(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047627
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報管理装置、情報管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240401BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240401BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240401BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240401BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240401BHJP
【FI】
G06F3/0484
G08G1/09 F
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153222
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健太
(72)【発明者】
【氏名】尾中 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 雄亮
【テーマコード(参考)】
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
5E555AA11
5E555AA63
5E555AA76
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC02
5E555BC09
5E555BC17
5E555BD05
5E555BE17
5E555CA12
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA47
5E555CB66
5E555CC01
5E555DA08
5E555DA23
5E555DA32
5E555DB32
5E555DB53
5E555DB55
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC31
5E555DC72
5E555DC84
5E555DD05
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA09
5E555FA00
5H181AA01
5H181AA25
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL07
5H181MC19
5H181MC24
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】利用者により利用される装置と移動体に搭載された装置の関係を調整しやすくすることができる情報管理装置、情報管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置であって、前記第1装置および前記第2装置から情報を取得する取得部と、複数の前記第1装置のいずれかと前記第2装置とをマッチングするマッチング処理部と、複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付ける受付部と、を備え、マッチング処理部は、複数の第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた第2装置に対するマッチング対象とする利用者の指定が受け付けられた場合に、第2装置のマッチング対象を切り替える情報管理装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置であって、
前記第1装置および前記第2装置から情報を取得する取得部と、
複数の前記第1装置のいずれかと前記第2装置とをマッチングするマッチング処理部と、
複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付ける受付部と、を備え、
前記マッチング処理部は、複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替える、
情報管理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記利用者の第1操作及び第2操作を更に受け付け、
前記マッチング処理部は、前記利用者の第1操作に基づいて、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を停止させ、前記利用者の第2操作に基づいて、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を開始させる、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、
前記第1装置は、仮想的に利用者を表示する利用者表示装置を備えており、
前記提供部は、前記第2装置との間の情報の提供を停止させる場合に、前記移動体から脱出する態様で前記利用者を仮想的に前記利用者表示装置に表示させる第1表示情報を前記第1装置に提供する、
請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、
前記第1装置は、仮想的に利用者を表示する利用者表示装置を備えており、
前記提供部は、前記第2装置との間の情報の提供を開始させる場合に、前記移動体に突入する態様で前記利用者を仮想的に前記利用者表示装置に表示させる第2表示情報を前記第1装置に提供する、
請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記第2装置に情報を提供する提供部を備え、
前記取得部は、前記第2装置とマッチングされた前記第1装置の周囲の交通状況を取得し、
前記提供部は、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を開始させるときに、前記利用者が前記移動体の位置を把握していない場合、前記交通状況により生成された前記第2装置とマッチングされた前記第1装置の周囲の交通状況を前記第1装置または前記第2装置のうち少なくともいずれかに提供する、
請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記交通状況は、前記移動体及び前記移動体の周囲の移動体を俯瞰して地図上に表現させた交通状況画像を含む、
請求項5に記載の情報管理装置。
【請求項7】
前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、
前記第1装置は、音声を出力するスピーカを更に備えており、
前記提供部は、仮想的に表示された前記利用者が前記移動体から脱出し又は前記移動体に突入する際に、前記移動体内における仮想的に表示された前記利用者の位置に基づいて、音量が調整された音声を前記スピーカに出力させる音声情報を前記第1装置に提供する、
請求項3または4に記載の情報管理装置。
【請求項8】
前記提供部は、複数の前記移動体を前記地図上に表示させ、前記第2装置に対する複数の前記移動体にそれぞれ搭載された複数の第1装置の通信の可否に応じて、前記地図上における前記移動体の表示態様を変化させる交通状況画像を提供する、
請求項6に記載の情報管理装置。
【請求項9】
乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置のコンピュータが、
前記第1装置および前記第2装置から情報を取得し、
複数の前記第1装置のいずれかと前記第2装置とをマッチングし、
複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付け、
複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替える、
情報管理方法。
【請求項10】
乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置のコンピュータが、
