(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047630
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】観察サービス提供システム、観察サービス提供方法、観察サービス提供装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2343 20110101AFI20240401BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240401BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N21/2343
H04N7/18 U
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153225
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】久保田 敏之
【テーマコード(参考)】
5C054
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C054AA02
5C054CA04
5C054CC02
5C054CE01
5C054DA07
5C054FE14
5C164FA07
5C164FA25
5C164PA38
5C164SA25S
5C164SB02P
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告や通知が視聴者の視界に自然に入るように表示することができる観察サービス提供システムを提供すること。
【解決手段】遠隔制御により移動するドローン101を含むライブ映像を撮影するライブカメラ102と、ライブ映像を編集するコンテンツサーバ105と、コンテンツサーバ105により編集されたライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づきドローン101を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するWebサーバ106と、前記第1のコンテンツまたは前記第2のコンテンツを受信する端末とを備え、コンテンツサーバ105は、ライブ映像におけるドローン101に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、観察サービス提供システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を撮影する撮影部と、
前記ライブ映像を編集するライブ映像編集部と、
前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部と、
前記第1のコンテンツまたは前記第2のコンテンツを受信する端末と
を備え、
前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、
観察サービス提供システム。
【請求項2】
前記広告画像または前記指定された画像は、前記ライブ映像における前記装置の大きさまたは向きに応じている、請求項1に記載の観察サービス提供システム。
【請求項3】
前記ライブ映像編集部は、
前記ライブ映像における前記装置の大きさが所定の大きさを超えているときは、前記ライブ映像における前記装置の少なくとも一部に前記広告画像または前記指定された画像を重畳し、
前記ライブ映像における前記装置の大きさが前記所定の大きさを超えていないときは、前記ライブ映像における前記装置の外側に前記広告画像または前記指定された画像を重畳する、
請求項2に記載の観察サービス提供システム。
【請求項4】
前記広告画像または前記指定された画像は、前記ライブ映像における前記装置の大きさおよび向きに依らない、請求項1に記載の観察サービス提供システム。
【請求項5】
観察サービス提供システムによる観察サービス提供方法であって、
遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を撮影する第1のステップと、
前記ライブ映像を編集する第2のステップと、
前記第2のステップにより編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツを配信する第3のステップと、
ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツを配信する第4のステップと
を有し、
前記第2のステップにおいて前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、
観察サービス提供方法。
【請求項6】
遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を編集するライブ映像編集部と、
前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部と
を備え、
前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、
観察サービス提供装置。
【請求項7】
コンピュータを
遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を編集するライブ映像編集部、
前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部
として機能させるためのプログラムであって、
