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特開2024-47631ガイドワイヤ、および、ガイドワイヤの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024047631
(43)【公開日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ、および、ガイドワイヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61M25/09 510
A61M25/09 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022153228
(22)【出願日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 靖尚
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA29
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB38
4C267CC09
4C267EE01
4C267GG22
4C267GG23
4C267GG24
4C267HH02
4C267HH08
(57)【要約】
【課題】ガイドワイヤの回転耐久性を向上させる。
【解決手段】ガイドワイヤは、第1のシャフトと、先端が第1のシャフトの基端に接合され、かつ、第1のシャフトを形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフトと、を備える。第2のシャフトは、第2のシャフトの先端の側から第2のシャフトの基端の側に向かうにつれて硬度が低下していく硬度低下部分を有する。硬度低下部分の先端側の硬度に対する、硬度低下部分の基端側の硬度の低下率は、30%以上である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシャフトと、先端が前記第1のシャフトの基端に接合され、かつ、前記第1のシャフトを形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフトと、を備えるガイドワイヤであって、
前記第2のシャフトは、
前記第2のシャフトの先端の側から前記第2のシャフトの基端の側に向かうにつれて硬度が低下していく硬度低下部分を有し、
前記硬度低下部分の先端側の硬度に対する、前記硬度低下部分の基端側の硬度の低下率は、30%以上である、
ガイドワイヤ。
【請求項2】
請求項1に記載のガイドワイヤであって、
前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの接合体に対して回転耐久性試験を行った際、前記第2のシャフトのうち、前記硬度低下部分または前記硬度低下部分の基端側で破断する、
ガイドワイヤ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤであって、
前記第2のシャフトは、前記硬度低下部分よりも先端側に位置し、硬度が実質的に変化しない硬度平坦部分を有する、
ガイドワイヤ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガイドワイヤであって、
前記ガイドワイヤの軸方向において、前記第2のシャフトのうち、前記硬度低下部分の先端から、前記硬度低下部分の基端側に位置し、前記硬度低下部分の先端の硬度と実質的に同じ硬度を有する部分までの第1の距離は、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの接合部から前記硬度低下部分の先端までの第2の距離よりも長い、
ガイドワイヤ。
【請求項5】
ガイドワイヤの製造方法であって、
第1のシャフト部材と、前記第1のシャフト部材を形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフト部材とを準備する工程と、
前記第1のシャフト部材の基端と前記第2のシャフト部材の先端とを接合する工程と、
第2のシャフト部材のうち、前記第1のシャフト部材と前記第2のシャフト部材との接合部よりも前記第2のシャフト部材の基端の側に位置する部分に加熱処理を施して軟化させる工程と、
を含む、ガイドワイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、ガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