前記第1装置および前記第2装置から情報を取得し、
複数の前記第1装置のいずれかと前記第2装置とをマッチングし、
複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付け、
複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替えることを行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理装置、情報管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の移動体に搭載された装置と、移動体とは別の場所で利用者により使用される装置との間で通信を行い、車外風景の画像等を共有することについて研究が進められている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、利用者により利用される装置が、複数の移動体のそれぞれに搭載された複数の第1装置と通信可能である場合に、利用者により利用される装置と実際に通信する移動体に搭載された装置の関係の調整が難しくなることがある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者により利用される装置と移動体に搭載された装置の関係を調整しやすくすることができる情報管理装置、情報管理方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る情報管理装置、情報管理方法、及びプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る情報管理装置は、乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置であって、前記第1装置および前記第2装置から情報を取得する取得部と、複数の前記第1装置のいずれかと前記第2装置とをマッチングするマッチング処理部と、複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付ける受付部と、を備え、前記マッチング処理部は、複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替える情報管理装置である。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記受付部は、前記利用者の第1操作及び第2操作を更に受け付け、前記マッチング処理部は、前記利用者の第1操作に基づいて、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を停止させ、前記利用者の第2操作に基づいて、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を開始させるものである。
【0008】
(3):上記(2)の態様において、前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、前記第1装置は、仮想的に利用者を表示する利用者表示装置を備えており、前記提供部は、前記第2装置との間の情報の提供を停止させる場合に、前記移動体から脱出する態様で前記利用者を仮想的に前記利用者表示装置に表示させる第1表示情報を前記第1装置に提供するものである。
【0009】
(4):上記(2)の態様において、前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、前記第1装置は、仮想的に利用者を表示する利用者表示装置を備えており、前記提供部は、前記第2装置との間の情報の提供を開始させる場合に、前記移動体に突入する態様で前記利用者を仮想的に前記利用者表示装置に表示させる第2表示情報を前記第1装置に提供するものである。
【0010】
(5):上記(1)の態様において前記第2装置に情報を提供する提供部を備え、前記取得部は、前記第2装置とマッチングされた前記第1装置の周囲の交通状況を取得し、前記提供部は、前記第1装置と前記第2装置との間の情報の提供を開始させるときに、前記利用者が前記移動体の位置を把握していない場合、前記交通状況により生成された前記第2装置とマッチングされた前記第1装置の周囲の交通状況を前記第1装置または前記第2装置のうち少なくともいずれかに提供するものである。
【0011】
(6):上記(5)の態様において、前記交通状況は、前記移動体及び前記移動体の周囲の移動体を俯瞰して地図上に表現させた交通状況画像を含むものである。
【0012】
(7):上記(1)または(4)の態様において、前記第1装置に情報を提供する提供部を備え、前記第1装置は、音声を出力するスピーカを更に備えており、前記提供部は、仮想的に表示された前記利用者が前記移動体から脱出し又は前記移動体に突入する際に、前記移動体内における仮想的に表示された前記利用者の位置に基づいて、音量が調整された音声を前記スピーカに出力させる音声情報を前記第1装置に提供するものである。
【0013】
(8):上記(6)の態様において、前記提供部は、複数の前記移動体を前記地図上に表示させ、前記第2装置に対する複数の前記移動体にそれぞれ搭載された複数の第1装置の通信の可否に応じて、前記地図上における前記移動体の表示態様を変化させる交通状況画像を提供するものである。
【0014】
(9):この発明の一態様に係る情報管理方法は、乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置のコンピュータが、前記第1装置および前記第2装置から情報を取得し、複数の前記第1装置のいずれかと、第2装置とをマッチングし、複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付け、複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替える、情報管理方法である。
【0015】
(10):この発明の一態様に係るプログラムは、乗員が搭乗する移動体に搭載される複数の第1装置と、前記移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置とに提供される情報を管理する情報管理装置のコンピュータが、前記第1装置および前記第2装置から情報を取得し、複数の前記第1装置のいずれかと、第2装置とをマッチングし、複数の前記第1装置の中のいずれかを前記第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定を受け付け、複数の前記第1装置の中のいずれかを、すでに第1装置とマッチングされた第2装置に対するマッチング対象とする前記利用者の指定が受け付けられた場合に、前記第2装置のマッチング対象を切り替えることを行わせる、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
(1)~(10)の態様によれば、移動体の乗員と、移動体とは異なる場所にいる利用者との双方に与える臨場感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】情報処理システム1と管理サーバ300の使用環境等を示す図である。
【
図2】ユーザデータ360の内容の一例を示す図である。
【
図4】移動体Mにおける第1装置100の一部の配置例を示す図である。
【
図6】指向方向に対応する画像について説明するための図である。
【
図7】移動体画像表示装置250に表示される交通状況画像の一例を示す図。
【
図8】第1制御装置170と第2制御装置270の機能構成の第1例を示す図である。
【
図9】第1制御装置170と第2制御装置270の機能構成の第2例を示す図である。
【
図10】情報処理システム1により実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】置換画像を表示することの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の情報管理装置、情報管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。なお、以下では、情報管理装置が適用された情報処理システムについて説明する。情報処理システムは、例えば、乗員が搭乗する移動体に搭載される第1装置と、移動体とは異なる場所で利用者によって利用される第2装置と、情報管理装置とを含む。移動体とは、例えば車両であるが、乗員が搭乗可能なものであれば如何なる移動体(例えば、船舶、飛翔体)でも構わない。また乗員は、主に移動体の運転者であるが、運転者以外の乗員であっても構わない。