前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察サービス提供システム、観察サービス提供方法、観察サービス提供装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物園などの施設を遠隔地から見学できるようにした自動運転車両による遠隔撮像システムがある(例えば、特許文献1)。この遠隔撮像システムでは、利用者により入力された走行操作情報と、撮像操作情報とを自動運転車両に送信する。自動運転車両は、所定の運行範囲内でのみ走行操作情報により移動し、撮像操作情報に基づいて動画撮影を行い、その動画データを端末機器に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遠隔撮像システムにおいては、施設が収益を挙げられるようにするために広告や通知を、自動運転車両が撮影した動画に挿入したり、自動運転車両が撮影した動画とともに表示したりしても、挿入されたものを視聴者がスキップしたり、一緒に表示されたものを視聴者が注視しなかったりなど、広告や通知を視聴者に見てもらえないことがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、広告や通知が視聴者の視界に自然に入るように表示することができる観察サービス提供システム、観察サービス提供方法、観察サービス提供装置、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様は、遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を撮影する撮影部と、前記ライブ映像を編集するライブ映像編集部と、前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部と、前記第1のコンテンツまたは前記第2のコンテンツを受信する端末とを備え、前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、観察サービス提供システムである。
【0007】
本発明の他の一態様は、上述した観察サービス提供システムであって、前記広告画像または前記指定された画像は、前記ライブ映像における前記装置の大きさまたは向きに応じている。
【0008】
本発明の他の一態様は、上述した観察サービス提供システムであって、前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置の大きさが所定の大きさを超えているときは、前記ライブ映像における前記装置の少なくとも一部に前記広告画像または前記指定された画像を重畳し、前記ライブ映像における前記装置の大きさが前記所定の大きさを超えていないときは、前記ライブ映像における前記装置の外側に前記広告画像または前記指定された画像を重畳する。
【0009】
本発明の他の一態様は、上述した観察サービス提供システムであって、前記広告画像または前記指定された画像は、前記ライブ映像における前記装置の大きさおよび向きに依らない。
【0010】
本発明の他の一態様は、観察サービス提供システムによる観察サービス提供方法であって、遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を撮影する第1のステップと、前記ライブ映像を編集する第2のステップと、前記第2のステップにより編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツを配信する第3のステップと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツを配信する第4のステップとを有し、前記第2のステップにおいて前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、観察サービス提供方法である。
【0011】
本発明の他の一態様は、遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を編集するライブ映像編集部と、前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部とを備え、前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、観察サービス提供装置である。
【0012】
本発明の他の一態様は、コンピュータを、遠隔制御により移動する装置を含むライブ映像を編集するライブ映像編集部、前記ライブ映像編集部により編集された前記ライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づき前記装置を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するコンテンツ配信部として機能させるためのプログラムであって、前記ライブ映像編集部は、前記ライブ映像における前記装置に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、広告や通知が視聴者の視界に自然に入るように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の一実施形態による観察サービス提供システム100の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】同実施形態に係るドローン101とライブカメラ102との設置例を示す模式図である。
【
図3】同実施形態に係る第1のコンテンツの表示例G1を示す模式図である。
【
図4】同実施形態に係る第2のコンテンツの表示例G2を示す模式図である。