血管等における狭窄部や閉塞部(以下、「病変部」という。)を治療または検査する方法として、カテーテルを用いた方法が広く行われている。一般に、カテーテルを血管等における病変部に案内するために、ガイドワイヤが用いられる。ガイドワイヤの中には、第1のシャフトと、先端が第1のシャフトの基端に接合され、かつ、第1のシャフトを形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフトと、を備えるものが知られている。具体的には、第2のシャフトが、第1のシャフトよりも高い弾性率を示す材料により形成されたガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。このガイドワイヤでは、第2のシャフトの先端側の部分に、第1のシャフトよりも横断面積が小さい小断面積部分を有する構成とすることで、第1のシャフトと第2のシャフトとの境界部への応力集中が防止または緩和され、耐キンク性が向上するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-230141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のガイドワイヤでは、そのガイドワイヤを回転させた際の破断について検討されていない。また、小断面積部分を有することが必須であるため、例えばガイドワイヤやシャフトの形状に制約が生じたり、小断面積部分を形成するための高度な加工が必要になったりするなどの問題が生じるおそれがある。
【0005】
本明細書では、従来構成とは異なる構成により、ガイドワイヤの回転耐久性の向上を図ることが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示されるガイドワイヤは、第1のシャフトと、先端が前記第1のシャフトの基端に接合され、かつ、前記第1のシャフトを形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフトと、を備えるガイドワイヤであって、前記第2のシャフトは、前記第2のシャフトの先端の側から前記第2のシャフトの基端の側に向かうにつれて硬度が低下していく硬度低下部分を有し、前記硬度低下部分の先端側の硬度に対する、前記硬度低下部分の基端側の硬度の低下率は、30%以上である。
【0008】
本ガイドワイヤでは、第2のシャフトが硬度低下部分を有するため、ガイドワイヤを回転させた際、第1のシャフトと第2のシャフトとの接合部付近に生じ得る応力が分散される。このため、本ガイドワイヤによれば、例えば第2のシャフトが硬度低下部分を有しない構成に比べて、ガイドワイヤの回転耐久性を向上させることができる。
【0009】
(2)上記ガイドワイヤにおいて、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの接合体に対して回転耐久性試験を行った際、前記第2のシャフトのうち、前記硬度低下部分又は硬度低下部分の基端側で破断する構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、ガイドワイヤを回転させた際、第1のシャフトと第2のシャフトとの接合部で破断することを抑制することができる。
【0010】
(3)上記ガイドワイヤにおいて、前記第2のシャフトは、前記硬度低下部分よりも先端側に位置し、硬度が実質的に変化しない硬度平坦部分を有する構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1のシャフトと第2のシャフトとの接合部と、硬度低下部分との間に硬度平坦部分が介在することにより、接合部付近での応力をより効果的に分散させることができる。
【0011】
(4)上記ガイドワイヤにおいて、前記ガイドワイヤの軸方向において、前記第2のシャフトのうち、前記硬度低下部分の先端から、前記硬度低下部分の基端側に位置し、前記硬度低下部分の先端の硬度と実質的に同じ硬度を有する部分までの第1の距離は、前記第1のシャフトと前記第2のシャフトとの接合部から前記硬度低下部分の先端までの第2の距離よりも長い構成としてもよい。本ガイドワイヤによれば、第1の距離が第2の距離以下である構成に比べて、第1のシャフトと第2のシャフトとの接合部付近に生じ得る応力を、より効果的に分散させることができる。
【0012】
(5)本明細書に開示されるガイドワイヤの製造方法は、ガイドワイヤの製造方法であって、第1のシャフト部材と、前記第1のシャフト部材を形成する材料とは異なる材料により形成された第2のシャフト部材とを準備する工程と、前記第1のシャフト部材の基端と前記第2のシャフト部材の先端とを接合する工程と、第2のシャフト部材のうち、前記第1のシャフト部材と前記第2のシャフト部材との接合部よりも前記第2のシャフト部材の基端の側に位置する部分に加熱処理を施して軟化させる工程と、を含む。本ガイドワイヤの製造方法によれば、回転耐久性が向上したガイドワイヤを製造することができる。なお、前記接合する工程の後に、前記軟化させる工程を実施することが、第1のシャフト部材と第2のシャフト部材との接合部における接合強度等を担保する観点で好ましいが、軟化させる工程の後に、接合する工程を実施してもよい。
【0013】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ガイドワイヤやその製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるガイドワイヤ100の構成を概略的に示す説明図