【0019】
第1装置と第2装置の間では、マイクによって収集された音声が相手側に送信されてスピーカによって再生されることで電話通話を行っているような状態になり、更に、第1装置のカメラユニットにより撮像された画像の一部が第2装置によって表示されることで、第2装置側にMR(Mixed Reality)が提供される。これにより、第2装置の利用者は、移動体と異なる場所にいながら、擬似的に移動体に搭乗しているような感覚(擬似乗車体験)を得ることができ、乗員は第1装置を介して移動体への乗車を擬似体験している利用者と会話を行うことで、利用者が実際に移動体に一緒に乗車しているような感覚を得ることができる。以下では、上述したように、利用者が移動体に実際に乗車しているかのような擬似体験をすることを「擬似乗車する」と称する場合がある。第1装置と第2装置は一対一の関係である必要は無く、複数の第1装置のうち一つと、複数の第2装置とが一対多の関係でマッチングされることで、情報処理システムとして動作してよい。後者の場合、例えば一人の乗員を複数の利用者と同時に、或いは順番にコミュニケートさせることができる。なお、マッチングは、第1装置と第2装置の間で行われてもよいし、第1装置を搭載する移動体に搭乗する乗員と第2装置を利用する利用者の間で行われてもよく、両者は同義である。
【0020】
<基本構成>
図1は、情報処理システム1と管理サーバ300の使用環境等を示す図である。情報処理システム1は、移動体Mに搭載された第1装置(移動体装置)100と、移動体Mとは異なる場所(たまたま近い場所であることは排除されない)で利用者Uによって利用される第2装置(利用者装置)200とを含む。第1装置100、第2装置200、および管理サーバ300のそれぞれは、ネットワークNWを介して互いに通信する。情報処理システム1は、管理サーバ300を含んでもよいし、含まなくてもよい。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、移動体通信網、セルラー網等のうち少なくとも一つを含む。管理サーバ300は、「情報管理装置」の一例である。なお、管理サーバ300は、クラウドコンピューティングシステムに組み込まれたサーバ装置や記憶装置に実現されてもよい。この場合、クラウドコンピューティングシステムにおける複数のサーバ装置や記憶装置によって、管理サーバ300の機能が実現されてもよい。
【0021】
管理サーバ300は、第1装置100と第2装置200とのそれぞれに提供される情報を管理したり、それぞれが通信するための管理を行ったりする。管理サーバ300は、例えば、通信装置310と、取得部315と、受付部320と、マッチング処理部330と、提供部340と、記憶部350とを備える。取得部315、受付部320、マッチング処理部330、及び提供部340は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部350には、ユーザデータ360が格納されている。
【0022】
通信装置310は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。なお、通信装置310と第1装置100の間の通信、および通信装置310と第2装置200の間の通信は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)に即して行われる。
【0023】
取得部315は、ネットワークNWを介して、第1装置100、第2装置200、その他の外部装置により送信された各種情報を取得する。取得部315は、例えば、第1装置100及び第2装置200により送信されるマッチングリクエストを取得する。取得部315は、例えば、すでに第1装置100とマッチングされている第2装置200により送信されたマッチング対象を他の第1装置100と切り替えるマッチングリクエスト(以下、スイッチングリクエスト)を取得する。
【0024】
取得部315は、スイッチングリクエストを送信する前に、第2装置200の利用者Uが送信する周囲情報リクエストを取得する。取得部315は、例えば、道路交通センターなどの外部装置により送信される交通情報等に基づいて、第2装置200とマッチングされた第1装置100が搭載された移動体の周囲の交通状況を取得する。
【0025】
取得部315は、第2装置200により送信される利用者Uの第1操作に応じた第1操作情報及び利用者Uの第2操作に応じた第2操作情報を取得する。第1操作は、第1装置100と第2装置200との間の情報の提供を停止させるための操作である。第2操作は、第1装置100と第2装置200との間の情報の提供を開始させるための操作である。
【0026】
受付部320は、取得部315により取得されたマッチングリクエスト、周囲情報リクエスト、スイッチングリクエスト、第1操作情報、及び第2操作情報を受け付ける。
【0027】
マッチング処理部330は、例えば、利用者Uから第2装置200を介して、或いは乗員Pから第1装置100を介してマッチングリクエストを通信装置310が受信した場合、ユーザデータ360を参照して乗員Pと利用者U(第1装置100と第2装置200)とのマッチングを行い、通信装置310を用いて、マッチングした利用者Uの第2装置200に乗員Pの第1装置100の通信識別情報を送信し、マッチングした乗員Pの第1装置100に利用者Uの第2装置200の通信識別情報を送信する。これらを受信した第1装置100と第2装置200との間では、例えばUDP(User Datagram Protocol)に即した、よりリアルタイム性の高い通信が実行可能となる。
【0028】
マッチング処理部330は、受付部320により受け付けられたスイッチングリクエスト及び記憶部350に格納されたユーザデータに基づいて、第2装置200のマッチング対象の第1装置100の切り替えの可否を判定する。マッチング処理部330は、判定結果を示す判定結果情報を生成して、第2装置200に送信する。
【0029】
提供部340は、取得部315により取得された情報に各種情報に基づいて、第1装置100および第2装置200のそれぞれに提供する情報を生成し、生成した情報を対象装置に送信する。提供部340は、例えば、受付部320により周囲情報リクエストが受け付けられた場合に、取得部315により取得された交通情報に基づいて、交通状況画像を生成する。提供部340は、通信装置310を用いて、周囲情報リクエストを送信した第2装置200に生成した交通状況画像を送信する。
【0030】
提供部340は、受付部320により第1操作情報が受け付けられた場合に、第1装置100と第2装置200との間の通信を停止させる通信停止情報を、第2装置200及び第1装置100にそれぞれ送信する。提供部340は、第1装置100に送信する通信停止情報に、第1表示情報及び第1音量調整情報を含める。第1表示情報は、移動体Mから脱出する態様で利用者Uを仮想的に利用者表示装置150に表示させる情報である。第1音量調整情報は、第1表示情報に基づいて、仮想的に表示される利用者Uの移動体M内の位置に基づいて調整される音量の情報である。第1音量調整情報は、仮想的に表示される利用者Uの移動体M内の位置が定位置(例えば、助手席)に近いほど音量が大きくなる情報である。
【0031】
提供部340は、受付部320により第2操作情報が受け付けられた場合に、第1装置100と第2装置200との間の通信を開始させる通信開始情報を、第2装置200及び第1装置100にそれぞれ送信する。通信開始情報には、利用者Uの第2装置200及び乗員Pの第1装置100の通信識別情報が含まれる。提供部340は、第1装置100に送信する通信開始情報に、第2表示情報及び第2音量調整情報を含める。第2表示情報は、移動体Mに突入する態様で利用者Uを仮想的に利用者表示装置150に表示させる情報である。第2音量調整情報は、第2表示情報に基づいて、仮想的に表示される利用者Uの移動体M内の位置に基づいて調整される音量の情報である。第2音量調整情報は、第1音量調整情報と同様、仮想的に表示される利用者Uの移動体M内の位置が定位置に近いほど音量が大きくなる情報である。