【
図5】同実施形態に係るコンテンツサーバ105の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】同実施形態に係る広告画像の重畳例を示す模式図である。
【
図7】同実施形態に係る観察サービス提供システム100の動作を説明するフローチャート(その1)である。
【
図8】同実施形態に係る観察サービス提供システム100の動作を説明するフローチャート(その2)である。
【
図9】同実施形態の変形例に係るドローン101の遠隔操作用ページの表示例G9を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態による観察サービス提供システム100の構成を示す概略ブロック図である。観察サービス提供システム100は、ドローン101、ライブカメラ102、管理サーバ103、制御サーバ104、コンテンツサーバ105、Webサーバ106、課金サーバ107、端末108a、・・・108cを備える。ドローン101、ライブカメラ102は、ライブ映像を提供する施設Aに設置される。管理サーバ103、制御サーバ104、コンテンツサーバ105、Webサーバ106、課金サーバ107は、プラットフォーム事業者Bに設置される。
【0016】
なお、これらの装置は、インターネットなどのネットワークを介して、通信可能に接続される。また、これらの装置は、
図1に示した台数と異なっていてもよい。施設Aは、例えば、動物園、水族館などであり、飼育している動物、魚などのインターネットを介した観察サービスを提供する。
図1では、施設Aを一つのみ示したが、複数であってもよい。また、1つの施設に、複数のドローン101とライブカメラ102が設置されていてもよい。プラットフォーム事業者Bは、施設Aが観察サービスを提供するためのプラットフォームを提供する。
【0017】
ドローン101は、ここでは説明の簡易のため、飛行船型ドローンを例に挙げて説明するが、マルチコプタ、水中ドローン、地上走行型ドローン、遠隔制御のクレーンなど、遠隔制御により移動する装置であればよい。ドローン101は、主観視点で撮影するカメラを備えていてもよい。
ライブカメラ102(撮影部)は、客観視点で、ドローン101を含むライブ映像を撮影する。また、ライブカメラ102は、観察サービスを提供するために、動物、魚などの観察サービスの観察対象を同時に撮影する。
【0018】
管理サーバ103は、Webサーバ106へのアクセス状態の記録、後述する広告画像の表示の記録、会員情報の管理を行う。制御サーバ104は、端末108a、・・・、108cのいずれかとWebサーバ106を介したユーザ操作を受け付けて、施設Aに設置された無線通信装置(不図示)などを介してドローン101を制御する。
【0019】
コンテンツサーバ105(ライブ映像編集部)は、ライブカメラ102が撮影したライブ映像を編集する。より具体的には、コンテンツサーバ105は、ライブカメラ102が撮影したライブ映像におけるドローン101に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する。この広告画像は、施設A、あるいは他事業者による広告あるいは通知であり、このユーザにより指定された画像は、ユーザによる誰かへのメッセージ(通知)のための画像である。ユーザは、ドローン101を遠隔制御するユーザであってもよいし、その他のユーザであってもよい。コンテンツサーバ105は、ドローン101が撮影した映像と、編集されたライブ映像とをWebサーバ106を介して端末108a、・・・108cに配信する。また、ライブカメラ102、ドローン101が音声も取得する場合は、コンテンツサーバ105は、これらの映像と音声との同期をおこなってもよい。
【0020】
Webサーバ106(コンテンツ配信部)は、コンテンツサーバ105により編集されたライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づきドローン101を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信する。なお、1つのドローン101を遠隔制御することができるのは、同時には端末108a、・・・108cのうち1つのみである。また、Webサーバ106は、施設Aに設置された施設端末(不図示)から、ドローン101の遠隔制御への割り込みを行うためのWebページ、ドローン101が移動可能な範囲の設定を行うためのWebページ、施設Aが公開するWebページ(第1のコンテンツおよび第2のコンテンツを含む)の設定を行うためのWebページを、施設端末に配信してもよい。
【0021】
課金サーバ107は、端末108a、・・・108cのユーザに対する課金処理を行う。例えば、上述した、ライブ映像へのユーザにより指定された画像の重畳に関するユーザへの課金処理を行う。
端末108a、・・・108cは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどのWebブラウザを備えたコンピュータであり、Webサーバ106から第1のコンテンツ、または第2のコンテンツを取得して、表示する。また、端末108a、・・・108cは、第2のコンテンツを表示しているときは、ドローン101を遠隔制御するためのユーザ操作を受け付ける。
【0022】
図2は、本実施形態に係るドローン101とライブカメラ102との設置例を示す模式図である。
図2の例では、ドローン101は、動物Cが飼育されている柵201内を移動可能である。ライブカメラ102aと、ライブカメラ102bが柵201の外側あるいは内側に設置されており、ドローン101と動物Cとを含むライブ映像を撮影している。なお、ユーザ操作による遠隔制御では、ドローン101の移動範囲が限定されており、柵201の外へ移動させる制御は、制御サーバ104またはドローン101が無効とするようにしてもよい。