図2】コアシャフト10の接合部付近におけるビッカース硬度を示す説明図
図3】ガイドワイヤ100の製造過程を示すフローチャート
図4】先端シャフト部材12Pと基端シャフト部材14Pとを模式的に示す説明図
図5】回転耐久性試験による性能評価結果を示す説明図
図6】第2実施形態におけるコアシャフト10の接合部付近におけるビッカース硬度を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.第1実施形態:
A-1.ガイドワイヤ100の構成:
図1は、本実施形態におけるガイドワイヤ100の構成を概略的に示す説明図である。図1では、ガイドワイヤ100のうち、コアシャフト10の側面(YZ側面)構成と、コイル体20および先端チップ30の縦断面(YZ断面)とが示されている。図1において、Z軸正方向側が、体内に挿入される先端側(遠位側)であり、Z軸負方向側が、医師等の手技者によって操作される基端側(近位側)である。図1では、ガイドワイヤ100が全体としてZ軸方向に略平行な直線状となった状態を示しているが、ガイドワイヤ100は湾曲させることができる程度の柔軟性を有している。なお、以下において、ガイドワイヤ100及びガイドワイヤ100の各構成部材について、先端およびその近傍を「先端部」といい、基端およびその近傍を「基端部」という。
【0016】
ガイドワイヤ100は、例えば血管等における病変部(狭窄部や閉塞部)にカテーテル(図示しない)を案内するために、血管等に挿入される医療用デバイスである。ガイドワイヤ100の軸方向の長さは、例えば150cm以上、300cm以下程度である。
【0017】
図1に示すように、ガイドワイヤ100は、コアシャフト10と、コイル体20と、先端チップ30と、基端側接合部40と、を備える。
【0018】
コアシャフト10は、先端側が細径であり、基端側が太径である長尺状の部材である。本実施形態において、コアシャフト10は、先端シャフト12と、基端シャフト14と、を有している。先端シャフト12は、特許請求の範囲における第1のシャフトの一例であり、基端シャフト14は、特許請求の範囲における第2のシャフトの一例である。
【0019】
先端シャフト12は、細径部11と、太径部13と、テーパ部15とを有している。なお、図1では、太径部13の一部の図示が省略されている。細径部11は、コアシャフト10の先端を含む部分である。細径部11は、横断面が円形である棒状をなしている。横断面とは、コアシャフト10の軸方向(本実施形態では、Z軸方向)に直交する断面(本実施形態では、XY断面)である。なお、本実施形態では、コアシャフト10の軸方向は、ガイドワイヤ100の軸方向と一致している。太径部13は、細径部11に対してコアシャフト10の基端の側に位置し、横断面が細径部11より外径が大きい円形である棒状をなしている。テーパ部15は、細径部11と太径部13との間に位置している。テーパ部15は、細径部11との境界位置から太径部13との境界位置に向けて外径が徐々に大きくなっている。細径部11の外径は、例えば0.03mm以上、0.085mm以下程度であり、太径部13の外径は、例えば0.2以上、0.9mm以下程度である。なお、コアシャフト10の各部の横断面の形状は、特に限定されるものではなく、例えば三角形や四角形などの多角形であってもよい。
【0020】
基端シャフト14は、先端シャフト12に対してコアシャフト10の基端の端に位置しており、先端シャフト12の基端と基端シャフト14の先端とが溶接により接合されている。基端シャフト14は、横断面が、先端シャフト12の太径部13と外径が略同一の円形である棒状をなしている。なお、先端シャフト12の軸方向の長さは、10cm以上、50cm以下程度であり、基端シャフト14の軸方向の長さは、100cm以上、200cm以下程度である。
【0021】
コアシャフト10を形成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば、金属材料、より具体的には、ステンレス鋼(SUS302、SUS304、SUS316等)、Ni-Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、ニッケル-クロム系合金、コバルト基合金(例えば、Co-Ni-Cr系合金、Co-Cr-Ni-Mo系合金、Co-Cr-W-Ni系合金、Co-Cr-Mo系合金、Co-Ni-Cr-Mo-W-Fe系合金等のCo-Cr系合金)、タングステン等が使用され、特に、ステンレス鋼またはCo-Cr系合金が好ましい。Co-Cr系合金としては、少なくともCoとNiとCrとを含む合金が好ましく、9~37wt%Ni-10~30wt%Cr-残部Coの組成から成る合金や、残部Coの一部が他の元素で置換された合金が好ましい。なお、Co、Ni、Cr以外の元素を含む場合、その(置換元素全体の)含有量は30wt%以下であるのが好ましい。
【0022】