【0032】
記憶部350は、上記の各種記憶装置、或いはSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてよい。記憶部350には、例えば、ユーザデータ360、プログラム、その他各種情報が可能される。
【0033】
図2は、ユーザデータ360の内容の一例を示す図である。ユーザデータ360は、乗員リスト360Aと、利用者リスト360Bとを含む。乗員リスト360Aには、例えば、移動体Mの乗員Pの識別情報である乗員ID、その通信識別情報(IPアドレス等)、マッチング対象となる利用者Uの識別情報である利用者ID及び乗員Pが搭乗している移動体情報が互いに対応付けられている。移動体情報には、例えば、移動体Mに搭載された機器情報(搭載機器情報)や、移動体Mの大きさや外形を示す車格情報が含まれる。また、移動体情報には、所定周期で移動体Mから送信される移動体Mの現在位置や目的地、周辺状況(例えば海沿いの道路を走行中)に関する情報が含まれてよい。
【0034】
乗員リスト360Aには、乗員Pが設定した提供可否情報が含まれていてもよい。提供可否情報は、移動体Mが提供可能な情報または提供不可能な情報であり、例えば乗員Pにより設定される。提供可否情報は、移動体Mの搭載機器ごとに設定されてもよく、利用者Uごとに設定されてもよい。提供可否情報の例としては、例えば、「画像の提供は許可する」、「音声の提供は許可しない」、「室内画像の提供は許可するが室外画像の提供は許可しない」、「乗員の画像の提供は許可しない」、「ナビゲーション装置の使用は許可しない」等が挙げられるが、これらに限定されない。ユーザデータ360は、
図2に示す態様に限らず如何なる態様で生成されてもよい。
【0035】
利用者リスト360Bには、例えば、利用者ID、その通信識別情報(IPアドレス等)、マッチング対象となる乗員P、および利用者情報とが互いに対応付けられている。利用者情報には、体格に関する情報(例えば、身長や座高)や、体格を予測できる情報(例えば、年齢)等が含まれてよい。
【0036】
図3は、第1装置100の構成図である。第1装置100は、例えば、第1通信装置110と、第1マイク120と、カメラユニット130と、第1スピーカ140と、利用者表示装置150と、HMI(Human machine Interface)160と、第1制御装置170とを含む。第1制御装置170は、移動体Mに搭載された制御対象機器190に接続される。
【0037】
第1通信装置110は、管理サーバ300の通信装置310、および第2装置200の第2通信装置210のそれぞれとネットワークNWを介して通信するための通信インターフェースである。
【0038】
第1マイク120は、少なくとも乗員Pの発した音声を収集する。第1マイク120は、移動体Mの室内に設けられ、移動体Mの外部の音声も収集可能な感度を有するものでもよいし、移動体Mの室内に設けられたマイクと移動体Mの外部に設けられたマイクとを含んでもよい。第1マイク120は、収集した音声を第1制御装置170に出力する。
【0039】
カメラユニット130は、少なくとも室内カメラ132を含み、室外カメラ134を含んでもよい。室内カメラ132は、例えば、移動体Mの室内に設けられる。カメラユニット130は、撮像した画像を第1制御装置170に出力する。第1スピーカ140は、第1通信装置110を介して取得された、利用者Uの発した音声を出力する。カメラユニット130、および第1スピーカ140の配置等の詳細については、後に
図4を参照して説明する。
【0040】
利用者表示装置150は、利用者Uが移動体Mの室内に存在するかのように仮想的に利用者Uを表示する。例えば、利用者表示装置150は、ホログラムを出現させたり、移動体Mのミラーやウインドウに相当する部分に利用者Uを表示させたりする。仮想的に表示される利用者Uの定位置は、例えば、乗員Pが着座する運転席に隣接する助手席である。助手席に同乗者がある場合の定位置は、例えば後部座席である。
【0041】
利用者表示装置150は、HMI160が管理サーバ300により送信された第1表示情報を受信した場合に、移動体Mから脱出する態様で利用者Uを仮想的に移動体Mの室内に表示させる。利用者表示装置150は、HMI160が管理サーバ300により送信された第2表示情報を受信した場合に、移動体Mに突入する態様で利用者Uを仮想的に移動体Mの室内に表示させる。
【0042】
HMI160は、タッチパネルや音声応答装置(エージェント装置)等である。HMI160は、第1装置100に対する乗員Pの各種指示を受け付け、各種指示情報を乗員Pに提供する。
【0043】
第1制御装置170は、例えばCPU等のプロセッサと、プロセッサに接続され、プログラム(命令群)を格納した記憶媒体とを含み、プロセッサが命令群を実行することで第1装置100の各部を制御する。第1制御装置170は、第1マイク120により出力された音声に関する音声情報を生成する。第1制御装置170は、カメラユニット130により出力された画像に関する画像情報を生成する。第1通信装置110は、第1制御装置170により生成された音声情報及び画像情報を第2通信装置210及び通信装置310に送信する。
【0044】
制御対象機器190は、例えば、移動体Mに搭載された目的地までの経路を案内するナビゲーション装置や、移動体Mの操舵または速度のうち一方または双方を制御して乗員Pの運転を支援する運転支援装置などの車載機器である。制御対象機器190には、座席の位置(前後左右)や向き、高さを調整可能なシート駆動装置が含まれてよい。
【0045】
図4は、移動体Mにおける第1装置100の一部の配置例を示す図である。室内カメラ132は、例えば、アタッチメント132Aを介して助手席S2(「所定の座席」の一例)のネックピローに取り付けられ、助手席S2のバックレストから若干、移動体Mの進行方向側に乖離した位置に設けられる。室内カメラ132は、広角レンズを有し、図中のハッチングされた領域132Bで表される範囲を撮像可能である。室内カメラ132は、移動体Mの室内だけでなく、ウインドウを介して室外も撮影可能である。以下の説明では助手席S2が所定の座席であるものとするが、所定の座席は後部座席などの他の座席であってもよい。
【0046】
室外カメラ134は、例えば、複数の子室外カメラ134-1~134-4を含む。複数の子室外カメラ134-1~134-4の撮像した画像を合成することで、移動体Mの外部を撮像したパノラマ画像のような画像が得られる。室外カメラ134は、これらに代えて(或いは、加えて)、移動体Mのルーフ上に設けられた広角カメラを含んでもよい。なお室内カメラ132として、助手席S2の後方を撮像可能なカメラが追加されてもよく、後述する移動体画像は、第1制御装置170により、一以上の室内カメラ132の撮像した画像を結合して360度のパノラマ画像として生成されてもよいし、室内カメラ132の撮像した画像と室外カメラ134の撮像した画像を適宜結合して360度のパノラマ画像として生成されてもよい。
【0047】
第1スピーカ140は、第1通信装置110を介して取得された利用者Uの音声を出力する。第1スピーカ140は、例えば、複数の子第1スピーカ140-1~140-5を含む。例えば、子第1スピーカ140-1はインストルメントパネル中央部に、子第1スピーカ140-2はインストルメントパネル左端部に、子第1スピーカ140-3はインストルメントパネル右端部に、子第1スピーカ140-4は左側ドア下部に、子第1スピーカ140-5は右側ドア下部に、それぞれ配置される。第1制御装置170は、利用者Uの音声を第1スピーカ140に出力させる場合、例えば、子第1スピーカ140-2および子第1スピーカ140-4から同程度のボリュームで音声を出力させ、その他の子第1スピーカをオフにすることで、運転席S1に着座した乗員Pに対して、助手席S2から音声が聞こえるように音像定位させる。また、音像定位の方法はボリュームの調整に限らず、それぞれの子第1スピーカが出力する音の位相をずらすことで行われてもよい。例えば、左側から聞こえるように音像定位させる場合、左側の子第1スピーカから音を出力させるタイミングを、右側の子第1スピーカから同じ音を出力させるタイミングよりもわずかに早くすればよい。