【0023】
図3は、本実施形態に係る第1のコンテンツの表示例G1を示す模式図である。
図3に示すように、第1のコンテンツの表示例G1は、コンテンツサーバ105により編集されたライブ映像を含む。ライブ映像には広告画像である広告Dが重畳されたドローン画像G11、動物画像G12が含まれている。このように、ユーザが視聴する第1のコンテンツ中のライブ映像には、ドローン101に広告Dが重畳されたドローン画像G11が含まれている。これにより、ドローン101の操作、あるいは動物Cに興味を持って第1のコンテンツを視聴しているユーザの視界に、自然に広告Dが入るようにすることができる。さらに、コンテンツサーバ105は、エンベロープサイズを示す画像G13を、ドローン101の位置に応じて、ライブ映像に重畳するようにしてもよい。これにより、ドローン101あるいは動物Cまでの距離感、あるいはこれらのサイズ感を、第1のコンテンツを視聴しているユーザが掴みやすくなる。
【0024】
また、表示例G1には、カメラ選択ボタンB11、操作ページボタンB12、動物選択ボタンB13を備える。カメラ選択ボタンB11は、
図2におけるライブカメラ102aが撮影した映像と、ライブカメラ102bが撮影した映像とを切り替えるためのボタンである。操作ページボタンB12は、第2のコンテンツを表示させるためのボタンである。動物選択ボタンB13は、他の動物に関する第1のコンテンツを表示させるためのボタンである。
【0025】
図4は、本実施形態に係る第2のコンテンツの表示例G2を示す模式図である。
図4に示すように、第2のコンテンツの表示例G2は、ドローン101の遠隔制御に用いられる。表示領域G21は、ユーザがドローン101を遠隔制御可能な時間の残りを表示する領域である。なお、Webサーバ106は、ライブ映像中のドローン101の大きさが、所定の大きさを超えているときは、この残り時間を減らさない、あるいは、残り時間を増加させるなどしてもよい。これにより、第1のコンテンツにおいて、ドローン101が大きく表示され広告画像が視認し易くなっている状態を増やすことができる。
【0026】
表示領域G22は、ドローン101が備えるカメラが撮影した主観視点の映像を表示する領域である。表示領域G23は、ドローン101を遠隔制御するための上昇ボタンB21、下降ボタンB22、前進ボタンB23、後進ボタンB24、左旋回ボタンB25、右旋回ボタンB26を表示する領域である。これらのボタンを押下することでユーザは、ドローン101を遠隔制御することができる。なお、表示例G2では、ディスプレイに表示されたボタンを、マウスなどを用いたクリック、タッチパネルを用いたタップなどにより、ユーザ操作の入力を行っているが、十字キー、操作スティック、ボタンなどを備えたコントローラによりユーザ操作の入力を行ってもよい。
【0027】
図5は、本実施形態に係るコンテンツサーバ105の動作例を示すフローチャートである。
図5に示す動作例は、ライブ映像に広告画像を重畳する処理のフローチャートである。まず、コンテンツサーバ105は、広告画像を取得する(ステップS1)。コンテンツサーバ105は、この広告画像を、ライブ映像を視聴するユーザの年齢、性別などの属性を示す情報、嗜好を示す情報に基づき決定してもよい。
【0028】
次に、コンテンツサーバ105は、ライブカメラ102からライブ映像の1フレームを取得する(ステップS2)。次に、コンテンツサーバ105は、取得した1フレーム中のドローン101の画像を検出する(ステップS3)。次に、コンテンツサーバ105は、検出したドローン101の画像に応じた位置に、広告画像を重畳する(ステップS4)。このドローン101の画像に応じた位置は、後述するように、ドローン101の画像と重なっていてもよいし、ドローン101と重なっていなくてもよい。また、ドローン101の向き、あるいは大きさに応じて、広告画像がドローン101の表面に記載されている場合と同様になるように、広告画像を変形するようにしてもよいし、変形しないようにしてもよい。
【0029】
次に、コンテンツサーバ105は、ライブ映像に広告画像を重畳する処理を終了するか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、コンテンツサーバ105は、第1のコンテンツの配信を終了するか否かを判定する。終了しないと判定したときは(ステップS5-No)、コンテンツサーバ105は、ステップS2に戻る。終了すると判定したときは(ステップS5-Yes)、コンテンツサーバ105は、処理を終了する。
【0030】
なお、ユーザが、課金済みであるなど、所定の条件を満たしているときは、ステップS1、S4における広告画像を、ユーザが指定した画像にしてもよい。また、Webサーバ106は、ドローン101を遠隔制御したユーザが、ユーザ自身が遠隔制御を行っていた間の編集されたライブ映像、すなわち、広告画像またはユーザが指定した画像が重畳されたライブ映像のファイルを、端末108a、・・・108cにダウンロードできるようにしてもよい。
【0031】
図6は、本実施形態に係る広告画像の重畳例を示す模式図である。画像G31は、ドローン101の少なくとも一部に広告画像である広告Dが重畳されている例である。なお、広告画像の一部が、ドローン101の画像の外側にあってもよい。画像G32は、広告画像が、ドローン101の大きさおよび向きに依らない場合の例である。画像G32では、ドローン101が傾いても、広告画像である広告Dの向きが水平のままである。なお、