本実施形態では、基端シャフト14を形成する材料の弾性率は、先端シャフト12を形成する材料の弾性率よりも高い。本実施形態では、例えば、先端シャフト12を形成する材料はNi-Ti合金であり、基端シャフト14を形成する材料は、ステンレス鋼またはCo-Cr系合金である。
【0023】
図1に示すように、コイル体20は、例えば、1本の素線を螺旋状に巻回することにより中空円筒状に形成したコイル状の部材である。本実施形態において、コイル体20は、コアシャフト10の先端部(具体的には、細径部11と、テーパ部15と、太径部13の一部)の外周を取り囲むように配置されている。コアシャフト10とコイル体20との間には、内腔Hが形成されている。コイル体20の全長は、例えば10mm以上、500mm以下程度であり、コイル体20の外径は、例えば0.2mm以上、0.9mm以下程度である。
【0024】
コイル体20を構成する形成材料としては、公知の材料が使用され、例えば金属材料、より具体的には、白金、ステンレス鋼(SUS302、SUS304、SUS316等)、Ni-Ti合金等の超弾性合金、ピアノ線、Ni-Cr系合金、コバルト基合金(Co-Cr系合金等)、タングステン等が使用される。
【0025】
先端チップ30は、コアシャフト10の先端部とコイル体20の先端部とを接合する部材である。先端チップ30の内部に、コアシャフト10の先端とコイル体20の先端とが埋め込まれるようにして固着されている。先端チップ30の先端側の外周面は、滑らかな面(例えば、略半球面および円柱面)となっている。先端チップ30を構成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば、ロウ材(アルミニウム合金ロウ、銀ロウ、金ロウ等)、金属ハンダ(Ag-Sn合金、Au-Sn合金等)、接着剤(エポキシ系接着剤等)等が使用される。本実施形態では、先端チップ30を構成する材料として、Ag-Sn合金が使用されている。
【0026】
基端側接合部40は、コアシャフト10の先端シャフト12の基端側(太径部13)とコイル体20の基端側とを接合する部材である。基端側接合部40を構成する材料としては、公知の材料が使用され、例えば、ロウ材(アルミニウム合金ロウ、銀ロウ、金ロウ等)、金属ハンダ(Ag-Sn合金、Au-Sn合金等)、接着剤(エポキシ系接着剤等)等が使用される。本実施形態では、基端側接合部40を構成する材料として、Ag-Sn合金が使用されている。
【0027】
A-2.コアシャフト10の接合部付近の詳細構成:
図2は、コアシャフト10の接合部付近におけるビッカース硬度を示す説明図である。図2では、縦軸がビッカース硬度(Hv)であり、横軸がコアシャフト10の軸方向における接合界面からの相対距離である。横軸における「0」は、コアシャフト10の接合界面(先端シャフト12と基端シャフト14との接合部位)の位置を意味する。図2において、接合界面を基準として左側には、先端シャフト12におけるビッカース硬度が示されており、接合界面を基準として右側には、基端シャフト14におけるビッカース硬度が示されている。
【0028】
図2中の複数のプロット(四角印)は、それぞれ、コアシャフト10の各測定位置でのビッカース硬度を示す。複数のプロットの測定位置は、コアシャフト10の軸方向において、コアシャフト10の接合界面から50μmの位置と、当該位置から追加通電部80の手前まで100μm間隔の複数の位置と、後述する追加通電により形成された追加通電部80における200μm間隔の複数の位置である。グラフGは、複数のプロットを結んだグラフであり、本実施形態のガイドワイヤ100のビッカース硬度を示している。
【0029】
なお、コアシャフト10の各部位におけるビッカース硬度の測定方法は、以下の通りである。ビッカース硬度の測定は、JIS2244に準ずる方法で行う。本実施形態では、コアシャフト10の各部位の中心部(中心軸付近)におけるビッカース硬度を測定し、各部位の硬度とする。すなわち、コアシャフト10の接合部付近の試験片を、軸方向に沿って切断し、中心部を含む縦断面(YZ断面)を得る。そして、四角錐状の圧子を、試験片の縦断面に一定の荷重(試験力:F(N)、0.1N/秒)で押し付けた後、圧子を取り除いたときにできる圧痕(窪み)における対角線の平均長さd(mm)を測定する。試験力Fと対角線の平均長さdを以下の式に代入して計算することにより、ビッカース硬度を決定する。なお、本試験で用いた荷重(試験力)は1Nである。荷重(試験力)は1Nであることが好ましく、1N以下の荷重で測定されたビッカース硬度をマイクロビッカース硬度と呼ぶ場合がある。
ビッカース硬度=0.01891×F/d
【0030】