【0048】
また、第1制御装置170は、利用者Uの音声を第1スピーカ140に出力させる場合、乗員Pに対して、助手席S2上の利用者Uの頭部の高さに応じた高さの位置から音声が聞こえるように音像定位させて、第1スピーカ140に利用者Uの発した音声を出力させてもよい。この場合、第1スピーカ140は高さの異なる複数の子第1スピーカ140-k(kは複数の自然数)を有する必要がある。
【0049】
図5は、第2装置200の構成図である。第2装置200は、例えば、第2通信装置210と、第2マイク220と、検知装置230と、第2スピーカ240と、移動体画像表示装置250と、HMI260と、第2制御装置270とを含む。検知装置230は、例えば、指向方向検知装置232と、頭部位置検知装置234と、モーションセンサ236とを含む。
【0050】
第2通信装置210は、管理サーバ300の通信装置310、および第1装置100の第1通信装置110のそれぞれとネットワークNWを介して通信するための通信インターフェースである。
【0051】
第2マイク220は、利用者Uの発した音声を収集する。第2マイク220の収集した音声は、例えば、第2制御装置270を経由して、第2通信装置210によって第1通信装置110に送信される。
【0052】
指向方向検知装置232は、指向方向を検知するための装置である。指向方向とは、利用者Uの顔の向きまたは視線の向き、或いはそれらの双方に基づく向きである。以下では指向方向は、水平面内での角度、つまり上下方向の成分を有さない角度であるものとするが、指向方向は、上下方向の成分も含む角度であってもよい。指向方向検知装置232は、後述するVRゴーグルに取り付けられた物理センサ(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサなど)を含んでもよいし、利用者Uの頭部の複数の位置を検出する赤外線センサ、或いは利用者Uの頭部を撮像するカメラであってもよい。いずれの場合も第2制御装置270は、指向方向検知装置232から入力された情報に基づいて指向方向を算出する。これについて種々の技術が公知となっているため詳細な説明を省略する。
【0053】
頭部位置検知装置234は、利用者Uの頭部の位置(高さ)を検知するための装置である。例えば、利用者Uが着座する椅子の周囲に設けられた一以上の赤外線センサ、或いは光学センサが頭部位置検知装置234として用いられる。この場合、第2制御装置270は、一以上の赤外線センサ、或いは光学センサによる検出信号の有無に基づいて利用者Uの頭部の位置を検知する。また、頭部位置検知装置234は、VRゴーグルに取り付けられた加速度センサでもよい。この場合、第2制御装置270は、加速度センサの出力から重力加速度を差し引いたものを積分することで利用者Uの頭部の位置を検知する。このように取得される頭部の位置の情報は、高さ情報として第2制御装置270に提供される。利用者Uの頭部の位置は、HMI260に対する利用者Uの操作に基づいて取得されてもよい。例えば、利用者Uは身長を数字でHMI260に入力してもよいし、HMI260に含まれるダイヤルスイッチを用いて身長を入力してもよい。これらの場合、身長から頭部の位置すなわち高さ情報が計算される。また、利用者Uは、連続値ではなく体格:大/中/小といった離散値をHMI260に入力してもよい。この場合、体格を示す情報に基づいて高さ情報が取得される。また、利用者Uの頭部の高さを特段、取得せず、一般的な成人の体格(男女別であってよい)に基づいて簡易的に利用者Uの頭部の高さが取得されてもよい。
【0054】
モーションセンサ236は、利用者Uが行うジェスチャー操作を認識するための装置である。例えば、利用者Uの上半身を撮像するカメラがモーションセンサ236として用いられる。この場合、第2制御装置は、カメラが撮像した画像から利用者Uの身体の特徴点(指先、手首、肘など)を抽出し、特徴点の動きに基づいて利用者Uのジェスチャー操作を認識する。
【0055】
第2スピーカ240は、第2通信装置210を介して取得された、乗員Pの発した音声を出力する。第2スピーカ240は、例えば音声の聞こえる方向を変更する機能を有する。第2制御装置270は、利用者Uに対して、助手席S2からみた乗員Pの位置から音声が聞こえるように、第2スピーカに音声を出力させる。第2スピーカ240は、複数の子第2スピーカ240-n(nは複数の自然数)を含み、第2制御装置270がそれぞれの子第2スピーカ240-nのボリュームを調整することで音像定位がなされてもよいし、VRゴーグルにヘッドホンが付随している場合はヘッドホンの機能を利用して音像定位がなされてもよい。
【0056】
移動体画像表示装置250は、カメラユニット130が撮像した画像(前述した結合処理が行われた画像であってもよく、以下では移動体画像と称する)のうち、助手席から見た指向方向に対応する画像を表示する。
図6は、指向方向に対応する画像について説明するための図である。この図の例では、VRゴーグル255に指向方向検知装置232、頭部位置検知装置234としての物理センサ、および移動体画像表示装置250が含まれている。第2制御装置270は、予めキャリブレーションされた方向を基準方向としてVRゴーグル255の向く方向を指向方向φとして検知する。係る機能については既に種々の手法が公知となっているため詳細な説明を省略する。
【0057】
移動体画像表示装置250は、移動体画像A1(図では240度程度の角度を有するが、前述したように結合処理によって画角が拡張されてもよい)のうち、指向方向φを中心としたプラスマイナスαの角度範囲の画像A2を利用者Uに向けて表示する。
【0058】
移動体画像表示装置250は、管理サーバ300により送信される各種情報を、表示画面に表示可能とされている。移動体画像表示装置250に表示可能となる画像としては、上記のカメラユニット130が撮像した画像等の他、管理サーバ300により送信される判定結果情報及び交通状況画像が含まれる。判定結果情報は、スイッチングリクエストを送信した場合のスイッチング(第1装置100の切り替え)の可否を示す情報である。交通状況画像は、所定の領域、例えば移動体Mを含む複数の移動体の交通状況及びそれらの移動体が走行する領域を俯瞰した俯瞰画像を地図上に表現させた画像である。
【0059】
図7は、移動体画像表示装置250に表示される交通状況画像の一例を示す図である。
図7は、移動体画像表示装置250に表示され、交通状況画像GA10及び切替可能移動体リスト画像GA20を含む画像である。交通状況画像GA10には、例えば、道路画像GA11と、対象移動体画像GA12と、通信可能移動体画像GA13と、通信不可能移動体画像GA14と、切替可能移動体画像GA15とが含まれる。
【0060】
道路画像GA11は、所定の領域を俯瞰した地図上における道路を示す画像である。対象移動体画像GA12は、現在、第2装置200と通信している第1装置100が搭載された移動体を示す画像である。通信可能移動体画像GA13は、第2装置200と通信可能である第1装置100を搭載する移動体を示す画像である。通信不可能移動体画像GA14は、第2装置200と通信不可能である第1装置100を搭載する移動体を示す画像である。切替可能移動体画像GA15は、第2装置200とマッチング可能である第1装置100を搭載する移動体を示す画像である。
【0061】
対象移動体画像GA12、通信可能移動体画像GA13、通信不可能移動体画像GA14、及び切替可能移動体画像GA15は、各画像が示す移動体にそれぞれ搭載された第1装置100の第2装置200に対する通信の可否に応じて表示態様が変化されて交通状況画像GA10上に表示される。例えば、切替可能移動体画像GA15は、対象移動体画像GA12、通信可能移動体画像GA13、及び通信不可能移動体画像GA14より目立つように強調され、例えば、高い明度をもって表示される。
【0062】
対象移動体画像GA12は、切替可能移動体画像GA15と同等または切替可能移動体画像GA15以上に強調されて表示されていてもよい。通信可能移動体画像GA13及び通信不可能移動体画像GA14は、同じ態様で表示されてもよい。切替可能移動体画像GA15の近傍には、その移動体を識別するための識別符号がアルファベット1文字で表示されている。識別符号は、アルファベット以外の文字等でもよいし、記号や色等でもよい。通信の可否は、例えば、ユーザデータ360に含まれるマッチング対象となる利用者U及び乗員Pの関係に基づいてもよいし、乗員Pが設定する提供可否情報に基づいてもよい。
