PWM制御により中間電力の駆動信号を出力するモードである。駆動制御部43は、車速が、矩形波閾値Vth1以上になった場合に、フリーレス駆動モードから矩形波駆動モードに切り替える。また、駆動制御部43は、車速が、フリーレス閾値Vth2以下になった場合に、矩形波駆動モードからフリーレス駆動モードに切り替える。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、車速に応じて、矩形波駆動モードと、フリーレス駆動モードとにより、駆動モードを適切に切り替えることができる。
【0105】
また、本実施形態では、上述した中間電力の駆動信号は、最大デューティ比のPWM信号と最小デューティ比のPWM信号との中間のデューティ比のPWM信号(第1の方式)、又は外部から入力された指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号(第2の方式)である。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、フリーレス駆動モードによるモータ駆動を、適切に行うことができる。
【0106】
また、本実施形態では、モータ2は、3相の巻線(21u、21v、21w)を有するブラシレスモータである。駆動制御部43は、3相の駆動信号を生成するインバータ50が有する複数のスイッチング素子51a~51fの導通を、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)と、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)とで切り替えて制御する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、ブラシレスモータに対して、より適切なモータ駆動を行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、駆動制御部43は、車速が、予め定められた閾値Vth3以上である場合に、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)に切り替え、車速が、閾値Vth3未満である場合に、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)に切り替えるようにしてもよい。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、負荷が小さい場合のモータ作動音の低減と、負荷が大きい場合の確実なモータ駆動との両方を実現することができる。
【0108】
また、本実施形態では、駆動制御部43は、動作モードを切り替えた場合に、累積ポイント値(負荷積算値)を初期化にする(“0”にする)。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、駆動モードの切り替え時に、累積ポイント値(負荷積算値)に誤差が生じて誤動作が生じることを低減することができる。
【0109】
また、本実施形態では、駆動制御部43は、動作モードを切り替えた場合に、累積ポイント値(負荷積算値)が非常に大きくなった場合(負荷が大きくなった場合)に、出力を制限する保護モードであるエナジーモードを解除する。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、駆動モードの切り替え時に、保護モードであるとこによる誤動作が生じることを低減することができる。
【0110】
また、本実施形態では、駆動制御部43は、車速が検出できない場合に、緊急動作として、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)に切り替える。
これにより、本実施形態によるモータ制御装置150は、異常発生時に、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)に切り替えることで、確実にモータ駆動を行うことができる。
【0111】
また、本実施形態によるモータ装置100は、モータ2と、上述したモータ制御装置150とを備える。
これにより、本実施形態によるモータ装置100は、モータ制御装置150と同様の効果を奏し、モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができる。
【0112】
また、本実施形態によるワイパー装置200は、モータ2と、上述したモータ制御装置150とを備える。モータ制御装置150が、モータ2を用いて、ワイパー部材(ワイパーアーム12及びワイパーブレード13)にウィンド面での払拭動作を行わせる。
【0113】
これにより、本実施形態によるワイパー装置200は、上述したモータ装置100と同様の効果を奏し、モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができる。
【0114】
また、本実施形態によるモータ制御方法は、ロータ軸22aを有するモータ2を制御するモータ制御方法であって、車速検出ステップと、駆動制御ステップとを含む。車速検出ステップにおいて、車速検出部42が、モータ2が搭載される車両の走行速度である車速を検出する。駆動制御ステップにおいて、駆動制御部43が、車速検出ステップによって検出された車速に基づいて、モータ2を駆動するフリーレス駆動モード(第1の駆動モード)と、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)とを切り替える制御を行う。矩形波駆動モード(第2の駆動モード)は、入力された電力によってロータ軸22aを回転駆動可能な最低回転速度がフリーレス駆動モード(第1の駆動モード)よりも高い高出力の駆動モードである。
【0115】
これにより、本実施形態によるワイパー装置200は、上述したモータ装置100と同様の効果を奏し、モータ駆動の初期時から高負荷が発生している場合であっても、モータ駆動を適切に行うことができる。
【0116】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、モータ制御装置150は、車速に応じて、駆動モードを切り替える例を説明したが、これに限定されるものではなく、車速と、累積ポイント値(負荷積算値)とを組み合わせて、駆動モードを切り替えるようにしてもよい。
【0117】
また、上記の実施形態において、フリーレス駆動モード(第1の駆動モード)と、矩形波駆動モード(第2の駆動モード)とを切り替える例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の駆動モードを切り替えるようにしてもよい。
【0118】
また、上記の実施形態において、モータ装置100が、ワイパー装置200に用いられる例を説明したが、これに限定されるものではなく、モータ装置100は、他の用途に利用されてもよい。
【0119】
なお、上述したモータ装置100が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したモータ装置100が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したモータ装置100が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0120】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0121】
1…車両、2…モータ、3…バッテリ、4…ECU、10…ウィンドウガラス、11…リンク機構、12…ワイパーアーム、13…ワイパーブレード、21…ステータ、21u,21v,21w…巻線、22…ロータ、22a…ロータ軸、22b…永久磁石、30…位置検出部、30u,30v,30w…ホール素子、40…制御部、41…負荷積算値生成部、42…車速検出部、43…駆動制御部、50…インバータ、51a~51f…スイッチング素子、52a~52f…ダイオード、100…モータ装置、150…モータ制御装置、200…ワイパー装置
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