図2に示すように、基端シャフト14は、硬度低下部分68を有している。硬度低下部分68は、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に向かうにつれて硬度が連続的に低下していく部分である。硬度低下部分68の先端側の硬度(V1)に対する、硬度低下部分68の基端側の硬度(V2)の低下率(以下、「硬度低下部分68の低下率」という)は、30%以上である。換言すれば、硬度低下部分68の先端側の硬度(V1)に対する、硬度低下部分68の基端側の硬度(V2)の比率は、70%以下である。硬度低下部分68の低下率は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。また、ガイドワイヤ100の復元性(変形状態から変形前の状態に復帰する性能)の維持向上の観点から、硬度低下部分68の低下率は、80%以下であることが好ましい。硬度低下部分68は、例えば、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に100μm間隔で硬度を測定した際に、硬度が連続的に低下していく部分であってもよい。また、硬度低下部分68の先端側の硬度(V1)は、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に100μm間隔で硬度を測定した際に、硬度が連続的に低下する始点の測定点の硬度であればよく、当該始点に対して100μm先端側の測定点の硬度は、上記始点の硬度と同じか始点の硬度よりも低くなる。硬度低下部分68の基端側の硬度(V2)は、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に100μm間隔で硬度を測定した際に、硬度が連続的に低下する終点の測定点の硬度であればよく、当該終点に対して100μm基端側の測定点の硬度は、上記終点の硬度と同じか終点の硬度よりも高くなる。
【0031】
硬度低下部分68の先端側の硬度は、先端シャフト12の硬度よりも高く、基端シャフト14の母材(基端シャフト14のうちの未熱処理部分(基端シャフト14の基端側の部分))の硬度と略同一(V1)であることが好ましい。なお、本明細書において「硬度が略同一である」とは、硬度(ビッカース硬度)の差が30Hv以下であることをいう。硬度低下部分68の基端側の硬度(V2)は、基端シャフト14の母材の硬度より低い。なお、ガイドワイヤ100の軸方向において、追加通電により形成される第1の距離D1の長さは、基端シャフト14の直径D(図1参照)よりも長いことが好ましい。本実施形態では、第1の距離D1は、例えば1000μm以上が好ましく、より好ましくは2000μm以上である。第1の距離D1の上限値は限定されないが、例えば、20000μmであり、コアシャフト10の復元性を良好にする観点から10000μm以下が好ましく、5000μm以下がより好ましい。
【0032】
ガイドワイヤ100は、先端シャフト12と基端シャフト14との接合体に対して回転耐久性試験を行った際、基端シャフト14のうち、硬度低下部分68または硬度低下部分68の基端側で破断する。ここで、回転耐久性試験は、次のようにして行う。まず、曲率R15のU字状の溝に、上記接合体を挿入して、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部が、溝におけるR15の円弧部分の中心に位置するように配置する。次に、接合体のうち、溝からはみ出している一端部を固定し、溝からはみ出している他端部において、溝から100mm離間した部分を、回転速度3000rpmで、接合体の軸回りに回転させる。
【0033】
基端シャフト14は、更に、第1の硬度平坦部分67を有している。第1の硬度平坦部分67は、特許請求の範囲における硬度平坦部分の一例である。第1の硬度平坦部分67は、硬度低下部分68よりも先端側に位置し、硬度が実質的に変化しない部分である。本実施形態では、第1の硬度平坦部分67は、追加通電及び接合時の熱影響を実質的に受けておらず、基端シャフト14の母材の硬度と略同一である部分である。第1の硬度平坦部分67は、基端シャフト14の母材の硬度との差が30Hv以下である部分ということもできる。図2の例では、第1の硬度平坦部分67の基端は、硬度低下部分68の先端に隣接している。第1の硬度平坦部分67の硬度は、硬度低下部分68の先端側の硬度と略同一(V1)である。また、ガイドワイヤ100の軸方向において、接合界面から第1の硬度平坦部分67の先端までの第2の距離L2は、500μm以下であることが好ましい。なお、第2の距離L2は、1000μm以下でもよいし、2000μm以下でもよい。第2の距離L2の下限値は限定されず、例えば、10μmであってもよく、50μmであってもよい。第1の硬度平坦部分67の先端から基端までの距離(D2-L2)は、10μm以上であってもよく、100μm以上であることが好ましい。上記距離(D2-L2)の上限値は特に限定されず、例えば10000μmであってもよいが、コアシャフト10の復元性を良好にする観点からは2000μmが好ましく、1000μmがより好ましい。
【0034】