【0063】
切替可能移動体リスト画像GA20は、第2装置200とマッチング可能である第1装置100を搭載する移動体に関する文字情報である。切替可能移動体リスト画像GA20には、交通状況画像GA10に含まれる切替可能移動体画像GA15の近傍に表示されている識別符号及びその移動体に搭乗する乗員Pに付された乗員ID及び乗員Pの利用者名が含まれる。利用者名は、例えば、利用者Uがあらかじめ登録した自己の名称である。切替可能移動体リスト画像GA20は、例えば、交通状況画像GA10の隅部、この例では右隅部に表示される。
【0064】
HMI260は、タッチパネルや音声応答装置(エージェント装置)、或いは上記したスイッチ等である。HMI260は、第2装置200に対する利用者Uの各種指示を受け付ける。HMI260は、例えば、マッチングリクエスト操作、周囲情報リクエスト操作、第1操作、及び第2操作を受け付ける。
【0065】
マッチングリクエスト操作は、マッチングリクエストを送信させるための操作である。周囲情報リクエスト操作は、周囲情報リクエストを送信させるための操作である。第1操作及び第2操作は、上述の通り、それぞれ第1装置100と第2装置200との間の情報の提供を停止及び開始させるための操作である。
【0066】
第2制御装置270は、例えばCPU等のプロセッサと、プロセッサに接続され、プログラム(命令群)を格納した記憶媒体とを含み、プロセッサが命令群を実行することで第2装置200の各部を制御する。第2装置200は、
図5に示す全ての機能がVRゴーグルに一体に構成されていてもよい。
【0067】
<機能構成>
以下、第1制御装置170と第2制御装置270の機能構成について説明する。なお、以下に示す第1例および第2例は、主に第1制御装置170と第2制御装置270との間で提供される情報の生成や送信等を行うものとし、管理サーバ300は乗員Pと利用者Uとの擬似乗車のマッチングを管理するものとする。
[第1例]
図8は、第1制御装置170と第2制御装置270の機能構成の第1例を示す図である。第1例において、第1制御装置170は、マッチングリクエスト/承諾部171と、音声出力制御部172と、画像送信部173と、搭載機器連携部174とを含む。第2制御装置270は、マッチングリクエスト/承諾部271と、音声出力制御部272と、指向方向検知部273と、頭部位置検知部274と、ジェスチャー入力検知部275と、画像編集部276と、移動体画像表示制御部277とを含む。これらの機能部は、例えば、CPUなどのプロセッサがプログラム(命令群)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0068】
マッチングリクエスト/承諾部171は、HMI160を用いて乗員Pからのマッチングリクエストの入力を受け付け、管理サーバ300に送信したり、HMI160を用いて管理サーバ300から受信したマッチングリクエストに対する承諾の入力を受け付け、管理サーバ300に送信したりする。マッチングリクエスト/承諾部171は、マッチングが成立した利用者Uの第2装置200を通信相手とするように第1通信装置110を制御する。マッチングリクエスト/承諾部171は、例えば、管理サーバ300から得られるマッチングリクエストに対する承諾の際、乗員Pからどのような情報の提供を許可するか否かを示す提供可否情報の設定を受け付けてもよい。マッチングリクエスト/承諾部171は、利用者Uの指示に応じて、マッチング対象となる利用者U(または第2装置200)を特定したり制限したりできるようにしてもよい。この場合、第1通信装置110は、マッチング対象の特定や制限の情報を管理サーバ300に送信する。
【0069】
音声出力制御部172は、前述したように第1スピーカ140を制御する。
【0070】
画像送信部173は、第2装置200との通信が開始した後、第1通信装置110を用いて、第2装置200に移動体画像A1を送信する。移動体画像A1には、例えば、室内カメラ132で撮影された室内画像および/または室外カメラ134により撮像された室外画像が含まれてよい。
【0071】
搭載機器連携部174は、第2装置200から入力された指示信号に基づいて、制御対象機器190を制御する。搭載機器連携部174は、乗員Pから利用者Uによる制御対象機器190の制御が許可されている場合に制御を行ってもよい。
【0072】
マッチングリクエスト/承諾部271は、HMI260を用いて利用者Uからのマッチングリクエストの入力を受け付け、管理サーバ300に送信したり、HMI260を用いて管理サーバ300から受信したマッチングリクエストに対する承諾の入力を受け付け、管理サーバ300に送信したりする。マッチングリクエスト/承諾部271は、マッチングが成立した乗員Pの第1装置100を通信相手とするように第2通信装置210を制御する。マッチングリクエスト/承諾部271は、例えば、どのような情報が提供されるのかを利用者Uに提示して確認させた上で、マッチング対象とするか否かの指示を受け付けてもよい。マッチングリクエスト/承諾部271は、利用者Uの指示に応じて、マッチング対象となる乗員P(または第1装置100)を特定したり制限したりできるようにしてもよい。この場合、第2通信装置210は、マッチング対象の特定や制限の情報を管理サーバ300に送信する。
【0073】
音声出力制御部272は、前述したように第2スピーカ240を制御する。
【0074】
指向方向検知部273は、指向方向検知装置232の出力に基づいて、指向方向φを検知する。頭部位置検知部274は、頭部位置検知装置234の出力に基づいて、利用者Uの頭部の高さを検知する。頭部位置は、三次元の座標として表されてもよいし、単に頭部の高さが頭部位置として検知されてもよい。ジェスチャー入力検知部275は、モーションセンサ236の出力に基づいて、利用者Uのジェスチャー入力を検知する。
【0075】
画像編集部276は、例えば、移動体画像A1から、助手席S2から見た指向方向φに対応する画像A2を切り出す処理を行う(
図6)。
図6の例では、利用者Uの頭部の左右に動きに対する指向方向φを示しているが、頭部の上下方向の動きに対する指向方向に対応する画像を切り出す処理を行ってもよい。移動体画像表示制御部277は、画像編集部276によって切り出された画像A2を、移動体画像表示装置250に表示させる。このとき、画像編集部276は、利用者Uの頭部の高さ情報が示す高さから見た指向方向φに対応する画像を移動体画像表示装置250に表示させてもよい。例えば、画像編集部276は、利用者Uの頭部の基準位置からの距離(例えば、上方向の移動量または横方向の移動量)に応じて、室内画像または室外画像を切り替えて表示させる。
【0076】
[第2例]
図9は、第1制御装置170と第2制御装置270の機能構成の第2例を示す図である。
図8の第1例と比較すると、第1制御装置170が画像編集部175を含み、第2制御装置270が画像編集部276を含まず指向方向送信部278を含む点で相違する。その他の構成要素に関しては基本的に第1例と同じ機能を有するため再度の説明を省略する。
【0077】
指向方向送信部278は、指向方向検知部273が検知した指向方向φを、第2通信装置210を用いて第1装置100に送信する。
【0078】
画像編集部175は、移動体画像A1から、助手席から見た指向方向φ(第2装置200から送信されてきたもの)に対応する画像A2を切り出す処理を行う(
図6)。このとき、画像編集部175は、利用者Uの頭部の高さ情報を第2装置200から取得しておき、高さ情報が示す高さから見た指向方向φに対応する画像A2を切り出す処理を行ってもよい。
【0079】
第2例における画像送信部173は、第1通信装置110を用いて、第2装置200に、画像編集部175によって切り出された画像A2を送信する。そして、移動体画像表示制御部277は、第1装置100から送信されてきた画像A2を移動体画像表示装置250に表示させる。
【0080】
<マッチングに関する処理>