図6では、ドローン101は、画像面に対して垂直な軸回りに回転しているが、その他の軸回りの回転であっても同様にしてよい。このようにすることで、第1のコンテンツを視聴しているユーザは、ドローン101の向きが変わってしまっても、広告画像を容易に視認することができる。
【0032】
画像G33は、ドローン101の向きが変わったときに、広告画像である広告Dの向きが変わる場合の例である。このようにすることで、第1のコンテンツを視聴しているユーザにとって、広告画像への違和感が少なくなるため、該ユーザは、広告画像に邪魔されずに、ドローン101の動きを楽しむことができる。
【0033】
画像G34は、ドローン101の外側に広告画像である広告Dを重畳する場合の例である。なお、ドローン101のライブ映像中での大きさが、所定の大きさを超えているときには、画像G31のようにし、所定の大きさを超えていないときに、画像G34のようにしてもよい。ここで、ドローン101のライブ映像中での大きさは、ドローン101の画像の面積であってもよいし、ドローン101の所定の方向の長さであってもよい。このようにすることで、ドローン101がライブ映像中で小さくなったときに、広告画像が視認できなくなるのを防ぐことができる。
【0034】
画像G35は、ドローン101のライブ映像中での大きさに合わせて、広告画像である広告Dの大きさも変える場合の例である。このようにすることで、ライブ映像中でドローン101が大きく表示されたときに、第1のコンテンツを視聴しているユーザが広告画像を容易に視認できるようになる。なお、この画像G35の場合も、画像G33と同様に、ドローン101の向きが変わったときに、広告画像である広告Dの向きも変わるようにしてもよい。
なお、ユーザにより指定された画像を重畳する場合も、画像G31、G32、G33、G34、G35と同様にしてもよい。
【0035】
図7および
図8は、本実施形態に係る観察サービス提供システム100の動作を説明するフローチャートである。
図7および
図8において、端末108は、
図1における端末108a、・・・108cのうちのいずれかである。まず、ドローン101を用いた動物などの観察サービスを提供する前に、施設Aの担当者の操作指示により施設端末は、管理サーバ103に、ドローン101の観察場所(例えば、
図2の柵201内)への移動を指示する(ステップSc1)。管理サーバ103は該指示に従い、制御サーバ104を介してドローン101に、外部制御による運転をさせる(ステップSb1)。すなわち、ドローン101は、ステップSc1の指示に従い、観察場所まで移動する。移動したドローン101は、自動運転を開始する(ステップSb2)。自動運転の間、ドローン101は、衝突回避プログラムが作動しており、かつ、制御命令待ち状態となっている。
【0036】
また、ユーザ操作により端末108がWebサーバ106の一般公開ページ(第1のコンテンツ)へのアクセス・閲覧を要求する(ステップSf1)。Webサーバ106は、観察サービスの提供時間前のため、予め用意されていた録画映像などを配信する(ステップSe1)。時間が経過し、観察サービスの提供時間となると、施設Aの担当者の施設端末への操作指示により管理サーバ103が、Webサーバ106に対して、ライブ映像のWeb公開を指示し(ステップSc2)、さらに、外部遠隔操作の受付開始を指示する(ステップSc3)。これらの指示を受けると、Webサーバ106は、ライブカメラ102からのライブ映像、および自動運転しているドローン101からのライブ映像を、コンテンツサーバ105を介して取得し、いずれかを端末108に配信し(ステップSe2)、さらに、遠隔操作の受付開始を表示するWebページも配信する(ステップSe3)。端末108は、Webサーバ106が配信したライブカメラ102からのライブ映像、または自動運転しているドローン101からのライブ映像を表示する(ステップSf2)。
【0037】
端末108が、ステップSe3の配信を受けて、遠隔操作の受付開始を表示すると、ユーザはドローン101の遠隔操作のエントリーを申し込む操作(第2のコンテンツを要求する操作)を端末108に対して行う(ステップSg1)。端末108は、Webサーバ106に対して遠隔操作のエントリー情報を送信し、Webサーバ106は該エントリー情報を管理サーバ103に送信する。このエントリー情報は、ユーザの施設Aの会員IDなどを含んでいてもよい。管理サーバ103は、このエントリー情報を受けてエントリー審査を行い(ステップSc4)、エントリー審査の結果を通知する(ステップSc5)。ドローン101が誰にも遠隔制御されておらず、このエントリー審査の結果が許可の場合は、例えば、会員IDに対応するメールアドレス宛に、遠隔操作用のワンタイムパスワードが送信される。
【0038】
ユーザ操作により、端末108は、遠隔操作用のワンタイムパスワードを用いて、遠隔操作用のページ(第2のコンテンツ)へのエントリーを行う(ステップSg2)。既に、ステップSd1により第2のコンテンツの公開を開始しているWebサーバ106は、ステップSg2のエントリーを受け付け、遠隔操作用のページを端末108に配信する。端末108は、ドローン101の遠隔操作用のページ(第2のコンテンツ)を表示し、ユーザ操作によるドローン101の制御命令をWebサーバ106に送信する(ステップSg3)。この制御命令は、Webサーバ106、及び制御サーバ104(不図示)を介して、ドローン101に送信される。ドローン101は、この制御命令により、すなわち外部制御により運転される(ステップSb3)。
【0039】