基端シャフト14は、更に、第1の硬度上昇部分66を有している。第1の硬度上昇部分66は、硬度低下部分68よりも先端側に位置し、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に向かうにつれて硬度が連続的に増加していく部分である。図2の例では、第1の硬度上昇部分66の先端は、コアシャフト10の接合界面に隣接しており、第1の硬度上昇部分66の基端は、第1の硬度平坦部分67の先端に隣接している。第1の硬度上昇部分66の先端側の硬度は、コアシャフト10の接合界面の硬度と略同一(V3)である。第1の硬度平坦部分67の基端側の硬度は、硬度低下部分68の先端側の硬度と略同一(V1)である。なお、図2の例に示すように、第1の硬度上昇部分66の硬度の勾配は、第1の硬度平坦部分67の硬度の勾配より大きくてもよい。
【0035】
基端シャフト14は、更に、第2の硬度上昇部分70を有している。第2の硬度上昇部分70は、硬度低下部分68よりも基端側に位置し、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に向かうにつれて硬度が連続的に増加していく部分である。図2の例では、第2の硬度上昇部分70の先端側の硬度は、硬度低下部分68の基端側の硬度と略同一(V2)である。第2の硬度上昇部分70の基端側の硬度は、先端シャフト12の硬度よりも高く、基端シャフト14の母材の硬度と略同一(V1)である。なお、基端シャフト14の母材の硬度は、例えば、第2の硬度上昇部分70の基端から軸方向(基端シャフト14の基端側)に100μm間隔で5点の硬度を測定し、それらの測定点での測定値の平均として求めることができる。
【0036】
基端シャフト14は、更に、第2の硬度平坦部分69を有している。第2の硬度平坦部分69は、硬度低下部分68よりも基端側に位置し、硬度が実質的に変化しない部分である。具体的には、第2の硬度平坦部分69は、ガイドワイヤ100の軸方向において、硬度低下部分68と第2の硬度上昇部分70との間に位置している。図2の例では、第2の硬度平坦部分69の硬度は、硬度低下部分68の基端側の硬度および第2の硬度上昇部分70の先端側の硬度と略同一(V2)である。第2の硬度平坦部分69の先端は、硬度低下部分68の基端に隣接しており、第2の硬度平坦部分69の基端は、第2の硬度上昇部分70の先端に隣接している。なお、ガイドワイヤ100の軸方向における第2の硬度平坦部分69の長さL3は、10μm以上でもよく、ガイドワイヤ100の回転耐久性向上の観点から、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましい。また、第2の硬度平坦部分69の長さL3は、5000μm以下でもよく、3000μm以下でもよい。
【0037】
ガイドワイヤ100の軸方向において、基端シャフト14のうち、硬度低下部分68の先端から、第2の硬度上昇部分70の基端までの距離(すなわち、追加通電部80の長さ)を、第1の距離D1とする。第2の硬度上昇部分70の基端は、特許請求の範囲における硬度低下部分の先端の硬度と実質的に同じ硬度を有する部分の一例である。上述した通り、第2の距離D2は、基端シャフト14における接合界面から硬度低下部分68の先端までの距離である。この場合、第1の距離D1は、第2の距離D2よりも長いことが好ましい。第1の距離D1は、第2の距離D2の1.5倍以上でもよいし、2倍以上でもよい。
【0038】
先端シャフト12は、先端シャフト12の基端を含む基端部62を有している。基端部62の硬度は、先端シャフト12のうち、基端部62よりも先端の側の部分の硬度よりも低い。先端シャフト12の基端部62と基端シャフト14の第1の硬度上昇部分66とは、後述する製造方法の接合工程(S120)において形成される溶接部である。
【0039】
A-3.ガイドワイヤ100の製造方法:
図3は、ガイドワイヤ100の製造過程を示すフローチャートである。本実施形態のガイドワイヤ100は、例えば以下の方法により製造することができる。
【0040】
図3に示すように、まず、機械研磨等によって形状を加工した先端シャフト部材12Pおよび基端シャフト部材14Pを準備する(S110)。図4は、先端シャフト部材12Pと基端シャフト部材14Pとを模式的に示す説明図である。先端シャフト部材12Pは、基端シャフト部材14Pに接合(溶接)される前の先端シャフト12に相当する。基端シャフト部材14Pは、先端シャフト部材12Pに接合(溶接)される前の基端シャフト14に相当する。基端シャフト部材14Pを形成する材料(例えばステンレス鋼)の弾性率は、先端シャフト部材12Pを形成する材料(例えばNi-Ti合金)の弾性率よりも高い。なお、先端シャフト部材12Pは、特許請求の範囲における第1のシャフト部材の一例であり、基端シャフト部材14Pは、特許請求の範囲における第2のシャフト部材の一例である。
【0041】
次に、先端シャフト部材12Pの基端と基端シャフト部材14Pの先端とを溶接する(S120)。この溶接により、先端シャフト部材12Pと基端シャフト部材14Pとの接合部分に溶接部(先端シャフト12の基端部62、基端シャフト14の第1の硬度上昇部分66)が形成される(図4参照)。
【0042】