次に、実施形態において、すでに第1装置100(切替前第1装置100-1)とマッチングされている第2装置200が、マッチングされる第1装置100を他の第1装置100(切替後第1装置100-2)と切り替え、利用者Uが擬似乗車する移動体Mを乗り換える処理について説明する。
図10は、情報処理システム1により実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【0081】
第1装置100が切り換えられる前、例えば、第2装置200は、切替前第1装置100-1と通信する(ステップS101)。続いて、第1装置100の切替を試みる利用者Uは、切替前第1装置100-1の周囲における移動体Mの位置を把握していない場合に、切替の対象となる第1装置100の位置を知るために、周囲情報リクエスト操作を行う。第2装置200は、利用者Uの周囲情報リクエスト操作に基づいて周囲情報リクエストを生成する(ステップS103)。第2装置200は生成した周囲情報リクエストを管理サーバ300に送信する(ステップS105)。
【0082】
管理サーバ300は、第2装置200により送信された周囲情報リクエストを、通信装置310を利用して受信して取得部315により取得する。周囲情報リクエストを取得した管理サーバ300は、提供部340において、周囲情報リクエストを送信した利用者Uが擬似乗車する切替前第1装置100-1を搭載した移動体Mの位置を特定し、移動体Mの周囲における交通情報等に基づいて交通状況を取得して交通状況画像を生成する(ステップS107)。管理サーバ300は、提供部340により生成した交通状況画像を、通信装置310を用いて第2装置200に送信する(ステップS109)。
【0083】
第2装置200は、管理サーバ300により送信された交通状況画像を、移動体画像表示装置250に表示させる(ステップS111)。
図7に示す交通状況画像GA10において、切替可能移動体画像GA15は、対象移動体画像GA12、通信可能移動体画像GA13、及び通信不可能移動体画像GA14より目立つように強調されて表示されている。このため、移動体画像表示装置250に表示された交通状況画像を見ることにより、利用者Uは、擬似乗車中の移動体Mの位置と、切替可能となる移動体Mの位置を容易に認識することができる。
【0084】
例えば、切替前第1装置100-1を搭載した移動体Mが渋滞の中を走行しているときに、渋滞の先頭の移動体Mに搭載された第1装置100をマッチング対象とするために、利用者Uは、移動体画像表示装置250に表示された交通状況画像を確認することにより、渋滞の先頭の移動体Mを認識することができる。第2装置200は、交通状況画像中における切替可能移動体画像GA15に付された識別符号が示すアルファベットを、第2スピーカ240に音声で出力させてもよい。
【0085】
第1装置100の切替を試みる利用者Uは、切替対象となるマッチング対象を指定するマッチングリクエスト操作を行う。マッチングリクエスト操作は、例えば、
図7に示す交通状況画像に含まれる切替可能移動体画像GA15に付された識別符号を指定する操作である。利用者Uは、例えば、HMI260に対する操作により、マッチング対象とする移動体Mを、例えば指定番号を特定することにより指定する。第2装置200は、利用者Uのマッチングリクエスト操作に基づいてスイッチングリクエストを生成する(ステップS113)。第2装置200は生成したスイッチングリクエストを管理サーバ300に送信する(ステップS115)。なお、例えば、マッチング対象となる第1装置100を搭載した移動体Mを目視可能であり、切替前第1装置100-1の周囲における移動体Mの位置を把握している利用者Uは、周囲情報リクエストを行うことなく、スイッチングリクエストを行うようにしてもよい。この場合、ステップS103~ステップS111の処理は省略されてよい。また、第2装置200は、渋滞状況の確認など、特定のタスクを行う上で適したスイッチング候補を利用者Uに自動的にレコメンドしてもよい。その場合、
図10に示す処理のうち、ステップS103~ステップS111の処理は省略されてもよい。
【0086】
管理サーバ300は、第2装置200により送信されたスイッチングリクエストを、通信装置310を利用して受信して取得部315により取得する。スイッチングリクエストを取得した管理サーバ300は、マッチング処理部330において、切替の可否を判定する(ステップS117)。切替の可否を判定するにあたり、マッチング処理部330は、記憶部350に格納されたユーザデータ360を参照し、スイッチングリクエストにより指定される第1装置100が、スイッチングリクエストを送信した第2装置200と通信可能な第1装置100であるかを判定する。マッチング処理部330は、判定の結果としての判定結果情報を生成し(ステップS119)、第2装置200に、通信装置310を利用して送信する(ステップS121)。
【0087】
第2装置200は、管理サーバ300により送信された判定結果情報を、移動体画像表示装置250に表示させる(ステップS123)。移動体画像表示装置250に表示された判定結果情報を見ることにより、利用者Uは、スイッチングリクエストの対象となる移動体Mへの擬似乗車の可否を容易に認識することができる。第2装置200は、判定結果情報を、第2スピーカ240に音声で出力させてもよい。
【0088】
利用者Uは、マッチング対象を切り替えるために、切替前第1装置100-1との間の情報の提供を停止させるための第1操作を行う。第2装置200は、利用者Uの第1操作に基づいて第1操作情報を生成する(ステップS125)。第2装置200は生成した第1操作情報を管理サーバ300に送信する(ステップS127)。
【0089】
管理サーバ300は、送信された第1操作情報を、通信装置310を利用して受信して取得部315により取得する。第1操作情報を取得した管理サーバ300は、提供部340において、通信停止情報を生成する(ステップS129)。提供部340は、生成した通信停止情報を切替前第1装置100-1及び第2装置200に、通信装置310を利用して送信する(ステップS131)。管理サーバ300は、切替前第1装置100-1に送信する通信停止情報に第1表示情報を含める。
【0090】
切替前第1装置100-1及び第2装置200は、通信装置310により送信された通信停止情報を第1通信装置110及び第2通信装置210によりそれぞれ受信する。切替前第1装置100-1及び第2装置200における第1制御装置170及び第2制御装置270は、それぞれ第2装置200と切替前第1装置100-1との間の通信を停止させる(ステップS133)。
【0091】
また、切替前第1装置100-1は、管理サーバ300により送信された第1表示情報に基づいて、利用者表示装置150により、仮想的に表示された利用者Uが、切替前第1装置100-1が搭載された移動体Mから脱出する態様の利用者脱出表示を行う(ステップS135)。利用者脱出表示を行うことにより、利用者Uが切替前第1装置100-1が搭載された移動体Mから離脱することを乗員Pに視覚的に認識させることができる。
【0092】
一方、第2装置200において、利用者Uは、マッチング対象を切り替えた後に、切替後第1装置100-2との間の情報の提供を開始させるための第2操作を行う。第2装置200は、利用者Uの第2操作に基づいて第2操作情報を生成する(ステップS137)。第2装置200は生成した第2操作情報を管理サーバ300に送信する(ステップS139)。
【0093】
管理サーバ300は、送信された第2操作情報を、通信装置310を利用して受信して取得部315により取得する。第2操作情報を取得した管理サーバ300は、提供部340において、通信開始情報を生成する(ステップS141)。提供部340は、生成した通信開始情報を第2装置200及び切替後第1装置100-2に、通信装置310を利用して送信する(ステップS143)。管理サーバ300は、切替後第1装置100-2に送信する通信停止情報に第2表示情報を含める。
【0094】
第2装置200及び切替後第1装置100-2は、通信装置310により送信された通信開始情報を第2通信装置210及び第1通信装置110によりそれぞれ受信する。通信開始情報を受信した第2装置200は、移動体画像表示装置250及び第2スピーカにより、切替後第1装置100-2との通信を開始する通信開始情報を利用者Uに通知する(ステップS145)。