Webサーバ106は、ドローン101が端末108からの操作により、すなわち外部操作者により運転されている間、ドローン101のカメラからの映像(第2のコンテンツ)を端末108に配信する(ステップSd2)。また、並行して、Webサーバ106は、ライブカメラ102からのライブ映像に広告画像が重畳された第1のコンテンツを、ドローン101を操作していない、その他のユーザの端末108に配信する(ステップSe4)。また、後述する変形例のように、遠隔操作用のページに第1のコンテンツを含める場合は、Webサーバ106は、ドローン101を遠隔操作しているユーザの端末108にも、第1のコンテンツを配信する。なお、ドローン101は、端末108からの操作により運転されている間も、観察対象の動物などへの衝突の危険を検出したときは、遠隔制御に対する強制割り込みにより、衝突回避動作を行う(ステップSb4)。
【0040】
ユーザによる遠隔操作の時間が終了すると、Webサーバ106は、端末108に操作時間終了のメッセージを表示させる(ステップSd3)。端末108は、Webサーバ106から取得するコンテンツを、第1のコンテンツに切り替える。管理サーバ103は、制御サーバ104を介してドローン101に自動運転を指示し(ステップSc6)、ドローン101は、自動運転状態となる(ステップSb5)。Webサーバ106は、ドローン101が自動運転されている間、ライブカメラ102からのライブ映像に、広告画像が重畳された第1のコンテンツ、あるいは、予め録画されていた映像を配信する(ステップSe5)。
【0041】
観察サービスの提供時間内であれば、管理サーバ103は、ステップSc3に戻って、外部遠隔操作の受付を開始する。観察サービスの終了時間であれば、管理サーバ103は、Webサーバ106にライブ映像の公開終了を指示する(ステップSc7)。また、管理サーバ103は、制御サーバ104を介してドローン101に、回収場所への移動など、観察サービスの終了のための移動指示をする(ステップSc8)。ドローン101は、該移動指示を受けて移動する(ステップSb6)。
【0042】
<変形例>
上述の実施形態の変形例として、ドローン101の遠隔操作用ページが、第2のコンテンツに加えて、第1のコンテンツを含んでいてもよい。
図9は、実施形態の変形例に係る遠隔操作用ページの表示例G9を示す模式図である。
図9の表示例G9において、
図4の各部に対応する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。表示領域G92は、
図4の表示領域G22と同様に、ドローン101が備えるカメラが撮影した主観視点の映像を表示する領域であるが、PinP(ピクチャインピクチャ)となっている表示領域G93を含む。表示領域G93は、広告画像が重畳されたライブ映像を表示する領域である。なお、表示例G9では、広告画像が重畳されたライブ映像を、PinP形式で表示領域G92内に表示していたが、別の領域に表示するようにしてもよい。
【0043】
なお、上述の実施形態および変形例において、ライブ映像への広告画像の重畳は、コンテンツサーバ105が行っているが、端末108a、108b、108cがライブ映像編集部を備え、端末108a、108b、108cが行うようにしてもよい。この場合、Webサーバ106は、第1のコンテンツとしてライブ映像と広告画像とを別々に送信し、これらを受信した端末108a、108b、108cにおいて、ライブ映像編集部が、ライブ映像への広告画像の重畳を行う。広告画像ではなく、ユーザにより指定された画像の場合も同様である。
また、管理サーバ103、制御サーバ104、コンテンツサーバ105、Webサーバ106の各々は、1つまたは複数のコンピュータにより実現されてもよいし、これらのうちの複数が1つのコンピュータにより実現されてもよい。例えば、コンテンツサーバ105と、Webサーバ106とで、観察サービス提供装置を構成してもよい。また、観察サービス提供装置は、管理サーバ103または制御サーバ104をさらに含んでもよい。
【0044】
このように、本実施形態における観察サービス提供システム100は、遠隔制御により移動するドローン101を含むライブ映像を撮影するライブカメラ102と、ライブ映像を編集するライブ映像編集部と、ライブ映像編集部により編集されたライブ映像を表示するための第1のコンテンツと、ユーザ操作に基づきドローン101を遠隔制御するための第2のコンテンツとを配信するWebサーバ106と、第1のコンテンツまたは第2のコンテンツを受信する端末108a、108b、108cとを備え、ライブ映像編集部は、ライブ映像におけるドローン101に応じた位置に、広告画像またはユーザにより指定された画像を重畳する。
【0045】
これにより、重畳される画像は、ドローン101に応じた位置となるため、広告や通知が視聴者の視界に自然に入るように表示することができる。
【0046】
また、
図1における管理サーバ103、制御サーバ104、コンテンツサーバ105、Webサーバ106、課金サーバ107、端末108a、108b、108cの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりこれらの装置を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0047】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0048】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100 観察サービス提供システム
101 ドローン
102 ライブカメラ
103 管理サーバ
104 制御サーバ
105 コンテンツサーバ
106 Webサーバ
107 課金サーバ
108a、108b、108c 端末