次に、基端シャフト14のうち、上記溶接部よりも基端シャフト14の基端の側に位置する部分(図4のH部分)に加熱処理を施して軟化させる(S130)。加熱処理としては、公知の方法を利用可能であり、例えば、加熱処理の対象箇所の両端間に電流を流して発熱させる通電式でもよいし、加熱処理の対象箇所にレーザ光を照射して加熱させてもよい。これにより、溶接部に加えて、上記硬度低下部分68等を含む追加通電部80を有するコアシャフト10が作製される。なお、この加熱処理により、ガイドワイヤ100では、コアシャフト10の基端シャフト14における溶接による熱影響範囲である追加通電部80(硬度低下部分68、第2の硬度平坦部分69、第2の硬度上昇部分70)が、先端シャフト12における熱影響範囲(基端部62)よりも長くなっている。なお、例えば、基端シャフト14がステンレス鋼製である場合には、この加熱処理により、基端シャフト14の硬度低下部分68に相当する部分は、例えば、300度以上、800度以下の温度範囲に加熱される。
【0043】
次に、コアシャフト10にコイル体20を接合する(S140)。具体的には、コイル素線を巻回して作製したコイル体20を準備し、コアシャフト10をコイル体20の中空部に挿入し、コイル体20とコアシャフト10とを接合する先端チップ30および基端側接合部40を形成する。なお、先端チップ30は、例えば先端チップ30の形状を形成可能な金型内に溶融樹脂を注入し、その中に、コアシャフト10およびコイル体20の先端部分を浸漬して、冷却することにより形成する。基端側接合部40は、コイル体20の基端側において、コアシャフト10とロウ付けすることにより形成する。例えば以上のような方法により、上述した構成のガイドワイヤ100を製造することができる。
【0044】
A-4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のガイドワイヤ100は、先端シャフト12と、基端シャフト14と、を有するコアシャフト10を備えている(図1参照)。基端シャフト14は、先端が先端シャフト12の基端に接合されている。基端シャフト14は、先端シャフト12を形成する材料よりも高い弾性率を示す材料により形成されている。基端シャフト14は、硬度低下部分68を有している(図2参照)。硬度低下部分68は、基端シャフト14の先端の側から基端シャフト14の基端の側に向かうにつれて硬度が連続的に低下していく部分である。硬度低下部分68の低下率は、30%以上である。このため、ガイドワイヤ100を回転させた際、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部付近に生じ得る応力が分散される。このため、本実施形態によれば、例えば基端シャフト14が硬度低下部分68を有しない構成に比べて、ガイドワイヤ100の回転耐久性(ねじり応力に対する耐久性)を向上させることができる。
【0045】
本実施形態では、ガイドワイヤ100は、先端シャフト12と基端シャフト14との接合体に対して回転耐久性試験を行った際、基端シャフト14のうち、硬度低下部分68の基端側で破断する。このため、本実施形態によれば、ガイドワイヤ100を回転させた際、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部で破断することを抑制することができる。
【0046】
本実施形態では、基端シャフト14は、更に、第1の硬度平坦部分67を有している。第1の硬度平坦部分67は、硬度低下部分68よりも先端側に位置し、硬度が実質的に変化しない部分である。このため、本実施形態によれば、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部と、硬度低下部分68との間に第1の硬度平坦部分67が介在することにより、接合部付近での応力をより効果的に分散させることができる。
【0047】
本実施形態では、硬度低下部分68の先端から、第2の硬度上昇部分70の基端までの第1の距離D1は、基端シャフト14における接合界面から硬度低下部分68の先端までの第2の距離D2よりも長い。このため、本実施形態によれば、第1の距離D1が第2の距離D2以下である構成に比べて、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部付近に生じ得る応力を、より効果的に分散させることができる。
【0048】
A-5.性能評価:
複数のコアシャフト10のサンプルを用いて行った性能評価について、以下説明する。図5は、回転耐久性試験による性能評価結果を示す説明図である。サンプル1~6は、いずれも上述した先端シャフト部材12P(Ni-Ti合金製)と基端シャフト部材14P(Co-Cr系合金 Co:35~70wt%、Cr:20.05wt%、Ni:36.45wt%、Mo:10wt%、CoとCrとNiとの合計含有量が約90wt%)とを溶接(図3のS120参照)により接合したものであり、互いに同一条件で作成した。ただし、サンプル1~3については、硬度低下部分68形成するための加熱処理(図3のS130)が施されておらず、サンプル4~6については、互いに同一条件で該加熱処理が施されている。この加熱処理により、基端シャフト14の硬度低下部分68に相当する部分を約500度の温度に加熱した。各サンプル1~6の軸方向の長さは、約100mmであり、各サンプルの軸方向における中心に接合界面が位置している。また、各サンプル1~6の直径は0.43mmである。この加熱処理では、基端シャフト部材14Pのうち、先端シャフト部材12Pと基端シャフト部材14Pとの接合界面から1mm離間し、かつ、幅が2mmの部分に、約130Aの電流を30msだけ継続して流した。