【0095】
一方、通信開始情報を受信した切替後第1装置100-2は、通信開始情報に含まれる第2表示情報に基づいて、利用者表示装置150により、仮想的に表示された利用者Uが、切替後第1装置100-2が搭載された移動体Mに突入する態様の利用者突入表示を行う(ステップS147)。利用者表示装置150は、利用者突入表示を行った後、移動体Mの室内における仮想的な利用者Uの表示を継続する。
【0096】
続いて、切替後第1装置100-2は、利用者表示装置150により、継続して表示される仮想的な利用者Uが擬似的に音声を発するようにして第2装置200との通信を開始する通信開始情報を乗員Pに通知する(ステップS149)。その後、切替後第1装置100-2と第2装置200との通信を開始させる(ステップS151)。
【0097】
上記の実施形態において、第1装置100は、乗員Pの指示に従い、通信可能となる第2装置200を制限できるようにしてもよい。この場合、管理サーバ300は、ステップS117において第1装置100が、第2装置200と通信可能な第1装置100であるかを判定する際、スイッチングリクエストにより指定された第1装置100に第2装置200との通信を許可するか否かを問い合わせてもよい。そして、通信を許可するとした場合に、第1装置100との通信が可能である判定結果が得られるようにしてもよい。
【0098】
また、マッチング対象となる第1装置100を切り替える際に、第1装置100における利用者表示装置150により利用者脱出表示や利用者突入表示を行うが、第2装置200における移動体画像表示装置250により利用者脱出表示や利用者突入表示に相当する表示を行ってもよい。移動体脱出表示に相当する表示としては、例えば、仮想的に利用者Uが移動体Mから脱出する際に視認する風景の表示としてよい。また、移動体突入表示に相当する表示としては、例えば、仮想的に利用者Uが移動体Mに突入する際に視認する風景の表示としてよい。
【0099】
また、第1装置100を搭載した移動体Mにおける第1マイク120により収集された移動体M内の音声を第1装置100が管理サーバ300に送信して管理サーバ300が取得できるようにしてもよい。このとき、例えば、第2装置200により周囲情報リクエストが送信された場合に、管理サーバ300は、交通状況画像とともに、取得した移動体Mの音声を移動体Mごとに第2装置200に送信し、第2装置200の第2スピーカ240により再生可能となるようにしてもよい。
【0100】
なお、情報処理システム1において、利用者Uが助手席S2から見た任意の方向を視認できるものとして説明したが、例えばマッチングの際の取り決めや乗員Pの提供可否の設定などによって、利用者Uが視認可能な方向に制限が設けられてもよい。例えば、乗員Pの側で、移動体Mの進行方向の風景、あるいは運転席S1と反対側の風景は提供してもよいが、自身の姿は表示させたくない、といった要望が発生する場合がある。これは、乗員Pと利用者Uが、家族、友人といった関係になく、移動体Mのドライブフィーリングを確認したい、或いは所望の街の風景を視認したいといったニーズに応える場合を想定したものである。この場合、管理サーバ300のマッチング処理部330または提供部340がマッチングなどの処理を行う際に、そのような制限が設定され、第1制御装置170または第2制御装置270が設定に応じて、視認させない角度範囲をマスクしたり、或いは指向方向φが制限された方向に向かないように補正を行ったりする。また、このような制限に関する情報は、乗員Pのプライバシーに関するものであるため、第1装置100の側で設定されてもよい。
【0101】
また、移動体画像表示装置250は、カメラユニット130が撮像した画像のうち移動体Mの室内の所定物品を写した部分を、コンピュータ処理によって描画された画像(CG画像)に置換して表示してもよい。
図11は、置換画像を表示することの一例を示す図である。図中、OBはナビゲーション表示等を行う表示装置であり、「所定物品」の一例である。表示装置の表示画面を撮像した画像をそのまま表示すると画像がボケたり光の反射で視認性が低下する場合がある。このため、移動体画像表示装置250は、係る表示装置の表示画面を構成するためのデータ、或いは移動体Mにおけるコンピュータ処理によって描画された画像データを第1装置100から取得し、データからコンピュータ処理によって再描画した画像、或いは取得した画像データを、カメラユニット130が撮像した画像(を編集したもの)に埋め込んで表示してもよい。この場合、第1装置100と第2装置200の間で所定物品となる移動体Mの室内の物品の位置について予め共有がされており、移動体画像表示制御部277は、移動体画像表示装置250に表示させる画像に所定物品が含まれるかどうかを例えば指向方向φに基づいて判定し、含まれると判定した場合に上記のように画像の置換を行う。また、「所定物品」は、乗員Pの頭部または顔であってもよい。その場合、乗員Pの表示に応じてアバター等のCG画像が変更されてもよい。なお、上述した画像データ(CG画像)等の少なくとも一部は、管理サーバ300の提供情報DBから提供されてよい。
【0102】
<まとめ>
以上のように構成される情報処理システム1によれば、利用者Uにより利用される第2装置200と通信可能となる移動体Mに搭載された第1装置100が複数ある場合でも、第2装置200と第1装置100の関係を調整しやすくすることができる。また、情報処理システム1によれば、移動体Mの乗員Pと、移動体Mとは異なる場所にいる利用者Uとの双方に与える臨場感を高めることができる。また、実施形態によれば、利用者Uの視認性と乗員Pの安全性を向上させ、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与することができる。実施形態では、利用者Uに対して、助手席S2から見た自身の指向方向φに対応する画像が表示されるので、利用者Uは、あたかも助手席S2に着座して周囲を見渡したような風景を視認することができる。また、第1スピーカ140が、乗員Pに対して、助手席S2から音声が聞こえるように音像定位させて、利用者Uの発し音声を出力することで、乗員Pは、利用者Uが助手席S2に居るような感覚で利用者Uと会話を行うことができる。更に、第2スピーカ240が、利用者Uに対し、助手席S2からみた乗員Pの位置から音声が聞こえるように音像定位させて、乗員Pの発した音声を出力することで、利用者Uは、自身が助手席S2に居るような感覚で乗員Pとの会話を行うことができる。
【0103】
<利用例>
情報処理システム1は、以下のような態様で利用可能である。
【0104】
(A)乗員Pと利用者Uが家族、友人などの関係にあり、バーチャルドライブを利用者Uに提供する態様。利用者Uは、画像を見ながら移動体Mの周囲の風景等について乗員Pと会話することができる。
【0105】
(B)乗員Pが一般利用者、利用者Uが道案内サービス、運転指導サービスなどの提供者である態様。利用者Uは、移動体Mの周囲の風景を見ながらナビゲーション装置では分かりにくい、或いは地図に載っていないような場所における道案内を行ったり、運転操作の指導を行ったりすることができる。
【0106】
(C)乗員Pが有名人、利用者Uが一般利用者であり、商業ベースのバーチャルドライブを利用者Uに提供する態様。この場合、一人の乗員Pに対して複数の利用者Uが同時に対応付けられ、例えば利用者Uの側からの音声の転送はオフに設定されてよい。
【0107】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 情報処理システム
100 第1装置
110 第1通信装置
120 第1マイク
130 カメラユニット
132 室内カメラ
134 室外カメラ
140 第1スピーカ
150 利用者表示装置
160 HMI
170 第1制御装置
190 制御対象機器
200 第2装置
210 第2通信装置
220 第2マイク
230 検知装置
232 指向方向検知装置
234 頭部位置検知装置
236 モーションセンサ
240 第2スピーカ
250 移動体画像表示装置
260 HMI
270 第2制御装置
300 管理サーバ
310 通信装置
315 取得部
320 受付部
330 マッチング処理部
340 提供部
350 記憶部
360 ユーザデータ
M 移動体
P 乗員