【0049】
各サンプル1~6に対して、上記回転耐久性試験を行った。図5の「ねじり回数」は、各サンプル1~6が破断したときのねじり回数である。なお、サンプル1,3,5と、サンプル2,4,6とでは、回転させる方向を互いに逆にした。
【0050】
図5に示すように、回転耐久性試験の結果によれば、サンプル4~6のねじり回数が、全体的に、サンプル1~3のねじり回数よりも多いことがわかる。このことは、基端シャフト14に加熱処理を施して硬度低下部分68を形成することにより、ガイドワイヤ100の全体としての回転耐久性が向上していることを意味する。また、サンプル1~3では、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部で破断し、サンプル4~6では、基端シャフト14側で破断した。このことは、基端シャフト14に加熱処理を施して硬度低下部分68を形成することにより、接合部での破断を抑制することができることを意味する。
【0051】
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態におけるコアシャフト10の接合部付近におけるビッカース硬度を示す説明図である。以下では、第2実施形態におけるコアシャフト10の構成のうち、第1実施形態のコアシャフト10と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
【0052】
上記第1実施形態のコアシャフト10は、第1の硬度上昇部分66と硬度低下部分68との間に第1の硬度平坦部分67を有していた。これに対して、図6のグラフG1に示すように、第2実施形態のコアシャフト10は、第1の硬度平坦部分67を有しない。すなわち、第1の硬度上昇部分66の基端と硬度低下部分68の先端とが隣接している。このような第1の硬度平坦部分67を有しない構成でも、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部と、硬度低下部分68との間に第1の硬度平坦部分67が介在することにより、接合部付近での応力をより効果的に分散させることができる。
【0053】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0054】
上記実施形態におけるガイドワイヤ100およびコアシャフト10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、先端シャフト12の形状は、全長にわたって外径で同一である円筒状でもよい。また、先端シャフト12と基端シャフト14とは、溶接に限らず、他の接合方法(例えば接着など)により接合されていてもよい。
【0055】
上記各実施形態では、コアシャフト10の各部位の中心部(中心軸付近)におけるビッカース硬度を測定し、各部位の硬度としたが、これに限らず、例えば、コアシャフト10の各部位の外周面におけるビッカース硬度を測定し、各部位の硬度としてもよい。
【0056】
上記各実施形態において、コアシャフト10は、第1の硬度上昇部分66と第2の硬度平坦部分69と第2の硬度上昇部分70との少なくも1つを有しない構成でもよい。
【0057】
上記各実施形態における各部材の材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ガイドワイヤ100は、第2のシャフト(基端シャフト14)を形成する材料の弾性率が、第1のシャフト(先端シャフト12)を形成する材料の弾性率よりも高い構成であったが、これに限らず、第2のシャフトを形成する材料の弾性率が、第1のシャフトを形成する材料の弾性率よりも低い構成でも、本発明を適用することにより、ガイドワイヤの回転耐久性を向上させることができる。また、上記実施形態におけるガイドワイヤの製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、S130において、加熱処理を施す部分Hは、先端シャフト12と基端シャフト14との接合部に重複してもよいが、接合部から離間していることが好ましい。
【符号の説明】
【0058】
10:コアシャフト 11:細径部 12:先端シャフト 12P:先端シャフト部材 13:太径部 14:基端シャフト 14:基端シャフト部材 15:テーパ部 20:コイル体 30:先端チップ 40:基端側接合部 62:基端部 66:第1の硬度上昇部分 67:第1の硬度平坦部分 68:硬度低下部分 69:第2の硬度平坦部分 70:第2の硬度上昇部分 80:追加通電部 100:ガイドワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6